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資料1-2:特別支援教育の在り方に関する特別委員会(第12回及び第13回)における教職員の確保及び専門性の向上に関する主な意見

(1)総論

○1 教員免許状を取得し、特別支援教育に必要な基礎的な知識を持つことは最低限度として大切なことである。一方で、その知識の中から、その子どもにとって必要な支援は何かをアセスメントし、支援計画、指導計画に反映する技術は大切な専門性である。この二つが機能しないと、子どもに対する支援は充実しない。個々の教員ではなくとも、アセスメントが行えるシステムを同時に構築していくことが重要である。

○2 特別支援教育の専門性に関し、例えば発達障害について、専門性が低くて良いわけではなく、担当教員は専門性を高めなければいけない。すべての教員が持つ基礎的な部分と、それぞれの教員が持つ高い専門性の両方がないと、低発生頻度障害だけが専門性が高く、高発生頻度障害の方は専門性が低くても良いように読める。

○3 高発生頻度障害と低発生頻度障害に関し、高発生頻度障害は発達障害等であり、低発生頻度障害は、視覚障害、聴覚障害、肢体不自由、病弱、知的障害、重度・重複となる。

○4 高発生頻度障害、低発生頻度障害と分けると、なかなか整理しにくい状況がある。

○5 フィンランドの例に見られるように、LD等の発達障害については、小・中学校の教員が十分対応できるようにすべきである。発達障害についても専門性は必要であるが、対象となる人数が多いため、教員全員が専門性を持っていないと、ドロップアウトしていく子どもが出てくる。

○6 教員の質を高めるために一番重視すべきは、校長の質を高めるということである。校長のマネジメント、校長のリーダーシップを発揮するための底上げなどが、これからの大きな問題である。

○7 合理的配慮については、特別支援教育の専門性として、しっかりと位置付けていくことが必要である。これは担当教員、特別支援教育コーディネーター、学校外のボランティアといった特別支援教育に関わる方はもちろんのこと、全体として、合理的配慮に対する認識を高めていくことが重要である。全国民が認識することが重要ではあるが、まず、特別支援教育に関わる教員や担い手は、合理的配慮についての認識と行動力を持っていただきたい。

○8 特別支援教育の専門性とともに、特に中等教育においては、教科の専門性が犠牲にならないよう留意する必要がある。時間が限られている中で、何かに集中すると何かが弱くなるということが起きてくるという中で教員養成の6年制も視野に入れて考えるべき。

○9 高発生頻度障害だけではなく、小児糖尿等の小児科の病気についても、すべての教師が教員免許を取るときに、最低限の知識と指導方法を大学でしっかり学ぶべきである。
 これは、幼稚園や保育園の教員も同様である。また、校長になる際に、高発生頻度障害や病気について学ばなければならないことにすべきである。

○10 教員として新規採用になって1年続かずやめる人も多くなっており、あまり教員の肩の荷を重くすると、なり手がますますなくなるのではないか。

○11 校長の指導、専門性は重要であるが、教育委員会の指導主事の専門性も重要である。教育委員会の指導主事が、発達障害についての理解がないケースがよくある。進んでいる自治体では、指導主事の研修を徹底している。生徒指導課が発達的な視点を持って、子どもの問題行動を理解することに取り組んでいる。学校を指導する指導主事が理解していなければ、適切な指導が行き渡らない。

(2)特別支援学校教員の専門性

○1 特別支援学校の教員は必ず特別支援学校教諭免許状を持つという方向で進めるべきである。そのため、保有率の計画的な引上げの方策として、同免許状がなくて特別支援学校に転勤した人には、必ず保有を義務付けるということを教育委員会が行うべきである。また、大学の教員養成課程が限られている障害種についての教員確保については、大学と教育委員会で連携はしているが、予算措置も含め体制作りを教育委員会、国の施策として実施すべきである。

○2 特別支援学校の教員について、「当分の間」を外しても良いが、調整額を変えてはどうか。特別支援学校において勤務すれば小中高の免許でやる場合には、調整額を配慮しなくても良い。免許を持っていないから納得はできると思う。

○3 特別支援学校の教員免許の義務付けは賛成。ただし、現在、臨時的任用で教員が配置されたり、あるいは期限付きで配置されたりしている状況が、全国的にあることを懸念する。その状況をなるべく早く打破していくのが重要である。

○4 免許の保有率を100%にする過程においては、免許がない場合は3年以内で取るような義務付けなどの条件整備や現在順番待ちになっている認定講習について現職の教員であれば最優先で認定講習が受けられるということが必要である。

○5 特別支援学校に、地域の学校と同じレベルの教育を求めることが、今の特別支援教育の免許状と考えると、ろう学校、盲学校、養護学校の免許状が統合され、非常に浅い内容になってしまったのではないか、と懸念する。これを解決するには、例えば、大学の養成課程の教育期間を2年間延長して、特別支援教育に関しての免許を取る授業を受けるためには、6年間学ばなければならないということも考えるべき。

○6 重複障害については、知的障害と視覚障害・聴覚障害もあるが、一番深刻なのは、自閉症と視覚障害・聴覚障害である。自閉的な要素があると、社会に出てから苦労する。認知に偏りがあることについても、専門性を高めて、視覚障害・聴覚障害の教員に取り組んでもらいたい。

○7 視覚障害・聴覚障害で発達障害の子どもがおり、発達障害を共通のテーマとして学ばなければいけない。しかし、視覚障害・聴覚障害について、専門的なことを学ぶには多くの時間がかかり、また、多くの経験も必要である。別途特殊な専門性の高いことを学べる環境を整備し、分けて教員養成を図るべきである。

○8 特別支援学校教諭の免状を取るときに、その教員が何の専門かを明確にする必要がある。ろうを専門とする、発達障害を専門とする、或いは、ろうがメジャーで、発達障害がセカンドメジャー。特に、近年多い重複障害については高度な専門性が必要であることを免許状所得の際に徹底する必要がある。

○9 特別支援学校のセンター的機能を考えれば、特別支援学校の教員は発達障害、各障害にも両方対応できるという方向性で専門性を向上させていくことが必要である。

○10 特別支援学校教員に、今、求められているものは、コミュニケーション能力である。得意とする教員も苦手とする教員も現実的にはいる。全員をコミュニケーション豊かにするということではなく、コミュニケーションを得意とする教員が窓口となるなどいろいろな方法があると思う。学校現場では連携が不可欠であり、大学でも、そういった内容を学ぶべきである。

(3)小・中学校の特別支援教育担当教員等(特別支援学級担任、通級指導担当教員)の専門性

○1 特別支援教育の免許状にし、その土台の上に、専門性を載せる形が良い。特に小・中学校における、発達障害の児童生徒に対する支援を考えたときに、学習指導要領も免許状も、特別支援学校という枠を土台にしているが、例えばLDやADHDや高機能自閉症を見た場合、そこからひもとくことはまず難しい。特別支援学校で支援を受けている児童生徒数よりも、小・中学校で支援を受けている児童生徒数の方が多くなってきている。それらを踏まえると、特別支援学級、通級による指導担当教員の専門性の向上のためには、特別支援教育の教員免許状にすべきである。

○2 特別支援教育教諭免許状が近い将来にできないとすれば、現在の特別支援学校教諭二種免許状レベルのものを、特別支援学級を担当する教員には持っていてほしい。

○3 特別支援学級で免許を持っているのは30%台であり、これを引き上げていくのは、喫緊の課題。保護者の信頼を得るためには、担任の先生は、ここまでの免許は持っていると示せるようにする。何らかの免許制度を考えていかないと、なかなか保有率を向上していくのは難しい。

○4 特別支援学級の教員の専門性については何らかの免許保有を義務付けるべきである。特別支援学校の教員と異なる免許状とするかは議論が分かれると考えるが、専門性が担保されなければ、「多様な学びの場」は担保されないと考える。その際、OJTをしっかりやるべきである。

○5 特別支援学級、通級指導担当教員の免許については、ここ数年、それぞれの学校で特別支援学校教諭の免許を取るように教員には勧めている。認定講習や放送大学で取る努力をしているが、仕事をしながら取るのは、非常に困難というのが実態。特別支援学校教諭の免許ではなくて特別支援学級に適した免許制度があれば良い。

○6 特別支援学級の担当教員には、それぞれの障害種別に加えて発達障害に関する理解に関する内容を含めた免許状を創設すべきである。なぜなら、既に発達障害の理解は進んでおり、現在は、指導内容・方法や二次障害を起こした場合の対応についての情報共有が求められている。それらについて、どの特別支援学級の担当教員でも理解し近隣の小中学校からの相談にも応じられる体制作りを急ぐべき。

○7 特別支援学級担当教員の免許状は、長期的な議論であり、今必要とされているのは、早急に通常の学級や特別支援学級で専門性の高い教員を確保することである。例えば、特別支援学級を担当する教員については、認定や研修を受けたことを証明することも方法の一つではないか。

○8 特別支援学級や通級指導の担当教員の資質の向上について、現職のまま、特別支援学校教諭免許状は取りづらい。授業研究をして、その指導ができる元校長先生や元特別支援学級担任を講師として具体的に指導して力をつけてもらうことが大事である。これを教育委員会が認めるポイント制にし、ある一定のポイントまでは取って、授業を行いながら研修が深め、専門性を高め、特別支援学級の教員としての資質を確保することを提案したい。

○9 小・中学校の特別支援学級や通級指導担当教員の免許の保有率をまず高めた上で、特別支援学校と特別支援学級との交流が行われるべきである。それぞれの専門性が薄くなってしまうという危険性があるのではないか。

○10 特別支援学校と特別支援学級の間の人事交流を行わない限り、現状では、特別支援学級の精度が上がらないと考える。

○11 一部の教員は常に特別支援学級に配置されるが、多くの教員は通常の学級と特別支援学級を行き来するので、長期間にわたり確保できる専門性は、机上の空論になってしまう。特別支援学級の担任が複数いる中に特別支援学校の教員が一人入るだけでも、随分日常的なOJTができるだろう。

(4)特別支援教育コーディネーターの専門性

○1 発達障害の大部分は通常の学級に在籍しており、そのグレーゾーンの取扱いにこそ専門性は問われる。グレーゾーンの子どもたちは、教育方法により才能を開花させる効果が一番上がる部分である。中学校、高等学校でトラブルが起きてからではなく、小学校にこそ専門性が問われる。小学校のコーディネーターの資格を発達障害の概念に照らし合わせて議論することが必要ではないか。

○2 特別支援教育コーディネーターの専門性として、障害についての専門性を高めるべき、という声があるが、障害全部がわかる人は誰もいない。

○3 3年以上の経験のあるコーディネーターと今年初めてコーディネーターになる人たちが10人ぐらいのグループになり、学校での苦労や必要な情報を伝える研修の場を作りつつある自治体もある。専門性として、組織を動かせる、コーディネートをして役割分担ができるようになってほしい。

○4 校外研修だけでは、本人、職場の仲間の負担になる。コーディネーターが学校で研修をできるような、そういう制度とセットで考えるべき。

○5 特別支援教育コーディネーターの専門性については、障害のある者の支援は教育のみならず多様な支援がある。幅広い障害者をめぐる行政サービス等を把握した上で、その対象者の状況に応じたコーディネートができることが重要である。その場合、民間の支援についても把握していることが有用である。そのため、研修については多様な当事者の立場や声を聞くなどにより、それをケースカンファレンスとするような実質的な研修が現実的には有用ではないか。

○6 特別支援教育コーディネーターについては、養護教諭を担当にしている学校が多いが、それに加えて、主幹、主任クラスの人を付けるような学校経営上の配慮をしないと難しい。

○7 コーディネーターに養護教員がなっている例があるが、教室に入れなくて保健室までは行ける子どもの対応として、また、医療との窓口として、養護教諭の役割は重要である。

(5)特別支援教育担当教員以外の教員の専門性

○1 発達障害に関しては、各クラス1人や2人いるような状況であり、教員だれもが持っているべき基礎的な知識という分類になってく。一般的な教員免許状でもしっかりと勉強するという仕組みづくりが必要ではないか。

○2 子どもたちはいろいろ合わせ持ちやすいので、特別支援教育の知識に加えて健康状態も把握しておく必要がある。養護教諭と連携するとともに、健康状態について学ぶべきである。

○3 福祉と医療との連携、ネットワークをつくるということが必要、教育課程の中で教育実習をすることがあると思うが、今後は教育現場だけではなく、福祉施設であるとか、医療の現場にも、期間は短くても実習する機会を設けても良いのではないか。

○4 現状では、介護等体験として1週間、5日間を福祉の現場で、2日間を特別支援学校で学ぶといった取組は導入されている。

(6)特別支援教育支援員

○1 特別支援教育支援員について、介助と学習面と2種類あるとすると、学習面については、教員免許が必要。特別支援教育支援員は、担任の指示の下で支援するとなっているが、アンケートを取ってみると、例えば、守秘義務や個人情報の扱い、公務員としての心得・倫理、学校の仕組み、担任との共同をどうしたらいいかといった研修が一切行われていないという実態がある。最初の研修や半年経った際のフォローアップの研修が必要である。支援員の資質を高める研修を実施するべきである。

○2 特別支援教育支援員について、教員の行うべき仕事と支援員の行うべき仕事が決して混乱しないようにしてほしい。支援員は、教育を受ける際の必要な支援をサポートする立場と考える。

○3 特別支援教育支援員については、教員免許を持つことが必修条件ではないか。

(7)教職員への障害のある者の採用・人事配置

○1 専門的な知識を持った当事者の教職員がいることにより、その教職員から他の教員が専門性を学んだり、障害それぞれの特性を学んだり、さらには環境整備ができたりする。

(8)学校外の専門家、親の会、NPO、学校支援ボランティア等との連携

○1 特別支援教育の中で多様な子どもたちのニーズにきちんと応えていくためには、教員だけでは対応できない。例えば、心理職、OT、PT、STの活用することにより、特別支援教育で求められているような子どもたちへの支援ができるのではないか。

○2 親の会やNPOの中に、地域ですばらしい活動をしているところがあり、それらと連携することが良い。なかなか数多くあるわけではないというのが実態であり、NPO、親の会は、組織が脆弱なところがあって、永続的にやっていくことが難しいところもある。国の財政事情等を考えていくと、そういった民間の力をある程度生かしていくべきである。そのため、先行投資として、親の会、NPO等の組織が脆弱なところを支援、育成し、使っていくことが国や自治体において必要である。

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-- 登録:平成23年12月 --