ここからサイトの主なメニューです

参考資料19:合理的配慮についての特別委員会における意見等

合理的配慮についての特別委員会における意見等

(合理的配慮全般)

○障害のある子どもを小・中学校で教育するための環境・施設・設備が整っていなければ、理念だけが先走ってしまいがちになり、現実的には子どもたちも教職員も、それぞれの子どもの能力を十分発達させていくことが難しくなる。

○合理的配慮の実施にあたっては、十分に環境が整い、制度設計が終わってからでないと、不十分なままでは、子ども達が不便な思いをすることになる。

○教育条件の整備と財政との関係は大きく、教育条件の整備のためには、財政的な裏付けが必要である。

○障害のある人、子どもに対しては、配慮しなければならないが、障害のない人、子どもたちの関係も考慮する必要がある。

○差別、間接差別、合理的配慮を整理するのはなかなか難しいかもしれないが、この点を踏まえて議論する必要がある。

○具体的な合理的配慮のイメージについて、より一層、この委員会を含めて提案していかないと、一部の教員や保護者、当事者が認識したとしても、まだ地域全体の理解のための啓発が必要である。

○具体的に合理的配慮を進めていく時の基準をどう示していけばいいのか。特別支援学校や特別支援学級という実践を踏まえて、それと同等が良いのか、違う形を提案していくのが良いのか。

○合理的配慮というのは社会モデルの考え方に基づいており、障害者の問題というのは、障害者が幾ら頑張っても頑張り切れない、社会の側の環境を変えていくことによって問題解決する、あるいは障害を削減できるということである。

○ハード面の整備だが、これはお金の問題が大変だが、逆に単純な問題である。より本質的な問題はソフト面であろう。ハード面ではなく、まず、ソフト面の議論をしないといけないと思う。

○障害種ごとに合理的配慮は大きく異なる。

○日本においては、高発生頻度障害(発生頻度が非常に高い障害)が通常学級の中であまり特定されないまま中に入れ込まれてしまっているというのが問題。通常学級に既にいるたくさんの支援を必要としている子どもたちへの高発生頻度障害への配慮と、それから、盲・ろう、重度・重複等の低発生頻度障害(盲ろう、重度重複など)の専門性の養成及び維持については、別々な検討が必要なのではないか。英国や米国においては、分けて進められている。

(ソフト面)

○障害のある子ども、ない子どもが一緒に勉強する上で、垣根をなくすためのカリキュラムを含め、意識を変えていくためのカリキュラム作りが必要である。

○小・中学校で自立活動の指導を可能にするため、「特別な指導」の教育課程上の位置付けを明確にする学習指導要領の改訂が必要である。

○都道府県の実践例によれば、通常の学級で指導を行う場合、現行制度では、障害の重い児童生徒でも、通常の小・中学校の学習指導要領における教育課程を行う必要があり、重い知的障害の場合には、障害のない児童生徒の学習内容や学習活動と一体化した学習には困難さがあり、教育課程の編成が難しい。対象児の学年が上がるにつれて当該学年で求められる学習課題と対象児の理解力のレベルの差が開いていく傾向があり、とりわけ中学校段階では顕著になる。対象児の中には、小学校中学年あるいは中学校入学を機に特別支援学級への学籍移動や特別支援学校への転学を希望する例が見られ、その理由として、学習進路や学習内容への不適応が挙げられる。また、厳しい財政事情の中、学習支援室の設置や配置教員等の財源をどう確保するかが課題となっている。

○知的障害のある児童生徒への配慮事項として、一人一人の障害の状態等に合わせたきめ細かい「オーダーメイド」の教育課程が必要である。

○知的障害である子ども一人一人に応じた、その個別性に応じた目標、内容、方法を設けることを可能とする教育課程が必要であり、教育課程編成自体が知的障害のある子どもにとって重要な合理的配慮の一つという認識ができるのではないか。

○教育現場の体制整備として、校長や教員のマネジメント能力の向上、情報共有の制度化などが必要である。

○通常の小・中学校や高等学校で求められている特別支援教育は、特別支援学校の教育に準じた教育という考え方はもう通用しない。学習指導要領が改訂され、その中で通常の小・中学校においても、ニーズのある子どもについては個別の教育支援計画を作成して指導するとなっており、それらの指導の教育課程や内容については、小・中学校の学習指導要領に示されておらず、特別支援学校の学習指導要領を参考にしながら指導するとなっている。ところが、例えば発達障害、LD、ADHD、自閉症になると、特別支援学校には自閉症や発達障害という障害種別がないことから、そのための教育課程というのは示されてない。

○幼稚園では障害のある幼児が在籍しており、障害のない子とともに生活を楽しんでいることが多く、時間、空間の区切りが緩やかで、子どもたちが受け入れられやすいし、一緒に学ぶ時間も多い。小・中学校では、一緒に学びつつも、場合により障害の種類や程度に応じて違う教育を考えつつ、バランスが大切と考えている。子どもの学びのスタイルの視点からも検討が必要。集団の中で何を学んでいるかについても焦点を当てて議論が進んでいけばと思う。

○就労との連携が教育現場には必要であり、子どもたちが達成感や成功体験を感じる上で、教室の現場だけではなくて、クラブ活動、校外活動、交流授業が大変効果があると聞いている。

○教科書・教材については、教科書バリアフリー法ができて最初の一歩として進められているが、今後どのような形で教材をどのような子どもたちに提供していくのか、検討していくことが必要である。

○合理的配慮については、日々の教育の場で提供するもののほか、全国で行われる共通試験を実施するときに提供するものを整理していくことが必要と思う。米国では、試験においては、その結果がその合理的配慮によって影響を受けてしまうことを避けるため、合理的配慮は、あくまで試験を受けることのアクセスを容易にするもので、試験のパフォーマンスのプラスにならないものとすることが必要とされている。

○英国では、学校についての差別禁止義務があり、障害のある子どもの入学に適切に対応しているか、停学や退学について障害であることを考慮しているか、あるいはその障害に対して合理的な手順を踏んだか、日常的な教育や関連サービスにおいてとった行動が差別になっていないか、といったことが問われる。また、企画義務として、物理的な施設へのアクセスや情報をアクセシブルなフォーマットで障害のある生徒に提供すること、教育課程へのアクセスがあり、これらについては、一定の長い時間をかけて戦略的・計画的に進めている。

○知的障害を伴う自閉症の子どもが見通しを立てながら生活を送っていくためには、まず入れる情報の数を制限するというのは、一番大切な合理的配慮ではないか。小学校、特に学級の中の環境というのは、自閉を伴う子どもにとって苦痛を伴うと言ってもおかしくないような、たくさんの情報にあふれた環境になっており、ある程度情報が制御されたような状態を事前に整えなければいけない。

○国は、ろう学校教員が手話言語を習得し、指導するための教材を開発し、全てのろう学校に無償で配布すること、ろう学校教職員の手話言語力、手話指導力及び学習指導力を習得するために研修制度を実施しその普及に努めることが必要である。

(ハード面)

○通常の学級では介助員など様々な人材が必要になる。また、高学年になると全体での学習が難しくなってくる。

○安全管理や情報保障のための支援員の配置が必要である。

○支援員に加えて、巡回アドバイザーとして、小・中学校を巡回して指導する教員を配置している都道府県の例もある。

○教育現場の体制整備として、クールダウンスペースの設置、リレーションルームの設置、学習スタイルの多様化を踏まえた教科書・副教材の提供、情報保障としての図書室/図書館の充実、校外委嘱等アウトソーシングなどが必要である。

○指導と一体化させた教材教具の普及が必要である。

○環境整備については、特別支援学校の状況が大変厳しい。充実した特別支援教育を保護者が期待して、特別支援学校を希望する場合が増えてきている。

○肢体不自由や病弱のある児童生徒への配慮事項として、バリアフリー環境の整備、外部専門家と連携した専門的指導が必要である。また、医療的ケアを必要とする児童生徒については、安心して通学できる環境が整った特別支援学校でなければ生命の保障すらならず、濃厚な医療や全面的な介助が必要な児童生徒の教育の在り方については、現実を直視した合理的配慮の検討が必要である。

○重度心身障害児への適切な教育が行われるためには、学校での適切な空間的環境などの基礎的条件の整備、充分な知識と技量を持った教育スタッフチームの配置・育成、看護師と教員が連携した学校における医療的ケアの実施体制の整備が必要である。

○重症心身障害児の教育上の配慮について、医療的に重度だから特別支援学校ではならなくてはならないということではなく、通常の学校でも十分進められるべき。ただ、全国的に費用について制約がある中で、このような子どもたちが学校に通えるためにはシステムとして、いままでの体制で進められてきたことが継承されるべきである。

○視覚や聴覚に障害のある児童生徒への配慮事項として、点字・手話等のさまざまなコミュニケーション手段の保障及び早期からの教育、障害に配慮した学習環境の整備、同じ学習環境で学ぶための一定程度の集団の確保、専門的指導・支援のための設備・機器の整備が大切である。

○ろう児には集団性が担保されるろう学校が最も適した環境であり、ろう学校を制度的に整備することが必要である。そのためには、○1集団生活における言語力及びコミュニケーション力を育成するシステム(教職員等の手話言語力、手話指導力、学科指導力の向上のための研修、評価など)、○2インクルーシブ社会における個々の役割と活躍が期待され、自らの障害を認識するシステム(原則としてろう学校に主籍、地域の小・中学校に支援籍を置き地域の子どもとして学習するなど)、○3地域社会とのネットワークを築き、地域社会に貢献し、インクルーシブ社会を推進するシステムの構築が必要である。

お問合せ先

初等中等教育局特別支援教育課

(初等中等教育局特別支援教育課)

-- 登録:平成23年01月 --