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資料1 昭和46年給特法制定の背景及び制定までの経緯について

 昭和46年給特法制定の背景 

(1)教員の給与について

○ 昭和23年の公務員の給与制度改革により、1週間の拘束時間の長短に応じた給与を支給することとなったが、教員の給与については、勤務の特殊性から、1週48時間以上勤務するものとして、一般公務員より一割程度高い俸給が支給されることとなったことに併せ、教員に対しては超過勤務手当は支給されないこととされ、文部省では、超過勤務を命じないよう指導してきた。

・「教員の勤務時間について」(昭和24年2月5日発学第46号文部事務次官通達)
 (抄)
 三 超過勤務について
 (1) 勤務の態様が区々で学校外で勤務する場合等は学校の長が監督することは実際上困難であるので原則として超過勤務は命じないこと。                     

○ しかしながら、昭和32年に等級別の給与体系に移り、それ以後この等級別俸給表が毎年改訂され、併せて俸給表の構成も種々改正される過程で、従前の教員給与の有利性が必ずしも明確ではなくなっており、人材確保等のため、教員給与について待遇の改善が求められていた。

(2)超勤訴訟について

○ 教員の超過勤務については、上記のとおり、原則としてこれを命じない指導方針がとられてきたが、この指導にもかかわらず、実態においては、なお教員が時間外にわたって仕事を行うことが認められること、また一方教員の給与制度はその後幾多の変遷を経ることとなったことから、教員にかかる時間外勤務とそれに対する給与上の措置について理解が分かれ、その結果、超過勤務手当の支給を求めるいわゆる「超勤訴訟」が全国一斉に提起された。

・昭和43年前後の超勤訴訟の例(提訴日)
北海道 昭和43年7月30日     鳥取県 昭和43年6月20日
群馬県 昭和42年9月25日     島根県 昭和43年2月23日
千葉県 昭和45年9月24日     高知県 昭和43年3月31日
新潟県 昭和43年3月15日     福岡県 昭和43年5月9日
長野県 昭和41年7月18日     宮崎県 昭和43年3月28日
静岡県 昭和41年1月8日       鹿児島県 昭和43年4月11日
三重県 昭和43年4月16日     京都市 昭和43年12月25日
京都府 昭和43年12月25日    北九州市 昭和43年5月14日         

○ これらの訴訟の判決においては、教員に超過勤務の観念を認めることはその労働の性質と相容れないものではなく、超過勤務に対しては、超過勤務手当を支給すべきとしているものがあった。

<参考:最高裁の判例 ※判決の時期は給特法制定以後>                     
 1 時間外勤務手当等請求事件(昭和四七年四月六日最高裁第一小法廷判決)      
・・・職員会議に出席することが教職員の職務の範囲に属するものであり、・・・被上告人らに対して事実上の拘束力をもつものであるとする原審の判断は、正当として首肯しうるところである。 してみると、本件時間外勤務に対しては、・・・時間外勤務手当の支給を拒むことができないとした原審の判断は、結局正当であり、・・・。    

2 時間外勤務手当請求事件(昭和四七年一二月二六日最高裁第三小法廷判決)  
 ・・・本件における各学校行事、職員会議等に参加することが被上告人ら教職員の職務の範囲に属するものであり、また、被上告人らに対する各所属学校長の本件時間外勤務命令の拘束力につき、右命令がされた当時客観的に法規に反し明白に無効なものであるとまではいいえない以上,被上告人らは上司の職務上の命令としてこれに服従せざるを得ないような立場に置かれているものと解すべきが当然であるとした原判決の認定判断は、正当として首肯することができる。 してみると、・・・本件時間外勤務をした被上告人ら教職員についても時間外勤務手当請求権は認められるべきであるとした原審の判断は、結局正当である。   

昭和46年の給特法制定までの経緯 

○ 上記(1)及び(2)といった問題を踏まえ、人事院が教員の超過勤務手当の問題について指摘をし、これを契機に文部大臣と人事院総裁との会談が行われ、「教員の勤務の実態を明確にする必要があり、両者協力して、調査、検討する必要がある」趣旨の確認が行われ、昭和41年度間の教職員の勤務状況の実態調査が行われた。

○ この調査結果に基づき、超過勤務手当に代えて勤務時間の外を評価した教職特別手当を支給すべく昭和43年に「教育公務員特例法の一部を改正する法律案」を国会へ提出したが、廃案となった。

○ 昭和46年に至り、同年2月の人事院の意見の申出を受けて、文部省は、教員の勤務を勤務時間内外を区別せず、包括的に再評価する教職調整額を支給し、超過勤務手当制度を適用しないこととする「国立及び公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法案」を作成し、国会へ提出した。

○ 昭和46年5月に本法案が国会で成立し、多年の懸案でありかつ学校の管理・運営上の大きな問題であったいわゆる超勤問題の解決が図られるとともに、当時求められていた教員の給与制度の抜本的改善に向けた第一歩が踏み出されることになった。

○ なお、この後、教員給与の一層の改善について、昭和46年9月に中央教育審議会答申「今後における学校教育の総合的な拡充整備のための基本的施策について」で提言がなされ、昭和49年「学校教育の水準の維持向上のための義務教育諸学校の教育職員の人材確保に関する特別措置法」が制定され、教員給与の改善の実現につながっていった。 

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