(参考2) これからの教員の勤務の在り方等に関する中央教育審議会答申等

○「今後の教員給与の在り方について(答申)」(平成19年3月29日中央教育審議会)

第一章 教員給与をはじめとした処遇の在り方についての基本的な考え方

(中略)
○社会の価値観の多様化や地域や家庭の教育力の低下など、近年の学校を取り巻く環境の変化の中で、学校教育に対する過度な期待や学校教育が抱える課題の一層の複雑化・多様化が進んできている。このような中、学校の管理運営や外部対応に関わる業務が増えてきており、結果として教員に子どもたちの指導の時間の余裕がなくなってきている。
 このような状況を踏まえ、教員の職務について見直しを行い、それぞれの職に応じた役割分担の明確化を図るとともに、学校事務の軽減・効率化又は事務体制の強化を図ることなどにより、教員が子どもたちの指導により専念できるような環境を整備していくことが必要である。
 さらに、学校を取り巻く環境の変化により、学校運営に係る業務が増大してきていることを踏まえ、新たな職の設置も含めて学校の組織運営体制の見直しを図ることにより、学校運営の効率化を進めていくことも必要である。
○このような教員の職務の見直しや新たな職の設置を踏まえつつ、教員が、教員としての使命感や誇り、熱意を持って子どもたちの指導を行っていくことができるよう、教員の職務と責任の特殊性に応じて適切に給与が定められ、処遇されなければならない。
 このためには、まず、教員という職業が魅力あるものとなり、教員に優秀な人材が確保されるよう、やりがいのある職務内容とし、その職務に合致した勤務形態にするとともに、教員の給与の一定程度の水準が安定的に確保され、安心して教育活動に取り組むことができるようにすることが必要である。
 また、教員が適切に評価され、教員の士気が高まり、教育活動が活性化されていくためにも、それぞれの職務に応じてメリハリを付けた教員給与にしていくことが必要である。(以下略)

第二章 教員の校務と学校の組織運営体制の見直し

1.教員の校務と学校事務の見直し
(中略)
○このため、教員の校務について見直しを行い、校長、教頭、教諭、助教諭、講師や事務職員などのそれぞれの職に応じた役割分担の明確化を図り、教諭、助教諭、講師(以下「教諭等」という)が子どもたちの指導のための時間を十分に確保できるようにすることが必要である。
 また、校長及び教頭は、学校組織のマネジメントをしっかりと行い、特定の教員の勤務負担が過重にならないよう、教員の時間外勤務の縮減や勤務負担の適正化等を図る必要がある。
(中略)

2.学校の組織運営体制の見直し
(中略)
○各学校においては、校務分掌上の部科や主任の在り方等既存の学校組織の在り方の見直しを行うとともに、必要に応じて都道府県・政令指定都市教育委員会から教頭の複数配置、主幹(仮称)や事務長(仮称)の配置などを受けることにより、一層効率的な学校運営組織の構築を図るとともに、校務分掌や役割分担の在り方を整理していくことが必要である。
(中略) 

第三章 メリハリある教員給与の在り方

(中略)
2.教員の給料の見直し
○教員が適切に評価され、教員の士気が高まり、教育活動が活性化されていくためにも、それぞれの職務に応じてメリハリを付けた教員給与にしていくことが必要である。
(中略)

3.教職調整額の見直し
(中略)
○教員勤務実態調査暫定集計の結果によれば、昭和41年の勤務状況調査の結果と比べ、残業時間が増加している。また、同結果によれば、例えば、通常期の小中学校の教諭の1日あたりの平均残業時間が5時間以上の者がいる一方で0分の者もいるなど、教員間の勤務時間の差が著しく大きくなってきている。
○さらに、文部科学省が平成18年に実施した教員意識調査の結果によれば、「仕事量が多すぎて、今のままでは長く続けられそうにない」との項目について、約36パーセントの教員が「あてはまる」又は「どちらかといえばあてはまる」と回答している一方で、約31パーセントの教員が「あてはまらない」又は「どちらかといえばあてはまらない」と回答しているなど、教員間の仕事量への負担感の差が開いている。
○ このように、教職調整額の制度と実態との乖離が進んできていることから、教員に一律支給されている教職調整額の在り方について見直しを行う必要がある。
(以下略)

○「学校の組織運営の在り方について(作業部会の審議のまとめ)」(平成16年12月20日中央教育審議会 初等中等教育分科会 教育行財政部会 学校の組織運営に関する作業部会)

(1)学校運営をめぐる現状と課題
(中略)
 しかし、主体的な特色ある学校づくりが求められ、そのための学校の権限の拡大が図られているなかでは、学校が自らその権限を責任を持って適切に行使していかなければならない。それを実現するには、個々の教職員の活動をより有機的に結び付け、組織的な学校運営を行う体制を整えることが必要である。さらに、学校については、その組織が分かりにくく責任の所在が不明確であるとの指摘があるが、より多くの権限を移譲するのであれば、より透明性の高い組織運営を行うことも大切である。このことは、開かれた、信頼される学校づくりを進める上でも求められるものである。
 また、他の組織と異なる学校の特質として、例えば一人の児童生徒の指導について多くの教職員がかかわっているなど、教育活動の成果について一人一人の業務に分けてこれをとらえることが難しく、集団としての活動としてとらえる必要があるという点が挙げられる。学校の組織運営体制について検討する場合、このような特質に留意し、個々の教職員が自らの職責を自覚しながら能力や個性を発揮するとともに、チームとしての力を生かしつつ学校組織全体の総合力を高めるよう、組織全体として有機的な運営が行われる態勢を作ることが必要である。
(以下略)

○「夏季休業期間等における公立学校の教育職員の勤務管理について」
(平成14年7月4日14初初企第14号初等中等教育企画課長通知)

(中略)
 今月中にも始まる本年度の夏季休業期間についても、「まとめ取り方式」廃止後、初の長期休業期間であることから、この間の教員の勤務状況について地域住民や保護者等の疑念を抱かれないことはもとより、この休業期間を教職員の資質向上等に有効に活用し、情報公開等においても十分理解を得られるよう、勤務管理の適正を徹底することは極めて重要であります。
(中略)

2 教育公務員特例法(昭和24年法律第1号)第02条第2項に基づく研修(以下「職専免研修」という。)について、以下の点に留意しつつ、その適正な運用に努めること。(中略)
(2)職専免の承認を行うに当たっては、当然のことながら、自宅での休養や自己の用務等の研修の実態は伴わないものはもとより、職務と全く関係のないようなものや職務への反映が認められないもの等、その内容・実施態様からして不適当と考えられるものについて承認を与えることは適当ではないこと。
(3)また、職専免研修を特に自宅で行う場合には、保護者や地域住民等の誤解を招くことのないよう、研修内容の把握・確認を徹底することはもとより、自宅で研修を行う必要性の有無等について適正に判断すること。
(以下略)

 

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(初等中等教育局学校マネジメントプロジェクトチーム)