学校・教職員の在り方及び教職調整額の見直し等に関する作業部会(第10回) 議事録

1.日時

平成21年5月25日(月曜日)13時~15時

2.場所

文部科学省東館3階1特別会議室

3.議題

  1. 教職調整額の見直しについて
  2. 今後の学校像について
  3. その他

4.出席者

委員

小川主査、天笠副主査、植田委員、渡久山委員、石塚委員、金井利之委員、金井洋子委員、川田委員、小林委員、島田委員、曽我委員、根本委員、服部委員、原田委員、若井田委員

文部科学省

玉井文部科学審議官、金森初等中等教育局長、合田総括審議官、前川審議官、徳久審議官、常盤初等中等教育企画課長、関財務課長、濱口企画官

5.議事録

○ では、定刻が若干過ぎましたけれども、ただいまから第10回学校・教職員の在り方及び教職調整額の見直し等に関する作業部会を開催したいと思います。

 お忙しい中、ご出席いただきまして、本当にありがとうございました。

 まず最初に、今日の配付資料の確認を事務局からお願いいたします。

○ それでは失礼いたします。配付資料の確認でございます。本日は、全部で3種類の資料をご用意させていただいております。

 資料の1つ目でございますが、本日、第10回の作業部会の議事次第、1枚紙でございます。

 その後、資料の2つ目でございますが、肩書きで資料1と右肩につけておるもの、「教職調整額を時間外勤務手当化した場合における各論点に関する主なご意見」ということで、ページを振ってございますが、全部で3ページまでのものが資料1でございます。

 その後、資料2でございますが、「今後の学校像について(案)」ということで、タイトルをつけさせていただいております。これにつきましては、資料2の本体のあと2ページ目以降は(参考)ということで、参考資料を全部で7枚をつけさせていただいておりますが、まず参考資料の1枚目、2枚目は、これまでの作業部会で出された関連する主なご意見というもので、2枚でございます。

 その後、各作業部会の会ごとにお出しした関連資料をつけてございまして、その次のページは第4回作業部会の配付資料のサンプルということで1枚でございます。その後、第5回作業部会配付資料1ということで、こちらのほうは2枚ものでございます。その後、最後に第6回作業部会の配付資料1ということで、この円グラフがついているものも2枚で、合計8枚でございます。

 以上でございます。

○ ありがとうございました。

 資料1、2と、あとそれに添付された配付資料、よろしいでしょうか。

 では、議事次第に即して、今日の議事に入っていきたいと思います。

 今日は、議事次第にも記載されているとおり、大きく2つの柱で議論させていただきたいと思います。この作業部会におきましては、これからまとめに向けた議論を進めていくことになるわけですけれども、まず最初に、これまで教職調整額を時間外勤務手当化した場合の個別的な論点、方策等について前々回と前回、8回、9回で主に集中審議も含めて一通りの議論をこれまで行ってきました。今日、資料1を見ておわかりのとおり、それらを今回整理し、確認した上で、さらに議論が必要な点がある場合、また、これまで議論されてこなかったような項目とか論点等々があれば、さらに今回議論を深めていければなと思います。それがまず、今日の1つの柱です。

 もう1点ですけれども、これまでこの作業部会に与えられた検討すべき課題について、全体を通して議論してきたわけですけれども、これまでの議論を全体的に踏まえた上で、まとめの報告に向けた、ある意味では、総論的な内容について、特に今後の学校のあり方や教師のあり方等々についても、ぜひご意見を伺えればと考えております。それは主に先ほど事務局のほうからもご説明があったように、資料2に関係する議論でございます。

 以上のように、今日、資料1、資料2に基づいて、今、述べた2つのテーマに即して議論を進めさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。

 では、まず最初に、教職調整額を時間外勤務手当化した場合における各論点に関するこれまでの主な意見を、資料1をベースにして、もう一度総括的ないしは補足的な議論、または、この資料1でカバーできていなかったような問題がもしもあれば、この場で出していただければということで、資料1に基づいて議論していきたいと思います。

 まず最初に、事務局から資料1についての説明をお願いいたします。

○ 失礼いたします。

 資料1の3枚紙をごらんください。教職調整額に関する時間外手当化した場合における各論点ということに関する中で、今までいただいたご意見を整理したものでございます。

 特に8回、9回ということでやっていただいたわけですが、大きく項目としては、1管理職による教員の時間管理ということから、4の1年単位の変形労働時間制というところまで、大きく4つに分類をさせていただいております。それぞれの論点について細い枠組みで書いておりますのは、各論点で以前の8回、9回でお示しをさせていただいた論点で、どういうものであったかというものを書かせていただいております。

 その下のそれぞれ白丸が幾つかついておりますが、ここのゴシック体で書いてあるところは、これまでのご意見というものの列記でございます。

 それでは、順に申し上げますが、まず1番目の管理職による教員の勤務時間管理というところの中で、思い出していただきたいと思いますが、論点としては、組織的、計画的な学校運営を行う。そういうことの中で、教員の自発性、創造性に配慮するということを考慮した場合に、1として、時間外勤務を命令あるいは承認する段階、時間外勤務が終了した後に、管理職が実際の時間数や勤務内容を把握する段階というようなところで、どのような配慮や工夫が考えられるか。また、それとともに、管理職による勤務時間管理の負担を抑制するためには、それぞれどのような方策が必要かということでございました。

 ここの中で幾つかご意見をいただいておりますが、まず最初の1つ目の白丸としては、学校現場において、時間外勤務について、教員からの事前の申し出を管理職が承認して、翌日等々に管理職が確認するという方策を活用することが考えられるのではないかというご指摘があり、そこに関連して、厚生労働省でも通知が出されておりますが、こういった記載のされている方法が参考になるのではないかというご指摘がございました。

 それにまた関連いたしまして、そういう事前の申し出を管理職が承認する際、あるいは、翌日等に実際に勤務した時間を確認する場合に当たりまして、特定の業務についてどの程度の時間数が認められるのかということについて、一定のルールを示すということが求められるのではないかというご指摘がございます。

 このルールについては、その下の4つ目の白丸になりますけれども、各公立学校においてその都度ルールを決めるとか、あるいは見直しをするということは、年度ごとの人事異動があるということの事情として、実際問題としてはなかなか難しいのではないかというご指摘もございました。

 また、標準時間の設定という部分の中では、管理職による時間管理の負担の抑制ということを考えると、そういった標準時間の設定ということが必要なのではないか。実際そういうものがあれば、教員にとっても目安になるのではないかという御指摘がございました。

 そういったルール、あるいは標準時間の話とはまた別に、そもそも論として、残業を減らした学校の教員があたかも手を抜いているかのようなことに見られて、学校の評価が下がっては逆に困るので、教員の働き方についてもワーク・ライフ・バランスというものをとってほしいといったようなメッセージが必要なのでないかといったようなご意見がございました。ここの部分が、まず1つ、勤務時間管理の部分でのご指摘だったかと思います。

 また、関連する論点として、2ページ目に移りますけれども、例えば授業準備や部活動など、その処理に必要な時間数を判断しにくいといったようなご意見がある中で、こういったものについて適切に時間管理をするための必要な方策として、どのようなものが考えられるのかという小論点でございます。

 こちらの中では2つありますけれども、ある校務を担当するとこれぐらいの時間が必要であるといったような計算とか、あるいは蓄積といったようなものが、現在、学校には少ない。そのため、こういった業務についてどのくらいの時間が必要だという標準作業時間というものを積み上げて、必要な計算をする必要があるのではないか。これは、先ほどの御指摘ともかぶる部分だと思います。

 それとあわせて、特に部活動についてですけれども、自治体によっては、拘束力はないけれども、地域全体として申し合わせをしているという部分があり、過去と現在とを比べると、そういった申し合わせをやることによって、実際の部活動の時間というものが減ってきているといったような状況もあるということでございます。

 時間管理のもう一つの論点として、時間外勤務を抑制させようとして、教育の質が低下することがないように、そこの場面ではどうすべきかという論点でございますが、教員の業務を1年を通じてなべて見た場合に、春あるいは夏といったような時間帯というのは、日没が遅いので、部活動が長い。そのため、普通でも1時間以上の残業がある。時期によって時間外勤務をなくせといっても無理であるという部分もあるので、その分、夏休みに休めるようにするために、1年単位の変形労働時間制を導入するべきではないかという関連したご意見がございました。

 そのあと、大きな論点として、2つ目でございます。部活動指導の取り扱いでございますが、こちらの部分では、第9回の作業部会におきまして、時間外手当化したという場合での部活動の部分でございますが、(1)、(2)として、必要な方策として考えられるものを白丸で掲げてございますが、学校教育の一環として適切な部活動時間を設定する。部活動指導にはあらかじめ教員の勤務時間を割り振るということを原則とするといったような勤務時間管理の方策。

 また(2)として、条件整備の観点からでございますが、部活動指導を担う専門人材を積極的に活用する。あるいは、地域スポーツクラブの設置の推進をしていくといったような方策といったようなことを論点として提示をさせていただき、その上で、また2.として、勤務時間管理の観点から、教育委員会あるいは学校が適切な部活動時間を設定したとしても、正規の勤務時間を超えて部活動を行おうとする場合に、どのような仕組みが必要かといったような部分がございました。

 これらについて、2枚目の下から3ページ目の頭にかけてでございますが、意見が4つございます。

 まず1つ目は、適切な部活動時間を設定するということは、学校教育の一環として行政あるいは学校の責任として必要という観点から、申し合わせ事項を定めていくということが必要なのではないかというご意見がございました。

 他方、部活動指導にあらかじめ勤務時間をきちっと教員に割り振ってやっていくということについては、現在の現状の体制の中ではなかなか難しいのではないかというご指摘もございました。

 専門人材にかかわるご意見としては、その下の白丸でございますが、専門人材を積極的に活用するということをして、さらに非常勤としてきちっと位置づけるということをすれば、学校職員に勤務を割り振るということになりますので、校長としてきちっとした管理ができていくのではないかというご指摘がございました。

 また、地域スポーツクラブの設置に関しましては、大会への参加などの部活動とは異なる面があるけれども、部活動について学校以外の主体が責任を負っていくという方向も考えられるのではないかといったご意見もございました。いろいろございます。

 3つ目として、持ち帰り業務の取り扱いでございます。

 その際、論点としては、具体的にまずこのようなものをなくしていくためには、どのような方策が考えられるのかということと、持ち帰りが実態として残ってしまう場合に、何らかの工夫は考えられるかどうか。特に介護や育児をするといったような理由によっている場合に、どう扱うべきかという論点でございます。

 こちらについては、これもさまざま意見が分かれるところでございますが、持ち帰りの実態としてはやらざるを得ないという状況があって、それで学校が支えられているという面も否定できないというご意見があり、また、他方では、業務の位置づけについては、民間の事例では持ち帰りは基本的に労働時間とは考えませんというご指摘もあります。

 そうした中で、情報管理の観点から、教職調整額の見直しとあわせて、自宅でやることを根絶していくということが求められているのではないかというご意見もございました。

 最後に、4つ目の柱として、1年単位の変形労働時間制でございます。こちらについて論点は3つございますが、1年単位の変形労働時間制というものが、教員の今の勤務のあり方を考えたときに、ふさわしい制度であるかどうかということが1つ。

 仮にそういったものを導入していく場合に、長期休業期間中にもさまざまな業務がある中で、どのように長期休業期間中の勤務負担を軽減していくか、どのように実際に運用ができるかという場面が2つ目でございます。

 3つ目として、学校や教員によって、それぞれ状況が違うといったような中で、これを仮に導入した場合に実際の運用として、どのように運用することが適当かといったような実際上の論点でございます。

 こちらについても、4つ掲げさせていただいておりますが、まず1つは、なじむかどうかという観点で言えば、学校には課業期間と長期休業期間があるといったようなこと、あるいは、課業期間中でも学校行事の有無により繁閑の差があるということがあるので、1年単位の変形労働時間制というものはなじむのではないかといったご指摘が1つでございます。

 また、1年単位の変形労働時間制については、残業時間の縮減といったようなものとあわせて検討すべきではないかといったようなご意見でございます。

 また、その際に育児や介護、先ほどの持ち帰りのところでもございましたけれども、職員の勤務の扱いを、そういった事情に応じてクリアしていくということが必要ではないか。

 また、最後のご意見として、条例主義のもとで自治体の政治の意思を関与させる必要がある。労使協定の部分は条例に読みかえる必要があるのではないかといったようなご指摘がございました。

 全体、8回目、9回目でご議論をいただいた内容の概略は、以上でございます。

○ ありがとうございました。

 では、これから大体四、五十分の時間がありますので、資料1に基づいて、教職調整額を時間外勤務手当化した場合における各論に関する主な意見の内容を、これをベースにしながら少し意見交換をしていきたいと思います。

 時間も大体四、五十分というようなことですし、あとこれまでの議論を全体的に意見交換していくというような趣旨も踏まえて、ここでは4つの柱がありますけれども、一つ一つ区切ってやるということではなくて、1から4全体的に何かこれにご意見があれば、各自、自由に出していただけるというようなことで進めていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 どなたからでもどうぞ。ご自由にどうぞ。

○ 財源論をしないという前提で、前回もこの議論を始めてきていますので、それにのっとって意見を言わせていただきます。

 1から4の中で、1番の時間管理の問題、これは方策として玉川学園の例や静岡大学の例を見せていただいたように、幾つかの方策があるだろうということを思います。そのための管理職の時間的な負担だとか、そのための複雑な手続ということはないので、1番は実施することは可能だろうと思います。

 4番の変形労働時間制ですけれども、4番の変形労働時間制についても、各自治体ごとの状況がそれぞれ違いますけれども、それぞれの地方、地方、または自治体ごとの状況に合わせて、これを導入してあげることが、教員の働き方としては、より負担が少なくなるのではないかと思って、財源論は抜きにしても、この2点については導入が可能なのではないか、ぜひ進めるべきではないかという気がいたします。

 以上です。

○ ありがとうございました。

○ 失礼します。

 中学校現場に勤めます私としては、今日のまず議題でございますが、教職調整額の見直しということ、資料1については、教職調整額を時間外勤務手当化した場合というただし書きがついておりますが、ここにちょっとあれと思うところ、もちろんそういう時代の流れになったというのは承知できるのでございますが、教職調整額そのものについての私の意見を、今、言わせていただきます。

 私もこれまでにいろいろ申しました、特に中学現場においては、生徒指導上の諸問題、非常にここに頭を抱えるところがありまして、何も問題が起こらずに1日が過ごせる、そういう学校に勤められれば一番よかろうと思うんですが、私も何回か経験をしておりますが、俗に言う荒れた学校に行きますと、毎日のようにいろんなことが起こって、勤務時間ですべて終わらない、当然夜中まで出ざるを得ない、電話も突然かかってきて対応せざるを得ないということがあったときに、どうしても今の我々の現場とすれば、当然、生徒への指導プラス保護者との連携をどうとるかということが大きな問題になりまして、家庭訪問をどうしてもするようになります。

 学校に保護者を呼ぶということもあるんですが、以前はそっちのほうが多かったような気もしておりますが、最近はとにかく教員が自分の足でもって保護者との関係をつくりながら、子どものために何ができるかというところで、一緒に話し合うということがあります。家庭訪問、そういう荒れた学校ではしょっちゅう、その必要に迫られます。

 学校ではどうかと言いますと、他の教員が待つわけでございます。勤務時間を超えたところで、やはり家庭訪問がどうであったのか、管理職はもとより同じ学年であれば、または生徒指導主任、要するにポストでかかわるものがみんな待っております。家に行って事が済めば、その報告だけで済みますが、家庭でのいろいろな問題、そして新たな問題、保護者との話し合いの中でのそういう問題が起こったときには、学校に帰ってそれに対してどう対応するかということについて、もう勤務時間をはるかに超えて話し合うことになるわけです。

 そうしたときに、やはり調整額というものは、私自身もよくできたものだなと思っております。そういう待つ者は、該当教員が帰ってくるまでは、じっと待っていたり、自分の仕事をしたりするわけですが、帰ってきてからどうするか、警察とどう連絡をどうとるか、児相とどう連絡をとっていくか、次の日までに詰めておかなければいかんということが起こってきて、これはもう間違いなく仕事であろうと思っています。そういう意味でも、調整額はよくできたものだなと私は思っております。

 調整額というのは、当時の昭和40年代の8時間時間外の超過勤務に基づいて4%ができたというものであれば、今の議題に見直しとありますが、むしろ、今、この平成18年に勤務実態調査がされまして、34時間の超過勤務であるということが考えれば、この4%は増やすべきものなのに、削るべきものではなかろうという意見を持っております。

 最初に申しました教職調整額を時間外勤務手当化した場合におけるというふうに銘打ってありますが、調整額自体を見直す、現場の私とすれば、4%は少なかろうという気持ちを持っておるのでございます。そのことを申し上げたくて、今、手を挙げました。

 以上でございます。

○ ありがとうございました。

 ほかにどうでしょうか。

○ 今、資料1、従来の意見については、そのとおりだと思います。だから、意見そのものをずっと読んでいますと、矛盾したものもいろいろ出ているわけです。ですから、これをまとめるというのは非常に厳しいかもしれませんが、ただ、今もありましたけど、時間外調整額といいましょうか、給特法ができて以降、学校現場では結局限定4項目が超勤を命ずる項目だったんですけれども、率直に申し上げて、限定4項目でやられているのは修学旅行だとか、そういうような特別なときであって、ほとんどそれが生きていない中で、しかし超勤が随分増えているというのが、職場の実態ではないかと思うんです。

 ですから、そういうことを考えていきますと、よく言われた学校の勤務時間の中における勤務のコストの問題です。この間も委員から言われておりますが、それぞれの勤務時間におけるコストというのは、ほとんど考えられていないと思うんです。そういう意味で、ここの管理職による勤務時間の管理というのは、ある意味では、そういう学校現場の勤務のあり方を今後検討していくという意味でも、やはり教職員の意識を変えていくという意味でも、勤務時間の管理というのは非常に大事ではないかなと思うんです。

 特に週休2日制になって、44時間が40時間になったんです。しかし、結局、土曜日も何らかの形で出ている。しかし、それが40時間になったんですよといっても、それほど生活が変わらないというのが、現場の実態ではないかと思います。ある意味では、それは、例えば保護者からの学力低下につながるのではないかということで、土曜日にわざわざ出てきて授業をするとか、そういうこともあって、そういう社会的な評価が非常に問題にもなるんです。

 ただ、やっぱり40時間になりましたよという意識がほとんど学校現場にないのは、今の勤務時間の管理というのがほとんどできてないからだと思うんです。この原因のすべてではないんですけど、給特法があるために、要するに、給特法の第何条には、教育職員には超勤を認めないことになっているわけです。超勤を認めないことから始まっているわけですから、勤務時間を管理しても、何のために管理するんだというようなことがほとんど明確になってこないわけです。ですから、その辺を明確にしていく意味でも、これから今の調整額を時間外手当に持っていくにしろ、まずは勤務時間管理をきちっとしていかなければいけないのではないかという気はいたします。

 理由は今の給特法の問題にもあるんですが、もう一つは、ここの1ページのワーク・ライフ・バランスというものがありますが、学校現場というか、教職員の中にこれがほとんど生きていないのではないでしょうか。先ほどの委員の方も言われましたけれども、実態として、どうしても学校外でもやっていかざるを得ない。

 中を見ていますと、この中にもありますけれども、例えば40時間勤務だから、それなりに学校5日の中で40時間ですから、1日8時間というのがもう明確に給特法上、決まっているし、勤務条例でも全部、決まっているわけですから、そういうようなものが1つの形として出ていっていかなければ、これもなかなか出てこないと思うんです。ですから、文部科学省で平成18年にやった調査でも、30時間以上になりました。ほかの調査でも80時間以上の者が2割ぐらいはいると言っているんです。

 もう一つ、これはもうどこでも出てくるのは、教職員の精神的な疾患が今、非常に多くなってきている。あるいは、条件付採用期間、1年間でも長いですけど、その中でも結局みずから教員に採用されない、要するに辞退していく教員が増えているということを見れば、やっぱりワーク・ライフ・バランスというものはすごく大事なことでありまして、だから、教員の勤務時間管理というものは、そういう面でも、もっと大事にしていかなければいけないというような気がいたします。

 当面は、勤務時間の非常に多い者をどうなくしていくかということも考えていかなければ、次の変形労働時間制をとるにしろ、勤務時間管理ができてないと、これも出てこないわけです。そういう意味で、ここをきちっとまずやっていく方法を考えていかなければいけないということで、議論の中でまた出てくれば、後でまた発言したいと思います。

 以上です。

○ ありがとうございました。

 ほかにどうでしょうか。今までの議論……。

○ 先ほど委員がおっしゃいました点についてなんですが、委員がおっしゃいましたように、これはもちろん根本的に調整額を時間外手当にするのがいいのかどうかという問題でもあると思いますが、ここでの枠組みである、とりあえず時間外手当化した場合にどうなるかということをシミュレートしてみようという枠組みでいうと、今おっしゃったような問題というのは、多分1のところの白丸の1つ目です。事前に予定を立てて、事後的に確認するという枠組みではうまく対応できないような突発的な時間外に働くというものについても、労働時間とカウントして管理の対象。あと時間外勤務手当化するのであれば、時間外勤務手当の対象にする必要があるのではないかという、そういう問題になると思いました。そこは確かにここの論点の中では出てきていない点なのかなと。

 おそらく考え方としては、およそ職務命令を出す側が認識していない状況で勝手に働いたと言えれば、労働時間ではないとなるでしょうが、先ほど委員がおっしゃったような状況というのは、現状、今、当然、関係当事者はそういうことがあるということは、共通な認識になっているかと思いますので、そうだとすると、やはり基本的には、実際に使った時間、ある程度常識的な、客観的に見て常識的な範囲内のものであれば、労働時間としてカウントしていくことになる。そういうことを前提にした対応を考えていくという問題になるのかなと思います。

 発言の機会がありましたので、あと1点。こういうものもあるのかなと思ったのは、これは現行法についても実はある問題だと思うんですけれども、例えば長時間労働を防ぐための法のルールの実効性の確保をどういう枠組みで行っていくのかということは、考える必要があるのか。

 例えば民間の企業、あるいは私立の学校でもそうだと思いますが、労働基準監督署の監督があるということが、その監督のあり方について議論はあるにせよ、労働時間の管理を適正化する一定のインセンティブを与えているということになると思います。多分、現状、今の制度上は、労働基準監督署の監督というのは、公立学校については適用除外されている。そこのところを仮に時間外勤務手当化というところは、現行法の原則どおりでいくとしたら、どうするのかというのも論点としてはあるのかなと思います。

 以上です。

○ ありがとうございました。

 ほかにどうでしょうか。

○ 今、皆さんのいろんなお話を聞かせていただいているんですが、先生方という職業がやっぱり特別な職業であるということ。例えば事件などを追いかける捜査をする刑事さんなども、ある時間でないとどうのこうのと言えない、初動調査のときとか、いろいろあると思うんです。

 そうなってくると、やはり社会が先生方を取り巻く環境が、その働き方で大丈夫だよと見える環境が備わらない限り、どんなに申し上げても、先生方はそういう働き方でみたいなことになってくると、先生方は物事を解決するために、やっぱり働かざるを得なくなって、時間を気にせずにというふうにせざるを得なくなってくると感じます。

 これを見ながら感じていたのは、生徒指導などというのは、時間が非常にわからない。部活などわからない。では、部活動手当とか生徒指導手当とか、一番最初に申し上げたのは、たしか教職調整額がだれでも均等にいっていることに対する保護者からの違和感。一生懸命やっている先生と、そうでない先生とのここにやはり少し厚みを変えてほしいというところから、保護者のほうからの気持ちとしては、教職調整額に入っているものですから、そういう部分の中では、そういう大変な役割を担う先生にはぜひ少しでも多くの給与を渡してでも、その役割を果たしていただきたいという、このような気持ちを受けとめていただければ、その流れの中で学校がきちんと時間を管理した環境が整うように育っていくのではないか。まだ育たない段階で、育った形でやれといっても、それは最初から非常にぎくしゃくした環境だけができてしまうのかなと思います。

 ただ、それが十分にできる学校も存在することは事実です。先ほど荒れた学校と荒れてない学校と、荒れた学校では本当にそのくらいのことをやらなければ、保護者もそのくらいのことをやらなければ、学校は解決しない。地域まで入れて、PTAという組織の中では、先生方と地域とを橋渡ししながら、何とかこの荒れた学校を標準化するためどうしようかと、夜中のパトロールから、学校の授業中に保護者が入って管理をするということまである。その保護者はボランティアで来るわけです。そういう方から見ても、先生方の働きはなかなかすばらしいなという環境になれば、おのずと教職調整額というものの扱い方というものがわかってくるのか。

 だれでも同じ教職調整額に対して疑問があったということで、先生方がすばらしい職業であるという誇りを持つための教職調整額であれば、私はそれは悪いものではないと思っています。

○ ありがとうございました。

 ほかにどうでしょうか。8回、9回を中心にして今まで議論してきた内容を主にここに整理していただいているんですが、資料1でまだ不十分な点とか、欠けている点があれば、どうぞ。

○ 1つは公務員制度の観点から言いますと、もともと教職調整額とういうのは、人事委員の勧告に基づいてできていると制度であります。いわば、労働基本権が制限されていて、教員の側からは制度について制限なしには言えないわけではないですが、あんまり言えないという状態のもとで、どういうような適正な制度をつくるのかというところからスタートしてきています。ということから考えますと、今回制度改革をする場合に、国立学校準拠という形がなくなったので、いわば、国の人事院に頼れないで制度設計をしなければならないというのは、以前から申し上げている、今回の制度をつくる上での1つの難しい点かなと思っています。

 例えば、民間であれば、労使協定が必要な場面というのは、公務員制度の扱いからしますと、どうしても条例主義になり、都道府県費教職員制度のもとですと、おそらく都道府県条例にならざるを得ないと思うんです。それはそれで大変重要なことだとは思います。住民の理解を得る意味では不可欠のことだと思います。と同時に、いわば、公務員制度自体の問題として、人事委員会における制度設計の余地、あるいは人事委員会勧告制度とか人事委員会の報告制度をもとにして、労使から意見を十分に聴取した上での意思決定ができるような仕組みにしていかないと、なかなか問題なのではないか。

 つまり、代償措置のない国レベルであまり法律で決め過ぎて、条例の余地あるいは各都道府県における人事委員会勧告の余地が減るような形というのは、やや難しい問題をはらむのかなと思いましす。いろいろなところで、都道府県人事委員会のもとにおける制度設計という手続を経ませんと、いろいろと問題になるかなと。

 それはある意味、形式論なんですが、さらに実質論からいいますと、やはり実質的に教員の働く側の論理と、使用者側の論理をちゃんとコンセンサスをつくれるような、しっかりとした議論の積み上げを行う場面がないと、この仕組みはなかなか納得が得られないのではないか。

 現場の働き方を変えるということです。そして、時間管理は必要だけれども、かといって時間がありません、時間外勤務手当を出せませんけど、働かないというわけにはいかないというさまざまな要請の中で現在行われているわけでありますから、最終的には人事委員会勧告という形で、労使の意向を十全にくみ取るというところにいく必要があります。

 もちろんその前段階として、市町村レベルあるいは学校レベル、都道府県レベルに積み上げていくようなコンセンサスづくりといいますか、議論の場は必要なのではないか。それは多分標準時間をつくるとか、いろいろな場面で積み上げていかないと、非常に難しい問題をはらんでしまうのではないかなという気がいたします。

 あえて言えば、3ページ目の一番下のところでいえば、もちろん条例主義なわけでありますけれども、いわば、基本権制限のもとにおける人事委員会勧告制度を前提に、いろいろ考えていただければと思います。

 以上です。

○ ありがとうございました。

○ 先ほどの委員のご意見に関連するんですけれども、そもそもこの話というのは、教職調整額が一律に支給されているので、それも含めて、教員の給与をめり張りのある給与体系にするという話で始まっていると思いますけれども、めり張りのある給与にするというのは、現場でも受け入れられると思います。これはやっていない人には支給しないという理屈なんですけれども、その反面、当然やっている人にはきちんと支給すべきだという、そういう理屈も出てきますので、ここは財源と絡んでなかなか難しいのかなと思います。

 調査の結果では、やっていない人というのは、たしか1割ぐらいだったと思いますので、その1割分を支給しないで、ほかの人に上乗せしても、たかが知れていますので、これは同じ財源ではなかなか解決しないのではないかと思います。ただ、時間外勤務手当というのは、勤務の実態を反映しやすいという点では、確かにすぐれていますので、財源さえ確保できれば、やれると思います。ただ、現行の教職調整額が8時間分の予算ですので、それと比べて、おそらく財源は大幅に必要になるのではないかなと思います。

 そういうことを考えると、教職調整額は限られた予算の中で一律に支給されるという欠点はありますけれども、すぐれた制度であるという評価もできるのではないかなと思います。

 もう一つの考え方としては、今、教職調整額が本給にもはね返り分がありますので、このはね返り分をなくして、教職調整手当にして、純粋に時間外勤務手当という性格を明確に打ち出せば、勤務実態に照らして、今よりも増額することについて理解を得られるのではないかなというふうにも思います。

 もう一つは、時間外勤務手当にすれば、教員の勤務時間管理の意識は確かに高まるとは思います。これはどっちも一長一短がありますから、財源と絡んでなかなか難しい問題だと思います。

 もう一つ、2点目は、時間外勤務手当化をする上で、一番の問題は部活動の問題だと思います。部活動のあり方にもかかわってきますので、1つの方向性としては、学校外のクラブチーム化という方向性はあるわけで、今でも少しずつ野球とかサッカーとか、そういうクラブチームができてきているわけですけれども、そうなると、土日しかできないとか、あるいは、クラブの数が限られる。田舎のほうでは、そういうクラブチームがないんです。それと指導者の確保が難しいという、そういう課題もあると思います。

 一方、学校の部活動というのは、全国どこでもできるわけですから、すべての子供が参加しようと思えば参加できるという、そういう大きなメリットがあるわけですので、部活動をめぐる意見というのはさまざまですので、これはもう少しいろんな意見を聞かないと、なかなか結論が出ない問題かなと思います。

 以上です。

○ ありがとうございました。

○ 時間外について実働主義になるということは、運用上かなりさまざまな問題が出てくるだろうということについては、これまでも申し上げてまいりましたので、これ以上は繰り返しませんが、2点だけ申し上げたいと思っております。

 1つは、勤務時間の管理のところでございますけれども、これは民間でも言われているところですが、勤務時間の管理というのは必ずしも給与計算ということを前提にのみしているだけではなくて、それ以外に、1つは働いている方の健康の維持管理、こういう側面から勤務時間の把握ということが必要だと言われておりますし、同時に生産性の向上といいますか、効率性という観点からやはり勤務時間の管理がおそらく必要だとなろうかと思います。そういう点で言いますと、1の管理職による教員の勤務時間管理ということをおまとめになる際には、その視点もあわせてお入れいただくのがいいのかなと思いました。

 もう1点は、1年単位の変形労働時間制でございます。これにつきましては、特に導入の手続の3ページのポツの4番目なんですが、これはやや文章上の表現の問題だと思うんですが、条例主義のもとで各自治体の政治の意思の関与させる必要があるというのは、わからないではないんですが、おそらく政治の意思という意味は、住民の代表によるオーソライズがあると、こういう趣旨だろうかと思うんですが、ここはちょっと表現を考えたほうがいいのではないかということと、あわせて、1年単位の変形労働時間制というのを導入について考えると、例えば県レベル、自治体レベルということは、かなり大枠でしか多分決められないだろう。そうなったときの具体的にといいますのは、1年変形制の場合というのは、各教員の労働時間の各週、各日の勤務時間を割り当てていかなければいけない、特定をしなければいけないと、こういう問題が当然出てまいります。このときに、それを果たして一方的な確定というものでいいのか。

 つまり、仮に大枠を条例というような形をとるにせよ、それぞれの特定というのは、詳細な部分については、これを労使協定と呼ぶかどうかは別にして、やはりそれなりの当事者の意思を反映する仕組みというものを考えないと、必ずしもうまくワークしないのではないか。

 あわせて、ご存じのように、現在、公務員制度改革の中で、公務員の団体交渉権、労働協約締結権の議論があり、地方公務員についても、ややそれを視野に入れた議論をしておりますので、そうした動向も見るときに、そこら辺の表現というのは、少しその点をにらんだまとめ方が必要ではないか。

 以上でございます。

○ ありがとうございました。

 いろんな方から、資料1では十分触れられていない、さまざまな検討課題とか論点も言われるようになってきていますけど、ほかに。

○ 教職調整額を時間外手当化ということでございますけれども、やっぱり時間外勤務手当にするということになりますと、管理職による教員の勤務時間管理が一番問題になろうと思いますが、現在の現場での学校の先生方というのは、いわゆる超勤の意識があるかどうかということになるんです。要は、教職調整があるものですから、もういくら仕事をやってもいいのではないかという形で、どんどん勤務がなされているということになりますと、要は意識改革が一番必要ではないかなという、ここのところは大きなところだと思いますけれども、それから言いますと、いわゆるいろんな形での標準化とかが出ましたけれども、こういったものをつくって対応するという、この部分があろうかと思います。

 他の委員のほうからも出ましたけれども、調整額が平等になっていることが問題だという話でございましたけれども、私は教職調整額というのは非常にいい仕組みの制度かなと思っておりまして、先ほども出ましたように、まずこれをはね返り分をなくして、例えば退職手当とか勤勉手当がずっとはね返っておりますけれども、こういった部分をなくして調整手当にする。

 あと、変形労働時間制の問題も出ましたけれども、この変形労働時間も各自治体ごとに導入することは可能かなと。ただ、ルーチンワーク等について導入するという部分、これは使えるだろうなと。ただ、委員がおっしゃいましたように、生徒指導となりますと、何が起こるかわからない。したがって、いつ、どんな時間に、どういうことで、どういうふうに出なければいけないと、こういった部分は、変形労働時間制になじまない部分になってくるだろう。だから、こういう部分は例えば部活でありますとか、生徒指導でありますとか、こういう部分は手当で対応するとか、そういった形で二重の方法というのはできないのかなという考えを持っております。

○ よろしいでしょうか。

○ この教職調整額を見直すという方向性については、最初の委員がおっしゃったように、私は基本的に今までの議論がかなり同じような議論が出てきていて、方向性としてはこの4つでいいのではないかと思っています。それは、これまでも、今日も出てきましたが、まず教職調整額が全員一律にということについては、これはやっぱり今の民間というか、国民の了解は得にくいだろうということ、全員一律というのは、やっぱり学校に勤務する者にとっては、本当に多忙な先生と、そうでない先生も現実的にはいるんです。それが一律、そして、毎月同じように給与に支払われるということについても、やっぱり了解は得にくいだろうということ。

 さらに、もう一つは、給与の額に4%を掛けるということについては、やっぱりこれは実際の学校現場で精力的に動いているのは20代、30代の本当に若手です。それに対して、こう言っては何ですが、40から50、60代前のところで、本当にそれに見合うような仕事をしているかどうかというのも、実際の問題としてあるんです。

 そうすると、給与の額に同じように同じ率を掛けるということについても、了解を得にくいだろう。それはやっぱり業務の内容に対して、勤務時間に応じて、どれだけの手当というようなことのほうが、合理的に考えられるのではないか。

 その意味で、時間管理をすると同時に、これは次の資料2のほうの議論にもなると思いますが、勤務の内容、業務の内容とか、業務の方法を改善するというようなところも、同時にあわせ検討しながら、このことを考えていく。

 したがって、結論で言いますと、方向性1、2、3、4、管理職による教員の勤務の内容と同時に時間管理をするということは当然だと思いますし、今回は出てこなかったんですが、やっぱり時間外を一番オーバーする要因は、特に中学、高校では部活動だと思っています。この部活動について、どう切り込んでいくかということも、これはやはりこれまでもかなり意見が出てきましたが、時間をかけて私たちとしても見解を示す必要があるだろうと思います。

 持ち帰り時間も、今日はあまり出てこなかったんですが、本来、学校で行われる勤務ということに対して持ち帰るということそのものが、本当に学校における勤務として認められるかどうかといった議論を改めてする必要があるのではないかなと思います。今までは教職調整額の中にあって、持ち帰るというのが自然発生的に出てきたような業務の内容に見られがちなんです。その辺についても、改めて3については検討する必要があるだろう。

 4は、先ほどもおっしゃっていましたが、ここでも議論が出ていましたけれども、1年単位の変形労働制は、教員の勤務が1年間を通してやっぱり忙しい時期とそうでない時期が現実としてある。学校種によって、小学校、中学校、高校、特別支援学校、さらに学校に置かれている教育環境によっても、いろんな差異があるわけですので、これによって弾力的に1年単位の変形労働時間制を活用するということは、当然考えられる。

 要するに、結論として、この4つの方向で今後も深めていくことがいいのではないかと思っております。

○ ありがとうございました。

○ 資料1、資料2、どちらで触れるべきか迷うところですけれども、資料1で言いますと、管理職による教員の勤務時間管理の論点のところで、どういうふうに承認するか、それをどういうふうに確認するかという手法について述べられておりますけれども、先ほどもご発言がありましたが、やはり勤務時間の管理が必要であるということの認識を、資料1か資料2のどちらかで、しっかり明記しておく必要があると思います。

 時間管理の必要性は教職調整額の現在であっても、また時間外勤務手当になっても同じだと思うのですけれども、しかし、現在は、勤務時間の管理が必要だという意識を、管理職も教職員もあまり持っていないという現実があるのではないかと思うのです。

 先ほども効率性ということをおっしゃっていましたけれども、例えば3人の教員が同じ内容を違う学級で教えると、そういうような場合に、それぞれの教員が各自で教材研究をしているという場合と、その3人がチームを組んで、だれかがこの単元は自分が原案をつくる、この単元はだれかが原案をつくるとやって、グループでそれを深めていくのでは、もう効率性が全然違うと思うのです。

 今までの議論の中でも、そういう意味での、学校の組織としての運営の必要性が、随分述べられてきたと思います。そういう、組織としての運営をしない限り、本当に時間外勤務を命ずる必要のある仕事の内容なのかということも見えてこないと思いますし、例えば先ほどおっしゃった生活指導、生徒指導の問題も、本当に緊急の生徒指導の問題であれば、当然、校長の判断で、時間外勤務手当化になった場合、これはもう時間外勤務手当を支給する1つの職務として命令できると思います。

 組織化が先にあるのか、勤務時間の管理の必要性が先にあるのかといいますと、やはり現状の学校運営、教育活動の効率化、そして、先ほどもおっしゃいましたけれども、健康管理、教員一人一人のワーク・ライフ・バランス等を考えますと、勤務時間の管理の必要性ということを少なくとも管理職及び教職員が共通理解していくということが大前提であり、それをきっちり明記していくということは必要であり、そのことによって組織化、学校が組織として動いていくという必要性が出てくるのだと思っています。

 以上です。

○ ありがとうございました。

○ すみません。

 僕は、1つは、給特法、調整額というのは、超勤、時間に対する手当の問題として出てきている法律ですから、ですから、それによってめり張りをつけるとか何とかというのは、これはもうできないと思うんです。法律そのものを、今日、今、調べてみたら、第3条に教育職員については時間外勤務手当及び休日勤務手当を支給しないとなっているんです。

 ですから、支給しないですから、時間外でいくらやっても、何もやらなくても、時間外の手当については支給されていないということになるわけです。ですから、それは特殊性だけでいいよとやられているという形にしかならないんです。だが、しかし、この法律が決まってきた背景というのは、超勤に見合う分として出てきているわけです。

 ですから、我々が今、議論しているのも、超勤をどうするかという議論ならまだいいんですけれども、そうではなくて、熱心な教員にはもう少し手当をとかいうのだったら、これは給特法の手当では無理では思います。給特法はあくまでも超勤にかかわる手当をどうするかという問題、あるいは超勤をどうするか、超勤のあり方や、あるいは、超勤に対する手当をどうするかというあり方の問題として議論するなら、これでいいんでしょう。だから、1つです。

 ですから、ほかの考えあるいは法律で、今のめり張りの問題は、考えるとしたら、考えられるのではないかと思います。これが1つ。

 今はやっぱり超勤にかかわる問題では、教員の場合、一番問題になるのは部活動なんですが、僕は、抜本的に部活動が何のためにあるのかということをきちっと議論をしないといけないと思うんです。例えばオリンピック選手をつくるために部活動があるということでは、もうさらさらないわけです。それが1つあるんです。

 ただ、たまたま対校試合というので、学校単位で今でもいろいろな競技や対校試合をさせているというか、させられていると言ったほうがいいかもしれません。これです。だが、しかし、それにも限界があるんです。ただ、甲子園の場合は、これは非常に異常な状況です。ほかの競技の場合はそれほどでもないんです。特に地域においては、それほどでないんです。ですから、部活動は何のためにあるのかときちっとすべきなのが1つです。

 もう一つは、やっぱり部活動が教育活動の一環としてというように、学習指導要領で入れていますが、そうなっても、勤務時間内にできるというのが、勤務時間内にやるということが、教育活動の1つというのが、原則だと思うんです。そうであれば、東京都のように、例えば5時までの間で2時間、部活動を入れる。5時以降の問題については、超勤なり、あるいは、それは命令するか、しないかという問題も出てくるという形になる。

 また、群馬のように、いろいろな形で取り決めをして、部活動の制限なり、あるいは、やり方を議論するというようなことをしていかないといけないだろうという感じがするものですから、これを学校における部活動のあり方は何なのかということを、やっぱりきちっと明確にしていかないとだめではないかなという気がいたします。

 もう一つ、先ほども出ましたが、民間の例では持ち帰りは基本的に労働時間としないと書いてありますが、これは3ページに書いてあります。それはそのとおりだと思うんです。ですから、私は、ただ、今、実態として持ち帰りしているのは、大体学校の成績をつけたり、採点をしたりするものを家に持って帰っているんです。これはまさに本務なんです。部活動よりもっと本務中の本務です。そうであれば、やっぱり授業が済んだ後、教材研究をする、それにプラスして、今度は今の成績処理をするというようなことを本務時間内にやって、それでいくら時間があるかというようなところで、部活動が入り得るのか、入り得ないのか。しかし、部活動をするとすれば、これが時間外だということになります。

 一番、今、保護者からのいろいろな問題になるのは、部活動だけではなくて、生活指導の問題なんです。部活動は学校によって盛んなところもあるし、盛んでないところもあるんです。盛んでないところの学校の地域では、それがこの学校のありようだというようにして、納得している保護者もたくさんいますから、これはもういい。ただ、しかし、生活指導あるいは生徒指導の問題では、今、子供たちに非常に手をかけなければいけないような状況が出ておりますから、そのことについては、勤務時間内でやれということは非常に無理なんです。必然的に無理なんです。

 ですから、そういうようなところで、今の給特法が生きてくる、あるいは生かされているというようなとらえ方をして、非常に限定的にこれはとらえていくというような整理をしていて、やっぱり本務と本務外、本務と言うと何ですか、そんな分け方を言っていいかわかりませんが、平成18年に文部科学省で調べた幾つかの教員の勤務内容を整理して、それをきちっと整理して、これをまず勤務時間内にやって、それ以外のことについては、勤務時間外だと。しかし、それが給特法に値するかどうかというような問題については、時間管理をある程度やっていって整理していく。こういうものが現実的ではないでしょうか。

○ わかりました。

 ちょっとお待ちください。少し、予定の時間をオーバーしているんですけど、まだご意見をいただいていない方もいらっしゃいますので、少し時間を延ばさせてください。

○ すみません。今、委員からのお話を非常に大事にしなければいけない部分というのは、教職調整額について、これのめり張りというものに使われないということが前提になれば、この後のこの会議の論点は全く違ってくるし、学校のあり方についても考えを、それを含めてできなくてなってくる。だから、教職調整額がさわれないのだったら、1%にできるのか、それ以外を全部手当制の形の中でできるのかとか、この辺ぐらいに切りかえないと、給特法があるから、これはだめだということになってくれば、それ以外のところで論議しなければいけなくなりますので、その辺の整理をしていただいたほうが、今後、発言をしやすいと思うんです。

○ わかりました。

 では、どうぞ。

○ この委員会で議論してきたことは、やはり教職調整額が定められたころの時代と、今の学校の直面しているさまざまな課題がかなり大きく違ってきている。ですから、学校が組織的に動いて、さまざまな教育活動をしなければいけないとか、外部の専門人材を活用しなければいけないとか、さまざまな意見が今まで出てまいりましたけれども、それらはすべて現在の学校の状況を踏まえた上での議論だったと思うのです。

 ですから、この委員会では、これまで、教職調整額、給特法とか、給与だけのところで絞るのではなくて、もっと総合的に学校教育全体の課題を考えて、今後どうするかということで議論してきたわけです。ですから、そこをやはり見落としてしまいますと、今せっかく資料1、資料2で整理していただいたことがずれてきてしまうと思いますので、そこは外してはいけないと私は思っております。

○ わかりました。

 あとご意見をいただいていない方、よろしいですか。

○ 私は教職調整額を時間外勤務手当化した場合におけるということで、意見を述べさせていただきます。今ほどのお話もありましたけれども、今までいろいろな問題が出てきたものを解決していくために、有効な一つの手段として時間外勤務手当化したということを前提にしてお話をさせていただきます。

 先ほど委員がおっしゃいましたように、学校は生徒指導のために多くの時間を割いています。それによって時間外になる先生方も非常に多いと思っております。私の今、勤務している学校も、生徒指導に割く時間というのは非常に多くなっています。

 今まで、業務処理体制の整備を行ったうえで管理職によって勤務時間管理をすると、先生方の時間外の勤務時間そのものが34時間ではなくて、もう少し減っていくのではないかなと思っておりましたけれども、今の学校に行きましたら、生徒指導で緊急の時間というものが非常に多くて、総額が決められた場合、時間外をつけるのがとても大変だろうなと思っています。そういう立場でお話させていただくと、ひとつの学校で総時間は何時間くらい、先生方が生徒指導にかかわる時間が必要なのか。隣の学校は何時間なのか、すべてを調べた上で、定数法を弾力化した上で教育委員会として、この学校にこれだけの勤務時間が必要なんだから、これだけの教師が必要だろうというようなことを考えることができないのかと思っています。管理職が教員の勤務時間を管理した上で、教育委員会でも有効な人の配置というようなものも考えるようなサポート体制を図る視点があってもいいのではないかなと思いましたので、発言させていただきました。

○ よろしいでしょうか。

○ では、1つだけ。

○ では、どうぞ。

○ 先ほどお話がありましたように、今までの変化の中で既存の仕組みというのは対応できなくなってきていると思います。では、これからはというのが非常に大きな課題なのかなと思っております。

 今までが34時間ぐらいの残業というのが出てきているわけですけれども、おそらくこれからの環境変化ではさらにプラスアルファが重なってくるわけですから、現行の調整額という範囲ではなくて、やはり時間外の勤務手当というものが、おそらくできてくるのか。

 そういう中では、この論点の4つがありますけど、特に1番目のほうです。管理職による教員の勤務時間の管理というものがありますけれども、実態を把握するという意味でも非常に重要なことだと思っております。先ほど生徒指導のお話が少し出ておりましたけれども、生徒指導にどのくらい時間がかかっているのかというのは、実はよくわからないわけです。管理されていて、初めて件数ではなくて、これだけの時間を使っているというのが明らかになりますから、問題としてきちっと定義されて、問題としてそれを解決する方向が出てくるわけですから、そういう面でもこういうことは重要なのかなと思っております。

 今回の議論の中で、おそらくこの4つの論点というのは非常に重要なことなので、こういう形で進められるのがいいかなと私は思っております。

 以上です。

○ ありがとうございました。

○ 誤解があったので。

○ どうぞ。

○ 私は、給特法ではめり張りをつけるのは難しいだろうという法律の持っている性質から話をしていたんです。しかし、今の学校の現状はやっぱりそういうような状況がありますから、それをどういうような形にすればいいのかというと、給特法ではなくて、別な法律なり、あるいは、別な状況でつくらなければいけないだろうというような感じを申し上げたかったということです。

 以上です。

○ わかりました。

○ 資料1についてなんですけれども、教職調整額を時間外勤務手当化した場合における論点ということで、4つ、勤務時間管理と部活動指導と持ち帰りと変形労働時間制という、こういう4つの論点で整理していただいて、そのもとに進めさせていただいたわけなんですけれども、時間外勤務手当化した場合に、この4つプラス1つ、2つという、こういうふうなことというのも、また出てくるわけで、そうした場合に、例えば教職員のモラルの上げ下げですとか、あるいは、職場における勤務のあり方、個業と協業というようなところにどう影響を及ぼしていくとか、そもそも学校が持っている、組織が持っている組織文化ですとか、教員文化等々への影響という、そういうことというのも、やはり勤務手当化した場合に、やっぱり当然議論に、あるいは検討すべき点になるはずなんですけれども、この整理の仕方、立て方というのは、それを柱にして議論するということよりも、それぞれの4つの項目の中で話をすると、そういうことが検討されなければいけないとか、そういうところも踏まえて、それぞれを検討しなければいけない。

 そういう整理の仕方をしてきたのではないかと思うんですけれども、おそらくこの資料の整理の仕方としては、今、私が申し上げたことは、次の資料2のところで、きっとやろうとしていると、そういうふうにもまた私は受けとめているんですけれども、そうした場合に、資料1と資料2というのは、どういうふうに全体として整理されるのかというようなことが、次に、資料2のほうの議論を進めながら、その先に交通整理していくべき、そういうことなのかなと思いまして、話を伺わさせていただいて、やはり、組織への影響というより、よりやる気が出てくるようなことになるのか、意欲を下げてしまうようなことになるのか、あるいは、既存の教員文化のプラス面、マイナス面というのが、どういう形でよりプラスのほうに助長していく方向であるとすると、どういうやり方なのか、どうなのかという、そういう観点からの議論が必要になってくるのではないかと思うんですけど、それはおそらく次に2のところでの話になるかなと思っております。

 以上です。

○ ありがとうございました。

 それでは、全員の方から意見をお伺いしたかと思いますので、一応よろしいでしょうか。

 それでは、資料1にかかわる意見交換はこれで終わらせていただきたいと思います。

 先ほど、最後、委員のほうから出されたように、これまで個別的なテーマに即して議論してきて、そのテーマを踏まえて全体として、これからの学校というのはどうあるべきかという、その辺のところも議論が必要ではないかということですけれども、まさにそういうことを意識して、資料2として、その辺は議論させていただきたいと考えておりました。

 後でまた説明しますけれども、資料2は、そういう意味で、この作業部会のこれまでの議論をまとめていくまとめ報告書の、ある意味では、総論的なもの、ないしは、その基調になるような考え方として報告書の内容に組み入れていくのかなと思いますけれども、一応そういうことで、ご懸念は、そういうことでよろしいですか。

○ はい。

○ 今日は、大体基本的には資料1の4つの柱の方向で整理し、まとめていくことではよろしいのではないかということが、大方のご意見だったと思います。

 ただ、一つ一つの項目に即しては、さらに深めた検討が必要ではないかとか、また、こういう点については少し不十分ではないかという、そうしたご意見も多々いただきました。時間もありませんので、そうした内容については、具体的に私のほうで今の時点でまとめるということはしませんけれども、今日、いただいたご意見については、次回以降のまとめの作業の中で、さらに整理して、またもう一度皆さんの審議に付していきたいと思います。ありがとうございました。

 では、次に、もう一つの柱である資料2の審議に入りたいと思います。資料1のほうが時間をちょっとオーバーしてしまいましたので、事務局からの説明を含めて40分くらいしかないですけれども、できる限り、この作業部会のまとめの基本、基調になるような、ないしは、総論になるような部分ですので、限られた時間かもしれませんけれども、ぜひ皆さんからのご意見を受けたいと思います。

 では、最初に、事務局のほうから説明をお願いします。

○ それでは、資料2でございますが、時間が限られておりますので、簡単にご説明を申し上げます。

 先ほど見ていただいた資料2の2枚目以降で(参考)というものをつけさせていただいておりますが、その(参考)の「関連の主なご意見」というものが2枚あります。それをさらにめくっていただきますと、第4回作業部会配付資料3、タイトルとして「増大する学校業務に対応するための方策について(案)」というところをごらんいただけますでしょうか。

 この作業部会が始まったときに、一番最初、学校のあり方、教職員のあり方という議論をさせていただきましたけれども、冒頭の場面では、学校業務がいろんな形で増大をしてきている。業務改善ということを考えたときに、どういう方策が考えられるのかといって、先生方でご議論をいただいた内容でございます。

 そのときに、ここで四角囲みで、1.2.3.4.5.ということで、それぞれは申し上げませんが、例えば組織的な学校運営の推進だったり、多様な専門人材、地域人材を積極的に活用していく、業務を効率化する、業務を削減する等々のいろんなご意見をいただきました。そのときに、先生方にご意見をいろいろいただいたものを整理したものが、今、見ていただいた(参考)の冒頭、主なご意見のところに戻っていただきますと、かいつまんで申し上げます。

 2枚目の(参考)の主なご意見の部分でございますが、申しわけないですけど、思い出していただくために、例えば、そこの組織的な学校運営ということの中では、丸が4つありますけれども、冒頭のところであれば、従来のような鍋蓋型の組織ということではなくて、副校長、主幹、指導教諭等々を配置していくとか、あるいは、事務職員との役割分担をしていく。チームとして自発性・創造性を発揮しながら、全体として取り組んでいくというようなご意見がございましたし、その下の2の専門的な役割を担う教職員の配置ということの中では、例えば、先ほど来いろいろご意見が出ておりますように、現在の意識の中では、丸の2つ目にもありますとおり、学校教育が学校だけで完結してしまうことには限界がある。地域の方々にも学校に参画してもらって、地域とともに学校を育てていくというようなことを考えていくことが重要だといったようなご指摘ですとか、その下の丸3つなどは、欧米に比べて教員の割合というのが、日本の場合は非常に高い。あらゆるマンパワーを学校に振り向けていって、いろんなところで力をかりていくといったようなことが必要ではないかというようなご指摘もございました。

 駆け足で恐縮ですけれども、また、3番で次のページになりますけれども、業務遂行方法の改善ということの中では、例えば勤務負担の軽減の観点でいえば、今の非効率な状態を改めるために、1つの丸でいえば、文書の標準化、ICT化等々を例えば活用すべきではないかといったようなこととか、あるいは、意識の問題として、下の丸になりますけれども、教員が子供を全体的に指導していきたいといったような、そういう意識の部分をきちっと改めていくといったようなことが必要ではないかというようなご指摘もございました。

 また、重要な点として、4番の教職員の働き方の見直しということの中でも、先ほど来ご指摘をいただいておりますとおり、例えば精神性疾患の方が増えている。あるいは、教員の残業時間が増えているという中で、ワーク・ライフ・バランスといったようなものを考えることが必要だとか、あるいは、変形労働時間制といったようなものも重要になってくるのではないかと、そういうもろもろのご意見をいただいたわけでございます。

 そういった業務改正の切り口ということではありましたけれども、トータルとして全体で考えたときに、資料2の1枚目の今後の学校像について(案)ということをごらんいただいたときに、地域の中で学校というのはどうあるべきか、教員の働き方としてはどうあるべきかというものを整理しているものが、資料2の1枚目でございます。

 そこの部分で、四角が幾つかありますけれども、冒頭の太い四角で囲ませていただいているところは、学校運営の基本的な姿という部分で書かせていただいている部分でございます。そこの中では、教育課題の多様化・複雑化というようなことに対応して、まず1つには組織的な学校運営というものが行われて、2つ目として、専門的な役割を担う教職員が配置される。また3番目として、業務の遂行方法が改善され、しかも4番目として、教職員の働き方が見直されるということで、全体として学校教育の質の向上を実現という基本的な姿が考えられるのではないか。

 そういった中で、1から4までありますけれども、例えば1番、一番最初のところでは、組織的な学校運営というものとして、例と書かせておいていただいておりますが、例えば副校長、指導教諭等々の配置によって、職員会議の短縮など、組織的、合理的な学校運営が行われるという方向性。また、それとあわせて、事務職員の役割が明確化されて、教員との適切な役割分担がなされて、事務長の配置や学校事務の共同実施を通じて効率的な学校運営が行われるという部分が、柱の1本としてございます。

 また、次の2つ目の2番でございますが、専門的な役割を担う教職員の配置ということの中では、例えば、小学校において理科等の専門的な教科において、専科教員の配置が進むという方向性。

 まあ、その他にも教育活動の実施あるいは支援を行うような多様な専門人材が学校で活躍するという方向性がございます。

 3番目として、業務の遂行方法の改善として、例えば、これから教員のパソコン配置というものがまた進んでくるかと思いますが、1人1台のパソコンの配置が実現し、学校がICT化をされるということによって、教務や学校管理に係る業務の効率化が進められて、そういう処理がされていくという部分。

 あるいは、教員が個々人で対応していた業務というものが集約され、あるいは共有化されるということによって、効率的な業務が遂行されるという方向性もあろうかという部分でございます。

 そういったもろもろの改善をしていく中で、4番目でございますが、教職員の働き方、勤務時間の管理というものが適切に行われて、仕事と生活の調和、ワーク・ライフ・バランスでございますが、そういった調和が図られていく。

 また、業務の繁忙に応じて、めり張りのある勤務がなされるといったような地域の中での学校像という方向性でございます。

 それとあわせてですが、一番最後の米印のところに、例えば、こういう1から4を踏まえた基本的な学校の姿を考えたときに、学校と地域との協力関係というものはいかにあるべきかということも、今後の地域の中でのありよう、像ということを考えたときには、1つ大きな論点かと思います。地域の中でも、学校・地域支援本部、あるいは地域コーディネーターといったような方々の役割の重要性というものがありますので、そういったことも含めて、全体として、大きな像をご議論いただきたいということで、ご提案を申し上げます。

 以上です。

○ ありがとうございました。

 先ほど言いましたように、これまでのいわゆる個別的ないろんなテーマを少し総括して、その上にどういうふうな学校像というものを打ち出して、この作業部会のまとめの総論的なもの、基調になるような、そうしたこれからの学校のイメージを、少しきちっとまとめの内容として、やっぱり発信したいと、そういうふうな趣旨も含めて、この辺、意見交換をしてみたいと思います。

 あと、今の説明の中に、もう一つ、事務局のほうからの要請ですけれども、学校運営の基本的な姿ということで、組織的な学校運営、専門的な役割を担う教職員の配置、業務の遂行方法の改善、効率化等々、最後に教職員の働き方という、ある意味では学校内のそうした問題ですけれども、これプラス、そうした学校が今度は地域との関係では、協力関係を含めた、どういうふうな像というものを打ち出していくのか、その辺のところ、地域と学校との関係のところでも、何か少しご意見をいただければということのようですので、よろしくお願いいたします。

 まず、先ほどの議論の継続から、最初、また何かどうでしょうか。ご意見があれば。

○ 今、ざっと見まして、方向として、こういう学校の姿というのを全体として描くというのでしょうか、その姿勢というか、方向性というのは、基本的に大切だし、また必要なことだと、そういうふうに今ご説明して、また、これを拝見させてもらいまして、そう思いました。

 その際に、資料2の1ページ目の1、2、3、4という、こういう柱立てで立てていくことが、あるいは、これを埋めていくことが、今後の学校像の全体の姿を描き出せるのか、どうなのか、少しこのあたりのところというのは、まだ今後とももう少し意見の交換をして詰めていってもいいのかなと思いました。

 その前提で、やはりチームとしての、あるいは教職員間の相互の連携、そういうものがプラスの方向に働く、あるいは、そういうものを助長していく、促していく、そういう環境とか条件整備のあり方ということがテーマだと思いますし、そこの中に教職調整手当というものが、いい意味で位置づいていくというか、あるいは、それについてのあり方というものが提起できるというか、そんな組みたて方、進め方ということが必要なのではないかなと思います。

 以上です。

○ 今後の学校像についてという中で、私が1つ、皆さんに逆にお聞きしたい部分も含めてお話をさせていただくならば、やはり未来の日本をつくる子供たちに最高の教育の場であるという状況づくり。どういうことかと申し上げると、そこで働く職員が、ものすごく意欲を持って働ける環境であるかどうかと、このことに関しては、職員の先生方のどんな学校になったら、そういう気持ちになれるのかと。ここはものすごく大事にして組織をつくっていただきたいと思います。

 もう一つは、やはり学校というのは、日本の中でそれぞれの地域の核になっているという部分がある中で、開かれた学校ということはどういうことかというと、その学校に対して、みんなが応援をしようという気持ちや、そういう地域の核であるという、その気持ちが存在することがまさしく開かれた学校そのものである。だから、いろんな問題もやっぱりみんなで、地域で解決しようというところまでいく、そういうためには、そこの中で働いていく管理職の方たちはやはり相当なコミュニケーション能力を持って、地域と交わることができる管理職ということは目指していただきたいという願望が1つあります。

 もう1点の中では、先ほど先生方たちが多忙感とか、何とかと申し上げる。転勤ということがあって、いろんな学校に行かれるのはいいのですが、例えば私どもの地域では、校長先生、2、3年、2年と1年とかいうぐらい短い期間で異動されていく。コミュニケーションがないうちに、地域とかかわらないうちに次々行かれてしまう。

 そうすると、知らないうちに、学校は学校の業務をするみたいな感じにやっぱりなりかねない。PTAの会長が長く続ければ、それはまた別の意味の補完ができるのですが。つまり、PTAという存在をうまく活用しながら、その辺とも連携をしていくような社会がきちんと生まれる、その環境をぜひつくっていただきたい。

 この間から申し上げていますが、公務員、教職員というものがどんなにすばらしい職業であるのかというのをもっと徹底的に社会に訴えていただきたい。民間の一緒にいらっしゃる保護者は、あす首になるかもわからないのです。非常にお金持ちから厳しい方、宗教観もさまざまな方、政党も自民党から共産党、さまざまな方がいる中で、子供たちのためをということで、1つになっている。それをまた学校を核にしてやってらっしゃるわけですから、どこに行き過ぎてもよくないけれども、コミュニケーション能力を持ちながら、やっぱり学校の先生はすばらしいねという、保護者が思えるような状況になると、ものすごく問題は解決しやすくなるんです。そこがそうではなくて、あの先生はという状況の間では、なかなかものは解決しない。私どももやはりそれが何とかならないかと努力しているのですが、そうなってくると、働きがいがあるという先生方の顔は、多分解決の第一歩。

 次に、本当に、開かれた学校になって、学校の中にだれでも来ればいいという、そういうものではないことが見えてきたときに、本当の地域の学校として、開かれた学校になります。つまり、文科省がおっしゃっている、本当の基本のところが、みんながイコールになればいい。その施策はぜひ教職員の声も聞いていただいて、こういう組織になれば、そうなるんだというようなことがもっと明確に出てきてほしい。

 保護者の声は、私が代表させていただきますし、教育委員会の声は、ぜひ教育委員の皆さんに大きな声を出していただいて、どうやったらそういうことが実現できるのか。この辺になってくると、今後の学校像というのは非常に見えてくるのかなと思います。

 以上です。

○ 非常に重要な指摘だったと思います。教職員がまずもって意欲を持って働きがいのある学校というのは、どういうことかということと、やっぱり地域の人々が心底応援したくなる学校づくり、まさにそれが開かれた学校の神髄ではないかというような指摘を得て、まさにそうかと思います。

 その辺も含めて、少し資料2に関して、ほかの方のご意見も伺いたいと思います。

○ 資料2につきましては、今まで議論されてきた項目が1から4までに整理されてあると思うのですけれども、2点、お話をさせていただきたいと思います。例えばマル1組織的な学校運営の例のところで、副校長、主幹教諭、指導教諭の配置により、職員会議の短縮など、組織的・合理的な学校運営が行われるとありますが、これは、副校長、主幹教諭、指導教諭の配置が、職員会議の短縮という1つの例に結びついておりまして、非常にきつい言葉を言えば、矮小化されているという感じがするのです。ですから、1つは、表題に、今後の学校像について(案)とありますから、今までの議論されてきた内容をもう少し豊かに例として挙げていただいた方がいいのではないかということです。

 例えば、本区は95校の学校がございまして、私は今、校長先生1人当たり30分、全校の校長先生とヒアリングをしております。ヒアリングの内容は、各校長先生の本年度の学校経営方針及び昨年度の学校関係者評価による学校改善の視点についてですが、うちの区は平成18年から全校で、当時、外部評価という名前でしたが、学校評価を行っております。昨年度から法令に合わせて学校関係者評価という名前に変えましたけれども、やはり副校長、主幹教諭等々が校長先生をよくバックアップしている学校では、自己評価のための重点目標もしっかりしていますし、自己評価もしっかり行われ、また、学校関係者評価委員会、つまり、保護者や地域の方で構成される委員会から学校長への報告書もしっかりしています。

 ところが、校長先生が1人で頑張っていらしても、なかなかそうはうまくいかない。やはり学校改善のための評価という、そういう1つをとっても、副校長、主幹教諭、指導教諭、東京都の場合、主任教諭という制度を開始しましたけど、そういう、教員の意見をボトムアップで管理職に伝え、管理職の意見をトップダウンで教員に伝えていく中間層の充実が非常に大きい役割を果たしているということがよくわかります。

 ですから、例としては、もう少し実りのある例にしていただけるとありがたいというのが1点目です。2点目は、私の区では、平成17年に教育ビジョンをつくりまして、大きな施策の柱として5つ挙げておりますけれども、第1に地域とともに子供を育てる教育という柱を掲げております。例えば学校を中心とした地域の教育ネットワークの構築、地域教育基盤と呼んでおりますけれども、その整備ですとか、本区では地域運営学校と呼んでおりますけれども、文部科学省のコミュニティ・スクールの指定、5校から出発して今年度35校まで拡大し、約3校に1校が地域運営学校になっております。やはり地域とのかかわりという視点を、資料2の4点以外に1個設けていただいたほうがいいのではないかと思います。

 本区では5つの施策の柱の中で、第1に、つまり、トップに何を掲げるかということを、平成16年度にけんけんがくがく議論をしましたけれども、やはり公立の義務教育というのは、どこの地域で子供が育っても、信頼と誇りの持てる学校づくりをしなければいけないということで、地域とともに子供を育てると教育という施策の柱を第1に掲げました。第3は信頼と誇りの持てる学校づくりという施策の柱です。

 先ほど委員もおっしゃいましたが、信頼と誇りの持てる学校づくりというのは、地域や保護者の方から、また子供たちからも信頼や誇りを持てると同時に、教職員からも信頼と誇りが持てる、そういう学校づくりをしなければということで、3番目の柱に据えたわけです。

 信頼と誇りという点では、例えば資料2の組織的な学校運営、1ですとか、2、3、4というのは、それにかかわるところだと思いますけど、地域という視点をこの4つ以外に入れていただいたほうがいいと思います。

 以上です。

○ ありがとうございました。

 ほかにどうでしょうか。

○ 学校が信頼されるか、されないかというのは、やっぱり子供がいい方向に変容するかどうか、あるいは、課題を抱えている子供をチームで支援できる体制ができているかどうか、そういうところが大きくかかわっていくのではないかなと思います。

 そういう学校にするためには、今まで教員がいろんなことを抱え込んでいたわけですので、生徒指導の問題もそうなんですけれども、幅広くいろんな仕事をこなさなければなりませんので、例えば生徒指導にしてもゆとりがない。だから、経験と勘だけで同じことを繰り返しているという、そんなこともあるわけですから、やっぱり教員にもう少しゆとりを持たせるためには、教員でなくてもできる仕事を専門職員、非常勤でいいと思うんです。定数の配置というのはなかなか難しいですから、非常勤で専門的にやってくれる職員を配置すれば、その分だけ教員が負担を軽減できるわけですから、教員のほうもより専門性を高めることができると、ゆとりも出てくると思います。

 例えばスクールカウンセラーなどはいい例です。これはもう本当に学校では成功例だと思いますけれども、そういう部分、特に中学校は不登校が多いわけですので、不登校を抱えた学級担任というのは非常に負担が重いわけですから、やっぱりこれもシステム化して、例えば教室に入れなくなってしまった子は、学級担任よりも、むしろほかのチームで、例えば不登校支援教室みたいなものをつくってチームで支えるという、そういうことをやっていく必要があると思います。実は私の学校はそういうふうにしていて、学級担任が過重な負担を抱え込まないということをやっています。

 スクールカウンセラーとか教育相談員だけではないと思います。読書指導もそうだと思います。非常勤で読書指導員も配置してもらっていますけれども、これは今までだと、教員が全部指導していたものが、今は調べ学習だとか読書指導を、そういう図書室にいる読書指導員がやってくれていますので、その面も負担が軽減されていると思いますので、ぜひ分業化といいますか、非常勤で結構ですので、専門職員の配置を進めていただきたいなと思います。

 以上です。

○ ありがとうございました。

 ほかにどうでしょうか。現場の先生、教育委員会関係者、外部というか、地域とか民間というような視点で、いろいろ少し出していただきたいと思います。

○ こういった議論をするときに、どこまで元に戻って議論を進めるかということが問題になるんですけれども、そもそも学校とはという、学校の役割とは何かといったようなこと、さらにそこに勤務する教職員の役割とは何かといったようなことについて、これまでも議論の中には、時々それに関連する言葉は出てきているんですけれども、学校とは何をするところか、どういう役割があるかということについて、例えばここにいる皆さんの中でも、本当に全部意思統一ができているかどうかというのはちょっと疑問だと思うんです。ましてや、教育の関係者といわゆる教育以外、一般の国民の皆さんとが一致するかということは、まず一致していないだろうと思う。

 それは、この前の議論の中にもあったように、学校に膨大に業務が増えてきたというのは、例えば公立学校、これはよって立つところは税金で行われているということで、税の使われ方というようなことが問われること、それのいろんなことから、何でも学校に頼めばというような、ある意味では、そういう安易な方向へ動いてきたことがなかったとは言えないです。どんどん勤務が学校に膨らんできたということがあるんです。

 もう一度戻りますと、やっぱり学校とは何か、学校の役割というようなことについて、明確に、やっぱりこれはそもそも論になるんですが、それをどこに出すかというのは問題ですが、第1の前提としてはそこがないと、根本的な解決にならない。そこに勤務する一人一人の教職員はどういう役割があるかと、何を担うべきかというようなことから始めないと、そこは共通にならないところで議論していても、何かこう出した方向が統一的なものにはならないのではないかなということをちょっと思いました。

○ なるほど、そうですね。わかりました。

○ 1つ感ずるのは、今後の学校像というと、要するに、今、学校が何のためにやっているという機能ですが、学校の機能、教育機能としての学校というのは、ちょっと思い出すものですから、それと中身を見ると、これは非常に学校の経営だとか運営だとか、あるいは条件だとかというようになっていると思うんです。

 ですから、学校像というと非常に広いものですから、そうでなくて、例えばここの一等最初の二重丸の学校運営の基本的な姿というのを、今後のそういうものだというようにしてやられたらどうだろうかということが1つです。

 もう一つは、やっぱり今後の学校像ということになったら、リード文ででもいいですから、今、委員からも出たように、子供たちをどう育てるか、やっぱりそういうような子供を育てていく機能としての学校というのを少し書いて、そのために学校運営はどうなんだ、あるいは、学校の職員構成はどうなんだというようになってこないかなという気がいたします。

 これはそれとして置いておいて、ここに指摘されているのは非常に大事なことで、今までの日本の学校では考えられない、あるいは、不十分だったというのが非常にあると思うんです。特にここで1つ出ているのは、専門職員の問題です。これは多様な専門人材が学校で活躍すると、これは非常に大事だと思うんです。今、言われているように、日本の学校では、教員以外のその他の職員というのは二十何%しかいないんです。アメリカあたりは、その他の職員が、学校では40%を超しているということです。ですから、日本の学校を見たら、本当に教員と、職員でも事務職員というような形にしかなっていないというところですから、これは非常に大事なことだと僕は思います。

 次のそのために、例えばICT化をされても、やっぱりそれにかかわる専門的な業務ですが、僕もアメリカで見たんですが、ほとんどもうコンピューターはそういう専門職員がいて、教員の場合はこんなことがほしいと言えば、設計していろいろソフトをつくってくれると、こういうようになっているんです。だから、そういうようなことをしないといけませんから、そういう意味では、今後の学校の条件の一部として、こういうものをつくっていくというのは非常に大事だと思います。

 最後の4番目の教員の働き方というものですが、これはもうそのとおりで、仕事と生活のバランスがとれているというのが大事です。要するに、8時間働いて、8時間休息して、8時間寝てというような、そういうようなものが日本の学校教職員の中にできていくのか、どうなのかは、非常に大事なことだと僕は思うんです。ですから、今後の学校を考える場合には、やはり働いているすべての教職員が、今の生活と仕事のバランスもとれたものが非常にいいと思います。

 もう一つ、学校の運営の基本的な姿勢といいますか、基本的なあり方として、スター印の最後のほうに出ています学校と地域との協力体制、僕は、これはもう一項、逆に起したほうがいいのではないだろうか。例えば、今の学校の経営問題が、もう学校だけで運営したり、経営したりするのではなくて、地域やPTAが一緒になって、これで経営していくんだという線をきちっと明確にしていくと、そういう学校像というものをやっぱり明らかにしたほうがいいのではないか、こういうふうに思います。

 以上です。

○ ありがとうございました。

○ 今後の学校像ということですが、学校の役割というのが、これまで家庭でありますとか、社会生活の中で学んできたことまでを、学校現場でやっていくという現状の中で、これまで教員一人一人の個人個人の経験則でやってこられたものが、なかなか個々人での対応が難しくなったという意味で、組織で対応する必要があるだろうなと。

 組織で対応するためには、やっぱり管理職、管理者が個々の教員に意識を持たせて、学校の内部の関係をどう持っていくか、あるいは、外部との関係をどう持っていくかといったようなことを、やっぱり管理者が意識をしながらやっていく必要があるんだなと。そういった意味では、こういった学校像につきまして、これまで鍋蓋組織であったものを、こういった組織的な運営を行って、組織で対応していくというのは、非常にいい方向ではないのかなと思います。

 学校が地域にどういった形で評価されるかとなりますと、ぱっと見た目にいかに学校が落ちついた雰囲気であるのかというのが、一番地域の方々にとっては、生徒の行動にも問題もなくて、学力もある程度ついてきているといった形で、学校がいかに落ちついているかということが問題になろうかと思います。そのためには、やっぱり教職員がしっかりとした形で子供たちを見、そして、また地域ともかかわりを持つということが大事かなと思います。

 そういった意味では、この学校像にありますように、組織的な学校運営の中で、こういった職階制、副校長、主幹、指導教諭、あるいは学校事務の共同実施でありますとか、専科教員の配置、特に我々の県の場合は、小規模校が非常に多うございまして、教員の配置が難しい中で、こういった専科教員の配置がありましたけど、こういうものは、今後こういった形で対応していけば、改善の方法としては、いい方向に進んでいくのではないかと思います。

 また、3番目の業務遂行、教員一人一人のパソコン配置とか、こういったものを共有化しながら、課題を共有して、その課題に向けて、課題をチームで解決していくような形で、取り組んでいけば、効率化も図れますし、それがまた、4番目のこういった働き方につながっていくのではないかということで、この方向性としては、こういう方向で非常にいいのではないかなと考えております。

○ ありがとうございました。

○ 今後の学校像ということについてなんですけれども、そもそも論から説き起こしていく、そういうスタンスをとっていくのか、もうかなり直裁に、太い枠で囲んでありますように、学校の運営の基本的な姿と、運営の基本的な姿というところからやっていくのかどうなのかということなんですけれども、先ほど来の話と重ね合わせていくと、学校の運営の基本的な姿、あるいは、学校のマネジメントのあり方ということを説くというところから始めても、十分いいのかなと思います。

 そうした場合に、組織的な学校運営というところについての例の示し方、先ほどご意見もありましたように、この辺ところをもう少し多様性とか、あるいは創意工夫とか、いろんなやり方も、あるいはいろんな組織の組み方もさまざまに工夫の余地のあるところであって、そこで創造的に展開していくという、そういう基本的な姿勢というのが、学校運営の基本的な姿の中に、しっかりと位置づけられることが大切なのかなと私は思っています。

 ですから、そういう意味でいうと、組織的な学校運営という、この組織的な学校運営というところに、どれほどのそれがあるのか、どうなのか。ですから、例えば、学校組織運営の場合には、俗にスタッフの組織とラインの組織というものがあって、それを適宜、動かしながら、全体として組織の目標を目指していくなどというのは、経営の教科書のイロハのイの部分にもあるわけですけれども、そういう学校の組織の運営においては、より学校の組織の特性から応じて、こういう運営の仕方があるとかないとかという話になってくるのではないかと思う。

 そういう中で、2の専門的な教職員の生かし方とか位置づけ方というものが、まさに生きてくるのであって、専門的な役割を担う教職員と多くの一般の教職員の方とのチームの組み方とか編成とか、そこのところの校長のリーダーシップ、校長のマネジメントのあり方等々の組み合わせの中で、学校の組織が機能していくんだということであって、そういう展開の中で、4としての教職員の働き方のあり方、そこのところに手当の問題というものが絡んで出てくるという、そういう展開の仕方というものが大切なのではないかと思いますし、そういう意味において、基本的な姿というあたりのところについて、もう少し掘り起こすというか、耕す必要があるのかなと思います。

 以上です。

○ ありがとうございました。

○ 私も皆さんとほぼ同じスタンスで意見を述べさせていただきます。

 ここに書かれている各項目を見ますと、やはり今後の学校像についてというタイトルよりは、今後の学校経営のあり方についてということで、管理職側のお話だと受けとめます。

 その立場で見ていったときに、私が気になったのは、2の専門的な役割を担う教職員の配置、教育活動の実施支援を行う多様な専門人材が学校で活躍するなんですけれども、専門的人材が学校で活躍する人の資格、また、この人に教職免許が必要なのか。例えば、小学校で英語学習が始まりましたけれども、外国人の教員を配置したときに、外国での教員免許状を持っている場合には、より優遇されるというか、1人で授業ができるのか、ティームティーチングでなくて、特別非常勤でなくてできるのかというようなところ。また、近所で協力してくれる方がいらっしゃると言いながら、どなたでも引き受けられるのかなど、説明責任として、これらの方の条件が明らかになっていく必要があるのかなと思います。端的に今、例を挙げた小学校の外国人教員などの場合に、運転免許書の国際免許状のような考え方ができてくると、現場としては大変やりやすくなるのではないかという気がいたしました。

 学校経営の今後のあり方についてというタイトルの意見とともに、やはり学校像という立場でいえば、先ほどもおっしゃいましたけれども、教育の部分の姿というのも、どこかで述べられるべきではないかと考えます。

 例えば、今、学校教育がどちらの方向に向けて行われているのか、大変わかりづらい時代になっています。明治時代、大正時代、戦前、戦後と、そのとき、そのときの社会情勢、また、将来像を踏まえて、学校教育がなされてきていたわけですけれども、今、個人主義、多様化グローバル・スタンダードのような中で、どちらを向いて学校が生徒、子供たちを育てていくのかというようなところが問われているのではないかと思っています。

 特にこの数カ月、経済状況が変わりまして、必ずしも個人主義、欧米型のやり方だけではよくないのではないかと言われる中で、もう一度日本的なものを見直していこうと言われている中で、電車の中に皆が音楽などを聞いて、我関せずというような状況を見るにつけ、学校として子供たちにどういう方向に育ってほしいのか。一概に言えないですし、10年したら、それがまたそのまま続けられるのかということはわかりませんけれども、学校の教育方向として子供をどういうふうに育てていくのか、どちらの方向に向けていくのかというようなものは、何らかの形で検討しなければならないのではないかというような気がしております。学校に関する議論ですので、教育の方向として、それが1点、述べられておく必要があるのかなということを感じました。

 以上です。

○ ありがとうございました。

○ そもそも論を膨大にする必要はないと思っています。学校とはということ、先ほど言ったことですけれども、ただし、ここでの議論、今までの議論の中で、これは本来の学校でやることかとか、あるいは、本当に先生の仕事かといったようなことが膨大にあって、そのことが解決されない限り、例えば学校運営の基本的な姿勢とか、そういったことを議論できないと私は思うので、学校の立場、教員の本来の職務あるいは役割といったことについて、何らかに触れていくことをしないと、進まないのではないか。

 学校とはとか、教育基本法であるような教育の目的とか、そこまでさかのぼることは考えていませんけれども、この議論を進めるために、今、委員も言われましたけれども、そもそも学校は何をするところで、先生方の本務、本当の仕事はこういうものだということを明らかにする、わかってもらう、そういう必要はあるということ申し上げたいんです。

○ わかりました。

○ 資料に1点、違和感を感じるところがあります。1の組織的な学校運営の例の丸の1つ目ですけれども、副校長、主幹教諭、指導教諭の配置により、職員会議の短縮など、ここが問題なんですが、組織的・合理的な学校運営が行われると書いてあるんですけれども、こう読むと、普通の学校が何か職員会議が荒れて時間がかかっているようなイメージがあるんですけれども、必ずしもそうでないと思いますし、そもそも副校長、主幹教諭、指導教諭の配置というのは、職員会議の短縮が主たる目的ではないと思いますので、ここの部分は職員会議の短縮などというところをとって、目標達成に向けて、組織的・合理的な学校運営が行われるのほうがよろしいのではないかと思います。

 以上です。

○ わかりました。

○ この資料の3ページ目のほうになるんですが、3のところにありますけれども、3の中の2つ目とか3つ目に意識改革というお話があったりとか、業務範囲の明確化というものがあります。意識がやはり変わらなければ、この学校像に書かれています1の組織的な学校運営であったりとか、専門的な役割を担う教職員の配置であったりとかがあっても、やはり時間数として減るというのはなかなか難しいのかなと思います。

 意識改革をしていくということは、つまり時間を意識していただくということになると思います。今、学校の現場ではどうなっているかというと、計画段階では、やることというのは大体お話をされています。ただ、時間数についての予算というのは考えてないんです。時間数を予算として考えるという考え方はないと思います。

 例えば、年間指導計画であれば、授業準備であったりとか、教材研究にどれだけ時間を使うのか、もしくは成績処理にどれだけ時間を使うのか、そういうものを検討していないということです。そういうものが計画段階でオーバーであれば、他者との協力であったりとか、他者のものを使うであったりとか、そういう発想が出てくると思います。

 また、学校行事などで、どの時期、どんなことをして、どれほど時間がかかるかなど、そういうことがわかれば、仕事の平準化というものも図れますし、もしくは、外部の他者の協力を得て、学校行事を進めていくというのも出てくると思います。

 先ほど、管理職の時間管理がありましたけれども、時間管理の中でも実績のみを管理しているだけでは、改善に取り組むということは、おそらく一般的には難しいと思います。予算というものがあって、実績があって、その差異があるわけで。差異が出ることは悪いことではなくて、出た結果をどういうふうに改善していくかということが出てくるわけで、そこがスタートという形になると思います。

 ですから、3番のところは、特に業務遂行の時間の予算化であったり、標準化、先ほどの時間というものありましたけれども、そういうものも考えていく必要というのが特にあるのではないかなと思います。

 そういうものがない限りは、おそらく1番、2番、そういうものを考えたとしても、なかなか時間数というのは削れていかないのかなと、そのように考えます。

○ ありがとうございました。

 よろしいですよね。

 では、ありがとうございました。資料2に基づいて、40分ほど皆さんからご意見を伺いました。基本的には資料2で盛られている1から4の4つの項目をベースに、各ベクトルについては異論はないけれども、少しほかに加えて、いろいろ工夫してほしいというような意見がいろいろ出されました。

 例えば学校像ないしは学校経営管理の姿を書くにしても、その前提には、やっぱり教育の基本方向とか、これからどんな子供を育てていくのかという、その辺の課題をまずきちんと整理した上で、そうした教育の基本方向とか、子供を育てていく上で学校と地域社会との間の役割とか、その関係をやっぱり前提にきちっと書くとか、その辺も加味しながら、少し全体を整理してほしいという、そういう意向だったと思います。

 ほかにもいろいろありましたけれども、今日出された意見を少し踏まえながら、事務局のほうからもう一度資料2をベースにして、総論的な部分は次回以降に出していただければと思います。ありがとうございました。

 ちょうど終了の時間の3時ですので、次回以降の予定をよろしくお願いいたします。

○ 本日はありがとうございました。

 次回以降、また改めてご連絡をさしあげます。よろしくお願いします。

○ わかりました。

 これで、第10回作業部会を終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

── 了 ──

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(初等中等教育局学校マネジメントプロジェクトチーム)