資料1 沼津市立沼津高等学校・中等部 平成17年度中高一貫教育改善充実研究(文部科学省指定)<報告書抜粋>
教員組織の一体化-分掌仕事量の均一化を目指したジョブサイズの導入-
(1)はじめに
- ア 平成15年度から中高一貫教育を導入し、中等部2クラスを併設。同時に新校舎建設・移転と沼津市立高等学校・中等部として生まれ変わった。
- イ 平成15年度の教員数は中等部7人(5人)、高校44人(18人)、平成16年度は中等部10人(8人)、高校43人(17人)、平成17年度は中等部14人(6人)、高校(17人) 注)( )(かっこ)は中高兼務人数
- ウ 部活動は、野球を除き、中高合同で活動しており、高校教員の指導の負担は大きい。
- エ 教員組織の中高合同への模索は平成15年度から始まり、PTA組織の中高一体化は平成17年度に実現した。
(2)ジョブサイズ導入の背景
ア 中等部の併設・職員組織の一体化
- a 中等部の分掌はポイント制(均一化)
- b 中等部組織と高校組織の違い
- c 時間割、清掃、生徒会活動、中高で一緒に動く場面が多い
(教員間の意識・気持ちの一体化の必要性)
イ 教員数の減少・仕事量のアンバランス
- a クラス減に伴う教員数の減少(平成15年度から高校1学級減)
- b 担任の負担感と担任希望者の減少
- c 一部教員への仕事の集中(ベテランや役付や担任を避ける傾向)
ウ 民間人校長の着任
- a 教員の仕事範囲の広さへの驚き
- b 多忙な教員とそうでない教員の格差の大きさへの疑問
- c 人材の有効活用、組織活性化への方策への模索
(3)準備段階(平成15年度)
ア 一体化の準備として、「課」を「部」と改め、一部組織の改編
- a 生徒課を生徒指導部と新設の特別活動指導部とに細分化
- b 図書課を図書学習部とし、学習指導の仕事分野を追加
- c 総務課と保健課の営繕・清掃等の仕事を新設の管理部に
イ 専任・兼任制の導入
- a 分掌は副担任が専任、担任はクラス運営に集中し、2つの分掌を兼務
- b 運営委員会、職員会議で検討。反対意見も上がるが、新校長の説得でスタート
(4)1年目の状況(平成16年度)
ア 専任・兼任制への疑問
- a 専任でも仕事をしない者あり
- b 部長から「兼務者には仕事を頼みにくい」
- c 担任から「一つの部に所属していた方が仕事がしやすい」
イ 分掌改編への疑問
- a 「生徒指導部と特別活動指導部は一つの方がよい」との意見
(5)2年目の状況(平成17年度)
- ア 中高一体型組織としてスタート
- イ 仕事分担の手法にも慣れ、工夫もされてきた
- ウ 分掌の仕事内容が見えてきた
(6)今後の課題と方向性
- ア ジョブサイズの測り方、算出の仕方は合理的か
- イ 現在、分掌に位置付けのない学年主任をジョブサイズの中でどう位置付けるか
- ウ 分掌の平準化に対する中高の意識の違い
- エ 時代は学校評価、教員評価の方向へ
- オ 教員間、中高での協働作業が進むのが導入の目標