中央教育審議会初等中等教育分科会教育課程部会高等学校地理歴史・公民専門部会（第4期第3回）議事録・配付資料［資料3］

　本資料は、教育課程部会高等学校部会（第4期第2回）における意見を基に、整理したものであり、今後変更があり得る。

　世界史を小・中学校で扱っていないから、高等学校で扱うことが合理的だという論はおかしい。義務教育段階で世界に通用する教育をすべきであり、小・中学校でも世界史は教えておくべきである。高等学校では世界をリードする人材を育成する観点から、探究活動などを通じて世界史も日本史も地理も大切にするのが望ましいので、どれか1科目を履修すればいい、という考え方もある。また、教育基本法の改正もあり、日本の文化・伝統を大切にすべきとの考えもあり、高等学校段階では、日本史を必修とすべきである。
　日本人にとって日本史が一番重要だからこそ、義務教育でしっかりやるべき。義務教育が身近なところから学習することを考えれば、やはり日本史から。したがって、高校で世界史をカバーするのはやむを得ない。また、科目内で横のつながりを配慮するというのが望ましい。現時点では枠としては、現行どおりが合理的。大学の都合から言えば、高校で世界史はやってきて欲しい。
　世界史ベースで日本史、地理との関連を一層重視し、総合科目は将来の検討課題とする整理でよい。大学の学問体系、現場の先生方が教えにくいというのは、いわば教える側の都合。兼ね合いは必要だが、これでカリキュラムを考えるのは本末転倒である。進学率からして国民的教育機関としての高校で身に付けるべき中身を考えた場合、現場も大学も努力すべき。義務教育で日本史が十分教えられているから世界史とか、日本史か世界史かの二者択一で捉えるのではなく、世界史的な面と日本史的な面を兼ね備えた内容がいいのではないか。
　地歴高等地図を高校生の4割しか持っていないことは問題。全体枠の中でものごとを判断する必要があり、総合的な科目を今後、検討するということについては賛成。
　企業から見れば、世界を知ることは大切である。そのためには、世界史だけでなく、世界地理もある。日本史や地理との関連を一層重視することについて、もう少し具体的に書くべきではないか。また、小・中・高等学校の内容の体系性が重要であるので、小学校では何を、中学校では何を、高等学校ではそのために何をするということを示してはどうか。
　歴史教科書を見ると入試対応で網羅的なものがある。しかし、それを覚えていても、歴史的教養があるとはいえない。教科書の在り方を考えるべき。必履修の歴史教科書は郷土史の通史的な教材があった方がいいのではないか。
　歴史教育について、教科書以外の教材、伝記や新聞、地図なども含めて、読み物的な教材の充実が必要ではないか。
　世界史は必修化されたここ10年で授業なども工夫されてきた。そして、学習内容や範囲も多岐にわたっている。しかし、世界史の内容を地理、日本史と関連付けながら見直すとした場合、安易に世界史の内容を膨らませるのは如何かと思う。関連付けは結構だが、そもそもは世界史であること、これをはずさないようにすべき。

教育課程部会高等学校部会（第4期第2回）における高等学校地理歴史科に関わる主な意見