教育課程部会(第104回) 議事録:文部科学省
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教育課程部会(第104回) 議事録

1.日時

平成29年11月13日(月曜日) 10時00分~12時00分

2.場所

文部科学省 東館3階 講堂

東京都千代田区霞が関3-2-2

3.議題

  1. 新しい学習指導要領の周知について
  2. 学校における働き方改革等について
  3. その他

4.議事録

【天笠部会長】  定刻となりましたので,ただいまから第104回中央教育審議会初等中等教育分科会教育課程部会を開催いたします。本日も大変御多忙の中,御参加いただき,誠にありがとうございます。また,本部会につきましては,報道関係者より会場の撮影及び録音の申出がありますので,これを許可しておりますので,御承知おきください。
 それでは,本日の配布資料につきまして,事務局から御説明をお願いいたします。
【白井教育課程企画室長】  本日の配布資料でございますが,お手元の議事次第にありますとおり資料1-1から資料6まで,また資料番号を付けておりませんが「平成29年10月31日財政制度等審議会財政制度分科会配布資料(抜粋)」という資料を机上に配布させていただいております。さらに参考資料といたしまして小学校5・6年生に関わります外国語教育の教材を机上配布させていただいております。もし不足等がございましたら事務局にお申し付けください。
【天笠部会長】  どうもありがとうございます。
 それでは,本日の議題に入ります前に報告事項が2件ありますので,事務局から資料5,資料6につきまして順次御報告をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
【白井教育課程企画室長】  ありがとうございます。
 それでは,初めに教育課程課の方から資料5,児童生徒の学習評価に関するワーキンググループの設置についてという資料について御説明させていただきたいと思います。お手元の資料5をごらんいただきたいと思います。
 資料5の1ページ目でございますけれども,去る7月18日の本部会で御決定いただきました児童生徒の学習評価に関するワーキンググループの設置ということでございまして,この部会の下に評価に関するワーキンググループを設置したいと思います。
 そこでは主な検討事項としまして,1ページ目の2ポツにございますように児童生徒の学習評価の在り方,指導要録の改善,また学習評価に関する参考資料の在り方に関する事項等について御審議いただくということになってございます。
 次の2ページがワーキンググループの委員名簿というものでございます。本部会からも多くの先生方に御参加いただいているほか,特に学習評価に関して御専門で御知見をお持ちの先生方にも別途御参加いただいているというものでございます。
 この学習評価のワーキンググループについては,先日第1回の審議を行ったところでございますけれども,3ページ目に児童生徒の学習評価に関する論点例とございます。観点別の学習評価,多面的・多角的な学習評価,また働き方改革ということが指摘されている中で,効果的・効率的な学習評価,さらには障害のある児童生徒の学習評価,また今回の学習指導要領の改訂で特に強調されている教科等横断的な視点で育成を目指すこととした学習の基盤となるような資質・能力をどのように評価するかといったような論点について,今後御審議いただけるということになってございます。
 第1回目の部会においては,第1回のワーキンググループにおきましては,委員からも御発表いただいたりしてございますけれども,今後も委員からの御意見を頂きながら審議を深めていきたいと考えているところでございます。
 簡単でございますが御報告は以上でございます。
【金城外国語教育推進室長】  資料6に基づきまして御説明いたします。
 小学校の新学習指導要領においての外国語教育でございますけれども,3・4年生(中学年)から外国語活動を週1コマ導入,それから5・6年生におきましては教科型の外国語科の時間を週2コマ,年間でいきますと70単位時間扱うことにしております。
 2枚目に参りまして,こうしたことから,新学習指導要領に円滑に移行するために,来年度からの2年間につきましては全ての小学校において外国語科,外国語活動の内容のうち,中学校との接続を図る観点から必要最低限の内容を指導することにしております。具体的に申しますと,高学年につきましては現行の外国語活動の35単位時間に新たに年間15単位時間を加えまして50単位時間といたします。それから,中学年につきましては現行では取扱うことになっておりませんので,新たに年間15単位時間を確保するということになってございます。高学年につきましては2020年から教科書が配布されるわけですけども,それまでの間は,無償給与されるまでの2年間,国として新学習指導要領に対応いたしました教材を配布する必要がございます。また,中学年の教材につきましては現在開発中でございますけれども,2020年以降も活用することにしてございます。
 それでは,3枚目でございますけれども,現在,私どもの方で様々な新教材を準備してございます。今回御説明いたしますのが真ん中にございます5・6年生の児童用冊子でございます。このほかにも9月には教師用の指導書,それから学習指導案を公表してございます。今後は3・4年生の児童用冊子,それから教師用指導書,指導案,またデジタル教材についても順次公表する予定でございます。
 具体的に新学習指導要領に対応いたしました外国語教材の高学年用の教材でございます。4枚目をごらんください。この新教材は“We Can!”とタイトルを付けてございます。先生方におきましては机上に冊子の全体版をお配りしておりますけれども,各ユニットでは聞くこと,話すことから始めまして,音声に十分慣れ親しんだ後に読むこと,書くことの言語活動に取り組むという構成にしております。また内容につきましても,広がりのある話題を設定したり,また今回,高学年におきましては読むことや書くことに対応したコーナーを設置してございます。また,中学校への接続を重視する観点から代名詞や動名詞,過去形などを含む基本的な表現に繰り返し触れるように工夫してございます。
 具体的には5枚目以降でございますけれども,代表なところを御紹介いたします。まず,右の中ほどでございますけれども,夏休み後の授業で夏休みを題材に取り上げる,こういった表記でございます。ここで実際に子供たちが行った場所とか食べたもの,楽しかったことなどを伝え合う中で過去形を扱ったりすることにしております。
 また,1枚おめくりいただきまして6ページ目でございます。下の方に【Let's Watch and Think】というところがございます。これはデジタル教材に収録されております映像を見ながら英語でまとまりのある話を聞いて,場面設定をヒントに思考力,判断力,表現力等を駆使しながら新しい語句,表現の意味を推測したり,概要を捉えたりする活動でございます。
 それから最後のページでございますけれども,8ページ目でございます。【Let's Read and Write】のところでございますが,これは音声で十分に慣れ親しんだ簡単な語句や基本的な表現をワークシートに語順を意識しながら書き写したり,友達が書いた文を読んだりするという活動でございます。また右の方に【STORY TIME】というのがございますけれども,こちらは英語の自然な音声を繰り返し聞いて,その意味内容を絵を手掛かりに推測したり,文字と結び付けたり,単語や文,語順などの認識を深めたりする活動でございます。
 こういった教材を今回作成いたしまして,年度末には各学校に配布する予定でございます。来年度から始まる移行期間における指導に生かせるように,“We Can!”に加えまして文部科学省から別途作成いたしました指導書や指導案なども活用していただきながら,各学校において校内研修等を通じ指導力向上を図れるように引き続き取り組んでまいりたいと思っております。
 説明は以上でございます。
【天笠部会長】  どうもありがとうございました。
 今2件報告がありましたけれども,委員の皆さんから御質問あるいは御意見等をお願いしたいと思います。限られた時間ですけれどもお願いしたいと思います。
 それで,まずは最初に1件目として学習評価に関して,その後外国語としたいと思いますので,まず学習評価についてということでありましたらお願いしたいと思います。なお,御意見等がありましたら,例によって名札を立てていただければと思いますので,よろしくお願いいたします。1件目につきまして,学習評価につきましていかがでありましょうか。今,先ほどもありましたように委員の皆さん,実際に委員になられてという方もたくさんいらっしゃいますけれども,その方々も含めまして何かありましたらお願いいたします。よろしいでしょうか。
 それでしたらもう一つの,また後ほどでも結構ですけれども,外国語の件につきまして何か御質問,御意見等々がありますでしょうか。
 吉田委員,お願いいたします。
【吉田委員】  すみません,外国語教育の抜本的強化のイメージの表紙のところで,これは前々から不思議だったんでお尋ねしたいんですけど,語彙数の問題なんですが,今までが高校卒業レベル3,000語程度,今度4,000~5,000という形で書いてあるように,ここにある単語数というのは基本的には最低基準なのか,それともこれが限度なのか,つまり一番左のCEFRのB1,B2というものを目指したときに,高校レベルでは当然1,800~2,500というものでは,特にB2レベル等を考えれば全然足りるわけがないわけであって,そうするとこれを最低基準として考え,かつ高校でというのと高校卒業レベルというのは,これは大学で学べということなのか,それとも高校で1,800~2,500で,卒業するときには4,000~5,000なければいけないよということなのか,その説明を頂きたいんですけど。
【天笠部会長】  お答えいただきたいと思うんですが,今の件に関連して御質問,御意見ありますでしょうか。あるいはほかの件でも結構ですが。
 米田委員,お願いいたします。
【米田委員】  今の件に関してですが,私も前からこれはどう考えればいいのか疑問に思っていたんですが,例えば各県,あるいは各市町村によってそれぞれ郷土のいろいろな題材を使って,それを英語で発表するためのいろいろな教材を作っているケースがございます。あるいは県版でもいろいろ作っておられます。そういうところで結局各地域とか各県に独特のものがあって,それを説明するために様々な語彙が必要になってくると,そういうものが小学校高学年あるいは中学校,あるいは高校の段階でその子供たちにそれぞれのボキャブラリーとして入ってくるんですが,この4,000~5,000,あるいは1,800~2,500というのは日本の子供たち全体をイメージして共通に押さえておかなければいけない語彙と捉えるべきなのか,それとももっと大ざっぱに捉えていっていいものなのか,その辺のイメージがつかめないというのが正直なところです。
【天笠部会長】  ということで,お答えをお願いしたいと思うんですけども,時間の関係もありますので,ほかにありましたらこの際お願いできればと思うんですけども,よろしいでしょうか。
 それでは,併せてお答えいただきたいのは,もう一つは私の方からですけども,3ページに新教材の整備等ということについて今着々と進行中ということがこれで分かるんですけども,6月とか9月とかそれぞれ公表しているという,この公表というのはどういうことなのか,御説明を加えていただけると。例えば文部科学省のホームページに載せたという意味においてそれが公表ということなのか,しかるべき行政のルートというのでしょうか,手続に乗せてという意味において公表ということなのか,それとも各学校等々のしかるべき担当者云々とか,この場合の公表というのはどうなさったことなのかどうなのか,この点についてお願いできればと思います。
 それから帯野委員,お願いします。
【帯野委員】  すみません,よく聞こえなかったのですが,まず15分程度の短時間学習,これは弾力的な時間割編成ということで,これが15分であったり,あるいは夏休みであったり,土日授業であったり,非常に学校現場任せで多様であるということを前に伺ったような気がするのですが,多分もしそのことでその確認が,答えが,私の理解が間違っていなければ,そこのところは学校間で差が出るのかなという心配は引き続きしております。
 それから,例えば2ページの中学校との接続の観点から最低必要限の内容,そして小学校中学年で高学年との接続の観点から必要最低限の内容,もしかするとさっき御説明に少しそれは触れられていたのかもしれないのですが,ちょっと抽象的で分かりにくくて,これは学校現場それぞれ任せで教科書を渡して,あと必要最低限という理解が何だか共有できるのかどうかという点で,Can Doリストを作られておられるのか,もしCan Doリストを作られているのであれば,参考資料に頂ければ非常に分かりやすかったのかなと思いますので,まずCan Doリストの存在があるのか,ないのか,あるのであれば,後日で結構ですので是非見せていただきたいと思います。
【天笠部会長】  ということで,質問,意見についてはとりあえずここまでということにさせていただきたいと思うんですが,今それぞれの委員からあったことについてお答えをお願いできれば,説明をお願いできればと思います。よろしくお願いいたします。
【金城外国語教育推進室長】  御質問ありがとうございました。
 まず,語数でございますけれども,高等学校の「1,800~2,500語程度」の考え方としては,1,800語は最低限学ぶ語数,また2,500語は上限ではなく一定の目安となる語数を示しておりまして,さらにレベルアップして学ばせたい高等学校があれば,当然ながら2500語を超えて指導することは想定されるところでございます。また,最終的に高等学校卒業レベルで4,000~5,000語程度とありますけれども,これは小・中・高のそれぞれの下限と目安となる語数を合計したものが4,000~5,000語程度ということになります。当然,5,000語を超えて指導することは想定されるところでございます。
 それから,天笠先生から御質問いただきました公表でございますけれども,これは下の方に見えづらくて申し訳ございませんけども,9月に文部科学省の方で説明会を実施いたしましたが,その説明会で配布した資料も全て一般の国民の方が参照が可能となってございます。こちらを検索していただきますと出てまいりますので,QRコードからでも参照可能でございます。順次,学校現場の方にお届けしたいと考えております。
 また,最後にモジュールの関係でございますけれども,こちらは短時間学習をこの新しい教材で扱う場合にどうすればいいかということもお示ししております。例えば5ページ目に,先ほど御紹介いたしましたけども【Let's Play】★というところがございます。あと【Let's Chant】★,こういったところは星印で記しておりますけども,短時間学習をすることも可能ということでございます。各自治体においては短時間学習の研究をされているところも把握しております。そういったところにつきましてはこの新教材を,どの部分を短時間学習で全体の単元を見通した中で扱うかということも引き続き研究していただきたいと思っております。
 また,必要最低限の内容ということにつきましては,今年7月に移行期間の通知も発出しておりまして,その中でどの内容が来年度,再来年度,最低限15コマずつ扱うべきかということをお示ししております。そういった内容を2年間で最低限扱っていただいて,各学校現場の方で全面実施に向けて御準備いただきたいと思っております。
 以上でございます。
【天笠部会長】  それでは,今また質問があるかとは思いますので,もしあれでしたら次のところでお願いできれば思いますので,本日は議題を二つ用意してありまして,そのうちの一つ目に当たります,新しい学習指導要領の周知についてを議題にさせていただきたいと思います。
 それでは,事務局より配布資料の説明をお願いいたします。
【白井教育課程企画室長】  失礼いたします。
 新しい学習指導要領の周知方策につきましては,前回の教育課程部会においてのその重要性について改めて委員の皆様方から御指摘いただいたところでございます。本日は,これまで私どもが行ってまいりました取組,それから今後の予定につきまして御説明させていただくとともに,特にこれからの周知のポイントであるとか,また今実際に大きな御協力をいただいております教職員支援機構,また,きょうは都道府県の代表として高知県の教育委員会にもお越しいただいておりますので,全体像を委員の皆様方につかんでいただいた上で御議論いただければと考えてございます。
 初めに資料1-1をごらんいただきたいと存じます。1枚物,横組みのものでございます。学習指導要領等の周知に関する取組ということでございます。ここで白丸のものと黒丸のものに分けてございますけども,白丸のものはおおむねこれまでに済んだもの,また黒丸のものが現在着手していたり,検討の途上にあるというものでございます。対象として左側の方に教職員,児童生徒・保護者,教科書・教材会社,教育に関心のある一般の国民の方々ということで分けさせていただいております。
 初めに教職員を対象とした周知・広報の手段でございますけれども,全ての教科に関しまして,小・中学校においてそれぞれの解説というものを出版しているところでございます。これについても最終的に一般の市販に向けた出版権の設定の作業をしているところでございます。それから2点目,中央説明会ということで都道府県・政令指定都市において,特に今後の学習指導要領の周知においてキーパーソンとなられる指導主事の先生方を対象にしまして,全国3か所で説明会を開催いたしました。小学校で約2,000名,中学校でも約2,000名という多くの指導主事の方々に御参加いただいているところでございます。今後各県,政令市においてこういった指導主事の方々が中心になって各市町村,それから学校の現場に学習指導要領の趣旨を伝達していただくという非常に大きな役割を担っていただくことになります。きょう御説明いただく高知県の教育委員会も,こういったことを踏まえて御説明いただくことになると思います。
 また,文部科学省で刊行しております雑誌『初等教育資料』,『中等教育資料』といったようなものがございます。こういったものであるとか,あるいは一般の雑誌等に私どもで寄稿させていただいたり,あるいは識者の御意見,好事例の紹介等を通じて学習指導要領の周知を図っているところでございます。
 また,きょう御説明いただきますけれども,独立行政法人教職員支援機構でもアクティブ・ラーニングの視点からの授業改善の具体的な在り方,特に好事例の周知などを通じた事例研究を行っていただいておりますので,こういったものも随時御紹介させていただいているところでございます。
 また,昨年来カリキュラム・マネジメントの在り方に関する調査研究ということで,特に小学校において授業時数が増えているという中で,例えばモジュール的な時間を使ったような授業の進め方,カリキュラム・マネジメントの在り方について,特に時間の部分に着目した調査研究を行ってまいったところでございます。
 これからの取組でございますけれども,学習指導要領について,これは一応予算を確保しておりまして,冊子について全教員に配布するという手だてをとっているところです。また現場の先生方からよく御質問いただくような事項について,文部科学省のホームページにおいてQ&Aを作成して公表することを検討しております。
 また,校内研修を主に念頭に置きまして20分程度のYou Tube動画を作成する予定をしておりまして,これについては総則から始まりまして全ての教科,小学校,中学校それぞれについて順次作成して一般公開していきたいと考えてございます。
 またカリキュラム・マネジメントについて,学校レベルにおいて具体的な事例を探すということで,幾つかの自治体にお願いいたしまして調査研究授業を進めてグッド・プラクティスを共有しているところでございます。
 また,大学,特にこれから先生になる方々,若い方々への新学習指導要領の周知ということも非常に重要なところでございます。既に教育系の大学に対する説明は一部行っているところでございますけれども,今後も教職課程を有する大学であるとか,そういった関係機関への説明を進めてまいりたいと考えております。
 次に,児童生徒・保護者に対する説明の部分でございます。パンフレットについては前回の学習指導要領改訂においても作成したところでございますけれども,分かりやすい形のパンフレットの作成を進めてまいりたいと思っています。また,教職員の方々に使っていただけるような研修用の動画よりもより短く,またインパクトのあるような形の動画,一般向けの動画資料についても作成して,できれば学校のオープンスクールでありますとか,学校の説明会等の際に学校にお使いいただけるような形の動画を作ってまいりたいと考えてございます。また,特に学校に御協力いただいている地域学校協働本部やコミュニティ・スクール関係者の方々への説明も図ってまいりたいと考えております。
 教科書・教材会社を対象とした説明も重要なところであると考えてございます。学習指導要領の解説をごらんいただく,御説明申し上げるということもありますし,また教科書セミナーということで教科書会社の方に対する説明の機会も設けさせていただきました。また,研修会ということで教材会社の方々に対しても説明を進めているところでございます。
 最後になりますけども,一般の国民の方向けのものといたしまして,一部既に一般向けの講演会というものも開催させて,参加させていただいております。また先ほど申し上げましたパンフレットでありますとか一般向けの動画といったものも活用しまして,周知の徹底を図ってまいりたいと考えてございます。
 次に,資料1-2にお進みいただきたいと存じます。資料1-2では,新しい学習指導要領の周知におけるポイントということで幾つか論点をまとめさせていただいております。これらの論点につきましては,私どもがこれまでいろいろな方々,また本日御出席の中央教育審議会の委員の先生方からいろいろなお話を伺う中で,まだ学校と,あるいは我々,学習指導要領の差異,ギャップがある,認識の齟齬があるというような部分もあろうかと思っていますので,そういったことのないように,学習指導要領の趣旨を明確化するという観点から,こういったところが特にポイントになるのではないかという論点をまとめたものでございます。
 社会に開かれた教育課程についてというところから始めたいと思いますけれども,この趣旨もなかなか一般の方にうまく伝わらない,伝わりにくい部分もございます。ポイントとしては教育課程が学校の教育活動の中心であるにも関わらず,なかなか保護者あるいは地域の方々が教育課程そのものについて御存じいただけるような機会がなかったというようなことがございます。学校は,既に地域に開く学校ということでは非常に熱心にお取組いただいていると思いますけれども,教育課程それ自体が地域の方に開かれているかというと,そこがまさにこれからの課題になっているんではないかということ。例えば各教科でどのような資質・能力の育成を目指していくのか,あるいは年間の指導計画についてどのようなものが学校で作られているのかといったような部分についても,保護者や地域の方に分かりやすく発信していくことが必要ではないかということをこの中に含めてはどうかと考えてございます。
 2点目です。資質・能力の三つの柱に基づく学習指導要領の再整理という点です。国内外の知見を踏まえて,育成すべき資質・能力については,今回三つの柱に整理してました。特に学びに向かう力,人間性といった部分については,日本の教育は伝統的に重視してきた部分でもございます。今回,学年また教科等ごとに,育成を目指す資質・能力,例えば中学校1年生の数学であればこういった知識・技能を付けるんだということを具体的に明確化してございます。そのことによって教師,児童生徒はもとより,保護者,地域の方々にも学校は何を目指しているのかということがより分かりやすい形で共有できるようになったという点をお伝えしていきたいと考えてございます。
 3点目が主体的・対話的で深い学びの視点からの授業改善についてです。この点についても現場の学校の先生方にも様々な受け止め,特にアクティブ・ラーニングという言葉の解釈について様々な受け止めがあるということも,私どもも伺っているところでございます。ポイントとなりますのは,単元・題材などのまとまりを見通して,教師が教える場面,児童生徒に自分たちで考えさせる場面など,全体のバランスをとる授業のデザインが重要であるということでございます。教師が一方的に教えてばかりの授業も,また教師が教えずに児童生徒の活動ばかりといったような授業についても,いずれもバランスを欠くおそれがあるのではないか,また,特定の指導方法や型を求めるものではなくて,優れた指導の取組に共通する用紙を学習指導要領に規定したんだということです。また,急速に世代交代が進む中で,OJTの機会も少なくなっているということがございます。よりよい実践を若手に伝えていくという部分も重要かと思います。
 4点目です。カリキュラム・マネジメントについて,学習の基盤となる資質・能力に対応できる資質・能力の育成に向けた教科横断的な視点での組み立てが重要であるということ。また,PDCAサイクルの活用,限られた資源の有効活用を,管理職だけでなくて全ての教職員が十分に意識していただくということを強調してまいりたいと考えております。
 2ページ目にお進みいただきたいと思います。外国語教育についてです。特に小学校では注目を受けている部分でございますけれども,高校卒業までに外国語を使ってコミュニケーションを図れるようにする,そのために新しい教科等を導入したということ。また,そのためには条件整備の面で不安を抱えていらっしゃる方々もいると思いますので,そこについてもしっかりやっているということを明記しています。
 プログラミング教育については,プログラミングが一般のコンピュータが魔法の箱ではなくて,自分たちの考えによってそれを改善していくことができるんだということをきちんと子供たちに考えてもらう,それを通じてプログラミング的思考を育んでいくんだということ。
 「特別の教科 道徳」については,特別の教科化によって考え,議論するような道徳に転換を図るものであって,考えを押し付けたり,それを例えば入試等の評価を用いるというものではないんだということを伝えてまいりたいと思っております。
 これらベーシックなものとしてここに挙げておりますけれども,もちろん幼児教育であるとか,特別支援教育であるとか,その対象の方々ごとにカスタマイズしてお伝えしてまいりたいと考えております。
 私どもの説明は以上でございます。
【天笠部会長】  それでは,この後二つ,どう伝えようとされているのかどうなのか,それについての工夫ということで,教職員支援機構の高口理事,及び高知県教育委員会の永野教育次長より,順次御説明をお願いしたいと思いますけども,まず高口理事からお願いいたします。
【高口教職員支援機構理事】  それでは,私から教職員支援機構の取組について御説明申し上げます。
 当機構におきましては,中央教育審議会の答申,またその後の新学習指導要領において諮問されました主体的・対話的で深い学び,いわゆるアクティブ・ラーニングの視点からの授業改善を推進するために平成27年度からプロジェクトを立ち上げていまして,セミナーや実践事例紹介等を行っております。資料2をごらんいただきたいと思います。
 それで,私ども教職員支援機構でございますが,この3月まで教員研修センターといっておりましたけれども,法改正によりましてこの4月より教職員支援機構となりまして,その前の教員研修センターのときから,平成26年11月に中央教育審議会での諮問のときに,新しい時代に必要となる子供たちの資質・能力を育成するため,課題の発見と解決に向けて主体的・協働的に学ぶ学習の推進のための指導方法の充実の必要性ということが示されたところでございまして,これを受けまして,この方向性に沿った新学習指導要領の円滑な実施に向けまして,新たな学びの普及に向けて平成27年4月に次世代型教育推進センターを設置いたしまして,新たな学びに関する教員の資質能力向上のためのプロジェクトを開始いたしました。
 このプロジェクトにつきましては,この概要の1ページ目に書いてございますけれども,まず都道府県教育委員会に公募を募りまして,本日,秋田県の米田教育長が御出席でございますけれども,秋田県を含めまして11都県から,当初は10でありましたが途中から,2年目から11都県になりまして,小・中・高等学校籍の教員を研修協力員として派遣していただきまして,この研修協力員の方が推進地域及び全国の優れた授業実践を行っている小・中・高等学校等を訪問していただきまして,アクティブ・ラーニングの実践事例の収集・分析,また校内研修プログラムの開発を行っていただいております。
 また,この11都県の教育委員会におきましては,このアクティブ・ラーニングの視点による授業改善の推進,校内研修プログラムの施行のための実践フィールド校というのを指定していただいておりまして,これは現在全国で27校ということになってございます。
 そして周知のための取組でございますけれども,まず一つは次世代型教育推進セミナーの開催でございます。これは資料の2ページをごらんいただければと思いますけれども,主体的・対話的で深い学びの視点での指導方法の改善の周知を図ることを目的といたしまして,これまでの成果を公表するために,昨年度は全国12か所,本年度は全国20か所でこの次世代型教育推進セミナーを開催いたしております。本年度のものは3ページに書いております。このセミナーにおきましては文部科学省の方,また大学教授の方,また教育課程部会に御出席の委員の方にアクティブ・ラーニングのポイントが分かる基調講演を行っていただいているとともに,研修協力員の方に実践事例の発表,また受講者みずからがアクティブ・ラーナーになっていただくための演習を実施する,そういった内容でセミナーをやらせていただいております。また,この研修協力員の方は派遣元の都県におきましていろいろな研修の機会での講師を担当していただいておりまして,アクティブ・ラーニングに関する実践事例等を広めていただいているというところでございます。
 なお,4ページ目でございますが,今年度の2月に全国2か所で次世代型教育推進総括セミナーを開催する予定にしております。これがまず1点目でございます。
 そして2点目でございますけれども,授業実践事例等のホームページの掲載でございます。これにつきましては5ページをごらんいただければと思います。このプロジェクトでございますけれども,新たな学びを全国の教員がどこにいても具体的な事例を基に深めていけるように,実践フィールド校を中心としたアクティブ・ラーニングに関する授業実践事例を作成いたしまして,当機構のホームページで提供させていただいております。
 それで,この事例は小・中・高等学校各教科にわたりまして,現在のところは125事例を掲載させていただいております。この授業実践事例におきましては,生徒に具体的にこういう力を付けるためにこのような授業改善を試みたという授業改善のアプローチや,生徒の学びの姿をピクトグラムによってイメージ化し,事例を紹介しております。その具体的な内容をごらんいただければと思います。6ページになります。
 これは中学校1年の社会科で「東アジア新時代~古代日本,歴史の舞台に登場!~」という単元での授業実践事例を紹介いたしております。この実践事例におきまして,まず冒頭で単元を通して育てたい資質・能力,実現したい学びを簡潔に示しております。
 そして2のところですけれども,授業改善のための主体的な学び,対話的な学び,深い学び,この三つの視点から見られる児童生徒の学びをピクトグラムによってイメージ化しております。
 そして3番目に実践の背景ということで,主体的・対話的で深い学びは学校全体で実践するということが必要になりますので,育てたい資質・能力の育成に向けて学校全体としてどのような取組を行っているかということを示しております。
 そして4番目に授業改善のアプローチということで,アクティブ・ラーニングの視点から授業改善のアプローチを示しているということで,児童生徒にこういう具体的な資質・能力を付けるためにこういう授業改善を試みたというイメージで記載しております。
 そして,続きまして5のところは単元作りのポイントということで,児童生徒が何ができるようになるのか,育成したい資質・能力を明確にしながら,単元のまとめの中で主体的・対話的で深い学びの実現を図っていくことを示しているということでございます。
 7ページに移っていただければと思います。こちらはまさに具体的な授業場面に分けて授業の学習過程について示しているものでございまして,本時の狙いというものを書いておりまして,そして授業場面よりということで,6のところですけれども,児童生徒の学びを端的にリード文で表すということと,あと7,8,9のところにありますけれども,具体的に授業場面を写真を入れて示しておりますけれども,場面を象徴する写真を掲載したりして児童生徒の学びと,そのために教師がどういう具体的な手だてを行っているかということがきちんと分かるように記載し,説明いたしております。そして主体的・対話的で深い学びにつながるような具体的な児童生徒の姿をきちんと分かりやすいように記述させていただいておりまして,この記載例,この事例におきましては,例えば思考が深まったポイントとか新たな考えを持ったポイント,また振り返りのときの生徒の具体的に変化した点につきまして具体的に記述いたしておりまして,アクティブ・ラーニングの視点が分かりやすいように工夫を凝らして事例を掲載している,記述しているというところでございます。
 以上,授業実践事例の紹介についてでございます。
 このほかに,8ページでございますけれども,授業実践するために校内研修でどういう研修をしたらいいかということにおきまして,各地域,各学校での研修に資するための研修実践事例及び研修プランについても,現在ホームページに掲載させていただいているところでございます。
 そして最後でございます,9ページでございますけれども,現在,当機構におきましてオンライン講座の動画を作成し,配信いたしているところでございまして,今14の講座を配信いたしておりますけれども,その中で特に新学習指導要領に関しまして前教育課程課長,また前教育課程企画室長によります学習指導要領,またその総則とカリキュラム・マネジメントのポイントについての動画,また前視学官によります新しい学習指導要領における期待される学びということで,この主体的・対話的で深い学びに関する具体的な説明につきましてこういう形で動画を作成し,配信させていただいて,一般の方も見ることができますけれども,全国の教員の方にこういう形で周知を図らせていただいているというところでございます。今後とも実践事例をもう少し増やしていくとか,動画を増やしていくということで情報提供をさらに推進してまいりたいということで予定いたしているところでございます。
 以上でございます。
【天笠部会長】  どうもありがとうございました。
 それでは,続きまして高知県教育委員会,永野教育次長様にお願いいたします。
【永野高知県教育委員会教育次長】  それでは,新学習指導要領におきますポイントの一つでありますカリキュラム・マネジメントの周知について,資料3を使って御報告させていただきます。
 ページをお開きいただきますと,これが本県におけます新学習指導要領の周知の全体像でございます。平成20年改訂までは国からお示しいただきました資料を基に県内,県費負担教職員,教員,約5,000名おりますけれども,それを数年に分けて悉皆研修をブロックごとにするという研修をしておりました。これらの課題,反省を踏まえまして,今回からは理論編と実践編を設けることといたしました。左側に掲載しております理論編では,全ての教員に周知を図るため,職階に応じて講義・演習を行うこととしております。また,右側の実践編では,数年前から新学習指導要領を見据えた研究を行ってまいりました指定校がございますので,その学校の公開授業に各学校から必ず1名参加することとし,その際,指導主事が新学習指導要領と関連付けて指導・助言を行うということといたしました。
 なお,カリキュラム・マネジメントについては次に示す図でございます。3ページをお開きいただきたいと思います。これが,私どもが行っておりますカリキュラム・マネジメントの周知の部分をまとめたものでございます。まず上段をごらんいただきたいと思います。研究主任を対象とする回における演習では,教科横断的な視点によりますカリキュラム編成を行う,さらにその右,研究主任は自校で伝達講習を行うとともに,カリキュラム表を作成することを位置付けております。
 中段をごらんください。教頭等を対象といたします回における演習では,人的・物的資源等の活用という視点でカリキュラム表を点検すること,またマネジメント・カレンダーを作成することといたしました。さらに各学校で再度伝達講習を行うとともに,作成したカレンダーに基づきまして各学校でカリキュラム・マネジメントが推進することを位置付けております。
 下段をごらんいただきたいと思います。先ほど御紹介いたしました実践編での内容を参加者が伝達講習することにしております。
 それでは,研究主任を対象といたしました回におけるカリキュラム・マネジメント演習の具体を報告いたします。少し細かな図で恐縮でございます。これは参加者に提示いたしましたカリキュラム表の先進事例でございます。筑波でお習いしました具体的な事例でございます。参加者には,まずこの表を横に見る視点について説明いたしました。例えば横に見ていきますと事例列で全ての教科等の内容が見渡せる単元配列表となっているとともに,学校が設定した目指す子供像に近づけられるように色分けしているという工夫をされていることが分かります。
 次に,縦に見る視点について説明いたします。縦に見る視点と申しますと教科の内容に共通点が見えてくる,つまり育てたい力が教科横断的につながっていることがよく理解できます。このように縦横に見る視点を伝えることで,この表のよさを実感してもらいました。ただ,これだけでございますと表を作成することがゴールだと思われることが考えられますので,そこでマネジメントというイメージを持ってもらうための次の表を提示しております。
 お開けいただければ,これも大変細かな表でございますが,例えばこの例で示されていますように日本の伝統文化を尊重するという視点,一番左側のラインのところに赤の線が幾つも入っておりますが,こういった視点が総合的な学習の時間と教科をつなぎながら,教育課程全体を眺めて指導時期を検討したり,単元配列を変えようとしていることが分かるものとなっております。
 次,6ページでございます。以上のような説明を踏まえて演習を実際に行っております。これはその流れを示したものでございます。テーマは教科横断的な視点によりますカリキュラム編成,ゴールは教科横断的なカリキュラム表を作成する手法を取得し,自校の校内研修に生かすことができるようにするといたしました。まずは紹介された県外の先進事例と自校の教育計画を比較いたしまして,自校に不足しているもの,カリキュラム表に位置付けたものを付箋紙に書き写す,各自が書き出した項目等についてグループで協議しながら理想的なカリキュラム表を作成するという作業を行いました。
 次のページがその作業の一端でございます。ほとんどのグループは,育てたい力・付けたい力を設定した上で,教科横断的な視点でカリキュラム表を作成しております。参加者からは,中学校の場合,この表があれば他教科と自分の教科を関連付けて進めていけるという意見。また,小学校であれば,自分の教室だけではない他の教室,また異学年の関連性というものをきちんと意識するという感想も出ております。まさしく私どもが目指しておりますチーム学校という目線に立った意見・感想だったと捉えております。
 次の表をごらんいただきたいと思います。これは教頭や主任教諭を対象とした回におけるカリキュラム・マネジメント演習の具体を報告しています。今回は人的・物的資源の活用という視点に着目した演習を行いました。参加者には,この先進事例を参考に自校のカリキュラム表の見直しを図っていくことといたしております。
 急ぎまして大変申し訳ありません。次の表でございます。さらにもう一つ,PDCAを回すことに着眼してもらうための演習も行いました。演習の前にこの図を使ってカリキュラムのPDCAを回すとはどういうことか,PDCAということを理解してもらいました。具体的には外側の円にありますようにC・A・P段階で全教職員が参加することが大切であること。中央の円にありますように学期前に他学年と実践交流したり,実践を検証したり,育てたい力で実践を評価したりして,児童生徒の学びの実態や取組の進捗状況に応じて必要な修正を加えていくことが大切であること。また,最も小さな円にありますように各単元においても育成する資質・能力を考え実践評価し,改善しながらPDCAサイクルを回していくことが大切であることを説明いたしました。このようにして,質の高いカリキュラム表を作っていくためのイメージを参加者に持っていただくことになります。
 次のページの表は,これが時系列となって1年間どのようなサイクルでそれぞれの営みがあるかということを落とし込んだものでございます。
 次に進みます。それを基にいたしまして,マネジメント・カレンダーに誰が,いつ,どのような機会に何をするのかを具体的に記入してもらいました。主任であれば校長の仕事を意識する,そういう初めての経験もしております。
 次の表でございます。これが今申し上げました演習の流れでございます。テーマはリーダーとしてのカリキュラム・マネジメントを推進するための戦略を考える。ゴールはカリキュラムのPDCAを理解し,効果的に回すためにマネジメント・カレンダーを作成し,自校でカリキュラム・マネジメントを推進できるようにするといたしました。
 演習で,次のページは実際に参加者が作成したものでございます。短時間での演習でございますので十分とは申し上げられませんけれども,こういったイメージを持って自分の1年間,あるいは1年間半以上の仕事をイメージし,構築していくということを考えております。
 次の表でございます。この全体像は演習のまとめで指導主事による説明として使用したものでございます。各学校では,伝達講習の後に各学校の教育目標の実現に向け,カリキュラム・マネジメントを推進しているところでございます。現在,指導主事も学校訪問を通じまして確認しておりますが,県教育委員会では次に示すアンケート調査を行うこととしております。この表にありますように水色の部分はお習いを国からもしているところですが,特に本県はこの黄色の部分を集中的に今作業としてやっている,その作業の中でカリキュラムというものを意識するということでございます。
 最後が,こういうアンケートをとりまして,私ども教育委員会もPDCAをしっかり回して検証を次に生かしていこうという試みをしております。
 以上でございます。
【天笠部会長】  どうもありがとうございました。
 それでは,ここまでのそれぞれの方からの御説明を受けまして,皆様方からの御意見をお願いできればと思います。先ほどと同じように名札を立てていただければと思いますけども,まず杉江委員からお願いいたします。
【杉江委員】  ありがとうございます。先ほどの資料5の児童生徒の評価方法にもちょっと関係するんですけども,今やろうとしていますことは知識を実際に将来児童生徒が実践し,それを応用する力を付与するということが今回の目標であると思いますんで,いかに知識の意義ですとか意味というのを理解させるということが重要だと思っています。その中でアクティブ・ラーニングという言葉が,非常にこれは片仮名で長いですし目立ちますんで,アクティブ・ラーニングの範囲を一体どういう範囲で考えたらいいかということにつきまして,アクティブ・ラーニングは一つの理解を促す手段としての授業方法ということで捉えることに加えて,もう少し範囲を広げていただきたいということを申し上げたいんですけども,目で実際に児童生徒に見せるという見学とか,又はある程度試して見させるというような実習,こういう実学というものを含めたアクティブ・ラーニングということが必要だということを,是非先生方に周知させていただきたいなと思います。
 それから感想ですけど,今の高知県でやられていますPDCAサイクルを回すというのはすばらしいことだと思いますし,その中でのCのチェックのところをどういう対象,どういう範囲でやるかということが大事ですので,こういう取組を全国的にされたら非常にいいなと思いました。
 以上でございます。
【天笠部会長】  どうもありがとうございました。
 続きまして,市川委員,お願いいたします。
【市川委員】  資料1-1と,それから1-2に関してなんですが,まず1-2としてこういうポイントをまとめていただいたことは非常にすばらしいと思います。私も関わったのは特に3番目の主体的・対話的で深い学びのあたりなんですが,現行の学習指導要領の中でも教えるということと,それから子供たちに活動させて考えさせる,表現させるというようなことのバランスはうたわれているはずなんですが,どうもそれが,例えば高校では一方通行的な教師が教えるだけの授業になりがちだったし,小学校ではどちらかというと90年代以降の名残で教師が教えるということが随分抑制されてしまうようなことになりがちと。今回の答申でもそういうことにかなり注意を促されていると思うのですが,これが,じゃあ,どこにどう周知したらいいのかということです。学校の先生に既になった人に対して周知するというだけでは,どうもなかなか動かないと。むしろそういうことが再生産されてしまう仕組みというのがどうも日本の教育の中にあるのではないかということで,今回1-1にありますように随分もっとその基になるところにも働き掛けをしていこう,周知していこうということが出ていると思うのです。
 その中で一つ質問と意見なんですが,教職員が対象という中の一番下の黒丸で,これからやっていくということに大学というのがあります。特に教員養成系大学,教職課程を有する大学への説明というのがあって,これももちろん非常に大事なことだと思うんですが,これと関連して,国立大学附属学校というのは周知させていく対象になっているのかどうかという御質問と,私はやっぱり周知していただきたいなという,これは意見です。
 なぜかといいますと,国立大学附属学校,数としては決して多くはないです。ただし影響力は非常に大きいです。三つの意味で影響力があると思いますが,まず各県での教員養成,特に教育実習を受ける大学生たちはかなり附属学校に行きます。するとその附属学校の現職の先生方からいろいろな指導を受けてその地域の先生になっていくということで,どういう指導がそこに教員志望の学生になされるのかということが非常に大きいと。それから2番目に地元の教育研究に対する影響力です。附属学校が公開の研究会をやれば1,000人,2,000人という地元の熱心な先生方が集まって,それを見て自分の学校でも広めていこうということになります。それから3番目なんですけれども,附属学校を経て教育委員会の指導主事の先生になったり,あるいは校長,教頭などの管理職になっていくというかなり強力なルートというのがあります。
 ですから,ここで附属学校の先生方が一種のモデルのような授業をやってくださっているわけですから,どういう授業がどういう方針でなされるのかというのが非常に大きいと。ところが実際には,先進的なすばらしい授業がたくさんあるわけですが,その先進的な授業というのは教師が教えずに子供たちが活動して何か新しいことに気付いていく,発見していく,これが先進的な授業となっていることが非常に多い,実際にそれが結構うまくいっていると。ただよく言われるのは,それは附属という条件で非常にうまくいっていることがあって,例えば子供たちがもともと塾にも行っていて基礎学力は非常に高いとか,学力の高い子供たちがかなり集まっている中でうまくやっているので,公立学校がそれをそのままやろうとするとなかなかうまくいかないということが起こってしまいます。でも,それがいい授業だということにされると,うまくいかないのは自分が悪いのだと,自分の力がないのだということで公立学校の先生方が自分を責めてしまうようなことにもなります。
 ですから,附属学校が先進的な実践をやってくださるのはもちろん結構なんですが,その中でも公立学校でも適用可能なこういうバランスに配慮した授業ということを見せていただくことが非常に大切なことになってきますので,答申の中でもうたわれている教師が教えることと,子供たちの活動のバランスがとれた全体としての「主体的・対話的で深い学び」ということは,是非附属学校にも周知していただけるといいのではないかなと思う次第です。
【天笠部会長】  事務局の方からは,後で私どもの質問についてはお答えいただくということでお願いしたいと思います。
 続きまして,奈須委員,お願いいたします。
【奈須委員】  ありがとうございます。
 この間にいろいろな形で取組がなされていてよかったなと思うんですけども,今回のこの改訂の出発点だった教育課程企画特別部会という,随分前になりましたけど,あのころの議論を今思い出したんですが,例えば主体的・対話的で深い学びということに行き着くわけですけど,それは指導法を改善してそういう学びを新たに創出したい,これまでの学びの質を変えたいということなんだけども,次世代の先生が随分頑張ってプロジェクトをやって,セミナーで広げてくださっていると思うのですが,こうやって指導法の改善をした先に先生方に何を分かっていただきたいのかということを確認する必要があると思うんです。型ではないということはもう明らかで,指導法の型ではない,だから多様な型が容認されるし,一つの型を提示して学んだとしても,それを自分の血肉にして各自が各地域で応用ができるような,まさに資質・能力としての研修ということでも工夫をしてくださっていると思うんだけど,もう一つ,実は先に進まなければいけないと思っているんです。つまり主体的・対話的で深い学びというのは,人間はもともとそうなんですよ。幼稚園を見れば分かりますけど,もともと人間は主体的にしか学べないし,対話的に学ぶのが普通だし,深く,つまり自分が納得するのが普通なんですよね。それが従来の学校ではそうじゃない,受動的で孤立的で浅い学びがどういうわけだか多かったと,これは人間の自然に沿っていないからいまくいかないんですよ。という話は教育課程企画特別部会のときに随分なされて,つまり今回の学習指導要領改訂が圧倒的に大事だと思うのは,人間というのはそもそもどんなふうに学んだり,知識というのはどんなふうに人間の中に存在していて,またどんな質の知識として人間の中に存在することが一生涯を支えていくのかという極めて学習や知識に関する原理的なところから議論を始め,だったらどんな資質・能力,どんな内容,どんな指導方法というのが出てきたというところにちょっと戻りたい気がするんです。今回周知していく中で最終的に出てきたものをやるだけではなくて,それを通して人間ってもともとどんなふうに学ぶのか,つまり目の前にいる子供はそもそもどんなふうに学び,暮らし,生き,育とうとしているのかというところの概念ががらがらと変わるということが教師,あるいは国民全体にしても,私は圧倒的に大事で,そこに行かない限り,また戻ってしまうと思うんです。つまり主体的・対話的で深い学びというのは,従来型の学びとは少し違うタイプの学びを部分的にやろうなんていう話ではいけないと思うんです。それは主体的で対話的で深い学びという一つの型を主流派にするというような話ではなくて,従来型の,つまり知識を伝達するとかドリルも必要なんですけれども,それも含めてそもそも人間はどう学んでいるのか,人間の知識というのはそもそもどういうものなのかということに関する概念が変わっていけば,おのずと先生方は目の前のお子さんを見て,あるいはお子さんを育てるのに関する教科内容を見て,逆に言えば,教科というのはもともと見方,考え方を柱に形成されているわけです。今回,見方・考え方と言いましたけど,もともと教科というのはばらばらのコンテンツの束ではないんです。そこを逆転するというか,大げさに言えばその概念を変えるということが今回圧倒的に大事で,その途上の手だてとしていろいろなものが生まれていくということを,もう一度私は確認したい気がするんです。
 だから例えば次世代の研修でも,私はこれでいいと思うんですけど,この先で何を先生方につかみ取って最終的には持って帰りたいかということについて,もう一度私は内部で議論してほしいんです。そうじゃないと,優秀な優れた指導の方法をいろいろ御提供して,結局先生方はわらをもすがる思いで何をすればいいのとして来ていますから,何をすればいいのということを持って帰って,これをすればいいんですね,分かりました,それでうまくいきましたで終わっては,そこから独自な応用,独自な活用,あるいは新たな実践の創造にはいかないと思うんです。こういうことを通して,あるいは目の前の子供の姿が変わることを通して,あっ,子供って本来こういう存在なんだとか,お勉強ができない子も本当は学びたくてたまらなかったんだと,こういうふうに工夫することで子供ってこんなにも前のめりに学んでくるし,お互いに学び合おうとするし,高まってくるんだというふうに子供観が変わることですよね。つまりそこをもう一度ターゲットにしていく,それがつまり構造的な,今回大事なのは,いろいろ変えましたけど一つの要素が大事なんじゃなくて,要素の根底にあるその構造が大事で,そこに向かって今回の周知徹底というのをやっていかないと,一つ一つのことは分かったし,一つ一つのことはできるようになったけど,結局何だったのという話になってしまうと思うんです。それでは結局現場の先生方,各地域の教育委員会が自律的に,それこそ文部科学省から離れて自分の力で教育課程を作り,子供を育てていくという次の時代,まさに次世代に僕らがこの国に求めたいところにたどり着かないと思うんです。今ようやくいいところまで来ていると思うんですけど,もう一度今回の学習指導要領改訂の出発点に戻って教育課程とは何か,学ぶということは何か,知識というようなことは何か,学校というのは何をするのかという原理的なところから議論したところに戻って,原理的な理解が概念的に転換する,逆に言えばどんな概念的転換を私たちが目指すのかということをもう一度考えながら周知徹底ということをやっていかなくてはだめなんですよ。コンテンツを流すのではなくて,コンピテンシーを育成すると言っているのだから,周知徹底の仕方もコンピテンシーを基盤にしたものに変えていかないといけない。もちろんそれはコンテンツを介してやりますけど,そこをもう一度確認して構造的な戦略がさらに必要かなと思いました。
 以上です。
【天笠部会長】  どうもありがとうございました。
 続きまして,米田委員,大島委員,吉田委員,この順でお願いしたいと思います。
 まず,米田委員,お願いいたします。
【米田委員】  まず資料1-1,周知に関する取組に関しまして,児童生徒も対象にしたパンフレット等を作成するということで,多分これは今までなかったことじゃないかなと思います。子供たちにも学校にいる先生方がどういうふうなことを考えて,どういう授業を展開しようとしているかということを知らせるということの重要性は,本当によく思います。また先生自身もそれによって自分たちがしっかりしなければいけないという意識を強く持つことになりますので,これは是非子供たちにも分かりやすいパンフレットの作成をしていただければ大変ありがたいと思っております。
 それから資料1-2,周知におけるポイントを整理していただいて,大変ありがたいと思っております。一つ目の社会に開かれた教育課程についてですが,保護者あるいは地域の方と教育課程の内容を共有するために社会に開かれた教育課程であるべきということなんですが,同時にもう一つ,今のこれから行う学習指導要領による学校での学習活動は将来に開かれたものであると,これはたしか髙木委員が最近まとめられた本の何冊かの中でちらっと見たような感じがするんですが,教育課程というのは今現在の社会に開かれていると同時に将来,10年あるいは20年先の社会に向かってこれも開かれた教育課程であるということを保護者あるいは地域の方々にも十分分かっていただいて,その上でそういう方々にも協力していただくという空気を作っていくようにできればなと思います。特に田舎の方ではその地域がこの後生き延びていくかどうかということに関しては大変な心配な状況にありますので,子供たちがしっかり地域を支えていくという気持ちを持ってもらいたいという親御さんの気持ちも強いし,またそういう面での教育が必要であろうと私も思っておりますので,その辺も併せてPRしていただければと思います。
 それから資料2に関して,高口理事からお話がありました。実は3ページの下から2行目の秋田会場,この金曜日と土曜日に秋田市を会場に今年は行う予定であります。学力向上フォーラムという名前で10年目を迎えましたが,今回は金曜日の午後と土曜日の昼過ぎまでということですが,今のところまだ800名に行くか行かないかの参加者なんですが,できるだけここでは多くの方々にまたこういう場面を共有していただければありがたいと思っております。
 それで,今までもいろいろ各地で開催してきているんですが,もしお分かりであれば何か特徴的なリアクション,反応とか意見とかを紹介していただければありがたいということです。
 以上でございます。
【天笠部会長】  どうもありがとうございました。
 続きまして,大島委員,お願いいたします。
【大島委員】  ありがとうございます。周知におけるポイントということでいろいろまとめていただきまして,ありがとうございます。いろいろ挑戦的な取組もされているようで,実際に事例も紹介していただいたということで,状況がよく分かりました。
 主体的・対話的で深い学びの観点でこの新たな学びに関する教員の資質・能力,次世代型教育推進センターということで資料2で御紹介いただきまして,私,今の時間にざっとスマホでいろいろ見せていただきました。非常にいいなと思ったんですけれども,幾つかコメントさせていただきたいと思います。まず1点目は,こうやって映像教材的なものを作るって非常に大事だと思うんです。実際にこういう形でセミナーもしていただいているということなんですけれども,これを実際に見ていただいて使っていただくというのが一番大事だと思うんです。そのときに,少し長いかなと思ったのと,あと今のネット環境って,実際の学校によって結構まちまちなんです。ネットワークにつながっている学校は多いんですけれども,ブロックされたりしていてなかなかYou Tubeにアクセスできないという学校のネット環境とかもありますので,そういうのも含めて解決していただかないと,多分You Tubeであっても見ていただけないという状況があるのかなと思っていますので,周知と同時にそういうこともきちんとしていただけるといいのかなと思いました。
 あと,実際の教材は音声が出てしまうのでざっとしか見ていないんですけれども,これを是非アンケートをとって改善していく,それこそ教材としてのPDCAサイクルというのを是非回していただきたいなと思っています。コンテンツとコンピテンシーは結構裏側で,コンピテンシーというのを養成する,育成していくためにはコンテンツが大事だと思いますので,その双方を見直すという意味でも是非現場の先生にこれを見ていただいてアンケートなどをとって,それを直していただくという仕組みを作っていただいた方がいいんじゃないかなと思いました。ざっとしか見ていないので,そういう機構があるかもしれないんですけれども,今見た関係では少しアンケート機能というのがあるように思えなかったので,なければ是非付けていただきたいなと思っています。
 あと,これは新たな学びということで強化すると思うんですけれども,実際の先生にとって,今現行でやっている学びとのマッチングがどうなっているかって結構大事なのかなと思っております。幾ら教材として優秀なものがあっても,それを使っている先生がうまく使いながら移行していくというのも大事だと思いますし,特にアクティブ・ラーニングというのは全部の授業を通してやっていくというわけではなくて,恐らく幾つかの単元の中で導入していくことになるかと思いますので,是非学び,現行の今の状況とのマッチングというものも,現場の先生と密にコンタクトしながらうまく移行していただけるようにしていただけるといいのではないかなと思いました。
 あと2点目,カリキュラム・マネジメントです。資料3を見ていただいて,横断的な視点で全体のスケジュール及びカリキュラムを通して見るということで,この内容というのは非常にいいなと思いました。ただ,これは少し盛りだくさんで,研究主任対象ということだとは思うんですけれども,まず横断的な形で見るということは多分今までにない視点で,非常に挑戦的で画期的だと思うんですけれども,カリキュラムのPDCAを回すということになると,押さえておくポイントが多分あると思うんです。私は門外漢ということもありますのでざっと見てちょっと分かりにくかったなということです。
 あと,これは少し難しいのは教科型の自律分散でやるのか,それとも全体を通してやるのかというのが,多分ある程度自律分散型で教科でやっていかないといけないという点と,あと全体をまとめてコントロールしていくという全体のマネジメントという視点があると思うんですけれども,多分それをきちんとしないと,現場の先生全部がこれを把握してやっていくというのは多分無理だと思うんです。それが多分3ページにあったと思うんですけれども,ある程度の自律分散型と全体のマネジメントの関係というのを,口で言うほど易しいことではないんですけれどもそれを少し明確にしていただくと,実際の立場として自分が何をやらないといけないかというのも少し分かりやすくなるのではないかなと思いました。
 以上です。
【天笠部会長】  どうもありがとうございました。
 続きまして,吉田委員,お願いいたします。
【吉田委員】  ありがとうございます。
 私は内容というよりも,今回は周知に関する取組というのが資料1-1と1-2にあるわけなんですけども,一つお尋ねしたいのが,まず資料1-1では教育に関心のある国民に対する説明という書き方があります。資料1-2になりますと,一番上の社会に開かれた教育課程についてで,ポイントとして教育課程は学校の教育活動の中心であるにも関わらず,保護者や地域の方と必ずしも十分共有されてこなかったと。その三つ目に「各教科等での育成を目指す資質・能力や年間の指導計画について保護者や地域の方に分かりやすく発信していくことが必要」とあるんですけど,この地域の方たちにその学校で子供たちが受ける教育まで,その内容までを周知しなきゃいけないのかどうか。資料1-1では教育に関心のある国民ということですけれども,ここではもう地域の人も全てやらなきゃいけない,そうすると学校に対しての負担というもの,先生方に対しての負担というもの,次の働き方改革にも関係してくると思うんですけど,たださえもう今回のこの高知県の資料を見せていただいても,私は先生方の負担って増えるだけだと思うんです。何か減らすものを作った上でこういうことを考えるのならいいですけど,今のままでいったら,僕は働き方改革も全く無理であろうという気もしますので,何かそういう意味で地域の人にまでそこまでやらなきゃいけない意義というものを教えていただきたい。
 例えばの話,我々でいえば,今私立学校の場合,ほとんどの学校が入学案内やホームページ等で,今はもう学習指導案というよりもシラバスを発表する時代です。そのシラバスを見て,その教育内容を見て入学者が来るという状況があるわけですけども,当然公立義務教育,小・中学校等になった場合には,それは学校の特性ではなくて義務教育なわけですから,先ほどの高知県の例の表を見ていても,教諭や担当者,その方が計画から何から全部作って,それを自分で評価して,それを上に上げてというような,またこれも負担ばかりがどんどん増えてくる。それでしたら,教育委員会などでしっかりとした指導案をまず作って,それに基づいてその実施状況だけをしっかりとチェックしていくとか,そういう負担減を図ってあげないと無理なのではないかなと。
 それから教育内容についてですが,先ほどの資料1-2の外国語教育について1点御質問です。今後高学年に外国語科というのが導入されてくることになりますが,そうなった場合に,現在行われている公立の中・高一貫校の入学試験において,外国語科というのが教科となった場合に入試科目になり得るのかどうか,それによってもまた外国語教育というのが変わってくるのではないかと思います。道徳は特別の教科ですけども,外国語というのはしっかりとした教科になるわけですので,それをお知らせいただきたい。
 それから,今の大島委員のお話にもあったんですけど,本当にICTは学校による格差がすごく激しいと思います。せっかく導入しても,例えば一斉に生徒たちが何十台も使うとなったときにWi-Fiがつながらないなんていう状況も幾らでも出てくるわけであって,ただその財源というものが全く確保されないで,どんどん話だけが進んでいるという状況にあると思いますので,是非ICTの部分も,財源も含めて徹底した裾野を広げていっていただけるようにしていただきたいと思います。
 以上です。
【天笠部会長】  どうもありがとうございます。
 続いて若江委員にお願いしたいと思うんですけども,そろそろこの関係の時間も残り少なくなっているので,この際,ほかの委員の方で続いてという方がいらっしゃいますでしょうか。では,若江委員の後に大方委員ということで,委員の発言はそこまでとさせていただきたいと思います。
 では,若江委員,お願いいたします。
【若江委員】  ありがとうございます。
 きょうの議題が新しい学習指導要領の周知とあるのですが,やはりこの周知という時点からちょっとずれているなという感じがしています。というのは,PRするのではなくて,きちっと理解してもらわなきゃいけないということですので,いろいろなことをやればやるほど知識的な情報伝達になっていきそうで,本来大切なことは今回の学習指導要領で何をどう実行していくのかという,そこだと思います。それぞれのお立場,教職員支援機構もそうですし,教育研究所・教育委員会もいろいろな取組をしておられると思うのですが,これまでのトップダウンスタイルの伝達研修という糸電話手法だと,濃い内容は現場に行くときにはもう薄まってしまっているという課題がずっと繰り返されてきたわけですから,よりよい実践のためにはボトムアップでどのように改善していくかということに視点を置き換えるべきではないかと思います。
 一番大事なことは先生方の負担を軽減しながら,より良い理解を促進するということですから,吉田委員のお話にもありましたように,今なぜ,学習指導要領がこのように変わるのか,という一番根本のところがきちっと腹落ちをしないと,先生方が主体的に実践していただく,つまりアクティブ・ティーチャーにはなれないわけですので,そこをもっともっと大切にするべきではないでしょうか。ややもすれば本当に効果が上がるというと,資料1-2にもあるように,コンテンツベースで並べば並ぶほど,行間を結び付けるところに今現場の先生方は苦労しておられるわけですから,各校区,学校で何をするのかという,例えば総合的な学習のプランを立て直してみるとか一番身近なところから始めていっていただくという,そんな視点を忘れてはいけないところではないかなと思っています。
 それと,資料1-1で頂きました幾つか出ている児童生徒・保護者のところなのですが,これ,私もよく間違って,ようやく定着したところなんですが,学校地域協働本部ではなくて,文部科学省の資料は地域学校協働本部と徹底されているはずだと思います。コミュニティ・スクールの表記には,コミュニティとスクールの間に中ポツがないと違う意味になりますので,そういったところにも私たちは細やかに配慮していかなければならないと思っております。
 以上です。
【天笠部会長】  どうもありがとうございます。
 では,大方委員,どうぞ。
【大方委員】  大方でございます。よろしくお願いします。
 いろいろ教えていただきましてありがとうございました。このポイント,拝見すればするほど,今回の改訂の中で就学前の幼児教育と小学校の接続が行われたということに非常に大きな意味があるということを改めて感じております。といいますのは,先ほどから高知県のカリキュラム・マネジメントを見せていただいたりしながら,非常にすばらしいものを作っていかれているということを知れば知るほど,その基になる幼児教育における実践型の体験の質が問われてきていて,そこのところできちんと様々な体験を,たとえ家庭養育がしんどい子供さんの地域の子供であっても,義務教育のときには子供たちが適切な力を付けていけるというためには,やっぱり幼児教育の就学前における質というものが非常に問われ,そしてそのことが小学校と別のものではなく,きちんと接続されているということの認識をお互いに知り合うということが非常に重要であり,今回の改訂の意義というものを非常に感謝申し上げる次第です。
 また,外国語教育ということが行われるということは,どうしても現場の先生を含めまして言葉のことだけに捉えられがちですが,こうやってカリキュラムの横断というものを拝聴いたしますと,その背景には日本の伝統文化に対する理解や,他者理解であったり,そういったことの重要性というものもほかの教科で学習しつつ,言語としての外国語教育ということも非常に重要であり,自分の国の文化というものを知らずにただ単に外国語教育するということにならないことが必要かと思いました。
 また,プログラミング教育におきましても,ものの仕組みというものや,立体というようなことは,本来就学前の子供たちの得意とするところだった遊びですが,そのようなことに興味や関心を持ちにくい時代背景の中では,是非就学前の中でそういう体験があって,その次に外国語教育やプログラミング教育にもつながっていくというこの接続も別物ではないということも是非意識していただけたらありがたいと思いました。特に都道府県,市町村によりましては教育委員会のありようも違いますので,その辺のところを同じ国の子供として教育委員会のそれぞれの市町村,また都道府県の皆さんが是非この内容を周知していただいて,どこで育っても同じように子供たちが体験できることを,きょうあすではないですけども,やっぱり目指していただけたらありがたいと思いました。
 最後になりますが,このカリキュラムの構造が小学校はこのように動いているということを,やっぱり幼児教育のことを小学校以上の先生方にも知っていただき,逆に就学前の幼児教育をする方もこのように小学校が動いているというモデル,特にカリキュラムモデルというものをどこかで学べる機会を作っていただき,周知いただいたり,情報提供いただけたらよろしいかと思いました。
 どうもありがとうございます。
【天笠部会長】  どうもありがとうございました。
 ということで,ここまでそれぞれ委員の方から意見,御質問等が,事務局の皆さんにもあったかと思いますので,お答えできることについて応答していただければと思います。よろしくお願いいたします。
【白井教育課程企画室長】  失礼いたします。それでは,簡潔にお答え申し上げます。
 市川委員から御指摘いただました附属学校に関してでございます。きょう申し上げなかったんですけれども,指導主事を対象とした中央説明会におきまして附属学校の方も対象にしておりまして,御参加いただいております。主に研究主任の方であったり,教務主任の方,管理職の方がお越しいただいているという状況でございます。また教育大学協会,大学の執行部を通じましても新しい学習指導要領については周知を図っているところでございますけれども,当然温度差はあると思います。またいかに県内の研究リーダー校として汎用性のあるような研究成果を出すということも重要かと思いますので,この点については担当の高等局とも連携して取り組んでまいりたいと思います。
 それから,吉田委員から御指摘いただきました地域への周知という部分でございます。例えば私も聞いておりますのは,職場体験活動なんかを学校が進めていく際に,地域の協力者の方がたくさんいらっしゃいますけれども,教育課程についてよく分からないと,なぜ子供たちを受け入れているのか,なかなか何をやっていいのか分からないという部分もあるということ,例えば一例でございますけど聞いている部分がございます。もちろん学校種や地域の実情によって地域の範囲というのも異なってくると思いますけれども,重要な部分はあろうかと思いますので周知を図ってまいりたいと考えてございます。
 また,若江委員から御指摘いただきました上意下達的な伝達についてでございますけれども,もちろん私どもで上意下達のような形にならないようにしてまいりたいと思っております。まさにきょう御紹介いただきました高知県の事例などは,文部科学省が考えている部分を超えて各教育委員会で自主的・自律的にお考えいただいている部分かと思いますので,そういったグッド・プラクティスを集めて御紹介するといったような形でサポートしてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
【天笠部会長】  どうもありがとうございました。
 それでは,一つ目の議題については以上ということにさせていただきたいと思いますし,さらに,まさに新しい学習指導要領への対応について,よろしくお願いいたします。
 それでは,二つ目の議題でありますけども,学校の働き方改革等についての議論を進めていきたいと思います。先日開かれました学校における働き方改革特別部会におきまして,今現在進行中でありますけども,その中で財務省の審議会である財政制度等審議会についてということが話題になりました。様々な資料等が提示されながら現在進行中でありますけども,申し上げたその内容につきましては,この教育課程部会に関わる内容も含まれておりましたので,本日の部会において,これをまた皆さんにもごらんいただくことも必要かと思いましたので,私から事務局に御依頼申し上げまして資料として配布をお願いさせていただきました。それらも含めまして事務局から御説明をお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
【佐藤初等中等教育企画課企画官】  よろしくお願いいたします。初等中等教育局の企画官をしております佐藤と申します。学校のおける働き方改革の審議状況について,資料に基づいて御説明させていただきます。資料については,資料4-1から資料4-5までをお手元に置いていただければと思います。
 まず初めに資料4-1でございます。学校における働き方改革につきましては,中央教育審議会に6月22日に諮問されております。その中で,先ほど来議論が出ております新しい学習指導要領を確実に実施し,学校教育の改善・充実に努めていくということが必要不可欠な状況でございます。一方で,教職員の勤務実態調査の結果から,教職員の長時間勤務の実態は看過できないという状況になっております。こういった中で,教員が本来的業務である授業や授業準備等に十分な時間を当てるということが非常に困難な状況になっております。
 こうした中で,教育の質の確保・向上の観点を図っていくためにも,学校における働き方改革というものを早急に強力に進めていく必要があるということで,現在,初等中等教育分科会の下に新たに特別部会が設置されまして,小川部会長の下,精力的に審議を行っていただいております。教育課程部会からも天笠部会長,無藤副部会長,時久委員に御参加いただいているところでございます。
 続けて資料4-1の裏面へ行っていただきまして,特別部会における審議事項でございます。3点ございまして,まず1番目の学校が担うべき業務の在り方というところで,引き続いて学校や教員が担うべき業務と,家庭・地域等に委ねていくべき業務を整理・明確化するということをしております。そして2で教員が担うべき業務につきまして,さらに専門スタッフとの役割分担,あるいはより効果的に実施するための方策について整理していくと。そして3点目で学校組織運営の体制の在り方,あるいは学校の特性を踏まえた勤務の在り方,勤務状況を踏まえた処遇の在り方についても検討していくということになってございます。
 具体の審議状況につきましてですけれども,資料4-4をごらんいただければと思います。そこにございますように7月11日から順次審議が行われておりまして,以降,月に一,二回のペースで現在まで計7回の審議が行われているところでございます。この間,資料4-5になりますけれども,8月末に,今できることは直ちに行うということを全ての教育関係者に呼び掛けるととともに,国に対しても必要な予算措置等の支援を求める緊急提言が取りまとめられているという状況でございます。
 その後,特別部会におきましては主に審議事項の1番目と2番目を中心に議論が行われてきておりまして,業務の役割分担適正化についてでございますけれども,教員が限られた時間の中で授業や授業準備等に専念できるように,例えば登下校に関する対応や学校徴収金の徴収管理などの業務につきまして業務の見直しを行うとともに,役割分担についてもできるだけ学校や教員以外の者が担うように再整理する方向で検討を進めていただいているところでございます。また,授業準備や学習評価等の学習指導,あるいは生徒指導については教員の本来的業務ですけれども,教員の勤務実態調査の結果,多くの時間をこれらの業務に費やしているということが明らかとなっておりますので,例えば外部人材の活用,あるいはICTの効果的な利用ということなど業務の役割分担や適正化についても同様に検討を行っているところでございます。
 このうち,学習指導の在り方につきましては本教育課程部会における審議事項とも関わりが深いですので,この場をおかりして働き方改革の特別部会における議論の方向性について紹介させていただきたいと思います。資料につきましては資料4-3というホチキス留めした資料をごらんいただければと思います。
 資料4-3は教員が担うべき業務に関する業務の役割分担・適正化に関する具体的な論点ということで,1枚おめくりいただきますと2ページに(1)授業準備から(5)までの業務がございます。このうち,本日は(1)から(3)までについて御紹介させていただきます。次のページの3ページからが授業準備ということで構成されております。それぞれの事項について,1番の背景ということで法的根拠や諸外国の状況,そして2番で業務の役割分担・適正化に関する現状・課題,そして3番で自治体での取組例,4番でこれまでの主な意見ということで,最後に5番で考えられる対応策をまとめていただいておりますので,5番のところを基本的に御説明させていただきます。
 まず授業準備でございますけれども,5ページを見ていただいて業務の役割分担の観点ということでいきますと,教材研究や指導案の作成等については,「教員が担わなければならない業務」であると。ただ授業で使用する教材等の印刷や物品等の準備のような補助的業務,あるいは理科の実験の準備・片付けや教材開発の支援につきましては,「教員以外の者の参画により教員の業務量を軽減できる業務」,又は「他にふさわしい者がいる場合には必ずしも教員が担う必要がない業務」ということで,サポートスタッフや理科支援員に任せた上で,教員がその業務を監督するということも考えられるのではないかということでまとめております。その前提として,サポートスタッフあるいは理科支援員の配置等を促進するということが書かれております。
 また,業務の適正化の観点でいきますと,ICTを活用するなどして教育センターなどにおいて指導案や教材を共有化することを促進していく,また小学校での外国語教育に関していえば,先ほど説明があったように国の方で授業準備に役立つ資料を含めて新学習指導要領に対応した教材を開発し,全ての小学校に配布するなどの取組をしていくということになっております。
 続けて(2)の学習評価や成績処理でございます。こちらにつきましても8ページで考えられる対応策についてまとめていただいております。まず業務の役割分担の観点でございますけれども,定期テストの問題作成,採点,通知表・調査書・指導要録の作成等については「教員が担わなければならない業務」であると。ただ,提出物や宿題の提出状況の確認,簡単な漢字・計算ドリルの丸付けなどの補助的業務につきましては,「教員以外の者の参画により教員の業務量を軽減できる業務」,又は「他にふさわしい者がいる場合には必ずしも教員が担う必要がない業務」ということで,教員以外のサポートスタッフに任せた上で,教員がその業務を監督することも考えられるのではないかということになっております。
 また,次のページに行っていただいて業務の適正化の観点でいきますと,事務作業の負担軽減のために統合型校務支援システムの都道府県単位での導入を促進する。あるいは新しい学習指導要領の下における学習評価の在り方につきまして,冒頭に御説明がありましたけれども,効果的で教員に過度な負担を掛けることのないように,指導要録の参考様式の簡素化を含め,今後中央教育審議会において専門的な検討を行うということで,教育課程部会の下に置かれる学習評価に関するワーキングでそういった検討が行われるということを念頭に特別部会でまとめていただいております。
 続けて(3)ですけれども,学校行事等の準備・運営,地域行事等への参画等でございます。こちらにつきましても13ページの下のところから考えられる対応策をまとめております。まず業務の役割分担の観点でございますけれども,学校行事の企画,学校行事に当たっての児童生徒の指導等につきましては「教員が担わなければならない業務」であると。ただ,必要な物品の準備であるとか,講演会の講師,職場体験活動受入企業への日程調整等につきましては,「教員以外の者の参画により教員の業務量を軽減できる業務」,又は「他にふさわしい者がいる場合には,必ずしも教員が担う必要がない業務」ということで,教員以外の外部人材等に任せていくということが考えられるのではないか。
 そして業務の適正化の観点でいきますと,引き続き学校行事の重点化や精選,学校行事の準備等が教員の過度な負担とならないよう,準備の簡素化や内容の見直しを進める。あるいは地域や学校等の実情に応じて,地域が主催する行事と学校行事を合同開催する,また周年行事等の準備については,簡素化した上で,教育委員会やPTAや地域等が中心となって行うことも考えられるのではないかという形で特別部会においては議論がなされているところでございます。
 そして特別部会の今後の審議予定でございますけれども,先ほどの資料4-4の一番下のところにございますけれども,年末まであと2回ということで,11月28日と12月にもう一回ということで2回の開催が予定されております。その中で部活動に関する検討ということも行いつつ,今までの審議について一度中間報告という形で取りまとめていただく予定としております。なお,今後の中間まとめの内容,あるいはその後の審議状況につきましても本部会で適宜御紹介させていただければと思います。
 まず,学校における働き方改革の審議状況については以上でございます。
【天笠部会長】  どうもありがとうございました。
 では,続きまして。
【樫原財務課課長補佐】  続きまして,財政制度等審議会の財政制度分科会の配布資料について説明させていただきます。財務課課長補佐,樫原と申します。
 まず,こちらの文教・科学技術という横長のペーパーをごらんいただければと思います。財政制度等審議会につきましては,中央教育審議会と違いまして広く傍聴の方を募っているとか,また現段階で議事録等は公表されておりませんので,実際にどのような議論がなされたのかというのは,私たちも残念ながら知らない状況でございます。その上で,こちらの配布資料につきましてはホームページに公表されておりましたので,財政制度等審議会の事務局である財務省が作成したペーパーということで説明させていただければと思います。
 1枚おめくりください。これは抜粋版ですけれど,論点3-(1)義務教育義ということで,新しい学習指導要領の実施や働き方改革のため,教職員定数の増加による対応の是非も含めて,学校の指導・運営体制をどのように改善していくべきかという論点でございます。
 1枚おめくりいただいて16ページをごらんください。文部科学省の定数改善要求でございますが,左側の一番上に小学校専科指導の充実,平成30年度2,200人の増,そしてプラス6,635と横に書いておりますが,これは3か年で6,635人を増加するということを要求しております。こちらにつきましては,今小学校で授業と授業準備と成績処理で大体6時間ぐらい1人の教員が費やしていますが,これを軽減するという意味ではなくて,あくまでも3年後に差し迫った新学習指導要領の全面実施が小学校3年生から6年生までで1コマ,35単位時間増の部分にぎりぎり対応するためのものとして6,635人要求させていただいているというところでございます。
 それに対して,下の方の新学習指導要領(授業コマ数の実態)というのをごらんください。これは財務省の主張でございますが,新学習指導要領に基づく時間は英語の授業コマ数の増加によって,小学校において現行の学習指導要領の941から964に増加すると書いてございます。一方,文部科学省の平成27年度の実態調査によれば,小学校において新学習指導要領の964コマを上回る981コマの授業が行われている。これは文部科学省の実態調査というのは,出典のところにもありますが教育課程の編成・実施状況調査でございます。ちなみに,この27年はあくまで実績ではなくて年度当初の計画段階のものでございます。
 2枚ほどおめくりいただきまして19ページをごらんください。こちらは新学習指導要領(小学校における英語教員の実態)ということで,基本的には,例えばALTを活用してやっている場合があるとか,特免を出してやっている場合がありますが,これは限定的ですよねということを財務省としては主張されているようです。
 さらに1枚おめくりください。20ページですけれども,一つは教員の働き方改革(事務負担の実態)ということで,負担感を感じる業務で1位,2位,3位とありますが,例えば小学校では保護者・地域からの要望等への対応,2位は国や教育委員会からの調査対応,これは実際には時間はそれほど多くないですが負担感を感じる業務の1位,2位ということになっております。それから3位は成績一覧表・通知表の作成などが感じていますよということが書いております。
 1枚おめくりいただきまして22ページをごらんください。こちらは教員の勤務管理の実態ですが,学校現場は労働基準法上,労働時間の適正把握をする必要がありますが,この部分が余りなされていませんよね,それからその下のページ,23ページですけれども,部活動は休養日などが設定されていませんよね,ということが書かれております。
 それを踏まえた検討の方向性につきましては,最後24ページでございます。これは財務省の主張としまして,教職員定数については,少子化の視点を踏まえた自然減や前回の法改正に基づく基礎定数化を踏まえた見通しによれば,児童生徒1人当たりの教職員数は増加することになります。これ以上の増加が必要となるか否かについては,定量的かつ客観的なエビデンスやPDCAサイクルの確立が前提となるのではないかと書かれております。
 それに関して,教員の働き方改革に関しては,まずは事務・調査の厳選・合理化,それから部活動の総量規制など,それから市町村費負担事務職員の適正配置などを踏まえて業務の適正化を行っていくべきでないか,その上で今回の学習指導要領改訂に伴う授業時数の増については,総授業時数で見れば学習指導要領の改訂後の必要授業時数を上回る授業を行っている実態に鑑み,まずは必要な授業時数を上回って実施している授業を英語に振り替えてはどうか,それから中学校教員を含めた教員配置の見直しをしてはどうか,外部人材の活用やそのための免許制度の見直しといったことを通じて対応していくべきではないかということが書かれております。
 現在,文部科学省としても財政当局に折衝しておりますが,そもそも先ほども申し上げたように計画段階のものであって,インフルエンザがあったりとか,台風が来たりとか,そういった部分では当然削減されたりするその計画段階のものをもってこういう主張をすることは適切ではないのではないかとか,例えばエビデンスもなしに中学校教員を含めた配置,つまり中学校の削減とかそういったことを言うのは適当ではないのではないかとか,例えば英語の部分についても,免許の話と,それの部分の財源保障の部分は違う話ではないかなどなどの主張をさせていただきながら,財政当局と折衝させていただいているところでございます。
 以上です。
【天笠部会長】  御説明,どうもありがとうございました。
 それでは,委員の皆さんから御意見を頂きたいと思うんですけども,まず,先ほども御案内がありましたように学校における働き方改革特別部会に関わられている無藤副部会長と時久委員からそれぞれ御意見をお願いしたいと思いますので,まず無藤副部会長からお願いいたします。
【無藤副部会長】  では,私から多少の御報告と私の意見とが交じりますけれども,行われている議論そのものは先ほど事務局より御説明があったもの,また詳細な報告の資料をごらんいただきたいと思います。
 それと重なるわけでありますが,改めて,まず一つは教員における多種多様な仕事の負荷というものが非常に大きいということと,特に10年単位でそれが増加してきているということが大きな問題であると思います。そういう意味では,日本の学校教育の水準というのは国際比較でも高いと思いますけれども,それがかなりの教員の奉仕的な努力によって支えられていると考えられます。しかしそれも限界に来ていると考えるわけです。
 そこで必要なことは様々に提言されておりますが,要するに改めて教員の本来的な業務,あるいは学校のいわば中核的な使命というものを見直す必要があるんだと思うわけです。学校が今行っていることに不必要なことはないと思いますので,必要ではあるけれど,そこに優先順位をあえて付けていく必要があるわけであります。
 その一方で,特に教育課程部会としては学習指導要領の改訂を行ってきたわけでありますので,しっかりと授業時間を確保するだけではなくて,授業の準備時間も確保していただきたい。この準備時間が各教員ごとにどの程度あればよいかというめどというのは今のところないし,立てられるものかどうかもはっきりいたしませんけれども,それを含めてのあるべき教員の勤務というのを考える必要があります。
 それから,少し指摘がありましたが,現在教育課程部会の下で学習評価の在り方,指導要録の在り方についての議論を始めたところでありますけれども,これも理想的には様々なことをなすべきであるとなるわけでありますが,一方で勤務実態に照らしながらどうやってその負担を軽減し,しかし同時に授業の質を保つ,高めていくために有用な在り方という非常に難しいところですが,それを追求することが本部会の責務でもあると思います。同時に,教育課程部会ではなくて多分教員養成部会の問題ですけれども,教員の研修というものや,学校内部における授業の検討の場面などをどういうふうに作っていくか,時間を確保するかの検討も改めて必要であると考えます。
 そういうことを通して教員が学校で勤務する時間そのものを小さくしていくということとともに,学校の業務自体のスリム化というものが目指される必要があります。それについては,個別の教員の努力というよりは学校として検討するという意味では,カリキュラム・マネジメントの方向というものが授業の質を高めるとともに,業務のスリム化ということを念頭に置くべきだということでもあると思います。同時に学校を管轄するところの教育委員会の責任も非常に大きいところがあるので,教育委員会としてなすべきことがあろうと思います。
 しかし同時に,各学校,教育委員会が検討する際に,学校と家庭と地域の分担,連携の在り方の見直しということも必要だと思います。10年単位で業務が増えてきたことにはいろいろな理由がありますけれども,やはり家庭や地域の教育力のある種の低下を受けているという面もあると思いますが,その一方で家庭や地域でなすべきことが学校にいわば委ねられ過ぎているのかもしないと思うわけです。その際,地域差や学校差は非常に大きいということがあろうと思います。その背景にはそれぞれの学校や教育委員会の問題意識の差もあると思いますが,同時に自治体の財政力の差も大きいわけです。そういう意味では,国全体としての教職員定数の改善とともに,学校の教員の業務を補助する様々な役目の人たち,カウンセラーとかソーシャルワーカーとか,専科教員とか指導員とか,あるいはさらに言えば事務職員でありますけれども,そういった者の雇用というのは当然ながら費用が掛かるわけですので,それをどういうふうに生み出していくか,これも自治体の責任が一方にあるとは思いますが,その一方で国としての責任もあるのではないかと考えるわけです。特に,例えば通学路の安全確保というときに地域に委ねようという意見はもっともでありますけれども,しかしながら,地域人材が豊富にいるところもあるでしょうけれど,それを得にくいところもあるはずですので,その辺をどう考えるかをもっと具体的に検討する必要があります。
 最後に,家庭格差に対してどう対応していくかで,家庭が行うべきである,保護者の責任だというのは,一般論として正しくても,それに対応できない家庭や保護者の現状も一部にはあろうと思いますので,一方的に学校で行うことを削減していったときに,かえって家庭格差を広げる,結果的に生徒の学力その他を悪化させるかもしれないわけですので,そういうことも含めながら検討するということになります。そういう意味で,働き方改革というのが非常に難しいジレンマを何とか折り合いをつけるという極めて困難な課題ですけれども,しかしながらそこから今我々,教育課程部会を含めた中央教育審議会とともに文部科学省が,その課題から逃げるわけにはいかないということを痛切に感じているところでございます。
 以上です。
【天笠部会長】  どうもありがとうございます。
 続きまして,時久委員,お願いいたします。
【時久委員】  学校における働き方改革の検討が始められて以来,文部科学省からの様々な情報提供や報道機関の方からの投げ掛けがある中で,教職員や保護者,地域の方々の改革への必要性に対する意識改革は進んできたと思っています。私自身が一番現場に近い市の教育委員会にいるものですから,先生方の動きとかを見ていましても,学校でできることについては随分意識して取り組んでおられると思います。特に緊急提言への反響が大きく,教育委員会や学校におきましては,現状の中でこの緊急提言に対して取り組めるところは取り組もうという動きが出てきています。
 今後の改革に必要なことについて,いろいろありますけれども私はポイントを三つ考えているところです。一つは人的措置です。今年度概算要求で出されております定数改善とかスクールサポーター,部活動の指導員,スクールカウンセラー,スクールソーシャルワーカーの措置はとても貴重だと思っています。実は先ほどの資料4-3の,これは後ろの端のペーパーですけれども,29ページのところに教職員の負担感のことを書かれているデータがありますが,児童生徒の問題行動への対応について,従事率は省きまして,負担感率でいうと小学校が55.8%,中学校が55.3%,非常に高い負担感率があります。それから,次の30ページの上から二つ目の特別な支援が必要となる児童生徒への対応というところでは小学校が35.2%,中学校が36.0%。それから,その二つ下に保護者・地域からの要望・苦情等への対応,小学校は71.4%,中学校が71.1%。実は学校で一番困っているのは30ページの上から二つ目の特別な支援が必要となる児童生徒への対応です。けれども,ここの負担感というのは意外と生徒指導面のほかのことに比べたら少ない。なぜかというと,多分これはやればやるほど子供たちがよくなっていくという,負担感と同時に成就感というかそういうものが伴っているからじゃないかなと思います。
 逆に,私があと二つ申し上げました29ページの児童生徒の問題行動への対応だったり,30ページの保護者・地域からの要望・苦情等への対応というここの数値が高いのは,一生懸命やって,何とか出発地点というかゼロへ戻していくというマイナスからの仕事でありまして,何とか保護者との関わりがうまくいき出して普通というところになってくるので,このあたりのしんどさがたくさんあります。そういう意味からいって,先ほど申しました人的措置につきましては,何かこの軽減できる措置が今後とも必要だと思いますので,全力でここは考えていかないといけないと思っているところです。
 二つ目は,資料4-5にありますように緊急提言の中ですぐできることと,なかなか財政措置が必要なことと両方ありまして,2番の全ての教育関係者が学校・教職員の業務改善の取組を強く推進していくことの丸1から5となっているここの部分です。校務支援システムとかICTの活用等,今応援ができるようなことを環境整備して応援してあげる必要があると思っています。
 三つ目はコミュニティ・スクールとか地域学校協働本部の充実です。これはとても大事だと思っています。なぜかというと,地域との協働があったときに初めて学校のしんどさというのが,地域の方々がそれはいけないと主体的に動き出してくれるものですから,学校からしんどいのですとはやっぱり言いにくいところがあって,協働して行っていくのにはこういうしっかり地域とともにやっていくことが必要です。まだコミュニティ・スクールが余り多くない実情がありますので,これは設置まで向けていくのには1年,2年掛かります。
【天笠部会長】  そろそろ時間も迫ってきておりますので,皆さんお忙しい御予定かと思いますけども,5分ほど延長させていただいて12時5分に終了させていただきたいと思います。
 今それぞれ御説明があったかと思いますけども,お一人当たり大変短くて恐縮でございますが,篠原委員,髙木委員,それから菊池委員の順に発言をお願いして,全員の方の発言が終わりましたらきょうは終了という形にさせていただきたいと思います。
 篠原委員,お願いいたします。
【篠原委員】  短くやります。さっき無藤委員からも御指摘があったんですけど,家庭の教育力全般が低下しているという認識を我々はしっかり持つ必要があると思うんです。その中でこの働き方改革との絡みの中で学校と地域・家庭の役割分担ということが非常に大きなテーマになっていると思いますけども,単なる役割分担ではなくて,やっぱり協働となると,家庭・地域と学校がコラボレーションするという視点をしっかり持ちながらこの議論を進めていく必要が私はあると思っています。
 以上でございます。
【天笠部会長】  どうもありがとうございました。
 では,続きまして髙木委員,お願いいたします。
【髙木委員】  要点だけ申し上げます。学級規模の問題です。文教・科学技術の先ほどの資料の18ページ,24ページに書いてあるんですが,教員1人当たりの児童生徒数をエビデンスとして統計で出していますが,実態としては都市部と地方と,言い方は悪いですが過疎のところの学校,単級の学校という違いもありますので,そういったことも是非統計として出していただいて,都市部の先生方は学級数が多い中でかなり苦労している部分もありますので,そういうことも是非示していただきたいと思います。
【天笠部会長】  菊池委員,お願いいたします。その後,伊藤委員お願いいたします。
【菊池委員】  時間もありますので短く申し上げます。山積する課題を見渡しますと,新たな課題について言及するのは難しいかとも思いますが,本日は学習指導要領の周知に関して,また働き方改革についての話を進めてきたと思います。このことに関しましては,本日会議に参加している皆様方だけではなく,国民の皆様も非常に関心の高いことであります。学習指導要領の周知に関しては児童生徒,保護者に向けたパンフレットの作成やYou Tube,資料の作成がこれから進められていきますけれども,外から入ります言葉としては行政文書というのは感覚的に把握するのがとても難しいという声がございます。これは皆様も共通認識かと思いますけれども,会議などでは問題ないと思います。しかし各方面に向けた配慮があり,形式的で慣例的な文章体というのは外から見ると非常に難しいということでありまして,これは文部科学省だけの課題でありませんが,是非長期的な視点で工夫して考えていただければいいのかなと申し上げたく存じます。
【天笠部会長】  伊藤委員,お願いいたします。
【伊藤委員】  ありがとうございます。
 教員の本来業務とそうでない業務を細かく整理していただいたことは大変ありがたいと思っています。それで,資料4-3の中に一つちょっと危惧しますのは,教員以外のサポートスタッフという言葉がたくさん出てまいります。この方は一体どういう方を指すのか,あるいはどういう任用をするのかということをもう少し詰めていただけると大変ありがたい。といいますのも,どこの学校も地域の様々な方々に御協力いただいて,学校支援という形で教育活動に関わっていただいていると思いますし,今後社会に開かれた教育課程の実現とともに,ますますこういった方々の活動の場が広がっていくだろうと思います。ただ,地域のボランティアの方々には,基本的にはできる人が,できるときに,できることを,このスタンスでお願いすべき,この考え方に立つべきではないかと思っています。ここのところをきちんと分けて考えないと,学校と地域の連携・協働は長続きしないんじゃないかとも思いますので,今後御検討いただく際に,この点について是非御留意いただければ思っています。
 以上です。
【天笠部会長】  最後に,帯野委員,お願いいたします。
【帯野委員】  今の御意見にほぼ重複するようなところです。社会に開かれた,地域に開かれた学校教育ということで,今後地域との連携というのは非常に大きくなると思うのですが,以前に頂いた地域学校協働本部には地域コーディネーターというのが指定されていましたが,じゃあ,学校の中で誰がこれを担うのかということについて,私の記憶では不明確であったと思います。財務省の予算でも,働き方改革における特別部会の審議でも事務職の強化とされておりますが,少なくとも増員はありませんし,またこれが事務職に担えることなのかどうか,例えば地域行事の参加,新たに起こった貧困の問題,例えばですが,これなんかは幾ら子供食堂を作っても,あるいは放課後の居場所づくりを作ったところで,外部でそれを作っても,どの子供をそこに導くかということは,やっぱり子供の顔を見た教員でしかそれはなし得ない。しかし,じゃあ,学校の中で誰がするのかということになると,このままでは恐らく教頭ぐらいに行くのではないかと思いますが,働き方改革が一番必要なのは教頭で,何が言いたいかと言いますと,学校側に地域との連携を専従できるような人材が必要である,それは教師でなくてよいと思うんです。できればその地域のことに精通した退職者であるとか,そしてまた先ほどの篠原委員の家庭にということであれば,一番ベストはその学校のことをよく理解した地域の方に参加していただくことがベストだと思いますので,そこのところをもうちょっと明確にして,予算でもそこは付けるべきだし,財務省への説明も必要かなと思います。
【天笠部会長】  どうもありがとうございました。
 今の議題につきましては,働き方改革特別部会と本部会との,今後ともキャッチボールが必要かと思っております。また,進行状況も適宜この部会にまた御報告させていただきたいと思っておりますので,委員の皆様,またそれぞれ御意見を寄せていただければということをよろしくお願いいたします。
 ということで,きょうは私の方の進め方の不手際で時間をオーバーしてしまいましたけども,皆様の御協力によりましてきょうはこれで閉じさせていただきたいと思います。
 最後に次回以降の予定につきまして,事務局からお願いいたします。
【白井教育課程企画室長】  次回の日程につきましては,部会長と相談の上,追って御連絡申し上げます。
【天笠部会長】  どうもありがとうございました。
 それでは,これで閉会したいと思います。どうもありがとうございました。

── 了 ──

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