資料2 中央教育審議会 初等中等教育分科会 教員養成部会 (第52回) 議事要旨(案)

1.日時

 平成19年11月29日(木曜日) 10時~12時

2.場所

 KKRホテル東京 10階 「瑞宝の間」

3.出席者

 梶田部会長、門川委員、川崎委員、草野委員、甲田委員、佐々木委員、高倉委員、巽委員、田村委員、角田委員、渡久山委員、永井委員、野村委員、平出委員、北條委員、村田委員、八尾坂委員、山極委員、横須賀委員、鷲山委員

文部科学省関係者

 合田総括審議官、藤嶋政策評価審議官、前川審議官、大木教職員課長 他

4.議事

(1)教員免許更新制の運用に係る関係団体からの意見聴取結果について

 山極委員より資料4に基づき、教員免許更新制等ワーキンググループにおける意見聴取に関する報告がなされ、質疑応答がなされた。主な発言内容は以下のとおり。

【委員】
 教員に対する分限処分の権限がある教育委員会が修了認定を行う場合、恣意的になりかねない。また、費用負担は国などが何らかの形でやるべき。

【事務局】
 教育委員会が開設者となることについては、平成18年7月の答申においても教員養成部会の議論の結果としてある。また、いくつかの県では、地元の大学が教員養成の観点から体制が弱く、私立の課程認定大学なども少ない中で、最後のセーフティーネットの一環として教育委員会の開設はあったほうがいいのではないかと思っているところもある。しかし、文科省としては、原則としての開設者である大学の講習を受講していただけるような環境整備を整える方向で努力しているところ。

【委員】
 教員養成は、原則として大学が行うものであり、更新講習についても原則は大学が行うべきであって、例外的にその他の機関ということは省令上、明確に規定すべき。

【委員】
 課程認定大学は、10年後の教員の資質・能力がどういう状態であるかということを把握するためにも、教育委員会などと十分な連携・協力のもとに講習を行う必要があると思うので、その点も省令上の何らかの規定が必要ではないか。

【委員】
 更新講習と10年研修は、目的に違いがあるにしても、10年目の教員の資質・能力ということを前提とする点は同じなので、10年研修は廃止すべき。

【委員】
 更新講習修了者には、例えば上級免許状の取得要件を緩和するなど、更新講習に対するインセンティブとなるような配慮も必要なのではないか。同様に、教職大学院卒業者など、専修免許状取得者に対する何らかの優遇措置も考えるべきではないか。

【委員】
 教育委員会を開設者とすることについては、1地域によって受講機関が少ない場合の補填機能を有している、2学校現場の課題もニーズも詳しく把握しているという点から賛成。

【委員】
 課程認定大学であっても、その地域の教育委員会と連携した形で開くようにすることが重要ではないか。そういう関係によって、教員養成の質の向上と講習の質の担保につながるのではないかと思う。

【委員】
 修了認定基準について5段階となっているが、これは可か不可の2段階でよいのではないか。5段階にするには、理由をしっかり説明する必要があると思う。

【事務局】
 修了認定は、あくまで認定されるかされないかの2つである。ただ、認定する、しない場合でも、やはり1つの目安があったほうがいいのではないかということで資料的に提示したもの。

(2)教職大学院について

 事務局より資料5に基づき説明がなされ、質疑応答がなされた。主な発言内容は以下のとおり。

【委員】
 今後は、教職大学院の認証評価や事後評価をしっかり確立し、教職大学院の設置が続いていくことと、できたものが十分に成果を上げることが重要。

【委員】
 認証評価機関の立ち上げ等、今後の見通しなどについて教えていただきたい。

【事務局】
 認証評価については、5年以内にしなければならず、その評価基準の作成、機関の立ち上げ等に向けて日本教育大学協会等で検討されていると聞いている。

【委員】
 教職大学院のカリキュラムを実現していくには、非常に厳しい問題が色々あると思うが、運営費交付金などが削減されていく中、教職大学院を設置するにあたり特別な予算を組む予定などはあるのか。

【事務局】
 現在、平成20年度概算要求において教職大学院を含む専門職大学院全体に対して教育内容・方法の充実・教化を目的とした大学改革推進等補助金を要求している。

【委員】
 教職大学院を設置した大学への予算措置等も大事だが、教職大学院への研修派遣の枠についても何とか増やす方法も考える必要がある。

【委員】
 ストレートマスターの連携協力校の中には、受け入れたからといって実務権限等の措置があるわけではなく、丸々負担になると思っている学校もあるので、この趣旨を理解していただき、協力していくことが今後の課題である。教育委員会もがんばるが、文科省や大学も制度の趣旨徹底や周知をもう少し図っていただきたい。

(3)教員の資質向上に関する全般事項について

 議題に基づき、意見交換がなされた。主な発言内容は以下のとおり。

【委員】
 平成13年に実施した「今後の国立の教員養成大学・学部の在り方について」のような議論は大いにやっていただきたいが、これは国立の教員養成大学・学部の在り方についてなので、国公私立を問わない議論をしていただきたい。また、その際には課程認定の基準について議論をしていただければと思う。

【委員】
 次から次へと大学を重ねてつくっていくのではなく、現在ある教員養成大学をもっと充実していけないのか。量的・質的な問題について統一的に何か検討できないかという点が今後の課題としてある。

【委員】
 日本の教員も海外での研修まで含めて体制化すべきと思うが、その場合にも、研修から戻ってきても職がないということもまずいので、身分保障をしておく必要がある。

【委員】
 いかに教職課程を充実させても、現場の教員の負担が軽減されなければ機能しない。現状では、新規採用教員をすぐに現場に出すのは反対である。1年間どこかで徹底的に研修を積んだ者を現場に出すようにしなければ、その教員の持ち味、能力が伸びないまま終わってしまうことになる。

【委員】
 アメリカなどのように、先進国であれば、管理職は修士課程修了ぐらいは当たり前の時代になっている。個人的には、更新講習を免除される管理職のような者は、修士課程を取っておいたほうがいいのではないかと思う。

【委員】
 幼稚園については、私立に在籍する者が大半を占めたり、短大卒の者が8割を占めるなど、他の校種とは異なった事情があるので、幼稚園の問題も一緒に議論してよいのか迷う部分がある。

【委員】
 教員養成については、徹底して半年くらいは教育実習を充実すべきだと考える。その場合、公立学校において教育実習の受け入れ体制を作り、引き受けた教職員の手当てなどもきちんと制度としてやっていくべきではないかと思う。

【委員】
 京都教師塾などのように、学生のときに学校現場へ入れば、大学で学ぶモチベーションも高まる。特に小学校教員を中心に大量採用され、民間企業が採用を増やしていくという時期に、本当に質の高い実践力のある教師が学校現場に確保できるのか危機感を感じているので、そのあたりの手立てもお願いしたい。

5.閉会

お問合せ先

初等中等教育局教職員課

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