5.現職研修の改善・充実

  • 教職経験に応じた研修について、「中間報告」では、今回の教員養成・免許制度の改革の趣旨を踏まえて、研修内容・方法や受講者の評価の在り方を見直すなど、必要な改善・工夫を図るとともに、多様な経歴を有する教員のキャリアに応じた柔軟な研修体系や研修内容について、検討することが必要であるとされたところである。
  • 現在、現職研修については、都道府県・指定都市・中核市の教育委員会(以下「各教育委員会」という。)において体系化が図られているが、研修成果を適切に評価し、その後の指導や処遇に反映するシステムを構築することが課題となっている。また、今回、更新制の導入により、生涯にわたり教員の資質能力を保証するという制度的基盤が確立されることから、今後の現職研修は、基本的に10年経験者研修のように、個々の教員の能力、適性等に応じた多様な研修を行い、その成果を適切に評価していくという性格を一層強めていくことが必要である。
     こうした観点に立ち、今後、各教育委員会においては、現在実施されている現職研修の体系化の考え方や、個々の研修の目的、内容、成果等の検証を行い、必要な改善・充実を行っていくことが必要である。
  • 更新制を導入することとした場合の10年経験者研修の在り方について、「中間報告」では、当面は存続させることを基本とするものの、必要に応じて、研修内容・方法等の見直しを行うことが適当であり、また、更新制導入後の教員を取り巻く諸状況を総合的に勘案しながら、将来的な在り方についても検討を行う必要があるとされたところである。
  • 10年経験者研修については、平成14年答申において、更新制の導入目的のうちの専門性の向上を図るための方策として提言されたという経緯はあるが、平成15年度からの実施以降、各教育委員会においては、制度の趣旨を踏まえた多様で特色ある研修が実施・工夫され、教員の専門性の向上や、各教育委員会における体系的な研修の整備に寄与してきたところである。
  • こうした現状を考慮すると、10年経験者研修については、基本的に教育公務員特例法上の法定研修としての位置付けは引き続き存続させることが適当であるが、更新制の導入との関係で、中堅教員としての更なる指導力の向上や、得意分野づくりに重点を置いた研修としての性格をより明確にするとともに、その実施時期や研修内容については、柔軟化の方向で見直しを行うことが必要であると考える。
     一方で、10年経験者研修については、今回、更新制を導入するのであれば、その時々で教員として必要な資質能力が保証されることから、法定研修としては廃止し、各教育委員会の主体的な取組に委ねることが適当である等の意見もあったところであり、この点については、それぞれの方策のメリットや課題、各教育委員会への影響等を整理しつつ、さらに検討することが必要である。

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