4.改革の円滑な実施のために

  • 「中間報告」では、新たに更新制を導入するためには、教育職員免許法等の改正のほか、免許更新講習の開設準備や、都道府県教育委員会における免許管理体制の整備、国における制度改正の周知徹底、都道府県教育委員会に対する支援等様々な準備が必要であるとされた。また、国においては、更新制の導入について、課程認定大学や都道府県教育委員会、学校、教員、関係行政機関等に十分説明し、理解を得ることが重要とされたところである。
  • これらの取組はいずれも必要であるが、特に現に教員免許状を有する者についても、一定期間(10年間)ごとに定期講習の受講を義務付け、修了しない場合には免許状が失効することとする場合、相当数の対象者が見込まれるとともに、特に現職教員については、身分の得喪に関わる制度の変更となることから、制度導入当初から、現職教員への対応をいかに円滑に行うかが大きな課題となる。
  • このため、まず都道府県教育委員会や現職教員等に対して、定期講習の受講の趣旨や制度の仕組み等について十分説明し、理解を得るための取組を進めるとともに、現職教員が計画的に定期講習を受講できるようにするための諸準備を遺漏なく進めていく必要がある。
    具体的には、定期講習の対象見込み者数や必要となる講習数等の実施規模を的確に把握するとともに、それを踏まえて、定期講習の受講計画の策定や、モデルカリキュラムの開発と試行、大学や教育委員会等の定期講習の実施主体における準備やこれらの機関に対する支援方策等を検討することが必要である。
  • また、更新制の導入や現職教員への対応を円滑に行うためには、免許管理者である都道府県教育委員会における免許管理体制の整備が重要である。このため、今後、各都道府県教育委員会の実態も踏まえつつ、国が中心となって、免許管理や免許更新に必要なデータを全国規模でネットワーク化し、どの都道府県からでも必要なデータへのアクセスを可能とするような「免許管理システム」の整備を速やかに行うとともに、都道府県教育委員会に対する支援方策について検討することが必要である。
  • さらに、教員にいたずらに負担を課さないようにする観点から、定期講習の実施主体においては、講習の開設時期や期間、実施形態の工夫を図るとともに、各学校においても、対象教員については校務を軽減するなど、計画的に定期講習を受講できるよう、できる限りの配慮をすることが必要である。
  • 更新制の導入については、「中間報告」でも示されたように、速やかな実現が求められるが、特に現職教員に対して上記のような対応をとることとする場合、今後の行政当局の取組が極めて重要になる。
    このため、更新制の導入や現職教員への対応については、今後、国において、関係者の理解と協力を得るための取組や、導入に向けての諸準備を進める中で、十分な見通しを立てた上で、その実施時期について判断することが適当である。

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-- 登録:平成21年以前 --