(2)制度設計の基本方針

 教職大学院制度の創設に当たっての、具体的な制度設計については、以下の5つの方針を基本とすることが適当である。

1.教職に求められる高度な専門性の育成への特化

 学部段階で養成される教員としての基礎的・基本的な資質能力を前提に、今後の学校教育の在り方を踏まえた新しい教育形態・指導方法等にも対応し得る知識・技能や、様々な事象を構造的・体系的に捉えることのできる能力など、教職に求められる高度な専門性を育成することを目的として特化する。

2.「理論と実践の融合」の実現

 高度専門職業人の養成を目的とする大学院段階の課程として、綿密なコースワーク(学修課題と複数の科目等を通して体系的に履修することをいう。)と成績評価を前提に、理論・学説の講義に偏ることなく実践的指導力を育成する体系的で効果的なカリキュラムを編成するとともに、実践的な新しい教育方法を積極的に開発・導入することにより、「理論と実践の融合」を強く意識した教員養成教育の実現を目指す。

3.確かな「授業力」と豊かな「人間力」の育成

 学級運営・学校運営の基本とも言うべき確かな授業力を徹底して育成するため、理論とともに、従来の学部・大学院教育が軽視しがちであった教育技術面を重視するとともに、その前提として、子どもや保護者、地域住民等とのコミュニケーション能力をはじめとする教職に求められる豊かな人間力の育成を目指す。

4.学校現場など養成された教員を受け入れる側(デマンド・サイド)との連携の重視

 保護者や学校現場、地域、教育行政など、養成された教員を受け入れる側(デマンド・サイド)の要請を踏まえ、特に学校現場との意思疎通を重視し、カリキュラムや教育方法、履修形態、指導教員、修了者の処遇、情報公開、第三者評価など大学院の運営全般にわたって、大学院と学校現場との強い連携関係を確立する。

5.第三者評価等による不断の検証・改善システムの確立

 教育内容・方法や指導体制をはじめ大学院運営の全般にわたり、大学関係者や、学校関係者、地方教育行政担当者等から構成される専門の認証評価機関による5年ごとの第三者評価(認証評価)を実施することなどを通じ、不断の検証・改善システムを構築し、優れた教員養成の質の保証を図る。

お問合せ先

初等中等教育局教職員課