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資料2 中央教育審議会初等中等教育分科会教員養成部会 (第26回) 議事要旨(案)

1.日時

 平成16年11月30日(火曜日) 10時~13時

2.場所

 如水会館 「松風の間」

3.出席者

 國分部会長、田村副部会長、石原委員、大南委員、小川委員、小栗委員、梶田委員、佐々木委員、高倉委員、渡久山委員、永井委員、西嶋委員、野村委員、橋本委員、平出委員、松尾澤委員、宮﨑委員、森川委員、八尾坂委員、山極委員、山﨑委員、横須賀委員、横山委員、鷲山委員

文部科学省関係者

 樋口審議官、徳永審議官、戸渡教職員課長、勝野視学官、佐野主任大学改革官、伊藤専門官 他

4.議事

(1)平成16年度教員の免許状授与の所要資格を得させるための大学の課程の認定について

 標記の件について、諮問が行われた。

(2)今後の教員養成・免許制度の在り方について

 事務局からの配付資料の説明の後、自由討議が行われた。主な発言は以下のとおり。
 (○=委員、△=文部科学省)

委員
 更新制や専門職大学院は、教員養成・免許制度の改革の中で位置づけなければならない。大学については、教職科目を履修したという認定を与えれば良く、免許状はこの段階で与える必要はない。採用選考試験に合格して、1年間の初任者研修の目標に到達した人に対して、免許状を授与することにすべきである。また、教員になった段階で、よりステップアップしていくような免許状を考えなければならない。

委員
 アメリカ合衆国では、免許状の授与時に、教授法に関する試験を課す州があるとのことだが、具体的にどのような試験を課しているのか。教員の資質を確認する場合、ペーパーテストでは分からない部分があり、本当に試験ができるのか。毎年、20万の免許状が授与されているが、その全てを対象に、ペーパーテスト以外の方法で教員の資質をみるような試験を実施できるのか疑問である。

文部科学省
 教職課程を修了した者に対して、全国教員試験を使用している例が多い。この試験では、コミュニケーション技能、一般教養、教職、指導教科等に関する筆記試験を行っている。それ以外にも、志望者に授業をさせる例もあると承知しているが、もう少し調べてみたい。

委員
 1980年代のアメリカの議論で、初等中等教育の教員の給料を3段階にすることが3分の2程の州で出てきた。A、B、Cの3段階に分けるとして、Cにあたる教員について、次の段階で子ども側からの授業評価や、利害関係のないチームによるチェックを行う。更新制についても、Cに当たる教員をどのように判定するかが問題であり、管理職の判定やペーパーテストにより、基準以下の人を選んで、更新の可否を判断することになると思う。更新しないという人は数%程度だろう。また、何年間も教壇に立っていない者の免許状は、失効するような仕組を作らなければならない。

委員
 免許状で、どのような能力を担保するのか明確にすべき。教員には、大学で身に付けるべき能力と現場で経験的に身につける能力の二つがあり、全てを養成に期待することは無理である。教職課程については、教職科目の重視により、理数系や英語の教員の学力が低下していると思う。また、初等教育について、今のように、一人の教員が小1から小6まで教えることでいいのか。初等教育の免許状がどのような能力を担保すべきかを考えて、制度設計をしてほしい。医療職については、国家試験で質を担保しているが、統一的なレベルを確保する試験が必要ではないか。これは、教員の学力を担保するという素朴なレベルで良い。その上で、更新制は変化の激しい状況に対応する上で必要だと思う。

委員
 不認定が数%であれば、現在の指導力不足教員の認定で対応できる。大学の養成教育は、児童生徒が学習に向かうという前提で行われているが、実際にはそういう子どもばかりではない。途中で席を立つような子どもにどう対応するのかという教育をやらなければならない。教育実習は、大学側は受けさせる義務を負っているが、学校側に受け入れる義務がないため、法的に明確にして欲しい。また、教育実習は出身校以外で行うようにすべきである。

委員
 資料5のアメリカの教員免許制度の中で、「1980年代以降、教員免許状交付の要件に」というのは、大学卒業後に最初に授与される免許状のことであり、これについて州が試験を行っている。その後、有効期限付きの免許状について、更新制で筆記試験を行っているわけではなく、専門性を高めるような研修を行っているのが通常である。教授法の試験もペーパーテストではなく、日本における模擬授業のようなものである。

委員
 評価がCの教員の資質能力をどのように高め、それと絡めて更新制をどうするのかというのが諮問であり、それに対する答申を出すことが本部会の使命であると思う。更新制の導入には、自覚を促し自己啓発を高めるという目的もあるが、排除の論理が欠かせない。今の条件附採用期間を2~3年にすることは可能なのか。教員として活動している中で、更新制を導入して排除することが良いのか、あるいは採用後の早い段階で、他の職に転ずる制度がいいのかを含めて議論しなければならない。

委員
 現行制度を前提として、更新制を検討するのかどうかで議論の仕方が違ってくるが、事務局の考えはどうか。

文部科学省
 前回の答申において、現行制度では困難であり、今後検討する際には抜本的な検討が必要という指摘がされている。現行制度を前提として、更新制だけを入れるということではなく、もう少し広い観点から、更新という形での資質向上方策を免許制度の中にどう位置づけていくのが良いのかをご検討いただきたい。

委員
 更新制は排除するためにやるのか、入り口にある程度枠をはめるためにやるのか、講習を受けたら更新するとするのか。現職教員の場合は、経験を積む中で、資質能力は高まっていく。指導力不足教員への対応については、すでに歯止めがかかっている。社会の変化に対応する能力や技能を身につけるために、様々な研修も行っている。こうした状況の中で、更新制の導入の意味をどのように考えたらよいのか。現在は、一種、二種が多いため、修士卒を増やしていくのであれば意味がある。その場合、2~3年在職しながら研修が受けられるという制度の導入が求められているのではないか。

委員
 ペーパーライセンスは、何年かで失効することにしなければいけない。免許状も多種多様になっており、もう一度整理しなければならない。小学校の教員にオールマイティーを求めるのか、現在の免許状の種類は処遇に反映されないが、上進制と言えるのかという問題がある。また、教員の力量を高めるため、研修制度をシンプルにして実効性をあげなければならない。それでも問題がある教員に対して、指導力不足の認定をどう機能させるのか。また、初任者に対しては、条件附採用期間をどのように機能させるのか、あるいは免許状は条件附採用期間の終了後に与えることなどが考えられる。指導力不足教員は教壇から降りてもらうだけでなく、重い人は免許状を更新せず、教壇に戻れないようにすることが必要。

委員
 一般的に、大学における専門教育は学部段階では完成せず、学部段階では専門教育の基礎的な素養を培い、修士課程で専門性を高めるという流れになっている。そのような状況の中で、教員養成についてどう考えるのか。中・高等学校の教員の専門性が非常に低下している。また、小学校の全教科担任制も今のままでいいのか。このような課題を解決するとすれば、現在の4年制が良いのか、6年制が良いのか論じなければならないが、当面の検討事項を考えると、現行の免許制度を前提にして、更新制や専門職大学院をどうするのかを考えていくことが実際的であり、諮問の趣旨にも沿うのではないか。

委員
 大学の実地視察をすると、厳しくやっている大学も、ルーズな大学もある。教養審第1次答申によれば、採用時には、「最小限必要な資質能力」を有していることが前提となるが、大学の教員はどのような基準で評価を行っているのか。最小限必要な資質能力を確認して可をつけるのであれば、20万という数字は減ってくるのではないか。養成段階で簡単に単位認定している現状を変えていくのか、国家試験をするのか、採用選考試験の合格者に対して更新制を取り入れていくのか。更新制は、指導力不足教員を出さないためのものでなければならず、排除の論理ではなく、更新制により、積極的に研修を積んでいくものを考えるべき。

委員
 更新制が要求されているのは、日本社会の透明性を高めて、競争させるという発想が基本にある。従来型の学校文化が、外圧によって変えられようとしている面をどのように考えて、更新制の議論につなげていくのか。例えば、義務教育費国庫負担金がなくなった場合、全国に様々な学校が出てくるが、そういうことを踏まえて更新制を考えるのかどうかという面がある。また、今後、退職者の増加に伴い、教員を多く採用しなければならない。これまで、競争率は高い状態できたが、更新制の導入により、教職の人気が低下することも考えられる。教職が魅力ある職業であることを維持するために、どのようにすれば良いかということも、更新制の議論の上で大切なポイントである。

委員
 教養審第1次答申で、養成段階の役割として、「最小限必要な資質能力」を明示した。「最小限必要な資質能力」を、円滑に職務を遂行するレベルに高めていく筋道、すなわち養成・採用・研修の一貫したプロセスの中に位置づけることで、更新制の本質をとらえていくという考えに賛成する。仮に排除の論理が必要であれば、不適格教員の排除は、別途考えればよい。抜本的な免許制度の改革というのは現実的ではなく、当面は現行制度を前提に考えていくことが現実的である。

委員
 この二年間に更新制を導入しなければならない社会的な要因があったのかという説明が不足している。更新制導入のメリット・デメリットにどのようなものがあり、どのようにすればクリアできるのかを整理する必要がある。教員は、本来、教科の授業をやることが仕事だが、授業以外のことで相当忙しくなっている。そのような力をつけていくために研修や自己研鑽の仕組みは必要であり、専門職大学院は必要である。

委員
 盲・聾・養護学校の教員は、幼・小・中・高等学校の免許状に加えて盲・聾・養護学校の免許状を持つことが基本となっている。当分の間は幼・小・中・高等学校の免許状があれば指導できるが、将来的には、全ての教員が持つ方向に持っていきたい。小・中・高等学校の教員としてはふさわしいが、盲・聾・養護学校の教員としてはいかがかという場合も考えられ、幼・小・中・高等学校の教員の更新制とは観点を別にしなければならない。

委員
 教員は初めから全てが備わっているわけではなく、初任者研修は大きな成果をあげている。教員は、授業のみならず、部活動、生徒指導、保護者対応等を全て一人でやっている。一番大切なのは授業であり、児童・生徒の興味・関心を高めるような指導を行い、児童・生徒理解ができる人であって欲しい。そのためには、もっとコミュニケーション能力を高めて欲しいし、何よりも魅力ある教員であって欲しい。これらは徐々に備わっていくものであり、更新制を導入したからといって、こうした教員が出てくるわけではない。

委員
 採用した時に、子どもと接する機会を多く持った教員とそうでない教員では全く異なる。また、採用後5年目位から、校内研修だけでは無理を感じてくる。そのような時に、大学の講座で学んでもらうという取組みを行っている。卒業するまでに全てを大学で終わらせようというのは難しい。卒業後も、大学に協力してもらい、フィードバックの関係がうまくいけば、指導力や資質向上の問題はかなり解決する。更新制が今すぐ必要かというと、他の方面からの検討が必要ではないか。

委員
 更新制は、不適格教員を排除するためにやるのではないと思う。今回の更新制の背景の一つとして、ペーパーティーチャーの問題がある。実際の免許状取得者は11万人程度であり、そのうち採用者は14%であり、乖離があるのは確かである。免許状自体にもっと価値や質があっても良い。かつて、国大協の議論でも、更新制により、免許状が失効した人が教員になりたい時は、単位取得により免許状を取得する途を考えていた。また、各大学の教職課程の受講要件はバラバラであり、チェックすることが必要である。専修免許状は、ミドルリーダーや特定分野のニーズにかなうものを授与することも考えられるのではないか。

委員
 大学側には免許状取得を抑制する傾向がある。取得を厳しくすることにより、レベルを上げるという面と、免許状に魅力がなくなっているという両面がある。このため、件数と同時に取得者の実数の変化を見ながら、更新制の問題を考えることが必要である。また、複数の免許状を取得している人が多いため、更新制を導入するとなると技術的な難しさがある。

委員
 教壇に立つための第一のハードルは大学での履修であり、これは厳しくする方向になっている。第二のハードルは採用選考試験であり、筆記試験や模擬授業等により、ふさわしい者を選考している。従って、ペーパードライバーのように免許状を取ったから、すぐ運転できるというものではない。また、ペーパーティーチャーがたくさんいるということは、見方によっては、学校や教育に理解のある人がいて、ボランティアなどの形で学校に入ってもらえる。

委員
 更新制のメリット・デメリットは何か、免許制度全体の中で議論するのか、学校文化や教育の現状まで踏み込んで分析するのかなど、様々な課題がある。免許制度で解決すべきものと分限制度に委ねるべきものを整理しなければならない。委員の任期を考えると、このような議論があったということを新部会に委ねる形で整理したい。次回は新教育大学の現状・課題等について、有識者の方からご意見を頂戴したいと思うがよろしいか。(了)。人選は事務局と相談して決定したい。

(3)今後の開催日程について

事務局より今後の日程について説明の後、閉会となった。

5.閉会

お問合せ先

初等中等教育局教職員課

-- 登録:平成21年以前 --