資料4 全国都市教育長協議会 提出資料

平成27年9月10日


中央教育審議会初等中等教育分科会
教員養成部会長 様


全国都市教育長協議会
会長 後藤 恒裕(山形市教育長)

 

これからの学校教育を担う教員の在り方について

 

1 はじめに
  中間まとめについては、教員の資質能力の向上に向けて、研修、採用、養成、免許という視点からよく検討・整理されている。これからの教員の人材育成に向けて大変有意義であるとの意見が多く寄せられている。改革の具体的な方向性については、概ね賛成としながらも、役員都市(19都市)から寄せられた意見を抜粋いたします。

 

2 研修について
(1) 十年経験者研修受講者は、免許状更新講習の一部を免除するなど、負担軽減及び整合性の確保に努めてほしい。
(2) 十年経験者研修に定められた校外研修20日を15日ぐらいに軽減できないものか検討願いたい。
(3) できるだけ多くの教員が、代替教員を確保したうえで一定期間(3か月から1年程度)現場を離れ、集中的に研修や研究ができるような制度を創設してほしい。
(4) 中堅教員の海外研修や中央研修を以前のように数多く実施することにより、中堅教員のインセンティブを高めてほしい。
(5) 小学校英語の教科化、道徳の特別な教科化、アクティブ・ラーニング等で混乱が予想される学校現場の指導に当たる指導主事等も含めた研修体制の強化が必要である。

 

3 採用について
(1) 教員養成大学や教職大学院卒業生については、採用について一定の特別枠を設ける必要がある。
(2) 学校現場でのボランティア経験や臨時講師経験者については、一定の配慮が必要である。
(3) 一般教養、専門教科等の競争的試験は別として、集団面接や模擬授業等の短時間での選考試験では、実践力や適性を見抜くのは困難である。ある一定の試験期間の中でじっくり選考することはできないものか。

 

4 養成について
(1) 小学校教員養成については、英語専修コースの設置や英語科教育法等に関する科目を必修化する必要がある。
(2) 学校現場でのインターンシップの期間を長くし、経験を積ませると同時に、教員としての適性を自己判断できるようなシステムを構築する必要がある。
(3) 学校現場でのボランティア活動をできるだけ多く体験させ、単位取得に反映できるシステムが必要である。
(4) 教員志望の学生が減少している。教職に対する魅力を高める工夫とともに、キャリア教育の一環として高等学校段階からの動機付けを考える必要があるのではないか。

 

5 免許について
(1) 現職の中・高等学校免許所有者の小学校での活動範囲を拡大する制度や現職教員が他の校種免許を取得しやすい制度を構築していただきたい。
(2) 小中学校の特別支援学級等の担当教諭が特別支援学校教諭免許状を取得しやすくするための制度を構築していただきたい。
(3) 小・中・高等学校免許状取得のための必修科目として、特別支援教育に関する内容を増やしていただきたい。
(4) 小学校現職教員が英語科免許を取得するため、認定講習を開設するとともに、受講の負担軽減のため、加配などの人的支援が必要である。
(5) 学校(校種)横断的な総合免許状の創設ができれば理想的である。

 

6 その他
(1) 市区町村教育委員会が独自で策定する研修目標・計画により育成した教員について、都道府県単位での人事異動があるため、目標達成が困難である。研修目標・計画策定に当たり、都道府県(教育事務所)と市町村教委との緻密な連携が必要である。
(2) 市町村教育委員会が実施する研修も免許更新のための単位として認定することを検討してほしい。
(3) 都道府県、市区町村教育委員会が実施する研修会等で教諭が講師を経験した場合、それをポイントとして累積し、免許更新講習の際の単位として認定することができないものか。
(4) 教員育成協議会(仮称)については、教育学部の改変により、国の計画養成が縮小された過去の経緯も勘案しながら、都道府県単位にこだわらず、広い範囲で考えることも必要である。
(5) 教員免許を医師、看護師免許等と同様に国家資格にすべきである。

 

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初等中等教育局教職員課

-- 登録:平成27年10月 --