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資料8 教員の資質能力向上特別部会の審議状況について

平成24年2月14日 中央教育審議会教員の資質能力向上特別部会基本制度WG(第6 回)配布資料
骨子案(たたき台)

1.現状と課題

  • 「知識基盤社会」の進展、グローバル化、高度化・複雑化する課題や、求められる人材育成像の変化への対応。
  • いじめ・不登校等への対応、特別支援教育の充実、ICTの活用、初任段階で学校現場の課題への対応に困難をかかえる教員の増加、知識技能の伝承機能の低下などの諸課題への対応。
  • 21世紀を生き抜くための「新たな学び」を支える教員の養成と、変化に対応できる継続的な学びの必要性。
  • 教職生活全体を通じた一体的な改革、学び続ける教員を支援する仕組みづくりの構築。
  • 「知識基盤社会」が進展する中で、グローバル化や、高度化、複雑化する課題への対応が必要となるとともに、国際的視野、先見性や創造性に富む人材などの育成が求められている。
    • これからの学校は、基礎的・基本的な知識・技能の習得とともに、これらを活用して課題を解決するために必要な思考力・判断力・表現力等の育成、協働的な学び、地域社会と一体となった子どもの育成を重視。
  •  新たな人材育成やこれからの学校で重視される課題に対応をするため、社会からの尊敬・信頼、思考力・判断力・表現力等を育成する実践的指導力や研究・探究力を有する教員が必要であり、21世紀を生き抜くための「新たな学び」(いわゆる「21世紀型スキル」の育成)を支える教員の養成と、変化に対応できる視野の広さと高度な専門性を持ち続けるための継続的な学びが求められる。
  • このような「新たな学び」を支える教員養成に加えて、いじめ・不登校等への対応、特別支援教育の充実やICTの活用等の要請、初任段階で学校に対応できない教員の増加、大量退職等による知識技能の伝承機能の低下などの諸課題がある中、従来と同様の方法で教員の資質能力の向上を図ることに限界がある。諸外国でも教員養成を修士レベルで行い、専門性の向上を図る例がみられる。
  • こうしたことから、教職生活全体を通じて学び続ける教員を継続的に支援するための、一体的な改革を行う必要がある。

2.改革の方向性

  • 教員になる前の教育は大学、教員になった後の研修は教育委員会という、断絶した役割分担から脱却し、教職生活全体を通じた一体的な改革、学び続ける教員を支援する仕組みづくりを構築する必要がある。
    • ポイントは、教育委員会と大学との連携・協働による教員養成の高度化・多様化・実質化、生涯にわたり教員の資質能力向上を可視化する仕組みづくり、大学の知を活用した研修の充実、多様な人材参入の促進、免許状を真に教員を志望する者に授与する工夫。

(1)教員養成の改革の方向性

  • 教員養成の修士レベル化、高度専門職業人としての位置づけ。
  • これからの教員には、基礎的・基本的な知識・技能の習得とともに、これらを活用して課題を解決するために必要な思考力・判断力・表現力等を育成できる実践的指導力、協働的な学びを展開できる力、コミュニケーション力等を身に付け、職務を的確に実践できる力が必要。
  • このような力は、「教職や教科についての基礎・基本」の上に、「学校現場での実践と、理論に基づいた実践の省察(振り返り)を行う探究」により育まれるもの。
  • 専門職である教員を養成するためのそのような探究は、学士レベルの4年の課程に加え、高度で実践的な教育を行う修士レベルの教育により行われることがふさわしい。
  • こうしたことから、学士課程で身に付けた知識・技能の上に立って、実践的な教育理論を教育実践に応用する学修を修士レベルで行うことにより、教員を養成することが必要。

(2)教員免許制度の改革の方向性

  • 「一般免許状(仮称)」の創設
    • 基礎的・基本的な知識・技能の習得を踏まえた思考力・判断力・表現力の育成など「新たな学び」を支える指導方法、高度な専門的知識、人間関係力等を保証。学部4年に加え、1年から2年程度の修士レベルの課程での学修が必要。
  • 「基礎免許状(仮称)」の創設
    • 基礎的な力量を保証。学士課程修了レベル。
  • 「専門免許状(仮称)」の創設
    • 特定分野に関し、より高い専門性を身に付けたことを証明(学校経営、生徒指導、進路指導、教科指導(各教科毎)、特別支援教育、外国人児童生徒教育等)。
  • 多様な人材の登用
  • 教員免許更新制は、詳細な制度設計の際に更に検討。
  • 「一般免許状(仮称)」、「基礎免許状(仮称)」の創設と「専門免許状(仮称)」の創設
    (「一般免許状(仮称)」、「基礎免許状(仮称)」)
    • 教科に関する高度な専門的知識、生徒指導や学級経営を的確に実践できる力量、「新たな学び」を支える指導方法を有し、地域との連携等を円滑に行える人間関係力を身に付けた教員であること等を保証する、「一般免許状(仮称)」を創設する。また、当面は、教員として基礎的な力量を保証する「基礎免許状(仮称)」も併せて創設する。「一般免許状(仮称)」を早期に取得することが期待される。
    • 「一般免許状(仮称)」は、学部4年に加え、1年から2年程度の修士レベルの課程での学修を標準とし、「基礎免許状(仮称)」は、学士課程修了レベルとする。
    • カリキュラムは、学士課程は教員となる動機付けや教科の専門知識の修得を中心に、修士レベルでは、授業研究やケーススタディを中心とする実践力育成プログラムを展開する。
    • 修士レベルの体制整備は教職大学院のみならず、教員養成系大学の修士課程、一般大学の修士課程を対象に今後検討する必要がある。
    • 初任者研修は、法律上の実施義務の在り方等について検討する。

    (「専門免許状(仮称)」)

    • 学校経営、生徒指導、進路指導、教科指導(各教科毎)、特別支援教育、外国人児童生徒教育等特定分野に関し、より高い専門性を身に付けたことを証明する「専門免許状(仮称)」を創設する。複数分野の取得を可能にする。
      一定の経験年数を有する教員等で、大学院レベルでの教育や、教育委員会と大学との連携による研修等により取得する。学位とは分ける。学校経営については、管理職への登用条件の一つとすることについて、今後更なる検討を進める。
  • 「一般免許状(仮称)」と「基礎免許状(仮称)」との関係
    • (1)「一般免許状(仮称)」取得後に採用、(2)「基礎免許状(仮称)」を取得し、採用直後に初任者研修との連携・融合により「一般免許状(仮称)」取得、(3)「基礎免許状(仮称)」を取得し、採用後一定期間のうちに「一般免許状(仮称)」取得、の3つの類型に整理した。
    • それぞれにメリット、デメリットがあり、地域の実情に応じた様々な試行の積み重ねが必要。
  • 多様な人材の登用
    • 「基礎免許状(仮称)」未修得者対象の修士レベルの課程を設け、「一般免許状(仮称)」取得を可能とする。
  • 教員免許更新制
    • 教員免許更新制については、10年経験者研修との関係を含め、詳細な制度設計の際に更に検討を行うことが必要である。
  • その他
    • 複数の学校種をまとめた免許状の創設は中長期的検討課題。
    • 学校種等の特殊性に配慮。
    • 国家試験の導入については、様々な課題があることから、中長期的検討課題。

3.当面の改善方策~学校・教育委員会と大学の連携・協働による高度化

(基本的考え方)

  • 修士レベル化に向け、修士レベルの課程の質と量の充実、教育委員会と大学との連携・協働による研修の充実等ステップを踏みながら段階的に取組を推進。主要な取組は、教育振興基本計画に盛り込む。
  • 修士レベルの教員養成の質と量の充実を図るため、修士課程等の教員養成の改革を推進する仕組みを構築。

<1>養成、採用から初任者の段階

  • 学部における教員養成の充実
    • 教科と教職の架橋の推進、全学的な体制整備の構築、個性化・機能分化の推進、質保証の改革。
  • 修士レベルの養成・体制の充実と改善
    • 教職大学院制度の発展・拡充、実践力向上の観点から修士課程のカリキュラム改革を推進し、専修免許状の在り方を見直し。
  • 初任者研修の改善
    • 教職大学院等との連携・融合、長期的な新人教員支援システム構築。
  • 採用の在り方
    • 選考方法の一層の改善、中途採用の推進。

(1)学部における教員養成の充実

    • 学部段階では当面は必要な資質能力の育成を徹底する。
  • カリキュラム
    • 学位プログラムとしての体系の確立に向け、各大学の参考となるコアカリキュラム作成等を進める。教職実践演習の効果的な実施、教科と教職の架橋の推進、思考力・判断力・表現力育成を重視したカリキュラムの改革を進める。
    • 修士レベル化への段階的な移行を目指して、修士課程への接続を念頭に置いたカリキュラムの開発や学校現場での実習・体験活動の在り方を検討するなど、改革を一層推進する。
    • 学校ボランティアなどの実習の充実を図るとともに、学校ボランティアを教育実習の参加要件とすることなどにより、いわゆる「実習公害」を是正する。
    • 国立大学附属学校について、実習の拠点校としての機能強化を図る。
  • 組織体制
    • 教職課程の担当教員について、実務経験者のうち教職大学院修了者等の登用を促進するとともに、研究者教員についても、実践的指導力育成への寄与の観点からの審査、教員評価を進める。
    • 「教職センター」等の全学的な体制整備を推進する(総合大学における教育学部の役割強化)。
    • 大学間連携の活用等により教員養成を行う大学の個性化・機能分化を推進する。
  • 質保証
    • 教員養成に関する評価システムの検討、大学間コンソーシアム等による相互評価システム、実習前に学生の知識・技能等を評価する取組を推進する。
    • 課程認定の体制充実・厳格化、教職課程の共同実施による高度化の推進、教員就職率等の情報公表、事後評価システムの整備等教職課程の質保証を推進する。

(2)修士レベルの養成・体制の充実と改善

    • 修士レベル化に向け、教職大学院や修士課程の教育の改革、「新たな学び」を支える実践力育成モデルの構築等、段階的な体制整備を推進する。
  • 教職大学院の拡充
    • 教科教育への拡大・特色化、コンソーシアム構築による拠点大学院化、実務家教員の在り方見直し等により教職大学院制度の発展・拡充を図る。
    • 初任者研修の一部又は全部免除、教員採用選考における、名簿登載期間の延長や選考内容の一部免除、採用枠の新設等の取組を進める。
  • 教員養成系大学及び一般大学修士課程の見直し・実践力の向上の観点からカリキュラム改革を推進し、実践的な教育学の研究を支援する。
    • 設置基準の在り方について検討する。
    • 教職大学院を中心とするコンソーシアムの構築を推進する。
  • 専修免許状の在り方の見直し(一定の実践的科目の必修化の推進)
    • 例えば、修士課程の教育内容を実践的なものに改善するため、実習ベースの科目を必修化するなどの取組を推進するとともに、「専門免許状(仮称)」で示した区分を参考に、修得した専門分野を記入できるようにするなど、専門性を明確化する。
    • 教科と教職を架橋する新たな領域の展開を推進する。

(3)博士課程の在り方(~教員養成大学・学部の大学教員養成)

    • 大学において教職課程を担当する教員の養成体制を確立するため、博士課程の整備の在り方を検討するとともに、Ed.D 等について検討を進める。

(4)初任者研修の改善(採用直後の「一般免許状(仮称)」取得を想定した取組の推進)

    • 教職大学院等と連携・融合した初任者研修の在り方について、教育委員会と大学との連携・協働の取組を推進するとともに、「目標・内容例」や拠点校指導教員の在り方の見直し等により初任段階の研修の高度化を図る。
    • 初任の1年間にとどまらず2年から3年間程度にわたり新人教員を支援する仕組みを構築する。
    • 初任者の育成に、いわゆる「団塊の世代」の教員の知見の活用を推進する。

(5)採用の在り方

    • 優秀で意欲のある人材を教員として確保するという理念の下で取組を進める。
    • 大学での学習状況の評価の反映方法など選考方法を一層改善する。
    • 30代、40代を積極的に中途採用する方策を資質能力を担保しながら、更に進め、教員の年齢構成を改善する。
    • 臨時的任用教員や非常勤講師としての勤務実績の評価方法について検討する。
    • 受験者の身に付けた資質能力を適切に評価するための手法の開発。
    • 地域毎に、筆記試験問題の共通化を推進する。
    • 共同実施、複数回実施を推進する。

<2>現職段階及び管理の段階

  • 現職研修
    • 教育委員会と大学との連携・協働による現職研修の推進、講習の質向上など教員免許更新制の必要な見直し推進。
  • 管理職の資質能力の向上
    • 管理職としての職能開発のシステム化。
    • 教育委員会と大学との連携・協働、学習成果の評価システムの整備を推進し、養成段階で獲得した資質能力の保持・向上を図る。

(1)現職研修(~教員免許更新制、10年経験者研修)

    • 教育委員会と大学との連携・協働による研修(10年経験者研修、国・地方主催の研修等)の実施・プログラム化・単位化を推進する。
    • 校外研修だけでなく、教育委員会と大学との連携・協働による校内研修も重視し、指導内容、体制等を確立するための取組を推進する。また、近隣学校との合同研修の活性化を図る。中核的役割を担う教員として教職大学院修了者の活用を推進する。
    • 教員免許更新制は、講習の質向上など必要な見直しを推進する。
    • (独)教員研修センターについて、教員の資質能力向上のナショナルセンターとして機能強化を図り、各県のトップリーダーとなる管理職研修の実施、教育委員会と大学との連携による先端的研修プログラムの開発等を推進する。都道府県等の教育センターの機能強化。

(2)管理職の資質能力の向上(「専門免許状(仮称)」を想定しつつ、管理職としての職能開発のシステム化)

    • マネジメントに長けた管理職を幅広く登用するため、教職大学院、国や都道府県の教員研修センター等の連携・協働による管理職、教育行政職員の育成システムの構築を推進する。
    • 特に、教職大学院のカリキュラムや(独)教員研修センターの学校経営研修等を活用しつつ、管理職育成プログラムを開発する。

<3>多様な人材の登用

    • 社会の中の多様なルートから教職を志すことができるための仕組みを検討する。
    • ICTの活用やグローバル化に対応した教育など、新たな教育課題に対応するには、社会人経験者をはじめ当該分野に関する知見のある外部人材を幅広く登用することが必要である。特別免許状や特別非常勤講師制度の活用等により、こうした取組を一層推進する。
    • 理数系の人材や英語力のある人材等多様な人材が教員を目指せる仕組みについて例えば、履修証明制度を用いた特別免許状の活用促進など今後更なる検討を進める。

<4>特別支援教育の取扱い

    • 特別支援学校教員の特別支援学校教諭免許状取得を更に促進する。
    • 特別支援学級、通級担当教員の専門性向上を図るとともに、通常の学級の教員の基礎的な知識の修得を図る。

<5>教育委員会、大学等の関係機関の連携・協働

    • 教育委員会(教育センター)と大学との一体的な体制構築等を促進する。

<6>その他

    • 専門職基準の作成の検討。
    • 学校種・職種に応じた改善。
    • 幼児教育の取扱い。
    • 施策の不断の検証。

お問合せ先

初等中等教育局教職員課

-- 登録:平成24年03月 --