教員養成部会(委員懇談会) 議事録

1.日時

平成27年8月24日(月曜日)14時00分~16時00分

2.場所

全国都市会館3階第1会議室

3.議題

  1. これからの学校教育を担う教員の在り方について
  2. その他

4.議事録

※出席委員が定足数に満たないため、委員懇談会として開催

 

【小原部会長】  定刻になりましたので、ただいまから開催させていただきます。本日は、御多忙の中、御出席いただき、ありがとうございます。
 それでは、まず初めに、文部科学省において人事異動がありましたので、事務局の方から御紹介をお願いいたします。
【大江教職員課課長補佐】  はい。失礼いたします。このたび人事異動がございましたので、御紹介させていただきます。
 大臣官房審議官の藤原章夫でございます。
【藤原大臣官房審議官】  どうも、このたび初等中等教育局の審議官になりました藤原でございます。よろしくお願いいたします。
【大江教職員課課長補佐】  内閣官房教育再生実行会議担当室長の浅田和伸でございます。
【浅田内閣官房教育再生実行会議担当室長】  浅田です。引き続きよろしくお願いします。
【大江教職員課課長補佐】  以上でございます。
【小原部会長】  ありがとうございました。それでは、どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、事務局より本日の配付資料の確認をお願いします。
【大江教職員課課長補佐】  はい。失礼いたします。本日の配付資料でございます。
 まず、1枚、座席表がございます。続きまして、議事次第が1枚。資料1といたしまして、指定都市教育委員・教育長協議会の提出資料でございます。資料2といたしまして、全国連合小学校長会からの御提出の資料でございます。資料3といたしまして、日本教育大学協会の御提出資料でございまして、机上にリーフレットが2部ございます。日本教育大学協会の概要と教員養成教育の認定評価についてでございます。資料4といたしまして、全国市町村教育委員会連合会からの提出資料でございます。資料5といたしまして、日本教職大学院協会からの御提出資料でございます。
 以上、過不足等ございましたら、事務局の方までお伝えいただければと思います。
【小原部会長】  議事に入る前に、1件報告させていただきます。本部会において議論を進め、7月に部会長一任を頂きました中間まとめにつきまして、7月16日の初等中等教育分科会、そして8月6日の総会にて報告させていただきました。
 両会議とも委員からは多数賛同の意見が寄せられました。本部会としては、中間まとめで示した基本的な方向性の下、引き続き詳細な制度設計等について議論をしていきたいと思います。
 委員の皆様におかれましては、中間まとめの取りまとめに際して、御多忙の中、多大なる御協力を頂き、ありがとうございました。引き続き、答申に向けた御議論につきましても御協力のほどよろしくお願いいたします。
 それでは、本日の会議の進め方について御説明いたします。本日の会議では、中間まとめについて、関係団体からのヒアリングを予定しています。なお、関係団体からのヒアリングは、本日及び次回と計2回実施する予定です。本日は、7団体12名の方から前半・後半に分けて御意見を頂きます。
 まず、前半の4団体7名の方を御紹介させていただきます。
 指定都市教育委員・教育長協議会、志村副会長。
【志村副会長】  志村でございます。
【小原部会長】  全国連合小学校長会、種村調査研究部長。
【種村調査研究部長】  よろしくお願いいたします。
【小原部会長】  小滝事務局長。
【小滝事務局長】  よろしくお願いします。
【小原部会長】  全日本中学校長会、冨士道会計部長。
【冨士道会計部長】  よろしくお願いいたします。
【小原部会長】  日本教育大学協会、出口会長、勝山事務局長。
【出口会長】  出口でございます。よろしくお願いいたします。
【勝山事務局長】  勝山でございます。
【小原部会長】  佐々木企画委員長。
【佐々木委員長】  よろしくお願いします。
【小原部会長】  それぞれの御説明に関連した質疑応答と意見交換については、まとめて最後に行いたいと考えております。
 それでは、指定都市教育委員・教育長協議会から御発表をお願いいたします。10分程度でお願いいたします。
【志村副会長】  指定都市教育委員・教育長協議会の副会長を本年度より務めております千葉市教育長の志村でございます。よろしくお願いいたします。
 このたびは、「これからの学校教育を担う教員の資質能力の向上について」の中間まとめに関しまして指定都市の意見を述べさせていただく機会を頂きまして、誠にありがとうございます。
 当協議会では、今回のヒアリングに向けまして、政令指定都市全20市の教育委員会に対して、これからの学校教育を担う教員の資質・能力の向上についての中間まとめにおいて示されました「改革の具体的な方向性」に関して意見聴取をいたしましたが、意見表明の時間が限られておりますので、資料にございます三つの項目について意見照会を行いました。
 なお、結果といたしまして様々な意見がございましたので、協議会として意見を一つの方向性にまとめてはございません。そのため、本日の意見表明は、各市教育委員会の意見の概要を述べる形で行ってまいります。なお、回答の割合の合計が10割になっていない項目がございますが、これは、現時点では判断ができないと回答した市があるためでございます。御了承いただければと思います。
 それでは、お手元の資料1に沿いまして御説明を申し上げます。
 まず一つ目として、教育委員会と大学等で構成するとされた教員育成協議会についてでございます。
 こちらについては、現在の各市における大学等との連携を行うための組織の構築状況について調査を行いました。その結果、既に大学等との連携を行うための組織の構築をしている市は約4分の1でございます。また、組織の内容については、特定の大学が主体となって設置をしているものや、教育委員会が複数の大学と協定等を締結し、共同の取組を実施しているものなど、様々でございました。また、道府県の教育委員会や校長を含むかどうかなど構成員についても様々な形態がございました。
 なお、参考までに、千葉県と千葉市におきましては、本年度より千葉大学が中心となり、千葉県教育委員会、千葉市教育委員会、市立学校の校長等で構成されます千葉大学教育学部教員養成諮問会議を立ち上げ、学部や大学院のカリキュラムに関することや現職教員の再教育などについて協議を行っております。
 大学等との連携のための組織につきましては、既に構築を行っている市は少数でございますが、その形態は多岐にわたっております。今後、詳細な制度設計に当たりましては、各地域の特性を勘案することや、既存の組織などを生かせるような柔軟な制度設計をお願いいたします。
 次に二つ目といたしまして、学校インターンシップについてでございます。
 学校インターンシップの導入及び教職課程への位置付けについては、「必要」との回答が約8割5分でございました。その主な理由は、一つに、自らの教員としての適性を把握することができること、二つに、学校現場で求められる資質・能力を自覚しながら大学等で学ぶことが期待できること、などが挙げられております。ただ、「学校インターンシップの趣旨は理解できるが、学校の負担の増加、教育実習との役割分担が明確ではない」と懸念する意見もございました。
 なお、現在、学校インターンシップに類似する制度を取り入れている市は約6割でございます。制度の枠組みは、特定の大学との連携又は協定を結んでいる市や、大学を限定せずに受け入れる市など、様々でございました。また、内容についても、対象とする学年・活動の時期・期間、活動の内容など、各市が様々な形態で取り組んでおります。
 千葉市では、平成19年度から県と共同で実施し、毎年、小学校・中学校・特別支援学校に合わせて200名前後の学生が年間30日以上の実践研修に参加しております。学生からは、「教育実習と違い、固定した学年での研修ではなく、いろいろな学年の児童と接することができるため、児童のことや教員の仕事の様子がよく分かる」と好評を得ております。また、特定の学年や学級はなく学校全体として受入れを行うことや、教育実習と違い、評価や指導案作成などの指導を行わないこととするなど、学校現場に負担が掛からないよう配慮をしております。
 次に三つ目といたしまして、教員採用試験における共通問題の作成についてでございます。
 教員採用試験問題の共同作成については、ほぼ全ての市が「賛成」という意見でございました。その理由については、「試験問題の作成に関する事務負担が非常に大きく、その軽減につながる」という意見が大半を占めております。教員採用試験問題の共同作成については各市の期待が非常に高くなっておりますが、「現在の試験日との違いによる影響や、天候により全国同一日にできない場合の対応など、様々な視点での検討が必要である」との意見もございました。また、「各教育委員会によって求める教員像が異なるため、共同作成した試験問題を各市においてアレンジできることが必要である」との御意見もございました。
 私からは以上でございます。
【小原部会長】  ありがとうございました。質疑応答、意見交換の時間は、前半4団体が発表した後、まとめて設けることにいたします。
 続きまして、全国連合小学校長会より御発表をお願いいたします。
【種村調査研究部長】  よろしくお願いいたします。中間まとめにお示しされている順番に意見等をお示しさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
 初めに、「検討の背景について」でございますが、現在の学校において、いじめ・不登校等、また様々な課題がございますが、それに加えて新たな課題が出てきていると。そういう中で教員がかなり多忙化しているということをここにお示ししていただいているので、これは大変有り難いなと思っています。できればそれに併せて、今回の研修の構造も含めて、この教員の多忙化も一緒に具体的にお示しいただけると有り難いなと思っております。
 では、2番目の「改革の具体的な方向性について」、御報告をさせていただきます。
 一つ目、(1)の「教員養成・採用・研修」の丸1、丸2についてですが、それは(1)にちょっとお伝えさせていただきましたが、(1)です。国が大綱的に教員育成指標の整備指針及び研修指針を提示し、各地域がそれを踏まえ教員育成指標・研修計画を整備していくことについては、方向性としてはよいと考えています。つきましては、教員育成指標・研修計画を策定する際に、学校の状況等をよく把握しながら策定するような仕組みも併せて示していただきたいと思っています。そういう点では、丸2にあります教員育成協議会の創設については、学校種の代表が参画できるような仕組みになっているのはいいというふうに考えています。
 (2)につきましては、これは丸3の「新たな教育課題への対応」のところでお示しさせていただきました。小中一貫教育を推進するために、中学校の教員が小学校でも指導できるようにするために、免許状の併有の促進は必要と思われます。しかし、いわゆるアクティブ・ラーニングの指導方法は小学校では現在も多く取り入れられています。中学校等の教員が小学校で指導する際に、専門性をより発揮し、効果あるものにしたいと考えています。そのためには、免許状を発行するに当たっては、それらの課題をしっかり整理し、養成段階の教職課程への位置付け、又は、教員になってから中学校の免許を併有する場合ですが、その研修の実施及びそれに関わる時間の保障等も国がある程度関与するようにしていただきたいと考えています。
 (3)です。これは(2)の「教員研修に関する改革の具体的な方向性」の丸2について(3)で意見を述べさせていただいています。初任者研修について、校内のメンター方式の研修や各地域内の教員同士の学び合いによる研修等は効果があると思われます。しかしながら、それに関わる教員の時間の確保と、そのメンター方式の中でリーダーシップを発揮する教員の指導力の向上が大きな課題と考えています。どの学校でもこの指導力のある教員が全ているということではなくて、やはりそういう場合にその教員の指導力も高めていかなければいけないと考えています。このような研修システムが定着できるように、国と都道府県教育委員会が連携を図り、時間の確保及びそれに関わる人的支援等も含めて制度を確立していただきたいと思っています。
 (4)です。これは(2)の丸3についてです。「十年経験者研修」のことですが、十年経験者研修と免許状更新講習については、教員の資質・能力の育成という点では同じでありますが、それぞれの実施目的が違い、それに合わせた内容になっていると思っています。しかし、十年経験者研修については、各地教委等が主体になって実施していますが、対象者全員の資質・能力の状況に応じた研修になっているかと考えますと、やはり課題が多いなと思います。また、実施時期がほとんど同一であり――これは一部の教員ですが、そういう可能性もありますので、そういう十年を経験した中堅教員がやはり学校ではかなり戦力になっているという状況の中で、かなり研修が多くなっていくとどうなのかなという問題もあります。また、中間まとめにあるように、制度的に一律に実施するのでなく、これはやはり10年目の教員が、かなり戦力になっている者と、そうでない、まだ研修が十分に必要だという者があって、今のように一律的に――多少差は付けていますが、ということはどうなのかなと。やっぱり教員の意見もいろいろ聞いてみますと、今までの総復習を研修でしたりとか、もっともっと実のある研修がいいのではないかということも聞いていますので、その辺についても、このお示しにあるように、一律にするのではなくて、やはりその先生方に合った研修にするように見直しも検討していく必要があるのではないかと考えています。
(5)でございます。これは丸4の「研修実施体制の整備・充実」というところで(5)にお示しさせていただいています。これは、最初の「検討の背景」についてお話をさせていただきましたが、やはり教員が多忙化しているというところでの意見でございます。昨年度、教員の勤務実態を全国連合小学校長会が調査をしました。平成18年度に文科省が勤務実態調査をした頃よりも、ますます子供と向き合う時間が少なくなっているという現状がございます。教育行政においても、人的支援、校務支援システムの活用などといった業務の精選や効率化などの対応を図る必要性は理解されていますが、勤務状況はますます厳しくなっていると思われます。つきましては、この教員の研修の充実を図ることは私どもはとても大事だとは思っていますが、十分に研修が実があるためには、やはりそれだけではなくて教員の勤務の部分も併せて検討していかなければいけないんだなと思っています。
 (6)についてでございます。学校インターンシップの導入についてでございますが、これも先ほど指定都市教育委員・教育長協議会の方からもありましたように、教育実習とこのインターンシップの役割が具体的にはっきり示されてないので、そのことについてはちょっと意見を差し控えさせていただきますが、若手教員が増加している今日、養成課程に位置付けていくということになりますと、やはり学校が受皿として必ずなりますので、それに対する学校の役割又は評価等、大きな様々な対応が予想されます。そういう部分ではかなりの負担があると思います。このインターンシップをやる場合にはその辺も併せてやっていただきたいと。これは(5)にお示ししたものと重複してしまうんですが、そういう部分を併せてということと、あと、必ずインターンシップをやらなければいけないということになっていったときに、ちょっとどうしようかなということで控えてしまう、若しくはどっちか迷っている教員が違うところに行ってしまうということもあるので、やっぱり教員を受ける者が少なくなっていくんじゃないか、その辺がちょっと心配されるところがあります。
 最後についてですが、3の「新たな課題に向けての養成及び研修について」ということで、今後、学校現場は、特別支援教育の充実とか、又は次の学習指導要領から実施される小学校における英語教育の導入、ICT教育の充実等が大きな課題として挙げられています。これについては、やっぱり養成段階も含めて研修又は講習をしっかりやっていただきたいという思いはたくさんあるんですが、是非そうなるために教員の時間の確保とかいろんな部分で併せてお願いしたいと。お示しはしていただいているんですが、やるとなると、そこがあんまりなくて、いつも研修の実施ということに行ってしまうので、そこも併せてやっぱり考えていただけると有り難いなと思っています。
 以上でございます。
【小原部会長】  どうもありがとうございました。
 続きまして、全日本中学校長会より発表をお願いいたします。
【冨士道会計部長】  全日本中学校長会を代表いたしまして、大きく6点お話をさせていただきます。なお、資料はございません。よろしくお願いいたします。
 まず1点目です。総論といたしまして、今回の中間まとめの方向性については支持をしていきたいと思います。特に、教育委員会と大学、そして学校現場等による教員育成協議会(仮称)、これの創設は大変評価できる、そんな意見が多数出ておりました。
 また、免許状更新講習、それと十年経験者研修等の現職研修との整合性、これにつきましても今後、議論を是非深められまして、具体的な見直しが図られることを期待するものであります。
 2点目です。2ページにございます「検討の背景」の中に、指導力不足の教員、これについても触れる必要があるのではないのかという意見がございます。あわせて、この8ページにございますけれども、(2)の「教員研修に関する課題」の中に、指導力不足の教員に関わる研修についても触れていただきたいと考えております。
 3点目です。5ページにございます2の「これからの時代の教員に求められる資質能力」の中で、「深く知識を構造化する力」というような表記がございます。大変分かりづらいというような意見が出ております。具体的な例示等を表記する必要性があるのではないかと考えております。
 4番目です。11ページ、(5)の「教員免許制度に関する課題」の中に「学校種横断的な免許状の創設等の必要性」、これが指摘をされているところでございますが、その際、現行の免許状からの円滑な移行、是非これについて御配慮いただきたいと考えております。
 5番目でございます。25ページ、(3)のところの「教員採用に関する改革の具体的な方向性」の中で、特に28ページにございますが、先ほどから出ておりますが、学校インターンシップの導入についてでございます。これまでも一部の学校現場では、採用後に生徒とのコミュニケーションを図れない教員、また、精神疾患等による休職する教員など課題を抱えております。その解決の糸口として、採用前のこのインターンシップ、また教育実習、さらに、学校現場での補助授業や学校行事、地域活動なども含んだ幅広い体験活動の充実、こういうものも必要だろうと考えております。その際、その評価も、例えば採用の際に反映するようなことについても御検討いただきたいと考えております。それからまた、これも先ほどから出ておりますが、矛盾をすることでございますが、長期にわたるインターンシップ等の導入が学校現場の今度は多忙化につながらないように、十分配慮も併せて望みたいと考えております。
 最後でございます。6番目です。36ページのところの中で、この中では「教職大学院を中心とした大学における履修証明制度の活用等に」云々(うんぬん)というような内容がございますが、特に当面の取組として、教職大学院等における現職教員等を対象とする履修証明プログラムの開設、これが例示として出ております。その際、現職の教員が履修しやすいよう、例えば土曜日、日曜日、夏季休業等、こういうような長期休業を利用してコースを履修できる、こんなことも一つできないかと望むものでございます。また、その際の履修単位は免許更新の際の単位としても認定できるよう、併せてこれは要望したいと考えております。
 以上でございます。
【小原部会長】  ありがとうございました。
 それでは、続きまして、日本教育大学協会より発表をお願いいたします。
【出口会長】  きょうは、日本教育大学協会に対しましてこのような発表の機会を頂き、お礼申し上げます。私自身、教員養成部会の委員でもあり、中間まとめの取りまとめにおいては東京学芸大学長としての立場から発言し、提言内容はそのほとんどを盛り込んでいただいており、大変感謝しております。
 中間まとめにおきましては、学校教育を取り巻く環境の変化や教員の状況を踏まえ、我が国の将来を担う子供たちを育成する教員像を描き、教員の養成・採用・研修の質的向上に関する改革の方向性が示されております。日本教育大学協会としましては、この中間まとめの改革の基本的な方向性を支持することをまず申し上げ、その上で、国立教員養成系大学・学部においては、学士課程、教職大学院、修士課程の適切な役割分担によって、より一層、高度専門職業人としての教員養成を図っていくことが必要であるとの考えの下、各論について幾つかの意見を申し述べたいと思います。
 では、資料3により御説明させていただきます。
 なお、日本教育大学協会の概要を机上配付しておりますので、後ほどごらんになっていただければ幸いでございます。
 最初に、1「はじめに」です。本中間まとめにおける「1.検討の背景」、「2.これからの時代の教員に求められる資質能力」、「3.教員の養成・採用・研修に関する課題」に対する認識は、基本的に教大協としてもその認識を共有しております。それを踏まえた上で、「4.改革の具体的な方向性」につきましては、教員研修、教職課程の質の保証・向上、中学校等の教員免許状所有者が行う小学校での活動、教員の資質・能力の高度化等の問題が提起されております。
 2、「『改革の具体的な方向性』について」。
 1番として、「教員育成指標及び研修指針の策定」についてですが、教員の養成・採用・研修の接続を強化し、より一体性を確保するためには、大学が教育委員会と連携し、関係者間で教員の育成に関する目標を共有することが非常に重要です。国が示す整備指針や研修指針の策定につきましては、教員養成系大学・学部等の関係者の意見を十分に聞いていただきたいと存じます。
 2番、道徳教育の充実について。道徳の教科化に伴い、教職課程において道徳教育が適切に指導されるようにするためには、大学において専門性を有する人材の配置・確保と、教育職員免許法上、教職に関する科目における「教育課程及び指導法に関する科目」の「道徳の指導法」のカリキュラムの改善と単位数の増加等、適切な措置が必要ではないかと考えております。なお、総合的な学習の時間の指導法につきましても、免許法上、教職に関する科目の内容に明確に位置付けてはいかがでしょうか。
 3番、英語教育の充実について申し上げます。小学校中学年の外国語活動導入、高学年の英語の教科化に向けて、小学校における外国語活動、英語教育を充実させるためには、教員養成系大学・学部を中心として、教育内容や指導法の開発を進め、それに基づき現職教員の指導力の育成を図ることが不可欠であろうと思います。小学校教員の英語に関する専門性と指導力を確実に担保するためには、小学校と中学校の免許の併有促進や、小学校における専科教員の配置を進めるなどの対応を進めるとともに、最終的には、教育職員免許法に明確に位置付け、小学校教員の英語に関する専門性と指導力を育成することが必要ではないでしょうか。
 4番、特別支援教育の充実について。インクルーシブ教育を推進するためには、発達障害を含む特別な支援を必要とする幼児・児童・生徒に関する理論及びその指導法について、教員として最低限必要な資質・能力とみなし、全ての学校種の教職科目として位置付けることが不可欠ではないかと思います。
 5番、教員研修の充実についてです。免許状更新講習につきましては、十年経験者研修との関係の整理が必要であり、教員が自発的かつ不断に専門性を高めることを支援する制度への転換について検討されてはいかがかと思います。また、我が国の学校教育において重要な役割を担っている私立学校の教員も含めた教員全体の研修実施体制の構築が急務であろうかと思います。そのためには、全校種及び国公私立学校の全ての教員を対象とした教員の身分や、高度専門職にふさわしい研修の在り方を定めた法制度の整備が必要であるかと思います。
 なお、国立大学の附属学校については、教科指導、授業実践に係る短期集中ワークショップの開催などを通じて教員研修の一翼を担うことにより、地域の教育の向上に寄与できるものと考えております。
 6番です。教職課程の質の保証・向上について。学士課程における教員養成教育の評価につきましては、事前規制型の質保証システムだけでなく、事後確認型の評価システムを併用していくことが必要と考えます。中間まとめがピアレビューを中心とした質保証システムを提唱していることは評価しております。あわせて、教員養成教育の現状を自律的・主体的に改善しようとする各大学の取組を支援するシステムの構築が必要と考えます。
 なお、東京学芸大学では、平成22年度から教員養成教育の評価等に関する開発研究を進めており、平成26年度に3大学4学部の試行評価を行い、平成27年度も数大学・学部の試行評価を予定しているところです。この評価の結果をフィードバックするとともに他大学にも公表し、今後、多くの大学の積極的な参加を期待しているところです。なお、詳しくは机上配付させていただきました「教員養成教育の認定評価」のリーフレットをごらんください。
 それから、7番です。中学校及び高等学校の免許状所有者による小学校での活動範囲の拡大について申します。義務教育学校制度の導入、小学校における外国語活動・英語教育の充実のために、中学校及び高等学校の免許状所有者が「教科等に加え学級担任も可能とするように制度改革を行う」ことにつきましては、更に慎重に検討を重ねる必要があるかと思います。小学校という児童の発達段階(特に低学年と中学年)や教員組織体制を踏まえれば、学級担任による全教科指導体制は、我が国の小学校教育を支える根幹であると言えましょう。中学校等の教員に対し、「小学校における組織、教育内容、学級運営等に関しあらかじめ研修を行う」ことにより、小学校への配置を拡大するという対応は、これが一般化すれば、実質的に教員免許制度の根幹をなす相当免許状主義がなし崩しとなる可能性もあります。教育職員免許法別表第8によって免許状の併有を促進することと、小学校の専科教員の育成を図ることが、長期的に見て、義務教育学校制度や小学校における外国語活動・英語活動の充実に資することになると考えております。
 8番です。特別支援学校の免許状の保有率向上について。これは、現在、特別支援学校における特別支援学校免許状の保有率は72.7%、小中学校における特別支援学級・通級による指導等を担当する教員の特別支援学校免許状の保有率は30%程度にとどまっており、早急な改善が求められるところです。これを改善するために、特別支援学校免許状取得のための免許法認定講習等を担っている教員養成系大学・学部において専門性の高い教員の配置が必要かと思います。
 9番、教員の資質能力の高度化についてです。教職大学院が今後、全国展開されることが想定されておりますが、全国の教員数に比較してその定員は非常に限定されているという量的な課題、また、現職教員の研修ニーズが高く、学校教育の基本でもある教科指導の領域がカバーし切れていないなどの質的な課題を抱えているところもあります。拡充期を迎える教職大学院が教員養成のモデルからスタンダードへその役割を転換する上で、今後の定員拡充の見込みとその規模、カリキュラム改訂の方向性、教員配置の展開等、政策的な方針についてなるべく情報をいただければと思います。また、教職大学院を量的に拡大するために、45単位以上という修了要件、教育課程の運営に必要な教員数、それから4割以上必要とされる実務家教員の割合や実務家教員の採用基準等、いわゆる専任教員のダブルカウントについて平成30年度以降の恒久化などといった設置基準の柔軟化・緩和について検討する余地があるかと思います。さらに、現職教員の一定の割合が継続的に教職大学院で学ぶ環境を整えるために、いわゆる義務標準法、高校標準法に基づく研修等定数を基礎定数に算入するなどの改善も必要かと考えます。教科等について学問的に幅広い知識や深い理解を強みとする教員の養成、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、社会教育主事等の専門的な学校支援人材の養成、アクティブ・ラーニングなどの新しい学びのカリキュラムの開発、教育委員会と協同して教育課題を分析する研究者の育成、教職大学院の研究者教員等の養成については、教員養成系大学の修士課程や博士課程等をフィールドとして展開されることが望ましいと考えております。
 3その他です。教員養成大学系・学部の機能強化と財政支援について。教員養成系大学・学部は、それぞれの強み・特色を生かした教育・研究・社会貢献の機能を強化し、改革に取り組んでいるところです。教員の資質・能力の向上に係る今後の具体的な改善方策を実施する上で、教員養成系大学・学部の機能強化及びそのための財政支援が必要であることを御理解いただければと思います。
 最後になりますが、日本教育大学協会は、会員である56の教員養成系大学・学部の意見として集約させていただきました。この教員養成部会が取りまとめられました中間まとめに示された具体的な改善方策が実行に移され、教員養成の質の向上、そして子供たちの教育のより一層の充実につながることを強く期待するものであります。
 どうもありがとうございました。以上で終わります。
【小原部会長】  ありがとうございました。
 それでは、これまでの方の説明に関し、御質問、御意見等がありましたらお願いいたします。御質問等のある方は、名札を机上配付のドッチファイルの上に置いていただければと思います。よろしくお願いいたします。北條委員、お願いいたします。
【北條委員】  いろいろ御説明ありがとうございました。大変勉強になりました。2点ございます。
 一つは、指定都市教育委員・教育長協議会様に、学校インターンシップについてでありますけれども、現時点では、教育実習というものと、それからインターンシップという言葉を使う場合と、それからボランティアという言葉を使うことがあるわけであります。いろいろな形で学生さんがいろいろな経験をしていくというのは基本的にはいいことに決まっているわけでありますが、これら3種類は、教育委員会の感覚としてはどういう違いがあると御理解されているのか。
 また、ボランティアの場合なんかですと、一定の手当ての支給のようなものもあるように聞いておりますが、そこら辺はどうなっているかということであります。
 それから、全国連合小学校長会様にお聞かせいただきたいことがあります。それは、教員の多忙化ということで、1のところと2の(5)のところで触れておられます。小学校の校長先生方のお考えとして、教員の多忙化というのはいろいろな側面があるわけですが、「解決していく具体的な方策も併せて検討」してもらいたいという表現があるわけですが、現場の校長先生方としては、何かこうすればいいんじゃないのかというイメージがおありであれば、お聞かせいただきたいと思います。
 それと、(5)の方では、「教員の業務を見直すとともに、教職員定数の拡充を図ることが必要と考える」と。そのとおりだと思うんですが、学校というところは、大事なことなんですけれど、教職員の数が増えたからといってその多忙感というのを直ちに解消するものではないと私は感じるんですね。そんな場合、教員の業務の見直しという方が重要になってくるように思うんですが、ここのところで、現在の先生方が行っている仕事の中身の問題として、例えば家庭教育との役割分担とか、それから地域社会で、この頃、大変お忙しい状況になっていると思うんですが、そこら辺での社会教育との役割分担というようなことをどんなふうにお考えか。
 2点お願いいたします。
【小原部会長】  はい、どうぞ。
【志村副会長】  学校インターンシップについてですが、市によって随分対応が違っていることもあるため、一般的な考えとなります、まずその違いですが、これは採用に至るまでのプロセスが市によって随分異なっておりますので、一概には申し上げられません。大学との協議によって単位取得のためにこのような活動に取り組んでいるところ、それから、採用を条件として、次年度以降に採用するための研修ということも含めて取り組んでいるところ、いろいろ市によって対応が異なっております。ただし、それは、採用までのプロセスが、大学との関係、その他も含めて違うので、御理解いただければと思います。
 それから、手当て等についてですが、一般的には学校へのサポートになりますので、市町村によりそれぞれ対応が異なっておりますが、交通費等を支給している市町村もあるということだけ御承知いただければと思います。
 よろしいでしょうか。
【北條委員】  ありがとうございます。
【種村調査研究部長】  全連小でございます。
 一つ目の教員の多忙化ということについての具体的な策という御質問ですが、これはその後の御質問を受けました業務の見直し又は家庭教育や社会教育との役割分担と併せたものになっていますので、そちらの視点からお答えさせていただきますが、業務の見直しということについてでございますが、一つについては、やはり持ち時数がございます。教員の持ち時数がありまして、前、私、行政の方とちょっとお話をしたときに、教員が持ち時数、例えば小学校でいうと23とか24とか持っていると、1週間の勤務時間は何時間ですよねと。そうすると、あと何時間は空(あ)いていますよねという御質問を頂いたんです。教員は、1時間指導するために、その教材研究、教材準備をしてからやるんですよということでお答えをさせていただきましたが、その持ち時数のことも一つというふうにやっぱり考えていますし、あと、これは先ほどの私どもがお示しさせていただいた(5)にも関係しますが、勤務実態が、今まで子供に掛けていた時間が違う時間に、同じ超過勤務を1日2時間か3時間しても、違うことでの勤務になってきているかなと。実際、子供たちと向き合っていろいろ勉強を教えていたりとかそういうのではなくて、何か違う会議の資料を揃(そろ)えたり、若しくは子供たちのテストの点数を付けたりとか丸付けもそうなんですが、違う部分での時間がかなり多くなってきているということが現状としてあります。そういうものを全部ひっくるめて教員はやっぱり研修はとても重要ですので、そういう時間に向けるようにしてもらったり、若しくは子供と直接関われるようにしてもらったりということがまずあるかなと思っています。
 あと、今、業務の見直しとは若干違うんですが、研修がかなりいろんな部分で増えてきています。ここにお示ししていませんが、今、食物アレルギーの問題でエピペンの研修とかそういうものを必ずやらなければいけないとかいうことも、これはもう必要でございますし、給食の時間中に何かあったときのために何がという対応もあって、いろんな生活指導も含めてそういう研修も受けていますし、実際にそういう部分で教員との連携をどうしていくかということも具体的に入っています。いろんな研修が今入っていまして、その辺が、教員が、また研修、また研修かということになってしまっているので、そういう意識もあるかなと思うんですが、そういう研修ももうちょっと、例えば給食についても、教員だけがやっていくのではなくて、そういう給食指導については他の連携と給食指導していくとか、そういう体制も一つかなと思っています。今、全てのものが担任、学校の現職員だけで対応していくという状況になっているかなと思っています。
 あと、家庭教育と社会教育との役割分担というお話がありましたが、今、教員でかなり時間を割いているのが家庭との連携です。今までは、家庭とか地域、又はほとんど家庭がやってきたことが、今、学校に全部お願いをしているという状況があります。うちの学校でもそうなんですが、何かけががあったと。普通は病院へ行くところなんですが、学校で診てもらいなさいというところで、全部、何か学校が何でも屋さんになってきてしまって、でも、それは、「学校はそういうことをする場所じゃありませんよ」ということは家庭には言えません。なるべく学校が対応していくという状況で、何でも屋さんになっている。これは、役割分担というのは家庭には言えないことなんですが、そういう部分をやっぱり国とか体制で、学校はやれることは限定されていると。そういう中で、この辺について誰がやっていきましょうとか、これについては人的に配置をしていきましょうということをやっぱりしていかないと、ますます担任の役割は増えていくという現状があるかなと思っています。
 以上でございます。
【小原部会長】  それでは、中西委員、お願いいたします。
【中西委員】  ありがとうございます。先ほどの御回答で若干ダブるかもしれないんですけれども、改めて、研修に十分な時間を掛けるために、小学校と中学校の校長会代表の方に伺いたいんですが、研修の時間を確保するために、では、具体的にどんな方策があるとお考えか、率直な御意見を伺いたいと思います。
【小原部会長】  小中の校長会の方々、お願いいたします。
【種村調査研究部長】  今お話をさせていただきましたように、やはり教員のやるべき内容を整理して、もしこういうことを全てやっていくのであれば、教員の持ち時数をもう少し減らしていくということと、やっぱり人的な配置をやっていくということ、ほかにもあるかもしれませんが、それが急務だなと思っています。
【冨士道会計部長】  中学校の立場からですけれども、特に中学校の場合は放課後部活動をやっております。また、委員会、そしていろんな行事があると、そのための対応・指導・準備。当然、授業を行ってからそれらを実施しているわけですので、実際、研修の時間を生み出すというために実は本当に苦労しております。本校でいいますと、この夏季休業中に全教員集めた研修会を2回やったり、また、水曜日のような形の5時まで授業、その後は生徒を帰す、その後の時間をとって研修をやったりと。部活はその後また夕方から集めて実施する。このような形で時間を確保しているのが実態であります。
【小原部会長】  それでは、松岡委員、お願いいたします。
【松岡委員】  はい、ありがとうございます。私は、学校インターンシップに関しまして三つの団体にお尋ねしたいと思います。
 まず、指定都市教育委員・教育長協議会について伺いますが、先ほども経費の補助のお話がございましたけれども、かなり多くの指定都市が入っていますので、一概には申し上げられないと思うんですけれども、学校インターンシップを実施している政令市の教育委員会が積極的に関わっている事例、また、積極的に関わることによって大学と学校の間に入ってこういうような活動をしてうまく実施できているというような事例がもしあれば、御紹介いただければと存じます。
 それから、全国連合小学校長会及び全日本中学校長会に対してでございますけれども、確かに先ほども御意見がありましたように、学校インターンシップを更に今後導入して拡充していくということは、当然、学校現場における負担増というのは、これはどうしても否めないと。これは当然のことだと思うんですけれども、既に実施している小中学校において、確かに学校インターンシップで学生側のメリットというのは非常によく分かるんですね。ただ、一方、受入れ側(がわ)の小学校あるいは中学校でこういうメリット、効果を上げている事例でありますとか、あるいは、学校側から見てこういう効果が期待できるというようなことがあれば、お聞かせいただければと思います。
 以上でございます。
【志村副会長】  もちろん学生のための支援ということは当然ございますが、千葉市では、特別支援の子供たちの対応などについて、サポートをお願いするケースというのが最近増えてきておりまして、それは学校に対しても大変プラスになっております。ただ、それと学生のニーズがどの程度合ってくるかという問題も含めて協議が必要だと思いますけれども、これだからこそ、当初申し上げました教員育成協議会というような大学と教育委員会とのいろいろな協議をする機会というものを積極的に作っていき、その中の一つの議題としてインターンシップ等も取り上げていくという形が必要だろうと思います。一つ一つの活動をその都度ごとに協議するのではなくて、トータルで教育委員会と学校、とりわけ教員養成学部との連携というのを密にしていく、そのことが必要だと思います。その意味では、大学と教育委員会の連携というのは、市によって随分歴史的に違いがございますので、一概には言えませんが、やっぱり国の支援が必要だと思います。両方に肩をたたいていただいて、それが結局、子供たちにとって、それから学生にとってもプラスになるという形で支援を強化していただくことが私どもとしても動きやすいと、教育委員会だけで動くということは大変難しい状況に来ているという感じはいたします。
【種村調査研究部長】  全連小ですが、このインターンシップの取り組んでいる状況をちょっと把握してないものですから、個人的な話になってしまいますので、差し控えさせていただきたいと思っています。
 以上です。
【冨士道会計部長】  全日中です。インターンシップのメリットにつきましては、実際、私もいろんな学校の様子を見てきましたが、やっぱり学習の中、教室に一緒に入っていただいて、個別指導といいますか、全体指導しながら個別に見ていただくというような形の学習、また、放課後、取り出しをしながら個別の学習指導を行うというような場面がございました。それから、今、普通学級の中にもどんどん発達障害を含めて特別支援が必要なお子さんが入っていらっしゃる。そういうお子さんに対して全体の中での個別指導という意味でのお手伝いを頂いているというケースが多いかと思います。さらに、中学校は部活だと思います。ウイークデーの夕方のみ来られるという条件を考えますとなかなか広がるものではありませんけれども、インターンシップを含めて学生さんの方で来ていただく、これは大変大きなメリット、また効果があろうかと期待をしております。
 以上です。
【小原部会長】  吉田先生、お願いいたします。
【吉田委員】  ありがとうございます。時間がないところで申し訳ございません。
 私、2点質問がございますが、まず、指定都市教育委員会・教育長協議会、そして全国連合小学校長会、全日本中学校長会の先生方にお尋ねしたいのは、今、こうやっていろいろな御意見の中でも、今回の中間まとめというのは内容的にはすばらしいということは我々も分かるのですが、そういった中でやはり人的な問題、それから財政的な問題というのが大きいのではないかなと。率直にお尋ね申し上げますけれども、現状でここにある提案のようなことができるのかどうか。逆に、今の人員配置等を100とすれば、それが120とか150とか、数字的に言えば、どのぐらいに行けばそれが可能となるとお考えかと。これはもう全くの個人的な考えだと思いますけれども、教えていただきたいことが一つ。
 それから、日本教育大学協会の先生方にお尋ねしたいのは、一つ目は、まず、今朝の読売新聞で国大協の回答が出ていましたけれども、社会科学系というか、人文科学系の国立大学を閉鎖していくと。そういう中で教職系の学部が減らされるという中で、今回のこの御意見の中にも、一歩後退しているとかそういうこともありますけれど、定員拡大ということをしていかなきゃいけないのではないかと。そうすると、そういうことと今度のことがどのように絡み合っていくのかどうか。
 それからもう一つ、教員免許状のところで、先ほどの7番のところになるかと思いますけれども、この免許状の小中一貫とか中高、その他のことを含めて考えていったときに、逆に、国の方では今、外部人材を登用した特別免許状制度というのをどんどん進めようとしています。そういう先生方に対する研修とかについて、それから、その外部人材特免というものについて、日本教育大学協会の方ではどうお考えかということを2点、端的にお尋ねしたいと思います。よろしくお願いします。
【志村副会長】  1点目の今の人的・財政的な部分については、おっしゃるとおりでございまして、人的な部分の課題といたしましては、千葉市も含めて、都市圏の教育委員会は恐らく若年教員の増加という同じ課題を抱えていると思います。それに伴う年齢構成の二極化がかなり厳しい状況になっておりまして、具体的には、管理職層の不足がございます。学校は、もちろん先生方は大事なのですが、それを支えていく幾つかの役割、例えば教務主任とか主幹教諭とか教頭といった層が今の団塊の世代が退職した後の状況の中でかなり深刻で、難しい問題となってきております。その意味で、私は今回の提案の中で一つ期待しているのは教職大学院のようなものです。公的な形で、ミドルリーダーと言われていますが、管理職一歩手前の職員を公的な機関で促成栽培というか、時間をなるべく掛けないで管理職を育て上げるということをどうしてもしていただかないと、実際の問題として大変難しいと感じております。私たちの世代は学校の中で先輩たちに鍛え上げられるだけの時間があったわけですけれども、ちょっと時間的に難しい状況の中にありますので、この提案の中で特に中間管理職をいかにして育てていくかということについては喫緊の課題ではないかと考えております。その意味で、ある部分では財源的な措置が必要と感じております。例えば、そのような希望のある教員を自費で2年間休ませて大学に通わせるほどの余裕はありませんので、そういった優秀な職員に対してサポートできるような財源措置というものを是非用意していただけると有り難いというのが率直な印象でございます。
 まだ幾つかございますが、今、一番大きな問題はそこだと思いますので、御理解いただければと思います。
【種村調査研究部長】  全連小でございます。
 具体的に申し上げますと、例えばスクールカウンセラーとかソーシャルワーカーとか、あと司書教諭、この司書教諭も今、教員が兼務なんですね。ということとか、そういう様々な職種が入ってきて、今、文科省の方が言っていますが、チーム学校ではないんですが、そういう方を配置していただいて、担任ではなくいろんな人で学校を見ていくという体制が組めればなと考えています。
 以上でございます。
【冨士道会計部長】  全日中です。
 今、全連小さんの話がありましたが、要するに、もう教員一人が全てをやりこなせるという時代ではないと思います。ですから、そういう意味ではいろんな方が学校に入ってくることはこれから大変重要になってくると思っています。ですから、定数を単純に増やすということではなく、いろんな職種の方が子供を見てくれる、そういった体制・システムにしていくことが重要であると考えています。
【出口会長】  先ほどの教員養成系の最近よく話題になっている件についてですが、教員養成系を減らせとかなくせという、そのように我々は受け取ってなくて、特に話題になっていますのは、従来の教養系といいますか、それから新課程と言われているところが、今の状況ではもう役目が終わっただろうと。したがって、それを学校教育系に移そうということで、既に東京学芸大学では平成27年度から教養系という名称をなくし、それを教育支援系と名称を変えまして、そこの中では教育支援課程、教育支援専攻、1課程1専攻、そこの中にカウンセリングコースだとかソーシャルワークコース、それからICT等を扱う情報教育コース、そういうようなコースを7コース設けまして、教育支援を行う人材の育成ということに平成27年度から切り替えました。こういうようなことをほかの教養系あるいは新課程を持っている大学も是非進めていただきたいというのが、そういう文言の言い方になっているのではないかと。そのように説明を受けていますし、そうであろうと思っております。
 それから、先ほど特別免許状の件がありましたが、これは言ってみれば、どちらかというと教育委員会の方のことでありまして、それについて教員養成系の方では、特に教大協としてどのように対応するかということは、今のところ話題としてはしておりません。
 それから先ほどインターンシップの話も出ましたが、これにつきましては、本学は本人から要求があったときに本人とインターンシップ先とのマッチングをし、本学の方針にあった形であれば、それにほぼ6単位を与えております。
 それから、先ほどの事務系職員、それから管理職ということについては、本学、教職大学院の方で学校組織マネジメントコースというコースを今度設けまして、これは東京都教育委員会との協働で話し合って設置したようなものですけれども、そういうミドルリーダーの養成、それから将来的には事務長の養成について、大学院改組の中で事務職対象のキャリアアップコースを設置する構想を我々は持っております。
 以上でよろしいでしょうか。
【小原部会長】  はい、ありがとうございます。
 それでは、高岡先生、お願いいたします。
【高岡委員】  ありがとうございます。御丁重な御発表を頂きまして、どうもありがとうございます。勉強になりました。二つの団体さんに3点ほど質問させていただきたいと思います。
 まず、指定都市の協議会さんですが、採用試験の件について、こんなに共通問題作成に賛成の市が多いんだなと思って、ある意味でびっくりしておりますが、備考のところに「共同作成した試験問題をアレンジできる」という表現がございますけれども、私のこの試験についての理解といいますか、それは、共通問題という言い方が幅広い解釈を生んだのかもしれませんけれども、今はどちらかというと1次試験から実践力というところに焦点化された試験問題の作成がかなりなされているような気がしますので、20年、30年前の教養専門と実践力というふうに1次、2次というのを分けにくいということがあるんだろうとは思うんですが、私の認識では、1次共通問題、1次試験のところを軽減できないかという意味合いでこの中間まとめの中でこのような表現をされたことは、相当大きな展開、期待できるなと思っているんですけれども、そういう理解で、共通1次的な試験問題の作成ということであれば容認できるのか、その辺りをちょっと教えていただきたいと思います。
 それから、教育大学協会さんについては2つほどございますが、先ほどもちょっと吉田委員からも出ておりましたけれども、大学院については教職大学院に将来的にはまとめていくんだと。それから、学部については新課程は基本的に廃止をすると。これが大きな意味での政策の動向だろうと思うんですが、御意見の中では、修士課程と教職大学院は併存可能、あるいはそれぞれ役割分担が可能だという認識に立っておられるようですけれども、その趣旨をもう少し御説明いただけないだろうかということが1点です。
 それからもう1点は、3ページのこれは修士レベル化という問題と、研修の中で教職大学院が履修証明制度、認定講習の活用によって修士レベルの教育機会を提供するんだという、その表現に対して一歩後退ではないかというお話でございますけれども、それとマスターの育成ということ、それが将来的な意味で修士化というところへ一足飛びにつながっていくんだろうと思うんですけれども、例えばこの履修証明、認定講習という記述でなされているのは、現職教員に対する大学院レベルの教育課程の活用という視点だろうと思うんですね。そこを「後退」とお示しいただいた理由はどういうことかということです。
 この2点、お願いいたします。
【小原部会長】  どうぞ。
【志村副会長】  採用試験について、共通1次的なものというのは、今までのいわゆる一般教養的なもの、これは必要な部分があろうかと思います。何よりも教員採用に係る問題作成も含めた事務負担というのが以前に比べて非常に膨大になっておりますので、これをそれぞれの市・県でやるよりは共通的にやった方が、コスト的な問題もありますけれども、同じ基準で教員を選ぶことができるということが一つあろうかと思います。
 ただ、時代の変容の中で教員に望まれる資質というものが随分変わってきたというか、多様化しているように思われますので、その意味では、2次試験の中で多様な人材を選ぶために、それぞれの自治体で必要なものをやることはとても大事だと思います。
 もう一つは、これは私的な考え方ですが、都市も、今、人口減に悩んでおりまして、いかにして教育を一つの売りにしようかという考え方は首長以下持っております。その中で、都市アイデンティティーを確立するために教育をどう使っていくかということは、私は大変大きな課題になっていると思います。その意味では、それぞれの自治体に応じて問題を変えていくというところは、その辺の部分の特徴を出していく必要があるのではないかと、私は考えております。千葉市においても同じような形で、いかに千葉市に根づいてくださるかということをとても大事にしながら教員の採用に当たっているところでございます。
【小原部会長】  それでは、出口先生、お願いいたします。
【出口会長】  はい。端的に申し上げます。御意見、御質問ありました件につきましては、まず大前提として、この日本教育大学協会には、先ほど申しました56の会員大学・学部があり、様々な意見がある。まずそれを一つ御理解いただきたいということと、それから、先ほど、履修証明制度、それから認定講習の活用によって、大学の大学院レベル化といいますか、そうなった場合には、履修証明制度とか認定講習の活用ということを言いますと、フルタイムで大学院に来て学ぶというものとは多少制度的に違うわけですね。そういうときに我々が今まで言っていたような大学院修士レベル化という、ほぼ日常的に大学に来てずっと大学で過ごしてやるというものからしたら、多少大学院レベル化ということとはレベル的にちょっと違うのではないかということでここに記載させていただきました。
【小原部会長】  よろしいですか。
【出口会長】  よろしいでしょうか。
【小原部会長】  それでは、松本委員、お願いいたします。
【松本委員】  はい。時間もないようですけれども、一つだけお聞きしたいと思います。日本教育大学協会の方に。私の市にもたくさんの学生さんがインターンシップ、そして教育実習、そして学習サポーターで入っておりますけれども、大学側は、このような形で学校現場に行く学生にどのような事前指導、どのような事後指導をされているのかなと。個々の大学によって違うとは思いますけれども、私は、一番の目的は、本当に学校現場でやっていけるのか、教師に自分は向いているのかという適性、能力というよりか適性を見るために、見て自分で確認する、そして自分で判断するために来てほしいなと思っているんですけれども、大学側とすれば、このような事前指導・事後指導をどのようにされているのかということをお聞きしたいと思います。
【出口会長】  これにつきましては、先ほど先生も最初におっしゃったように、多分、大学でかなりやり方というのは異なっているかと思います。それで、このインターンシップについて、おっしゃったとおり、なぜ行くかという目的については、自分が教職に向いているかどうかということ。それから、今の段階でミスマッチがないかどうかというようなことを確認するというようなこと。それから、教育実習で得られない教育実習以外での教員の持っている業務って一体どういうものかということを経験すると。そういうことを目的として行くんだということで、事前・事後指導においては、東京学芸大学では1枠分の事前・事後指導というものを実施しております。形式上はそういうようなものですが、学生にとってみると、教育実習はどちらかというと教科指導に重点を置いているのに対して、このインターンシップというのは、やはり教師の1日の時間というものを総括的に捉えるという意味では非常に重要なものであると我々も思っておりまして、そして学生のそういう報告を聞きましても、非常に好意的といいますか、非常に役に立ったというようなことは我々も聞いておりますし、そういうものであろうというふうな理解をしております。
【小原部会長】  それでは、前半の最後になりますが、酒井委員、お願いいたします。
【酒井委員】  ありがとうございます。そうしましたら、手短に日本教育大学協会様に質問させていただきたんですが、今回の中間とりまとめの中で一つのポイントは、教員育成協議会の設置というところだと思います。この設置に当たりましては、指定都市のところで出てきましたが、例えば千葉大学様の方がそこに入っていくと。そうしますと、貴協会の中の大学のうち、かなりの大学がこの育成協議会のところにかなり主体的に関わっていくのではないかと予想されますが、このことについて協会としてどのようにお考えなのかということをお伺いしたいというのが1点です。
 それからもう一つ、協会の組織でいきますと、今後、協会様の養成のこの協議に占める役割は非常に大きくなってくるのではないかと私自身は思っておりまして、この協会の性格なんですけれども、国立大学の教員養成系学部が主ですけれども、それ以外にも幾つかの非教員養成系も入っていますし、附属学校だけが入っているところもございます。こうした組織の性格が、今後、こういう窓口としてどうなのかというところもちょっと分からないところがございまして、以上2点お伺いしたいと思います。
【出口会長】  教員育成協議会については、我々もこれは非常に評価しておりまして、是非活発な活動をしていただきたいと思いますし、現に、言ってみればこれの前提となるような活動というのは例えば東京学芸大学ではやっておりまして、東京都、岩手県二戸市、滋賀県湖南市、高知県の教育委員会との間で、名前は付けておりませんけれども、協議会に匹敵するような会を既に持っておりまして、大学と教育委員会が、現職教員たちの育成・研修というものに関し非常に密な連絡をとりながらやっておりまして、これは是非こういうようなことを教大協としてはもっと他の会員大学の方へ情報を流していきたいと考えております。
 それから、先ほどの教大協の組織ということ、これは概要をごらんください。そこに書いてありますように、全国56の教員養成系大学・学部、全てが入っておりまして、当然ここには先ほどおっしゃった国立大学の附属学校も入っており、それに対してこういう組織が今後どのように対応していくかということについては、教員育成協議会に対してどのように対応していくかということに関して協会としてのそういう議論というものはまだしておりませんが、何か企画委員会の方ではございませんか。
【佐々木委員長】  済みません、陪席でございますが、教大教企画委員会の委員長をしております佐々木と申します。
 教大協につきましては、現在、構成大学の性格がかなり変わってきているということで、単科の教員養成系大学もあれば、総合大学もあれば、また、一部だけで加入されているという会員大学もありますので、教育政策全般について政策を統一的にまとめるということはかなり難しいわけですけれども、ただ、教員養成が非常に大きな節目を迎えているということで、最低限これだけはまとめなければならないというような優先順位を付けて現在議論をしているところでございます。
 また、新課程等が廃止されるという中で、新課程が今後どのように変わっていくのかということを相互に情報交換しながら、こういった場で皆さんに発言をさせていただくというようなことを考えているところでございます。
【小原部会長】  それでは、時間となりましたので、前半の4団体の御意見に関する審議はこれまでといたします。御発表いただきました指定都市教育委員・教育長協議会、全国連合小学校長会、全日本中学校長会、日本教育大学協会の皆様、どうもありがとうございました。
 続きまして、後半の3団体、5名の方を御紹介させていただきます。
 全国市町村教育委員会連合会、小比類巻顧問。
【小比類巻顧問】  小比類巻です。よろしくお願いします。
【小原部会長】  相上事務局長。
【相上事務局長】  相上でございます。よろしくお願いいたします。
【小原部会長】  日本教職大学院協会、米田事務局長。
【米田事務局長】  よろしくお願いします。
【小原部会長】  日本私立中学高等学校連合会、中川常務理事。
【中川常務理事】  よろしくどうぞお願いします。
【小原部会長】  日本私学教育研究所、山崎主任研究員。
【山崎主任研究員】  山崎です。よろしくお願いします。
【小原部会長】  前半同様、それぞれの説明に関連した質疑応答と意見交換については、まとめて最後に行いたいと考えております。
 それでは、全国市町村教育委員会連合会からの発表をお願いいたします。
【小比類巻顧問】  全国市町村教育委員会を代表して意見を述べさせていただきます。小比類巻です。よろしくお願いいたします。
 早速ですが、できるだけ中間まとめの項目の順で意見を述べさせていただきます。
 初めに、いつの時代でも「教育は人なり」と言われてきておりますように、教員の資質・能力の向上は教育効果を上げる上で極めて重要なことであろうかと思われます。まずは、学校教育がこれまでの日本を支えてきたことに対し高く評価すべきでありまして、その学校教育は教員の努力によるものであることをこれまた高く評価すべきであります。しかしながら、多くの教員は、学校を取り巻く厳しい環境の中でよく頑張っていると思われますが、情熱や自信、誇りを失いつつあり、また、社会からの信頼も薄れているとすれば、これは大きな問題であります。教員の養成・採用・研修の見直しや改善、再構築を図る上で、自信と誇りを持ち続け、情熱的に教育に関われる教員をどのように育成し、教員の地位が社会的に認められる仕組みをどのように作るかは、大変重要なことであると理解することができます。
 よって、二つ目の中間まとめにある「背景」に関しては、よく理解できます。
 三つ目の「これからの時代の教員に求められる資質能力」に関しましては、社会環境の変化等に対応できる教員の資質能力を期待することはよいことでありますが、以前から必要とされ、教員に求められてきた不易な資質・能力については、決しておろそかにすべきでないと考えます。教員は、教科等の知識はどんなにあろうとも、教職に対する理解がどんなに深くても、それだけでは教員として不適格であることがよくあることに留意すべきであります。
 四つ目の主な「課題」に関しては、研修・採用・養成・免許について、これらを一体的に考えているのは分かりやすく、また、小中一貫教育など学校制度改革、小学校の英語教育・道徳教育、学習指導要領の改善等を見据え、チームとしての学校づくりをも視野に入れたものと理解できるものであります。新たな教育課題については、次期の学習指導要領の中に位置付けられるものと思われますが、すぐれた学習指導要領が生きて働くためにも、それぞれの具体的な課題を明確にし、それらを支える基盤整備まで俯瞰しつつ検討すべきであろうかと考えられます。例えばアクティブ・ラーニングの充実で言えば、本来の狙いから外れてきている総合的学習の時間の現在における推進状況を考えると、教員の資質・能力に関わることだけでなく、高校・大学受験制度も大きな阻害要因となっていると考えられますことから、総合的学習時間の二の舞にならないように留意していく必要があろうかと思われます。高校・大学受験に中学・高校においてアクティブ・ラーニングで学んだことが生かされる仕組みとすることで、保護者の意識も変わり、学校教育の質的転換が図られ、教員の専門性も明確となってくるものと考えられます。小学校教育の推進については、担任が指導する場合や専科性とする場合等が考えられます。これらに対応した教員免許制度の見直しについては、既に中間まとめの中でも検討されておりますが、是非実現させていくべきだと考えられます。また、特別支援教育に関しては、インクルーシブ教育システムを構築する上で、教員支援員の確保や施設・設備の整備など基盤整備としてどこまで進めるか等々の検討も併せて進めるべきであろうと考えられます。
 五つ目の「改革の具体的な方向性」については、学生から現職まで見通した教員養成指標及び研修指針を策定し、関係機関が連携を図れるように教育養成協議会を創設することは、効果が大いに期待できるものと考えられます。養成については、大学が主たるところとなるでありましょうが、教員を目指すすぐれた学生の確保から始まり、健康で気力あふれる教員の養成には限界があろうかと思われます。しかしながら、大学教育こそアクティブ・ラーニングの充実が効果的であると思われることから、学校インターンシップの導入は是非進めるべきであります。大学が中心となり、教育委員会、学校、場合によっては学校運営協議会、学校支援地域本部等とも共通理解の下、連携・協働による学生評価ができる仕組みを作ることで大きな成果が期待できると思われます。
 採用については、全国的に基本的な採用基準と採用方法を制度化するべきであります。その上で、各都道府県の裁量により、地域の課題解決等あろうかと思います。また、特徴を出せるようにすることでよい人材確保ができる仕組みとするのはよいと思われます。教員としての適性を見分けることは大変難しいことでありますが、学校インターンシップ等の評価の重視、採用前の現場実践評価が可能となる仕組みを作り、それらの評価を加味することで正確性がかなり期待でき、ミスマッチ等も防げるかと思われます。採用選考時期について思い切った改革をすべきであります。
 それから、研修については、「鉄は熱いうちに打て」と言われてきているように、初任、そして2年、3年目で素地(そじ)が出来上がるような実のある研修制度とすべきであります。教員の実力は現場実践研修で大方付いていくと言われます。層別・段階的研修の提供についても、現場での実践研修を重視し、対策を練るべきであります。これは教育委員会で考えることなのでありましょうが、特に校内研修で鍛えられた教員は大きな伸びを期待できるものであります。例えば外部講師を招聘(しょうへい)できるような予算確保に努めるなど、積極的に支援をしていくべきであります。理想として、全ての学校が研究校として競って研究成果を発信できるよう、各種研修をこの校内研修、いわゆる研究校としての中に位置付けられるように、市町村内の全ての学校に教科・領域等それぞれの研究分野を割り当て、計画的に進められることが望ましいことであろうかと思われます。
 最後に、なぜ今、今回のテーマが強調されているのかを念頭に置いたとき、学校教育の充実は何といっても管理職を含む教職員に頼るしかなく、まずは管理職を含む教職員の元気となり、自信を持って頑張れるような施策を打ち出し、管理職を含む教職員自らが学校の質的転換を図れるような、よりよい改革となることを願うものであります。全国の市町村教育委員会にとってこのテーマについては関心が高く、大きな期待を寄せると同時に、協力できるものであることを加え、終わります。
 以上です。
【小原部会長】  どうもありがとうございました。
 それでは、続きまして、日本教職大学院協会の発表をお願いいたします。
【米田事務局長】  どうかよろしくお願いいたします。協会の方として会員校にメールを発出して意見を集約してあるのは別紙資料になっておりますが、全てのところから来ておりません。そこで、本学の学長である加治佐が教職大学院協会の会長ですし、本学には2名の事務局次長がおりますので、その辺りと会議をしてきょうの意見を申し述べることにいたします。
 3点ございます。一つ目は教員養成協議会について、二つ目はいわゆる履修証明制度について、三つ目は教科教育分野の教職大学院への移行についてでございます。
 1点目の教員養成協議会については、実は私、奈良県の小中学校の教員あるいは名古屋の教員、奈良県の教育委員会を経て、今、本学にいるわけですけれども、今ございましたように、教員を育てるという部分について、学校だけでそれをやるという時代はもう終わったかなという気がいたしております。この教員養成協議会について大変期待をしております。ただ、例えば政令市、中核市の場合には、これはうまくいくかなと思います。それから、教育事務所を持っている県の場合には、教育事務所単位でこういうことができるかと思うんですが、教育事務所がないところの、つまり教育委員会の体力の弱いところでこれをどうやっていくのかなというのが課題として残っているかなと思います。その辺りのことに対する御指導・支援というものがこれからあることが望まれるかなと考えております。
 2点目は、履修証明制度でございます。これは一言で端的に言いますと、大学院修了の質が保証できるかどうかということがキーになってくるかと思います。非常に雑駁(ざっぱく)な言い方ですけれども、安易な認定はしないでいただきたいなような仕組みを作っていくにはどうするか。そのためには、実施されるところのカリキュラムの質保証をどうするかというふうに考えております。免許更新の場合に、私、担当しておりますけれども、なかなか「あなた駄目ですよ。もう一回、レポート書きなさいよ」というのを公には言えないので、個別に「ちょっとこうじゃないの」というふうな話はしますけれども、不可ということはなかなか付けにくいという実情があります。この履修証明は正に履修でございますので、この辺りの厳しさみたいなものをどうとっていくのかということが大事かなと考えております。そういう点で、つくばのセンターと協会は連携協定を結びました。これは非常に大きなことでございまして、私も現職にいますときにつくばのセンターに行かせていただきましたが、これはほとんどの教育委員会がそうだと思いますが、私、兵教に内地留学を奈良県からさせていただきましたけれども、帰ってくるときに何も報告しなくてよかったんです。ただし、つくばに行きました。そうすると、100ページ分ぐらいのレポートの提出が求められるんです。だから、つくばのセンターの研修というのは、それぞれの教育委員会は非常に高く評価しているわけです。こことの連携というものをやっていくことによって、履修証明制度というもののモデルみたいなものができるかなと、そんなふうに思って協会とも連携をさせていただいているところでございます。このように、履修証明程度の質の保証をどうしていくのかということについて詳細なものが欲しいなと考えております。
 三つ目は、教科教育分野の、教職大学院への修士課程の移行でございます。これ、多くの大学で大きな課題になっております。本学もそうであります。これが教科教育分野が教職大学院に移行することは絶対条件であるんだというふうにも本学は考えておりますし、協会の多くの大学もそう考えている。ただし、これをうまく3期の間に移行するというのは非常に大きなハードルがあるかと思います。カリキュラム研究もしていかなければなりません。そこで、協会としては、冬のシンポジウムのテーマを、きのう、教職大学院の教科教育分野のカリキュラムをどうするのかということでシンポジウムをやろうということで確定いたしました。この辺りについても御支援があれば大変有り難いなと考えております。
 以上、教員養成協議会について、それから履修証明制度について、それから修士課程における教科教育分野の教職大学院への移行について意見を申し述べました。どうかよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
【小原部会長】  ありがとうございました。
 続きまして、日本私立中学高等学校連合会の発表をお願いいたします。
【中川常務理事】  私学関係者として、教員養成部会の中間まとめに対しましての意見を述べさせていただきたいと思います。
 これからの学校教育を担う教員の資質・能力を向上させるということは大変重要ですし、喫緊の課題でもありますから、この問題を最優先して御検討いただくというのは当然だと思います。当初、この部会の検討内容の柱に教員免許制度を大きく変更するということがあったように記憶しています。今後、この問題についてどのように検討を進められていくのか、私学関係者としてここの点に注目をし続けたいと思っております。
 まず、中間まとめの具体的な方策にありますように、教員の養成・採用・研修を通じた有機的連携体制の確立というのは大変すばらしいことであると思いますけれども、これを制度として行おうとしますと、公立学校さんにはふさわしいのですが、私立学校にはなじまないと考えております。特に教員育成協議会(仮称)の構成メンバーが、「関係する各学校種の代表等が、国公私立を通じて参画でき得るものとする必要がある」とありますけれども、地域によっては私立学校関係者が半ば強制的にこれに参加させられる可能性もあると思います。その場合、教員養成機関である教職大学院と、それから大学、教育委員会の連携の中に私学も組み込まれてしまうということになります。教員育成指標や研修計画等も公立と私学は同一には考えにくい側面もありますので、これらを踏まえて、私立学校の参画は飽くまで強制的なものではないということをどこかにもう少しはっきり明記していただきたいと思っております。
 次に、教員の採用についてでありますけれども、私立学校は、それぞれの学校における建学の精神に基づいて独自の価値基準によって教員の採用を行っております。教員の資質・能力等はどの学校であろうと共通する部分がありますけれども、教育方法や教育に取り組む姿勢等は学校によって大きく異なる部分があります。各私立学校ともその考えに従って採用を行っているわけでありまして、一定の基準で全体を測れるものではないと思っています。したがって、私立学校教員の採用等も、この中間まとめの流れ、いわゆる制度的にこれを抑えていくということにはなじまないものと思っております。
 次に、教員の研修ですけれども、私立学校教員は、公立学校教員に比べて研修の機会が大変少ないという状態が続いています。この原因は様々にありますけれども、その一つに、研修会の実施費用の関係で、地元密着型の研修会がなかなかできにくいと。地域ごとに細かく研修の場を設定するということが予算的にできないという部分があります。そのために、どうしても広い地域から研修に参加させざるを得ないということがありまして、その研修に参加するためには、交通費、宿泊費、参加費等、多額の費用が掛かりまして、これが学校法人の大きな負担になっています。一人でも多くの教員を1回でも多く研修に参加させたいと、どの学校でも考えていますけれども、その予算がないと。特に現在のように教育の枠組みが大きく変わろうとするときには、教員を頻繁に研修に参加させますので、どの学校でも苦しみながらその予算を工面しているというのが現状でございます。加えて、18歳選挙権の問題や道徳の教科化、それから新学習指導要領で新しい教科が登場することなどなど、今後、研修の機会はますます増えていかざるを得ない。それを考えますと大変不安が募るというところであります。
 「予算がないというのであれば、地元の教育委員会が実施する研修に参加すればいいではないか」という意見もよくあるんですけれども、やはり公立と私立学校では研修内容も目標も異なりますし、私立学校の教員が参加しにくい仕組みにもなっています。例えば英語教育推進リーダーを育成する中央研修でもそのようになっていましたので、文科省の外国語教育推進室にこの点を御説明し、御理解を頂いて、今年から私立学校教員独自のスケジュールとプログラムを組んでいただくことができました。参加した教員は大変充実した研修を受けて、各地域で今後、リーダーとして活躍してくれると思っています。この例から見ましても、やはり私立学校教員には独自の研修の体制が必要だと思っています。現在、私どもが主催しています初任者研修や十年経験者研修等、一部の研修会には文科省から補助を頂いておりますが、とても全体の研修をカバーすることはできていません。全国の約3割を占めます私立中高教員の研修も国にとっては大変重要な問題であるわけでありますので、この点を特に御配慮いただき、手厚い補助をしていただきたいと願っております。
 最後に、この部会で検討された内容を確実に実施するには、教員養成機関から教育の現場まで多額の予算が必要になると思います。その予算の裏付けがなければ、せっかくの議論がいわゆる絵に描いた餅になってしまうと思います。文科省関係の会議では、予算はこの部会ではなく別の場でということがよくありますけれども、それではほとんど話が進まないと。是非予算確保等についても部会内で具体的な検討を進めていただくようにお願いをしたいと思います。
 以上で意見の発表を終わります。
【小原部会長】  どうもありがとうございました。
 それでは、これまでの方の説明に関し、御質問、御意見等がございましたらお願いいたします。いつものとおり、質問の名札をドッチファイルの上に置いていただければと思います。
 まず、永田先生、お願いします。
【永田委員】  いろいろとありがとうございます。永田でございます。
 全国市町村教育委員会連合会の具体的な御意見に私も感銘することが多かったので、更にもう少し知りたいと思いまして質問させていただきます。まず、2枚目の5番、「具体的な方向性」の「養成について」というところがあります。養成は、「大学が主たるところであろうが、教員を目指すすぐれた学生の確保から始まって、健康で気力ある教員の養成には限界があると思われる」という、このときの養成というのは、教員養成がその4年間なり、教員養成課程の中での物理的な限界ということを意味しているのか、あるいは教員としてのキャリア形成全体のことなのか、どちらを意味するものでしょうか。
 それともう一つ、この「限界」ということなんですが、どのような限界があるのか。例えば、その限界があるとすれば、教育委員会との関係で何か解消できるというような、そのような知見とか、インターンシップの拡充というのもあったりするんでしょうけれど、今、どのようなお考えとかあるのかについて、ここの文章の中からより詳しく知りたいと感じました。
【小比類巻顧問】  まず、基本的なことですが、教育再生会議の第五次の提言にあるように、「自ら学び続ける強い意志を備えた質の高い教師の確保」ということをありますけれども、そういうところから、このようなものを大学そのもので全て完了するわけはないわけでして、キャリア全体でやっぱり教員というものを見ていかなきゃいけないだろうということが一つあります。
 それよりも何よりも、教員として目指す学生の問題があろうかと思います。まず、教師という職業が今の若者にどう映っているのか、魅力ある職業として実際あるのかどうかを根底にまず考えないと、多分このテーマの背景にあるのは、社会やら地域に信頼される学校であるべきと。その中でも特に教職員は質の高い者でなければならないだろうという背景があると思います。そういう意味では、まずそういった人材が教員として憧れてくるような素地(そじ)が実際あれば、大学としても非常にやりやすいだろうと思うんですけれども、その辺、本当は大学の先生方から聞きたいんですけれども、その辺から非常に限界があるのかなと。それを踏まえて大学等も一生懸命養成に苦労しているだろうし、また、教育現場でもいろんな先生方がミスマッチ等で来ていますけれども、そういう方たちを抱えながら頑張っている状況があるのかなというのを基本的なところで考えております。
 対策としては、そういう意味では、インターンシップのところで大事なのは採用時期を早めにできるような、インターンシップそのものは単位をとる過程だと思うんですけれども、それをある程度長期化して、それの間に内定をさせて、内定の後に更に採用までの間にもう一回インターンシップのようなものを入れて、内定されない方も次の年、必ず本採用になるためのインターンシップのようなものを組み入れるとか、そういった思い切ったことをやらないと、なかなかいい教員は確保できないのかなというようなことを考えてこれを述べております。
 以上です。
 あと、詳しく。
【相上事務局長】  今、インターンシップの話が出ておりましたので、幾つかの市町村の方からもこういう声は私どもの方に届いております。
 一つは、学校インターンシップの導入ということで、教職課程において将来は必修になっていかないかどうかというような考えも持っている市町村もあるようでございます。
 それから、こういう取組の中で学生が長期間にわたって継続的に学校現場等で体験的な活動を行うことで云々(うんぬん)ということでここに述べられておりますけれども、これらがいろいろ進んでいった中で、ミスマッチ防止のためにも、インターンシップに対して学校側が評価をして単位の認定に影響力を持つことも必要ではなかろうかという意見も、私どもに何市町村かの方から届いております。
 そんなことも一応お伝えできればと思いましてお話ししました。
【小原部会長】  それでは、平本委員、お願いいたします。
【平本委員】  御意見ありがとうございました。全国市町村教育委員会連合会の方々に御質問させていただきます。ただいまお答えいただいた内容に重なる部分がありますが、インターンシップの重要性の一つとして、ミスマッチを防止したいという非常に強い意向がお話の中から感じられました。具体的に、全日本中学校長会のお話にも出ていましたけれども、指導力に非常に大きな課題のある教員が学校現場に一人いるということの影響がどれほど大きいのかということについて理解されないと、なかなかその必要性について共有化できないと思います。是非そのことに関して、具体的にお話しいただけると有り難いと思います。インターンシップは、教育の質をどう保証していくかということに非常に大きな要因になっているとお話から感じますので、それを伺わせていただければと思います。
 2点目でございますが、日本私立中学高等学校連合会の皆様にお話を頂きたいと思います。先ほど制度的にはなじまないというお話を頂戴したわけですが、国全体の教育の質をどう上げていくかという視点から見ると、どのような工夫がなされれば私学の皆様にもここに参画をしていただけるのか、また、全体の取組としてなじんでいくことができるのか、もし御意見がございましたらお願いできればと思います。
 以上でございます。
【小比類巻顧問】  まず、教職員の多分特殊性としてあると思うんですけれども、これは、例えば、冒頭にも私、お話ししてありますけれども、子供と接するということが大変貴重でして、コミュニケーション能力あるいは子供の理解、一人一人の子に対する違いを見てそういったものに対応できるとか、そういう配慮ができるとか、そういう資質というのが非常に大事、見えないところで大事なものがあるのかなと。教職員としての知識、教科等の知識力があったとしても、なかなかその辺のところは見極め切れないところが、大学にしても入試、採用のときの採用試験においてもそれなりに工夫はあろうと思いますけれども、そこまで見極められないと。そういったものがもろに出てくるのが現場における活動の様子の中で、それらがある程度評価でき、教員として適格であるか、ないかというのができるものがインターンシップであったり、ボランティアであったり、そういった実習であったりするんだろうと思うんです。その中での評価、これは学校が評価するのも大事ですけれども、大事なのは、大学と連携をとりながら大学の評価を理解しながら、学校に対しても、教員を理解するに当たって適格かどうか、将来的に教員として大丈夫なのかどうかということもある程度評価できる、そういったものの連携の下で動くことが非常にインターンシップの重要性、大事にされなければならないところなんだろうなと思います。
 指導力に関しては、私もそういったのを教育委員会等で見てきておりますけれども、1名いることで大変なことが起きております。それは詳しく説明するのは時間が掛かるんですけれども、学校においては大変なことなんですけれども、それを委員会等にまた上げることによって実際に全部県なりあるところで引き受けてくれればいいですけれども、大概が学校に戻ってきますので、それを抱えた学校はにっちもさっちもいかない、普通の業務ができなくなるくらいの忙しさにまた見舞われると。ほかの先生にもいろんな形で迷惑になってくるという現状はありまして、例えば、私ども教育委員会にいたときは、県の方にお願いしてもなかなか対応してくれないこともありますので、やむなく市の方で引き取って、そこでその先生を見ながら、またそれに代わる先生も市の方で派遣するとかという対応をするのが一番なんですけど、そうできない市町村はたくさんありますので、そういう意味ではこれは是非、起きた場合どう適切にそれらを処理するかという決まりみたいなものをきちっと作っておくことも大事なのかなと思います。
 以上です。
【中川常任理事】  先ほどの私学としてはどのようにそこを考えていくのかという御質問でありますけれども、この部分のシステムの中に採用も全部連携しているところが一つ大きな問題だろうと思っているんですね。私立学校としては、その採用の基準がそれぞれの学校でみんなばらばらですし、全く違いますので、それを制度としてそこの中でというのはどうしてもなじまない部分があると思っています。ただ、教員養成機関と連携していくということは、これは非常に重要なことでありますので、このシステムの中で教員養成協議会がそのままいいのかどうかはちょっと分からないんですけれども、できることであれば、何らかの形で養成機関と私学関係、お互いにオープンに情報交換しながら、お互いに要望を言い合って、よりよい教員を育てるにはどうしたらいいかと、そういう部分の連携をどうしていくのか、それは今後の課題だろうと思っています。これは、中高連の会長もお見えですけれども、今後、中高連等で考えていかなければいけないことだと思っています。
【吉田委員】  済みません、中高連としての立場で一つだけ言わせていただきますと、今、中川常任理事の方からあったとおりなのですけれど、要は、学校協議会についても、教育委員会ですと、各都道府県の教育委員会、市町村の教育委員会、それぞれありますけれども、その下に学校が何十校、何百校とあるわけですね。ところが、私立学校の場合は、学校法人の下に多くても三、四校しかない。1校1校が学校法人であり、学校法人と教育委員会がある意味同じ立場になるわけですので、その辺のところで、学校法人も一緒に協議会に入れていただいたとすれば、各学校が入れるのかという問題もあるわけですね。ただ、そういう中でも、私立学校としてはやっぱり私立学校の大体の大きな方向性を考えて、各都道府県協会等がまとまってやっていこうという体制はございますので、その辺のところは御理解いただきたいのと、もう一つは、任期の問題で、私立学校は1校に勤めるとある意味一生でございます。公立学校の場合は、先ほど言いました教育委員会の下にある幾つかの学校を回っていくわけですので、その辺のところも根本的に違うということだけ一言付言させていただきます。
【小原部会長】  酒井委員、お願いいたします。
【酒井委員】  ありがとうございます。今の御議論の中でもお伺いしたいことはほぼ出てしまっているんですけれども、私も私立の中高連合会の先生方にお伺いしたかったことは正にそのことでして、特に、これは別の会にも申し上げたんですが、今次の養成のところにおける一つのポイントは高校教育だと思っておりまして、それは一つは、大学入試が大きく変わっていって、世界の流れの中でより高度な人材育成をしていかなければいけないと。そうなってきますと、やはり高校教育の中でかなりの割合を占めていらっしゃるのが私学の先生方で、そこの部分のこの養成・育成をどうやってやっていくのかということが非常に重要になってくると。その中ではやはりこういう育成協議会のところにも私学の先生方も入っていろいろ御相談するということが非常に大事ではないかと思った次第なものですから、ただ、今お話をお伺いしまして十分お考えは分かりましたので、ここまでにさせていただきたいと思います。ありがとうございます。
【小原部会長】  それでは、質問もこれで終わったようなので、時間も来ましたので、本日の審議はこれまでといたします。
 今後の進め方、日程について、事務局から説明をお願いいたします。
【大江教職員課課長補佐】  はい。失礼いたします。次回の日程、現在調整中でございます。また決定次第、追って御連絡をさせていただきたいと思います。
【小原部会長】  それでは、本日はこれで閉会といたします。どうもありがとうございました。

お問合せ先

総合教育政策局教育人材政策課

(総合教育政策局教育人材政策課)