中央教育審議会初等中等教育分科会教員養成部会(第137回)

1.日時

令和5年9月28日(木曜日)10時00分~12時00分

2.場所

5F5会議室(WEB会議)

3.議題

  1. 特定分野に強みや専門性を持つ学科等に係る特例等に係る教職課程認定基準等の改正(案)について
  2. 教員資格認定試験について
  3. 全国教師未来サミットについて
  4. 令和6年度概算要求について
  5. その他

4.議事録

【秋田部会長】  おはようございます。定刻となりましたので、ただいまから中央教育審議会、第137回教員養成部会を開催いたします。
 それでは、まず事務局から会議の開催方法と資料について、御説明をお願いいたします。
【平沢教育人材政策課課長補佐】  文科省教育人材政策課の平沢と申します。会議の進め方等について確認させていただきます。
 オンライン参加の委員の皆様におかれましては、発言時以外はマイクをオフ、ミュートにしていただくこと、御発言に当たっては「手を挙げる」ボタンを押していただくことに御協力をお願いいたします。
 本会議の模様は、報道関係者と一般の方向けにライブ配信しております。Zoomのチャット機能については傍聴者が閲覧することができませんので、マイクがうまく機能しない場合の緊急連絡手段としていただく等、補助的な使用としていただきますようお願いいたします。
 配付資料は、議事次第に記載のとおりです。
 また、事務局に異動がございましたので、御紹介させていただきます。教員免許・研修企画室長に石川が着任いたしました。一言、お願いします。
【石川教員免許・研修企画室長】  皆さん、おはようございます。このたび、9月13日付で、教員免許・研修企画室長を拝命しました石川でございます。前職、文部科学大臣秘書官を務めてございまして、このたびの内閣改造に伴いましての人事異動になります。大変重要な分野だと思ってございますので、今後とも御指導のほどよろしくお願いいたします。以上です。
【平沢教育人材政策課課長補佐】  それでは次に、教員養成企画室長に小倉が着任いたしましたので、一言挨拶させていただきます。
【小倉教員養成企画室長】  皆様、教員養成企画室長に、9月1日付で拝命いたしました小倉と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
【平沢教育人材政策課課長補佐】  事務局からは以上になります。
【秋田部会長】  どうもありがとうございました。それでは、本日の議事について申し上げます。議事は4つございます。議事の1は、特定分野に強みや専門性を持つ学科等に係る特例等に係る教職課程認定基準等の改正(案)について、議事の2は、教員資格認定試験について、議事の3は、全国教師未来サミットの報告、議事の4は、令和6年度概算要求についてとなります。事務局より御説明をいただいた後、御審議をいただきます。
 それでは、議事1です。事務局より御説明をお願いいたします。
【石川教員免許・研修企画室長】  改めまして、教員免許・研修企画室長の石川でございます。私からは、特定分野に強みや専門性を持つ学科等に係る特例等に係る教職課程認定基準等の改正(案)について、御説明いたします。
 資料1を御覧ください。今回の教職課程認定基準等の改正の趣旨ですけれども、昨年12月の中教審答申「『令和の日本型学校教育』を担う教師の養成・採用・研修等の在り方について」を踏まえ、課程認定基準等の改正を提案するものでございます。
 次に、改正の概要について説明いたします。まず、改正の概要2ポツの(1)、(2)に関しまして、まず中教審答申において提言されていた内容について簡単に説明したいと思います。
 資料1の16ページ、17ページを御覧いただければと思います。
 まず16ページですけれども、強みや専門性を身につける活動と両立する教職課程の特例でございますが、現状、四年制大学において設置可能な教職課程は、59単位を要する一種免許のみとなっています。しかしながら、教員養成系以外の学科等で教員免許を取得する場合、卒業要件に必要な単位と教職課程に必要な単位の重複が少なく、資格取得であるとか留学など、専門性を身につけるための活動との両立が困難という現状がございます。そこで、一定の要件のもと、四年制大学においても二種免許状の教職課程を設置することを可能とすることが、昨年の中教審答申で提言されていたところでございます。
 この提言を受けまして、今回、教職課程認定基準等の改正を行うことにより、例えば心理学科等において心理科系の資格を取得しつつ教員免許を取得することができる課程というものが設置できるようになる。そして、学校現場に教職以外にも強み、専門性を身につけた、多様な人材が活躍することが期待されるというものでございます。
 (2)の改正内容でございます。専科指導優先実施教科に対応した小学校教諭の教職課程の特例に関してですが、17ページを御覧ください。こちらも中教審で提言されていた内容になりますけれども、小学校高学年における教科担任が本格的に導入されたことから、専科指導優先実施教科でございます外国語・理科・算数・体育につきましては、相当する中学校の免許状との併有を促進することが重要でございます。他方で、小学校教諭の教職課程は、教員養成を主たる目的とした学科のみが設置可能となってございまして、事実上教員養成学部等しか設置することが難しいことから、小中両方の免許の教職課程の開設は少ないという現状がございます。そこで、こちらも一定の要件のもとで、中学校免許状の英語・理科・数学・保健体育の教職課程を置く四年制大学の学科等が、小学校、二種免許状の教職課程を設置することを可能とすることが、昨年12月の中教審答申で提言されていたところでございます。
 続いて2ポツの改正の概要(3)と(4)に関しまして、また資料1の1ページまでお戻りいただければと思います。まず(3)でございます。大学設置基準等による教職課程特例認定に係る改正でございます。4月の教員養成部会におきましても、本件に関する教育職員免許法施行規則の改正について審議していただいたところでございますけれども、今回はそれに関する教職課程認定基準等の改正になります。
 改めて、4月の改正の内容を説明いたしますと、大学設置基準等の令和4年度の改正によりまして、教育課程等に関する事項に関し、文科大臣の認定を受けた場合には、大学設置基準等の特例対象規定の全部または一部によらない教育課程を編成することができる制度が創設されました。教職課程の基準については、大学設置基準等のほか、教育職員免許法施行規則においても所要の規定が設けられておりますので、設置手順特例に対応した免許法施行規則の改正が必要であったことから、4月の養成部会で審議いただきました。
 この場合におきまして、教職課程の特例については、単に大学設置基準の特例が認められたものは全て認められるというわけではなく、改めて教職課程としての適正かどうかという点を確認する必要があることから、今回、関係していきます課程認定基準等の改正を審議していただきたいと考えてございます。
 そして、2ページ目になりますけれども、(4)の教職実践演習の実習時期に係る改正でございます。現在は4年時に実施することとされております教職実践演習につきまして、昨年12月の中教審答申において、各大学の判断で、教師として必要な知識・技能を習得したことを確認できる適切な時期に設定できるようにすることが提言されたところでございます。そこで今回、教職実践演習の実施に当たっての留意事項の改正を提案するものでございます。
 それでは、具体的な改正案につきまして、3ページ以降、新旧対照表を用いまして、その中でも主なところのみを説明させていただきたいと思います。まず3ページから、教職課程認定基準の改正案でございますが、まず2の(4)といたしまして、教職課程の認定は、短大では二種免許状の、四年制大学では一種免許状の、大学院では専修免許状の教職課程の認定を受けるものとする原則の規定を新設してはどうかと考えてございます。
 4ページを御覧ください。3の(1)において、認定を受けようとする課程の免許状の種類に応じまして、開設しなければならない授業科目の単位数を規定しているところですけれども、先ほど1ページ目の概要の(3)で説明した、大学設置基準の特例を受けている先導的な取組によりまして、適正に実施できるものと認められる教職課程である場合には、この限りではない旨、規定するものでございます。
 3の(3)も同様に、他大学との連携開設科目を自大学開設とみなす場合についての上限を規定しているところでございますけれども、この場合も3の(1)と同様に、大学設置基準の特例を受けている先導的な取組があり適正に実施できるものと認められる教職課程である場合は、この限りではない旨、規定するものでございます。
 5ページを御覧ください。3、(4)において、他大学が開設する各教科の指導法に関する科目等を自大学開設とみなす場合に、各科目の単位数の3割が上限と規定されているところでございますが、この場合も3、(1)や3、(3)と同様に、大学設置基準の特例を受けている先導的な取組により適正に実施できるものと認められる教職課程である場合には、この限りでない旨、規定するものでございます。
 6ページを御覧ください。10といたしまして、先ほど説明した2の(4)の原則に関わらず、四年制大学の学科等において、特定の分野に関する強みや専門性を習得させるための活動と、免許状の教職課程の習得の両立を目的とした教育課程であることが認められる場合、二種免許状の教職課程の認定を四年制大学も受けることができることを新設するものでございます。
 続いて11としまして、先ほどこちらも同様に説明した2の(4)の原則に関わらず、数学・理科・保健体育または英語の中学校教諭の教職課程を有する大学の学科等は、地域における教員養成の状況・課題等に応じ、小学校教諭、二種免許状の教職課程の認定を受けることができることを規定するものでございます。こちら、1ページの改正の概要では、10が(1)、11が(2)に対応するものでございます。
 続いて、教職課程認定大学実施視察規定の改正案について、8ページを御覧ください。7ページは飛ばします。今、説明しました基準3の(1)、(3)、(4)のただし書に定める教職課程を設置する大学、つまり大学設置基準の特例を受けている先導的な取組を行う大学につきましては、課程認定後、最初の入学者を受け入れた年度から起算して7年以内ごとに、定期的に実施視察規程を行うものを新設するものでございます。5番のところです。
 以上が教員養成部会決定に関わる改正案になりますけれども、併せて課程認定委員会決定についても幾つか所要の改正等が必要であることから、説明をさせていただきたいと思います。
 まず、教職課程認定審査の確認事項の改正案になります。9ページを御覧ください。1の(2)といたしまして、既に教職課程の認定を受けている大学が、先ほども説明しました大学設置基準の特例の認定を受けて免許法施行規則の特例による教職課程を編成しようとする場合には、当該大学の教職課程を適正に実施できるものであるかを確認するために、改めて課程認定を行う旨を規定するものでございます。
 10ページを御覧ください。こちらは今でもできることではあるんですけれども、強み・専門性にも関わってきますけれども、大学留学プログラムであるとか海外研修等の科目であるとかでは、介護体験といった科目につきましては教職課程の科目として位置づけることができるということを、今でももちろん可能ですけれども、改めて明確にするものでございます。
 続いて11ページを御覧ください。こちらは改正案ではなく新規の決定になりますけれども、特定分野に強みや専門性を持つ学科等に係る特例に関して、新たに審査の観点を定めるものでございます。審査の観点といたしまして、1として、当該学科等において身につける強みや専門性に係る活動等が顕著であるか、2として、当該学科等で身につけることができる強みや専門性と認定を受けようとする免許状の種類が地域や学校現場のニーズ等に応じたものであるか、3として、身につける強みや専門性に係る活動と二種免許状の教職課程の両立を目的とした教職課程等であるか、4としまして、当該学科等の学位プログラムと当該学科等で身につける強みや専門性との関係が認められるか、5としまして、二種免許状の課程基準等をちゃんと満たしているものとなっているかと、こういった観点から確認することを規定するものでございます。
 少し飛ばしまして、14ページを御覧ください。教職実践演習の実施に当たっての留意事項の改正案でございます。2において、原則4年時、あるいは短大では2年次となっております教職実践演習の履修時期につきまして、中教審答申を踏まえ、他の教科及び教職に関する科目の実施状況を踏まえ、大学の判断により適切な時期に実施することと改めるものでございます。その他、所要の改正を行うものでございます。これらの改正につきましては、令和7年度からの教職課程の認定を受けようとする申請校に対して適用することとしてございます。私からの説明は以上です。
【秋田部会長】  御説明、どうもありがとうございました。皆様、今の説明につきまして、御意見等がございますでしょうか。御質問ある場合は、挙手をいただけたらと存じます。いかがでしょうか。
 貞廣委員、お願いをいたします。
【貞廣委員】  ありがとうございます。今のということよりもこの先ということで、御意見を申し上げたいと思います。丁寧な御説明をいただきまして、ありがとうございます。私もこの教員養成部会で、教員養成のカリキュラムがかなりぱつぱつで、例えば私が指導している学生も、いろいろなことを学びたいと思ってもなかなか学べないだとか、留学をしたいと思っても4年の間ではなかなかできないというようなこともお話しさせていただいてきており、今後は、そういった多様な経験や学びを経験している学生が教職に就いてくれる道がより広く開かれるということを、歓迎したいと思います。
 その上で、さらにということですけれども、想定されているのは、いろいろな強みを持った先生方や組織内多様性が上がっていくということに繋がることだと思います。また別途、別の職業を経験した社会人が教職に就いてくださるように促しているという方策もあり、より組織内の多様性やもろもろの強みを持っている方が、学校という組織を構成してくださることになると思います。これは大いに歓迎するべきだと思いますけれども、その一方でそうした強みをしっかりと生かすためには、学校をちゃんとチームとして駆動させる校長先生の力量が何よりも、より重要になってくると思われます。
 今回この改正等には、そうした校長先生への期待というものが文言の形で出るわけではありませんけれども、今まで以上にマネージャーとしての校長先生や副校長、教頭先生の役割こそが重要であり、今回の改正が活かされるか否かもそこにかかっているということを、強く意見として申し上げたいと思いました。以上でございます。
【秋田部会長】  どうもありがとうございます。組織内多様性を高めていくときに、本当にそれが真に生かされていくための校長先生や管理職の在り方という、大変貴重な御意見をいただきました。ありがとうございます。
 それでは、続きまして戸ヶ﨑委員、お願いをいたします。
【戸ヶ﨑委員】  戸田市教育委員会の戸ヶ﨑でございます。議事1の案(1)と(2)について、意見を述べさせていただきます。
 まず(1)の特定分野に強みや専門性を持つ学科等に係る特例等の改正については、先ほどの説明にもありましたが、令和4年答申において提言された「多様な専門性を有する質の高い教職員集団の形成」の観点からも、大いに推進していくべきかと考えております。
 先ほど、貞廣先生から強みや専門性というお話がありましたが、私がこの部会でずっとこだわり続けているのが、この強み・専門性というと特別免許状の話です。文科省から通知が出されてしばらく経っていますが、相変わらず、自治体によって活用の差が大きいのではないかと思います。この特別免許状について、特に義務教育段階での授与についてはいろいろ意見がありますが、特に「授与件数が少ないのは、生徒指導等を含めた幅広い力を求める比重が高校と比べて高いため」といった意見がとても多くあります。併せて、定数内という縛りがあるために、専門性よりも「学級経営力や生徒指導力など総合的な教師力」が求められるので、授与が進まないということで、任命権者である都道府県教育委員会がそのような判断をされるのは、いかがなものかと考えます。基礎自治体によっては、学校現場からの要請等で特定分野の専門的なスキルを有する職員の配置を求めていることもあります。
 文科省がどれほど促進の通知を発出したとしても、任命権者である教育委員会が及び腰になっていては、なかなか授与件数の伸びは期待できないのではないかと思います。これまでも繰り返し述べてきていますが、制度の趣旨を踏まえれば、普通免許状との同等性を過度に意識し過ぎないことが何より大切だと思います。
 令和4年の答申にあるように、そもそも特別免許状は普通免許状とは異なる強み、または専門性を評価して授与されることを踏まえれば、都道府県教育委員会によって授与状況に極端な差が出ないような改革を引き続き期待したいと思います。
 次に(2)の、専科指導優先実施教科に対応した小学校教員養成の改善についてですが、これは大変に意義がある取組だと思います。いまだに教師や教師志願の学生に聞くと、小学校課程から中学校の課程免許は取りやすいが、その逆は大変厳しいという意識があり、中学校の教師やその課程の学生から、小学校免許の取得が進んでいない実態があると思います。小学校専科の指導の免許取得が進むことによって、教科の専門性の高い教師が指導することのメリットや、小中一貫教育の一層推進なども期待をしたいと思います。以上です。
【秋田部会長】  戸ヶ﨑委員、貴重な御意見をありがとうございます。ほかにはいかがでございますでしょうか。
 特に御意見がないようであれば、貞廣委員の御意見、それから戸ヶ﨑委員の御意見、今後、さらに生かしていくということで、今回の御提案につきましては、案のとおり進めるということにさせていただきたいと思います。その上で、今お二人からあった意見をいかに実施、反映していくのかというようなところについて、検討をさらに進めていければと思います。ありがとうございました。
 それでは、続きまして議事の2に入りたいと思います。それでは、事務局より御説明をお願いいたします。
【平沢教育人材政策課課長補佐】  それでは私から、教員資格認定試験について御説明させていただきます。まずは、資料2-1を御覧ください。文部科学省では、大学等で教職課程を取らなかった者に対しても教職への道を開くことを目的としまして、教員資格認定試験を実施しております。令和4年12月の答申において、平成16年度以降、休止していた高等学校情報の教員資格認定試験を再開することが提言されたことを受けまして、令和6年度から高等学校の情報の教員資格認定試験を再開することといたしました。
 再開に伴いまして、試験構成や受験者数の見込み、必要経費などを勘案し、受験手数料を平成16年の休止当時の価格から現在の適正価格へと変更するため、教員資格認定試験規定を改正することといたしました。資料2-2が本件に係る新旧対照表となっておりますので、後ほど御参考までに御覧いただければと思います。
 次に、資料2-3を御覧ください。令和6年度からの教員資格認定試験につきましては、令和4年中央教育審議会答申を踏まえまして、高等学校情報の教員資格認定試験を再開するとともに、小学校と中学校の両方の教員免許状の所持を促す観点からも、小学校教員資格認定試験の試験科目の一部を免除することを予定しております。
 こうした令和6年度実施の教員資格認定試験の変更について、各都道府県指定都市教育委員会に対し、7月に事務連絡を発出したところです。資料2-3がそちらの事務連絡になります。こちらの事務連絡の中の2ページ目のところに、高等学校情報教員資格認定試験の再開について記載がございます。こちらに試験の実施方法や科目について示しております。
 それから、この事務連絡の3ページでは、2のところで令和6年度小学校教員資格認定試験の一部科目の免除についてというところで、丸1番第一次試験のところを見ていただきますと、免除事由としまして幼稚園、中学校または高等学校教諭の普通免許状を有し、学校における教員として良好な勤務成績で3年以上勤務したものについては、教科及び教職に関する科目I、それから中学校または高等学校の普通免許状を有して、学校における教員として良好な勤務成績で3年以上勤務したものについては、教科及び教職に関する科目IIIを免除することとしております。
 それから、教員資格認定試験実施日の早期化も実施する予定でございまして、令和6年度試験につきましては、例年より約1か月程度早い、6月16日の実施を予定しております。5ページ目は参考として、先ほど申し上げた昨年12月の答申の関連部分を記載してございますので、御参考までに御覧ください。
次に、資料2-4ですけれども、こちらはチラシになっております。先ほどから御説明しておりますように、教員資格認定試験高等学校情報の試験を令和6年度から再開いたしますので、広く積極的に活用していただくために、現在広報周知を進めているところです。今見ていただいているのが、教員資格認定試験全般に関するチラシになっておりまして、次のページが高校情報の教員資格認定試験のチラシになっております。
 こちらについて今後、全国の教育委員会や各大学に配付いたしまして、掲示いただいて、広く、民間の方も含めて周知していきたいと思っておりますので、委員の先生方におかれましても御協力いただけますと幸いです。以上が教員資格認定試験についての説明となります。
【秋田部会長】  御説明、どうもありがとうございました。皆様、今の御説明につきまして、御意見等ございますでしょうか。いかがでしょうか。
 松田委員、お願いいたします。
【松田委員】  御説明ありがとうございます。教員不足が喫緊の課題である中で、認定試験の検定料の値上げが、コストを賄う上で必要だとは思いますが、なるべく受験のハードルを少しでも下げるという意味合いにおいて、どちらかというと無償にするということを考えてもよいのかなとも思います。今回、受験料を5倍近く引き上げることが、受験者にとっての心理的ハードルとならないか、どのようにお考えでしょうか。
 もう一点、後ほどのアジェンダでも関わるところかもしれないですが、教職の魅力を少しでも多くの方に知っていただけるように伝え方を工夫しないといけないと考えたときに、一つ一つの制作物や告知物のデザイン精度を慎重に見ていくべきなのではないか、考えていくべきなのではないかと思っております。例えば、先ほど御紹介いただいた教員資格認定試験のチラシですが、これが全国の教育委員会や大学に配られるということはいいことだと思うのですが、デザインはブラッシュアップの余地があるのではないかと思います。
 デザイナーを雇えば、数万円で相当ブラッシュアップできる内容です。チラシの印象は集客に影響があると思いますし、これら一つ一つの広報物を見て応募したいと思うので、広報成果物についてはしっかりと品質管理を行い、質の高い広報物を作成できる体制の構築をご検討頂きたく思います。以上です。
【秋田部会長】  ありがとうございます。受験料とデザインへの意見について、事務局で何かございますか。
【平沢教育人材政策課課長補佐】  松田先生、ありがとうございました。受験料については、そのとおりですけれども、運営していくというところで、実費のところは、今後の継続性も踏まえて考えていかないといけないところであり、無償というところはなかなか厳しいのかと思っているところではございます。
 2点目のチラシのデザインのところについては、本当におっしゃるとおりだと思いますので、今後また検討していきたいと思っております。ありがとうございます。
【秋田部会長】  ありがとうございます。
【松田委員】  一点だけ、受験料について今後の提案ですけれども、最終的には受験者が増えるということが重要と思います。現在、運営コストが幾らかかっていて、毎年受験者が何人いるかというところは、正確にここで把握しているわけではないですけれど、今後、受験者にアンケートを事前にとってみるなどして、受験者の視点での検定料の適切な金額設定をお考え頂ければと思います。
 運営コストを踏まえ、金額を設定するというロジックは分かるんですけれども、最終的に大事なことは受験者が増えて、多様な先生方が学校現場を目指すようになることだと思いますので、ぜひそのあたり加味していただければと思います。
【後藤教育人材政策課長】  教育人材政策課長の後藤です。松田先生、どうもありがとうございました。今回の受験料は、実は既に実施している小学校の教員資格認定試験の受験料と合わせた価格設定になっております。今御指摘いただいた点、まさにそうだと思いますので、今回、改めて再開するということで我々もいろいろなシミュレーションをしているのですが、たくさん受験生を集めたいという思いがあるんですけれども、受験生の集まり具合から適正価格がまた見えてくると思っていますので、まずこれで実施させていただいた上で、受験生の集まり具合とか、コストとの見合いの中で、改めて今御指摘のあった点については考えていきたいと思います。また、ポスターの関係の御指摘もどうもありがとうございました。
【秋田部会長】  後藤課長、ありがとうございます。
 それでは、戸ヶ﨑委員、お願いいたします。
【戸ヶ﨑委員】  先ほど松田委員が言われたことと重複しますが、高等学校(情報)の教員資格認定試験の再開は令和4年答申でも提言されていますし、文科省から通知が発出されたとしても、実態としてどのぐらい知られているのか考えたときに、現在の教職課程の学生や社会人、現職の教師にもまだまだ知られていないのではないかと思います。
 先ほどと同様に、中学校の教師が小学校の教員資格を取得する場合や、高校の情報については、民間企業等の経験者を積極的に活用するという観点からも、現在進められているペーパーティーチャーへの啓発とともに、しっかりと求めている人に伝わるような、「戦略的な広報」が必要だと思います。
 この後の議事3にある全国教師未来サミットも同じですが、本当に届けなければいけない人にピンポイントで届くよう、同様のイベントに埋もれないよう戦略的にやっていく必要があると思います。チラシのデザインもそうですが、コミュニケーションそのもののデザインも、従来のやり方では届けたい人に届かないということがあると思います。口で言うのは簡単であり、実際にやるのは非常に難しいわけですが、戦略的に手を打ってもらうといいと思いました。以上です。
【秋田部会長】  戸ヶ﨑委員、どうもありがとうございます。ほかにはよろしゅうございますでしょうか。吉田委員、お願いいたします。
【吉田委員】  ありがとうございます。教員資格認定試験や、今回の免許状の特定分野の件とかがある一方で、特別免許状が非常に緩和されました。そういう中で、教員が本当に欲しい、教員採用ができない、もう教員不足であるということはどこも事実だと思いますけれども、先ほど戸ヶ﨑委員がおっしゃっていた学習面と、それから他の教育面の部分があると思いますが、教員の適正に対して何を求めるのか。
 また、私立学校の立場として、教員資格認定試験の話というのは、初めて私も見ました。教育委員会までは届けるかもしれませんけれども、私学担当部署にはこれがまだ届いていないものと思います。そういう中で、資格試験のほうも値上げ云々という話がありましたけれども、受益者負担の論理もあると思いますし、教員免許を取った場合に特免の場合は10年間、それから教員資格認定試験の場合だったら永久なのか、そしてその免許の申請には費用は要るのか要らないのか、そういういろいろなことを総合的に考えたときに、国家資格である教員免許状をいただけるということに対して、それが受益者負担なしということで本当にいいのかどうか、その辺は、私は受益者負担があるからこそ使命感とかも生まれてくる部分があるのではないかという思いも持っています。私立学校としては今、特別免許状をいかに上手に利用して教員を、真にその学校に合った教員を採っていくというのが増えていくのではないかという気がしていますので、一言お話させていただきました。
【秋田部会長】  吉田委員、どうもありがとうございます。私立の学校のお立場から御意見をいただきました。また、この情報が十分に周知されていないということも分かりましたので、そこについて考えていくべきところがあると思います。ありがとうございます。
 続きまして、森田委員、お願いをいたします。
【森田委員】  ありがとうございます。森田でございます。私からは一点だけですが、教員資格認定試験の実施日について、教員採用試験も同時に早期化という議論が進んでいると認識をしておりますので、どういった受験生が受験しているかにもよりますが、例えばこの認定試験を受けた上で、同時に採用試験も受験して教員になりたいという人たちにとっては、採用試験の早期化と認定試験の時期が重なってしまうと、もう一年先でないと採用受験できないということになってしまいますので、受験生の層の動向なども見ながら、適切な時期について御検討いただいたらよいのではと感じております。以上でございます。
【秋田部会長】  森田委員、どうもありがとうございます。今後、また日程も検討していただくというようなところになるのかと思います。
 事務局のほうからはよろしいですか。後藤課長、お願いします。
【後藤教育人材政策課長】  吉田先生、それから森田先生、ありがとうございます。まず、特免の活用については、これは戸ヶ﨑先生からも御指摘いただきましたけれども、課題認識は文科省としても共有しており、これまで基準の問題があったと思っております。それに対する対応はずっと重ねてきておりますが、都道府県ごとのばらつきが課題だという認識を持っており、そもそも同じ制度でやっているのに運用が地域によって格差があるというのは望ましいことではないと思っております。その点は、特別免許状については授与指針を示しておりますけれども、その中でさらに工夫していく余地はあるのかと思っておりますので、御指摘も踏まえて引き続き文科省として検討、対応させていただきたいと思っております。
 それから、森田先生から御指摘いただいた点は非常に重要な点でございまして、来年度の教員資格認定試験を6月16日に実施する一方で、実は全国の教員採用試験も前倒しを呼びかけており、各都道府県に6月16日を一つの標準日として考えてほしいという提示をしているため、森田先生に御指摘いただいたようなケース、教員資格認定試験の受験と同時に、各都道府県の教員採用試験も受験したい場合、日程が重複するというのは起こり得ます。その点、文科省として各都道府県に対して要請をしておりまして、具体的に申しますと、そういった方については教員資格認定試験を申し込み、受験していただくと同時に、受験したい各都道府県の教育委員会の教員採用試験にも申し込みをしていただき、各都道府県には、そういった方の一次選考を一旦免除の上、二次選考を受験していただき、二次選考の結果と教員資格認定試験の結果を合わせた上で最終的な合格とするか、追加合格みたいな形で扱うというような手だてを考えていただきたいという内容です。今後、そういったことも踏まえて、各都道府県の採用選考の要綱の中で対応が示されてくるものと考えております。以上でございます。
【秋田部会長】  後藤課長、御説明ありがとうございます。そして皆様、御意見ありがとうございます。それでは、本件につきましては案のとおりに進めることにしたいと思いますが、よろしゅうございますでしょうか。
 ありがとうございます。皆様、首をうなずいていただいておりますので、御承認いただいたということで進めさせていただきたいと思います。これで議事2を終了といたします。
 それでは、次に議事3に入りたいと思います。それでは、事務局より御説明をお願いいたします。
【平沢教育人材政策課課長補佐】  次に、全国教師未来サミットについて、御報告させていただきます。前回の教員養成部会の際に御紹介させていただきました、全国教師未来サミットを9月4日に開催いたしました。資料3を御覧ください。本サミットでは、各都道府県などで取り組まれている教師の魅力発信や教師人材確保の取組の紹介、担当者の情報交換などを目的として開催いたしました。当日は、簗副大臣御出席のもと、東京都教育庁、四天王寺大学、徳島県教育委員会、宮崎県教育庁、宮崎大学、埼玉県教育委員会、独立行政法人教職員支援機構から、各自治体などで行われている教師人材確保や魅力発信における取組を御発表いただきました。その後に、取組を行う上で工夫した点や苦労した点、取組による成果、教師の一番の魅力とは、などをテーマとして座談会を行いました。
 本サミットに御参加いただいた皆様からの御意見も資料に記載させていただきました。いただいた御意見なども踏まえまして、今後の取組につなげていきたいと思います。このサミットの様子は現在、YouTubeでも一般公開しておりますので、ぜひ御覧いただければと思います。
 簡単に参加者からの御意見ですけれども、よかった点としましては、他の自治体の取組が参考になったですとか、ここに出ることによって自治体や大学の取組というのを全国にPRできたというような御意見をいただきました。それから課題点としましては、先ほど戸ヶ﨑先生からも御指摘いただいたとおり、このようなイベントをやりますよという広報周知を拡大したほうがよかったのではないかといった点ですとか、今回はYouTubeのオンライン配信という形だったんですけれども、Zoomなどのようにチャット機能を持たせて、同時並行的に質疑応答の時間を設けるとよかったのではないかというような御意見もいただきました。
 これらの御意見も踏まえまして、今後の取組を検討していきたいと思っております。以上、簡単ではございますけれども、全国教師未来サミットの御報告となります。
【秋田部会長】  御報告、どうもありがとうございました。皆様、今の御説明につきまして、このサミットにつきまして、何か御意見、御質問等ございますでしょうか。いかがでございますでしょうか。
 松田委員、お願いいたします。
【松田委員】  ありがとうございます。先ほどの点につながるところですけれども、この取組そのものは、私は大変すばらしい取組だと思っております。ただ、せっかく開催するのであれば、全国教師未来サミットなので、見ている方々に未来が伝わるようなコンテンツ設計や広報をお考え頂く事が大事だと思っております。
 例えば、今画面共有しているのは、実際の全国教師未来サミットのYouTube映像ですけれども、中教審の資料をそのまま説明されている感じがあります。そのまま文科省側の説明は続いていますけれども、これから教員を目指す人たちが見たとて、なかなか内容が伝わらないのではないかと考えます。私も中教審に関わらせていただいてからしばらく経っているので、ようやくこの文科省資料テイストには慣れてきましたけれども、1ページにどれだけ内容を詰め込めるのか勝負みたいになっていて、一般的には内容が伝わらないと思います。
 今回もプレゼンテーション形式でYouTubeでも流しているわけなので、少なくてもワンスライド・ワンメッセージの基本ルールを守る事も大事かと思います。つまり、せっかくすばらしいコンテンツがあるので、その伝え方がすごく大事じゃないかと思っておりますので、次回、事務局はぜひ聞き手にとって、特に対象としているのが若い学生やこれから教師を目指していく方、そして現職の先生に躍動感とかわくわく感が伝わるような内容を意識して頂ければ思います。
 恐らくこのサミットのみならず、今後文科省としても教育委員会としても、魅力的な人材、より多くの人に教職の魅力を伝えていき、そして教職を目指してほしいと思っているわけなので、広報戦略については、いま一度、予算に組み込むなどして、リソースをしっかりつけて考えていくべきタイミングではないかと思っています。
 例えば教育人材総合支援ポータルについて、スタートとしてはいいと思うんですけれども、この先どうブラッシュアップしていくかとか、どう多くの人に知ってもらうかという戦略とか、コンテンツづくりとか、インターフェースづくりというのも大事になってくるのではないかと思っています。
 同じ文科省の中でやっているトビタテ!留学JAPAN。これは日本学生支援機構とのコラボレーションかつ官民連携でやっているプロジェクトなので、いろいろな方が関わっているプロジェクトだと思いますが、このサイトは非常によくできていると感じました。例えば広報ツールのダウンロードページというのがあり、ここで使われている広報ツールの精度が高く、これをダウンロードしていろいろな学校でポスターを貼ったりとか、拡散をしたりということができるわけですよね。
 これは、書類系のみならず動画コンテンツも準備されていて、いろいろな目的に合わせて人々がこの動画コンテンツを拡散できるようになっている。こういったものはすごくいいなと思っておりまして、この粒度で広報とかマーケティングということを考えていくということが、今後、すごく大きな課題になるのではないかと思っています。今回の補正では難しいかもしれませんけれども、短期的にぜひとも予算をつけて、文科省として教職の魅力を伝えていく広報戦略、ポータルの設計というものはぜひ今後、お考えいただきたいというところは要望としてお伝えさせていただきたいと思っております。
 せっかくトビタテ!留学JAPANも文部科学省のプロジェクトなわけですから、トビタテのメンバーともう少し密に意見交換することも大事だと思いますし、学べることがすごくたくさんあると思います。あともう一つ、以前フラッグシップをやる際に、官民連携でやるというコンセプトもあると思うんですが、採用周りの官民連携の取組ができると、例えば優秀な人に教員になってもらいたいというビジョンに賛同する企業はたくさんいると思うんですよ。人材やノウハウを出すことやコンテンツを提供するという母体になると思うんですよね。
 なので、フラッグシップ大学コースの進化版として、文科省がリーダーシップを発揮していきながら、全国の教員採用にコミットできるようなモメンタムもぜひ御検討いただきたく思っております。以上です。
【秋田部会長】  大変、刺激的な御示唆をありがとうございます。ほかに御意見はございますでしょうか。よろしゅうございますでしょうか。文科省のほうから何かございますか、事務局。よろしいですか。
【平沢教育人材政策課課長補佐】  松田先生、また、ありがとうございました。今回、準備期間も少し限られていたというところと、あと難しかったのが、本イベントの趣旨が教育委員会等での魅力発信の取組を基本的に全国の教育委員会や大学でシェアするというのが第一としてあり、直接、国から教員に関心のある人たちに魅力を発信するというのと若干違う、かといって排除するものではないので、関心のある人は誰でも見られるようにはしていたんですけれども、そこが少しぶれていたというか、なかなか目的が一つに定まらなかったというのもあるのかと思います。そこのそもそものイベントのつくり方みたいなところを、今後は、主に教育委員会向けなのか、もしくは学生に直にリーチしようとするものなのかというようなことをよく考えていくべきなのかなと思いました。なので、学生に直接呼びかけるような取組を企画する際には、松田先生がおっしゃるとおり、もっと若い人にキャッチしてもらえるようなコンテンツを考えていくべきだと思っております。トビタテに関する情報などもありがとうございました。
【秋田部会長】  皆様、ありがとうございました。これで議事3は終了といたします。
 それでは、続きまして次に議事4に入りたいと思います。それでは、事務局より御説明をお願いいたします。
【後藤教育人材政策課長】  教育人材政策課長の後藤でございます。教師人材の確保に関連しましたこの資料4-1を用いまして、令和6年度概算要求での主な新規事業について、情報提供、御説明をさせていただきたいと思っております。
 まず、1ページ目、今映し出していただいておりますが、教師不足への対応でございます。もう先生方にとって御案内のことかもしれませんけれども、教師不足が生じております主な要因は、基本的には大量退職と大量採用といったことを背景といたしまして、若手の先生が非常に相対的に増えてきているという状況もある中で、産育休が非常に増えてきて、そういった方の代替の教員が必要、あるいは特別支援学級が自治体の想定をかなり超えた形で増えてきているというようなところで、そういったところへの臨時講師の配置が必要とされています。
 そういった需要の増加の一方で、先ほど申しましたような大量退職と大量採用により、従来の既卒の受験者の多くがどんどん正規の教員として採用に合格していく状況があるため、臨時講師の担い手が相対的に減少しており、臨時講師の供給が減少していることによる需給バランスの崩れが、構造的な教師不足が発生する要因という状況でございます。
 採用選考の不合格者や退職した先生などを中心に、各教育委員会では臨時講師の成り手の確保という意味で、私立学校も含めて本当に非常に苦労されていると我々も認識しておりますが、こうした状況を踏まえますと、今後はさらに新たな領域に踏み出して臨時講師の成り手というのを発掘、確保していく必要があると考えております。そういった取組を支援するような事業ということで、今映し出している1ページ目のような新たな推進事業を概算額に盛り込んでおります。
 具体的には、大学や地域の経済団体と連携した教職の魅力発信、イベントも含めた活動展開、そういったところからの教師人材の発掘というのを行います。それから学校現場とのマッチング、これは学校種や教科、あるいは地域毎の状況もありますので、そういったマッチングのためのシステム構築に加え、ペーパーティーチャーが教師としての配置に至るまでの事前研修、あるいは一旦非常勤スタッフのような形で関わっていただくような取組、プログラムといった一連の取組を支援していくというような内容でございます。
 こうした取組が現下の教師不足の状況に対しての当面の対応ということだけではなくて、教員養成部会でもよく御議論いただきましたけれども、将来的にも新たな外部人材が学校に加わっていくという、多様な教職員集団をつくっていくというスキームへと繋がる一助ということになればと考えて概算要求を今、出させていただいているというところでございます。現在、補正予算の議論も政府の中でございますので、補正予算への対応ということも含めて、なるべく迅速に各教育委員会、学校にこういった支援をお届けできるようにしていきたいと思っております。
 2点目、2ページ目でございますけれども、これは地域教員希望枠を活用した教師教育の強化を推進する新たな事業でございます。教師の養成は大学、採用して以降は教育委員会というような切り分けではなく、養成段階から採用に至るまで一貫して大学と教育委員会が連携、共同して、地域教員希望枠を活用して、地域課題に対応した講師とかカリキュラムを構築、実施をしていく事業内容です。大量退職や大量採用の中で、採用試験の倍率も低下していることが言われるわけでありますが、採用倍率が低下した中にあっても、こうした地域教員希望枠をうまく活用して、4年間を通じて教育委員会もタイアップしてしっかり育てていき、採用倍率が低くなっている中でも質の高い教師の養成・確保を全国各地で可能とする仕組みを構築していこうというものでございます。
 地域の教育課題に応じて、地域教員希望枠の特別な教育プログラムの構築ということをしていくわけですけれども、その内容自体は幅広く、様々あり得るとも考えておりまして、例えば離島僻地教育、外国人児童生徒の対応、不登校の対応など、地域ごとに指導内容とか体制の面で強化をしていきたい課題に応じて柔軟に、この地域教員希望枠の中の特別プログラムを設計いただき、そこで養成した人材を出口の教員採用選考において、特別選考の形で着実に教職に就いていただくというような流れを想定しているものでございます。
 今回、以上2点を御説明いたしましたけれども、概算要求に盛り込んだこうした新たな推進事業も通じまして、文科省といたしましても各教育委員会、学校、それから大学の皆様と力を合わせて、教師人材の確保強化に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。まず私からは、以上でございます。
【鈴木初等中等教育局企画官】  文科省で初中局企画官をしております鈴木文孝と申します。どうぞ、よろしくお願いいたします。本日、私からは中教審の特別部会で8月28日にお取りまとめいただきました、緊急提言について御紹介をした後に、関連する概算要求の内容について御説明を申し上げたいと思っております。
 この緊急提言ですけれども、まず5月22日に文部科学大臣から中教審に対して諮問を行わせていただきました。その上で、特別部会を立ち上げ、貞廣先生に部会長、荒瀬先生に部会長代理に御就任いただき、秋田先生、戸ヶ﨑先生にも委員として御参画いただいてございます。それで、教師を取り巻く環境整備について緊急的に取り組むべき施策ということで、教師の専門性の向上と持続可能な教育環境の構築を目指してという、この特別部会のゴールに向けた副題をいただいてございます。
 黄色の枠囲みの部分は、本改革に当たっての基本的な考え方や重要な事項を御説明しております。申し上げるまでもありませんけれども、学校教育の成否というのは学校の先生方にかかっているということでございます。また、教職というのは子供たちの成長を直接感じることができる、すばらしい職業であるということをうたっていただいてございます。
 その上で、これまでの我が国の世界に誇る学校教育の成果というのは、現場の先生方の献身的なお取組によるものであるということですけれども、他方で本年4月に公表させていただきました、令和4年度勤務実態調査の速報値によれば、前回の平成28年度調査との比較では一定程度時間外在校等時間は改善しているわけですけれども、依然として時間外在校等時間の長い教師が多い状況にあるという中で、持続可能な教育環境の構築を目指して、教育に関わる者全てが総力を結集して取り組む必要があるということで、一つは国、都道府県、市町村、各学校それぞれが、自分事として捉えていただいて、その権限と責任に基づいて取り組んでいただく必要がある。それから、これは学校だけではなくて保護者あるいは地域住民の皆様、そして企業など様々な社会の関係者の方々に御協力をいただき、取り組んでいく必要があるということでございます。
 それから、改革の目指すべき方向性ですけれども、子供たちに対してよりよい教育を行うことができるようにするということを目指して、この働き方改革を進めていくという大前提に立ってございます。その上で、先生方には新しい知識技能を学び続け、質の高い教職員集団を実現していっていただきたいということが、改革の目的でございます。
 その上で本提言については、できることを直ちに行うという考え方のもと、緊急的に取り組むべき施策を取りまとめたものでございまして、これが始まりであって終わりではないということで、お取りまとめをいただいております。つまり今後、給特法をはじめ制度的な対応が必要な施策を含め、広範多岐にわたる諮問事項についてさらに議論を深めていただく予定としております。その上で来年の春頃を目途に、一定の方向性を取りまとめいただく予定としてございます。
 取組の具体策ですが、大きく3点整理をいただいてございます。1つ目が、学校・教師が担う業務の適正化の一層の推進ということでございます。三分類の取組の徹底ということをお願いしたいと思っております。平成31年の中教審の働き方改革答申で打ち出していただきました、基本的には学校以外が担うべき業務、あるいは学校の業務では必ずしも教師が担う必要のない業務、教師の業務だが負担軽減が可能な業務という三分類について、一定進捗はしてきているものの地域や学校によってまだまだ取組に差があるという状況の中、具体的な好事例を横展開させていただきたいということで、別添資料でこちらについては詳細、説明をさせていただいてございます。
 その上で、授業時数、学校行事の在り方の見直しということで、授業時数につきましては標準授業時数を大幅に上回る1,086単位時間以上を実施している学校については、見直すことを前提に点検をお願いしたいということを打ち出しております。学校行事については、コロナ禍前に戻るのではなく、精選・重点化あるいは準備の簡素化・省力化をお願いしております。あるいはICTの活用ということであります。
 2つ目の大きな柱は、働き方改革の実効性向上ということで、地域・保護者の方々との連携協働、あるいは、(2)は健康及び福祉の確保の徹底ということで、月45時間、年間360時間という勤務時間の上限を定めた指針、令和元年の給特法改正によって新たに策定をした指針の実効性を高めることが必要ではないか、あるいはメンタルヘルス対策等といったことが打ち出されてございます。
 その上で大きな3ポツが、概算要求に向けてでございます。持続可能な勤務環境の整備ということで、定数改善、支援スタッフ、そして処遇改善、教師の成り手確保ということで、(4)につきましては先ほど後藤課長から御説明をいただいた内容となってございます。簡単ですけれども、緊急提言の御説明は以上でございます。その上で、資料の5-2は、働き方改革元年と言われる平成31年からこの4年間の中で、どういった取組が加速してきたのかというものをまとめた資料ですので、御覧いただければと思っております。
 部活動の見直しについては、例えば6日以上の部活動顧問の割合というのがかつては6割以上だったわけですが、今は6.7%まで縮減をしてきている。その分、部活動指導員の予算も3倍近く投入をさせていただいているということでございます。また、4ページはコミュニティースクールの進捗ですとか、あるいは5ページは保護者との連絡手段のデジタル化あるいは学校閉庁日、留守番電話の設置、こういったものが大きく進んできてございます。
 続いて資料の5-3が緊急提言を踏まえた文科省からの発信でございます。1ページ目にありますとおり、ホームページ「今日の出来事」、2ページ目を御覧いただければと思いますが、緊急提言の手交、それから働き方改革推進本部を通じて大臣メッセージを出させていただいております。そういったものをホームページでお示しをしています。3ページは大臣メッセージということで、国が先頭に立って改革を進めるという決意を述べた上で、学校教育委員会においてできることは実行していただきたいということと、保護者・地域住民の皆様への御協力をお願いしたいということでございます。
 4ページは財務課長による特別寄稿でございます。その上で5ページ、6ページ辺りで、なぜ働き方改革が必要なのかということを改めて地域、学校の皆様と共有をしたいということで、こういった資料を用いて今、行政説明をさせていただいております。子供のためであればどんな長時間勤務もよしとする働き方というのは、教師の崇高な使命感から生まれるものではありますけれども、その中で学校の先生方が疲弊していくというのであれば、それは子供たちのためにはならないということであります。
 それから6ページは、過労死等の事態はあってはならないということで、厚労省の脳心臓疾患の労災認定基準、月80時間を超える時間外勤務労働というのは発症との関連性が強いと言われているといったようなこともお示ししながら、現在行政説明を進めているところでございます。
 その上で資料4-2を御覧ください。概算要求の御説明でございます。来年度の義務教育費国庫負担金につきましては、合計1万人を超える定数改善を要求しております。丸1番が小学校高学年の教科担任制の強化、それから丸2番が小学校35人学級、来年度は小学校5年生を推進させていただきます。丸3番は様々な課題への対応と、今年度末から定年の1年の引上げがございますので、定年が引き上げられたとしても新規採用教員を確保するためということで、特例定員4,857人を要求しております。
 右側の下は、職責を踏まえた処遇改善ということで、先ほども御説明したとおり、給特法等の全体の給与体系の改善については、今後具体的な制度設計を中教審において行っていただくわけですけれども、その上でなお先行して職務の負荷、職責を踏まえ、主任手当の額を倍増させていただくとともに、管理職手当の額を改善させていただきたいという要求をしております。
 次のページは支援スタッフ関係でございます。教員業務支援員につきましては、全小中学校に配置するべく、倍増以上の要求をさせていただいてございます。学習指導員についても増要求、そして新規として副校長・教頭マネジメント支援員ということで、最も勤務時間が長い副校長・教頭先生方の支援をするための支援員の予算を、新規で要求しております。
 その次のページは保護者、地域からの過剰な苦情、不当な要求に対するものでございます。新規でございます。その次のページは、部活動の地域移行あるいは部活動指導員の関連予算、その次のページがSC、SSWを中心とした不登校・いじめ対策の推進でございます。最後は、メンタルヘルスの関係予算ということで、主立ったものだけですけれども、簡単に御紹介させていただきました。どうぞ、よろしくお願いいたします。
【秋田部会長】  御説明を、どうもありがとうございました。皆様、今の御説明につきまして、御質問や御意見はございますでしょうか。どうぞ、順にお手を挙げていただきましてと思います。
 白水委員、お願いいたします。
【白水委員】  資料4-1で、後藤課長から教師不足に、産休育休に入られた先生方の関係もあるというご説明でした。その場合、産休育休の先生方が教育現場に戻ってきたときに、その代替で入られた先生方のその後の処遇や立場はどうなるのかということが質問でございます。
 それに関連して本日の最初の議題からお聞きしたかったのは、どんな人に先生になってほしくて、その方々がその後学校の中でどう活躍してほしいかというビジョンでした。この資料4-1だけでも2つ以上あるという気がしておりまして、人材確保といったときには、ロースキルの先生でも構わないので取りあえず今の学校教育、学校の学習環境の在り方を何とか維持していくための、教師のなり手を探していきたいというものと理解しました。しかし、途中でおっしゃられた、例えば企業の方々が外部人材として新しい風を吹かすべく、専門知識というのを持って先生になられる場合は、創造的な新しい教育内容や学習環境をつくっていくときに役に立つ人材かと思います。
 資料4-1の地域教員の希望枠も大変重要な取組で、東京ですとか都市に一極集中しがちなリソースを、地域で教育のネットワークをつくっていくことで分散するという意味では、パラダイム転換につながっていくものと思います。その一方で、地域課題に対応したコース、カリキュラム構築の例で書かれているこの丸1番から丸5番にも、非常に多様なニーズが入っている気がします。丸2番と丸4番はどちらかというとハイスキルな、新しい学校をつくっていくような先生方、それに対して丸1番、丸5番というのはとにかく先生になられる方がいらっしゃればという、大きく分けただけでも非常にハイスキルの方に教職の魅力を感じて入ってきていただきたいのか、それとも非常勤から先生として何とか役に立つような方を人数として確保していきたいのか、2つ追っているように見ます。どういうビジョンでどんなふうに人を増やしていくことをお考えかというのが、前提としてお聞きしたかったところでございました。以上です。
【秋田部会長】  ありがとうございます。それではこの点、後藤課長、お願いします。
【後藤教育人材政策課長】  御質問ありがとうございます。まず、産育休の制度の関係でございますけれども、育休に入られた場合、公立学校の教員の場合ですと最大3年間育休を取得でき、基本的に育休が明けて正規の先生が戻ってこられたら、その戻ってこられた先生が元のポストで御活用いただくという前提なので、その代替で入られる先生は、その育休の期間限りに任用され、正式な採用ではなくて臨時採用という形で、基本的には1年単位ぐらいの任用期間で、それを更新して2年などというように運用されます。そこの部分の成り手が足りないというのが現状ということで、御説明をさせていただきました。
 その上で資料4-1の1ページ目の事業で、どういった人材に入っていただくかという話でありますけれども、ここも実は説明が駆け足で大変申し訳なかったですけれども、この事業は、先ほど白水先生からも少し御指摘がありましたけれども、基本的には資料4-1の右下の図の一番右下のところにあるとおり、臨時講師としての配置というのを念頭に置いたスキームをまずは考えております。
 つまり、先ほど申し上げた産育休や、あるいは突発的に生じてしまった特別支援学級の増加といった今の教師不足に対応するため、正式採用ではなくて臨時採用で臨時講師をやっていただく方をどう確保していくかということで、それに向けて人材の掘り起こしとマッチングと研修をしていく一連の取組を支援しようというものであります。
 その一方でむしろ、例えば企業御出身の方で非常にスキルの高い方に学校に入っていただきたい、これは大変ウエルカムでありまして、そういった方々が、今日の資料4-1の1ページ目でお示ししたような事業も活用して、一旦まず臨時講師みたいな形で入っていただくというのは大いにあり得ることだと思っております。そういった方々のスキルを恒常的に学校現場で教育に生かしていくという意味では、まさに社会人を対象にした特別選考などの採用選考の工夫の中で、いずれ臨時講師ではなくて正規の採用という形で、任期の定めのない形で入っていただくということを目指したいと思っています。
 2ページ目の地域教員希望枠の話でございますけれども、こちらは臨時講師の話ではなく、正規にきちんと採用の上、恒常的に教師としてずっと頑張っていただく方のイメージでございまして、そういった意味でいくと、足りないから当面の人手不足対応というよりかは、質の部分、ハイスキルというところ求めたいと思っています。
 例えば、離島僻地についても、人手が足りないからというよりかは、離島僻地ならではの複式指導でありますとか、また日本語が不自由な外国人児童生徒への指導とか、あるいは不登校対応とか、教育以外のいろいろな知見も含めて、割と高度な特別な教育を大学の中でしっかり受けて入ってきていただける人材がいると、その分野での対応について、教育委員会としても対応を非常に強化できるというとこがあります。まさに地域課題と申し上げたのはそういった意味で、いろいろな課題、これは全国にも共通している課題でもあるんですけれども、それらの課題に各教育委員会もそれぞれ対応している中で、対応し切れているところと全然まだ弱いなという部分があるものですから、そこの各学校、各教育委員会に、指導内容あるいは指導体制の面でここはしっかり強化をしたいというようなところで、そこは柔軟に教育、地域課題を設定いただいて、それをぜひ地元の国公私立大学全部通じてでありますけれども、地域教員希望枠の取組を活用して、そういった特別の教育プログラムというのを組んでいただいて、養成と確保につなげていただきたい、それを応援したいという、そういう事業でございます。
【白水委員】  分かりました。ありがとうございました。
【秋田部会長】  ありがとうございます。ほかには御意見、いかがでございますでしょうか。
 ありがとうございます。真島委員、お願いします。
【真島委員】  お願いします。初等中等教育企画官の鈴木様に御質問したいんですけれども、先ほどの保護者への対応のところの御説明があったと思うんですけれども、そこをもう少し、もう一回、詳しく教えていただいてもよろしいでしょうか。
【秋田部会長】  鈴木企画官、お願いします。
【鈴木初等中等教育局企画官】  ありがとうございます。すみません、駆け足になってしまったんですが、緊急提言の本文を御覧いただければと思います。資料5-1の6ページを御覧ください。今回、地域・保護者、首長部局との連携協働というのが、要は学校だけではなかなか取組が進まないということで、例えばコミュニティースクールの場で議題として取り扱っていただいたり、総合教育会議の場でこの働き方改革、議題として扱っていただくというような御提言とともに、丸の2つ目ですけれども、保護者の方々から過剰な苦情や不当な要求があった場合に、それをなかなか学校だけで解決するのが難しい事案については、中ほどにありますように、教育委員会が首長からの支援も受けながら、行政として対応をしていくということが必要ではないかと。
 そもそもは、まず担任一人で抱え込むのではなくて、学校が組織として対応するということとともに、一方で難しい事案については、教育委員会等の行政の責任において対応することができる体制の構築が必要ではないかというような緊急提言での御議論を受けまして、資料4-2の先ほどのモデル事業でございます、3ページ目ですけれども、行政による学校問題解決のためのモデル事業ということで、新規要求2億ですけれども、様々な難しい事案については学校問題解決支援コーディネーターというような方が、これは仮称ですけれども、こういった方に教育委員会に入っていただいて、例えば校長先生のOBみたいな形でそういった経験、難しい保護者の対応の経験が豊富な方に入っていただいて、そういった学校問題の解決に当たっていただくと。
 その際、市町村教育委員会の中にチームを組んでいただいて、例えばスクールカウンセラーやSS、スクールソーシャルワーカー、あるいはスクールロイヤー、あるいは精神科医の先生とかの意見も聞きながら、うまく解決策を提示あるいは整理できないかということですし、あるいは、先ほど戸ヶ﨑教育長からもございましたように、都道府県もそこにしっかりと関わっていく必要があるんじゃないかというのが丸2番でございまして、広域的な支援体制を組んでいくということで、47の市区町村と10の都道府県ということで、こういった予算を今概算要求に計上させていただいてございます。以上でございます。
【秋田部会長】  真島委員、よろしゅうございますでしょうか。それを踏まえて何か御意見ございますか。
【真島委員】  ありがとうございます。御説明ありがとうございました。とても大事な事業を御提いただいて、本当にありがたいなと思います。愛知県は54市町村あるんですけれども、そこの教育委員会、教育長先生とかにずっと学調と一緒に回っていきながらお話を伺うと、今本当に欲しいというのがスクールソーシャルワーカーや、スクールカウンセラー、そういった方が非常勤のような形であったり、任期つきであったり雇用が確保されないために、人材の奪い合いが行われていたり、若い方かベテランの方どちらを雇うとなった際、どうしてもベテランの方を即戦力として自治体さんも考えている。そうなると若い人が育っていくシステムがなかなか整わない。短期雇用あるいは臨時雇用的な要素であると、うまく育っていくのに時間がかかりますし、スクールカウンセラーもソーシャルワーカーも含めていろいろな形で経験値を積んでいかなければならないとなったときに、先ほどのチームのお話もございましたが、そういうチームで当たるという経験を積んでいく必要があるんですけれども、どうしても予算が十分でないと1人しか雇えないとか、1人で地区の何校か回ってもらうとなってしまうと、どうしても若い人も育たない。
 人材も不足していて、教員にとって一番の疲弊するポイントというか、教員を学生が志望しない一番のポイントは保護者対応です。保護者からの苦情とか、そういった無理難題、それは校長先生も疲弊しますし管理職への成り手がいないのは一番大きな問題で、それは本当に今日御提案いただいたチームで解決していく、教育委員会やスクールロイヤー、スクールカウンセラー、ソーシャルワーカー、コミュニティースクールも含め、色々な地域・学校で構築できるということが、ゆくゆくは教師の専門性を高めていくことにもつながりますし、安心して子供たちを通わせることができる体制や穏やかな学校生活、信頼して子供たちを預けられる、送り出せるということがうまく機能していくためには、採用試験を受けて受かった教員が県や町に永続して勤務するように、スクールソーシャルワーカーとかスクールカウンセラーとかそういった方々も、短期雇用とか臨時雇用ではなくて、しっかりと人数を配置していただいて、各都道府県、各市町村、どこに行っても、確実に雇用が守られていて、チームで問題にも対応できますよということを制度としても確立していただけますと、大変ありがたいなと思います。以上です。
【秋田部会長】  ありがとうございます。それでは、続きまして吉田委員、お願いいたします。
【吉田委員】  ありがとうございます。また、私学の立場になってしまうかもしれませんけれども、先ほど後藤課長から産休教員、その他の話がありましたけれども、基本的には我々私学も同じで、そのために逆に臨時免許状の活用とか、臨時免許状で2年、3年勤務した人を特免に申請する形ができることによって、教員の確保、それから確実に教職に向いている人を採用できるという道になると思うので、私はところをもう少しはっきり書き込んでいってもいいという気がしています。
 予算の件でお尋ねしたいんですけれども、資料4-1の確保強化推進事業について、件数が24か所で2,146万円という予算、支援対象が教師の任命権を持つ都道府県指定都市教育委員会、人事協議会及び公益財団法人など外郭団体ということですけれども、私立学校の場合もちろん一校一校でこんなことはできませんので、例えば一般財団法人の日本私学教育研究所でこれに近いようなことをやったりとか、都道府県の協会が一般財団法人化しているところもあるんですけれども、そういうところでも本事業の対象となるのかどうか。私学の場合はこれをどうやったら強化できるのか。
 そして、教員の環境整備のほうについては、義務教育の国庫負担は国のほうですけれども、例えば指導員の派遣や部活動の支援員、それから教員の支援員、そういったものが実は私立学校は今回、全体で私立小中高で2億円ということで、倍増だということでございました。
 ただ1人当たり30万円というのがやっと60万円になったものですけれども、こういう人が、一つの学校に週2時間とか3時間、放課後の2時間、3時間だけ来てくれるような人が、そこまでいい人を集められるのかどうか、部活動の場合ですと、例えば試合に引率していくとかなったときに、そういう人たちの責任の所在もあわせてもう少ししっかりと学校として専任的な要素で雇えるような人を集めなければいけないのではないかと。それと私学の場合は、予算は一体どこの部分で含まれていただけるのか。その辺のことを含めて御質問させていただきます。
【秋田部会長】  ありがとうございます。こちらは、後藤課長、お願いします。
【後藤教育人材政策課長】  では、まず私から。御指摘、どうもありがとうございます。資料4-1の1ページ目の事業自体は、まず基本的に教師の人材確保は、公立学校の場合でも基本的には任命権者である各都道府県教育委員会が責任と権限でしっかり果たさなければいけない中で、ある程度、今、教師不足の状況が、全国的に規模が大きくなっているということで、国費として支援をするとすればということで、今回24か所としているのも、ある程度教師不足の状況自体はどの県にもあるんですけれども、数が高くなっているというようなところを念頭に置いて、このぐらいの規模感で、数を絞って支援させていただこうということで、一応、予算事業として組立てをさせていただいたものでございます。申し訳ないですけれども、この事業そのものとしては教育委員会を基本的な対象として考えておるものでございまして、私立学校も含めて教師人材全体としてどういうふうに養成の段階から含めて確保していくか、引き続きさらにどういうことができるかということについては、現在も実は検討中のこともありますので、またその点は考えていきたいと思っております。
【秋田部会長】  ありがとうございます。お願いいたします。
【鈴木初等中等教育局企画官】  ありがとうございます。吉田会長から、こういった支援スタッフというのが非常に重要で、今後の学校の在り方としては非常に重要になっているというお尋ねだと理解しています。現行の制度上は御案内のとおり、義務教育費国庫負担金の中で算定をしているのは事務職員ということでございまして、事務職員を学校の基幹的職員として義務教育費国庫負担金の中で措置した上でそれ以外の補助金という形で、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー、それから学習指導員、教員業務支援員、それから部活動指導員等を予算補助という形で措置をさせていただいているところであります。
 今回の中教審の特別部会の諮問事項の中には、こういった支援スタッフの方々についての在り方についても諮問事項の中に入ってございますので、今後中教審の特別部会の中でも御議論をいただきたいと思っております。その上で、私学助成の関係ですけれども、私直接の担当ではございませんが、来年度の概算要求において私学部のほうからは私学助成の特別補助の中で、政策目的として教員業務支援員に相当する部分というのを要求されていると承知しておりますけれども、恐らく吉田会長の御指摘としてはまだまだ不十分だというようなことだろうと思いますので、そこもしっかりと私学部と連携をしていきたいと思ってございます。以上であります。
【秋田部会長】  はい、どうぞ、吉田委員。
【吉田委員】  ありがとうございました。今の後藤課長の件で一つお願いです。教育委員会が任命権者であるからというのは確かに分かるんですけれども、私立学校が人材を確保強化するための、例えば日本私学教育研究所の中にそういう団体をつくった場合には、それと同じようなことがしていただけないかというのが私の本意です。
 それから、今の鈴木さんのお話の中でありましたけれども、本当に私学部と違うのはもうどうしようもないことで、例えばこのメンタルヘルスの件は、私立学校の場合は逆に労働基準法の関係があるので、既に、全員がメンタルチェックをやっているわけです。だからそういう意味でもすごく差があるんですけれども、特に私が心配していたのは、今部活動のほうはもうすぐにスタートされるという、支援員、それから部活動の地域移行が、そういうような状況にある中で人手が足りないと。それに対して、新たに私立の場合は経費が出てくるという部分があると思うので、それを受益者負担にしていいのかどうなのか、そういうことも今後、子供中心に初中局として方策の中で考えていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
【秋田部会長】  ありがとうございます。それでは、皆様からこの議事に関しては特に、今、御質問はないようでございますので、この議事4につきましては、終了とさせていただきたいと思います。
 それでは、今回の議題につきまして、後藤課長から御発言があるということで、お願いいたします。
【後藤教育人材政策課長】  ありがとうございます。手短にと思っております。先ほどの説明のうち、資料5-1で中教審の特別部会の緊急提言の説明がありました。資料5-1の一番下のほうに、教師の成り手の確保、先ほども話題になりましたけれども、それとの関係で奨学金の返還支援のことについて検討を推進しようということが記載されております。
 教師人材の確保という点では非常に重要な点であると思っておりまして、優秀な質の高い教師人材を確保するという意味では、かつて、それこそ昭和の時代からでございますけれども、教育職に従事すれば奨学金の返還が免除されるという仕組みがあったのが、今廃止をされているという状況でありますが、そこのことを念頭に置いていただければと思うんですが、ここについては過去にもう廃止されているという経緯であるとか、現状のいろいろな新しい奨学金の仕組みがまた別途できているとか、いろいろな課題はあるものの、これはぜひ前向きに議論していきたいと、文科省としては思っております。
 実は、文科省の中でも今議論、検討を進めているところでございますが、中央教育審議会としてはぜひ、次回以降この教員養成部会の場で今後の進め方というか方向性について御議論いただけないかと思っておりまして、次回以降、事務局としてそこを御議論いただけるような準備をさせていただきたいと思っております。今日は頭出しだけで恐縮でございますが、何とぞよろしくお願いいたします。
【秋田部会長】  御説明ありがとうございます。緊急提言の紙の一番下の、教師のなり手の確保の奨学金の部分について、こちらの養成部会のほうで今後、さらに検討をしていくということでございます。それでは、これで議事4は終了とさせていただきます。
 ありがとうございます、時間は限られておりますが、今回の議題についてまだ御発言がない方もおられますので、皆様からお一言ずついただければと考えております。まず先に、吉田委員が途中で退室の御予定があると伺ったので吉田委員、その後はいつも五十音順で御発言いただいていたので、今回発言順を変えて、オンラインから対面、五十音順の反対で、吉田委員の後は森山委員という順でお願いしたいと思います。お一言ずつ、吉田委員からお願いいたします。
【吉田委員】  ありがとうございます。もう私、さんざん発言させていただきましたので、これで退室させていただきます。ありがとうございました。
【秋田部会長】  ありがとうございます。それでは続きまして森山委員、お願いいたします。
【森山委員】  ありがとうございます。森山です。全体に関わることとして発言をさせていただきたいと思います。1点目は、病気療養や育休、産休等で、代替教員が数か月たっても補充されないという、喫緊の課題があるということで、校長先生も教頭先生も授業をやりながら何とか過ごしている現状があります。そういう中で、今日お話に出ましたとおり、今後の予算等にも反映されるということでございますが、一日も早い、早急な対応も必要かと思います。そういう意味では、ペーパーティーチャー等が研修する機会を一日も早く多くつくるということも必要ではないかと考えています。本学も町田市教育委員会との連携のもとで来月からこの事業に取り組もうということになっておりますが、早急な対応が必要だと感じています。
 それから2点目は、提言の中にも限度を超えた保護者からの苦情ということに対しての、行政に求める内容が記載されております。既に市区町村等においても弁護士等を教育委員会に常駐させるとか、いろいろな形で相談に当たっていることが現状だと思います。特に地方財政の措置等でスクールロイヤー等を活用した件もあったと思いますが、市区町村にとって一番大きい課題は財源の問題になっているかと思います。そういう意味では、財源の確保をしっかりと考えていただくことが必要ではないかと思います。
 それから最後に、教員不足の中で優秀な教員志願者を増やすためには、短期的にも、あるいは中長期的でも必要となっているのが、教員の魅力を伝えることと思います。実際のスタートが大学、あるいは短大を中心とした多様性のもとでの教職課程もありますし、教育学部でもあると思います。そういう意味では、高等学校と教職課程を置く各国公私立大学の連携についてさらなる支援が必要なのではないかと思います。
 そういう中で、大学等では教員養成学部での教員養成が行われておりますが、地域枠を生かした大学、教育委員会が一体的に教員養成をするとか、あるいは特定の分野に強みを持たせた、専門性を持つ学科でも養成をするとか、あるいは教員資格認定試験でも教員を確保するとか、様々な教員養成に関する対応案が出ています。改めて考えるのは、いろいろな形で養成をするわけですが、教師の専門性をどう育てるのか、専門性の条件とは何か、あるいは教師が専門性のある職業であるという地位をどういう形で理解して確保するのか、といいったことを議論する必要があるということを改めて感じたところです。以上でございます。
【秋田部会長】  ありがとうございます。それでは続きまして森田委員、お願いいたします。
【森田委員】  ありがとうございます。森田でございます。私は今日、御議論がありました様々な事柄が進んでいき、より優れた取組が共有されていくということが大事になると思っております。
 その上で、実際には中長期の課題であり、現実には難しい課題なのかもしれませんが、例えば特定の分野に強みを持った教師ですとか、様々に多様な人材が学校に入っていき、そして多様な教師を確保するということでいえば、森山委員からお話ありましたように教師の専門性としても、本当に様々なものが求められている時代になってきていると思います。
 そういった教師に求められる様々な専門性、それから特定分野での強み等を考えると、今のように教科をベースにした教員免許、専修免許しかないという問題には、いずれ向き合わざるを得ないのではないかと感じています。例えば教職大学院で学校マネジメントを専門的に学んだとしても、中高の教員免許としては教科をベース専修免許しか出ないわけです。そういうことについても、今後の在り方を検討しないといけないのではないかと、少し感想的な意見でございますが、そのように感じたところでございます。以上でございます。
【秋田部会長】  ありがとうございます。松田委員、お願いいたします。
【松田委員】  私は特段追加するものはないですが、せっかくすばらしい取組が進んでいますので、ぜひ広報マーケティング戦略について予算と体制を整えて進めていけるといいんじゃないかと思っていますので、引き続き御検討、よろしくお願いいたします。以上です。
【秋田部会長】  ありがとうございます。松木委員、お願いいたします。
【松木委員】  松木です。特定分野に強みを持つ、養成ということに関して2点、悩んでおります。1点目は教員資格認定試験に絡んで、高校の情報の免許のことが出ておりました。採用する前に情報の免許を取る人をもっと増やしたいと思うのですが、情報の免許に関しましてはもう既に特例措置があって、教職科目等を軽減して、少ない状態で免許を取れる仕組みはもうできています。教職科目を減らしてもいいというところで、年々、ニーズを考えますと、単に減らすだけではなくて今の状況に合った教職科目をそこに入れ込むような工夫をしないといけないのではないかと思っています。
 2点目は、小学校の教科担任制についてです。先ほど中学校の免許を持っている人が小学校の二種を取りやすい状況をつくるという話がありました。これは私学の大学を考えてみますと、小学校免許を取れる大学が近年増えています。その小学校の免許を取れる大学の中で特定分野の強みを出すといったときに、中学校の二種を取れるようなこと、これについては今後どうしていったらいいのかなんてことを考えながら聞いておりました。以上です。
【秋田部会長】  どうもありがとうございます。それでは、続きまして真島委員、お願いをいたします。
【真島委員】  ありがとうございます。愛知教育大学は教員養成大学の教育学部、単科の教育大学なので、今日の議論のような私立大学とか特定の免許を出すとか、そういった幅広い強みを持った、裾野を広げていくという流れと違う流れのほうで養成をしているということなので、そうなってくると教員養成とか教育大学って本来どうあるべきなのかというところを、もう一度、教育大学としての強みは何なのかというところをもっと先鋭化していかないと、逆に教育大学は要らないんじゃないのということにもなりかねないというところもあります。そういった危機感を持って本学も、より質の高い教員とは何ぞやとか、より地域や全国、社会にしっかり貢献できる教員というものを輩出できるような大学として、頑張っていきたいと思いました。ありがとうございました。
【秋田部会長】  どうもありがとうございます。それでは、続きまして戸ヶ﨑委員、お願いいたします。
【戸ヶ﨑委員】  先ほど後藤課長が言われたことが非常に大事だと思います。この緊急提言の中で最後のところの「教師のなり手の確保」という項目の中に、「骨太方針2023に示された「奨学金の返還支援に係る速やかな検討」を進める必要がある」という記載があります。これを受けて今後、教師の人材の確保方策として検討していくことになると思いますが、奨学金をいかにして質の高い教師の養成・採用に有効的に活用できるのかが、この教員養成部会での大事な議論になるのだと感じておりました。以上です。
【秋田部会長】  ありがとうございます。それでは、続きまして貞廣委員、お願いいたします。
【貞廣委員】  ありがとうございます。私自身、教員養成課程に身を置いている身としてこんな発言をしてはいけないのかもしれませんけれども、今教員養成課程を経て一種免許を持って外に出ていって、現場にいらっしゃる方も、白水委員の言葉を借りればハイスキルの方も、中くらいの方も、かなりもうちょっと頑張ったらいいかもしれないという方もいらっしゃるわけですよね。
 そう考えると、今回後藤課長がお話しくださったマッチングから教育現場に入ってきてくださる仕組みが、決してセカンドラインということではなくて、場合によってはそこで教職という魅力に出会っていただいて、さらに校内研修や管理職の方々の支援によって育っていただいて、教育現場に、白水先生の言葉を借りるならばハイスキル教員として定着をしていただく。入ってくるときにどうということよりも、いかに多様な人材で構成される学校をつくり、それを強みにしていくかという志向で見るほうが、生産的なのかなと思ったりしました。
 あともう一つ、後藤課長が特別免許状のところで、同じ仕組みなのに地域によって差があるのはいかがなものかとおっしゃっていて、私、とてもこれが印象的でした。今回の緊急提言に関わる物事も全く同じで、今の時点で相当取り組んでくださっている自治体とそうじゃない自治体があり、そう考えると、自分ごとにできないところにいかに訴求するかという広報が重要で、松田委員、ぜひ、よりお知恵をいただければと思います。いいデザインの広報が響くのは学生だけではなくて、現場の先生も教育委員会もそういうものから目をつけるんだと思うんですよね。すごく大事なことなので、広報にもお金を取ってきていただいて、より緊急提言が生きるような形にしていただきたいと思います。
【秋田部会長】  ありがとうございます。木下委員、お願いいたします。
【木下委員】  木下です。よろしくお願いいたします。私は学校現場におりますので、学校現場の現状を少しお話ししたいと思います。教職員の、生徒を大切に育てたいという気持ちは変わってないなというのを感じています。反面、働き方改革については意識を持って業務に当たっている職員が多くなったというふうにも感じています。この両立に対して校長のマネジメントが必要なんだということは、自覚しているところです。
 業務改善を図る上では、様々な角度から見直しが必要なため、校長同士の中でも民間企業の経営者等を講師に招いて学びたいという意見も出てきています。学校では、年間行事や毎日の日課表、校務分掌の工夫なども行っています。また、本校は部活動の地域移行も、研究指定を受けて実施しているところですが、全体を見て一番感じるのは、教職員が学校にもう少しいてくれれば教育課程ももっと組みやすいですし、いろいろな意味で子供たちにつく時間が増えるということが現状ですので、そこのところをお願いして、私はお話を終わりにしたいと思います。よろしくお願いいたします。
【秋田部会長】  ありがとうございます。それでは、続きまして岡本幾子委員、お願いいたします。
【岡本委員】  岡本でございます。本日の議論、参考になりました。ありがとうございます。その上で、本日の議題の1の(1)、(2)のうち、特に(2)の小学校の外国語、理科、算数、体育などの専科指導に関する中学校の免許状との併有について、本学は大阪教育大学ですけれども、教育支援人材も育成しております。教員養成大学にありましても学校教員だけでなく、いろいろなタイプの学生を育てている大学にとりましてはとても参考になります。私立大学におかれましても特例制度を大いに活用した多様な教員集団の形成の実現が、大学に活力を与えるのではないかと感じました。
 それから、教師の成り手の確保でございますけれども、これについては是非とも一律の対応ではなく、地域の教員希望枠は、その地域に合った教師ということもあるかと思いますので、細やかな対応、考え方が必要ではないかと考えます。以上です。
【秋田部会長】  ありがとうございます。それでは、続きまして白水委員、お願いします。
【白水委員】  今日は教員養成も研修も採用も、教育委員会だけではなくて大学、それから国、民間も含めて、総力戦で打てる手を打って方針を理解しました。そこで出来上がってくる学校は、多様な人材が支え合うような場になっていくと考えたときに、最後の働き方改革のあたりのデータのとり方というのがもう一歩先に進んでいくと、打った手の効果をしっかり検証していけるのではないかと思いました。全体の平均勤務時間が減ってきているのはよいことと思いますが、それぞれの先生がどういうことに時間を使っているかという変化が見えるようになるとなおよいと思いました。例えば保護者対応が短時間でも後に響くことを考えたときに、教職員全員の勤務時間の平均を出すだけではなくて、各学校にいらっしゃるどういう人材がお互いどういう時間の使い方をしているか、例えばスクールワーカーが保護者対応を手伝ってその時間が増えても、教員の対応時間が減り、授業研究に使う時間が増えたというような時間の使い方の多様化と、全体を支え合うような時間のバランスになってきているかを見られるとよいのではないか。これは基礎的なデータでも改善効果をしっかり見ていく手になるのではないかと思いました。以上です。ありがとうございました。
【秋田部会長】  ありがとうございます。
 私も個人的に発言をさせていただきたいと思います。緊急提言が出て、本当にできるところから今動き始めていますが、給特法をはじめ長期的な問題等、まだまだ今後検討すべきことは残っていると思っています。また、先ほど貞廣委員からも学校内の組織の多様性をいかにマネジメントするかというお話がございましたが、任命権者である教育委員会がどういうふうにこの多様性というものを生かしていける方向をつくるのかというビジョンが重要なのではないかと、私自身は考えています。今後学校の組織が変わっていくということをお互いが認識するとか、それを戦略的に広報していくというようなことも今後、必要なのではないか、全国の格差を起こさないというようなところで重要になっていくのではないかと思っています。
 またもう一点は、産育休があるというのは教員にとってとても大きな魅力のある職場だと思っています。ところがいつも、臨時のために1年交代の契約になりますので、替わってなった教員も非常に不安定な立場になるということです。この辺りを今後、臨時採用ではないような形で、もっと計画的にそういうことの教員を充てられるような仕組みというものをもうちょっと考えられないのかとか、先ほどもスクールソーシャルワーカーやスクールカウンセラーなどが低賃金のため、複数掛け持ちや専任化ができないというような問題があるわけですけれども、今後、学校を支えていく人材を、どう良い人材を安定的に雇用できるのかというようなことの見通しを考えていくということも必要なのではないかと、それがないと個人的には不可能だと思いつつも、考えているところでございます。
 皆様、ありがとうございます。本日の議事は以上になります。
 それでは、最後に次回の日程について、事務局よりお願いをいたします。
【平沢教育人材政策課課長補佐】  次回の日程につきましては追って、事務局より御連絡させていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
【秋田部会長】  それでは、皆様、本日は長時間ありがとうございました。これで、本日は以上とさせていただきます。お疲れさまでした。どうもありがとうございました。

―― 了 ――

(総合教育政策局教育人材政策課)