生涯学習分科会(第123回) 議事録

1.日時

令和5年2月13日(月曜日)10時00分から12時00分

2.場所

文部科学省13階第1会議室 ※WEB会議

3.議題

  1. 今後の生涯学習・社会教育の振興方策について
  2. 高等学校卒業程度認定試験における新科目「情報」について
  3. その他

4.出席者

委員

(分科会長) 清原分科会長
(副分科会長) 牧野副分科会長
(委員)内田委員,清水委員,中野委員,萩原委員
(臨時委員)大久保委員,金子委員,澤野委員,関委員,薗田委員,辻委員,長谷川委員,宮城委員,山内委員,横尾委員

文部科学省

(事務局)藤江総合教育政策局長,森友社会教育振興総括官,黄地地域学習推進課長,神山生涯学習推進課長,西リカレント教育・民間教育振興室長 他

5.議事録

【清原分科会長】
 皆様,おはようございます。分科会長の清原です。定刻になりましたので,ただいまから第123回中央教育審議会生涯学習分科会を開催いたします。123と数字が並びました。本日は大変に御多用のところ御参加いただきまして,どうもありがとうございます。

 本会議は,新型コロナウイルス感染症の感染拡大を防止するため,ウェブ会議方式で開催をさせていただきます。

 なお,本日もYouTube上で,報道関係者及び一般の方々の傍聴を受け入れております。報道関係者等より会議の全体について録画を行いたい旨,申出がありまして,許可をしておりますので皆様,御承知おきください。

 次に,事務局からウェブ会議運営に当たっての留意事項の説明及び配付資料の確認をお願いいたします。

【中村生涯学習推進課課長補佐】 
 事務局の中村でございます。本日は,ウェブ会議方式にて開催させていただいております。御不便をおかけすることもあるかと存じますが,何とぞ御理解のほどよろしくお願いいたします。

 ウェブ会議を円滑に行う観点から,4点ほどお願いをさせていただきます。

 1点目,御発言に当たってはインターネットでも聞き取りやすいよう,はっきり御発言いただくようお願いいたします。

 2点目,御発言の際には名前をおっしゃっていただくようにお願いいたします。

 3点目,御発言時以外はマイクをミュートにしていただくようお願いいたします。

 4点目,発言に当たりましては挙手ボタンを押していただき,御発言後はボタンを解除いただければと思います。お手数をおかけいたしますが御協力のほど,どうぞよろしくお願いいたします。

 続きまして,資料の確認をさせていただきます。本日の資料は議事次第にございますとおり,資料の1から資料の5までの資料,加えて参考資料11から参考資料3までとなっております。なお,参考資料3として,前回の会議において御意見ございました学校部活動の地域連携や地域クラブ活動への移行に関して,昨年12月に策定公表されたガイドラインの関連資料について資料配付をさせていただいております。

 事務局からは以上でございます。

【清原分科会長】 
 ありがとうございます。皆様,御確認ください。

 それでは,まず本日の会議の進行について確認をさせていただきます。本日は幾つかの報告事項がありますが,後の審議にもそれぞれが関連いたしますので,まず報告事項をまとめて先に説明をしていただきます。それから,前回の会議でも議論をいたしました今後の生涯学習重点事項案及び具体策案に関する審議や,高卒認定試験に関する審議に入りたいと思います。

 そして,本日は第11期の生涯学習分科会としては最後の会議となる予定でございますので,議事が終了しましたら御出席の委員の皆様から第11期を振り返って一言,御発言をお願いしたいと考えております。

 それでは,まず各議題に入る前に,前回,私からも紹介いたしましたが,牧野副分科会長がエジプトに出張されてこられました。その貴重な御報告をぜひ皆様と御一緒に伺いたいと思います。10分ほどの御報告です。

 それでは牧野副分科会長,よろしくお願いいたします。

【牧野副分科会長】 
 皆さん,おはようございます。牧野です。よろしくお願いいたします。前回,皆さんが活発に御議論いただいたときに,私1人だけエジプトへ遊びに行っておりまして失礼いたしました。それで今日,報告をということですので,簡単ですけれどもお手元に配付されている資料を基にお話ができればと思います。

 私の方で共有は可能でしょうか。私がページを繰って進めたいと思いますがよろしいでしょうか。

【清原分科会長】 
 お願いいたします。

【牧野副分科会長】 
 すみません。見えておりますか。共有されていますでしょうか。大丈夫ですね。

【清原分科会長】 
 はい,全画面になりました。大丈夫です。

【牧野副分科会長】 
 これでお願いいたします。端折(はしょ)りながら話をさせていただきたいと思います。昨年の暮れに,エジプトにJICAからの派遣ということで行ってまいりました。

 この写真,お手元,既に見えていると思いますが,実はピラミッドとスフィンクスも見に行ったのですけれども,左側の写真は今からもう150年以上前の写真です。幕末の第2次遣欧使節団が,攘夷(じょうい)派の圧力で,横浜の完全閉港交渉に出かけたのですが,交渉に失敗して,失意の中での帰りにエジプトに寄ったらしく,そこで撮られた写真です。右側が私が撮ってきた写真です。スフィンクスは,今はもう発掘されて足まで見えているのですが,当時は随分埋まっていたということなのです。一応,こういう歴史的な経緯があるということをお伝えしておきます。

 今回の訪問日程はこのようになっていまして,12月の半ばから10日少しですけれども行ってまいりました。基本的には,JICAの草の根技術協力によってEgyptian Kominkan,つまりエジプト式公民館の社会実装が少しずつ進んでいるので,その視察と地域教育コーディネーター育成プログラムの枠組みをつくるということで出かけてきました。

 訪問先は,ここに示しましたようにたくさんありますが,今夏の事業にかかわる主だったところを見てきたことになります。この写真はEgyptian Kominkanですけれども,沿革だけ申し上げますと,まだ5年しかたっていません。2017年に,グローバル公民館という形でオンラインのものがつくられました。その後,事業会社としてのKominkanをエジプトで立ち上げ,そしてター公民館(Taa Kominkan)というのですけれども,ター(Taa)は後から説明できればと思いますが, アラビア語で,学ぶとかつながるとかということの頭文字です,ター公民館というものがつくられました。2019年にグローバル公民館が,文科省の事業のEDU-Port Japanに採用されて,民設公民館がつくられたことになります。

 この写真に写っている子たちが出迎えてくれた子たちです。この子たちが私たちの絵を描いてくれて,真ん中,これが私だということです。似ていますかね。この写真の左側がター公民館のロゴです。公民館のイメージとしては右の写真にある絵のような感じで,時間がないので詳しくは説明しませんけれども,人々が集まって様々な学びを展開しつつ,社会をつくっていくイメージだと言われました。このスライドにありますように,ターというのは学んで,協力をつなぐことのアラビア語の単語の頭文字だということですけれども,このター公民館の2本柱が日本型公民館のエジプトへの展開と地域教育コーディネーターの育成事業ということで,少し前から私もこちらの人材育成プログラムには関わっていました。2021年にEDU-Port Japanの助成が終わって,JICAの草の根技術協力に採用されたこともあって,そして昨年ですけれどもター公民館がEgyptian Kominkanとして開館し,さらにエジプト社会に根差した形で展開することが求められるようになったということを受けて,派遣された形になります。

この写真はEgyptian Kominkanの中の様子です。今回はこのEgyptian Kominkanの社会実装についての議論をしてくることと,アインシャムス大学という地元カイロの名門大学があるのですけれども,こちらで地域教育コーディネーター育成プログラムの枠組みをつくることが今回の訪問の目的でした。

 写真を見て,様子だけ御覧ください。これがアインシャムス大学での講義風景で,ネクタイ嫌いなので普通は背広着ないですけれども,着ろと言われて着ています。こんな感じですね。このほか,アインシャムス大学教育学部の学部長ですとか,幹部たちとの地域教育コーディネーターのプログラムに関する議論を何度か繰り返してきました。こんな感じです。さらに国家識字・成人教育機構というところがあって,そこでもコーディネーターたちに話をしてくれというので,講義をしてきました。

 このほか,最後に地域教育コーディネーター育成プログラムのキックオフがあったので,そこにも顔を出してきました。現在,オンライン等も含めてこのプログラムの試行版が動いています。こんな感じです。皆さん,楽しんで学んでいる様子がわかるかと思います。

 なぜ,こういうEgyptian Kominkanを開設することになったかということですけれども,大きな社会的な背景としては,若者たちがアパシーというか無気力になってしまっていて,また社会に自分の居場所がないと感じているとか,人生どうしたらいいかということが分からなくなっているようなことがあるということでした。

 高等教育の就学率は36%で,初等,中等教育はほぼ普及しています。そんな中で,エリート大学への進学競争が激化しているわけですが,進学することが目的化してしまっている状況が出てきているといわれます。家庭も受験シフトしてきていて,さらに学校の成績が自分のアイデンティティであるかのような生き方になってしまっているので,若者たちにとっては,社会に出ていくことがどうも想像できないような社会になりつつある,と聞かされました。その上,そういうことの中で,若者の引きこもりが増えています。それから今,日本語ブームらしいのですけれども,アニメ人気が背景にあるとは言うのですが,それだけではない事情があることを聞いてきました。これは後から申し上げます。

 また,大学まで,考えることよりは教え込むことが基本になっていて,若者たちは言われたとおり動けばいいというような感覚になってしまっていると聞かされました。しかし,そこを何とかしなければいけないということで,大学の教員の方々は試行錯誤されているということでした。

 話があちこちしますけれども,エジプト社会の大きな背景としてはこうなっています。人口が11,000万,日本ぐらいですけれども,大体3年から4年に1,000万人ぐらいずつ増えているということで,平均年齢も24歳というとても若い国です。高齢化率も当然低くて,4.8%で,日本の5分の1ぐらいです。合計特殊出生率が2.9なので,まだまだ子供が増える,人口が増えるということです。平均寿命は71歳で,世界平均が72歳ですので,平均寿命は少し短い国だといえます。

 失業率はとても高くなってしまっていて,特に若者たちの失業率が30%ということで,こういうことも含めて,若者たちはどう生きたらいいのかということに悩みつつあるということでした。さらに皆さん御存じのとおり,今から13年前ですけれども,アラブの春という民主化の革命運動があって,エジプトでも独裁政権が崩壊して,翌年に自由選挙で文民政権が誕生したのですけれども,またその翌年に軍部のクーデターが起こって,現在の軍部独裁政権に戻っています。そういうことの中でさらに,経済が低迷していて,高失業率だということ,それから民主主義や自由ということを声高に言えない雰囲気があるということで,若者たちがどう生きたらいいかはっきりしなくなっているとのことでした。

 このエジプト式公民館の開設の直接の契機ですけれども,アラブの春が挫折した後,一部の若者たちが海外へ展開をしたこともあって,今回の代表者の,私たちはミギードさんとか,ギドさんと呼んでいますけれども,彼も奥様というか,パートナーが日本人で沖縄の人だったので,彼もしばらくパートナーの沖縄の実家に身を寄せていたということなのです。そこで公民館に出会って,特に今回協力している繁多川公民館に魅せられたと聞きました。

 その後,ギドさんは全国各地の公民館を訪問したのですが繁多川に勝るものはないと確信したのだそうです。ギドさんは,政情が安定した後,母国に帰ったのですが,若者たちが集まって,語らい,人生の悩みを打ち明けあい,支えあう場所が欲しいというので,繁多川の公民館に協力を依頼して,公民館をつくろうという動きが出てきたということになります。先ほど申し上げたように,17年にこの事業のための会社を立てました。これはなぜかといいますと,NGONPOが政治的に危険視されるおそれがあったということで,事業会社を立ち上げてグローバル公民館としてオンラインでまず場所をつくり,さらに2019EDU-Port Japanに採用されて,ター公民館という施設を設立したことになります。

 そのときに,アインシャムス大学教育学部がこの公民館の在り方に注目して,学生たちの実習の場所にできないかと考えたといいます。現在,実はこの大学は,特に教育学部ですけれども,学生1人に対して4名の非識字者を識字化しないと卒業要件を満たさないという形で,学生の民衆に対する識字活動を義務化をしていまして,こういう形でのコミュニティサービスを学生たちに求めているのです。その場所として使えないかということなのです。さらに今回,通訳を担当してくださった筑波大学で日本語教育の学位を取られたリナ先生ですけれども,彼女の職場であるカイロ大学の日本語日本文学部も,先ほど申し上げたように,教え込む教育から考える教育への転換を試みていて,リナ先生もその実践をされているのですが,この考える教育を受けた学生たちが議論する場所として使えないかということで,この施設を重視し始めたといいます。

 その後2022年,昨年ですけれどもター公民館を移設してEgyptian Kominkanとして開設することになるのですが,その前にJICAの草の根技術協力の採用になり,現在その助成で動いているわけです。現在では,若者たちのたまり場や,市民の憩いの場所,さらに子供たちの遊び場にもなってきています。さらに講座で学んでお互いに語り合い,悩みを吐露し,支え合うような活動を組織するように展開しています。

 さらには民設公民館ですので,収益を上げて経営していかなければいけないというので,収益事業をやったりしています。その中で今,日本語クラスですとか日本語翻訳事業,さらにはコミュニティサービスなどが動いてきています。中の様子はこんな感じになっていまして,皆さん,集まって,いろいろな議論をして,お互いに支え合う関係をつくっています。

 さらにこの公民館を横展開することとのかかわりでJICAから求められましたのが,地域教育コーディネーターを育成することでした。そこで,そのプログラム形成も同時並行で進めていくということで,その実習の場所としても活用予定です。このコーディネーターの育成プログラムもアインシャムス大学の教員たちと議論をして,プログラムの骨格をつくりました。初めのうちは,教えなくては駄目だと盛んに言われたのですが,今回何度か議論を重ねていくうちに,お互いが学び合うことを基本にプログラムをつくろうということで,先方の意識も変えてもらい,少しずつ履修者がお互いに教え合うことを基本にする方向で議論を今,始めているところです。

 さらにカイロ大学の日本語日本文学部の卒業生たちが,リナ先生の尽力で考える教育を受けているのですが,卒業した後,考える教育は要らないと企業から言われてしまい,言われたとおりに動いていればいいのだという圧力の中で,彼らが悩みを深めているということでしたので,お互いに支え合いながら考える教育を実践した学生たちが自分のこれからの人生の在り方を議論し,つくっていく場所に変えられないかということで,学生たちが集まり始めています。社会事業のスタートアップの場にもなっている面があります。

 あと,アニメグループがあって,彼らが自分の人生を,今までどんな悩みを抱えていたのかということを軸にアニメ風にして,公開しています。もしよろしければ,こちらのユーチューブで観られますので御覧ください。こんなことを彼ら自身がやりながら,自分の人生の在り方について考え始めているのです。

 これは,Egyptian Kominkanで地域コーディネーターの講座をやっていますので,その修了証の授与式後の写真です。皆さん,楽しそうに集まっています。若いですよね。みなさん,自発的に集まってきて,これからの自分の社会や自分の人生の在り方について考え始めているのです。これは,スタッフです。

 さらに私もうかつで,よく知らなかったのですけれども,エジプトにもある意味では米中の国際交流・国際援助のさや当てがあることを目の当たりにしました,アメリカの国際開発庁が膨大なお金を出してエジプトの小中学校のカリキュラム開発に着手しています。先ほどのアインシャムス大学教育学部長も,この総合コーディネーターとしてしばらく大学を離れると言っていましたが,そういう動きがあります。

 さらに中国は,日本でもありますけれども,孔子学院という中国の言語と思想ですとか文化を紹介する学院をエジプトの主な大学に展開をしていて,さらにエジプトでの情報系の教育に北京の情報系の大学が支援に入っているような状況がありました。さらにヨーロッパは,アインシャムス大学イノベーションハブというアントレプレナーシップを育成する場所があるのですけれども,そこにドイツの情報系の大学が支援をする形で入っていました。

日本はEDU-Port Japanの事業で,EJSと言っていますけれども,Egyptian Japanese Schoolというものを展開していて,これは現地では特活学校,特活スクール(Tokkatsu School)と呼ばれています。日本はどうしても草の根からという形になるのですが,アメリカ,中国は上からがばっと網をかぶせるようにして,開発というか支援をして,大きな流れを牛耳ろうとします。日本の援助は草の根から,しかも現地化という形で動いているかと思います。

 今回のこのEgyptian Kominkanもそうですけれども,先方の立場からすると,私に対して言っているのでどうしても少しバイアスがかかっているかと思いますけれども,日本のやり方を歓迎したいということを,盛んに聞かされました。特に,草の根から援助をして,現地化していく,そして現地の人に任せていく形でやってくれるのは,とてもありがたいとのことでした。

 さらに自由や民主主義という言葉について,あまりそういう話をするなと,渡航前には忠告されていたのですけれども,現地に行きますと,どちらかというとヨーロッパ型の自由や民主主義とか,アメリカ型の民主主義や自由という議論はしにくいけれども,言葉そのものは全く問題ないのだと言うのです。特に講演や講義の後に,盛んに質問されたのは,日本における民主主義とか自由,もっと言えば草の根で人々がお互いに支え合いながら社会をつくっていくとは一体どういうことなのかといったことに,とても強い関心があるように思いました。日本のアニメ等にも関心があるのですけれども,それも科学技術などではなくて,どちらかというと日本社会の成熟度に強い関心があるということなのです。技術とかはもう中国の方が進んでいるとみんな思っていますので,先端技術という話はほとんど出ませんでした。

 ただ,その中で日本語が先ほどブームだと言いましたのは,このことと関わっています。日本語を学ぶといったことが,実は成績のよい子が日本語を学んでこの社会の在り方を変えていくというようなイメージで受け止められているのです。そして大学に入って第二外国語を選ぶときに,アドバイザーから,あなたは成績がいいから日本語を学びなさいと言われることに関して,学生たちはすごく誇りに思う,何かそういうことになっていると,学生たちは言うのです。一面でアニメに関心があり,さらに日本社会の成熟の在り方について学ぶことに強い関心を示し,その一面で難しい日本語を学ぶことが,自分が大学から認められたのだというプライドにつながっているということで今,日本語を学ぶ学生が増えてきているのだということなのです。

 それがいいか悪いかという判断はしたくないのですが,そういうような形で日本人への強い関心を持ち始めている。その中で公民館(Egyptian Kominkan)があることで,学生たちはここに集まって,自分の人生について語り合う,そして自分の将来をつくっていくことにつながっている。そんなことがとてもありがたいし,うれしいと言っていました。その意味では,このEgyptian Kominkanに日本の公民館の原型を見るようなところもありまして,「懐かしい未来」という言葉がよく言われますけれども,そんなものに触れた感じがしていました。

 あと,宣伝ですけれども,雑誌『月刊公民館』で3月号から3回ほどの連載を予定していますので,またよろしければ御覧ください。すみません。長くなりましたが,以上です。ありがとうございました。

【清原分科会長】
 牧野副分科会長,御説明ありがとうございます。大変最新の,しかも貴重な御報告を頂きまして,私たち,生涯学習分科会ではなかなか生涯学習,社会教育をグローバルな視点で分析していくところが弱かったかもしれないので,そういう意味で,改めてエジプトでの取組から日本の生涯学習,社会教育,公民館の意義であるとか,その価値であるとかを見直させていただいた気がします。

 時間はほとんどないのですけれども,ぜひここでお一人かお二人,御質問等があればお時間をとりたいと思いますが,どなたか挙手ボタンを。関委員,お願いいたします。

【関委員】
 本当に貴重なお話,牧野先生ありがとうございました。

 今,お話の中でエジプトに公民館をつくろうとしたときに,沖縄の繁多川公民館をモデルにしたとのことでした。
具体的にどういうところがエジプトの人にとって中心課題になったのか,その辺を少しお話しいただけたらありがたいです。

【清原分科会長】
 関委員,ありがとうございました。どうぞ牧野委員,お願いします。

【牧野副分科会長】
 ありがとうございます。ギドさんの話ですと,特に常時,人がいることがまず驚きだったというのです。そこで,多世代の方が交流をしていて,沖縄も高齢化しているのですけれども,高齢の方々が孫世代と一緒になっていろいろな活動をし,楽しそうに語らい合っていることにまず驚いたと。そしてエジプトにそういう場所がないので,ぜひとも欲しいと思い始めたというのです。

 さらにアラブの春の挫折ですとか,もっと言うと民主化そのものが実は誰に対して反抗するのか,抵抗するのかといったことを失わせてしまった面があって,それで学生たち,特に若者たちが目標を失っている状況の中で,もう一度日本で公民館に集まってみんなが語らっている,そのことを参考にして,お互いに支え合う関係をつくれないかと思い始めたとおっしゃるのです。

 特に繁多川公民館ではいろいろな活動を組織しつつ,さらには講座とか何かない形でも,人々が出入りして,お互いに支え合ったり,助け合ったり,又は悩みを吐露し合ったりしつつ日常生活の問題を解決するという実践がなされていたことに,ギドさんが深い感銘を受けたと言っていました。そうしたものがエジプトにも欲しいと思って,始めたのがこのEgyptian Kominkanだということでした。よろしいでしょうか。

【清原分科会長】 
 ありがとうございます。ほかにもう1人ぐらい,いかがですか。よろしいですか。何よりも日本の公民館の取組が多世代交流であったり,あるいは子供から大人まで自分の育ちを地域の中で自由にかっ達に育まれるところが,お国柄は違ってもエジプトにも貢献ができればと思います。引き続き,牧野副分科会長におかれましてはエジプトへの御支援,御活躍よろしくお願いいたします。

 それでは続きまして,次の議題に移ります。資料の2の「第5次子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画(案)」と,資料3「企業等と連携した子供のリアルな体験活動の推進について~子供の体験活動推進に関する実務者会議論点のまとめ~」の2点について御報告を頂き,質疑を行います。

 それでは黄地課長,御説明をお願いいたします。

【黄地地域学習推進課長】
 地域学習推進課の黄地でございます。よろしくお願いいたします。私から御説明します読書活動と体験活動,それぞれ相互に結びついているものと思われますので,一括して御説明させていただければと思います。

 まず資料2を御覧いただければと思います。こちらは「子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画の概要」でございます。この趣旨でございますが,冒頭で書いてございますように平成13年度に「子どもの読書活動の推進に関する法律」が成立してございます。この法律の中で,読書活動の推進について基本的な計画をおおむね5年程度を目途に策定することになってございまして,それまで4次にわたる計画が策定され,実行してきたところでございます。

 来年度からの第5次計画の概要がこちらの資料でございます。まず,第1章で最近の読書に関する状況をまとめさせていただいております。増加している点,減少している点とそれぞれ記載してございますが,ざっくり申し上げますと増加している点として,例えばオンラインの閲覧目録の導入ですとか司書の配置する学校の割合,こうしたものは増加しているのですが,実際の取組としての貸出冊数,あるいは全国一斉の読書活動の学校の割合,こういったものは減少してございます。そういったのがデータでも読み取れます。

 左下の折れ線グラフを御覧いただければと思いますが,これは不読率の各年次の推移でございます。緑が高校生,赤が中学生,青が小学生の不読率でございます。不読率というのは1か月の間に本を1冊も読まない子供たちの割合でございますけれども,推進法が制定した平成13年度当時と比べるとかなり減ってきてはいるものの,最近は横ばいでございます。さらに言えばR4年度にかけてまた不読率が上昇している厳しい状況になってございます。

 その要因といたしましては右側にございますように,一番挙げられますのが,新型コロナウイルスの感染拡大によりまして学校とか図書館が休校,休館になってしまって,図書へのアクセスがしづらくなったことが指摘されているところでございます。一方で,その下にございますように読書量・読解力の現状を見てみますと,平成13年と令和4年比べてみますと,本を読む数は増えている状況でございます。ただ一方で先ほど申し上げましたように,不読率はかなり高止まりしていることからすると,読む子供はたくさん読むのですが,読まない子供は全く読まないような状況が見てとれるわけでございます。また,こうした読解力とOECDの学力の調査については相関関係があることが指摘されております。

 こうした点を踏まえまして,今後の方向性といたしまして2ページでございます。時間の関係もございますので簡潔に御説明させていただければと思いますが,大きく4本柱でございます。
まずは何よりも,先ほど申し上げました不読率を低減させていこうということでございます。内容につきましては,また後ほど御説明します。
2つ目の柱が,多様な子供たちの読書機会の確保ということで,不読率の低減を目指すのであれば,いろいろな子供たちのニーズに応じたような形での読書環境の整備が必要であろうという問題意識でございます。3つ目の柱としては,そうした中でデジタル化の進行を踏まえた読書環境の整備も重要ということです。4番目の柱として,子供の視点に立った読書活動の推進ということで,子供の読書に関する関心を高めていくためには,子供の視点に立った取組が必要であるということでございます。

 こうした4本柱を推進していくに当たっての推進体制の記載が,次の第3章でございます。まず,国や都道府県は広域的な側面から市町村をしっかり支援する体制を設けることになっておりますが,一方で市町村については読書活動の推進法にも記載されておるのですが,国と同様に計画策定に努めるということでございますので,こちらはしっかり作成されるように後押ししてまいりたいと考えてございます。

 第4章以降が具体的な取組でございます。読書活動の推進に当たっては家庭,地域,学校それぞれ役割分担がございますが,いずれにも共通する事項として1番目は連携協力が大事でございます。例えばこちらに太字で書いてございますように,障害のある方に対する読書環境の整備ということであれば,一つの図書館だけで対応するのではなくて横の連携が必要であろうということで,バリアフリーのコンソーシアムを立ち上げたりですとか,あるいは図書館だけではなくて日頃の地域レベルの読書活動の推進ということであれば,コミュニティ・スクールを核とした地域学校協働活動の中で読書活動を推進することも重要だと思います。また,そうした中で様々な取組があるのですが,プログラムを提供する方とプログラムを利用する方のマッチングが必要ではないかということで,そうしたポータルサイトの構築が一つ大きな目玉でございます。こちらについては,また体験活動でも御説明させていただければと思います。

 要すれば読書活動を通じて,さらに体験につないで,またその体験の成果を次の読書活動につなげていくような,いい意味での循環が期待されるところでございます。こうした中で現場での人材育成ということで,例えば司書講習とかそういったものもございますが,最近のバリアフリーの状況,ICTの状況なども踏まえて見直しすることも必要でしょうし,またできるだけ多くの方が受けやすいようにオンライン化を推進することも進めてまいりたいと考えてございます。

 次が普及啓発ということで,423日,子ども読書の日がございますのでしっかりフォーラムを開催して盛り上げるとともに,これまで大臣表彰で幼児教育の分野について対象になっていなかったので,こちらについては対象を拡大してまいりたいと思います。幼児期からの取組が極めて重要だといったような指摘が有識者会議の中でもございましたので,広げていきたいと考えてございます。

 また発達段階に応じた取組ということで,乳幼児期からの切れ目ない支援ですとか,学校種間の移行段階に着目をした取組,例えば括弧で書いておりますように入学時のオリエンテーション,例えば,学校が変わった途端に生活習慣が変わって読書週間もなくなってしまったりしないように,オリエンテーションなどをしっかりやることが必要かと思われます。

 次が,子供の読書活動への関心を高める取組ということで,例えば(2)例示で書いてございますようにビブリオバトルですとか,子ども司書ですとか様々,主体的な取組を推進するとともに,またICTの活用などもしっかり進めてまいりたいということでございます。

 次が,家庭における読書活動の習慣化に向けた取組でございます。今,家庭教育支援の一環として,家庭教育支援チームの配置促進を全国的に図っておるところでございますが,そうした中でその取組の一つとしてブックスタートや家読(うちどく)などの活動も行っていくことを促進するということでございます。

 次が4ページでございます。地域の取組でございます。先ほどの4本柱の中で,多様な子供たちの読書機会の確保ということで言えば,こちらにありますようにアクセシブルな電子書籍ですとか多言語・やさしい日本語による利用案内を図るとともにデジタル化に対応した環境整備,また子供の視点の運営として,例えば先ほどのビブリオバトルのような取組について企画段階から子供に参画していただいたりですとか,ヤングアダルトコーナーの設置をはじめとした資料の環境整備,こうしたものを促してまいりたいということでございます。また,そのためにもそれを促す仕掛けとして,今後の課題として望ましい基準の見直しの検討などをはじめとした取組を進めてまいりたいと考えております。

 パラレルでございます。学校におきましても学校図書館がございますので,今,地域の公共図書館と同じ同様の取組をしっかり進めるとともに,特に右下に書いてございます第6次学校図書館図書整備5か年計画,これは地方財政措置でございますが昨年度から走っておりますので,しっかり予算化されるように我々も促してまいりたいと思ってございます。

 また,民間ベースの取組として様々なコンクール,キャンペーンなどがございますので,例えば講演や大臣表彰などを通じて支援するとともに,子どもゆめ基金の助成も引き続きしっかり行っていくということでまとめているところでございます。現在,こちらについてはパブリックコメントをしているところでございまして,本年度中には策定する方向で現在,作業を進めているところでございます。

 続きまして,資料3の体験活動の推進についての概要でございます。こちらについては企業や各青少年団体様の実務者級の会合でいろいろ議論して,その成果をまとめたものでございます。もう皆様,御承知のとおり,子供たちの生活の多様化や,あるいは昨今のコロナの感染拡大でリアルな体験活動が極めて減少している状況の中で,一方でリアルの体験活動については非認知能力の上昇をはじめ,様々な教育効果が得られるということでございますので,しっかりこれを促してまいる必要がございますが,一方で足元の現状を見ますと,こちらの棒グラフにもございますように取組の場ですとか,あとは実際,自然体験に参加した子供の割合が減少している状況でございますので,これを何とか立て直していかないといけないことが喫緊の課題でございます。

 そのために,2ページにございますようにそれをクリアするための課題として,1ポツや2ポツにございますように体験活動の質や量をまず高めていくことが重要でございます。またそのためにも,先ほど読書活動の中でも少し申し上げましたけれども,関係者間がつながってマッチングが図れるようなポータルサイトの構築,こちらについては後ほど詳しく御説明いたします。こうした結びつけの仕組み,さらには4ポツ,5ポツにありますように体験活動を行っていただける方を増やしていかないといけないということであれば,そのためのインセンティブの仕組みの構築も大事ではないかということでございます。さらにあわせて,6ポツにありますような体験活動の有用性を積極的に広報してまいりたいと,こう考えてございます。

 そのために何をしますかということで,次の3ページを御覧いただければと思いますが,第1にポータルサイトの構築でございます。こちらについては,また後ほど仕組みを御説明いたしますが,実務者会議でいろいろお話を伺っていますと,企業さん,NPOさん,青少年団体さん,様々な方々が多様な形で体験プログラムをお考えになって地方で展開していただいているところでございますが,一方でどういう,どこのどの教育委員会や自治体にアクセスすればいいか分からないですとか,あと,やっている内容が現場のニーズを踏まえているのかどうかが少し不安だというようなお話がございました。

 また一方で,学校現場でも様々な形でやってはおるのですが,より取組の幅を広げたいけれども,どういった取組があるのか分からないようなニーズもあったところでございますので,まさにそれを結びつけるような仕掛けをつくったらどうかということで,議論を進めてきたところでございます。

 また,こうしたポータルサイトも活用しながら,体験活動を進めるに当たっての拠点整備が2ポツにあるように重要でございますし,さらには中身として,3ポツにある体験活動のプログラムの充実ですとか,4番の指導者の研修,さらには5番の周知活動,こういったものを一体的に進めていくことで盛り上げてまいりたいと思います。こうした取組を今後,来年度,再来年度,進めさせていただいて,またさらに中ほどの中期的方策にあるような形で発展させていきたいと考えてございます。

 具体的なマッチングの仕組みでございますが,4ページ御覧いただければと思います。こちらのポータルサイトを本年度中に立ち上げる方向で考えておりますが,まずプログラムの提供者の方に,この右側の赤のところを御覧いただければと思いますが,プログラムの内容に応じてどの地域でどういう期間,どういった方を対象にして,どういった内容をやるのかといったような必要な情報を登録いただきまして,まさにここでPRの場として活用していただくと。一方で左の利用者を御覧いただければと思いますが,こちらも現場でどういうニーズがあるのかをそれぞれ記載いただいた上で,ポータルサイト上で一覧して検索できるようなものを立ち上げたいと考えてございます。

 そうした中で利用者と提供者が直接,連絡を取り合ってマッチングすることもあり得るのですが,例えば下のコーディネーターのところを御覧いただくように,地域学校協働活動の取組の中で,例えば地域学校協働活動推進員の方,あるいは社会教育士の方が中に入ってコーディネートを置くことも想定されるところでございますので,こうした形で現場にとって活用しやすいものを今後しっかりつくってまいりたいと考えているところでございます。

 駆け足ではございましたが,私からの説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。

【清原分科会長】 
 黄地課長,ありがとうございます。それでは,ここでただいま御報告いただきました資料2,資料3について皆様から御質疑を頂きたいと思うのですが,時間の関係で今日は長谷川委員がお仕事でどうしても早退されるということでございまして,この2件に関することでなくても結構でございます。最後に,本日は第11期の最後の会議ということで所感を述べていただくということでございますので,長谷川委員,ぜひ一言御発言をいただければと思います。まずよろしくお願いいたします。

【長谷川委員】 
 長谷川でございます。このところ欠席しておりまして,しかもこの最終回,早退ということで申し訳ございません。

 まさに今のお話もすごく象徴的だったと思うのですけれども,全体のところから言いますと大きなテーマといたしまして,分散化されてどこかでまとめて一つのコンテンツを何か提供するのではなくて,いろいろなところでいろいろな学びがどんどん生まれていく場がどんどん必要とされるような,大きなそういった流れの中で,今日のこの読書の話につきましても体験につきましてもあるのだなというのを,全く今日の話の前提にしないところでも全体の流れがあることを感じておりまして。

 そういった中で,いかに参加する,学習をされようとされる方の主体的な学びの意識みたいなものがそこでどう獲得していくのかということがすごく重要になってくるのは,全体を通じてそこがすごく重要な論点としてある場だと感じておりまして。まさにそこは私からもデザイン,アートの話なんかも以前,話題提供でさせていただいておりますけれども,自分のアピールに引きつけますと,例えばアートというものが持つ主体性の発露みたいなことがこういった場合にすごく重要になってくるような連携もあると思っておりまして,これからの本当に日本を支える学びとして,そういった部分についてのこういった議論がされていくことがまさに重要だと思っております。

 加えまして,メタ的になっていくのですけれども,そこについて回答を求めるような,そういった教育ではないのが,先ほどの牧野先生からのお話にもそういった教育の話があったりしたのですけれども,割と全国のいろいろなところでいろいろなテーマで語る場がいっぱい生まれていくこと,そのこと自体の重要性ということも今回,私もこの委員として参加させていただいて改めて物すごく重要になっているなと感じております。

 語る場というのはなかなか,結果として語るとか,誰でも語れるじゃんとか,ハードルが低くどうしても感じてしまうところがあるので,なかなか顕在化した課題化されないところがあるかとは思うのですけれども,主体性の発露と先ほど申しましたところも,最初から自由に語れる人なんてあまりいなくて,何か語る場があってそこで最初,自分のことなんかを話したりとか,読書の話でもいいかもしれませんし,今回の体験の話でもいいかもしれませんけれども,何かそういったところが話し始めていくと,実はそこから主体性が育まれていきまして学びにつながっていくことが起きたりですとか,課題意識を共有するとこちらの方向に行かなきゃいけないのだなという,学びの自分のビジョンであるとか,社会のビジョンみたいなことも語る場ということがすごく重要になってくるのだろうなというのも,今回のこの一連の議論の中を通じて感じております。

 そこは今回の,今日のお話の後半の体験のところでも指導者の研修の話ですとか,指導者のところということで課題化されておりましたけれども,そこで従来型の何かを教えてあげる,教示する指導者ではなくて,いかにみんなが語ってくれるように,その人が何かを享受するのではなくて,割と多くの人が勝手な意見をわあわあ言い合っている場をどうつくれるかというような,地域の学びでも恐らく正解がなくて。

 参加者の今回,利用者と提供者と二項対立のような形に見えるところもあったかと思うのですけれど,そこについて各論の意見になりますと実は提供者という人も利用者という人がいろいろな人がどんどん入ってくると,実は新しい視点がどんどん自分の地域の現場であるとか,そういったところにも加わっていきまして。それによって新しいチャンスが見えていったり,新しい気づきが得られたりする形で実は提供者も何かベネフィットがある,金銭的なのか何か,そういったようなベネフィットがあるとか特典がある形ではなくて,実はそこで対話が繰り広げられて,利用者と今ここで言っているような学ぶ人が来て,その人と対話が繰り返されることで得るものがその人自身もある,学びになるような,そういった相互的に関係が得られるようなことが,学びの場をうまくつくれると恐らくそこができていって。

 このときの今,指導者と置いていますけれども,ファシリテーションをするのか,メンタリングをするのか,そういった方の役割もそこが果たしてどういう人材教育をすればそうなるのかは正にこういった場で論じなければいけないところだと思いますけれども,そういった地域にも語る場ができていくところで,更に学びが両方から,両方が学びになるような場がつくられていくことなんかが起こるのではないかと,そういった可能性を秘めたような今回の最後の御提案のところだったかと思いまして,今回の全体に通じる大変重要な提案であったかと思っております。

 すみません,私が最後の話ということで,分散された学びの場ということと,そこにおいての語られることの重要性ということが今回,私も委員をさせていただきながら重要性を改めて認識したところでもありまして,そういったところが今後の日本の広い学びの場としてより論じられていけばと考えております。

 以上となります。すみませんが途中で失礼いたします。

【清原分科会長】 
 長谷川委員,ありがとうございます。当初,具体的な事例として場のデザインについても御報告を頂いたことを,またさらに確認させていただく御発言だったと思います。感謝いたします。

 それでは資料2,資料3につきまして,まず横尾委員,どうぞ御発言ください。

【横尾委員】 
 皆様,御無沙汰しています。よろしくお願いいたします。

まず資料2,読書活動の推進についてです。私どもの多久市立図書館は大変小さいスペースでありますが,コロナ禍でも図書館利活用の工夫をすることで実際に来館者や貸出率が増えました。これは図書館運営の工夫次第だなと思っています。この秘けつは,民間の事業者の方に運営に入っていただいて工夫したので,そういった創意工夫が必要だと思いました。そういったことも含めて,今日は資料で説明いただいてありがとうございました。

 気づきを幾つか申し上げます。まず一つは,子供たちの読書の率を上げるには大人も読まなきゃいけないと思うのです。若いときに出会ったすばらしい言葉に,「最高の読書スペースはお父さんのあぐらの膝の中に座って絵本を読んでもらうことだ」があります。この言葉に出会って,確かにそうだなと思いました。そういった子供のときからの親子の読書に親しむ習慣とふれあい,そして大人も近くで学んでいる姿を見せることがとても大切と1点目に思いました。

 2つ目に,ぜひ今回の計画や今後の推進に取り入れてほしいことですが,レファレンス機能の啓発充実をしてほしいと思います。たまたま私,20代のときにカナダ留学したのですが,その際に留学生を対象に大学の説明がありました。一番感心したことのひとつは図書館の使い方を学ぶ説明が2時間ありました。特にレファレンスの活用についてです。レファレンスでの司書さんへの相談の仕方,どこの書棚に行ったらどのようなことを知れるとか,マイクロフィルムの借り方とどう操作すれば見られるかなど,図書館活用の全てを教えてくれました。こういったものを考えると,私たちの時代だけかもしれませんが不十分でした。例えば学校図書館に司書さんはいらっしゃいますが,その司書の方にどういう相談をしたらいいのかできるのか,あるいは基本的にレファレンスで総記などに行ったらどういった書籍が並んでいて,言葉から情報から今で言うデータベースを活用できるかを知るのです。今はインターネットで検索すれば,すぐに分かる時代で便利ではあるのですが,そういうレファレンスの活用,図書館の分類の活用などを的確に若いときから日常として教えてほしいなと思います。このことは,学校でも一般の図書館でもやってほしいと思います。

 それで3点目に思うことは,読むことそのものがとても大切だと思います。説明にあった読書率のことを意識しますと,確かに小学校,中学校,高校のデータを確認すると高校生の読書率が低くなっているというデータが紹介されています。しかし,これは受験勉強があるから仕方ないところもあると思うのです。受験合格に向けて記憶しなきゃいけない,テキストを読まなきゃいけない,参考書も問題集も読まなきゃいけない,空いた時間で読書といってもなかなか余裕がない訳です。だとしたら受験勉強の合間でも参考になるような読書のお勧め本リストのようなものを学校側,あるいは先生が作っていただいて,子供たちに示していただくのです。数冊ではなくて50冊から100冊ぐらいのリストを渡して,「このリストの中にみんなのためになる本があるよ」と示す。そういうことをお勧めするのも一つのきっかけになるのだと思います。

 基本はそういうことによって知的好奇心を高めていくことです。知的好奇心で知るということの出会いがあって,発見や喜びがあって,それが読書の喜びにつながると思うのです。そういうチャンスをたくさん作ってあげることがとても大事かなと思っています。

そういったことをしていけば読書率も上がるでしょうし,併せて読むという習慣を身に付けることになると思います。

 今は,SNSやデジタルでみんながスマホを使って,ほとんどの情報を断片的ですが瞬時に入手でき,非常に便利な訳です。けれども,ストーリー全体を見渡してみるとか,論理的な思考を実際に自分が一歩一歩,並行して体験して読み進んでいって自分で身につけるとか,言葉についてもより多くの語彙に出会って語彙力を高めていく。そして最終的には知ったことを分かりやすく人に伝えるプレゼン能力を身に付ける。こういったことが必要となります。その基本が読書だと思いますから,そういったものの位置づけもよろしくお願いしたいと思います。

 2つ目は,資料3の体験的学習,体験活動のことです。いろいろな職業とかいろいろな現場に行くことはもちろん意味があると思うのですが,身近なところで子供たちにやってもらったらいいなと感じるのは,例えば,おうちで家事を手伝う。弁当をつくるのを手伝う,あるいは自分でつくる,あるいはお父さんやお母さんが何か仕事的なこと,日曜大工的なことをしていたら,それを手伝うことをぜひやるようにお勧めした方がいいと思うのです。

 今はともすると,もう手伝わんでいいとなって,勉強しろということが優先されたり,部活を一生懸命やっていいよというようになっていきがちですけれど,生活,生きる力,生きる力の基本の一つの食べることを手伝う,いろいろ取り繕うこと,あるいはしつらえることを手伝う,そういったことの中から身につくとおもいます。例えば「そこのはさみやペンを取って」と言われたときに,尖(とが)った方ではなくて持ち手を相手側にして手渡すのは全く基本的なことで,おもいやりの常識でもあります。けれど,こういったことをやること一つでも相手への気遣いとか,いたわりとか,次の段取りが進むことが分かっていくと思うのです。段取りが分かるというのは大人になっても仕事を探す上でも,やる上でも,とても大事なので,そういったのも重視すべきと思います。いろいろな職業体験も重要ですけれども,より日常にできるのは,家事,おうちの中でできることでありますから,これはもうPTAも含めて学校と一緒にしていただいたらいいなと感じました。以上です。

【清原分科会長】  横尾委員,ありがとうございます。本当に重要な御指摘をしていただきました。実は議題として今後の生涯学習・社会教育の振興方策について,この後またまとめて議論をするものですから,この資料2,資料3につきましては今,挙手をしていただいております清水委員,大久保委員,そして薗田委員,そして牧野委員,この4名の方で一旦発言を終わらせていただきますので,それではまず清水委員,お願いいたします。

【清水委員】  すみません,時間がない中,お時間頂きましてありがとうございます。日本PTAの清水です。

 今ほど御報告がありました資料2,資料3,それぞれ読書活動の推進,体験活動の推進というところで,これに当たって家庭,地域,学校等が中心となり社会全体で取り組む必要があるという文言があります。まさにこの家庭,学校,地域のかけ橋になる部分でいきますと,私どもPTAの役割というのは非常に重要であると常日頃から思っております。そういったところが我々PTAとしてやれるところはしっかりと御協力をして,ここの読書活動についても,体験活動についてはまたコーディネーターという部分でも,社会教育関係団体という部分での,PTA活動した方々が様々な御活躍をされる部分にもなると思いますので,ここの部分についてもPTAの役割というのは非常に重要であると思っておりますので,よろしくお願いいたします。

 以上,御意見でございます。ありがとうございます。

【清原分科会長】  清水委員,ありがとうございます。先ほど横尾委員も大人が読むことの大切さ,そして家事を手伝うことも体験の出発点ではないかということがあり,本当にPTAの皆様の,ここは重要な出番が2つの資料で示されたと思います。

 それでは大久保委員,お願いいたします。

【大久保委員】  ありがとうございます。大久保です。私は企業と連携した体験活動について,一つ意見を言わせていただきたいと思います。

 前回も企業連携,大変重要であることを申し上げさせていただきました。今日の全体のプランを拝見して改めて感想ですけれども,企業とのコーディネートを進めていく上でとても大事にした方がいいと思っていることがあります。それは何かというと,体験活動の結果として子供にどのような気づきを得てほしいのかとか,どういうような体験の成果を期待しているのかということをはっきりさせることです。

 企業というのは目的に向かって合理的に行動する組織なので,体験活動を協力してくださいと言われてもなかなか拍車がかからなくて,そこでどういうような成果を得たいとか,こういうことが期待する成果なのですということが共有されると,企業のコミットする人が動けるのですよね。自分たちでこういうふうに何か工夫してみようとか,こんなことができるのじゃないかと,連携をうまくやっていくコツとして期待,成果を明確にすることがあるのじゃないかと思います。

 私も体験として,外からこういうことについて相談されたりとか,依頼されたりすることがあるのですけれど,実際,そこがはっきりしなくて,内容はお任せしますと言われることが大変多いですけれども,実際はそこをちゃんとコーディネーターの方が仲立をしてしっかり決められるか,調整できるかというところが大事なポイントかなと思っておりますので,そんな観点,踏まえていただくといいかなと思います。以上です。

【清原分科会長】  大久保委員,大変重要な御指摘で,民間の皆様に御活躍いただくときに目標だけではなくて成果の共有をという,本当に具体的な御提案,問題提起ありがとうございます。

 それでは薗田委員,お願いいたします。

【薗田委員】  ありがとうございます。薗田綾子です。先ほど読書のお話がありましたが,基本的には読書という場合はアニメとか漫画は含まれないかもしれません。私自身が小さい頃には偉人さんの漫画もいっぱいあって,エジソンやキューリー婦人,ナイチンゲールなど,そういうのを漫画で読んで,そこからすごく興味を持っていろいろ本を読み始めたことがありました。今も編集の仕事やレポートの仕事とかをしているのですが,たくさん本を読んだことが非常に自分の人生を豊かにしてくれたのですが,その中にかなり漫画が含まれていたのですね。

実際,弟が非常に漫画が大好きで漫画家になりたい夢があったので,手塚治虫の漫画は全て全巻,家の中にありました。母親も初めは「漫画なんかって」否定的に言ったのですが,『火の鳥』とか『ブッタ』とかを読んで,そこから人生の深い考え方や哲学みたいなものを学んだことを一生懸命,弟が説明したら,漫画も買ってもいいよということになりました。

 先ほど牧野先生のお話からも,日本のアニメが世界で非常に人気だというお話があったのですが,どんなアニメだったかというのを後でお聞きしたいです。例えば最近でしたら『ワンピース』や『鬼滅の刃』であったりとか,その中で特に『ワンピース』は友情やコミュニティやリーダーシップを学んでいく観点もあったり,あるいは『鬼滅の刃』は私も全巻読んだのですが,実際に鬼と戦っていく中で,鬼ももともとは人間だったというストーリーで非常に人間性の深いところを描いています。漫画にも非常に深い何か部分があるので,読書の導入部分として漫画とかアニメとか,良書であれば推薦をしていくみたいなことがあってもいいかもしれません。子供たちもそこで興味を持って,いろいろなもっと優れた良書を読んでいく展開もできるのではと思いましたので,ぜひそういうことも御検討いただければと思いました。ありがとうございました。

【清原分科会長】  薗田委員,ありがとうございます。黄地課長,確認ですが,このような読書調査の場合には対象に漫画というのは入っていないですね?

【黄地地域学習推進課長】  そうですね。不読率の調査の中では活字の媒体でございます。ただ一方で,先ほどの資料の1ページの右下に読書量・読解力の現状という中にOECDで調査をしたのを少し紹介させていただいているのですが,ここの読解力の平均得点は高得点のグループに位置しているという中で,ここの読解力は実際OECDがやっている調査ですが,その相関を見た際の読書の内容としては漫画やフィクションなども含んでございますので,そうした意味においてOECDの中でも一定の意義づけが与えられている整理でございます。

【清原分科会長】  薗田委員,そういうことでございまして,確かに書店に行きますとね,『まんが日本の歴史』とか『世界の歴史』という,もうすごい量をお子さんのために買っていく保護者もいますし,あるいはドラえもんの算数の本というのはかなり分かりやすいようなこともありまして,いろいろな意味で漫画を含むどんな形であれ,本を読むということがこういうような影響があることも確かめられているということです。貴重な御意見だと思います。

 それでは,このコーナー最後です。牧野委員,お願いいたします。

【牧野副分科会長】  ありがとうございます。時間ない中,恐縮です。実は次の社会教育の振興方策とも関わってくると思うのですけれども,私も幾つかの自治体でこの読書活動ですとか体験活動の委員会にも出ているのですが,実は昨日,私の付き合いがある不登校の子たち,小学生ですけれど,よく研究室に遊びに来るのですが,その子たちと話をしていて,ふと感じたことが,この読書も体験活動もですが,子供たちがある意味,孤立をしているというのか,そうしたことがなかなか,例えば読書量が増えないですとか,本に親しんでいくことができないようにさせていると感じることがあるのです。

 例えばSNSですと,彼らはすごく接していて,毎日膨大な量の活字を読んでいるのです。ただ,彼らはそれについて何と言うかというと,消費しているのだけれども,信頼はしていない,ということなのです。ですから,SNSで膨大な量のいろいろな情報を読んでいて,それを使っていろいろな話をし,私もたまに頭に来るぐらいこちらの言っているロジックをどんどん切り替えていって,小学生の子たちもいろいろな話をするのですけれども,ほとんど信じていないのだというのです。ただ使えるようにはなっていて,消費をしているだけなのです。

 彼らに言わせると,日頃接している情報については,何を信用していいか分からない,基本的には全部疑ってかかっているのです。その意味では信頼できる大人から,きっちりとした情報を得ることが本当は欲しいのだと言うのです。しかも,それはSNS上の情報ではなくて,図鑑ですとか,編集者の目を経た文章ですとか,そうしたものなのです。専門家や信頼できる大人が目を通した文章を信用する傾向がとても強いことを感じています。このことについては,また社会教育の振興方策では申し上げたいと思いますけれども,今,社会全体で一人ひとりが孤立してしまっている,しかもSNSですとか,いろいろな情報のネットワークは広がっていて,人々がつながっているのだけれども,実は孤独である,こういうことを意味しているのではないかと思います。こういう状況を何とかしていかなければいけないのではないでしょうか。

 その意味ではつながり方の在り方ですとか,そうしたことをもう一度考えておかないと,読書の話ですとか体験活動といったことにも展開していかないのではないかという印象を持ちました。

 以上です。後から申し上げたいと思います。お願いいたします。

【清原分科会長】 
 ありがとうございます。読書についても体験活動についても,子供たち,大人が生きることにどのように良い方向で関わっていくかが重要だということが皆様の御意見から確認されたと思います。

 私,今,地元の小学校で朝の時間の読み聞かせのボランティアというのをさせていただいていて,今年度は1年生,3年生,6年生にたった10分,15分ですが読み聞かせをさせていただくと物すごく良い反応です。その絵本は読んだよとか,まだ読んでいないよとか,読み方が上手だったとか,もっと思い切り声を出してもいいよとか,いろいろな感想があるのですが,中にはこれがきっかけで,読み聞かせを聴いたのだけれど今度は自分で読んでみたい,この作者のほかの作品を読んでみたいということで,学校図書室などに行く行動につながっていると聞いてとてもうれしく思いました。

 ですから,きっかけにしかすぎないのです,大人ができることというのが。先ほど出ました主体的にどう動いていくかが,読書や体験活動の中で,子供にも大人にも大事なポイントなのかなと受け止めているところです。

 それでは皆様,ありがとうございました。ここで次の議題1に入りたいと思います。前回の生涯学習分科会で皆様に御審議いただいた今後の生涯学習・社会教育の振興方策の重点事項及び具体策の案について,資料を御準備いただいております。この間,キックオフをさせていただいたものに,さらに資料41,資料42を作成していただいておりますので,事務局からまとめて御説明を頂いた後,また質疑応答,意見交換を行いたいと思います。

 それでは神山課長,御説明をお願いいたします。

【神山生涯学習推進課長】 
 では,資料4142を御説明させていただきます。細かい修正点も御説明しますが,一番大きく変わっているのは資料42の各ページの下段にスケジュールを入れているところが一番大きく変わっておりますので,そこを重点的に御覧いただければと思っております。

 資料の41から,主な修正点について御説明をいたします。2ページ目を御覧いただきたいと思います。もう一つ先,2ページ目を御覧いただくと,左上の生活を支えるリテラシーの向上のところの中の一番下のところに,学び合いを支援することを追加しておりまして,前回,大久保委員からも集まってやることの大事さですとか,松本委員からも共助的なものの大事さ,宮城委員からも同様の趣旨の御指摘がありましたので,学び合いという言葉を,ここだけではなくて何か所か追加をしてございます。また,下でも②のところで,ウェルビーイングのお話の中で健康も大事だという御指摘も内田委員から頂きましたので,「健康」を追加してございます。

 次のページに関しましては,右下の下から2つ目の吹き出しのところにPTAですとか子ども会についても追加をさせていただいてございます。その次のページは左の重点事項の3のところの用語の適正化を幾つか行ってございます。

 その次のページ,5ページ目に関しましては,左上の人材ネットワークについて「構築」と書いておったのですが,「展開」についても文字を追加をしてございます。また(3)についても字句の修正をしたり,PTAや子ども会などを追加したりしてございます。また,右下の横断的事項の中の2つ目の白丸において,国の行政組織ですとか仮名の変更なども含めて国側の体制整備にも言及をいたしてございます。

 その次のページでございますけれども,こちらにおきましては真ん中の一番下のところで「マナパス」という大学の学習の検索サイトがございますが,それとの関係についてより趣旨が明確になるように書かせていただいてございます。また右側の下,地域と学校等の連携の協働の推進ということで「等」を追加し,書き方も幅広い地域住民が地域でつながる機会を提供できるようにということで,前回,松本委員からこども園の話ですとか,萩原委員からも男女共同参画センターなどの御指摘もございましたが,スペースの関係もございまして「等」ですとか,趣旨が明確になるような修正をいたしてございます。

 その次の7ページ目でございますけれども,左側の課題の4のところでは前回,「リアルに集まれる」というような書き方をしていましたけれども,集まることに関してリアルに限る必要もなかろうということで「リアル」という言葉を削除したりしてございますし,右の重点事項の(2)のところには,社会教育関係団体についても追記をしてございます。

 その次,8ページ目でございますけれども,8ページ目は右の重点事項の(2)の中に,最初の地域住民による公民館運営への参画のところは,手引の作成などということでより具体的な書き方にしてございます。また,重点事項の(3)の中の2つ目の白丸は追加をしてございまして,子供や若者の社会教育への参加促進も重要であろうということで一つ追加をしてございます。以上が41でございます。

 続きまして,資料の42でございます。1ページ目を御覧いただきますと,下に矢印表といいましょうか,工程表を追加しています。各ページにこの工程表を追加しておりまして,この点が一番大きな修正になってございます。令和5年と令和6年を重点期間ということでより具体的に書かせていただいて,令和7年度以降はそれらを踏まえてさらに進めていくような形になってございます。

 また,青字になっているところがございますが,この青字といいますか,青い矢印になっているところが生涯学習分科会などでさらに議論いただくところと考えてございます。このページに関しましては社会教育人材のネットワークの構築でございますので,令和5年度にネットワーク化の手法について調査・検討し,令和6年度から実際に構築をしたり展開をしたりするということで考えておりますし,社会教育主事の講習などにおける修了証書の在り方については,生涯学習分科会でもワーキンググループなどで御議論いただきたいと考えています。

 次のページ,2ページ目が社会教育主事などの講習や研修などの充実ということで,下の矢印表を御覧いただきますとブルーのところで,現代的課題やその他機関との連携などについては生涯学習分科会やワーキングなどで御検討いただくわけですが,その上にありますように各実施機関などでの検討・対応などができる部分については,そちらを進めていただくと。また研修などのオンデマンドについても,できるところから進めていくということでございます。

 次の3ページ目でございますが,こちらが社会教育分野での人材確保ということでございますので,下の矢印表を御覧いただきますと,まずは社会教育主事の配置状況などを分析した上でその具体的な働きかけをしていく中身ですとか,具体策の2のところでは公民館への配置ですとか,推進員などへの登用などを進めていくことにしてございます。

 続きまして4ページ目でございますが,こちらは教育委員会以外の地域振興分野などでの人材確保ということで,首長部局さんとの連携がメインになってまいりますが,制度の周知ですとか講習の受講推奨などをしたり,ネットワークが出来上がったらそれを活用したりということで書かせていただいてございます。

 続きまして,5ページ目でございます。こちらが講習の受講機会を拡大するということで,オンライン化などについて書いてございます。これについては具体策の1,一番上のところで前回,オンライン化ですとか,デジタル化といったことを強く書き過ぎていた面があったかという御指摘もございましたので,講師や受講者の間での双方向性の確保にも配慮することですとか,オンライン化ももちろん進めてはまいりますけれども,オンラインだけに全部していくような趣旨ではないことが分かりやすいように修正をしてございます。

 また具体対策の②のところでは,今日の御議論にもありましたけれども企業との連携なども重要だということで,文字のところでは企業やNPOでの受講希望者のニーズにも応えていくことをより明確にしてございます。それらについて下の工程表の中で書かせていただいております。御覧いただければと思います。

 続きまして,6ページ目でございます。こちらが人材の関係の横断的な事項ということで,下の工程表を御覧いただきますとブルーのところ,生涯学習分科会において社会教育人材,社会教育主事と社会教育士の関係なども含め御議論いただくということでブルーの矢印を入れてございますし,支援に関しましては下から2つ目の矢印にあります社会教育マイスターといったものを検討し,展開していくということで進めていきたいと考えてございます。

 その次,7ページ目でございますが,ここから施設関係になってございまして,他の行政機関や部局との連携ということでございます。これも下の工程表を御覧いただきますと,首長部局の連携ということに加えまして,PFIなどの施設に関する連携についても進めていくということで矢印を入れさせていただいております。

 続いて,8ページ目に関しましては,1つ目の具体策のところで,手引の話などより具体的な書き方に,趣旨が明確になるような書き方をしたり,公民館の基準の改定などにも触れるような修正をしてございます。それを下の工程表の中でも書かせていただいて,優良事例の展開ですとか,その手引の作成といったものを書くのに加えまして,営利活動などについての優良事例についても周知をしたり法解釈を周知したりと,さらに一番下では人材や資金などの活用事例などもその優良事例の周知などをしていきたいと考えてございます。

 続いて,9ページ目でございます。こちらが地域づくりの主導でございまして,こちらに関しましては具体策の2つ目のところで,部活動との地域連携などについての記載ぶりを部活動の議論に合わせて記載ぶりを修正してございます。また矢印表に関しましては,こちらも推進員などの活用ですとか,優良事例の展開をしていきたいということで書かせていただいております。

 続いて10ページでございますが,10ページと11ページが学びと実践の場としての機能強化ということで,それぞれの項目を書かせていただいておりますが,2つ目のところで,子供や若者の社会教育の参加促進というのは,先ほど申し上げたように新しく追加をさせていただいたと,子供や若者に注目したものを項目として追加をさせていただいてございます。進め具合に関しましては,下の矢印表を御覧いただければと思います。

 続いて,11ページでございます。こちらも学びと実践の場としての機能強化ですが,主に施設のデジタル化ですとかデジタルリテラシー向上などについて触れておりまして,下の矢印表にもございますように財源確保策も含めた施設のデジタル化についての横展開ですとか,リテラシーに関しましてはデジタル庁,総務省,文科省なども連携をしてデジタルのリテラシーの向上に努めていくということで矢印表を作ってございます。

 最後,12ページでございますが,こちらが施設関係の横断的な事項になってございまして,矢印表の2つ目のかたまりが優良公民館の表彰について書いておりまして,特に重点分野などを明示しながらその取組を展開していくような形にさせていただいてございます。

 私からは以上でございます。

【清原分科会長】 
 神山課長,ありがとうございます。前回御議論いただきました今後の生涯学習・社会教育に関する振興方策重点事項及び具体策の案について,皆様の御意見を反映するとともに,藤江総合教育政策局長の奨励のもと,工程表というのをとにかく検討していただいたところが今回の資料の画期的なところではないかなと思います。1130分ぐらいまでを目安に,皆様から現時点で御質問あるいは御意見ありましたら,ぜひ御発言をお願いしたいと思います。また,いつものように挙手ボタンを押してください。

 それでは横尾委員,お願いいたします。

【横尾委員】 
 続けての発言で申し訳ございません。ぜひ取り入れてほしいなというのはデジタルのことなのです。なぜかと申しますと,マイナンバーカードの普及もあって,いよいよ健康保険証としての活用から,様々なデジタル化が推進されていくようになります。今後,マイナポータルの活用がもっともっと進んでいくと思います。子供たちはGIGAスクールで学び,どんどんこういった分野に馴染(なじ)んでいきます。

 そうなると大人の方がしっかり馴染(なじ)まないとギャップが生まれてしまいますので,この中に幾つか説明がありましたが,デジタル教育,例えば公民館でのデジタル入門講座とかをはじめとして,そういったものをぜひ進めてほしいと思っています。以前にお話ししたように,デンマークでは社会教育団体,社会団体が実はそういった役割を大きく担ってデジタルガバナンスを進めていると聞きましたので,ぜひお願いしたいと思います。

 もう一つは防災のことです。防災災害対策本部をやりながら実際思うことは,避難所の運営についても,状況に応じてではありますが,そこに来た人たちがみんなで協力して,役割分担できるぐらいのことを日常的にやっていたらいいなと思うのです。そういった意味でも,地域づくり,公民館を核とした地域のネットワークづくりがとても大切だと思っています。

 最後に一つです。たくさんありますが省略してもう一つだけ。それは,社会教育士と社会教育主事さんたちのことです。ぜひ今後は仕掛け人になるような熱意と工夫と,どんどん活動をやってほしいなと思うのです。自らもどんどん大きく活躍されると思いますが,周りにいろいろな大人の人がいらっしゃいます。例えば,ある分野の講師クラスの人もいらっしゃるでしょう。そういった方を学びのチューターにするとかもあっていいでしょう。あるいはアシストできる人材をどんどん引っ張ってきて,ネットワークを張って,地域の新しいソリューションをつくるでもいいと思うのです。そういったプロデューサーとか,仕掛け人,そういった役割を担われたら,社会教育士や社会教育指導主事の皆さんはもっともっと活躍できるし,地域の方も大いに喜ばれると思いますのでよろしくお願いしたいと思います。以上です。

【清原分科会長】 
 横尾委員,ありがとうございます。DX時代の社会教育の在り方,そして社会教育主事,社会教育士等の専門性について御提案いただきました。

 それでは金子委員,お願いいたします。

【金子委員】 
 自動車総連の金子です。遅参したことをおわび申し上げます。

 第11期は本日が最後ということですので,まずはこの間の議論の取りまとめを頂いて,今後の生涯学習,社会教育の振興方策について本当に分かりやすくまとめていただいたことに感謝申し上げたいと思います。ありがとうございました。

 私から,これまでも地域と教育との連関性について発言させていただいておりまして,私自身,この教育において地域との連携は欠かせないものだと思いますし,またその地域にとっても人,そして教育というものが欠かせない,一連不可分のものではないかと思っておりますので,そういった観点でぜひこれからも御検討いただければと思っています。

 御提案いただいた資料で2点だけ発言して終わりたいと思います。1点目は資料41の重点事項案の2ページ目の右上に,地域づくりを支える社会教育の実現と表したところがあります。ここに記載のとおり,地域の共同活動だとかコミュニティ・スクールという点,あとは高等教育で言えば地域連携プラットフォームだとかリカレント教育のプラットフォームというのがあったと思うのですが,こうしたことと地域の学びと実践プラットフォームというものがそれぞれの活動領域はありますが,学びを通じた地域の活性化という意味では同じ観点の取組であると思っていますので,ぜひとも学びのプラットフォームとして密に連携して取り組んでいただければと思います。

 そしてもう1点は,資料429ページ目にあります具体案の⑤学校部活動の地域連携や,地域クラブ活動への移行に関する取組という項目を盛り込んでいただいたことには大変感謝申し上げたいと思います。今期は予算の関係もあると思いますので,優良事例の収集と横展開というところまでで表現がとどまっていると理解するのですが,ぜひとも来期12期以降の議論としては,受皿としての議論をぜひ進めていただければと思っています。

 また事務局におかれましては,しっかりと予算を確保できるように頑張っていただいて,資料12の社会教育施設の記載にもあるように老朽化,又は規模が縮小されつつある施設の更新や拡充,さらには社会教育活動の充実化に向けて,スピード感を持って取組を進めていただければと思っております。こうした学校の働き方改革だとか,社会教育の振興の双方にとって今,まさに最大のチャンスだと思いますし,これを逃すと次,いつチャンスが来るか分からないのかなとも思いますので,ぜひともさらなる推進をお願いし,発言とさせていただきます。ありがとうございます。

【清原分科会長】 
 金子委員,ありがとうございます。地域社会の重要性,特に地域の学びと実践プラットフォームがより充実したものになるようにという観点から御発言いただきました。ありがとうございます。

 それでは辻委員,お願いいたします。

【辻委員】 
 ありがとうございました。私は人材というところに関わってだけお話をしたいと思います。社会教育士というものが生まれて今,それをNPOの方や,あるいは企業の方が社会教育をやりたいということで受講したいと思っても,まだ十分にできていない状況があると思いますので,それを拡充してほしいことがございますけれども,それともう一つ,大変心配しておりますのは,NPOの方あるいは企業の方というのは環境の問題にしても,あるいは格差社会の解消という問題にしても最先端で働いておられると思うのですね。そういう方が社会教育についての知見も得たと,一方で社会教育主事というのは社会教育を行う者を指導助言しなきゃいけないというわけですが,これほど最先端のことをやっている社会教育士の方々に,社会教育主事はどう指導助言ができるのか。これがうまくいかないと,公務員バッシングというのは物すごい勢いで起きるような気がしております。

 したがいまして,次期にはこの社会教育主事というものが自治体の中,教育委員会の中にいて,どういう技術でもってNPOで勤めている社会教育士を応援していくのかを真剣に考えていただきたいと思っております。以上です。

【清原分科会長】 
 辻委員ありがとうございます。このことについては私もそうですし,牧野副分科会長もそうです。事務局との打合せの中で大変重要なテーマとして受け止めておりまして,具体的に工程表などにもありますが社会教育主事,そして社会教育士の在り方,それぞれの関係の在り方,また研修や,あるいは交流や活躍していただく際の支援の在り方など,本当に重点的に丁寧に検討していくことが重要だと思っております。本当に今,具体的な例を含めて問題意識を共有させていただきます。どうもありがとうございます。

 それでは,このコーナー最後になるかと思います。牧野副分科会長,御発言をお願いします。

【牧野副分科会長】 
 もうほかに委員の方はいらっしゃらないでしょうか。遠慮していたのですけれど,よろしいでしょうか。

【清原分科会長】 
 どうぞ。

【牧野副分科会長】 
 ありがとうございます。新しい社会教育の振興方策ということで出されてきて,私たちが議論したことをうまくまとめてくださっていると思います。ありがとうございます。

 その上で,先ほど申し上げたこととも関わってくるのですが,例えば今回,「学びと実践のプラットフォーム」ということになっているのですけれども,例えば少し前に厚労省が「出会いと学びのプラットフォーム」をつくると言い始めていて,それらは地域共生社会づくりにつなげるという議論なのです。あと,随分前にもお話をしましたけれども,例えば総務省もですし,それから今,厚労省,それから例えば農水までが社会教育や公民館を使って新しい地域社会づくりをしていこうという動きが強くなってくる中で,社会教育とは一体何なのかが問われてきているのだろうと思います。

 そのことの中で,「出会いと学び」ではなくて「学びと実践のプラットフォーム」という場合に,例えば厚労省は今後,認知症の方が増えていくこともあって,地域社会でその方々を支えるような環境をつくらなければいけないというので,学びとか出会いを組織して人間関係を耕しておくという議論をするわけですけれども,それと社会教育とはどう違うのか,又は同じなのかということが問われているのだと思います。それに関わって,長くなるかもしれませんけれども,私が思うのが今まで社会基盤としての社会教育ということを申し上げてきたのですが,もう少し言うと,例えば社会の信頼とか信用といったものをつくる,あるいは基盤づくりとしての社会教育というような議論にしていかなければいけないのではないかと思います。

 それはなぜかといいますと,例えばこれも実はここのところ,高校生や中学生たちとよく話をするのですが,ニュースになっていました回転ずしの事件,しょう油ぺろなめ事件というか,あの事件ですが,あれを彼らは,炎上狙いの,やっている人はばかだという話をするのですけれども,「それだけではないよね」ってみんな言うのです。どういうことかと言いますと,「誰でもやれてしまうよね」と言うのです。それに対して,やれてもやらないのが社会の信用の,ちゃんとした社会の,ある意味ではシステムを動かしていくことの基本になるのじゃないの,って話をすると,「え,信用しているのですか」って言われるのです。

 簡単に言えば,「私たちもそのシステムを信用していないし,向こうも我々を信用しているのですか」と問い返されているということなのです。ある意味ではしっかりした社会基盤としての信用とか信頼ができないまま,自分たちも顧客として,安く食べる者として,社会システムの中に組み込まれてしまっているのじゃないか,と彼らは言いたいのだろうと思うのです。

 そういうことの中でああいう事件が起こると,例えば公になってしまうだけで何億円というような損失が起こる,だけれども公にならなければ何億円という損失にならないぐらいのシステムの中に,我々も巻き込まれているのだよね,ということを彼らは言いたいのではないかと思うのです。

 その意味ではもう少し,彼らが例えば社会システムをきっちりと信頼感を持って運用できるようにするにはどうしたらいいのかといったことも,考えなければいけなくなっているのではないかと思うのです。私たち大人が,この社会では人々を全部システム化して巻き込んで,勝手に動いていくのだけれども,この信頼という点,信頼とはどう形成されるものなのかという点を見落としてきたのではないかと思います。

 その意味では,社会教育のやる仕事としては,社会基盤ということの中に,社会に対する信頼であったり信用であったりといったことを,どう組み込んで,きっちりとお互い信頼感を持って生きられるようにするのかを問わなければいけなくなっている。例えば戦後の公民館づくりの中で寺中構想が出て,寺中の右腕として活躍した鈴木健次郎が社会教育というのは社会の地下水脈だと言っていたのですが,そのことの意味を問い返さなければいけなくなっているのではないかと思うのです。

 そうしたことが,先ほどの報告の中の2つ目の社会教育人材ということにおいて,社会教育主事や社会教育士といったものが一体どんな役割を果たすのかということともかかわっているように思います。先ほど辻委員が,社会の先端を行っている社会教育士に対して,社会教育主事が指導できるのかとおっしゃったのですけれども,それは環境問題ですとか,様々な問題に関しては,社会教育士の方々はそれぞれの専門においては先端なのかもしれませんけれども,例えば社会の信頼関係をどうつくっていくかですとか,また人間関係をどうするか,又は学びとは一体何なのかといったことを,きっちりとお互いに問いながら活動や学びの実践を組織していくこと,このことにおいては,社会教育主事がそれを担う役割があるのだという議論にしておくことが必要ではないかなと思います。そのことも含めてこのプラットフォームの在り方について,今後,第12期でも検討できればと思っております。以上です。

【清原分科会長】 
 ありがとうございます。大変重要な御指摘だと思います。私は,この第11期の議論の整理をする際,山内委員にも教えてくださいとして御発言いただいて,「デジタル・シチズンシップ」という概念も組み込ませていただきました。デジタル化,DX化の時代の中において,私たち一人ひとりが改めて社会の,先ほど牧野委員が言われた信頼でありますとか,あるいは望ましい市民性ですとか,倫理でありますとか,そういうことについて地域社会の中で社会教育等を通じて考えて構築していくと,そういうことの重要性が高まっているのではないかなとも思います。

 皆様に,本日は議題や報告が多いものですから,時間の制約をしているようで誠に恐縮ですが,後ほどお一人おひとりに発言をしていただきたいと思いますので,その際にこの議題の部分についても含めて御発言をいただければと思います。

 それでは,ここで議題の2に移らせていただきます。資料5,高等学校卒業程度認定試験における新科目「情報」に係るアンケート等の結果についてです。それでは,神山課長からまず御説明をお願いいたします。

【神山生涯学習推進課長】 
 それでは資料の5の,まず一番最後の参考になっているところを御覧いただきながら,この高等学校卒業程度認定試験について簡単に御説明させていただきたいと思います。

 この試験,高卒認定試験などと申しますが,昔,大検だったもので様々な理由で高校を卒業できなかったような方々が大学入学資格を得るために受けたりするというものでございます。左下にございますように年2回,8月と11月ぐらいにやっておりまして,2回合わせますと約2万人程度が受験をして8,000人程度が合格をするような形になってございます。

 右上にございます表にありますように,科目はいろいろあるのですけれど,教科としては6教科ございまして,国語,数学,外国語,地理歴史と公民と理科となってございますが,今回の話はこれに情報を追加することについてアンケートを行ったものでございます。

 それでは資料の1ページ目に戻っていただきますと,上は概要ですので1ページ目の下半分を御覧いただきますと,この高卒認定試験,先ほど言った6教科になっておりますのは平成16年に中教審でも議論いただきまして,受験教科を精選したり,ペーパー試験に必ずしもなじまないものは減らしていくということで,今,6教科になっておると。したがいまして,平成15年から高校の学習指導要領で情報が必修にはなっておるのですけれども,現時点では高卒認定試験には入っていない状況でございます。

 ただ,一方で情報化が進展する中で,引き続き新学習指導要領においても情報1は必修科目とされてございますし,令和7年度から大学入学共通テストで情報が新設されるような動きがございましたことを踏まえまして,高卒認定試験についても情報を追加することについてアンケートを実施したものでございます。

 次のページは関係団体,高校の校長会ですとか大学や企業とかの関係団体に対してアンケートをした結果になってございまして,これらの団体からは枠囲みにございますように肯定的な回答,実施した方がよい,若しくはどちらかというと実施した方がよいという肯定的な回答を頂いてございます。趣旨としては,情報化が進展していることを踏まえると情報が必要だ,ですとか,あるいは配慮すべきと考えられることとして,十分な周知期間が必要だといったことを御指摘いただいてございます。

 次の3ページ目を御覧いただきますと,こちらは教育委員会に聞いたアンケート結果になってございます。これも肯定的な意見は65%ぐらいあります。右下にあるのが,肯定的な回答をした方々がそう回答した理由については,情報は必要だといったことですとか,必修科目であることが挙げられてございます。

 次のページは,どちらかというと実施しない方がよいと答えた方々に理由を聞いたところ,受験生の負担になることですとか,出願者の半数は20歳以上で,多様な年代の人がいることを考慮する必要があることを御指摘いただいてございます。右側の棒グラフを御覧いただくと,配慮すべき事項として周知期間が十分に必要だといったことに加え,サンプル問題のようなものを事前に公表してはどうかといったこと,あるいは難易度についても適切に設定する必要があることを指摘されてございます。

 続いて,5ページ目でございます。こちらは,高卒認定試験の出願を実際にしている方々にアンケートのような形で聞いたものでございまして,左下のグラフにございますように,準備期間としてはどのぐらい必要かと聞いた中では半年程度が半分ぐらいということで一番多かったということになってございますし,右下ではサンプル問題について必要というのが6割強,さらにあれば参考にするのも合わせますと9割という形になってございます。

 こうした状況を踏まえまして,今回こちらに御報告をさせていただいて,特段御異論がないようであれば情報を新設するということで,サンプル問題などの準備もございますので,あるいは省令を改正したりということがございますので,そうした準備を進めながら令和8年度には実施をしていくような方向で準備を進めていきたいと考えてございます。以上でございます。

【清原分科会長】 
 神山課長,ありがとうございます。今,御説明いただきましたように令和8年度から高卒認定試験における新科目に,「情報」の追加の方向性等を事務局は考えているようでございますが,そのためにもアンケートということは極めて重要な手続でございまして,その結果について皆様に御報告をしたところでございます。

 それでは,ここで質疑がございましたら御遠慮なく挙手していただければと思います。横井委員どうぞ。

【横尾委員】
  すみません,前回最初で。ステップパスポートとして,情報化の知識は基本的にこれから必要になっていくと思っています。そういった意味でまず思うことは,セキュリティやリテラシーの教育ということを含めて,ぜひ設けてやっていった方がいいと思います。そのことによって様々なトラブルの回避も可能になると思います。

 2点目に大切なのは,分かりやすいテキストや副読本を作ってほしいと思っています。副教材ですね。なぜかというと,多世代の方が受験されると思うのです。例えば高校時代,そういうことを学んでいない方も資格を取るためにやりたいと,そのために分かりやすいテキストが必要と思います。できるならばこのテキストや副教材は一般販売できるようなレベルで作っていただいたら,より多くの方々の啓発にもなるのではないかと改めて思っています。

 そしてテストの位置づけです。ほかの科目もあるのですけれども,情報化については落とすためのテストではなくて,広く啓発して国民のデジタルリテラシーレベルを上げるような,それを促し誘うような,そういった位置づけでお願いしたいなと感じています。以上です。

【清原分科会長】 
 ありがとうございます。ほかに御質問,御意見のある方いらっしゃいませんか。よろしいでしょうか。

 それでは皆様,事務局としてはサンプルの問題なども作成することを含めて,高等学校卒業程度認定試験に関して「情報」について含める方向で準備をすることについて,特段の御異論はないでしょうか。よろしいでしょうか。皆様,うなずいていただいております。

 それでは,ぜひこのアンケートの結果を尊重し,横尾委員が言われましたようにこれから大変重要な科目になっていくと思いますので,高等学校卒業程度認定試験に対して必要な対応を引き続き進めていただければとお願いをいたします。

 それでは,本日予定の議事は終了いたしましたが,今回が第11期の生涯学習分科会としては最後の会議となりますので,第11期の審議に積極的に御参画いただきました委員の皆様,お一人おひとりから今期を振り返っての御感想,あるいは第12期に向けた御提案などについて御発言を頂きたいと思います。今1140分で,予定の時間までは20分しかないですけれども,皆さん12分程度になりますが,お一人ずつ御発言をいただければと思います。名簿の順番で私から指名をさせていただきます。

 まず内田委員,いらっしゃいますか。内田委員,御発言よろしくお願いいたします。

【内田委員】 
 ありがとうございます。この11期の中央教育審議会のこちらの分科会で,本当に委員の先生方のコメントから多くのことを学ばせていただくことができまして,感謝いたします。特に本日の議論の中で,公民館や社会教育主事の役割ということが明確になっていったのは非常に大きなステップだったのではなかろうかと思っています。特に私は今期,恐らくウェルビーイングということに関する観点からのコントリビューションが求められていたかなと認識をしていまして,地域の中でウェルビーイングを育むのは一体何だろうかということを私自身のこれまでの研究の蓄積や,あるいはこれまでのいろいろな先生方の知見なども参考にしながら考えてまいりました。

 地域活動について,居場所という場所としての重要性と,様々な形で情報や教育の機会を得る場であるということ,そして自己効能感にもつながるような学びの実現の場であるようなことが,議論の中でも打ち出されていったのではないかと思います。小さな子供から高齢の方まで幅広く多様な人たちが,自分自身にも何かできることがあるのだということを見つけることができる場として,地域の様々なプラットフォームが機能していくとよいのではないかなと思っております。

 そのためには様々な連携活動というのが今後必要になっていくだろうと思います。ぜひ12期においては今まで議論の中にも十分あったことだとは思うのですけれども,学校や,保育の現場であるとか公民館,博物館,図書館,美術館,様々な公共的な場所というものがうまく連携ができて,それぞれ協力し合いながらウェルビーイングという方向性に向かって進んでいけるような,そして一つの方向性はあるけれども,多様な人たちが多様な関わりの中で自分の選択肢をもって参加できるといいなということも感じた次第です。

 地域への関わり方というのはルールや,こうではないといけないということがあるわけではなくて,恐らくいろいろな立場の人がいろいろな形で関わっていけることが魅力となるとよいのではないかと思います。それを束ねる方向性,羅針盤みたいなものは必要だけれども,その中にいろいろな人の意見が出てくることの豊かさみたいなことが醸成できると,とてもいいのではないかなと思いました。12期ではぜひ多様性ということについて議論を続けていただけるとありがたいなと思いました。清原先生をはじめとして,様々な先生方にいろいろな形で引っ張っていただき,支えていただき,本当にいい機会になったと思います。ありがとうございました。

【清原分科会長】 
 内田委員,ありがとうございます。特に第11期の「議論の整理」の副題は「全ての人のウェルビーイングを実現する,ともに学び支え合う生涯学習,社会教育に向けて」とさせていただく上での御貢献に,感謝いたします。

 それでは清水委員,お願いいたします。

【清水委員】 
 まずはこの11期,大変お世話になりました。ありがとうございました。私は日本PTAというPTAの立場という部分で,全国の800人弱いる一般の会員さんを含め,そのPTAの代表という部分での参加を意識して参加をさせていただいておりました。特にこの生涯学習分科会においては,コミュニティ・スクール,コミスクのところについていろいろと御意見をさせていただきました。たくさん内容を取り込んでいただきましてありがとうございました。

 少し宣伝といいますか,少し派生する部分になりますけれども,以前,この分科会の中で私たち日本PTAPTAの一般の会員の皆様向けにコミスクという部分がまだまだ浸透,全国的にしていないところもありまして,分かりやすく動画を作成し,広くそれを展開したいということで,一昨年と昨年に関していろいろと動画を作成しました。そして今年ですけれども,このコミュニティ・スクールの第2弾としまして,また別のコミュニティ・スクールの今の取組の最新の情報等々を含めた動画をまた作ろうということで今,準備をしているところでございます。

 また,ここのところについての情報提供をまた改めて文科省の皆様方に御相談したいところもございますので,また改めてそのことについては別途御相談をさせていただきますので,どうか御協力のほどお願いしたいと思っております。

 本当にこの11期,2年弱というところではありましたが,清原先生含めたくさんの皆様方の貴重な大変勉強になる御意見をたくさん聞きました。また,それを踏まえて12期のまた次のメンバーの皆様方にも有意義な議論が活発に進みますことを祈念し,御礼を合わせまして私の意見とさせていただきます。本当に11期,大変お世話になりました。ありがとうございました。

【清原分科会長】 
 ありがとうございます。社会教育団体としてのPTAが,学校と社会教育を本当につないでいただいていると思います。ありがとうございます。

 中野委員,お願いいたします。

【中野委員】 
 中野でございます。岡山県の浅口市,人口33,000の小さな町ですけれども,そこからの参加で11期のこの議論に参加させていただいたわけですが,この地方の教育行政の実態をしっかり話をさせていただきながら,皆さんの意見も聞かせていただき,私の意見として述べさせていただきたいという思いでありました。計画の中にそういったことが少しでも盛り込んでいただいたことをうれしく思っております。

 私としては,子供を中心に据えることで地域がつながると,そして多世帯が語りあうことで地域課題が解決していくのだというその可能性というものが見えてきたというか,そういったことを感じることができたなと思います。特にコミュニティ・スクールと地域学校協働活動の一体化というものを進めているのですけれども,そういったところで社会に開かれた教育課程,これをつくっていくときに,その中に子供たちも入って対話したり,熟議したりしているという活動をしています。それが地域の方にも影響を与えていい教育課程をつくることができていっているかなということを思います。子供を大切にしながら進めていくこと,必要性があると思います。

 最後議論がありました地方にもいろいろな施策があるのですけれども,その施策を成功させる鍵,これに社会教育が基盤となることが必要だということをもう本当に強く感じましたので,今後も社会教育をしっかり進めていく必要性を感じているところです。大変お世話になり,ありがとうございました。

【清原分科会長】 
 中野委員,地方教育行政の立場からありがとうございます。

 それでは萩原委員,お願いいたします。

【萩原委員】 
 ありがとうございます。私は国立女性教育会館の理事長としてジェンダーの視点,あるいは日本NPOセンターの代表理事としてはNPOの視点ということで今回,発言をさせていただきました。それらが計画の中に盛り込まれましたことを大変うれしく思っています。さらにこの辺を充実させていただければなと思っています。

 今回11期の中で,全体,今日のお話も聞きながら感じたことは,地域社会における多様な学びを促していく,行動,アクションにつなげていく,あるいはモチベーションを上げていくための人材,人,組織の重要性,それらがつながっていく,そのつなぐためのノットワークというか,結び目をつくる人たちの重要性というのを改めて実感したところです。そして学びの多様性というものを,何と言うのですか,実行させていくためには一人一人に寄り添っていく,多様性とインクルージョン,多様性と包摂の中に今,エクイティという言葉が入り始めていて,一人一人に寄り添っていく,そういったものが結果としてウェルビーイングなものにつながっていくのではないかなということを思いました。

 あと第12期,次期に向けてはこの社会教育であるとか,あるいは社会教育を支える人たち一人一人が最近よく言われるヒューマイインフラストラクチャー,人の暮らしや生き方,そういったものを支える基盤として非常に重要なものになってきているというか,もともとそうですけれど,その辺りをもう少し明確化していくというか,それが必要なのではないかなと思っておりますので,この視点を次期にぜひ議論していただければなと思っております。本当にありがとうございました。

【清原分科会長】 
 ありがとうございます。社会教育の基盤性を引き継いで明確にしていきましょう。

 それでは大久保委員,お願いいたします。

【大久保委員】 
 ありがとうございます。大久保です。私も12期に向けて気になっているところをお話させていただこうと思うのですが,私は職業能力開発が専門でございますので,その観点から生涯学習の議論をさせていただいていたわけですが,ここ数年,ずっと人生100年時代で学び見直しということが継続的なテーマになってきたと思うのですけれど,そういう中で本当に生涯学習は前に進んだのだろうかとか,あるいは学習した,学んだことって報われているのだろうかということが結構気になり続けています。

 例が適当かどうか分からないですけれど,例えば労働市場の問題で言うと,一生懸命学び直しをして学習をして,例えば何か資格を取っても,就職しようと思ったら全然,就職には役に立たないというか,そもそも資格を持っていても経験を持っていないと採用されないということで,学習したのはいいのだけれど全然報われないようなことを嘆いている人たちっていっぱいいるのですよね。

 経験がなくて,採用されなかったら経験する機会もないわけで,そこでとまってしまうのですけれど,翻ってみたときにもう1回ふと学習というものを,学習すること,そして学んだことを活用したりとか発揮したり生かしたりすることと,それを何か自分なりの人生なりの目的とか結果につなげていくと,そういうそのプロセスで学習行動というのをしっかり見てみることが大事じゃないかなと最近思い続けています。

 企業活動でいくと,あまりプロセスを見ずに最終的に成果だけを見て,成果主義で評価をすることが進んだりとか,つまり途中の経過をブラックボックスにしてしまうのですけれど,あるいは持っている学習によって得たスキル,能力を見ようというときも,どちらかというと面接重視なものですからヒューマンスキルに偏っていて,ちゃんと全体を見ていないことがあったりとか,何かメカニズムがうまく機能していないような社会構造になっていて,その結果,学習というのは報われないとか,うまく前に進まないと,そういう要素があるのじゃないかなと,その課題ということを少しでも解決できるような議論ができないかなと,そんなことを最近は思っております。

 以上でございます。ありがとうございました。

【清原分科会長】 
 ありがとうございます。学び直しもプロセスで見ていくということだと思います。

 それでは金子委員,お願いいたします。

【金子委員】 
 ありがとうございます。先ほど,こういう場があるとは知らずに少しそれに関連したことを申し上げましたけれども,私自身は令和3年の途中からこの議論に参画させていただきました。連合の副会長であり,自動車総連という労働組合,産別組織の代表ということで働く者,生活者の代表という立場で,必ずしもそういう視点での発言ではなかったところもあったかもしれませんが,そういう立場で参加をさせていただきました。

 教育というものが単なる教育現場だけにとどまらず,今回のこの生涯学習のように広い意味での空間の広がりだったり,時間軸の中で最大化をしていく教育,人材育成の最大化をしていく論議に参画できたことで自分にとっても非常にいい経験をさせていただいたなと思っております。

 この後は,ぜひこうしたせっかくいい設計図まで作り上げましたので,具現化をしていくことにさらに注力をしていっていただければなと思いますし,もし引き続き関わることがあれば私自身も引き続きサポートというか,尽力してまいりたいと思っているところです。

 1点だけ心残りは,なかなかウェブでこういうふうにお忙しい中,時間とって会議に参加できるんですけれども,1回ぐらいみんな面着で同じ空間に集うことも非常に教育にとっては大事かなと思いましたので,今回それができなかったことが心残りになっておりまして,ぜひ12期はそういったことも検討の一つに入れていただければと思います。今期,お世話なりました。ありがとうございました。

【清原分科会長】 
 ありがとうございます。働く者の立場からの御意見です。

 横尾委員,名簿順で発言をしていただいているのですが,御公務の関係がありましたらここで少しでも御発言いただけますか。横尾委員,一言どうぞお先に。

【横尾委員】 
 ありがとうございました。今回,基本的なコンセプトとして,ウェルビーイングをテーマに取り上げていただいたことはとてもよかったと思っています。今後とも大変必要なコンセプトですし,これから一人一人が充実するのは大切だと思っていますので,大変ありがたいと思っています。次回のことを考える中では,この深掘りを進めることが一つです。

もう一つは,デジタル社会が今後とも進んでいきますので,そういったもののリテラシーとか,どうアシストするかということは,老若男女を問わず,特に子供たちのみならず一般の男性,女性,年配の皆さんをはじめとして,とても必要なことなので,そういったことも加味しながら推進するというのが必要かなと思っています。そしてそれぞれの方が地域社会のソリューションに参画できるような,そういう生涯学習社会もできたらいいなと期待をしています。以上です。

【清原分科会長】 
 ありがとうございます。お時間がおありであればどうぞ,退席していただいて大丈夫です。ありがとうございました。

 それでは澤野委員,お願いいたします。

【澤野委員】 
 聖心女子大学の澤野です。第10期に引き続いて11期,参加させていただきまして,皆様と大変充実したディスカッションができて,また様々なことを勉強させていただいて本当にありがたかったです。

 私は生涯学習政策の国際比較研究を長年してきた立場で参加させていただいておりまして,特に今年度は大学が研修年でしたので,スウェーデンに拠点を置いてヨーロッパ,EUの生涯学習のアフターコロナの生涯学習事情を視察したり,アジアとヨーロッパのASEMという対話の場があるのですけれど,そのライフロングラーニング・ハブの研究のコーディネートなどもしていた1年の中でこちらに参加させていただいていました。

 その意味で,今日の牧野先生のお話なども外からの視点や比較の視点があると,また日本の生涯学習の特色がさらによく浮き彫りになって分かるようなこともありますし,なかなかコロナ等,また引き続きこのウクライナの危機などもあって海外渡航など行き来が難しい状況がまだ続いているのですけれども,ぜひそういったグローバルな視点にも関心を持ちながら議論を進めていっていただけるとありがたいかと思いました。

 その点,第11期の「議論の整理」の中で,欄外では注記のところで北欧のことなどが書かれていたことは,私の研究仲間の人たちはいち早く見つけてくださって評価が高かったところです。

 ヨーロッパやアジアでは今,生涯学習というとどうしても雇用政策中心の中に埋め込まれていると思うのですけれども,今回,ウェルビーイングの実現ということがキーワードに入ったことで,50年以上前から生涯学習というとLearning to beLearning to haveよりもLearning to be,何か資格とか学歴のための学びだけではなくて人間として生きるための学びが大事という視点があって,それをユネスコが言ったところ,日本はそれを学んで取り入れてきたのが今の在り方だと思いますし,その中で社会教育が中心的な役割を担っています。社会教育と特に親和性が高い部分がLearning to beではないかと思います。

 公民館という施設,場があることで,人々が集まって学び合う,対話ができるというのがまさに日本型の参加型民主主義の基盤にもなっているのではないかと思いますので,社会教育について今後も議論を深めていくところはよろしいかと思うのですが,その一方で生涯学習の概念と社会教育の位置づけが「議論の整理」をもう一度見直してみても,一般の人には分かりにくいところではないかと思うのですね。グローバルでは今,ナショナルな資格枠組みみたいなものをつくって,生涯にわたって自分が今どこを学んでいるのか,将来,何を学べばいいのかというのが一目で分かるような表をつくったりするようなことが一般化してきているので,日本はまだその点がなかなか進まないのですけれども,近隣の国々,韓国とかASEANの国々などは,みなそういうレファレンスがあり,フォーマル,ノンフォーマル,インフォーマルな学びを包括したものが生涯学習で,その中で社会教育はどの位置にあるのか,学校教育は,ライフロングだけではなくて横の広がりがどう重要なのか,連携していくこととか自分で選ぶこと,人生のあらゆる段階で主体的に選ぶことが重要なのだという,そういうところも視点として,今後,全体としては社会教育を議論するにしても,必ずそこのレファレンスをしていただきたいなと思います。ありがとうございます。

【清原分科会長】 
 ありがとうございます。スウェーデンからも参加していただき,オンラインのメリットだったと思います。

 さて,まだ7人ほど委員の皆様のお声を聞きたいのですが,もう12時を過ぎてしまいましたが,延長しても大丈夫でしょうか。お仕事が重なっていらっしゃる方でぜひ先にと言われる方,いらっしゃいましたら御遠慮なく挙手ボタンを押していただければと思いますが,名簿順でよろしいでしょうかね。

 お言葉に甘えまして,次は関委員でございます。よろしくお願いいたします。

【関委員】
  ありがとうございます。本当にこの11期の皆さん方と一緒に学ばせていただいたこと,感謝申し上げたいと思います。私は社会教育をずっと続けてきたのですけれども,今回のこの学びの中で気づいたことは,これまで経済の発展,振興といった観点からあまり生涯学習を捉えてきていなかった人間だったなということでした。リカレント教育であったり,リスキリング教育であったり,そういった領域は,公的な社会教育の中で今まで取り組んでいなかった領域だったことを教えられました。

 それと社会教育士という制度がスタートして,今これだけたくさんの方が社会教育士の仲間になってくれています。そういった人がこれからどうやって社会の中で活躍していくことができるのか,その仕組みを今後さらに議論していかなければならないのではと思っております。これから先の生涯学習の未来に向けて,社会教育士がこのまま消えてしまうことがないよう,いろいろな支援策を作っていくべきだと思っております。

 そして,ウェルビーイングの視点も再認識させていただきました。これまで,社会教育というものは個人の幸せにとどまらず,みんなの幸せ,それを大切にして頑張ってきた領域ではないかなということもいつも感じておりました。これまでの積み重ねを大事にしながら,みんなが自信を持って,これからも取り組んでいけるような仕組みができたらいいと思います。

 あと,プラットフォームというとき,場をつくって,それを維持していくことが大事だと感じています。自由に,思いに共感する人がつながる機能が求められていると思います。まさに公民館はそんな存在だったと思うのですが,割と現在はその感覚は後方に退いている気がします。この頃,いろいろなところで,様々な居場所,サードプレイスがたくさん増えてきていますけれども,そういった場に集まることによってお互いの創発が生まれていくような,そういう文化を大事にしていくことが大切なのかなというのを今回教えていただきました。本当に11期の皆さん方,ありがとうございました。

【清原分科会長】 
 関委員,ありがとうございます。教育振興基本計画の部会でも積極的に御発言いただいたことが,計画の中に明確に「社会教育」という言葉が含まれたということにもあると思います。御貢献に感謝します。

 それでは薗田委員,お願いいたします。

【薗田委員】
 ありがとうございます。今回皆様のお話をいろいろ聞かせ頂いて,本当に多彩な方々ばかりですばらしい奥行きのあるお話だったので,私自身とても勉強させていただいて本当に感謝しております。どうもありがとうございました。

私が今回入れていただいたのは,多分バックキャスティングであったり,企業との連携,ESGSDGsなどのアドバイスやコンサルティングをしているので,最後の発言としてはバックキャスティングという考え方をぜひ入れていただければと思います。ぜひ,2050年のウェルビーイングな日本の在り方,その中でのリカレント教育はどうあるべきなのかと,そういう議論が次回にできるとすごくいいと思います。

カーボンニュートラルという目標はあるのですが,環境面だけなので人間がどうよりよく生きているか,それが私の人生の命題でもありますので,ぜひそういう議論ができればいいなと思います。

あともう一つ,アイデア的ですが,社会教育士の普及のところで実際,今,エコ検定という仕組みがあって東京商工会がやっています。エコピープル認定された人たちが今,58万人受けたうち35万人もいます。認定取得を推進しているのが企業で,企業では,バックキャスティングやSDGsをビジネスで捉えていく中でこれをどんどん取っていくという流れがあります。特に履歴書の中にもこういったエコ検定を明記することも多く,これからはこの社会教育士や社会教育主事というのが履歴書でも非常に効果的になればと思います。

それからもう一つCOP15モントリオールで生物多様性の会議がありましたが,これから企業も生物多様性をしっかり取り組んでいかなければESG評価から外されてしまうこともありますので,どんどん自然体験教育や生物多様性の教育に力を入れていくことも有効です。企業と連携したプラットフォームをつくられるということも有効です。例えば,森永製菓さんがリトルエンジェルという社会貢献活動の中で無人島での自然体験を小学生向けに行っています。また,サントリーの水育や住友林業の森づくり体験など,そういった取り組みの輪をどんどん広げていくことができれば,さらに大人も子供と一緒に自己肯定感の高い人材が育成できるのではと思いました。

ぜひそういったことも進めていただければと思います。本当に仲間に入れていただいてありがとうございました。

【清原分科会長】 
 ありがとうございます。民間企業との関係の中で,例えば社会教育士というのもまだまだ本当に広がりを持てる可能性を次期に伝えていきたいと思います。

 では辻委員,お願いいたします。

【辻委員】
  大変お世話になりました。私は障害のある方だとか,あるいは高校中退,ひきこもり,そういうような人たちが社会に参加をしていく上で生涯学習が必要ではないかということでお話をさせていただきました。とりわけ,学校の中で随分傷ついているという問題がありますので,どうしても学校から社会への移行期というのが大変大事だと思っております。

 そうしますと,どうしても生涯学習ですけれども,中年高齢者というよりも若者,とりわけ初等中等教育局との連携や高等教育局と連携をしていただかないと,学校から社会への移行というのはなかなか難しいかなと。総合教育政策として,ぜひこれから,それぞれの局間の壁は高いのだと思いますけれども,ぜひ連携をとって事業を進めていただければと思っております。私はもう本当にその1ワンポイントだけでずっとお話をしてきましたけれども,委員の皆様からコミュニティ・スクールのことだとか,デジタル変革のことだとか,ウェルビーイングのことだとか,大変私があまり意識していないようなことを教えていただきまして,誠にありがとうございます。

【清原分科会長】 
 辻委員,ありがとうございます。総合教育政策局は各局の壁を取っ払って全体としての教育計画や政策を考える局なので,大丈夫だと私は思います。

 それでは宮城委員,お願いいたします。

【宮城委員】 
 こんにちは。お世話になりました。毎回,沖縄からオンラインで参加していて,そしてすばらしい専門家の皆様に少し気後れしながら参加させて,学ばせていただきました。本日のエジプト,ター公民館の事例などは本当に,何ていうか,外から見た日本の公民館,社会教育をまた改めて見詰め直すすばらしい機会,示唆に富んだお話だったなと思っております。

 実は私もター公民館,少し関わらせていただいているのでその中でお話しさせていただくと,ター公民館,5つのコンセプトがありまして,どう学ぶ,つなぐ,協力,実現というキーワードを持って取り組んでいます。公民館,日本の公民館の集う,学ぶ,結ぶというものがよく言われるのですけれども,この協力,実現というものを入れ込んだのは先ほどから名前が出ているギドさんの強い思いがあります。

 というのは逆に言うと,この日本の公民館の可能性を感じて,それを取り入れたいと思いながらも,この協力,実現という部分がまだ弱いのではないかということでエジプトの中で改めて強調して入れたということがあります。今回第11期の御議論の中で学びのプラットフォームというものが出てきました。これが協力,実現していくための具体的な取組,すごく推進力を持つものなのかなと感じております。

 そういったときに,プラットフォームをどのように生かしていくかを考えると社会教育,生涯学習を実践するコーディネーターの役割というのは非常に重要だなと思うところです。またそのコーディネーター,恐らく社会教育士や社会教育主事の方々が中心になっていくのだろうと思いますが,実際私,公民館の現場にいながら感じることとしては,こういう充実したすばらしい議論をしていたとしても,生涯学習分科会ですね。現場に落とし込んで実践していくまでには時間がかかるし,そこにうまく伝わっていないところがあるかもしれないなんていうことも感じております。今現在,第9期で議論されたようなことというのは非常に浸透していっているような気はするのですけれども,それが実際,公民館とか社会教育の現場で腹落ちして実践しているところがどれだけあるだろうかというと,まだまだなのかなというのが肌感覚では思っているところです。

 そういった中で今回,振興方策の中で工程表が示されたのは非常に有意義だったように感じています。この工程表にのっとった中でそれぞれコーディネーターを担う人材がいかに学びを継続してアップデートしていくのか,それを現場にどう落とし込んでいくのかということ,次期に第12期に期待したいなと。

 また改めて現場でいろいろな学びを得ることができたので,現場に対して実践者としていい事例を発信できればと。

【清原分科会長】 
 宮城委員,ありがとうございます。沖縄での実践から私たちも学んできました。これからも発信していただければと思います。

 それでは山内委員,お願いいたします。

【山内委員】 
 皆様,大変お世話になりました。ありがとうございました。私の専門に近いところで言いますと,デジタル社会への対応について十分議論ができまして,一定の方向性が答申等にも反映されたのはとてもよかったと思っておりますし,インフラでもその上の活動でも今後,財源確保が必要になってくると思いますので,今後の展開をぜひよろしくお願いいたします。

 今期は十分議論できなかったかと思う点ですが,こういうデジタル社会の対応というのはどんどん内容をアップデートしていかなければならないことです。皆様もお聞きになっているかとは思うのですけれど,最近は生成AIというのが出てきまして,絵とか文章とか自然な形で対話ができるようなものが出てきたのですね。それで私,今,横であれですが,この日本の生涯学習はどのようにすれば発展できるでしょうかというのを代表的なサービス,チャットGPTに聞いていたのです。チャットに今,回答を貼りつけたのですけれど,見ていただくと,ほぼ大学生のレポートぐらいのものが,生成されているのが分かるかと思います。

 多分来年になるともう一般の検索エンジンとかで統合されてしまうので,普通の人がこういうものを使い始めるのですね。そうすると多分,情報リテラシーとか図書館とか,いろいろなものに影響を与えるだろうと。こういう何か技術がぽんとできて,かつ,それが社会的に受容するまで多分10年とか20年とかいろいろ議論が起きるのがこのデジタルリテラシー系の議論の特徴で,今回SNSとかスマートフォンみたいな話が出たと思いますが,あれも技術の登場からまだ20年たっていないのです。このような変化に対するアップデートに関しては引き続き議論していただくのがよろしいかなと思いました。私からは以上です。

【清原分科会長】 
 山内委員,大変重要な御指摘ありがとうございます。私たちの人生の中でこれほどICTの技術革新が集中する20年,30年を生きている人類は少ないのではないかなと思いますので,いろいろな意味でアップデートを続けたいこともお伝えしたいと思います。

 それでは牧野委員,お願いします。

【牧野副分科会長】 
 皆さん,どうもお世話になりました。どうもありがとうございました。

 私,違う観点からお話ができればと思ったのですけれども,実はおととい,あるシンポジウムで養老孟司先生と御一緒させていただいて,養老先生からあれこれ,いろいろなお話を伺ったのですが,実は去年の夏に『サイレント・アース』という本が出されたのですね。昆虫が減っていると。デイヴ・グールソンという人の本ですけれど,1989年から2016年まで27年間で罠にかかる昆虫の重さですけれども,それが76%減っていると。このままいってしまうと,地球というのはサイレント・アースというか,静かなものになってしまうのではないかという啓発をされているのです。実はその60年前にレイチェル・カーソンがサイレント・スプリング,つまり『沈黙の春』という本を書いていて,DDTという農薬の恐ろしさを訴えたのです。それを養老先生は受けながら今年2023年,100年前は何だったかというと実は関東大震災の年で,なかなか日本というのは社会が変わらないのだけれども,ある日,何か大きな災害が起こるとがらっと変わる,空気が変わる,とおっしゃるのです。

 先生のお仲間の方々がおっしゃるのは,2038年に大震災が来ると言われているので,それに備えた方が良いという話を,養老先生がされたのです。それに対して私の意見を求められたので,「いや,養老先生,責任をとってくださいよ」という話をしたのです。私もとらなければいけませんと。なんでかと言いますと,私が生まれたのが1960年で,実はレイチェル・カーソンの著作が出たのがそのすぐ後で,私は公害問題の,ある意味で犠牲者というか,小児ぜんそくを患っていて大変な思いをしてきたことがあるのです。そういうことの中で備えよということもあるのだけれども,今の大人たちがこの社会をつくってしまっていて,未来に対して責任を負えるのかを問わなければいけないのではないかということを少し申し上げたのです。

 そうしたら君は変わり者だねと言われたのですが,変わり者の先生に変わり者と言われたので光栄だと思うのですけれども,先生は,そういうこと,つまり次の大きな変革に備えよとおっしゃる。だから,ある意味,養老先生は子供たちと一緒に虫取りをしているのだということになるわけですけれども,実は社会教育は関東大震災の少し前ですけれども,1919年に文部省普通学務局四課というのができて,21年に社会教育課に変わっていて,ちょうど今年でほぼ100年なのです。その2年後に関東大震災が起こり,帝都復興の過程で,世界恐慌に襲われて,戦争へとなだれ込んでいく。こういう歴史的な経緯を受けて,大人がいまの状況をどう受け止めていくのかが問われているのではないか。

 レイチェル・カーソンは実はその著作の中で,子供たちのセンス・オブ・ワンダーという話をしていて,この社会というのは効率性だとか,利益といったことを基本に,子供たちのセンス・オブ・ワンダーを抑圧してきたのではないか。それが今のこの状況が招いてしまっている,と指摘するのです。では,子どもは放っておけばよいのかというとそうではなくて,大人がちゃんとそれを受け止めて,それでいいのだよ,大丈夫なのだよという関係の中で,子供たちが自由にセンス・オブ・ワンダーを発揮できるような状況をつくっておかないと,子供はセンス・オブ・ワンダーを発揮できず,結果的に社会が壊れる,自然も壊してしまうと訴えていたはずなのです。

 その意味で私たちがそれをもう一度受け止めて,この社会の在り方について,未来に対して責任がとれるのかを自分に問い返しながら,この生涯学習ですとか社会教育の在り方を考えていかなければいけないのではないかと思うのです。それをぜひとも第12期で,それぞれの具体的な施策が出てくることになると思いますので,私たち一人ひとりが,子供たちに責任がとれるのかという問いを胸に抱きながら,少しでも議論できればと思っています。

 第11期,副分科会長でしたけれども,何もできずに皆さんに助けていただくばかりで,とても内心,つらいものがあるのですけれども,いろいろお世話になりました。またこれからもどうぞよろしくお願いします。どうもありがとうございました。

【清原分科会長】
 牧野委員,ありがとうございます。私たちにとって何のために,どういう思いで生涯学習,社会教育を考えていくかの大切さを改めて確認させていただきました。

 それでは私からも一言申し上げます。私は生涯学習分科会長という大役を初めて務めさせていただきまして,牧野副分科会長はじめ,委員の皆様と本当に率直で多様な御意見を受け止めさせていただきながら,昨年8月に「第11期中央教育審議会生涯学習分科会における議論の整理」をまとめさせていただきました。
そうしましたら,藤江総合教育政策局長を中心に生涯学習推進課,地域学習推進課の皆様が本日の資料41,資料42に凝縮されている今後の生涯学習・社会教育の振興方策の(重点事項)(案),具体策案を,工程表を含んで,この時点において作ってくださったわけです。

 私たちは絵に描いた餅を描いていては現場の皆様のお役には立てないわけで,どう具体的に方向性を政策に変え,そして具体的な支援に変え,皆様も異口同音におっしゃった財源を確保して現場の国民市民の皆様のお役に立てるかということが大事だと思います。その一歩が第11期の最後にあたり,時間不足で恐縮でしたが議論できましたし,それをバトンとして第12期にお渡しをして,少なくとも現場感覚から離れないで,人々に激動する社会の中で生きる力を支える,そうした社会教育,生涯学習をつくり上げていくことにつながればと心から願っています。

 皆様とは本当にこの2年間,リアルで全員そろうことはなかったわけでございますけれども,オンラインを通じて私なりに皆様の真情を受け止めさせていただいてきて,本当に温かい気持ちでこの分科会を運営することができました。皆様のその情熱と行動力を引き続き,それぞれの現場で生かしていただくことを願っています。ここで御就任以来,もう一貫して私たちのそばにいてくださった藤江総合教育政策局長からも一言いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

【藤江総合教育政策局長】 
 ありがとうございます。改めまして,総合教育政策局長の藤江でございます。本日は第11期の生涯学習分科会の最後ということでございますので,御礼の御挨拶をさせていただきます。

 まずは,この約2年にわたりまして毎回精力的に御審議いただきました委員の皆様方に心から御礼申し上げます。私は最後の半年ほど御一緒させていただいたのですけれども,幅広い観点から社会教育,あるいは生涯学習,どうしていくかについての熱のこもった御議論を頂いて施策の方向性について示していただくとともに,私自身も今日のデジタルのお話ですとか,グローバルな話もそうですけれども大変勉強になりましたし,元気や勇気を頂いたと思っているところです。

 特に今期は昨年8月に分科会長,それから副分科会長をはじめとして委員の皆様方にこの議論の整理をお取りまとめいただいたということで,ウェルビーイングを実現する,ともに学び支え合う生涯学習,社会教育という大きな方向性とともに,多岐にわたる内容をお示しいただきました。その後は今,分科会長からもお話しいただきましたけれども,それを絵に描いた餅にせずしっかりと実現していくためということで,より具体的な今後の生涯学習,社会教育の振興方策についても御議論いただいたところです。

 本日も貴重な御意見を多数頂きましたので,こうした御審議も踏まえまして委員の先生方,あるいは現場の関係者の皆様方,そしてさらには地域の方々から見ても実現に向けた歩みが始まったなと実感していただけるように,できるところから早期に取り組んでまいりたいと考えております。また,社会教育人材をはじめとした制度に関わる部分につきましては,来期の生涯学習分科会での専門的な御審議も頂きながら必要な見直しなど,さらに取組を進めさせていただきたいと思っております。

 引き続き生涯学習・社会教育の振興を図るよう,御指摘いただいたような縦割りにはならないよう,省内もとより関係省庁ともしっかり連携しながら一層努力してまいりたいと思っております。大変充実した御議論を頂いた分科会の委員の皆様方に改めて心から感謝申し上げ,今後とも御指導賜りますことをお願いして私からの御礼の御挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。

【清原分科会長】 
 藤江局長,大変心のこもった御挨拶をありがとうございます。それでは皆様,第11期の会議は延長することが多くてすみません。この頃は少し順調かなと思ったのですが今日は何と26分もオーバーしてしまいましたが,皆様お一人おひとりにお言葉を頂きたくて,御理解を頂いて延長をさせていただいたことに感謝いたします。

 それでは,本日の生涯学習分科会はこれにて閉会いたします。第123回,123と並ぶ会でございましたので,これから皆さん,123と次なる歩みに向けて歩き出しましょう。そして,いずれかのときにまた必ずお目にかかれることがあると思います。どうぞ皆様,お健やかにお過ごしください。それでは長時間の御審議,誠にありがとうございました。本日はこれで閉会いたします。

 

―― 了 ――

お問合せ先

総合教育政策局生涯学習推進課

電話番号:03-5253-4111(内線3273,2972)
メールアドレス:syo-bun@mext.go.jp

(総合教育政策局生涯学習推進課)