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生涯学習分科会(第87回) 議事録

1.日時

平成29年8月23日(水曜日) 15時~17時

2.場所

文部科学省 15F 特別会議室(東館15階)

3.議題

  1. 社会教育主事養成の見直しに関する基本的な考え方について
  2. 検定事業者による自己評価・情報公開・第三者評価ガイドラインについて
  3. 第3期教育振興基本計画に関する審議経過報告に向けた議論の状況について
  4. その他

4.議事録

【明石分科会長】
 定刻になりましたので,ただいまから中央教育審議会生涯学習分科会第87回を開催いたします。本日はお忙しいところ集まっていただきまして,誠にありがとうございます。
 本日は,まず事務局から議題(1)についての説明の後,御意見を頂きたいと思います。お手元の式次第にありますように,議題(2)について報告を受けた後,議題(3)におきまして,第3期教育振興基本計画に関する審議経過報告に向けた議論の状況について御審議を頂きたいと思っております。
 なお,本日,報道関係者より,会議の全体について撮影・録音を行いたい旨の申出があり,許可しておりますので,御承知おきください。
 また,今回,第9期分科会に初めて御出席いただく委員の方を紹介したいと思います。
 清國祐二委員でございます。

【清國委員】
 清國でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

【明石分科会長】
 議事に入る前に,文部科学省で人事異動がありましたので,事務方から御紹介いただけますか。

【高見生涯学習推進課課長補佐】
 事務局に人事異動がございましたので,新たに参りました職員を御紹介いたします。
 藤野サイバーセキュリティ・政策評価審議官でございます。

【藤野サイバーセキュリティ・政策評価審議官】
 藤野でございます。よろしくお願いします。

【高見生涯学習推進課課長補佐】
 鈴木文部科学戦略官です。

【鈴木文部科学戦略官】
 鈴木でございます。よろしくお願いいたします。

【高見生涯学習推進課課長補佐】
 廣野専修学校教育振興室長です。

【廣野専修学校教育振興室長】
 廣野でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

【高見生涯学習推進課課長補佐】
 以上です。

【明石分科会長】
 次に,配付資料の確認を事務方よりお願いいたします。

【高見生涯学習推進課課長補佐】
 配付資料につきましては,議事次第,座席表のほか,議事次第にございますとおり,資料1-1から3-3となっております。過不足等ございましたら,事務局にお申し付けください。
 以上です。

【明石分科会長】
 それでは,早速議事に入りたいと思います。
 まず,議題(1)「社会教育主事養成の見直しに関する基本的な考え方について」であります。社会教育主事養成の見直しにつきましては,平成25年9月の中央教育審議会生涯学習分科会ワーキンググループの「審議の整理」における提言を受けまして,その具体化に向けた検討を事務局で行ってきたものでございます。事務局から御説明をお願いいたします。
 では,石丸社会教育官,お願いします。

【石丸社会教育官】
 御説明を申し上げます。
 まず初めに,社会教育主事の養成の見直しにつきましては,平成25年に生涯学習分科会のワーキンググループより御提言を頂きました後,その具体化に向けた検討に時間を要しましたことをおわび申し上げます。事務局におきましては,昨年の12月から今年の1月に掛けまして,全国の都道府県,政令指定都市,そして社会教育主事講習を実施いただいている大学や,社会教育主事の養成課程をお持ちの大学に意見聴取を行いまして,本年3月でございますけれども,お手元の資料1-2にございますとおり,社会教育主事養成等の改善・充実に関する検討会を設けまして,具体化に向けた検討を進めてきたところでございます。
 お手元の資料1-2の17ページを御覧いただければ幸いでございますけれども,本件につきましては,本生涯学習分科会の委員でもございます清國先生に取りまとめを頂きましたことに,この場をおかりして御礼を申し上げたく存じます。ありがとうございます。
 資料1-2が今回の見直し案でございますけれども,時間が限られてございますので,資料1-1に基づきまして見直し案のポイントについて御説明を申し上げたく存じます。
 資料1-1の1ページ目をおめくりいただければ幸いでございます。社会教育主事につきましては,その役割といたしまして,これまでも中教審の答申で御提言を頂きましたとおり,教育委員会における自前主義からネットワーク行政への転換ということが言われている中で,社会教育主事におきましても,NPOや企業など多様な主体と連携していくことや,福祉,環境やまちづくりといった様々な分野の関係者と連携していくことが求められているところでございます。
 また,社会教育主事につきましては,これまでも地域の住民の皆様の学習を支援してきたわけでございますけれども,学習支援にとどまらず,その成果というものを人づくりや地域づくりにつなげていくことも期待されているところでございます。今回の見直し案につきましては,そうした社会教育主事に期待される役割というものを踏まえた上で,必要な養成の見直しを行ったところでございます。
 先生方御高承のとおり,社会教育主事の養成につきましては,上野にございます社研,社会教育実践研究センターと全国の12大学で,40日程度の日程で行ってございます社会教育主事講習と,大学で4年間を掛けまして養成していただいております社会教育主事養成課程の2通りのパターンがございます。それぞれについて,改善点について御報告を申し上げたく存じます。
 まず,社会教育主事講習でございますけれども,資料の1ページ目の下の方に案がございます。先ほど申し上げました社会教育主事に求められる役割というものを考えたときに,一つは科目の見直しを行う必要があろうと考えているところでございます。
 二つ科目を新設したいと考えてございまして,1点目といたしましては,多様な主体と連携・協働を図りながら,学習成果というものを地域課題の解決や地域学校連携などにつなげていくための知識,技能の習得を図るために,「社会教育経営論」という科目を新設したいと考えているところでございます。地域課題につきましては様々なものがございますけれども,一つ具体例を挙げるならば,例えば貧困の問題,教育格差の問題というものが重要な課題としてあるわけでございます。こうした場合には福祉部局との連携というものが極めて重要になってきますところ,この社会教育経営論におきましては,右側の「主な内容」にございますけれども,社会教育を推進する地域ネットワークの形成の中で,そうした貧困の問題を題材といたしながら,福祉部局との連携などについても取り扱うことを予定しているところでございます。
 2点目といたしまして,学習者の多様な特性に応じた学習支援に関する知識及び技能の習得を図ることを目的といたしました「生涯学習支援論」という科目を新設したいと考えているところでございます。この点につきましては,先ほどの社会教育主事に期待される役割でございますけれども,学習支援というものを学習にとどまることなく,学習の成果というものを地域づくりや人づくりにつなげていくという観点からは,一人一人の学習者の持ち味でございますとかやる気というものを引き出していくことが大切でございまして,ファシリテーションの技術というものが極めて重要になってくるところでございます。新しく新設いたします生涯学習支援論におきましては,そのファシリテーションの技法の習得なども行うことを予定しているところでございます。
 社会教育主事の講習の改善点の2点目でございますけれども,受講者の御負担を軽減していく方策を講じたところでございます。現在,地方公共団体におきましては定員が少なくなってきている状況に加えまして,財政的にもなかなか余裕がないということで,40日間の講習に職員を派遣することが困難になってきている自治体が多くございます。そうした状況を踏まえまして,単位数,現行では9単位,約40日で講習を実施していたところでございますけれども,これを厳選いたしまして,8単位,1単位減らしまして,三十数日でできるように,その負担の軽減を図ったところでございます。社会教育主事の講習の見直しにつきまして主なポイントは以上でございます。
 ページをおめくりいただきまして2ページ目でございますけれども,大学における社会教育主事養成課程についてでございます。まず1点目といたしまして,先ほどの講習と同様に,社会教育経営論,生涯学習支援論の2科目を新設して,その養成に当たりたいと考えているところでございます。また,2点目といたしまして,大きな点でございますが,社会教育主事の養成課程を受けていらっしゃる学生の皆様は実務経験が乏しいという状況にございます。現行の養成課程につきましては,下の表の現行の欄にございますとおり,社会教育演習,いわゆるゼミナールと社会教育施設等における実習,そして,社会教育課題研究ということで論文などをまとめる,その3科目の中から4単位を選択必修ということになっているわけでございますけれども,この点につきまして,現状では社会教育の施設等における実習,いわゆる社会教育の現場を全く知らないまま社会教育主事の資格が取れるという状況になっているところでございますが,実務経験の乏しい学生が社会教育の現場に出たときに,やはり実践力を持って活躍いただくためには,在学中に社会教育の施設等におきまして実習の機会というものを確保した方がよろしいのではないかという御意見があったところでございます。
 この点を踏まえまして,今後の新しい養成課程の科目といたしましては,社会教育の実習を必修化することを方針として挙げさせていただいているところでございます。社会教育主事養成課程の見直しの主な点は以上でございます。
 3ページ目をおめくりいただければ幸いでございます。これまでに講習と養成課程の科目等の見直しにつきまして御報告申し上げたとおりでございますけれども,関連する事項といたしまして,3点について整理をさせていただいたところでございます。
 1点目は現職研修についてでございます。社会教育主事につきましても,社会教育主事に期待される役割を果たすためには,ファシリテーションの能力を更に一層磨きを掛けていくことでございますとか,地域の具体的な課題を踏まえながら身近な問題を題材といたしまして,現代的課題について学んでいくことが求められているわけでございまして,現職研修というものが重要になってくるところでございます。
 現行,社会教育法におきましては,国,都道府県,市町村,それぞれが現職研修の開催の義務を負っているわけでございますけれども,なかなか地方自治体,市町村のレベルにおいては,単独で現職研修を実施することが困難な状況になっている実情がございます。
 他方,大学に目を向けますと,今,全国に177の養成課程をお持ちの大学があるわけでございますが,教育,研究と並んで社会貢献,地域貢献というものが第三の使命として求められているところ,こうした養成課程をお持ちの大学におきましては,この養成課程のノウハウを通じながら是非社会貢献をしたいという声も寄せられているところでございます。こうした事情を踏まえまして,一つには,例えば養成課程のゼミナールに現職の社会教育主事さんが参加していただいて一緒に学ぶなど,学生の視野を広げるとともに,社会教育主事の現職研修としても最新の社会教育の動向を学ぶ,双方にとってメリットのある形での連携協力というものを今後進めていくことが重要であろうと考えているところでございます。
 また,人生100年時代の学び直しということで,社会教育主事も例外ではなく,自らの自発的なリカレント教育というものも積極的に行っていただくということを,この中でまとめさせていただいたところでございます。
 関連する2点目の論点でございますけれども,社会教育主事講習の受講者の更なる負担軽減についてでございます。先ほど,単位数を9単位から8単位に1単位減らしまして,実施の期間というものを40日から30日程度まで減らすことによって,受講者の皆様,あるいは派遣いただく自治体の皆様の御負担の軽減を図ったところでございますけれども,更なる軽減を図っていく必要があると考えているところでございます。
 その方策といたしまして,1点目でございますけれども,今,上野の社研で,インターネット,ICTを活用いたしまして,上野でやっている講義というものを,沖縄でございますとか愛媛でございますとか,全国の様々な地域に遠隔配信を行っているところでございます。こうしたICTを活用した遠隔授業というものを広く拡充していくことによりまして,東京まで出ていただく,あるいは近隣の自治体まで出ていただくような旅費の負担でございますとか宿泊費の負担というものを軽減し,お住まいのところから講習会場まで通っていただくことで大幅な負担軽減を図ることができるかと考えてございます。こうした方向で,遠隔授業の拡充というものを今後進めていきたいと考えているところでございます。
 また,社会教育主事講習につきましては,先ほど御説明申し上げました4科目で構成しているわけでございますけれども,これを1年で全て8単位取っていただく必要はなく,分割で,例えば,それぞれ1科目ずつ,毎年数日間ずつ,3年あるいは4年に分けて取っていただければ,職場を離れる負担というものも相当軽減できるのではないかと考えているところでございます。
 また,放送大学でございますとか地域の社会教育主事養成課程をお持ちの大学で,生涯学習概論などを事前に修得いただいた場合には講習の科目免除がございますので,こういった制度の活用促進というのも図ってまいりたいと考えているところでございます。
 関連する事項の大きな3点目について御説明申し上げます。これまでも中教審で御議論賜りましたけれども,社会教育主事資格の活用についてでございます。まず,最新の状況について御説明申し上げます。これまで社会教育主事の養成に当たりましては,あくまでも教育委員会における任用というものを前提としてございましたので,教育委員会の中だけで活用されるような認識があったかと思うのでございますが,現実を見てみますと,先ほど御紹介申し上げました社研で行っている冬の講習におきましては,27%の方々が教育委員会の職員や首長部局の職員あるいは学校の教職員ではございませんで,例えば,NPOの職員の方,あるいは公益法人の職員の方,あるいは指定管理を受けている指定管理者の職員の方という多様な方々が27%ほど受講されている現状がございます。こうした受講希望に今後応えていき,社会教育の裾野を広げ,それを支えていただく人材を養成していく観点から,例えば遠隔授業など,キャパシティ等の問題がなく運営に支障のない範囲では,今後,社会教育主事講習というものを広く社会教育に携わっていただく方々のために開放していくことも検討してまいりたいと考えているところでございます。
 また,社会教育主事の数自体は,この10年間で約4,000人から約2,000人に減ってきているわけでございますが,最新の状況を見てみますと,例えば,茨城県においては,派遣社教主事が2名まで一時期落ち込んでいたわけでございますが,やはり社会教育主事の役割は大切だということで,今は32名までV字回復をしているところでございます。特に地域学校連携を推進する観点で,社会教育主事の有資格者の方がいらっしゃる方が,うまく地域の連携も進むということの,そういう評価も上がってきているようでございまして,そうした動きに応えるように,なるべく社会教育主事講習というものも,会場のキャパシティが限られているなど,実施に支障のない範囲では広く開放していくことがふさわしいのではないかという方向性を取りまとめたところでございます。
 また,これまで社会教育主事の講習でございますとか養成課程で学んでいただいた学習の成果というものを広く社会で活用いただき,社会教育の振興につなげていくという観点から,それぞれの修了者につきましては,「社会教育士」の称号を付与するという方向で,検討を進めていきたいと考えているところでございます。
 以上の内容につきましては,それぞれ大学の現場におきましても,カリキュラムの御検討でございますとか講師の御手配,あるいは実習先の御手配等,様々な御準備を頂くことになります。今,29年度でございますけれども,実施に当たりましては円滑な移行を図るため,2年度程度の準備期間を設けまして,平成32年4月から実施する方向で準備を進めてまいりたいと考えているところでございます。
 以上でございます。

【明石分科会長】
 石丸社会教育官,ありがとうございました。
 それでは,本件をまとめられた清國委員からも,もし御発言があれば,お願いいたします。

【清國委員】
 ありがとうございます。それでは,簡単に,今,石丸社教官から御説明があったとおりではあるのですが,補足的に御説明した方がよい部分を発言させていただきます。
 まず,単位数の削減と質の担保という,二つの相矛盾する宿題を頂きまして,それを進めるためには,どうしてもカリキュラムの細かなところまで,細部にわたって検討することが必要でございました。そういうこともありまして,少し時間を掛けて,社会教育実践研究センターでも審議をしてまいりました。各大学,都道府県に御意見を頂戴いたしまして,その結果もおおむね肯定的な,好評の評価を頂いておるところでございます。学習指導要領は社会に開かれた教育課程ということですが,社会教育もどのようにして,こういう講習で得た知識を活用するのかというのが非常に大きな課題でございます。そういった中で,改めて社会教育の役割を考え直したときに,地域づくりや人づくりに資する,そういう役割を今後とも果たし続けなければならない。そうすると,社会教育主事は地域の教育資源により広く目を向けて,教育経営的な発想を持って業務に携わる,あるいは学習支援にも習熟して,そのあたりも社会教育の職員に指導できる,そういうことが必要なのだろうということで,社会教育経営論と生涯学習支援論を新設したということでございます。
 社会教育経営論に関しましては,社会教育計画でいいのではないか,社会教育運営論でいいのではないかというような御意見も頂戴いたしましたが,戦略的な取組を今後地域の中で展開していくには,「社会教育経営論」という科目名の方がふさわしいのではないかということで取りまとめをさせていただいております。
 また,生涯学習支援論につきましては,形式的な方法論のみ身に付けるのでは十分ではないという御意見も頂いております。ですから,こちらにつきましても,単なる技術の習得ではなくて,それらを使うことによって,いかに地域の人たちの内なる力を引き出せるかという教育論ももちろんその中に重視しながら,生涯学習支援論を学んでいただくような,そういうことを盛り込んだつもりでございます。
 科目上減ったものとしては社会教育特講がございますが,特講につきましては,先ほど申し上げた通り,生涯学習支援論や社会教育経営論の中で,メタ学習とでもいいますか,これまで特講で扱ってきた課題の中から地域の特性に合うものを選択し,その課題分析や理解にふさわしい方法で学びを深め,解決に向けた見通しをつけるなど,学習プロセスを身に付けることに力点を移すのです。このタイプの学習を幾つか経験すると,そこで得た力は汎用性を備えておりますので,現場に戻ったら別の課題にも応用が利くという考え方です。学び方を学ぶメタ学習によって,講習では基礎的な部分を十分学習していただき,その後現職研修へつなぐことが現実的でもあろうかと判断したところです。養成課程については先ほどのご説明の通り,現場経験に乏しい学生を対象としておりますので,現状維持ということでございます。
 それから,最後に社会教育士につきましては,かねてよりも中央教育審議会から御提言も頂いておりました。どうやってこの汎用性と専門性を両立させていくかということで,今回は少し事務局との相談の中で踏み込んだ判断をさせていただきました。このことによってネットワークがより進んでくるのではないかという理解を我々はしております。このあたりにつきましても御意見等が頂戴できれば非常に有り難いなと思ってございます。
 以上,補足でございます。

【明石分科会長】
 それでは,議題(1)の説明につきまして,各委員の方から御質問や御意見がありましたら,お願いしたいと思います。御発言に際しては,机上の名札を挙げていただくと助かります。
 では,まず,高見委員。

【高見委員】
 高見でございます。平成32年まで掛けて御準備をされるということで,こういうのって,教育って何かを変えて終わりではないかと思いますので,御変更点,何か課題があって,それを解決するために新しい施策を立てられて,その施策がよかったのかどうかという評価の方法とともに,御実行いただいて,それを1年後なのか2年後だったのかに評価をして,それを継続していくのか,はたまた,また改善をしていくのかというようなアクションラーニングというようなスキームが必要かと思います。そちらも併せて御検討いただけるといいなと思っておりますので,もう既に御準備かもしれないんですけれども,どうぞよろしくお願いいたします。

【明石分科会長】
 ありがとうございました。
 次,中田委員,お願いします。

【中田委員】
 それでは,お願いします。社会教育主事を含めた,この養成課程に関する再検討に関しては,非常に意欲的な取組を検討いただいていると感謝申し上げたいと思います。その上で幾つか教えていただきたいと思います。
 一つは,今回,講習の場合は,実習は課していないわけですよね。それは経験者が参加されているのでということだと思うのですけれども,ただ,経験者が今まで持っていた対応能力の中に,コーディネート力とかファシリテーター能力というのが十分に担保されているのかを含めて,実習の必要性はあるのかないのかは検討された結果と理解すればよろしいのでしょうか。従来の対応能力が,そういうものを中心に構成されているのかどうかというところの吟味について教えていただきたいのが1点です。
 それから,もう一つは,もちろん大学等の養成課程の中で,学生がこういう経験値を十分に持ち得ていないので実習を必要とするというのは当然な御指摘だと思うんですけれども,これを担保していくためには,2年の猶予を頂いているとは思うんですが,教育委員会等々を含めた関係を構築して,どういうふうに実証プログラムにしていくかという準備が入念になされる必要があると思います。
 そのプロセスを十分に展開するためには,この構想が早めに公表される必要があって,各関係機関は,これ,どうなっていくのだろうかということを情報要求していると思いますので,情報提供も早めにしていただいた上で,その上で準備に掛かったときに見えてくる課題というようなものが出てくると思うんですけれども,それの後処理というのでしょうか,そのケアはどういうふうに構想されているのか,構想されていないのか。
 三つ目の社会教育主事は確かに任用資格なのですけれども,今度改めて「社会教育士」という称号を与えるという形になっています。この称号を付与する主体は,改めての確認なのかもしれないのですが,どんなところを想定されていると考えればよろしいのでしょうか。そのあたりをお教えいただければと思います。

【明石分科会長】
 では,3点,お願いします。

【石丸社会教育官】
 私から,僣越(せんえつ)でございます。もし補足があれば,清國先生からお願いいたします。
 まず1点目の実習の関係の御指摘でございます。学生につきましては,先ほど申しましたとおり,実務経験がないということで実習を必修化するわけでございます。講習につきましては,演習をこれまで行っているところでございますが,現職の教育委員会の職員でございますとか,あるいは行政の職員,あるいは学校の現場の職員の皆様ということで,受講されるまでに一定程度の職務経験は持っていただいているということで,実習ということまでは必要ないと考えているところでございます。その上で,御指摘がございましたコーディネート能力でございますとかファシリテーション能力。
 例えば,コーディネート能力につきましては,新しく新設をいたします社会教育経営論の中で,まずしっかりと身に付けていただくことが前提になってございます。また,ファシリテーション能力につきましては,生涯学習支援論の中でしっかり身に付けていただく。これまで参加される受講生の方々が身に付けていらっしゃらない資質,能力というものは,ほかの科目でまずしっかり身に付けていただく。実習につきましては,先ほど申しましたように,痛しかゆしでございますけれども,全体の単位数というものを減らして,受講者あるいは自治体の御負担というものを軽減する必要があるという中で,実習というものは講習においては必ずしも必要ではないのではないかということで入れなかったところでございます。
 2点目でございますけれども,2年間の猶予,準備期間を置きまして,32年4月から新制度をスタートしたいと今考えているところでございます。私どもといたしましても,なるべく大学や関係機関が円滑に新制度に移行できますように,もし御了承いただければ,早めに省令改正等に手当てをしまして,情報の周知を行ってまいりたい,こう考えているところでございます。
 3点目でございますけれども,称号の付与主体につきましては,今後検討する中で,法技術的には調整が入る可能性はございますけれども,現時点のイメージといたしましては,社会教育主事講習等規定という省令がございます。その中で,講習の修了者については修了証書を与えるという8条第1項の規定があるわけでございますけれども,その第2項に,講習修了者については社会教育士と称することができるという自動的に称することができるというような規定を置くことを一つの案として考えているところでございます。
 称号の付与ということでは,法技術的には用例にはなるのですが,別の分野ですので,本件にふさわしい例かどうか分かりませんけれども,例えば,専修学校の専門課程を修了した方についても,告示レベルで「専門士と称することができる」という規定があるわけでございまして,社会教育士についてもこのような規定を省令の中で置くことを想定しているところでございます。
 お答えになっているかどうか,もし不十分な点がございましたら,清國先生からも補足いただければ幸いでございます。

【明石分科会長】
 ちょっと時間が押しておりまして,秋山委員,お願いします。

【秋山委員】
 見直しと改善点は社会的な要請に沿ったもので極めて妥当だと思いますし,特に社会教育経営論を新たに設けられたのは非常に重要な点であると思います。
 実は私,数週間前に上野で講義をさせていただきまして,皆さん優秀な方たちで,非常に真剣にお聴きくださいました。まちづくりの活動では,特にお昼間はシニアの方が多いですが,そこに参加することが学びのプラットフォームになるわけで,そういう事例を具体的に説明いたしましたら,非常に関心を持ってくださいました。しかし,実際にまちづくりをやっている中で,社会教育主事が参加されているところはないんですね。どうしてですかと聞きましたら,教育委員会を通している,そのあたりで社会教育主事の方の活動がまちづくりにつながらないという印象をうけました。社会教育経営論で,地域のネットワークのコーディネートを学ばれた方が是非まちづくりでも活躍していただきたいと。そのためには,もっと自由なチャネルを作っていただくことが必要ではないかと思います。

【明石分科会長】
 ありがとうございました。ちょっと時間が押しておりまして,簡略にお願いいたします。
 では,宮本委員。

【宮本委員】
 全体としてのこの案は非常にいい方向へ作られて,期待ができるものだという感じがします。その上で2点ほど,要望といいますか,お話しさせていただきたいんですけれども,例えば,やがては社会教育士というような形で,現在よりもぐっと裾野を広げて,地域の状況に対応できるような人々をたくさん作っていくと。これは大変結構なことだと思うんですけれども,その場合に,例えば,今,秋山委員がおっしゃったこととも関わるかと思うのですが,教育委員会チャネルで,つまり,「社会教育主事」という名前からして教育の分野ではあるんですけれども,しかし,地域課題解決とかまちづくりとか,その他,これから期待される課題というものを考えてみると,従来の教育の分野に限定されていたら,これは対応できないということをもっと十分に意識する必要があるのではないかという感じがします。
 例えば,私が経験した範囲で言うと,決定的に欠けているのは,例えば,労働の問題。教育と労働はつながるんですけれども,労働に関しては,教育部局の方々は極めて無関心ですし,分野が違うと思っているんだけれども,実際にはその問題は非常に大きくて,だから,研修,教育等において労働の問題をしっかり学んでいただく,それが重要な人材育成になると思います。
 福祉に関しては,もう当然ですけれども,福祉に関しては少し言葉が出ているので問題意識としてはあるのかもしれません。例えば,精神保健の問題というのも非常に重要で,この問題を単なる教育の課題としてではなくて,もう少し本質的なところで位置付ける必要があるだろうと。そういう意味で,これから新しく教育研修が行われる場合に,広くネットワークを作るためには,それだけの汎用性が重要であり,やや広がってしまう懸念はあるけれども,しかし,今までの教育分野で果たせなかったことをやるためには,やはり総合的な能力がない限りは役割を果たせないと思います。
 それから最後に,社会教育士を作ることは非常によいことだと思うんですけれども,広がりのある課題に対応するとなると,人は増えたけれども実力のない人が大量に生まれることも懸念されるわけで,そういう意味で,大分先のことではあるんですけれども,絶えず質を上げるための更新講習を徹底してやることが重要ではないかと思います。
 以上でございます。

【明石分科会長】
 貴重な御意見,ありがとうございました。
 では,牧野委員,お願いします。

【牧野委員】
 ありがとうございます。ようやくここまで来たかという感じでお聞きしておりました。もう10年以上こういう議論をしているんだと思いますが,私も関わった者としましては,とても御苦労されたんじゃないかと思いまして,まず感謝申し上げたいと思います。
 その上で,やはり今回の改革は,まず第一歩だろうと受け止めております。これからの社会では,どうしても社会教育が社会基盤を作っていく時代に入らざるを得なくなってくるのではないかと思っております。私は,全国各地を回っておりますが,例えば,おとといまで,島根県にいたのですけれども,島根県は,今,教育魅力化を中心にして地域魅力化を推進しているのですが,魅力化の担当官が自分たちの取り組みのスローガンに「社会教育」を掲げているのです。学びを通して地域を魅力化していくことによって,つまり社会教育を通して,いわゆる過疎・高齢化という問題を克服しようと動いておりまして,人々が学びながら自分たちで地域社会を経営していくときに,どうしてもオーガナイザーやコーディネーターのような専門家が必要になるのだというのです。その意味で,以前,中教審でも議論になりましたが,「学びのオーガナイザー」という形で,いろんな人々を育成していく方向性が示されました。さらに,2015年の冬の三つの答申で,コミュニティ・スクールをベースにしながら,子供たちの成長を軸に,学校を核にして,地域総掛かりで子供を育てて,そのことを通して地域社会を変えていこうという方針が示されましたが,そのときに,当然地域の人々の学びを組織するコーディネーターが必要になってくるという議論があるわけです。この取り組みに今回のこのような社会教育士という方々が入っていくことで,まずは活動を広げていくことを考えていく。そういうことがとても重要ではないかと思っております。
 その上で,社会教育主事との関わりでは,任用資格である主事が,今のところ,都道府県教育委員会の中に入って指導,助言をするということなのですが,先ほど,宮本先生がおっしゃったように,地域社会で労働や福祉,様々な問題に関わってきた方々が,更新研修ですとか更新講習を通して,さらには,社会教育士を入り口にして,学びをオーガナイズする実践を重ねていく中で,主事として育成されていくような段階論の考え方があっていいかと思います。その上で,最終的には教育の指導者になっていくとか,そういうことを構想する必要があると思います。私たちは,学びをベースにして,人々が自分たちで地域を経営し,子供たちを一緒になって育てていく,そういう社会を構想する必要がありますし,そこには当然,この第3期教育振興基本計画の中にありましたけれども,子供の貧困問題ですとか,又は女性が働くといったことも含めて,教育からアプローチを掛けていけるような力を持った人たちを育成していくことが求められます。今回の改革をこういうことのまず第一歩だと位置付けていただいて,今後も,拡充をしていく形で検討していただきたいと考えております。どうもありがとうございます。

【明石分科会長】
 では,関委員,お願いします。

【関委員】
 1点は,現在,社研の方で行っておられます研修につきまして,できるだけ全国各地の様々なところで対応できるような御配慮をいただけると非常に有り難いかなと思っております。
 そして,もう1点は,社会教育士の活用につきまして,現場としてはいろいろな専門的な立場で活躍している人材に専門性を持たせることによって,将来,地域学校協働本部や,あるいは我々であれば,いろいろな公民館とか青少年育成の活動,そういった領域のスタッフの基礎的な能力として,ここで学んだことが生かせるような対応を図ってまいりたいと思いますので,是非広く全国展開をお願いできたらと願っております。

【明石分科会長】
 ありがとうございました。
 では,最後,寺本委員,お願いします。

【寺本委員】
 ありがとうございます。本当に今までの御労苦に感謝を申し上げます。
 1点ですが,まず,社会教育をしていく上で,非常に幅広い年代の方を対象として動かれる社会教育主事さんの中にあって,大学では選択ではありますけれども,家庭教育,社会教育というのを入れられていますが,そうではなくて,大学を卒業された後で取られるところには,家庭教育というのはあえて書いてはいないんですが,実は全ての教育の原点は家庭教育とよく言われますので,そういった点も,ここには記載はないんでしょうが,講義の中等で,家庭教育のことをしっかりとお話しいただき,また,御理解いただけるような,そういった中身をお願いしたいということ。
 もう一つは,基本的に社会教育主事というと,教育委員会関係の教職員の方を対象として,「じゃ,資格を取ってらっしゃいよ」みたいなイメージが一般的にあると思うんですが,そうではなくて,通常で言えば,例えば,首長部局であるとか,また一般の方だとか,様々な方が社会教育主事を取得して社会で活躍できるような状況,また,実際に活用できる状況も作らなければいけないかと思いますが,こういったこともあわせて,どんどんとPRできる機会があればと思っています。お願いします。

【明石分科会長】
 それぞれ非常に貴重な御意見,ありがとうございました。この社教主事養成の見直しにつきましては,長きにわたって検討してまいりました。ですから,きょうのような御意見も伺いながら,速やかに具体化を図っていきたいと思っております。つきましては,本日の意見を踏まえて,本件の取扱いにつきましては,分科会長であります私に御一任いただければと思いますが,よろしいでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【明石分科会長】
 ありがとうございます。
 では,本件の取りまとめに当たられた清國委員とも御相談をいたしまして対応したいと思っております。それで,事務局におきましても,本件を踏まえ,省令改正など,速やかに具体化に向けて対応いただきたいと思っております。よろしくお願いします。
 では,議題(2)に入りたいと思います。検定事業者による自己評価・情報公開・第三者評価ガイドラインにつきまして,事務局から御説明をお願いいたします。

【萬谷生涯学習推進課長】
 生涯学習推進課長でございます。
 それでは,資料2-1から2-3までございますけれども,まず,2-1を用いまして御説明をさせていただきます。
 本件は,民間の検定事業者が実施しておられる検定試験について,評価等に関するガイドラインを策定しようとするものですけれども,資料2-1で,これまでの経緯について,まず御説明をいたします。
 本件につきましては,そもそも,過去,平成20年2月の中教審答申で,検定試験について評価の仕組みを検討することが考えられるという御提言があったことを踏まえまして,その後,平成22年6月に有識者会議で検討のまとめが出されまして,ここで評価のガイドラインの試案という形で取りまとめられたところであります。
 その翌年の平成23年2月に,検討会におきまして,実際の評価の様式が検定試験の自己評価シートという形で取りまとめられまして,こうしたガイドラインや自己評価シートを基にして,検定事業者におきまして自己評価の取組が自主的に実施してこられた経緯がございます。
 その後,平成27年3月の教育再生実行会議の提言におきまして,検定試験の評価の仕組みについて更に前に進めるような提言がありまして,このことを踏まえて,昨年5月の中教審生涯学習分科会答申の中で,検定試験における自己評価や第三者評価について,さらにガイドラインとして国が定めていくべきという御提言を頂いたところでございます。
 こうしたことを受けまして,一番下ですけれども,検定試験の評価等の在り方に関する調査研究協力者会議を設置しました。メンバーは2-3の35ページに名簿をお付けしておりますけれども,座長を政策研究大学院大学の今野特任教授にお務めいただきまして,その下で昨年12月から今年の夏まで計8回の会議を開催しました。その結果,ガイドラインの案を取りまとめていただきましたので,本日の分科会で御報告させていただくということでございます。
 なお,この内容につきましては,今後パブリックコメントを実施した上で,最終的には本年10月頃に国のガイドラインとして定めたいと考えております。
 それでは,その中身ですが,本体は資料2-3なんですけれども,大部なものですので,2-2で概要についてざっと御説明をさせていただきます。
 資料2-2の上のところに,ピンクの部分でこの会議のまとめた趣旨が書いてございますけれども,このガイドラインといいますのは,2行目にございますけれども,民間の検定事業者が行っておられる自主的な取組の目安としてお作りしたものでありまして,強制力をもたないガイドラインということでまとめたものでございます。
 ローマ数字1として,検定試験の現状と評価の必要性を記載しておりますけれども,我々が把握している限りでは,少なくとも1,000以上の検定試験が存在しておりまして,その一方で,二つ目の丸にございますけれども,こうした検定試験の評価ですとか情報公開を行っていくことは,質の維持向上,信頼性の確保ということで,検定事業の活性化,生涯学習社会の実現にも資するということで,また,三つ目の丸では,検定事業者や受検者の方を対象とした過去の調査におきましても,評価の取組を肯定的に捉える意見が多かったということで,評価の取組の普及を図ることが重要ということを書いてございます。
 ローマ数字2の自己評価についてですけれども,一つ目の対象としては,これはもちろん自己評価について,ほかのことも含めて規制を課すものではないんですけれども,検定事業者が自らの判断によって積極的に自己評価を行うことが強く期待されるということを書いておりまして,具体的には,実施回数としては,少なくとも毎年度1回ということを書いております。
 また,評価項目につきましては,資料2-3の8ページ以降に,検定試験の自己評価シートというものをお付けしておりますけれども,これは過去に作成しました自己評価シートを,またその後の社会状況を踏まえて更新したものでありまして,実際のそうした様式を参考として示した上で,検定事業者の方々が,それぞれの検定試験の目的,内容,規模等に応じて評価項目を設定することが適当だということを書いております。
 また,結果表示については,自己評価シートのそれぞれの項目について4段階で表示してはいかがかということで,また,結果の公表については,受検者やこれを活用される方に分かりやすいように具体的に記載することですとか,ウエブサイト等で発信することが適当ではないかということを記載しております。
 続いて,ローマ数字3の「検定試験の情報公開」という項目ですけれども,具体的には,資料2-3の中で19ページとか20ページのあたりに情報公開のチェックリストというものをお付けしておりますが,こうしたものを参考としていただいて,事業者の方々がウエブサイトを活用して積極的に情報公開を行ってはいかがかということを記載しております。
 続いて,2-2の2枚目をごらんいただきますと,ローマ数字の4で,検定試験の第三者評価について記載しております。対象としては,検定事業者の方々が,これも自らの判断によって積極的に第三者評価を受けることが期待されるということを書いておりまして,特に様々な場面での活用を目指している検定試験等については「受けることが望ましい」という書き方をしております。
 評価頻度については,自己評価とは違って,若干間隔を空けまして,三,四年に1回程度が適当ではないかということ,また,負担の適正化ということでは,小規模な事業者でも受けられるように配慮が必要だということで,例えば,実際に受ける場合の費用軽減を図るとか,また,実地調査を伴わずに項目も限定した簡易版の評価も可能としてはどうかということを書いております。
 また,評価主体のところでは,実際に評価を行うための評価体制の整備が進んでおらず充実が望まれるということですとか,実際に評価を行う場合には,組織・運営の評価については会計・法令の専門家の方々など,また,試験問題に関する評価については,それぞれの専門家の方などが務めることが適当だということを書いております。
 実際に評価内容につきましては,これも大まかに項目を分けると,検定試験の運営・組織に関する項目と,検定試験の試験問題に関する項目に分類できると考えられますけれども,この会議のまとめでは,それぞれの評価項目のイメージというものを提示しておりまして,それを基にして,具体的な評価項目は第三者機関が定めることとすることにしております。
 また,次のポツですけれども,このうち試験問題に関する項目につきましては,検定試験は非常に様々な分野で行われておりますので,それぞれの試験問題を一律に評価するのはなかなか現実的ではないことから,一律に実施を求めるものではなく,実施の有無を,評価を受ける事業者が判断した上で,評価項目については第三者機関が定めることを基本とするというようなことを書いております。
 それらを踏まえまして,最後,ローマ数字の5ですけれども,国に求める役割としましては,一つ目の丸として,検定事業者等にこのガイドラインの内容を丁寧に説明して理解を得ること,また,二つ目の丸として,特に第三者評価につきましては,自己評価に比べて,更にまだまだ取組が定着していないために,一層の環境整備が必要だという認識を示しておりまして,例えば,国が第三者評価事業を後援することですとか,評価結果を受検者等に公表するための場を提供するといったような広報・啓発が必要ではないかということを書いておりまして,こうした取組を通じて,評価の普及・定着に向けた更なる取組が期待されるといったようなことを記載してございます。
 以上,内容について御説明いたしました。よろしくお願いいたします。

【明石分科会長】
 課長,ありがとうございました。では,議題(2)の説明につきまして御質問等があれば,お願いしたいと思います。
 では,平岩委員,お願いします。

【平岩委員】
 基本的な質問なんですけれども,この評価というのは,いわゆる紙に,評価シートに書き込んで,どこかに提出するのか,自分で持っておくのかというのは,どういう感じのイメージでしょうか。それとも,ウエブでやるような感じでしょうか。

【萬谷生涯学習推進課長】
 まず,自己評価につきましては内部の評価ですので,それはそれぞれでやっていただいて,結果については,今でもそれぞれの事業者の方のホームページに載せている例もございます。また,第三者評価につきましては,基本的には第三者評価機関の方が検定事業者を訪れて,いろいろお話を伺いながら,自己評価の結果を基にして評価をするという形を想定しておりまして,その結果については,それぞれのウエブサイトで公表するようなイメージでおりますが,ただ,その簡易版も想定しておりますので,その場合には,実際に行ったりするのではなくて,やりとりをして,書面で審査するという形になるかと思っております。

【平岩委員】
 今の質問をした趣旨としましては,やっぱりこういうのってなかなか,自分でちゃんとやろうというふうに,どんどん,どんどん働き掛けていかなきゃいけないと思うんですけれども,やっぱり今の時代だと,こういうのってウエブでやっていくと割と早いですし,後の集計も楽なので,ある意味,出してほしいとか,そういうときになると,ウエブだと集めやすいと思うんですよね。ですので,そこまで全部用意するのは難しいのかもしれませんけど,そういうのがこれからは恐らく主流になっていくので,そういうウエブの環境で評価ができるみたいなのは是非一考されてもいいのかなと思いながらお聞きしております。
 以上です。

【明石分科会長】
 ほかになければ。
 私からお願いしたいんですけれども,これは非常に大事なことだと思っておりまして,特に4番目の検定試験の第三者評価,これがうまくいかないと信用が取れないだろうなと思っています。大学でも企業でも使う場合に,第三者の評価が非常に大事かなと思っております。きょうの中身としては非常によろしいので,ちょっと気になるのは,三,四年に1回で果たして可能か,例えば,大学の基準協会とか短大の基準協会は6年に1回行うのですが,それでも大変なんですけれども,これを三,四年に1回は,非常にいいことだけれども,検定試験で大事だけれども,この辺のこととかを含めて,もう少しパブリックコメントを受けながら検討していただきたいと思っております。最後の5番目,これが多分,国がうまく応援しないといけないと思います。自己評価は各事業体が御自分でやればいいかと思うのですけれども,第三者評価というのは,国が相当バックアップしないと難しいかなと思います。そういう意味で5番目,是非国で御検討いただければと思っております。ありがとうございました。
 では,引き続きまして,議題(3)「第3期教育振興基本計画に関する審議経過報告に向けた議論の状況について」に入りたいと思います。資料3-1から3-3を御用意ください。
 それでは,まず事務局から御説明をお願いいたします。内田教育改革推進室長,お願いします。

【内田教育改革推進室長】
 それでは,第3期教育振興基本計画に関する審議経過報告に向けた議論の状況につきまして御説明申し上げたいと思います。
 まず,資料の説明に入る前に,今の状況についてでございますけれども,現在,平成30年度からの5年間にわたる計画に向けて,教育振興基本計画部会を中心に御議論を賜っているところでございます。こちらの生涯学習分科会からも,明石分科会長,菊川副分科会長,宮本委員にも御参画を頂きまして,御検討を頂いているところでございます。
 また,前回,7月14日の生涯学習分科会におきましても,御意見を賜ったところでございましたけれども,今回は前回のそうした御意見なども踏まえまして,また,最近の教育振興基本計画部会での御意見も踏まえまして,文章化した資料をお配りさせていただいております。こちらは,8月8日の教育振興基本計画部会における資料でございます。
 本日の生涯学習分科会や大学分科会,そして初等中等教育分科会での委員の御意見も頂きながら,中間的な審議経過報告案といたしまして,9月の総会に報告することを予定しております。秋以降でございますけれども,より効果的・効率的な教育施策の立案につなげるための方策についても諮問事項の一つになっておりますので,そういった項目ですとか,あとは基本計画の基になる答申案そのものに関しまして,今後御議論を賜る予定でございます。
 そうしましたら,資料につきまして説明をさせていただきたいと思います。資料3-1から3-3まででございます。
 まず,3-1を御覧いただければと思います。以後,分量が大変多くなっておりますので,かいつまんで,特に生涯学習に関連の深い事項を中心に御説明させていただきたいと思います。
 まず,3-1が総論の資料でございます。お開きいただきまして2ページ目でございますけれども,第1部我が国における今後の教育政策の方向性という見出しでございます。教育の普遍的な使命に関しまして,平成18年に改正された教育基本法の目的,理念を踏まえ,更なる取組を進めていくというようなこと,また,個人,社会,それぞれ目指すべき方向性について書かせていただいているところでございます。
 次のページが2の教育をめぐる現状と課題でございまして,1のこれまでの取組の成果と課題といたしまして,例えば,四つ目の白丸でございますけれども,PISA調査,TIMSS調査において,学力が世界トップレベルであるという状況がございますけれども,その下に課題がございまして,読解力が低下傾向にあるということ。また,自己肯定感が諸外国と比して低いというようなことですとか,体力や朝食欠食に関しましても課題があることが指摘されております。
 2の社会の現状や2030年以降の変化等を踏まえ,取り組むべき課題といたしまして,人口減少・高齢化の進展,急速な技術革新ということで,第4次産業革命,Society5.0の到来,また,国際的な地位の低下とグローバル化の進展,子供の貧困など社会経済的な課題,また,地域間格差など地域の課題,さらには,教育をめぐる状況変化ということで,子供の抱える課題といたしまして,例えば,二つ目の丸ですけれども,学ぶことと自分の人生や社会とのつながりを実感して活用していく,そういう部分に課題があるということですとか,高等学校の生徒の学習に関しまして,その時間量に課題があるというようなこと,また,地域コミュニティの弱体化ですとか家庭の状況変化,教員の負担といった課題が指摘されているところでございます。
 2ページほど飛ばしまして,12ページでございますけれども,3の2030年以降の社会を展望した教育政策の重点事項ということで,特に第2期計画と大きく異なるコンセプトですけれども,人生100年時代を豊かに生きるということで,今後,生涯に2つ,3つの仕事を持つこと,また,引退後に地域や社会の課題解決のために活動することなどが一般的になるというようなこと,そういった中では,生涯にわたって学習し,自己の能力を高めることの必要性が一層高まること,また,超スマート社会の実現というような大きな社会変化があるということですけれども,そういった社会の大転換の中で,教育を通じて一人一人の「可能性とチャンスの最大化」ということで,様々な社会課題を解決する好機と捉えて,教育が社会を牽引(けんいん)していくんだというような気概を持って教育政策を進めていく必要があるというふうに書かせていただいておりまして,13ページの点線の(1)から(3)のような,特に重要な課題となるような柱を3つ掲げさせていただいているところであります。
 また,14ページ目でございますけれども,今後の教育政策に関する基本的な方針ということで,1から5まで掲げさせていただきまして,実は今年の1月にも基本計画策定に向けた基本的な考え方ということで総論をまとめさせていただいたときに,こちらの分科会でも一度報告させていただいておりますけれども,そのときと同じ柱でございまして,1つ目が夢と自信を持ち,可能性に挑戦するために必要となる力を育成する,2つ目が社会の持続的な発展を牽引(けんいん)するための多様な力を育成する,3つ目に生涯学び,活躍できる環境を整える,4つ目が学びのセーフティネットを構築する,5つ目が教育政策推進のための基盤を整備するというような形で整理させていただいております。
 以後,1から5までそれぞれ関連するような方向性が示されておりますけど,例えば16ページにおきましては,4つ目の白丸ですけれども,社会的・職業的自立に向けた能力・態度の育成というのを一生涯にわたり育成していく必要がある,また,家庭・地域の教育力の向上といったようなことで,先ほど来議論になっておりますけれども,社会教育の役割というのが非常に大きくなってくるのかなと思います。
 また,2の社会の持続的な発展を牽引(けんいん)するための多様な力の育成といたしまして,グローバル人材の育成やイノベーションを牽引(けんいん)する人材の育成といったこと,また,18ページには,3の生涯学び,活躍できる環境を整えるところですけれども,人生100年時代を見据えた生涯学習の推進ということで,そこの項目の2つ目の丸,前回,菊川副分科会長からも御意見を頂いたことを参考に書かせていただいておりますけれども,年齢を重ねるにつれ,一般的に体力などが低下してくるわけでございますけれども,言語能力や日常の問題を解決する能力は伸びていくとの研究もなされている中で,伸びる能力をさらに伸ばしていくことが重要ではないかと,また,地域課題解決のための学びの推進ということで,社会課題と結び付けた社会教育などの取組,また,社会人が大学等で学べる環境の整備ということで,社会人の学びの継続・学び直しに関しまして,大学や専修学校などの生涯を通じた学びを推進する環境を整備していく必要があると,また,障害者の生涯学習の推進ということで,2つ目の丸でございますけれども,障害者のライフステージ全体を通じた生きがいづくりや地域とのつながりづくりなどに向けた学びの支援というのが求められてきているところでございます。
 4つ目,学びのセーフティネットの構築におきましては,経済的・地理的な状況の差への対応といったこと,また,20ページの最初の丸,「さらに」のところですけれども,困難を抱える親子の増加に対応するため,親の学習,読書,自然体験活動などについて,地域の多様な教育資源を効果的に活用しながら教育を進めていく必要があるということです。
 また,最後,5つ目,教育政策推進のための基盤の整備ということでございまして,学校の指導体制の整備,ICTの利活用などに関しまして記載させていただいているところであります。
 総論的な内容は以上でございますけれども,3-2におきまして各論をまとめさせていただいておりまして,今説明申し上げました5つのそれぞれの柱ごとの施策群をまとめたものでございます。
 例えば生涯学習に関連する事項ですと,ページをお開きいただきますと,6ページの体験活動や読書活動の充実といったことですとか,青少年の健全育成,また,7ページの2つ目の白丸,子供の基本的な生活習慣の確立に向けた支援ということで「早寝早起き朝ごはん」などの取組,また,少しページをおめくりいただきまして,10ページですけれども,社会的・職業的自立に向けた能力・態度の育成ということで,実践的な職業教育を受ける機会を提供するということですとか,キャリア教育・職業教育の推進,また関係省庁が連携した社会への接続支援,また,11ページですけれども,家庭・地域の教育力の向上ということで,妊娠期から学齢期以降までの切れ目のない支援の実現,家庭教育支援員となる人材の育成といったことですとか,地域の教育力の向上ということで,コミュニティ・スクールの全国展開,また地域学校協働活動推進員の配置の促進というのを書かせていただいております。
 少し飛びますけれども,17ページに生涯学習の関連で記載させていただいておりますけれども,人生100年時代を見据えた生涯学習の推進ということで,現代的・社会的な課題に対応した学習等の推進ですとか,高齢者の生涯学習の推進,また,生涯を通じた学習の成果の適切な評価・活用のための環境整備ということで,先ほど御報告がございました検定試験の自己評価などの取組を進めるということですとか,生涯を通じた文化芸術活動の推進など,また,18ページに,人々の暮らしの向上と社会の接続的発展のための学びの推進で,社会教育行政のネットワーク化の推進ということで,社会教育施設を拠点に,各地域の課題解決・地域力活性化の取組を推進するといったことですとか,社会における人づくり,地域づくりを担う中核人材の育成などの取組,また,19ページ,社会人が大学等で学べる環境の整備ということで,産業界と連携した社会人のニーズにこたえる教育プログラムの開発・実証といったこと,また,20ページでございますけれども,障害者の生涯学習の推進ということで,学校卒業後における障害者の学びの支援ですとか,切れ目のない支援体制構築に向けた特別支援教育の充実といったようなことを書かせていただきます。
 4番目が学びのセーフティネットの構築でございまして,25ページには,最後の教育政策推進のための基盤の整備といった項目も,幾つか施策を書かせていただいておりますけれども,生涯学習の関係でいえば,27ページのICT利活用の促進といった項目を挙げさせていただいております。
 最後に,資料3-3でございまして,こちらは指標の例というふうに書かせていただいておりますけれども,お開きいただきますと,例えば1-1の目標(1)の確かな学力の育成というところには,測定指標,参考指標ということで書かせていただいておりまして,こちらは5か年の計画期間中の目標の状態を見ていく指標として,それぞれ今説明申し上げました目標ごとに書かせていただいているものでございます。測定指標と参考指標がございますけれども,上の測定指標に関しましては,現在の水準等を踏まえ,改善の方向を明記することが必要かつ適切であるものとして挙げさせていただいております。
 一方,参考指標といたしましては,大きな数値変動の有無を確認すれば足りるものや,今後水準を把握していくものとして挙げさせていただいているものでございます。
 生涯学習関係で御紹介させていただきますと,例えば7ページ目でございますけれども,人生100年時代を見据えた生涯学習の推進のところですけれども,この1年間の生涯学習の実施状況といったような指標ですとか,人々の暮らしの向上と社会の持続的発展のための学びの推進として,身に付けた知識・技能や経験を地域や社会での活動に生かしている者の割合とか,社会人が大学等で学べる環境の整備として大学・専門学校等での社会人受講者数といったことを指標として挙げさせていただいております。
 4ポツ目と5ポツ目は割愛させていただきたいと思います。
 説明は以上でございます。

【明石分科会長】
 内田室長,ありがとうございました。
 では,ここで50分ほどの時間を頂きまして,ただいま説明のありました第3期教育振興基本計画に向けた議論の状況について,生涯学習の観点から委員の皆様の御意見を頂きたいと思っておりますが,私の司会のミスで,前回の検定事業者のガイドラインのところで,大久保委員の意見を頂くのを忘れていました。一言,意見をお願いします。

【大久保委員】
 こちらと合同で,一緒に,まとめてでいいです。

【明石分科会長】
 どうもありがとうございました。
 それでは,各委員の方々から御質問,御意見がありましたらお願いいたします。
 では,副分科会長,お願いします。

【清原副分科会長】
 ありがとうございます。三鷹市長の清原です。
 本当に包括的,総合的に現在の議論の状況,総論をまとめていただきまして,ありがとうございます。明石分科会長をはじめ,皆様,ありがとうございます。
 今回お示しいただきました資料3-1の2ページ目の『教育の普遍的な使命』という整理に基づきまして,幾つか申し上げます。
 ここで示されております「個人」の部分では,「自立した人間として主体的に判断し多様な人々と協働しながら新たな価値を創造する人材の育成」とあります。一般的には,学校教育における児童生徒にこのような人間像を求めるというふうに思われがちですが,私のように市長として市民の皆様の「参加と協働」を頂きながら日々仕事をしている立場といたしましては,大人の皆様においても,「多様な人々と協働しながら主体的に判断しつつも新たな価値を創造していただく」ということ,これが+極めて重要だというふうに感じております。従いまして,今後の教育政策の方向性の普遍的な使命に,子供であれ,大人であれ,こうしたことが掲げられているということが,第一義的に意義があると思います。
 それから,自治体の仕事は,何よりも「市民の安全・安心の確保」ということですので,「一人一人が活躍して,安心して暮らせる社会の実現」はもちろんのこと,国際的な脅威もないわけではない中,「持続的な成長,発展」ということが掲げられているということは,教育の使命として,まず重要なところを整理していただいたと思います。
 その上で,例えばの例ですが,7ページに例示していただきましたような現在の状況には,「子供の貧困」などの社会経済的な課題があり,「地域間格差」などの地域の課題がございます。従いまして,それをどのように解決していくかという仕組みが極めて重要になってきます。
 そこで,13ページには,「重要な課題」の3点を集約していただきますとともに,14ページに5点の「基本点な方針」を整理していただきました。これを熟読させていただきますと,改めて感じますのは,「生涯学習」の理念が,まさに「家庭教育」,そして「学校教育」と「地域」を通底する横串として位置付けられているということです。それが明確にどこに記述されているかというと,それはまだきちんと書かれていないように思うのですが,例えば16ページに,「家庭・地域の教育力の向上,学校との連携・協働の推進」というタイトルで書かれていますところに,「家庭・学校・地域が連携していかなければならない」とあります。その上で,18ページに,「地域課題解決のための学びの推進」ということで,まさに「生涯学習が地域課題解決のために位置付けられている」ということが明記されています。この流れで,今後は家庭教育,学校教育それぞれの課題を解決する上で,常に生涯学習と密接な関係を持ちながら次期の教育振興基本計画は編み出されていくということが,今回,総論で示されていることは重要だと思っています。
 そこで各論を見させていただきますと,それに向けての幾つかの重要な記述がございまして,例えば資料3-2の各論の11ページのところに,「地域の教育力の向上,学校との連携・協働の推進」が明記されており,「コミュニティ・スクールの導入」,あるいは「全小中学校区における多様な機関や団体等々と地域住民も幅広く参加した地域・学校協働活動の全国的な推進を図る」とあります。これは先ほど牧野委員もおっしゃったことと重なるのですが,学校が学校であって学校にとどまらない,そこに関わる教員だけではなくて,地域や関係団体がよりよい学校教育を作っていく上で学ぶし,そして,そういう団体の皆様のことを学ぶことによって,子供たちが職業教育とかキャリア教育とも接点を持っていくと,こういうことになっていくことが醸し出されていると思います。
 ただ,そこでちょっと1点気になりましたのは,10ページでございますけれども,「生涯の各段階」のところの「社会的・職業的自立」については,ともすると,幼児期からと触れられていながら,学校教育における職業教育が書かれているように思います。私たち,生涯学習分科会では,「学び直し」とか,また,「新しいキャリアを作っていく」とか,あるいは長寿社会ですから,「退職後にまた自分たちで起業していく」とか,そういう職業教育の分野での,長寿化に即した取組も今まで研究をしてきた経過がありますので,職業一つとってみても,生涯学習分科会の成果をもう少し反映していただいてもよいのではないかと感じました。
 それから,もう一つだけ触れさせていただきますが,「障害者について」でございます。障害者については,特別支援教育など充実の方向性が示されていますが,成人の障害者の皆様が,いかに生涯学習の中で活躍していただいて,就労に結び付けたり,あるいはボランティア活動していただいたり,そういうことが,もう少し幅広に書かれてもよいのではないかなと思います。
 最後に,そうは申しましても基盤が大事でございまして,各論の18ページのところに,「社会の持続的発展に向けた学びの推進」の中に,「社会教育行政のネットワーク化にとどまらず,NPO,企業と多様な主体との連携」が明記されるとともに,「民間の資金の活用」まで具体的に書かれています。三鷹市でも,このたび生涯学習センターを公益財団法人三鷹市スポーツと文化財団に指定管理者として運営をしてもらい,総合スポーツセンターもそのようにしているのですが,民間の力というのは,やはり大変大きなものがあるというふうに感じています。従いまして,持続可能な制度を考えていくときに,生涯学習分科会が先駆けて取り組んでいる多様な民間との連携については,さらに拡充していくということも重要な第3期教育振興基本計画の基盤になるのではないかなと感じました。
 以上です。ありがとうございます。

【明石分科会長】
 市長,ありがとうございました。
 では,まず大久保委員,次に牧野委員,金藤委員,お願いします。

【大久保委員】
 ありがとうございます。
 生涯学習を推進していくに当たっての総論の部分で,うまい形でどこかに盛り込めないかなと思っている切り口があるんですけど,それは,いわゆる社会人が学習習慣を持っていないというテーマです。これはこれまで繰り返し調査をやってきたのですが,何回やっても3割止まりなんですよね。7割の人は必要性を感じていても何かを学ぶという習慣はないということで,その問題を超えていかないと,生涯学習といってもうまくいかないだろうと。
 そのための学習の動機付けが大事だと思っていまして,そのポイントは,2つ思っていることがあるのですが,1つは,最初,学び始めるときの敷居を低くしたいんです。大した動機もない中で何十単位学べと言われてもできないし,そこまでの時間とお金も掛けられないので,できればコンパクトな単位で1回何を学んで,なるほどねという形で,それを面白がることができて,もっと学びたいと思ったときに本格的に学んでいくという,そういう構造が社会の中にあると,学習習慣のない人たちでも比較的気軽にファーストステップが踏めるようになるんじゃないかと思います。もう一つは,学習したんだったら生かせないと面白くないわけですよね。それはどこで使うんだろうとか,どうやって生かすんだろうとか,それが何につながるんだろうということをもっとちゃんと開示する責任が,教育とか検定をやっている人間にあるんじゃないかと思うんです。私は自分自身で今検定を作ってやっていまして,産業ソーシャルワーカー検定というのを作っているんですけど,その検定を受けてくれる人たちが,それなりに学習にお金と時間を使ってくれることに対して何が返せるのかということを考えて,それをどう書くかということをすごく真剣に考えているんですね。
 さっき検定のところでちょっと発言をしようとしたのは,そのあたりで,検定の運営とか組織とか中身に関しての評価ということも大事なのですが,最初に一言だけ書いてある,実は,この検定を取ったら何がいいことがあるんですか,その検定には,本当に社会的に価値を提供できるんですかということを検定実施者自らが評価したりとか,第三者に評価したりしてもらうことが大事じゃないかなと思っています。学習習慣のない人たちにも学習行動が,最初のファーストステップがとれるとか,動機付けがされる,そんなことが大事だと思っていて,このままじゃなくていいんですけど,こういうニュアンスのことをどこかしら,生涯学習の推進の中で触れていただきたいなというふうに思います。
 以上です。

【明石分科会長】
 ありがとうございました。
 では,牧野委員,お願いします。

【牧野委員】
 どうもありがとうございます。
 先ほど清原委員がいろいろ具体的なことをおっしゃいましたので,私は職業柄と言ってはいけませんが,抽象的な話を少しさせていただきたいと思います。いわゆる国の振興基本計画では,個人的な感想なのですけれども,社会観とか人間観のようなものをきっちりと打ち出していく必要があるのではないか思うのです。少し簡単に申し上げますと,例えば今のこの社会が,従来の産業社会と呼ばれている工業中心の,そしてもう少し言えば,社会又は国というものが主体であって,その集団の価値を個人に伝えて,個人をその集団の成員に育成していくという教育の在り方ではない社会に,既に入ってしまっている。
 もう少し言えば,いまの社会は既に消費社会に入っていて,個人が様々な価値を様々に作り出しながら,価値多元的な社会を作り出していくことが求められている。その意味では,日本は既に少子高齢,人口減少の社会に入っていますように,拡大再生産の社会―ここで再生産というのはある種のパターンを再生産していく,形を再生産していくということにも関わってくると思うのですが―そういう社会ではなくて,むしろ多様化していく,成長しない社会に入っている。ただし,停滞した社会ではなくて,むしろ不断に多元化していく,多様化していく中で,社会が次々変わっていくような時代に入っている。その中で,個人がどう生きたらいいのか,また,社会はどうあるべきかといったことが問われてきているのではないか。それは既に第2期教育振興基本計画のときに問われていたのだと思いますけれども,そのときには,個人が学習を続けて,また教育を受けていって,社会を牽引(けんいん)していく,また学習成果を社会に還元するのだという議論で何とか社会の分散化という問題に対処しようとされたのだと思いますけれども,余りうまくいかなかったのではないかということだと思うのです。
 その意味では,もう少し消費社会における個人の在り方といいますか,そうしたことと社会との関わりの在り方といったものを検討し直す必要があるのではないかというふうに,ずっと印象を持っております。しかも,個人というのは,例えば今,様々な格差が広がっているということもあるのですけれども,この消費社会で,個人をある種,個体と見なすといいますか,ニーズを個人が持っているものだけだというふうに考えてしまうと,個人はむしろ消費される対象になってしまう。例えば,労働力として,その場限りの使い捨ての完成品としての労働力であることを求められ続けていて,その価値が終われば捨てられてしまって,また自分で学び直して新しい価値を付けて社会に入っていくというような形でのリカレントという議論になっていくのですけれども,それをもう少し集合的なというか,例えば個人が持っているニーズというのは,個人のものではなくて,社会が彼らに求めているものであるからこそニーズがあるのだ,ニーズは関係から発生するのだという位置付けにしていけば,個人は集合として新しい価値を作り出す主体に変わっていけるという議論ができるのではないかというふうにも思ったりします。その意味では,ある種,社会関係と人間一人一人の在り方といったものを,教育政策としてどう捉えていくのかといったことを考えなければいけないのではないかなと思うですね。
 この観点からは,随分,第2期からは改善されたのだろうとは思いますが,まだ振興基本計画の基本的な人間観と社会観が,個人が個体として形成している社会というような,そういうような形になっているのではないかと思うのです。もう少しそのあたりを,例えば創造性,またイノベーションというふうに書かれてあるのですけれども,個人が何かを創り出してということではなくて,イノベーションが起こるというのは,社会が認めていくからこそ起こるわけですし,もう少し言えば,個人がイノベーションを起こそうとしたときには,孤立してそれがなされるわけではなくて,常に社会との関係において,つまり社会の様々なニーズみたいなもの,まだ出てこないけれども,こうあるべきだろうといったものを関知することで出てくるということでもあると思います。その意味では,個人というのは別に社会から孤立して一人一人がばらばらで存在しているわけではなくて,もっと様々な社会関係の中で個人として生活をし,自分が生きている関係の中で様々なニーズを受け取りながら,個人のニーズとして表出しているのだということを捉えていけば,もう少し違う社会の在り方や個人の在り方というものが出てくるのではないかなと思うのです。
 その意味では,この第3期教育振興基本計画に書かれてあることというのは,確かにそうだろうとは思いながら,もう一面で,余りにも個人は個人であるような議論になってしまっているのではないかと思いますので,そのあたりをもし検討できるようでしたら,検討していただけないかという気持ちを持っております。
 それはもうちょっと言いますと,例えば学びについても,学んだ成果は自分のものでありながら,社会にそれを還元していくということよりは,社会全体で一人一人を育て上げていくことによって,実は社会そのものが変わっていくというような議論といいますか,ちょっと分かりにくいですけれども,そのようなことが議論の中に入ってくる必要があるのではないか。その意味では,私たちそのものが,社会関係の中にいる者としてある,つまり個人の存在というのは他者との間にあるものであって,個人が個体としてばらばらに社会に存在しているのではないのではないか。
 さらに言えば,この観点は,市場の在り方とも関わってきていて,個人をばらばらにしすぎた結果,物が売れない社会になっているのではないかという議論もあるわけです。その意味では,ニーズというのは個人の中にあるわけではなくて,社会関係の中にから出てくるものとしてあって,それを産業化することによって市場が拡大し,物が売れる社会になっていくといったことも考えていけば,もう少し社会の在り方についても,従来とは違う考え方が出てくるのではないか。従来は,繰り返しますけども,人口が増えていって,物を持たない人々がどんどん出てきて,拡大再生産する社会の中で,社会が個人に社会の価値を伝えることによって社会が持続していくという関係であったものが,今はもうそうではなくなっている。むしろ個人が様々な,多様な価値を創り出すことによって,拡大再生産ではない形で社会が常に変わり続けていくという社会を実現していかなければならないということにおいては,人間観ですとか社会観を変えていかなければならないのではないかなと思っております。
 その上でもう少し生涯学習につなげていきますと,個人が社会の中で,様々な,多様なつながりをたくさん作っていけるように保障するような在り方といいますか,さらに個人が学ぶ場合にも,個人のニーズは個人そのものではなくて社会のニーズの反映でもあるというふうに位置付けていけば,もう少し学びに対する支援の仕方も変わってくるのではないかなと思いますので,そのあたりも少し御検討いただければと思います。ありがとうございました。

【明石分科会長】
 では,次,金藤委員,お願いします。

【金藤委員】
 ありがとうございます。
 まず,この大部な第3期教育振興基本計画を作成いただきましたことに感謝申し上げます。全体的には,時代の流れを見据えたすばらしいものになっているというふうに感じております。
 この機会に,1つだけ気になったのは,誰もが社会の担い手となるための学びのセーフティネットを構築するという箇所でございまして,それは総論にも,各論にも記載されているところでございます。非常に重要な観点であり,政策であるというふうに思っておりますが,その内容を読ませていただいた印象は,国や地方公共団体がどういうふうにしていくかということが書かれているということを,印象としては受けました。これまでの議論でも出てきている,民間企業,NPOなど,民間セクターあるいは社会のセクターと連携・協働して,この学びを通じたセーフティネットを構築するということをお書きいただければと存じます。もちろんそれは十分お考えの上だと思いますけれども,この文章を読むと,公共セクターが何をすべきかというような,そういうがトーンのみが強いように思いまして,民間や,あるいはNPO,特にNPOなどと連携していくということを是非お書きいただきたいということ,また,そういった学びのセーフティネットを構築していこうとする民間やNPOを,国や地方公共団体は支援していくということを是非御検討いただければというふうに思った次第でございます。
 また,さらにより具体的な話になりますが,指標というところを見せていただきまして,家庭・地域・学校との連携という目標7に関わる指標等につきましては,是非,学校地域協働本部の数ですとか,放課後子供教室数という実態の推移を指標として入れていただけないかというふうに感じたところでございます。
 また,カリキュラムを変えるということで御議論いただきました社会教育主事の数というのも,これは国の努力で変化は簡単にはしないものであるというのは十分承知しておりますけれども,市町村が採用するということだとは思いますけれども,社会教育主事の設置数,あるいは派遣社会教育主事数というものにつきまして,参考指標としてでも上げていただくということが,今後,地方の社会教育主事の数を増やしてくという起爆剤にもなってほしいと思いますので,御検討いただければ幸いです。
 以上です。

【明石分科会長】
 ありがとうございました。
 では,菊川委員,お願いします。

【菊川副分科会長】
 それぞれにそうだなと思いながら聞かせていただいております。清原委員や大久保委員の御意見に関連してなのですが,日頃,放送大学の学生さんと接していると,やっぱり大人は学んだことの証明を求めているなというふうに思います。資格を求めているといいますか,資格で何ができるか,あるいはそれは生活や仕事の面でどう生かしていけるかということを求めているんだなということを日頃感じております。
 そういう意味で,今回,社会教育主事制度をまとめていただき,社会教育士という形で長年の懸案をまとめてくださったことですとか,あるいは検定制度の評価ですとか,世の中にきっちり認知される形で制度化が進んでいくというところは,うれしく思っているところでございます。
 加えて,総論の方の19ページですが,社会人が大学等で学べる環境の整備というところで,ちょっと気になりますのは,2つ目の丸の社会人の学びの継続・学び直しを推進する観点で,専修学校等の専門的職業分野のというふうに書いてあるわけですけれども,職業教育につきまして,大学も正面から絡んでくるというふうにならないといけないのではなかろうかと思います。社会人の学びの継続・学び直しというのであれば,この中に,専修学校だけではなく教養教育も含めて,大学も大人の職業の学び直しに正面から取り組みますよというアピールが要るのではなかろうかというふうには思っているところでございます。
 

【明石分科会長】
 ありがとうございました。
 次は,相原委員,お願いします。

【相原委員】
 すみません,ありがとうございます。
 本日の議論も含め,生涯学習の議論に何回か参加する中でその認識を深めてきましたが,学ぶことという生涯学習を考える際には,生きていること,働くことが投影されるものだと考えた方がよいと思います。働くことに余裕がなければ,学びを始めようとする気持ちにはたどり着きません。生きることに苦しさがあれば,世のため,人のためという思いまでたどり着くことはできません。したがって,生涯学習というのは,働くことや生きることを投影したバロメーターであるという位置付けに見直して,生涯学習が普及しないということは,逆に働くことや生きることが,前向きな感がしない難しい状況になっていると捉えていくように位置付けるのがよいと考えます。逆に,政策を作り上げる上では生涯学習を掘り下げることも問題に最短距離でアプローチしていくこととなり,背景にあるものがしっかり豊かなものか,耕されているかがわかります。遠回りのように見えるが,そこをしっかりすることが大事だと考えます。
 もう一つは,生涯学習の敷居が高いのではないでしょうか。先ほど牧野委員が述べていたが,これも生涯学習,こういうことでさえ生涯学習だという安心感がないと,飛び付きにくい現実にあり,様々な数値をもって今後検証していくという実行計画がある中ではありますが,幾つかのスタディをしていくのがよいと考えます。最終的には,人口減少だとか,年金に対する危機感とか,山ほどマイナスの材料がある中で,技術革新も同列に扱われ,雇用は奪われるぞという議論をされてしまっては困るので,新しい社会人像をもう一回組み立てていくための生涯学習だと捉えるのが良いのではないかと考えました。

【明石分科会長】
 ありがとうございました。
 では,恒吉委員,お願いします。

【恒吉委員】
 ごく簡単に。最初に生涯学習の観点について,生涯学習を勉強中のものですから発言がしにくくなっているんですが,拝見していて,学校教育の方を見てきたものなので,すごく網羅的に見えて大変だろうなと思ったんです。先ほど牧野委員からもありましたが,どういう社会に向かっているのかとか,社会ビジョンが何なのかとか,リアクトしている社会ビジョンと創り出そうしている社会があって,その両者のどういうところが当てはまっているのかとか,先ほど学び直しとありましたけれども,ここはどうしても落としてほしくないというキーワードみたいなものが,議論されている方にはすごく明らかであると思うんですが,読む者にとってそのキーワードとかスローガンとかが,ぱっと出てくるような,人生100年ぐらいがぱっと目に見えてくるんですが,そういうものが見えてきた方が,恐らく構造的には理解しやすいんだろうなと思います。
 先ほどの話がありますけど,マイナスイメージになりかねないような日本の状況の中で,それを打破していって未来がある形で見せるようなものには,社会ビジョンが見えてくるといいんじゃないかなという印象は,私は受けました。簡単ですけれども。

【明石分科会長】
 ありがとうございました。
 では,高見委員,お願いします。

【高見委員】
 高見でございます。
 前段をはしょらせていただいて,私,少し立場が異なりますので,事業会社の取締役をしております。責任を持って働き,雇用を守り,雇用を創出している立場ですので,皆さんと対極の立場でこれを見させていただいたときに,もっと個人の責任にフォーカスをしていいんじゃないかなと。生きるということは,価値を提供していくということだと私は考えています。それは80歳になっても,100歳になっても。その価値を提供していくということは,年齢に応じて大きくなったり小さくなったりすることがあるかもしれないんですけれども,今までの御意見を聞いていると,個人個人,甘えすぎなんじゃないかなと。国に何かを求めすぎだし,学校に何かを求めすぎだし,生きていくからには価値を提供すべきだ,そのための支援はしますよという立場でいいんじゃないかなというふうにお聞きをしていて思いました。
 ここは,すごくいいことが書いてあるなと思っていて。「一人一人は,個人は予測困難な変化の激しい社会を生きる上では・・・将来を創り出すことができるようになるべき」なんですよ。「なるべき」で,それになるべき人たちに対して支援をしますよというのが,公共の機関ということでいいんではないかなというふうに私は思っていて,ですから,証明が欲しいために学んでいるのではなくて,価値を提供するために学んでいる。地域に生かしていただいているので,地域に何かの御恩を返すために,その力となる何らかの施策を学ばせていただいているというスタンスをある程度個人が持つべきなのではないかなというふうに思っていて,余り甘やかさなくてもいいんではないかなというのを,責任を持って生きている立場なので,意見として言わせていただきました。言葉がすぎたら,すみません。失礼しました。

【明石分科会長】
 ありがとうございました。
 では,山野委員。

【山野委員】
 丁寧にまとめていただき,ありがとうございます。皆さんの意見にも,そのとおりだなと思って,私も聞かせていただきました。
 その中で,非常に瑣末(さまつ)なことかもしれませんが,先ほど清原委員がおっしゃったり,牧野委員がおっしゃったりした最後の方で,すごく具体的な話で,それを指標化するという意味で,例えば学校と家庭と地域の横串を刺すような,これは生涯学習政策局であるからこそ,初中局ではなく,ここだからこそできることだと思うし,答申の3つの方向性の部会としていろいろ議論したときも,3つがどうつながっているのかというものの全体図を見せていくべきだという意見もさせてもらったのですが,すごくそれに近い計画案として出してくださっていると思います。
 そういう意味で,それぞれの市町村とか民間,市民,いろんな視点までずっと考えていったときに,この指標の中である程度そこも入れ込んでいかないと実現されていかないじゃないかという懸念,先ほど恒吉委員がおっしゃったキーワードが見えにくい。総花的で,何がどうなのかというのがちょっと伝わりにくいかもしれないので,指標のところではポイント的なものが実現されるように具体的に入れるべきなんじゃないかなと思いました。
 例えば,資料3-2の各論11ページの家庭の教育力,何度か皆さんおっしゃったところと指標の5ページのところなんですけれども,先ほど金藤委員もおっしゃったんですが,まず3-2の11ページのところには,「関係省庁が連携し」と書いてある。ここの省庁の中には,文科省内もあるのかもしれませんけど,初中局と生涯学習政策局であるとか,横串を刺せるようにもうちょっと丁寧に局があったらいいのかなと思ったのと,それから資料3-3の5ページのところでは,目標7のところです。家庭・地域の,それから学校の連携・協働と書かれているんですが,この辺が,先ほども出ていた牧野委員の意見につなげると,多様なつながりをどう作っていくのかというところには,学校も入っていると私は思うんです。地域も,学校も,NPOも,企業も,いろんな意味でつながりを作る,何でつながりを作っていったらいいのかちょっと分かりませんけれど,例えば,コミュニティ・スクールを中心としたいろんな活動の連絡会だとか,いろんなことを考えられると思うんですが,そういった多様なアクターと具体的につながりの仕組みができたかみたいな,具体的には連絡会なのか何なのか分かりませんけれども,協働の場を数えて,そういうつながりがいくつできたというような,数えられる指標があったらいいなと思いました。そうでないと,具体的に何をどうしたらいいのか。現場に行くと,皆さんの混乱は,答申案を見て,どう3つをつなげたらいいのかというのが分かりにくいということもありますので,思いました。
 それと同じように,もう一遍11ページに戻りますが,ここには学校という言葉がない。家庭の教育力の向上というところには,先ほどの関係省庁で初中局ということが入るのかもしれませんけど,学校という言葉がないなと思いました。
 以上です。すいません。

【明石分科会長】
 ありがとうございます。
 では,清國委員,お願いします。

【清國委員】
 ありがとうございます。
 私の方は,先ほどの社会教育主事との関連で話すべきところもあるのですが,少し間口を広げて話をさせていただきたいと思います。家庭・学校・地域といったときの学校は,どうしても初等中等教育がターゲットになっているように思います。しかしながら,今現在,地方国立大学の状況を申し上げますと,COCとかCOCプラスとかいう,かなり地域や地元への貢献を意識した取組を行っております。地域の持続可能性を地方国立大学が自ら先頭に立ってその役割を果たしていこうというようなところが一方でございます。その中で,教育方法論として,アクティブラーニングであったり,PBLであったり,フィールドワークであったりした手法を用いて地域課題に向き合っていこうとしております。もっと学生に地域理解をさせ,地域志向性を高めることで,地域へ責任ある関わりを持たせようとしています。これまでの話題に,社会人学生や学び直しとかいう言葉も出てきたのですが,社会人がなぜ大学で学び直さないのか。特に文系の方々が学び直さないのかというと,大学の中で人文社会科学系の学問が直接的には余り地域の役に立ってこなかったのではないか,というような批判めいたことが外から漏れ聞こえてくるわけです。実はそういうことではなくて,今は人文社会科学系の教員も,学問も,地域というところに片方で軸足を置きながら研究も実践も進めている,学生教育も進めているのです。すなわち,学生が社会人になる一歩手前の段階で,地域をフィールドとした学習活動を行っていて,そのことが後々,これから10年,15年したときに,社会人の学び直しとして,また大学に戻ってくる,学習をするような,そういう役割を大学は果たしているとも言えるのです。そうであれば,大学も非常に大きな生涯学習機関としての,高等教育機関としての役割というのがあるだろうというように思っています。私の今の発言は,責任セクションが明らかでないところがあるので,高等教育局なのか,生涯学習政策局なのか,そのあたりが曖昧模糊(あいまいもこ)として,非常に発言が中途半端で申し訳ないところもあるのですが,そのことを今感じているようなところです。確かな学力,豊かな心の育成というところをまたいだ発言となっているのですが,高等教育機関の役割というのは,今後ますます大きくなってくるのではないかと考えております。
 以上でございます。

【明石分科会長】
 ありがとうございました。
 では,平岩委員,お願いします。

【平岩委員】
 お気軽に聞いていただければと思うんですけども,生涯学習の敷居が高いというのは,ずっと私も気になっていて,どうやったら生涯学習がもっと進むのかなと,いつも考えながらいろんなことを見たりしているつもりです。その中で気づくことが2つほどあります。1つが,ライフワークという言葉がよく出てくるんですね。ライフワークを見つけたいとか,ライフワークがあると人生が充実するとか,あるいはそれが結果的に学ぶ意欲になってきて,自分はこの問題にすごく興味があるからもっと知ってみようとか,解決するにはどういう力が必要かとか,そういう話になってくる。もう一つは,ライフワークに似た言葉でライスワークという言葉を使うんですけど,いわゆるそれは生活の糧を得るための仕事。このライフワークとライスワークが一致すると,本当に幸せだよねと言います。結果的には,人生,充実していくために,自分が生涯かけて取り組んでいきたいテーマとか,それを知って解決していくというのも,1つの生涯学習の糸口になるのではないかというのが1つです。
 もう一つは,何をするかより誰とするかとか言いますけれども,1人でこつこつと学んでいくというのはなかなか難しいもので,みんなで会いたいからとか,楽しいから,そういう形で生涯学習とか勉強が始まっていくという方がむしろ自然なのかなと思うことです。ビジネススクールなんかの人たちを見ていると,確かに勉強もすごいしているんですけど,一緒に仲間と汗を流した感が,その後の人間関係にずっとつながっていって,幸せそうなんですよね,ですから,そういう意味では,楽しく,みんなでつながりながら学べる環境をいかに作れるかということにも,糸口があるのかなと思っております。
 この2つは,自分なりには本質なのかなというふうに最近思い始めているということで,発言させていただきました。

【明石分科会長】
 ありがとうございました。
 では,清原委員。

【清原副分科会長】
 すみません,2回目の発言,失礼します。
 山野委員の御発言に触発されて気づきがありましたので,発言させていただきます。
 資料3-3に,「指標等の例」を列記していただいています。この指標については,2ページの注釈にありますように,「今後5年間の教育政策目標」の状態を直接的・間接的に表す指標のうち,現在の水準等を踏まえ,改善の方向を明記することが必要かつ適切であるもの『測定指標』として設置しますということです。しかも,これは「アウトカム指標を基本とする」とあります。アウトプットではなくて。これは本質的な取組をしていただいているのですが,アウトカムというのは,私も政策評価,行政評価をしている自治体の1人ですが,なかなかこれが難しいわけでございます。意欲的に「アウトカムの指標」の例を洗い出していただいています。私は,先ほど何人かの方がおっしゃったのですが,「アウトプット」,数値で表れるものもベースとしてはきちんと置くことも,遠慮しないでよろしいのではないかなということが1点です。
 2点目に,「アウトカム」についてですが,計画は作るだけで終わるわけではないので,それを評価,検証して,PDCAサイクルを回さなければいけません。そのときに,本当にその成果,効果を,「アウトカム」に着目するというのは大事なのですが,そのために新たな調査を実施するということも必要になってまいります。初等中等教育分科会で,「学校における働き方改革特別部会」の委員も拝命している立場としては,新たな調査をこれで増やすことによって,教員の負担が増さないかなという余計な心配もするわけでございます。調査も必要ですが,皆様もここに配慮されていて,「その数値の達成が自己目的化されるようなことは避けたい」,このように注釈にも書かれています。従いまして,「アウトカム」はとても重要なんですけれども,精査をされることも重要かなという感じもいたしました。今回,数値についてかなり多様な指標を例示していただいていることに,文部科学省の皆様の意欲も感じますし,委員の皆様の意欲がそれを鼓舞しているものと拝察するのですが,実現可能性ということや,もし代替できるもの,学校基本調査の中で見ることができるもの,あるいは内閣府等,総務省等の調査で代替できるもの,そうしたことで統計の負担が増すことなく,しかし,実質が得られるようなものの創意工夫も重ねてお願いする方がよろしいのかなというふうに感じました。
 取り越し苦労であればいいのですが,以上です。ありがとうございます。

【明石分科会長】
 ありがとうございました。
 では,小林委員,お願いします。

【小林委員】
 今回のこの第3期教育振興基本計画については,人生100年を見据えた生涯学習の様々な意見を組み込んでまとめていただいて,本当にありがとうございます。
 それから,今までも各委員,いろいろ御発言を頂いているところでありますが,日本の大学で学び直す人たちが大体1.8%ということで,国際社会,OECD加盟国は20%ということです。なぜ日本とOECD加盟国で差があるのかということで考えてみると,幾つもの要因があると思うのですが,簡単に3つぐらいにまとめたいと思います。
 1つは,今までの日本の大学は,学術中心で実学をどちらかというと軽視した実用性を無視したような教育がかなり行われていたということがあります。大学の目的,それぞれあるわけですが,実際に大学で学んで卒業した人たちが,学び直しでもう1回大学へ入るという人たちが非常に少ないというのは,その実用性を大学に感じていないという根本的な問題が1つあります。そういう教育を今までずっとやってきたという歴史が,大学教育の中で根本的にあると思います。
 一方,それでは駄目だということで,この度,4年前に専修学校の職業実践専門課程が大臣認定になって,国としても職業教育,実学というものに力を入れていくということに変わってきました。そして今度は,また新しく専門職大学というものができて,職業教育,実学というものにも大変目が向いてきたということであると思います。ですから,今度大きく変わっていくというふうに思います。ヨーロッパと同じように,逆に言えば,長い人生の中で学び直しをして,そして自分の生き方,ライフデザインというものを自分なりにちゃんと考えて生活設計をしていけるように,私は変わっていくだろうと思っております。
 第2は,大学でもう1回学び直すというのは,まず,4年間の期間,あるいは学び直しというのは学士入学ですから,専門性を学ぶというのでは2年でもいいのかもしれませんが,それだけの期間と経済的なゆとりがないと学び直しはなかなかできないし,そういう経済的な問題に対する対応策というのは,ほとんど今まで考えられてこなかったということが大きな日本の問題点です,ヨーロッパと違うところでもあり,そういうことも背景にはあると思います。
 第3は,先ほど言ったように,実用性に関しては,今までの既存の大学で余りにも乏しかったということがあります。日本の大学は,国際社会から一時は,まさにレジャーランドだなんていう批判を受けていたということも,ここ数年あったわけであります。そのような中では再度大学で学ぶ気にはなりません。したがって,今,ガバナンス改革やいろんな高等教育改革が進んでいるという背景もあるということですね。そういうようなことを踏まえて,今回の基本計画については,きちんといろんな側面から語られてできているのだと思っております。是非,この方向で今後も進めていただくということをお願いしたいです。
 それから,コミュニティ・スクールということもここに書いてありますけども,コミュニティ・スクールの概念というのは,どういうふうに捉えていいのかというのが分かりません。3-2の11ページにコミュニティ・スクールを目指すというふうになっていますが,アメリカのコミュニティ・スクールの形をおっしゃっているのか,それとも新たな概念として日本でコミュニティ・スクールというものをどういうふうに位置付けて考えていこうとされているのか,この辺のことは説明を加えていただいた方がいいのではないかと思います。
 以上です。

【明石分科会長】
 ありがとうございました。
 本当に様々な御意見を頂きましてありがとうございました。用意した時間が参りますので,本日の審議はこのあたりで終わりたいと思っております。頂きました御意見は事務方の方で整理していただきまして,教育振興基本計画部会で伝達といいましょうか,提供していきたいと思っております。非常にきょうは貴重な御意見を本当にありがとうございました。
 では,事務方の方で連絡事項があればお願いいたします。

【高見生涯学習推進課課長補佐】
 本日も闊達(かったつ)な御意見,ありがとうございました。資料につきましては,机上に置いていただけましたら郵送させていただきます。
 また,次回の開催日時ですけれども,別途事務局より御連絡をさせていただきます。
 御連絡事項は以上となります。

【明石分科会長】
 それでは,本日の生涯学習分科会は,これにて閉会といたします。
 ありがとうございました。

―了―

お問合せ先

生涯学習政策局生涯学習推進課

角野 佑季
電話番号:03-5253-4111(内線3273)
ファクシミリ番号:03-6734-3281
メールアドレス:syo-bun@mext.go.jp

(生涯学習政策局生涯学習推進課)

-- 登録:平成29年11月 --