【資料5】全国町村教育長会資料

平成30年3月26日


博物館法(昭26.法285)及び運営に関する法律(昭31.法162)に対する平成29年の地方からの提案等に関する見解について


全国町村教育長会 会長 柏谷弘陽


   公立博物館については、まちづくり行政、観光行政等の他の行政分野との一体的な取組をより一層推進するため、地方公共団体の判断により地方公共団体の長が所管することを可能とする事に対しては賛成であり、可及的速やかに実現されるよう検討を進めていただきたいと思います。
   但、政治的中立性の確保や学校教育との連携の要請等にも留意し、首長部局へ移管するため条例制定又は改廃の議決の際に教育委員会の意見聴取を行うことや、社会教育委員、博物館協議会等の活用等により担保可能とすべきと考えるものです。
   926の全国町村教育委員会のほとんどの町村においては急激に過疎化や高齢化が進んでおり、公民館、図書館、博物館等において様々な地域課題により的確に対応した取組が求められており、これらの施設を含む社会教育行政部局とまちづくり関係部局、福祉医療、健康関係部局、産業振興関係部局、学校、大学、企業、NPO法人等の多様な主体との連携強化が日々重要となってきている事実に鑑、速やかに実施されることを願うものです。また実施においては、場合により隣接する市町村の広域的視点の導入も見逃してはならないと考えます。住んでいる住民の意識以上には、その地域は良くならないと言われており、また、地域づくりは人づくり、人づくりは「心づくり」に尽きるとまで言われます。時代は地域住民一人ひとりが自己利益だけに終始しない公民が必要な時代となっており、教育・福祉・医療・地域づくりなど地域を一番よく知っている地域の方々が、地域課題を論議し、その解決方法を考え、それぞれの良さを生かし、公人としての役割をはたしていく時代であり、参加者の納得感を大切にした「熟議」をしっかり行っていくべきです。知の共有としてクラウドファンディング等の多様な手法による資金調達の活用促進のため、事例学習等平素より中学・高校・大学生にも情報提供していくべきと考えます。人は庶民として顔と公民としての顔を持つ存在であり、公民館とは公民としての庶民を育てる場であると宣言すべきで誰もが社会教育の場で学び合うことを提唱すべきと考えます。ネット社会の今、公民育成のための「熟議」の活用が希求されているのではないでしょうか。熟議の必要性を強く思うものであります。
   過疎化、高齢化が急激に進む町村においては、とかくマイナス思考におちいりやすいものであり、住民意識の変様に熟議を行ったうえでの首長判断による具体な提案等がなされればかなり大きな成果をあげることも可能となると考えられます。
   また、熟議文化育成により地域住民自身が公民館、図書館、博物館等において様々な地域課題により的確にすばやく対応できるようになり、主体的に意識変様にかかわれるようになり、地域活性化に資することに結びつくものと考えるものです。

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