学習成果活用部会(第12回) 議事録

1.日時

平成28年3月14日(月曜日)15時00分~17時00分

2.場所

文部科学省13F1-3会議室

3.議題

  1. 高大接続システム改革会議多面的な評価検討ワーキンググループでの議論のまとめについて
  2. 審議経過報告(案)について
  3. その他

4.議事録

【菊川部会長】
 ただいまから第12回中央教育審議会生涯学習分科会学習成果活用部会を開催いたします。
 皆様大変お忙しい中,お集まりいただきまして,誠にありがとうございます。本日は,高大接続システム改革会議多面的な評価検討ワーキンググループでの議論のまとめについて御報告いただくとともに,審議経過報告(案)について御審議いただくことになっております。
 それでは,事務局より配付資料の確認をお願いいたします。

【竹下生涯学習推進課課長補佐】
 それでは,お手元の資料を確認させていただきます。議事次第,座席表及び資料1から資料3までを配付させていただいてございます。資料1が議題1の高大システム改革会議の多面的な評価検討ワーキンググループでの議論のまとめの関係の資料。資料1‐1から1‐3までになります。続きまして,資料2‐1,2‐2が議題2の審議経過報告(案)についての関係資料となります。これの資料3が今後の審議スケジュール(案)になります。
 以上,資料となります。

【菊川部会長】
 議題1の高大接続システム改革会議多面的な評価検討ワーキンググループでの議論のまとめについて,事務局から御説明をお願いいたします。

【廣野教育制度改革室専門官】
 それでは,高大接続システム改革会議におきまして,多面的な評価検討ワーキンググループ,こちらで多面的な評価の推進ということで検討を進めさせていただいてまいりました。その議論のまとめでございます。報告でございますが,まず資料1‐1で,高大接続改革に関する経緯をまとめさせていただいてございます。これまで類似の検討の場におきまして,様々な提言がされていた分野ではございますが,高校教育改革,大学教育改革,そして,その間をつなぐ大学入学者選抜制度の改革というものを一体的に進めていくという方向性で,中央教育審議会におきまして平成26年12月に答申が出されております。
 その答申を受けまして,文部科学大臣決定で,その具体化,改革の進め方について取りまとめた高大接続改革実行プランを策定いたしまして,そのプランに基づき具体的な検討の場として,高大接続システム改革会議におきまして議論が行われているところでございます。
 2ページ目になりますが,昨年9月に中間まとめを取りまとめまして,そのポイントといたしまして,新たな時代を生きる子供たち一人一人に必要な能力,これを学力の3要素と捉えまして,この能力を初等中等教育から大学教育まで一貫して育んでいくため,高等学校教育,大学教育,入学者選抜の一体的な改革に取り組むということがコンセプトでございます。
 この多面的な評価検討ワーキンググループにおきましては,こうしたコンセプトの下に多面的な評価をどのように課題を捉え,改善していくかということを検討する場として設けられ,議論のまとめをさせていただいたところでございます。
 その内容につきましては,資料1‐2,資料1‐3でございます。資料1‐3が実際に取りまとめた議論のまとめということでの報告になってございますが,内容につきましては,資料1‐2でポイントをかいつまんで御説明させていただければと思います。
 資料1‐2,1枚目でございますが,こちらが高校教育からその後の進路に応じまして,大学以降で評価の結果が活用されながら人材を育成していく。そういった流れを模式化したもので作成したものでございます。下の青の破線囲みにありますのが高校教育段階での取組として記させていただいております。下から,義務教育段階からの学び直しから様々な教育活動,取組が行われていく中で,非常に高校教育段階では取組が多様化しているということを前提としまして,そうした様々な取組から日常的な評価が行われ,そこを通して指導改善が行われていく,そういった高校段階での取組を記させていただいてございます。
 そうした高校段階の中で,指導改善につながる絵の矢印のところで,学習評価ではこのサイクルが回るためにどのように取り組んで改善していくか。また,多様な活動が行われているという高校生の実態を捉えて,それをどのように評価していくのか。そういった観点を主に捉えながら検討をさせていただいております。
 そしてまた,そういった取組の活動から学習指導要録という形で結果として記録がされていくわけでございますが,そういった多面的な評価が記録として適切に残り,また,上に展開されます様々な進路に向かって活用されていく,そういった流れを作るための指導要録がどのようにあるべきかという検討。また,そこから先に出ましたときに高校生の多様な進路実態,大学進学だけではなく,専門学校への進学,また,就職というものもございますので,それぞれに向かって高校段階で育てられた資質・能力がそこにつながっていくということでございます。
 特に今回,高大接続改革という文脈での検討でございましたので,主にそういった流れが大学進学に向けて進められておりますが,そこに大学入学選抜に際し,大学において学力の評価だけではなく,調査書やその他提出書類から多様な生徒の実態を捉えて,多面的・総合的に評価をして,入学者選抜を行っていただくための活用の在り方,そして,進学後にまた多様な社会に出ていくまでの人材育成ということで,その評価をいかに継続させて活用していくのか,そういった在り方について検討をしたところでございます。
 そして,一番下になりますけれども,評価の基盤を支えるための基盤整備の在り方に関しましても検討させていただきながら,全体として多様な学習活動や学習成果を適切に評価していく仕組みの構築を目指していくということで,報告の方をまとめさせていただいてございます。
 2ページ以降が各段階,高等学校段階における評価の在り方,大学入学者選抜,大学等における評価の在り方について概要をまとめさせていただいたものでございます。高等学校段階における評価の在り方につきましては,生徒の資質・能力を多面的に評価していく。そういうことを推進していくという観点から,各教科等の学習評価の在り方について方向性ということをまとめさせていただいてございます。
 各教科の学習を通しまして,学力の3要素をバランスよく育成していく。そのために目標に準拠した観点別の学習評価というものを推進していくということ。また,アクティブ・ラーニングの視点からの授業改善ということを進めていく中で,そうした学習を通じて育成される資質・能力を的確に評価していくための方法,そういったものについてもどう整備をしていく必要があるということがまとめられてございます。
 多様な学習活動の評価の在り方のところにつきましては,こちらも同部会での御検討と密接に結び付くところかと考えてございますが,多面的,多様になっております高等学校での学習活動,そういったものを適切に評価していくために様々な評価ツール,測定ツールというものを活用していくということが方向性として示されてございます。そういった中に各種民間検定というものも当然活用の中に入ってくるわけでございまして,そういったところを適宜活用しながら,高校での生徒の多様な学習活動を評価していこうということでございます。
 ただ,学校で活用していくに当たりましては,その検定試験がどういった形で学校との教育活動と結び付いているのか,また,その結果からどういった資質・能力が証明されるのか,そういった点を学校教育の活動の中とうまく結び付けていく必要があるだろうということの問題意識で,そういったことを前提としておきながら,高等学校での活用を促進していく。そういった形で議論のまとめとして整理をしているところでございます。
 そういった取組が適切に記録として残るように指導要録の改善を行っていくということが3ページの上段でございます。
 また,高大接続の観点からは,高校で行われた評価が妥当性,信頼性を持った形で大学に示されるということが入学者選抜の改革,改善にも資するということでございますので,そういった観点から学校の取組を期待するということで記載させていただいておりますのと,高大接続改革の中で多面的評価の文脈の一つで位置付けられております高校基礎学力テスト,この扱いについても議論をさせていただいたところでございます。
 4ページ,おめくりいただきますと,主体的な学びを育む観点からの取組の推進ということでございまして,こちらは必ずしも生徒の取組を学校が評価するということではございませんが,やはり生徒自身が自らどういう将来に向かって何に取り組むのか,どういう成果を上げてきたのか,そういう自覚的な振り返り,確認というものを促していく,そういった取組も必要だろうということで御意見を頂いておりましたので,キャリア実現に向けた検討ということで進めるということを提言として頂いてございます。
 5ページ以降が大学入学者選抜等における評価の在り方についてまとめさせていただいております。大きく捉えまして,高校から,入学者選抜の際に提出される調査書,また,その他の提出書類,推薦書等も含みますが,その在り方についての見直しの方向性ということで記させていただいたものでございます。
 多面的・総合的な評価に資するという観点から,どのような情報が大学に提供されるべきなのかということで,大学において選抜に活用できる情報を調査書,また,推薦書の中で記載されていくような取組を進めていくべきだということでまとめられてございます。
 6ページでございます。中段,入学希望者本人が主体的に記載する提出資料の充実ということでございまして,こちらも高等学校から大学に提出される書類だけではなく,本人が入学希望した大学に対して提出書類,そういったものも入学者選抜において活用していく,そういった取組を促していこうということで,その方策について整理をさせていただいてございます。
 また,一番下の段階でございますが,高等学校での学習状況等を踏まえた大学教育への改善につきましては,必ずしも大学で入学者選抜の際に用いるということではなく,ここから伝わってきた情報が大学教育の充実の中にも生かされるようにということをどのように進めていくのかという観点から整理がされているところでございます。
 以上が高大接続システム改革会議,多面的な評価検討ワーキングでの議論のまとめの概要でございます。また,この議論のまとめを踏まえまして,高大接続システム改革会議,本体の会議におきましては,11日に会議が行われまして,また,次回,最終報告に向けた議論ということで行わせていただく予定になっておりまして,年度内での最終報告の策定という予定で今,議論をさせていただいているところでございます。

【菊川部会長】
 ありがとうございました。検定試験との関わりもあって,御報告いただいたと理解しておりますが,特段御質問がなければ,次の議題に進みたいと思いますが,よろしゅうございますか。
 では,これまでの部会の議論を踏まえ,審議経過報告(案)について,資料2‐1を準備いただいておりますので,まずは事務局より御説明をお願いします。その後,意見交換を行いたいと思いますので,よろしくお願いいたします。

【助川民間教育事業振興室長】
 それでは,資料2‐1と資料2‐2をごらんいただければと思います。これまでの御議論を踏まえまして,資料2‐1を作成いたしました。前回の2月24日の会議におきましては,2月10日の中教審総会にお諮りしたものの章立てのうち,検定試験に関する章を取り出してお諮りいたしましたけれども,そのときの議論も踏まえまして,また2月10日の総会のときの記述をまた膨らませまして,全体版としてお配りしているところでございます。
 また,資料2‐2というのは,検定試験に関することでございますけれども,検定事業者に関する記述がいろいろなところに記述がどうしても分かれてしまう,いろいろに関わり合っているがために分かれてしまうこともありまして,表の形で,イメージ図として準備させていただきました。こちらが資料2‐2となります。本来であれば早くお送りしておくべき資料でございましたけれども,申し訳ございません。本日まとめて御説明申し上げさせていただければと思います。
 それでは,資料2‐1のページを一つめくっていただいて,目次のところからまずごらんいただければと思います。
 前回までにおきましては,人材認証制度の活用の推進というのが一つの章として独立しておりました。ですけれども,こちらについては,人材認証制度というものが学習者の能力,技能等を認証するものでありまして,検定試験と機能が似ているという面もございますので,第4章の検定試験の質の向上等の中に統合いたしまして,それの四つ目の点,人材認証制度の活用の推進というふうに一つにまとめて論じさせていただいております。
 続きまして,本文でございますけれども,こちらは全体を通しまして,先ほど申しましたように,2月10日の中央教育審議会総会におきましては,審議経過報告骨子としてお配りしたものでございます。本部会は昨年9月,中間まとめがございまして,中間まとめまでの内容を2月10日のときには骨子の形で短くしていましたが,このたび,審議経過報告という形で膨らますために中間まとめの記述を,若干重複を排除する形でございますけれども,落としながら,また検定試験については前回の御議論を踏まえて書き直したところでございます。
 まず第1章のところ,生涯学習を取り巻く状況でございますけれども,一つ目の点,我が国の社会をめぐる状況の変化と,二つ目の点の学習環境の変化でございます。こちらについては,内容的に大きく変えるものではなく,記述の内容は,超高齢化社会の到来ですとか地域コミュニティが消滅の危機にひんしている場合があるといった課題ですとか,あるいは科学技術イノベーションの進展,グローバル化の進展などによって,急激な社会変化があること。あるいはICTの発展などによって,例えば放送大学がネット配信を充実させている。あるいは大学によってはMOOC,大規模公開オンライン講座のことをMOOCと言いますけれども,こういうのが拡大され,我が国の社会をめぐる状況が変化しているといった環境の変化を述べているところでございます。
 また,三つ目の点のところ,社会の変化と生涯にわたって学び続ける意義のところでございますけれども,こちらのところは,前回の資料と引き続きまして,昨年12月のいわゆる学校地域協働答申,「新しい時代の教育や地方創生の実現に向けた学校と地域の連携・協働の在り方と今後の推進方策について」という,昨年12月に中央教育審議会から頂戴しました答申,こちらを引用しつつ,本部会におきましても,学習成果の活用において必要な今後の取組を示すことで一人一人の学習活動を活性化することと,地域社会における子供の成長を支える活動の双方が両輪となって,一層推進されることを期待している旨を述べているところでございます。
 駆け足で恐縮でございますけれども,第2章の学習成果の課題のところでございます。3ページの下のところでございますけれども,前回の2月24日の会議のときに,「教育・生涯学習に関する世論調査」の結果を御報告させていただきました。その世論調査の結果を追記しているところでございまして,また,その一個上の丸のところで,平成27年3月の教育再生実行会議の第6次提言を引用しております。この第2章で書かれていることとしては,例えば学習者自らが希望する場合に,様々な学習機会を通じて学習した成果が蓄積されることの重要性が高まっている。あるいはそのほか,学習成果が蓄積され,評価され,社会的な活用につながるようにすることの重要性が高まっているものの,活用に関しては,その学習成果の活用に関しては,学習の成果を評価し,通用させるための方策が十分に確立されていないといったような課題を論じている章でございます。
 恐れ入ります。検定試験のところが大きく変わっているもので,少し先を急がせていただきますと,第3章は7ページ以降でございます。今後の施策の方向性のところでございます。総会のときからは基本的には内容的に変えているものではなく,二つ目の点の「『学び』と『活動』の循環」の形成というのが二つに分かれており,一つ目の括弧が(「学び」の場の整備・充実)でございますけれども,こちらでは,学習者,学習機会提供者において,地域の課題に関する情報が提供されることが重要であること。あるいは地方公共団体と大学等が連携して,実践的な課題解決型の講座等を充実すること。そういう充実が図られるようにすることが重要であることなどが述べられております。
 また,ページをめくって,8ページのところで,「学び」と「活動」の橋渡しのところでございますけれども,最初の丸のところで,学習者自らが,学びの成果を有効に活用することを希望する場合ですけれども,こういう場合に学習目標をどの程度達成したかを確かめるとともに,その学びの成果が社会的に適切に評価され,活用できるような環境を整備することが重要であることを述べておりまして,それで,例えば検定試験ですとか人材認証制度等によりまして,学びの成果が適切に評価され,活用できるような環境を整備することが重要であること。あるいは地域課題と学習機会のマッチングに関して方策を確立していくことが必要であるということを述べております。
 これが9ページの最後の段落ですけれども,その一つ目,二つ目のところで,またこちらでも,学校地域協働答申において地域コーディネーターの資質向上をも含めて,統括的なコーディネーターの機能の強化,人材育成などが求められていること,「顔の見える」関係の中で,社会教育行政関係者ですとか,地域のコーディネーターが「顔の見える」関係の中で,学習者と様々な人々・地域活動・学習機会をつなげることが促進されることも期待されることを述べておりまして,この9ページの一番後の段落,先ほど申しましたマッチングに関する方策を確立する必要がある旨を述べているところでございます。
 続きまして,第4章の検定試験の質の向上等のところでございます。
 ページは11ページでございます。一つ目の点の検定試験の意義でございますけれども,三つ目の丸のところで,学習者にとっての意義を書いております。また,四つ目のところで,活用者について述べております。活用者というのは学校など検定試験を活用する者,あるいは企業,地域など人材を活用する者,それをまとめて活用者としておりますが,四つ目の丸で活用者にとっての検定試験の意義を述べております。
 この四つ目の丸の後段の2段落目のところですけれども,前回の企業における活用の御発表を踏まえまして,記述を追加しております。特に従来は,一つの企業内で業務を通じて必要な能力を身に付けていくそういう例も多く見られましたけれども,これからは生涯にわたるキャリア形成の一環として個人が検定試験なども活用して能力を身に付けていき,企業はそれを様々な方策で支援するという流れになっていくのではないかと,そういう指摘もあるという旨を追加させていただいております。
 ページをめくって,12ページのところで,この検定試験の意義のところで,前回御議論いただきました検定試験の定義のところでございます。前回の御議論を踏まえまして,この二つ目の点の直前の丸の3行目のところからの「そこで」のところを少し改めさせていただいております。本報告書における検定試験の扱いでございますけれども,そこで,「学習者の学習成果を測定し,一定の基準に照らして合格・不合格の決定や達成した水準の程度を示すもののうち,法令等に基づかずに,民間の団体が実施するもの」,こちらを本答申の対象とする検定試験というふうに位置付けて,その質の保証や社会的活用の在り方について検討したというふうにまとめております。
 続きまして,二つ目の点の検定試験の評価及び情報の公開でございますけれども,二つ目の点以降のところ,体裁ですが,例えば13ページ,右ページのところに四角囲みがありますが,制度設計のポイントに当たる部分につきましては,枠の囲みで囲って,見やすくさせていただいております。また,現在のこの文章におきまして,検定事業者に求められる情報公開,評価等がどのようなイメージなのかというのを別紙の資料2‐2としてお配りしております。ですので,よろしければ,資料2‐2,横置きの1枚紙の方で御説明をさせていただきたいと思います。
 左下のところに,自己点検がございます。大きい枠が自己評価,第三者評価,自己点検,情報公開とあり,左下の方の自己点検のところでございますけれども,各検定事業者は,必要に応じて幅広い事項について日常的に検定試験を点検して,改善を図られておられます。これに加えて,その上のところになりますけれども,日常的な点検というのは,気付かない新たな視点からの改善を図るために定期的に検定試験の自己評価を行うことが記載されております。これが左上の自己評価の枠でございます。
 この図は,何々することが必要であるとか,期待されるだとか,そういう記載を少し省略しておりますけれども,イメージとしては,ここに,自己評価のところで書かれているのが以下申し上げることでございます。
 まず対象ですけれども,全ての検定試験について行うことが期待される,そして,実施回数を少なくとも毎年度1回,自己評価をすることを基本とするとしております。どのような項目について自己評価するかですけれども,評価項目のところで,検定試験の自己評価シートを活用するとしておりますけれども,後ほど御説明申し上げます第三者評価を検定試験団体がお受けになる場合には,この自己評価シートを踏まえまして,第三者評価機関が自己評価項目を提示するとしております。また,ここには書いておりませんけれども,国に対しては,そのため自己評価の項目等をガイドラインで示すことを求めているところでございます。
 また,公表のところ,自己評価の結果は,検定事業者において公表することを期待するとしております。
 次に,そこから右向きに第三者評価のところに矢印が伸びておりますけれども,利害関係を有しない第三者としての専門家等による第三者評価を適切に実施することができれば,各検定事業者の自律的な質の改善,向上が更に促されて,検定事業全体の質の向上ですとか,社会における信頼性の一層の確保に資することが期待されるということで,第三者評価のところにつながっております。
 この対象でございますけれども,純粋に趣味的な検定試験以外は第三者評価を受けることが期待されるとしておりますが,括弧書きのところ,特に企業,学校,地域等,広く社会で活用されることを目的とする検定試験ですとか,文部科学省の後援をお受けになろうとする検定試験は,その質の向上,信頼性の確保が強く求められるということで,第三者評価をお受けになることを基本とするとしております。
 評価項目について,第三者評価機関が定めるのですけれども,第三者評価機関が幾つかあった場合のためにも,国はその基準を策定するとしております。
 この評価項目というのを,点線枠囲みの二つに分類しております。検定試験の運営・組織に関する項目と,試験問題に関する項目でございます。
 なお,検定試験の試験問題を作成する体制等の状況というものは,前者の運営・組織に関する項目に含まれると分類しております。この前者については,全ての第三者評価機関で実施して,後者は,各第三者評価機関が実施するかどうか,どのような事項について実施するかということを決定するとしております。
 前者,検定試験の運営・組織に関する項目のうち業務遂行の適正性というのについては,そこから青い点線が自己点検の方に伸びておりますけれども,自己点検,評価の結果をまとめた報告書というのを第三者評価機関に提示することが考えられ,また,国の後援をお受けになる場合には,国にも提示することが考えられるとしております。この報告書を自己評価シートに基づく評価に加えて提出するとしております。
 また,後者の試験問題に関する項目についてですけれども,試験問題で測定する知識・技能の専門性についての評価と,この括弧ですけれども,試験問題で測定する知識・技能の専門性の評価と,テスト理論に基づく評価というふうに二分しております。前者については,下の方に青い点々が伸びていますけれども,一義的には検定事業者が点検して,情報公開することが期待されるというふうにしております。
 また,この両者を併せてコメ印のところ,検定事業者が必要に応じて分野の専門家ですとか,場合によっては当該分野の専門家を含めて協力を得て自己評価することが望まれるとしております。
 次の実施回数のところでございますけれども,3~4事業年度に1回としております。ここは前回でも,前回大きく御議論がありましたので,本文も併せてごらんいただければと思います。本文で申しますと,18ページをごらんいただけますでしょうか。
 これは17ページからの続きですが,18ページの上段,上の方の四角枠囲みでございます。実施回数については,3~4事業年度に一度としておりますが,運営・組織に関する項目については,3~4事業年度につき1回とすると。また,もう一つの検定試験の試験問題に関する項目について第三者評価を行う場合には,この運営・組織に関する項目と併せて3~4事業年度に一度行うことを基本とするとしております。
 しかし,この運営・組織に関する項目については,同時に各検定事業者においては,自己評価として積極的に試験問題に関する評価とそれに基づく改善に取り組むことが望まれるというところでございます。
 また,ここの枠囲みのところの続きですけれども,その際,例えばテスト理論に詳しい人材を検定事業者が独自に持つことが難しい場合もございますので,テスト理論に関する知見を有する専門家ですとか,テスト理論に詳しい第三者評価機関と連携・相談して,助言の下に自己評価を行うことが考えられるとしております。
 以上まとめて,このポンチ絵上は,実施回数は3~4事業年度に1回というふうに書いておるところでございます。
 この先ほどの横向きのポンチ絵に戻りまして,同じ箱の実施回数の下のところでございますけれども,評価結果の公表,第三者評価の結果の公表については,検定事業者,第三者評価機関から公表して,国はその評価結果の周知を促進するとしております。
 また本文にお戻りいただければと思いますが,19ページ,先ほどのページの右側のページでございますけれども,第三者評価の機能のところでございます。検定試験の第三者評価,枠囲みのところです。第三者評価は,「検定試験の自己評価の上に」,ここは前回と若干記述を変えておりまして,「自己評価の上に,直接の利害関係を有しない専門家等が検定試験の評価を行うことにより,検定試験の質の向上や改善を図る検定事業者の自律的な取組を促すものであるとともに,これを通じて検定試験を担う人材を育成することにより,検定試験を『育てる』取組」と位置付けられるとしております。
 なお,前回,第三者評価のこの機能の項目の中で,第三者評価の評価チームに検定事業者のスタッフがチームの一員として加わるかどうかということについて御議論いただいたところでございますけれども,この点については,今,申し上げた枠囲みの上のところ,具体的には19ページの上から二つ目の白丸のところで,一つ目と二つ目の白丸のところで,第三者評価機関が評価を通じてノウハウを蓄積して,検定事業者に助言や支援を行うことができるということのみ記述しております。
 この今の枠囲みの下ですけれども,このことも含めて,第三者評価については更に詳細な制度設計を検討する必要があると閉じております。
 マル2の関係者評価については特に変更がございませんので,省略させていただきます。ページをめくって,20ページのところ,評価の体系の整理を踏まえたガイドラインの作成でございますけれども,先ほど,詳細な制度設計を検討する必要があると申しましたけれども,この部会で御検討いただいた報告書が取りまとまった場合には,これを受けまして,国において更に検討して,ガイドラインを策定するというような形になると考えております。
 三つ目の点の検定試験の社会的活用の促進でございますけれども,(1)の検定試験の活用の意義については,前回の御発表を踏まえて,事例に関する記述を追加しております。また,(2)の検定試験の活用の促進方策のところでございますけれども,また枠囲みを付け加えるとともに,具体的な検定事業者あるいは企業さんの事例を点線の枠囲みで追加しております。
 また,枠囲みに沿って御説明申し上げますと,次のページ,22ページからでございます。検定事業者に対して期待されることといたしましては,22ページの二つ目の丸のところ,活用者の視点に立って社会的活用を進める上で必要と考えられる情報の公開に積極的に取り組むことが期待されること。検定試験の目的あるいは受検者等の実態に応じてですけれども,受検者にとって生涯にわたる学習の励みになるような工夫に取り組むことが期待されることを述べております。
 続きまして,23ページから,企業等に期待することでございます。下の段の実線の枠囲みですけれども,企業等においては,今申しました検定事業者が情報を公開したことを踏まえて,それに基づいて受検を推奨する検定試験を社員等に明確に示すことが期待されること。あるいは,企業等において,受検機会の設定,経費負担に配慮したり,合格者を優遇したりするなどして,検定試験の受検を奨励することが期待されるということ。三つ目の丸として,その企業において特に重要な能力を測定する検定試験,そういうものがもしございましたら検定事業者と協働して,当該検定試験の設計や質の担保に積極的に参画することなどが期待されるとしております。
 次のページに進みまして,24ページから25ページですけれども,続いて,学校に期待することでございます。学校におきましても,一つ目の丸は企業のところと並びでして,検定事業者が公開する情報に基づいて活用可能な検定試験を積極的に明示するなどして,受検を求め,あるいは入学者選抜において一定程度優遇することなどが期待されること。二つ目の丸で,受検を求める検定試験については,地方公共団体と連携・協働も図りつつ,受検に向けた学習の支援を行うことが期待されることとしております。
 国・地方公共団体に期待することとして,26ページをごらんいただければと思いますけれども,一つ目の丸,国においては,検定試験の意義や活用の促進についての周知・啓発。また,先ほど検定事業者と学校・企業等の間で連携・対話,企業等が検定試験の設計等に参画することが期待されると申しましたけれども,連携・対話の場を設定する取組ですとか,産業界等,学校等,検定事業者が協働して質の向上を図るような取組を国として支援するということが期待されるというふうにしております。また,二つ目の丸のところでございますけれども,地方公共団体は,その結果も踏まえて,学校の設置者として検定試験の活用のために必要な情報を各学校が活用しやすいように提供することなどによって,各学校の適切な活用を促すことが期待されるとしております。
 また,その黒丸が付いていないところですけれども,義務教育段階を中心として,特に経済的に困難な家庭に十分に留意した支援を行うことが期待されるとしております。
 続いて,四つ目の点の人材認証制度の活用の推進でございますけれども,二つ目の丸のところで述べておりますのが,26ページの一番下の段です。下,二つ目の丸のところで,地方公共団体,大学等の人材認証制度の取組を推進するためには,地方公共団体と大学,専修学校等が適切に連携,役割分担して,モデル的な事例を共有することが必要であるとしております。
 また,四つ目の丸,点線枠囲みの一つ目の丸でございますけれども,社会教育施設とか大学等において地域のニーズを踏まえて,地域課題の解決を目的とした公開講座を解説するなどによって,地域に必要な人材を育成・確保するなど,人材認証制度を活用した取組を充実することが期待されるところでありまして,国や地方公共団体としてもその取組を促進することが期待されるというふうにしております。
 第5章の,28ページ以降のICTを活用した「生涯学習プラットフォーム(仮称)」の構築でございますけれども,こちらは2月10日の総会の記述に対しまして,中間まとめの内容を戻して記述を膨らませているものでございます。引き続き三つの機能,すなわち,学習機会提供機能,学習活動履歴の記録・証明機能,学習者等のネットワーク機能が期待されるとしておりまして,また,総務省で実施している教育クラウド・プラットフォームと生涯学習プラットフォームは対象が異なっている点もございますけれども,共通して活用できる基盤となる技術標準ですとか知見は有効に活用すべきとしております。
 また,国においては,マッチング等の機能の在り方の実証,関係機関の役割分担などの研究,検討が望まれるとしております。
 資料2‐1と資料2‐2の説明は以上でございます。

【菊川部会長】
 ありがとうございました。振り返ってみますと,昨年の9月16日に部会の中間まとめが出ております。その後,検定試験のところに審議の重点を置いて審議して,今年の2月10日に中教審の総会に,骨子素案を出しております。ですから,その二つの答申を踏まえて,今回こういう形で,最初の案に近い形の原案ということで出ているという,そういう状況かと思います。
 3月25日に生涯学習分科会で御議論いただいて,その後4月にパブリックコメント,あるいは総会の方に出ていきます。大体本日御説明いただいたところが答申の素案といいますか,骨子案になっていくと思いますので,そういう観点から御議論いただければと思います。
 1章から3章までが,理念編といいますか,総論的な記述になっておりまして,4章と5章が具体的な記述になっております。まず1から3の理念編,総論編のところで前半御議論いただいた上で,4章,5章に入っていったらどうだろうかと思っております。
 もう答申の素案に近くなっておりますので,表現上のところでも,あるいは理念的なところでも結構ですし,1章から3章のところで御意見がありましたら,お願いいたします。

【益川委員】
 1ページの下から2行目の頭の部分のICTに関わる文言ですが,後半の5章の生涯学習プラットフォームでのSNSの活用に通じる前提として,例えばこの2ページ目頭の最後のところにSNSを通じた学習コミュニティもいろいろできつつあるという文言を加えていただけると,接続性があって,より良いと思いますので,よろしくお願いします。

【菊川部会長】
 はい。ありがとうございます。ほか,いかがでございましょうか。お願いいたします。

【三瓶委員】
 章をまたいでしまいますが,8ページの一番下の丸です。学校地域協働について,地域コーディネーターとか統括的なコーディネーターと書いてあります。当然これはとても大事ですが,ここの文章がどうしても学校中心になっている。社会教育という形になると,どうしても中学校ぐらいまでの生徒のことと学校の関係のようなものと,地域の関係のように感じていますが,それは9ページ辺りもそういう感じです。実は章をまたいで,かなり後ろの方ですけれど,26ページです。これが人材認証制度にかなり生かされるのではないかと思います。検定試験とか様々な学びをした人がやはり地域コーディネートというのが非常に上手になってくるのではないかと思いますと,かなり章がまたいでいますけれども,26ページで人材認証制度で地域が必要とする人材を可視化し,その後,マッチングを進めるために有効だと言っている。では,誰がマッチングするのかということになると,やはり地域コーディネーターのようなものの文言が議論というか,必要になってくると思います。
 それに,そういう人を探し得る一つのツールとしてプラットフォームというのはすごく大事で,自分の地域に,地域コーディネーターという人の,要は,資質を持っている人,あるいはそこまで学習を活用しようとしている人,どのような人がいるのか。そういうときに探すのにプラットフォームというのはとても大事ですので,つながりのあるような文章が必要と感じました。

【菊川部会長】
 ありがとうございます。章ごとのつながりをということだと思います。
 ほか,いかがでございましょうか。藤田委員,お願いします。

【藤田委員】
 9ページの一番上ですけれども,社会教育主事等の社会教育行政関係者とここは書かれていますが,実は社会教育施設とか社会教育関係ということになりますと,今,施設の指定管理といった事態が進行しておりますので,文言の受け取り方としまして,今,社会教育主事,それから,社会教育関係職員という言葉を使っております。そうしますと,指定管理を受けています博物館学芸員,図書館の司書,そういう方たちも中に入ってくるということになります。受け取り方の問題ですけれども,社会教育行政関係者という言葉もあるとは思いますが,社会教育主事と社会教育関係職員という文言を入れていただいた方が受け取り方として幅広く普及していくのではないかということで期待できるのではないかと思っております。

【菊川部会長】
 ありがとうございます。私も今,藤田委員がおっしゃったように,こういう理念的なところは,地方の社会教育関係者が注意して読まれるところだと思いますので,今言ったようなところは小さいことではなくて,案外大きいところだと思ったところでございます。ほかに何かお気付きになる点がございましたら,いかがでしょうか。
 事務局の方から何か補足されること等ございますか。よろしゅうございますか。

【岩本生涯学習総括官】
 今のコーディネーターのところですが,一応これは全体として生涯学習の,学習活動全般に関するものでありますので,こういう,いわゆる人材認証制度につながる,あるいはプラットフォームとはいうものの,それ以前にこういう橋渡し役の人間が必要になってくるというところをどう表すかというのは非常に難しいものがあります。飽くまで地域学校協働活動の部分,それから,社会教育の中での話,これについてはその中の一部だと思っています。
 だから,ここの書き方は,少し整理させていただこうと思っています。この丸のところというのは飽くまで学校地域協働答申のところで,地域と学校の協働活動におけるコーディネーターのことを書いていますし,それから,社会教育主事の部分は社会教育関係機関の部分の地域のところ,主に地域における組織的な教育の部分と書いていますので,この答申は全体をカバーすると,相当広い学習活動が展開されていますから,その中で橋渡し役の人間が必要だということをうまく表していこうとするならば,その三者の関係という,もっと大きな部分で少し書いていったらいいと思います。

【菊川部会長】
 ありがとうございます。いかがでございますか。
 そうしましたら,後でまたもう一度お聞きしますので,後半の4章,5章のところで,特に検定試験の制度設計については,実務的に大きな影響があるのではないかと思っておりますので,気が付かれるところがありましたら,どうぞ,どこからでも結構でございますので,よろしくお願いいたしたいと思います。

【加藤委員】
 質問ですが,第三者評価の対象は純粋に趣味的な検定試験以外と書かれているのですが,これを判断するのはどこが判断することになるのでしょうか。

【助川民間教育事業振興室長】
 検定事業者自体が判断するかと思っております。これは法令などに基づいて第三者評価をやってくださいというか,義務付けるとかいうものではございませんので,例えば国が後援するという形で関わる場合は別ですけれども,そうではないときには国が規制色を強めて関わるということはいかがかと考えております。ですので,検定事業者がその御自身の目的,あるいはその活用,こういう形で活用されると自分の検定試験を考えていますというときに御判断されると考えております。

【加藤委員】
 はい。納得しました。

【菊川部会長】
 柴山委員,お願いします。

【柴山委員】
 17ページでございます。17ページの枠囲み,三つ目の枠囲み,評価者となっておりまして,それの枠囲みの中に黒丸が二つございます。その二つ目です。試験問題に関する評価については,テスト理論の専門家や当該分野の専門家などを必要に応じて評価者に含めるというところですが,これは昨今の人工知能とかICTとかDOTとかその辺りの発展を見ていますと,恐らくパフォーマンスアセスメント系の検定の中で,シミュレーション型の検定というのが入ってくる時代もすぐ近くという気がしております。そのときにこのままですと,評価する人がうまく入らないと思いまして,例えばですけれども,試験問題など検定内容の品質保証に関する評価については,という形にした方が技術発展に対応できるというのがございまして,少しその辺り御検討いただければと思います。

【菊川部会長】
 いかがでございますか。

【助川民間教育事業振興室長】
 ここの評価者のところ,一つ目の点,二つ目の点とも,こういう人たちを含めるということが考えられるのではないかとしておりまして,後者の二つ目の試験問題の部分ですけれども,テスト理論の専門家あるいは当該分野の専門家だけでできない場合ということもあるかもしれません。また,更に第三者評価をどういう形でやっていくかということは第三者評価機関によるところがあるかと思います。ですので,テスト理論に関する評価を強くやっていきたいと考える第三者評価機関はテスト理論専門家が入るということもあるでしょうし,また,その分野の知識の専門性などについてもやっていくというところについては,その分野の専門家も入っていくということもあるかもしれません。また,その第三者評価機関による部分が大分強いかと思います。ですので,ここに今書いてあるのは,必要に応じて最低限入れられる者を書いているものでございまして,今,先生がおっしゃったような方々が入るということは,第三者評価のやり方によって,あるいはもしかしたら検定試験の相手方,検定事業者によってなのかもしれませんけれども,含められるとは思っております。

【菊川部会長】
 よろしいでしょうか。

【岩本生涯学習総括官】
 結局,テスト理論の部分というのは,どちらかというと,試験問題の内容というよりも,いわゆる測定の仕方,そこの部分についての技術的な部分のクオリティが高まっているかどうかということについて,うまくこの第三者評価の中に入れていくということだと思いますから,確かにその部分を言い表すのにテスト理論という言葉では狭い。だから,そこは先生が言われたことは踏まえて,一度どういう書き方ができるか検討させていただきたいと思います。

【菊川部会長】
 ありがとうございます。益川委員,お願いします。

【益川委員】
 若干,柴山先生のコメントにも関連するところかもしれませんが,そういう意味では,将来の試験問題の在り方そのものが変わってくることが高いと思います。先ほどこの高大接続システム会議の資料も頂いたので,それに関連するところを申しますと,その25ページ,26ページです。25ページの最後から26ページの上の四角に関わるところかもしれませんが,今後そういう検定試験がきちんと様々な学校等でも活用されていく上で,何かその検定事業者と学校・企業等との間の連携・対話の場と書いていますが,例えばもう一歩,この高等学校段階における評価の在り方に書いてあるような,今後求められる多様な学習活動であるとか,思考,判断,表現力等を評価できるような質的な充実を踏まえた何か対話の場を設定するというような記述も入れてもいいとは思ったのですが,いかがでしょうか。

【菊川部会長】
 もし御回答があればお願いします。

【助川民間教育事業振興室長】
 すみません。記述については検討させていただければと思います。検定試験は,高校で活用されるだけではなくて,広い年齢層で活用されるものでございますけれども,今の先ほどの高大接続改革の方で話がありましたように,高校の教育改革で活用されるようなものについては是非,思考力,判断力,表現力も測定することが望ましいということですので,書きぶりについてはまた検討させていただければと思います。

【菊川部会長】
 ありがとうございます。ほか,いかがでございましょうか。

【山本委員】
 私は業務上,高大接続システム会議もカバーしていることもあって,ここの資料の中でも,例えば24ページに様々な受検者の側に立ったときの経済的な負担について配慮された記述になっております。それで,これは高大接続の大学希望者のテストについて,いろんな機会を利用するということで,外国の試験等についても過大になったときにはこういう配慮をしなければならないと,こういう話にもちろんなるわけです。そこでも議論になっていますけれども,非常に今回のシステム,これも含めて非常に大きく教育の市場化というか,姿勢もどんどん入れ込むことによって,改革していこうということが貫かれております。
 私なども1990年代,生涯学習の振興のための施策の推進体制等の整備に関する法律ができた頃からずっとカバーしているのを見ると,随分進展したと思いますが,これも高大接続改革でも議論になっていますけれども,その果てに希望があるか,また,困難が生まれるか,経済の活性化とか市場の活性化を含めて,希望の展開になるのかについての,これはここの部会で議論することではなく,中央教育審議会総会も含めて,もう少し大きな合意ができるような地図があると良いと思っています。その辺りはここの部会だけの議論ではなくて,もう少し上位のレベルでの議論も必要かと思いますので,その辺も是非細かい配慮とともに大きなデザインを描く部分の作業もみんなでやらなければいけないと思います。

【菊川部会長】
 ありがとうございました。
 では,高見委員,お願いいたします。

【高見委員】
 高見でございます。おまとめありがとうございました。第5章になるのですが,29ページの求められる役割・機能ということで,2番目,3番目,4番目の丸の第一の機能,第二の機能,第三の機能,これはこの会議で緩やかにではあるものの,優先順位を付けたように記憶をしています。ですので,三はかなえられなくても,一と二がかなうんだったら先に進んでもいいというような合意がある程度とれていると思っております。それを踏まえると,三つ目の点とその学習者と「学び」の場とのマッチング以降が,これは第一の機能,第二の機能,第三の機能,それぞれひも付くコメントがあると思いますが,ここの順番がやや,優先順位どおりになっていない印象を受けております。そこを機能により実現されることと,今後,当面取り組むべき課題,それと将来的な活用可能性というような整理の方が後々混乱せずに済むと思っておりまして,最初に言ったことがそのとおりですということであれば,優先順位とか並び順とかも含めて,御検討いただければと思います。

【菊川部会長】
 はい。お願いいたします。

【岸本生涯学習推進課長】
 ただいまの御指摘ありがとうございました。この御議論は今までにいろいろあったと思いますので,その辺り踏まえまして,ある程度記載させていただいたところでございます。いずれにしても,今回これにお示しいただいたのがおおよそそのプラットフォームの言わば大枠のところの構想を皆様にいろいろ御指摘を頂いて書かせていただいたというところで,実際これからどのようにしてこれを設計していけるのか。そしてまた,何が早く実現できていけるのか。その辺り,かなり技術的に検討しなければいけないだろうと考えておりますので,今回そういうことも含めまして,ページでいきますと,32ページの最後のところでございますけれども,今後,プラットフォームの検討に当たりまして,一つには,先ほど事務局からも説明をさせていただきましたとおり,既に先行している事例の成果を活用させていただくとともに,最後の丸のところでございますが,国においては,今後これを実現していくために,その前提として様々な実証であるとか,あるいは今後に向けたその検討の方向性等の在り方等について更に研究を進めるということで,高見委員の御指摘も踏まえまして,更に具体的な検討を技術的なところをまた今後進めてまいりたいと思っております。

【岩本生涯学習総括官】
 今の高見委員の御質問を確認したいのですが,確かにこれは29ページのところで,求められる役割・機能というのが,機能の順番がこれは第一,第二,第三とあります。それで,31ページのところで,機能により実現されることという中でいろいろたくさん書いてある。しかし,その順番というのが割合,人材認証制度より前にSNSのことが書いてあったりするので,見づらいということがあると思ったので,今の御指摘というのは,その辺をきちんと体系的に分かりやすくした方がよろしいという御指摘でしょうか。

【高見委員】
 優先順位順に書いてあるのであれば,機能により実現されることも一,二,三,第一の機能によって実現されることはこれ,第二の機能によって実現されることはこれ。第一の機能により,第一の機能に求められる役割で,当面取り組むべき課題もこれという形で書いていただく方が良いと思います。当面取り組むべき課題と,将来的な活用可能性が第三の機能にかなりひも付くものが多いように,全てまだ見切れているわけではありませんが感じますので,であれば,そこはたくさん議論しなければいけないと思ってしまう。第三の機能はそんなに優先度を高くしないのであれば,すぐに検討しなければならないことなのか,やると決めてから検討すると置くのかというような強弱があった方が良いと思います。優先順位を付けましょうと言っていた,その前の議論というのは三つとも全部進めようとすると,とても前に進むように何となく思えなかったので,であれば優先順位を付けましょうという話をしたように記憶しています。手を付ける順位としては,先でも構わないというようなことが読み手にとって伝わる表記が良いのではないかと思いました。

【菊川部会長】
 どうぞ。

【岸本生涯学習推進課長】
 その辺りについて,部会でも御議論がございましたし,また,その後,分科会の方でもマッチング,特に先ほども少し御指摘がございましたけれども,社会教育主事でございますとか,学校地域協働答申との関係で,このプラットフォームをいかに活用していくかという点の御指摘もいろいろ生涯学習分科会の方でも頂いたということもありまして,マッチングということについてもかなり重要な機能だという位置付けがなされたと考えております。
 そういう点で,ここでもまだ御議論いただく部分があるかと思いますが,技術的に可能であるならば,一の機能も二の機能も三の機能も基本的には実現していくことが望ましいのではないかと思います。ただ,そこは非常に技術的なところの可能性というところもございますので,ただいまの御議論も踏まえまして,また今後,これについて検討を進めていく際にまた深くその点については考えていきたいと考えております。

【菊川部会長】
 ありがとうございました。
 藤田委員,お願いいたします。

【藤田委員】
 30ページの二つ目の丸のところですけれども,生涯学習プラットフォームにつきましては,今回は本当にどのように動いていくのか。動かなければやはり無意味なものになってしまうと考えております。そうしていきますと,従来の生涯学習機会を提供している公的な機関というところがあります。公民館,県民カレッジ,いろいろな形で公的に生涯学習機関として,生涯学習機会を提供しているところです。その部分をどのように組み込んでいくのかとなったときに,様々な機関という形で言葉としては入っていますが,やはり自分たちのところが生涯学習プラットフォームを担っているという意識というのがとても大切になってくると思います。
 特にこの文章について,やはり自分たちのところが担うという意識を持つようにするためには,民間教育事業者の前に公的生涯学習機会を提供している生涯学習機関というような,自分たちのところが担当ということを自覚してもらうような文言が必要と考えます。
 やはり生涯学習プラットフォームについては,今,既に動いているところをいかに新しい形で活用していくのか。また,顔と顔の見える関係が今,成立しているところが多数あります。そこをどのように発展させていくのかというのがこの生涯学習プラットフォームが動いていく。そして,また,生涯学習機会とか生涯学習相談を担って,次のステップに行ける学びを提供するという役割を担っていくと考えますので,やはりその部分は明確に分かるような形の文言の据え方が必要と考えております。

【菊川部会長】
 ありがとうございます。
 では,続きまして,益川委員,お願いいたします。

【益川委員】
 最後,先ほどの一つ前の三つの機能の方の話に戻りますが,高見委員がおっしゃったように,この三つの機能,その順番に構造的に整理するというのと,それは大事だと思います。それから,確かにこの三つの機能を考えていたときの優先順位というのはそのとおりだったとは思いますが,だからといって,その三つ目の話を余り小さくまとめてしまうと,大事な報告の書類ですので,次につなげていくという意味では,しっかり書いていただきたいと思います。あともう一つの視点としては,情報技術というのは進歩が早いので,これをまとめて出すタイミングと,情報技術の進歩を考えたときに,その優先順位がありつつも,でも,確実にその三つの機能について取り組んでいけるような文章構成にしていただけると有り難いと思います。

【菊川部会長】
 ありがとうございます。益川委員,今おっしゃったことですけれども,具体的に言うと,高見委員がおっしゃった,第三の機能により実現されることということについておっしゃったことと同じような御意見と考えてよろしいですか。

【益川委員】
 はい。整理の方向は同じですが,しっかりその当面取り組む課題とか,将来的な活用可能性については,整理しつつもしっかり記載してほしいという意味です。

【菊川部会長】
 ありがとうございます。
 ほか,いかがでございましょうか。
 では,私の方から質問ですが,この資料2‐2のペーパーの中に,「検定試験の運営・組織に関する項目(含,試験問題を作成する体制等の状況)」というのがありますが,これは試験問題を作成するだけでなくて,試験を実施する体制も運営・組織の中に入ると考えてよろしいですか。

【助川民間教育事業振興室長】
 おっしゃるとおりで,試験の実施に関することも運営組織に関する項目と含んでおります。

【菊川部会長】
 その中に入るということですね。
 ほか,いかがでございましょうか。実務的には検定試験の比重が高くなっているような感じもいたしますが,萩原委員,何かございましたらどうぞ。

【萩原委員】
 検定試験の質の向上については,この方向で良いと思っております。ただ,第三者評価の対象となるというところで,先ほど加藤委員からもお話がありましたが,純粋に趣味的な検定以外というのが,私も,どうもしっくりきません。趣味的というのは,人によって捉え方が相当違います。ご当地検定というのが趣味的と捉えている人は多いかもしれませんが,でも,ご当地検定は地方を活性化するために必要な検定だろうと思います。先ほどから考えているのですが,良い定義が浮かびませんが,資料2‐2の「(広く活用されているもの,又は文部科学省の後援を受けようとしているもの)」というところを対象として,「( )」を取ったほうが良いかと思います。
 あと,11ページの一番下の段落ですが,ここでは検定試験の意義について書かれています。「一方,民間による検定試験は,法令等に基づいて実施されるものではなく」というところから始まり,「1,000種類程度の検定試験が存在すると言われています」と続きますが,この文章では意義が見えてこないと思います。これは,現状を説明している文章だと思います。例えば,「そういうたくさんの種類の検定が存在するので,学習者の多様なニーズに応えられる」など,もう少し肯定的に言葉を補っていただくと,しっかりした意義になるという気がいたしました。

【菊川部会長】
 ありがとうございます。少しポジティブな面から書いてほしいということですね。分かりました。
 宮井委員,同じくいかがでございましょうか。

【宮井委員】
 自己評価,それから,第三者評価の関係,それと具体的な目的について大変分かりやすくまとめていただいたと思っております。私としては,こういう内容で進めていけたら良いと思っています。細かい文章は読み切れていないので,よく分からないところがあるかもしれませんが,以上でございます。

【菊川部会長】
 ありがとうございました。
 ほか,いかがでございましょうか。柴山委員,お願いいたします。

【柴山委員】
 第三者評価の対象の定義ですけれども,これは数値で対象を定義するということはできませんか。例えば1万名以上の受検者がいる検定試験などです。そうしないと,かなり広く活用されるためのもの,といったときの広さはどれくらいだとかいうことになるので,例えば数値で定義すると明確かと思いました。あと,数値が多いと事業として成り立っているという,そういうことも見ることができるのではないでしょうか。

【菊川部会長】
 いかがでございますか。事務局どうでしょうか。

【岸本生涯学習推進課長】
 こちらの基本的な考え方は,先ほど助川の方から申し上げましたように,基本その法律でもって強制するということはなかなか難しいものですから,これはごらんいただいた検定事業者に,自分はこれを受ける,受けないと御判断いただきたいと考えております。なるべく受けてくださいというのが「強く期待される」という文言で表しておりますので,例えばこの文章の目安といたしまして,先ほど御提案いただいたように,例えば何人以上受けるようなところ,そういうところは例えば社会で広く活用されるような検定試験であるという定義を入れる可能性というのはあるかと思いますので,その辺りにつきまして,皆様の御議論をいただければと存じます。

【菊川部会長】
 今の点について御意見があれば。また,検定試験については細かい制度設計の議論の場が別途あるとは思いますが,もし御意見があれば引き続きよろしくお願いいたします。いかがでございましょうか。

【宮井委員】
 受検者の数で線引きをして,この第三者評価をどんどん受けてくださいという推奨の方法ができれば明確で良いとは思いますが,分野によっては,1万名に満たない検定試験が多数ございまして,中でも,その領域ではかなり活用されているということがあるので,とても難しいことではないかと感じております。

【菊川部会長】
 はい。ありがとうございます。いかがでございましょうか。
 確かにすごく専門的な領域ですと,数ではないというところがございます。いかがでございましょうか。それ以外のことでも結構でございます。
 また,今,4章,5章を話しておりますけれども,1章から3章も含めて全体に戻っていただいて結構でございます。加藤委員,お願いいたします。

【加藤委員】
 第三者評価を受けた結果をどう扱うかということに関しては,検定業者から公表するということですか。分かりました。

【菊川部会長】
 はい。どうぞお願いいたします。

【助川民間教育事業振興室長】
 念のためでございますけれども,ポンチ絵でいいますと,この右下のところの評価結果の公表のところでございます。同じことが,本文の15ページの右下の方に評価結果の公表,第三者評価の評価結果は,検定事業者とともに,第三者評価機関において御公表いただくとしております。そして,国においても,その検定事業者・第三者評価機関が公表した評価結果がなるべく受検者・活用者にとってアクセスしやすいような形で周知されるよう,そういうアクセスしやすい形にすることに取り組むとしております。

【加藤委員】
 このことと頻度の関係ですけれども,例えば一度だけ受けて,それから,何年も受けていないけれど,ホームページにはずっと評価を受けたと書いてあるというようなことだって起き得ると思います。その辺りの規制は何かお考えがありますか。

【岸本生涯学習推進課長】
 確かに先生御指摘のように,そういう場合はあり得ると思いますので,また,これは今後具体に第三者評価,その評価機関の在り方についてはまた別途その調査研究をしなければいけないと思っております。その際に例えば何年度に受けたものかを明示する等,そういった方法について,その中で議論がされるような形で考えていきたいと思います。

【菊川部会長】
 よろしくお願いします。

【栗山委員】
 第三者評価機関が第三者評価機関であることを定めるのは,誰がどのような手続で定めていくのかであるとか,その第三者評価機関そのものを評価することも必要だと思いますが,その辺りについてはどうでしょうか。

【菊川部会長】
 いかがでございましょうか。

【助川民間教育事業振興室長】
 第三者評価機関に関して,今の公表の一個上のところの15ページの評価の実施機関をごらんいただければと思います。例えば第三者評価機関が幾つかできたときに評価のばらつきが生じて,信頼性が損なわれるということも考えられます。
 また,それで,この評価の実施機関の枠囲みの上の少し長い文章の真ん中辺,5行目からですけれども,多様な主体が第三者評価を実施する場合に,その第三者評価の質を保証する必要があるということを書いておりまして,それで,枠囲みのところに入りまして,二つ目のところ,国において,第三者評価事業,第三者評価機関が評価をするという事業に対して後援をするということが考えられるのではないか。また,この答申でまとまった後の検討において,第三者評価のガイドラインも作っていきたいと考えております。

【菊川部会長】
 私からの質問ですが,いろいろ検定試験が今後盛んに活用されていくためには,この辺の制度設計を結構スピードを持ってやらないと間に合わないのではないかという気がしますが,スケジュール的には実務的にどう考えてあるのでしょうか。

【岸本生涯学習推進課長】
 まだ取りまとめの段階で,そこまできちんとまだ整理はできておらず,大変恐縮でございますけれども,今後の取り進めのおおよそのイメージをまた今後,答申をまとめるまでの段階にまた皆様にお示しさせていただくべく,検討させていただければと存じます。

【菊川部会長】
 ありがとうございます。
 それと,先ほど萩原委員がおっしゃった趣味的な検定を除きというところの表現ですけれども,具体的には14ページの一番下の行,それから,15ページの黒丸でこの辺りは一つ目の黒丸はもうなくて,二つ目の黒丸ぐらいで代行していくと理解してよろしいですか。

【岸本生涯学習推進課長】
 また御相談させていただければと思いますが,恐らく一番上の文章が基本的には検定事業者の判断にもよりますけれども,なるべく第三者評価を受けてください,それがやはり検定試験というものが,より質が向上し,社会的にも活用されていく上で大事なことですという,言わばメッセージの部分でもありますので,できれば残せればと思っております。また御相談させていただければと思います。

【菊川部会長】
 分かりました。全体的なところで結構でございますが,いかがでございましょうか。
 三瓶委員,お願いします。

【三瓶委員】
 全体的なところではなくて,今も議論になっている「純粋に趣味的な」という表現ですが,私は1年に1回は何かの検定試験を受けようというのが自分のモットーにしているので,受検者として逆に言うと,合格したものが,第三者評価を受けていない機関だったというと,すごくショックと感じる方もいらっしゃるかと思います。私は何々の検定を持っている,資格を持っていると言って,ふたを開けたら,そこの検定試験は第三者評価を受けていないということになれば,少し格が下がっているのを受けてしまったと感じてしまう。第三者評価というのも自己評価と同じように,何とか限定しないで,強制的ではないですけれども,全ての検定試験というのが望ましいと言った方が良いと思います。

【菊川部会長】
 どうぞ。

【高見委員】
 過去の記憶を取り戻しながらという感じですが,まずは自己評価をしていただくように促しましょうというのが大前提にあって,ただ,自己評価だけだと,受検者の方々に対しての信頼性もとぼしくなるかもしれないので,それを裏付けるものとして第三者評価がある方が良いというような議論だったように記憶がしています。そのときの議論では,まずは自己評価をしていただいて,運営や試験の質を高めていくという自身の努力をしていただきましょうということだったかと思います。その第三者評価は非常にコストも掛かる可能性もあるし,第三者評価をしてくださる機関を見つけられるかどうかも分からない中で言うと,マストにするのはやめようという流れの中で,この文言だったのではないかと記憶しているのですけれども,いかがでしょうか。

【菊川部会長】
 お二人の委員の御意見を踏まえていかがでございましょうか。

【岸本生涯学習推進課長】
 今,御指摘いただいたお二方の委員の御指摘のとおりでございまして,一面では正にこの第三者評価を受けていないということがその検定事業者にとって少し社会的にどうなのかと思うところまで行ってほしいと思う部分がある一方で,いや,我々にそもそもそんなもの必要ないと思う検定事業者様もやはりいらっしゃるだろうという中で,この表現をさせていただいております。ただ,この表現がそういう趣旨をきちんと伝えられているのかどうか,いろいろ御意見がございましたので,今までの御議論全体を踏まえまして,案文は調整をさせていただければと存じます。

【菊川部会長】
 ほか,いかがでございましょうか。
 私も生涯学習に長く関わっていまして,最初,平成の初めに生涯学習が盛んになった頃は,学ぶこと自体が楽しいとか,あるいは生きがいになるということで,その中に試験とか検定とかというのはほとんど頭になかったように思います。今回こういう議論に携わらせていただいて,また,自分自身も放送大学に職を得て,放送大学の専門外のところで試験を受けてみますと,試験は楽しいという感じを持っております。三瓶委員と同じように,何か自分の活性化とか自信にもなるという,その一つ一つを成果として確認していける場が放送大学であろうと,大学であろうと,検定試験であろうと,大人にあるというのは良いことであるとこの頃思っているところでございます。

【栗山委員】
 以前こちらにお越しいただいた有識者の方がおっしゃっていたかと思いますが,検定試験を取ってはいるけれども,何を取ったか忘れてしまった学生がいたりするので,何かしら分かるような仕掛けがあると良いというお話をされていたのを今思い出しました。恐らく26ページの「さらに,国や地方公共団体,検定事業者をはじめとする」というところに関係すると思いますが,何かしらこの生涯学習パスポートのようなものは,学校,学生のニーズとしてもあるということを感じたことがありました。

【菊川部会長】
 ありがとうございます。ほか,よろしゅうございますか。
 では,今野委員。

【今野副部会長】
 学習成果の活用について,いろいろな角度から議論をしていただいて,とてもよくまとめていただいたと思っております。特に自己評価を踏まえながら,第三者評価の在り方についても提言するところに行きましたし,その具体的な項目,まだ検討するところもあると思いますけれども,大きな方向ではきちんと整理ができてきましたので,とてもよかったと思います。
 それから,もう一つ大きな提案としては,プラットフォームのことがあります。これも本日いろいろ御議論出ましたけれども,機能など様々な面から整理をして,そしてその実現に向けての方向を出していただいたことは,とてもよかったと思います。
 一点,その具体化に当たって,32ページのところで,特に今,総務省との関係で進んでいる事業とタイアップしながら具体的に構想していきましょうとされています。これもとても良いアイデアで実践的だと思いますが,これも途中の段階ですので,なかなか具体的な課題などは言いにくいと思いますが,議論を具体化するに当たり,全部それに丸投げみたいな感じになってしまう気もします。もし可能であれば,この総務省との関係の事業,具体的にはこれをやることによって,こんなところが明らかになる,明らかにできそうだという,あるいはその課題をこういう点でクリアしていけそうだというようなものがもし今の段階であれば書いていただくと,非常に具体化が目に見える感じになると思いました。これは本体の事業も途中の段階ですので,このぐらいでやむを得ないと思いながら,そんな感じがひとつあります。

【菊川部会長】
 ありがとうございました。全体としてはよろしゅうございますか。
 様々な御意見を頂き,ありがとうございました。意見も出たようでございますので,本日の審議はこの辺りにしたいと思います。この審議経過報告(案)における頂いた御意見等による修正や最終的な取りまとめにつきましては,副部会長の今野委員とも相談しながら,部会長である私に御一任いただくということで,よろしゅうございますか。

(「異議なし」の声あり)

【菊川部会長】
 ありがとうございます。今後この審議経過報告(案)については,3月25日に開催を予定しております生涯学習分科会において報告・審議した後に,パブリックコメントに掛け,広く意見を聴取いたします。その後,総会にその内容を報告する予定です。
 また,総会で審議した後は,パブリックコメントの御意見も踏まえて,改めてもう一度,部会,それから,生涯学習分科会において最終的な答申案を御審議いただくという手順で,今後,答申案をまとめていくこととなっております。
 では,最後に,今後のスケジュールについて,事務局からお願いをいたします。

【竹下生涯学習推進課課長補佐】
 お配りさせていただいている資料3を御確認ください。次回につきましては,先ほど菊川先生からも御説明ありましたとおり,25日に分科会にお諮りをさせていただきまして,その後,パブリックコメント,4月中旬の総会に諮らせていただくことになります。

【菊川部会長】
 それでは,本日はこれで閉会とさせていただきます。皆様,お忙しいところ御出席いただき,誠にありがとうございました。

―了―

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