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学習成果活用部会(第7回) 議事録

1.日時

平成27年10月22日(木曜日)10時00分~12時00分

2.場所

文部科学省 13F1・2・3会議室

3.議題

  1. 検定試験等の民間教育事業の質の保証について
  2. その他

4.議事録

【菊川部会長】
 ただ今から、第7回中央教育審議会生涯学習分科会学習成果活用部会を開会いたします。
 本日はオブザーバーとして、生涯学習分科会より平田委員に参加いただいております。よろしくお願いいたします。
 なお、報道関係者より、会議の全体についてカメラ撮影と録音したい旨、申出がありますので、許可しております。
 まずは事務局より、配付資料の確認をお願いいたします。

【竹下生涯学習推進課課長補佐】
 それでは、お手元の資料を確認させていただきます。議事次第、座席表のほかに、資料1-1から1-4、資料2、参考資料1となってございます。具体的には、資料1-1が「『検定試験の評価のガイドライン(試案)』について(検討のまとめ)」、資料1-2が「検定試験の自己評価シート」、資料1-3が「検定試験等の教育プログラムに関する検討の進め方について(案)」、資料1-4が「検定試験等に関する参考資料」、資料2が「今後の審議スケジュール(案)」、参考資料といたしまして、「学習成果活用部会(第1回~第6回)の意見交換における検定試験に係る主な意見」、以上を資料として配付させていただいております。

【菊川部会長】
 ありがとうございました。今日は議題が一つでございます。今回の諮問においては、検定試験の信頼性や質保証の仕組み作りと、これらを様々な場面で活用するための方策について検討するように求められております。本日は、これについて御議論いただくために、論点の案をお配りしております。これまでもいろいろな議論の蓄積がございますので、事務局から御説明をお願いしたいと思います。助川室長、よろしくお願いいたします。

【助川民間教育事業振興室長】
 資料1-1と資料1-2に基づいて、これまでの議論について御説明申し上げます。
 これらの資料は、平成22年に作られたガイドラインについての資料です。御説明の前に、ガイドラインという用語について御説明します。ガイドラインという用語は通常、個人や団体が何か行動するに際して、守るのが好ましい規範といった意味で用いられることが多いです。しかしこの「検討のまとめ」は、初めに検定試験の現状や課題を述べており、その後、検定試験の意義とか評価の必要性について述べているものです。この部分は、評価者に向けた規範を述べているものではございません。また、後半の部分で評価手法という章がありまして、これも評価者が評価をする際の参考となるように、評価の視点とその内容を例示として挙げているものです。後ほどまた詳しく御説明しますが、「検討のまとめ」では検定試験について自己評価が重要であることや外部評価が期待されることが述べられておりますが、具体的にどういう枠組みで外部評価を実施するか、あるいは自己評価と外部評価をどう連動させ実施することによって検定試験の質を確保していくか、そういったことまでは踏み込んでおりません。通常のガイドラインという言葉から想起される内容とは、もしかしたら違うイメージで作られているかもしれません。
 資料1-1はそういう性格のもので、資料1-2が資料1-1の「検討のまとめ」を踏まえて、別途、検定試験関係者によって設立された研究会が作った自己評価シートです。各検定事業者が、これを参考として、自己評価と情報公開に取り組んでいるというものです。
 では、資料1-1についてですが、最初に概要を載せております。この概要は、前回お配りした資料と同じものです。
 次に目次がありまして、「1.検定試験を取り巻く現状や課題について」述べていて、「2.検定試験の意義や評価の必要性」、「3.検定試験の評価手法」、「4.検定試験の評価と学習成果の活用に関する留意点」という構成です。2ページですが、ここは「(検討の経過)」について述べておりまして、そもそも、このガイドラインは平成22年6月に作られましたが、なぜガイドラインが作られたのかについて説明しているものです。
 二つ目の丸のところに、これまでの御審議、また過去の審議会等でも述べられていますが、学習した成果を適切に測定するという仕組みを構築して、学習成果の評価の社会的な通用性を向上させる必要があるという考え方の下、四つ目の丸ですが、平成20年2月に取りまとめられた中央教育審議会の答申におきまして、学習成果の測定の社会的通用性の向上に係る取組の第一歩として、以下のような提言がなされております。
 平成20年の答申では、全国レベルでの一定の基準を満たす検定試験を対象としまして、「個々の検定の評価手法、個々の検定がどのように学習成果を測定しているかについて、有効性、安定性、継続性及び情報の真正性等を確保する仕組みを検討することが考えられる」、「民間事業者等による第三者評価機関が検定試験について客観性や質を確保するという仕組みが考えられる。その際、国がその客観性や公平性を担保するため、評価を行う際の参考となるガイドラインを作成するなど、民間事業者等の主体的な取組を支援する必要がある」という提言がなされております。
 それを踏まえまして、平成22年に有識者会議が検定試験の評価の在り方について検討を行い、その成果を「『検定試験の評価ガイドライン(試案)』について(検討のまとめ)」としてとりまとめております。
 6ページまでが導入の部分です。7ページは「1.検定試験を取り巻く現状や課題」です。詳細は省略しますが、検定試験が、実施主体、内容、受検料、受検者数などにおいて極めて多様であること、検定試験の数も、全国に1,000種類程度、詳細に見ると5,000種類以上の検定試験があるとされることが述べられております。
 10ページからは、検定試験の意義や検定試験をなぜ評価する必要があるのかということについて、議論をしていただいた成果について記載しております。
 10ページに「(検定試験の意義)」としてございます。検定試験は多くの場合、以下の三つの特徴を有するものと考えられております。「学歴・性別等に差別なく、自己の知識や技能の習得状況を示す客観的手法である」、「受検資格がないものも多く、一般教養や自己の専門でない分野に関する知識・技能を試せる」、「級別に実施するものも多く、学習の初期段階からの挑戦が可能である」ことが特徴として挙げられております。
 学習者ごとに見ると、「中・高校生や大学・専門学校生等にとっては、学校や学校外での自己の学習の到達目標の設定、到達度の確認、進学・就職の際の手段、学習の動機付け等」、「社会人にとっては、昇進・転職等の際の手段やスキルアップのための学習成果の測定等として、学習成果の積極的な活用を視野に入れて利用されて」いるとされております。また、三つ目の丸ですが、「子どもから高齢者に至る国民一般にとっては、趣味・教養や社会貢献的な観点から、多種多様な学習の成果を図る指標として利用されている」と書かれております。
 これらの記載をまとめると、10ページの一番下の丸ですが、「検定試験は、チャレンジ精神の涵養、自己の学習の到達目標・到達度の確認、継続的な学習意欲の喚起、教養の涵養など」のように、「受検者の年齢・経歴や受検目的等により様々な意義を有しており、検定試験の果たしている役割は非常に大きなものがある」といった内容を、この「検討のまとめ」でまとめていただいています。
 こういった認識の下、11ページが「(検定試験の質の向上及び信頼性を確保する必要性)」について、まとめていただいたものです。
 二つ目の丸ですが、「検定試験は、広く国民一般の様々な学習成果を測定する指標として機能しており、進学・就職など、学業・職業生活に関する場面において、何らかの付加価値となることを期待して受検する場合も多い」と考えられています。
 三つ目の丸では、「社会人や高齢者といった層に対応していくことも重要である。そうした層の学習意欲を喚起し、学習活動を促進していくという上でも、検定試験の質を高めることが有意義である」と述べられております。
 四つ目の丸では、「検定試験を評価し、その質の維持向上を図ることは、企業等における人材育成にも影響を及ぼしたり、社会における学習成果の活用が促進されたり、検定事業者の活性化や民間事業者が提供する多様な教育サービスの質向上に資するなど、社会の様々な場面で効果をもたらすものと考えられる」としております。
 五つ目の丸では、「適切な評価の仕組みを確立し、その結果について情報公開を行う」ということが、「検定事業者への信頼性の向上にもつながり、経営の適切性、透明性等を高めたり、消費者保護の観点からも意義を持つ」ということを述べております。
 こういったことをまとめまして、「検定試験の評価や情報公開を通じて、その質の維持向上を図るとともに、信頼性を確保することは、広く国民一般の学習意欲の向上や学習成果の社会での活用促進、さらには、社会全体の利益にも資する」とされております。
 12ページは検定試験の評価手法についてです。一つ目の丸で、評価の目的を整理するということを述べております。検定試験を評価する目的を概括すると、以下のように整理できます。「子どもから高齢者に至る、広く国民一般の様々な学習活動の成果を測定する指標としての機能を果たす『検定試験』について、その質の維持向上を図り、受検者個人や利用者(学校・企業等)からの信頼を確保することにより、国民の学習意欲を喚起し、学習活動を促進するとともに、学習成果が適切に評価され、生かされる生涯学習社会の実現を目指す」と、検定試験を評価する目的を整理されております。
 次の丸ですが、評価への取組を通じて、各検定事業者、自らその行う検定試験についてPDCAサイクルに基づいて事業を改善していくことが重要であるということをまとめていただいています。
 「(2)評価の対象」の二つ目の丸ですが、この「検討のまとめ」では、評価の対象とすべき検定試験については、民間試験全般を広く評価の対象とすることが適当であるとしておりますが、四つ目の丸で、「当面、特に検定試験の効果が全国的に通用し、実績や受検者数等が一定程度ある試験において、評価の取組が進展することが期待される」としております。
 最後の丸には、「中長期的には、こうした評価の取組が各地で実施されている様々な検定試験にも広がり、検定試験を通じて測定された知識・技能が、全国どこでも通用するような環境が構築されていくことが望まれる」とされております。
 更にこの後、検定試験の自己評価の取組を進めております。現在の状況で申しますと、平成26年度に、受検者数が5,000人以上の団体、そのほかの比較的規模の大きい団体にアンケートを行った結果、おおよそ7割程度の団体が、検定試験の自己評価シートを活用して自己評価を実施しているというデータがございます。ただ、アンケートを実施した母数が90団体ですので、かなり規模の大きい検定に限ってアンケートをしていて、回答のあった団体のうちの7割ぐらい自己評価を実施されているということでした。
 本文に戻りまして、14ページの「(3)評価の性格」です。ここで評価の性格を分類しております。そもそも検定試験の評価というのは、評価主体に着目して、自己評価と外部評価に分類されております。自己評価は、各検定事業者が、自ら行う検定試験について点検・評価して、事業改善に資することを目的とするものです。それに対して、外部評価は二つの種類があり、一つが関係者評価です。検定事業者間の評価の取組を通じて、相互に検定試験の質の向上・改善を促すことを目的としております。もう一つが第三者評価で、評価の客観性や専門性、透明性を確保した評価を、専門家によって行うことにより、検定試験の質の向上・改善を促すことを目的としております。
 検定試験は、非常に多様性に富んだものとなっているので、まずは検定試験の自己評価の取組が進展することが重要であるということを述べておりまして、その上で、関係者評価や第三者評価といった外部評価が行われることが期待されるということが述べられております。
 15ページでは、第三者評価はどのような形で実施するかという具体的な枠組みまでは踏み込んでは述べておらず、また、具体的な評価結果の取扱いについては、今後も多角的に検討していくことが適当という取りまとめにとどめているものでございます。
 16ページの「(4)評価の視点と内容」ですが、一つ目の丸で「検定試験の評価については、まずは検定事業者が主体的に、その行う事業の改善等に向けて取り組むことが期待される」が、「各検定事業者が自己評価を行う際に参考となるような視点やその内容を提示することが有効と考える」ということで、この冊子の後ろの別紙1で、その参考となる視点を例示しております。検定試験の実施主体に関すること、実施内容に関すること、実施手続に関すること、これらが評価のミニマムスタンダードとして、評価の基本的な部分として述べられており、それぞれ評価の視点が書かれております。
 28ページ、29ページで検定結果の活用促進や継続的な学習支援は、検定試験そのものの評価のミニマムな部分ではありませんが、生涯学習社会の実現に向けて、検定試験が更に有効に機能するために期待されるものとしての視点を提供しております。
 16ページでは、当面は「評価の視点と内容」を参考にしつつ、各評価主体が創意工夫して、各検定試験の実施主体、目的、内容等に応じた項目を設定して、検定試験の質の向上や信頼性の確保に向けた取組が積極的に行われることが期待されると述べられております。
 また、17ページの「(5)情報公開」では、各受検者が適切に検定試験の信頼性を判断することができるよう必要な情報が公開されることの必要性を述べていまして、具体的にどのような項目が公開されるのが適当かということを、別紙として述べております。
 更に18ページで、「4.検定試験の評価と学習成果の活用に関する留意点」が述べられており、検定事業者自らがPDCAサイクルに基づいて事業を改善することが重要であり、その結果として各検定試験の質が向上されることで検定試験に対する信頼度・認知度が高まり、検定事業がより発展していくという考え方に立っております。
 一方、三つ目の丸では、「検定事業者等にとって過度な負担とならないよう、柔軟に評価を行うことが現実的であると考えられる」とされております。更に最後の丸では、「外部評価の取組等を通じて、各種検定試験における推奨事例を明示することなどにより、事業を開始して間もないなど、未成熟な検定試験を啓発・育成していくような視点も重要である」と述べられております。
 19ページの「(学習成果の活用促進)」では、「検定試験の質を確保し、学習者や利用者(学校・企業等)の信頼を高め、学習を奨励することが、当該検定事業の活性化や社会全体の利益にもつながるという意識を、検定事業者のみならず、検定試験の結果を利用する学校や企業等も共有するなど、社会における様々な関係者の理解と協力が不可欠である」ことが述べられております。また、検定試験を合格し、資格を取得するまでの努力のプロセスも社会において重視されることや、受検者個人の側にも、検定試験を受検する際には、動機を明確にして、その検定試験受検後の活用を視野に入れた目的を持った行動が期待されるということが述べられております。
 このように、「検定試験のガイドラインについて」は検定試験を評価する際の考え方等についてまとめられたものです。この検討結果を踏まえまして、検定試験の関係者が自己評価のシートとしてまとめたものが、資料1-2です。
 現在、私どもの民間教育事業振興室から、検定試験に対して文部科学省の後援を差し上げております。後援を差し上げている検定については、このシートに基づいて自己評価をすることを条件としております。資料1-2の2ページですが、ここで再び評価の目的というのが書かれておりまして、あくまでも自らの組織的・継続的な事業改善のための方策であるということを再確認しておりまして、また、情報公開などの点において、今、御説明しました資料1-1の「検討のまとめ」について再確認しております。
 この自己評価シートというのは、チェックシート方式になっておりまして、この「検討のまとめ」で述べられた五つの分野について、細かくブレークダウンした形で評価の項目を作っております。それぞれについて、A、B、C、D、Eの5段階で評価できるようになっております。
 以上のように、自己評価については、評価シートが作成され、活用されているところですが、外部評価については、まだ第三者評価の取組が試行的に始まったばかりです。先ほど少しお話しました規模の大きな検定事業者を対象としたアンケートによりますと、第三者評価が必要であると肯定的に考えている検定実施者の割合は6割ぐらいです。これまでの議論の蓄積としては、第三者評価をどのように実施していくかといったことまで踏み込んでまとめたものは、今のところはまだ作られておりません。

【菊川部会長】
 ありがとうございました。温故知新ではありませんけれども、「検討のまとめ」が出された平成22年6月から、この5年間でどのように状況が変化したのか、あるいは今後を見据えて更に付け加えるものは何か等々が、本部会での審議の方向性の一つであると思っております。
 では続きまして、資料1-3について、更に説明していただいたところで議論を進めさせていただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。

【助川民間教育事業振興室長】
 今度は資料1-3を御覧いただきたいと思います。こちらが、前回までの部会の御議論や、「『検定試験の評価ガイドライン(試案)』について(検討のまとめ)」を踏まえて、私ども事務局の方で論点の案を作成したものです。なお、本資料では、点線の枠囲みの中で部会の中で出た御意見を記載しております。
 これまでの部会の自由討議の中で検定試験に関して頂戴した意見を、参考資料1として事務局の責任で取りまとめたものがありますので、こちらについても適宜御参照いただきたいと思います。
 資料1-3に戻りますが、4月に行われました中央教育審議会での諮問において検討を求められておりますのは、各種教育プログラムや検定試験の信頼性や質を保証する仕組み作りと、これらを、進学や就職、キャリアアップなどの人生における節目や地域課題の解決など様々な場面で活用できるようにするための方策についてということです。
 その前段階として、そもそも検定試験の意義についても御議論を頂く必要があると考えておりまして、そこで資料1-3では、「検定試験の意義について」、「検定試験の社会的な活用について」、「検定試験の評価について」、「その他の検討事項」の四つに分けて検討項目を作成しております。
 最初の「検定試験の意義について」ですが、学習の成果を活動につなげていくためには、学習成果の評価が求められますので、学習成果を測定する検定試験を活用することが重要であると考えております。過去の報告書では先ほど御説明したような形で取りまとめており、検定試験の意義についてどのように考えるかということを、本部会としても改めて御議論いただきたいと考えております。
 「検定試験の社会的な活用」について、前回の御議論でも、例えば会社等に提出する履歴書では、多くの検定試験については記載されていることが少ないので、検定試験の結果をアピールしやすい風土ができると良いとありました。就職等に限らないとは思いますが、今後、検定試験が学校・企業等で、あるいは広く社会で活用されるための方策をどのようにすべきか、ということも併せて部会としても御議論いただければと思います。
 検定試験の評価について、そもそも検定試験の評価を行う意義は、例えば以下のようなことが考えられると考えています。先ほどの「検討のまとめ」でもありましたように、検定試験実施者が自らの実施する検定の質をPDCAサイクルで維持向上する、また、検定試験の質が確保されていることが保証されることにより、受検者や利用者からの検定試験への信頼が確保されることといったことが考えられます。これらの意義や、あるいはこれまでの部会の御検討を踏まえまして、評価の意義についても御議論いただければと思います。
 さらに、検定試験の自己評価、第三者評価を行う場合に、例えば相互の関係をどのように考えるかといったことについても御議論いただきたいと考えております。
 また、「検討のまとめ」では関係者評価についても言及されており、前回の御議論でも試験問題の内容自体について第三者評価を行うのは難しいという御意見がありましたが、関係者評価についてどう考えるかということも、論点として挙げております。
 また、「その他の検討事項」といたしまして、検定試験を受検した方々の活躍の場を作るためには、どのようなことをする必要があるのか。前回の御議論では、シニア層の受検者が検定試験を活用する、そういう方策、活用する場について御相談を受けることがあるということで、今後、検定を実施する側や学習機会を提供する側の情報共有を図って、検定試験受検者の活躍の場についても検討する必要があるのではないかといった御意見を頂戴しております。
 最後は、文部科学省による、例えば第三者評価などの仕組みを作った場合に、現在行っている検定試験に対する後援というのはどのように考えるかという論点を挙げております。
 資料1-4は、基本的には前回資料の抜粋ですが、9ページだけ付け加えておりまして、民間教育事業振興室関係で今年度後援している検定試験を列挙しております。22団体の41の検定に対して後援を差し上げています。検定試験評価の仕組み作りというのができた場合に、この後援との関係も、今後、検討していく必要があるかと考えております。

【菊川部会長】
 ありがとうございました。
 資料1-3を中心にしながら、論点が何点かに分かれておりますので、少しずつ小分けをしながら進めさせていただきたいと思います。
 まず資料1-3の、検定試験の意義についてです。それから、「検定試験の社会的な活用」についてというところを御議論いただきたいと思います。議論の中心は、その次の検定試験の評価についてという、少し実務的・具体的な話になろうかと思います。
 ではどうぞ、清原委員。

【清原委員】
 ありがとうございます。三鷹市長の清原です。検定試験の意義について、平成22年の有識者会議のまとめの10ページには、総体的に学習者にとってどのような意義があるかということが、中核的にまとめられていると思います。すなわち、「学習者にとって学習の到達目標を確認するとともに、再度チャレンジをしていく学習意欲の喚起と、そのプロセスを支援する」というような意義が出されております。「検定試験の社会的な活用」と関連しますが、社会・企業・団体、あるいは自治体も含めて、「検定試験に合格された方々にどのように活躍していただけるか」という視点も、意義としては挙げられると思います。
 例えば自治体では、様々な地域課題に対して、できる限り多くの市民の皆様に参加していただこうと考えています。しかしながら、思いがあるだけの方にはなかなかお願いしにくいような領域があります。例えば障害者の支援、身体障害児の支援や発達障害児への支援においては、何らかの検定試験、あるいは資格等を持っていらっしゃる方には、いろいろな活動をお願いするときにも依頼がしやすいです。
 地域でファミリーサポートという形で支援していただくとか、先ほど申し上げました障害児の支援をしていただくというときに、その資格として、例えば一般的な保育士であるとか幼稚園教諭ということではなくても、地域福祉ファシリテーターのような資格をお持ちである方には、ボランティアであれ、何か支援をお願いできると思います。検定試験の意義は、学習成果を活動につなげるための個人の側の意義もありますが、活動をお願いしたい側からも、検定試験合格の資格を持っていらっしゃる方、一定の生涯学習のプロセスにおける成果を認定された方がいらっしゃるということは、意義があると思います。
 どちらかといえば今までのまとめは、学習者の側にとっての意義が明示されておりますが、「学びの循環」ということ、「社会貢献」や「社会還元」ということを考えたときには、社会の側から見た検定試験の意義についても明示することが、この次の社会的な活用などの論点に結び付けていくときに有効であると考えました。

【菊川部会長】
 ありがとうございます。資格認定をお持ちの方がいるときに、その資格がどういうものであるかというのは、活動をお願いする側としては気になられますか。

【清原委員】
 活動の分野というのは大変多様に存在します。ですから、自治体にとって今申し上げたような地域福祉や、コミュニティー・スクールなど学校を拠点とした様々な放課後の活動支援であるとか、そうした場に、どのような検定試験に合格されている方が望ましいか、という視点も重要です。
 例えば、クラブ活動支援を求めている学校があるときに、例えば華道とか茶道で免許をお持ちになっているということは、もちろん目安になります。あるいは漢字とか算数の学びのクラブ活動があるときに、漢字検定1級を持っていらっしゃるとか数学検定で合格していらっしゃるというのは一つの目安になりますし、お願いもしやすいです。また、資格を持っていらっしゃる方も自信を持って活躍していただけるのではないかと思います。
 ほかにも、自治体の職員試験を受ける人というのは、従来は、せいぜい英語検定やTOEICなどを資格として記載するくらいでした。しかし、点数等は分かりませんが、例えば色彩検定に合格している、あるいは食育関係の検定に合格しているなど、最近ではありとあらゆる検定を隠さず書いていただくことが増えてきています。
 ですから社会活動だけではなくて、企業や公務員等にも、資格があるということは一つの目安になると思います。できる限り幅広い検定試験が、それぞれの個人の経歴等に披歴されることが望ましいし、そうしたことがオープンになるということの意義というのもあるかもしれません。

【菊川部会長】
 具体的にありがとうございました。
 では益川委員、お願いいたします。

【益川委員】
 学習者にとってはどういう意義があるかと同時に、例えば課題解決社会を実現するためには、人材を求めているところの視点も大事であると思っています。検定試験で合格して資格を持っていらっしゃる方がいれば、活動に参加いただけますが、そもそも持っている方が少なければ難しい。学習成果を活動につなげる前の段階で、人材を求めている側の団体や課題を抱えている方が、こういう資格を持っている人が欲しいということを発信して、その発信情報を見た人たちが、私も生涯学習の中でそちらの方の幅を広げて活躍したいと思えるような、何か架け橋になるような存在として検定試験というのが位置付けられると、すごく良いと思いました。

【菊川部会長】
 ありがとうございました。
 では順番で、三瓶委員、高見委員、柴山委員の順番でお願いいたします。

【三瓶委員】
 私も益川委員と全く同じ意見で、清原委員のお話から思い出したというか、触発されたところがありますが、まず個人という視点では、合否が出るので、3級に受かったら2級とか、中級に受かったら上級ということで、個人のチャレンジ精神を涵養(かんよう)するという意味で意義があるとお話ししました。一方、社会的課題や地域課題にどう検定試験を関係させていくかといったときには、福島もそうですが、例えば待機児童がすごく増えているという問題が考えられます。検定試験のお話から少し離れますが、資格という意味では保育士を求めています。基本的に幼稚園の先生とか保育士というのは、寿退社をして、そのまま育児に入ってしまう。社会では、保育士とか幼稚園教諭の資格を持っている人を探している、けれども見つからない。資格をもっているにもかかわらず地域に隠れてしまっている。どのようにそのような人材を見つけていくかというときに、マッチングがとても大事で、お願いしやすいシステム、英語以外の検定試験の資格をどのようにアピールすれば良いのか、どこで求められているのかが見えるようなシステムを構築する必要があります。自治体や企業が、こういう検定試験の資格に持っている方を見つけられる、資格を持っている方も活用の場を探しやすいシステムというのは、活用という意味では大事ですし、ゆくゆくは、地域課題解決に貢献できるシステム作りというのも大事です。もちろん質保証ということで、今後これから自己評価、第三者評価、関係者評価などが議論されると思いますが、大きな枠組みでは、そういうシステムというのは必要であると感じました。

【菊川部会長】
 ありがとうございました。
 どうぞ、高見委員。

【高見委員】
 まず、この議論の整理をするときに、意義と活用と評価というフェーズについて、マトリックスを作って考えた方が整理しやすいと思っています。それは、平成22年の答申にもあるように、個人が自己成長を認識して、それをその人の活動につなげるという個人に視点を向けているものと、皆さんがおっしゃっているような、地域活動を行う団体や産業界に対してというような、活用側に視点を向けているものがあると思います。この活用側に対してというものが、例えばボランティア系などの比較的報酬を求めにくいものと報酬を求めやすいものに大きく分けられる。報酬を求めるものの中には、ファミリーサポートのような地域活動に成果のあるものと、企業活動に成果のあるものというような、4段階の縦軸と、横軸には意義、活用、評価、縦軸には個人、成果報酬を求めない活動、成果報酬を求める地域活動若しくは企業活動というものがあって、それぞれに意義が少し異なってきます。
 私がいる産業界の意義としては、その方々の学びが結局事業体の成果に結び付くというところのことだけフォーカスして申し上げますと、本人のキャリアも上がるし、会社の生産性も上がるし、利益・収益構造の改善であるとかという事業価値の最大化というところにつながるというところが意義で、活用は、その方々が持っていることがどれぐらいの価値を生むのかというところです。評価については、どの検定が、どういう役割、職責、職務若しくはポジションにおいて成果につなげやすいか、ということになります。今、中央商業能力開発協会が出している職務要件と、その職務要件が何を求めているかというのを見ていましたが、この職務要件は、例えば事務職であれば、ビジネス電話実務検定を持っている人は活用できるとか、社長秘書という方は、秘書技能検定を持っている人は活用できるというように、その検定が活用できる一覧を作ると、非常に評価しやすい。ただ、非常に多岐にわたっているので、それをどこまでやるかというのは議論があるとおもいますが、このようなまとめ方をしていくと整理はしやすいと思いました。

【菊川部会長】
 ありがとうございました。
 柴山委員、西辻委員の順番で、そこで、ここのお話は一旦閉じたいと思います。

【柴山委員】
 検定試験の意義というのは、個人的な視点と社会の視点の二つがあると思います。それをつなぐ書きぶりの話ですが、個人の視点から書き始めて、個人にとって第三者評価を受けるということは、学びの動機づけの促進等々に役に立つ。さらに,それによって、社会における個人の自己実現、あるいは人のお役に立つことのできる生きがいもえられるというような視点で書いていき、最終的に社会の視点に結び付ける、そういう書きぶりがあると思いました。

【菊川部会長】
 ありがとうございました。
 では西辻委員、お願いいたします。

【西辻委員】
 意義と学校・企業等で広く社会に活用されるという点ですが、実施をしている主体者、受検する受検者、その資格を活用する、利用する利用者の間の意識のギャップとがあるだろうと思います。
 この後で審議されるところの資料かと思いますが、資料1-4の、5、6、7ページを見ていると、実施者、受検者と、利用者の大学側の意識が違うというのが分かります。これは信頼性の評価についてのデータですが、結局、意義とか活用ということについても、基本的に一緒だろうと思うわけです。
 したがって、特に利用者側に、もっと情報を伝え,考え方について啓発していく必要があると思います。その一端は、資料1-1の19ページ、「活用の促進」の一番下にも出ていますが、企業や大学へ啓発することや、活用方策の考え方をより広く知らせていく必要があると思いました。
 もう一つ、活用していくときの視点として、資料1-1の19ページ、下から二つ目のところに、「努力するというプロセスも大切」だということが書いてあります。何を知っているか、何ができるようになっているか、だけではなくて、そのためにどのように学んできたのか、どのように頑張ってきたのかということを、より適切に評価できると良いと思います。非常に難しいとは思いますが、そういうところが利用する側にとっては一番知りたい点ではないでしょうか。そのためには、何らかの公的な機関とかNPOとかという団体がリーダーシップをとって、そのような評価の仕組みを推進していく動きも必要だと感じました。

【菊川部会長】
 ありがとうございました。
 では、次の論点に移らせていただきます。検定試験の評価についてということで、平成22年の有識者会議のまとめでは、自己評価、関係者評価、第三者評価の三つの考え方等も出ておりました。また、本部会にも、検定試験を実施する立場、それから活用する立場、いろいろな立場の方がおられると思いますので、具体的な制度設計の観点から御意見を頂ければと思います。
 どうぞ、柴山委員。

【柴山委員】
 検定試験自体の評価についてですが、今、少子高齢化社会、あるいは人口オーナス社会などと言われております。これも要するに、社会の成熟化です。そういう中で出てくる必然的な動きが、「Evidence-Based Accountability in Education」という、エビデンスで話をしていくという動きになってきます。
 そうしますと、当然、生涯教育というのもエデュケーションの一つに含まれる。この評価において重要なのは、受検者や利用者からの信頼性が確保されること、これがまず第一だと思います。次にそのための質保証をどうするか、そして、評価の在り方の話が来る。そのように優先順位を整理しながら評価の位置づけを考えていった方が良いと思います。

【菊川部会長】
 受検者や利用者からの信頼が確保されることを、第一に置いたらどうかという御意見だったと思います。
 どうぞ、清原委員。

【清原委員】
 平成22年6月のガイドラインを踏まえて、検定試験の自己評価シートというのが平成23年2月1日に作られていますが、実際にこの評価シートを使って評価をされた検定試験の団体というのは、幾つぐらいあるのでしょうか。

【助川民間教育事業振興室長】
 資料1-4の5ページを御覧いただければと思います。こちらは、平成26年度、文部科学省から委託をした調査です。そこでは、受検者数を5,000人以上の団体などの90団体に対してアンケートを行いました。左の円グラフの下に検定試験の自己評価シートを活用した自己評価を実施しているかという質問がありまして、実施していると答えたのが7割の団体でした。これは90団体に対しての調査でして、その回収率が57.8%、そのうちの7割、実数で申しますと36団体が実施しています。
 ただ、比較的規模の大きい団体がアンケートの対象になっております。検定試験は全国で1,000とも、詳細に見ると5,000とも言われておりまして、恐らく全国的な規模で試験を実施されている団体が実施されている割合は高いと思います。

【清原委員】
 ありがとうございます。そうした既に取組が始められていて自己評価をしていらっしゃるところが、多くの受検者がいる団体での実践として見られるということであります。しかも、その上で第三者評価の必要性についても、一部の方々は肯定的意見を持っているということですので、数は少ないとはいっても、評価をすることのメリットは浸透しつつあると思います。それが自己評価なのか、第三者評価を更に進めていくのかということは、今後の議論になると思います。今回、検定試験の自己評価や第三者評価の意義の在り方、両者の関係について、というのも問題提起されているところから考えれば、なぜ評価するのかということの意義は、これまでの議論で一定程度深められていると思うのです。どのような視点で、自己評価や第三者評価を実施するかということが、検定の質を維持向上することにつながるという点が議論の中心になっていくと思います。
 その際、1点だけ私が気になったのは、検定試験が多様なので、「自己評価をする場合に事業者の負担とならないように」ということの記述が、この平成22年6月のまとめにも記されていますし、皆様のこれまでの議論の中にも、そのような御意見が出てきています。この「負担」という考え方ですが、自治体のように、絶えず政策評価や行政評価を求められ、しかもそれを公表することが極めて重要だとされている。あるいは一般の企業でも、アカウンタビリティーの観点から、とりわけ財務のことであるとか、消費者、顧客からの申出についてどのように反応したかということについては、情報公開しているという風土が社会的にあります。そうであるならば、検定試験の評価というのは、私は積極的に進めていくという方向が大事だと思います。
 評価をできるだけ主体的にやっていただきたくために、「過度な負担にならないように」という非常に配慮あるガイドラインもあり、今までの議論の流れもあったと思います。でも私は、「負担」という考え方というのは、極力排除した方が良いのではないかと思っています。むしろ評価をすること、そしてそれを公開すること、それがまさに検定試験事業者の質の証明に不可欠であるという調子で、今回はまとめていただくのが良いのではないと考えています。

【菊川部会長】
 ありがとうございます。
 この自己評価シートというのは、この90団体以外のところには、どのぐらい認知されているものでしょうか。

【助川民間教育事業振興室長】
 率直に申しますと、約5,000団体がございまして、それぞれ検定を実施されているので、どれだけ評価シートの存在を認知されているかというのは分からないというのが実情です。ただ、当然、ホームページ等には公開されております。それを、実際に検定を実施されている団体がどこまで見ているかというのは、把握できていないというのが実情です。

【菊川部会長】
 ありがとうございます。
 では益川委員、藤田委員、柴山委員、平田委員の順番でお願いいたします。

【益川委員】
 検定試験を行う団体が、先ほど約5,000団体あるという話がありましたが、規模や目的によって様々だと思うので、全ての内容に対して一つの軸で評価するのはかなり難しいと思います。ですから、幾つか議論を切り分けて話をした方が良いと思いました。
 自己評価シートについても、一つは運営に関する、団体の組織としての評価の側面と、あともう一つは、先ほど柴山委員がおっしゃったような、検定内容の中身の質保証の話です。そこはうまく切り分けて、組織の運営に関しては、いろいろな規模のレベルがあっても、一つの軸で評価することができて、その中で自己評価とか外部評価をどのようにするのかという議論ができると思います。一方で、内容については、世の中では仕事の上で求められる資格から御当地検定みたいなものまでいろいろあるので、何らかの似たような検定内容が集まったグループをそれぞれ複数作って、うまく自己評価、関係者評価や第三者評価を作り上げていく。そのグループ構成の情報がオープンになっていって、受検者がそのグループ内の検定試験を受けた結果、どう感じたかなどの評価を共有していく。そういう大きく二つに、運営の方と実際の中身の方と分けて検討できると良いと思います。

【菊川部会長】
 ありがとうございました。
 どうぞ、藤田委員。

【藤田委員】
 益川委員と同じ考えですが、受検者側からということを考えますと、私たちの相談窓口でよく相談を受けるのは、この検定を受けることによって何ができるのかということと、この検定受検のために学ぶことによってどういう世界が広がるのかということです。そのような質問を受けたとき、私たちが頼りにするものというのは、どう評価されているのか、世の中でどのようにその評価が捉えられているのかということです。
 ですから、先ほど清原委員がおっしゃったように、自己評価は公開して、そしてその基準は厳しくしていただきたいと思います。そうでなければ、信頼と質保証という観点でも問題があります。その負担は、私は仕事の一部として検定団体に担っていただきたいと考えております。そのように評価をしていけば、地方自治体や行政、ボランティア団体などが地域活動などで利用することも増えていくと思います。
 ですから、評価の公開の仕方、評価の内容についても、具体性を持って的確に、そしてその活用まで見える形で流れができれば、検定試験で得た資格が普及すると思います。現状の解決策ということもありますが、将来に向けて、検定に対して質的保証と普及ということを考えますと、今、そこの評価については、明確に厳しく行い、そして分かりやすく公開していく。それから先ほどホームページでの公開という話がありましたが、利用者や受検者にも分かる形で公開していただければ、随分違うのではないかと思います。私たちの開設している相談窓口でも、基本的なことの質問で訪問いただくという状況でございますので、そのような疑問を抱く方が参照しやすい公開方法という観点も入れていただけた方が良いのではないかと考えます。

【菊川部会長】
 ありがとうございました。
 柴山委員、どうぞ。

【柴山委員】
 私は、規制は民間の活動になるべくマイナスにならないように、かけていった方が良いという立場でおります。その立場からいいますと、先ほど信頼性というのが大切だと言いましたけれども、基本は、そういう信頼が得られる仕組みになっているかどうかという、所産ではなくて、むしろプロセス管理の方に力点を置いた評価が大切というのが一つです。
 ただ、そうはいいましても、約5,000の検定試験の分類を考えていったときに、例えば先ほど御説明いただきました資料1-1の10ページなどを見ると、特徴で分類したり、学習者ごとに分類したりされています。また、ナレッジ・スキル・アビリティーみたいな、知識・スキル・能力といった分類の仕方もあるかと思いますが、それよりは、むしろ信頼感というものから言いますと、その検定試験がいわゆるハイステークスな検定なのかどうかということで、規制のかけ方を変えていくという方策があると思います。
 お名前を出して恐縮ですが、例えば英語検定は、大学入試でも使われるかもしれないというような話が出てきて、そういう観点からもきちんとした評価をしてあげないといけない。その評価というのは、「Standards for Educational and Psychological Testing」というスタンダードがございまして、エビデンスに基づいて、本当にその試験がきちんと測りたいものを精度良く測っているのかというのを調べていくような技術体系がございます。ハイステークスな検定試験に対しては、それをきちんと当てはめて、品質保証ができているというお墨付きを与えて、様々な場面で使っていただく。
 ただ、自己実現のような意味合いでやられている検定というのは、その団体が本当に検定団体として信頼できることを評価できるように、ある意味,ダブルスタンダードになるかもしれませんけれども、そのような工夫すべきだと思います。

【菊川部会長】
 ありがとうございました。
 平田委員、お願いします。

【平田委員】
 私は専門学校におりますので、高等学校の工業系の先生とも話をよくします。以前は公の検定資格が多くあり、ビジネス系の専門学校では、簿記や秘書検定などを取って、それが就職に役立っていました。今は専門学校も、主体が医療系に移ってしまい、もう国家資格の方が主になりまして、現在では、公の検定資格より、どちらかというと受かりやすい検定を受検する方が増えてきております。
 ある先生に言わせると、そう難度が高くない検定でも、合格すると本人のやる気が増すので、検定資格を努力目標の到達評価に使い、生徒のやる気の向上に使っているという先生もいらっしゃいます。また、学校で教えているものというのは最終的に卒業証書として証明されますが、何かを努力して学んで検定を受けると、それが一つの能力の証明になるので、ラーニング・アウトカムとして学んだ評価に使うことが増えてきております。
 益川先生が言われたように、学校現場でもいろいろな検定があります。それから御存じのとおり、新しい検定がどんどん出てきています。例えば、私がおります岡山では、現在、ジーンズソムリエというジーンズの検定があります。最初は倉敷市児島というところの商工会議所が始めて、回数を重ねるに従って受講者が増えています。それによって、ジーンズに対する関心を高めようというような地方活性化を目的にしたような検定も出てきています。
 規模が大きい検定と、それから非常に受検者が少ない検定、多種多様あるかと思います。ですから私は、評価など問題になると、先ほど言われた英語検定であるとか漢字検定であるとかというのはとても大規模ですので、そういう団体には第三者評価などが必要だろうと思います。しかし、始めたばかりの小さい検定もあるので、そういうものに、自己点検評価などを、参加しやすい形で広報していただければ良いのではないかと思います。

【菊川部会長】
 ありがとうございました。
 では、実施者側から、例えば宮井委員か萩原委員から、今の御意見を聞かれて、具体の制度設計等で御意見等ございましょうか。
 宮井委員、お願いいたします。

【宮井委員】
 この自己評価シートについてですが、前回部会のときに御紹介しましたが、評価シートが公表される前は、協会独自でどのように社会的の信頼を得てきちんとやっていくべきか、それをどのようにお伝えしていくべきかということを、考え、いろいろなチェックをして進めてまいりました。評価シートができたおかげで、これにのっとってチェックをすることで、安心して自分たちの活動を見直すことができます。おかげさまでほとんど丸が付き、5段階評価の5や、たまに4があるぐらいで自己評価できており、その結果を公表させていただくということを続けております。
 実施団体の規模や検定が始まったばかりだというようないろいろな側面はあるにしても、やはりこの評価シートを目標にして検定試験を行っていただくことはとても良いことだと思います。立ち上がってすぐの検定試験団体は、ここで5段階の5を取るのは難しい項目が多く出てくるかとは思いますが、このシートを目標に、まずは自己評価していただくというのを大前提にしてはどうかと考えます。
 もう一つは、目標がそれぞれの検定試験にはあると思います。私どもの検定の場合は、産業界に人材を送り出したいというところがあります。そういう視点を持つ検定試験や、趣味を充実させていくための検定試験というものもあるので、区別をして取り組んでいくのが良いと思いました。

【菊川部会長】
 萩原委員、どうぞ。

【萩原委員】
 いろいろなお話が出まして、日本語検定を行っている身として大変勉強になりました。宮井委員がおっしゃったこととほぼ重なりますが、日本語検定も、前回の部会でお話ししましたが、9年前に右も左も分からずゼロから立ち上げて今までやってきました。そのプロセスの中で、果たしてこれで良いのかという思いを持ちながら、毎年、ほかの検定試験団体のお話を伺うなどしながら改善をしてきました。自己評価シートは私どもにとっては一つの目安になり、これでチェックすることができるので、本当に助かったという思いがございます。この自己評価シートをきちんと作成していこうという共通認識を、当時の理事やスタッフで共有しました。今では毎年、ある一定期間を自己評価する時間に充てております。ある一部のスタッフがするのではなくて、なるべく多くの関係者にも関わってもらって実施しております。
 前回の部会でもお話ししたように、受検者からの様々な手紙、電話、メールの問合せを吸い上げて、また、毎回行っているアンケート調査の結果も見ながら、自己評価をしております。そのおかげで、様々な面で改善もできましたし、事業としての効率も高めることができました。自己評価シートは、これから検定を始めようという事業者にとって、一つの「道しるべ」になると思っております。ただ、この後の議論になると思いますが、自己評価ではどうして限界が出てくるというのは、実際に自己評価を行うプロセスで感じておりました。

【菊川部会長】
 自己評価では限界ということに関連して、関係者評価とか第三者評価について、もし御意見があれば、お願いいたします。

【萩原委員】
 自己評価はルーティンでやっていますが、関係者評価は、正直なところ、なかなか難しいです。ほかの検定事業者の方と相互に評価するというのは、現在行っておりません。ただ、ほかの事業者の方が自己評価シートをホームページで公開されていますから、それを拝見すると、それぞれの検定事業者がどういうところに留意しているのかはよく分かります。また、個別にいろいろな事業者にお話を聞いて、情報交換をするということはございます。
 もう1点、自己評価をする場合に、先ほどの評価シートを御覧いただきますと、A、B、C、D、Eと評価基準が分かれておりまして、Aが「十分達成されている」、Bが「おおむね達成されている」、Cが「一部達成されている」という基準になっております。これは不明確なところもありまして、非常に捉え方が難しい。我々関係者で話をしたときにも、評価基準の認識が違いました。Aが100点としまして、Bを80点、Cを60点、Dを50点、Eを40点という形で点数化しているのですけれども、どうしても関係者の中でも捉え方の違いが出てきてしまう。そのような点で、自己評価の限界を感じていまして、専門家に来ていただいて、「これはAとお付けになっていますが実はBです」などという形で、そういう第三者の観点を教えていただいた方が有り難い。こちらで気が付かない観点がございますので、そういうところについて助言を頂くということで、期待している面がございます。

【菊川部会長】
 ありがとうございました。
 その他の検討事項は、活躍の場を作るためにはどうしたら良いか、あるいは文部科学省による検定試験に関する後援について等も含めて、大畑委員からお願いいたします。2番目の議題に更に御意見あればということで、進めさせていただきます。

【大畑委員】
 まず1点目として、評価シートについて気になったのが、内容と書いてある項目の部分に、難易度の評価というような項目です。例えば履歴書に書かれていて、その検定試験がどのくらいの難易度なのか、採用する側としてはとても気になります。しかし、今の難易度の評価では、それが見えない。
 例えば、私の会社で採用した方も、経歴は普通だけれども、ギネスの世界一取ったという方がいます。それも大企業と競って、また取り直したということでした。どれぐらい努力できたかとか、ある課題に対してどう問題解決できたかという点を、私は評価できて、実際彼は今や我が社のエースになっています。そういった努力したプロセスが見えたら、検定試験の資格が履歴書に書かれたときに、活用する側はうれしいです。
 2点目は、先ほど公開する、自己評価することのメリットの設計が大事というお話がありましたが、公開・評価したものが、そのままその団体の広報活動になるような仕組みが整備されていると、より一層、自己評価は促進されていくと思います。それがばらばらにあるのではなくて、どこかに地図のようなものがあって全体が見えたら良いと思いました。

【菊川部会長】
 ありがとうございました。
 今日はプラットフォームの議論ともつながるような話も所々出てきておりますけれども、栗山委員、いかがでございましょうか。

【栗山委員】
 プラットフォームのお話をする前に、少し気付いた点を先にお話しさせていただけたらと思います。
 まず資料1-3の1ページの下にあります、「検定試験の質が確保されることが保証されることによって、受検者や利用者(学校・企業等)からの信頼が確保される」ということですが、国内だけでなくて海外で活躍されるグローバルな方も最近は出ていらっしゃるので、そういった視点での質の保証、あるいは信頼というのは大事だと思います。
 それから、この検定試験を取った方は、こういったところで活躍していますというのは、検定事業者から情報として出ているかと思います。その一方で、例えば地域課題を解決するときに活躍された方がいたとして、人材を求める側から、こんな方たちが活躍しているというような情報が出てくると良いと思います。例えば仮に、こんな検定を持った方が活躍しているというのが情報として出てくる。さらに、その情報が学習者の実績・経験として残されて、もうワンランク上の検定を受けるときに何かしら役に立つ情報として使われるといった形で利用されていくのが良いと考えております。

【菊川部会長】
 ありがとうございます。
 益川委員、どうぞ。

【益川委員】
 質保証という点で考えたときに、個人的な考えですが、外部評価となってくると、誰とどのようにやるか、どういう方を第三者評価に呼ぶかなどという点が難しいと思います。例えば5,000近く団体あったときに、どのようにやっていくかというアイデアの一つとして、検定試験を行っている団体同士で、幾つか評価のグループを結成していく。そこの中で、どのように関係者評価や第三者評価をしていくかというのを、内容で分けていくというのもやり方の一つだと思っております。そうしますと、だんだんと難易度が同じ程度のグループ同士ができてきて、このグループに所属している検定であれば、このぐらいの質の保証がされるという段階分けも自然と見えてくると思います。
 トップダウンで順位付けしていくというより、ボトムアップにそういうものが見えてきて、こういうグループに所属している検定だから、こういうために使えるというような枠組みが形成されていくと良いと思っております。

【菊川部会長】
 ありがとうございます。
 宮井委員、どうぞ。

【宮井委員】
 二つ、お話ししたいと思ったことがございます。
 一つが、先ほど大畑委員から御指摘のあった、評価シートの中に、検定の難易度が具体的に分かるようなものがないのではないか、という点です。まさにそうですが、そうであるから共通で使える、というように私は思って使っております。しかし、前回部会でもお話をしましたように、内容についても自己評価が行えるような基準が提示されると良いと思います。日本ですと、日本テスト学会でいろいろ御検討された基準がありますし、先ほど柴山委員から御提示のあったような、国際的に評価されるような基準もあると思います。そういったものを整理して、日本に合うような基準を提示して、まず自己評価をやってから第三者評価に移るという段階を踏んでいくと良いと思いました。
 もう一つですが、先ほど高見委員から御指摘があったように、評価等にもいろいろな軸があり、職業的な観点で見た際、その検定試験でどのような能力が証明できて、その職業のどこを埋められるかが分かると良いというお話があったと思います。例えば、当協会の検定試験の場合は、専門的な技術の知識を評価します。職業的観点から見た場合、職業人に必要な能力の一部分を評価していることになります。ですから、この職業に就くには、この検定の合格だけでは足りないと、マイナスの評価が付いてしまいます。しかし、視点を変えると、幾つかの検定試験を組み合わせることによって、この職業に必要な能力が完成されるというようにもできます。検定試験の目標と難易度レベルがはっきりしてきますと、検定試験を組み合わせることによって、その職業に必要な能力が全部埋まっていくということが可能になるので、そのようなプラットフォームがあると良いと思いました。

【菊川部会長】
 ありがとうございました。
 藤田委員、どうぞ。

【藤田委員】
 宮井委員の御意見に関係しますが、私たちは、生涯学習に関する入り口と出口と学習機会の提供というところを扱っております。若い世代は、就活とか仕事上とか、何かの目的意識で検定試験を受験するかと思いますが、シニア世代が検定試験合格を目指すのは、学ぶ喜び、また、検定試験合格で達成感・満足感を得たいというところがあります。その先が問題です。
 栗山委員の御発言にありましたように、その次のステップが見えてくれば良いのですが、次のステップが見える・見えないということは、差がかなりあります。それぞれの検定の難易度が見えてくれば、こちらの紹介の仕方も違ってきますし、また、目指すべき姿も、個々に利用者側で考えるということもできると思います。ですから、この難易度というところを明確にしていくということはとても大切なことだし、これから検定を普及させるためにも、ポイントになってくるのではないかと考えております。
 それから、70代、80代の方たちが、検定資格を取った後の、その先というところを、各検定団体、実施者側の方から、もう少し情報を出していただいても良いと思います。幅広い年齢層の方が受けていらっしゃる、利用していらっしゃるということも前提に考えていただいた上で、検定資格合格後の活用について、幅広く情報を出していただきたいと思います。
 もう一つは、先ほどもお話がありましたが、利用する側の視点です。いろいろな活動に参加できるという情報というのが集まって、一つのパンフになっていると良いと思います。現状では、私たちはそれぞれの検定団体の自己評価などの情報を自ら集め、組み立てて御紹介しています。既にこれだけの種類の検定試験があり、今後も増えるとなると、このままでは窓口が窓口業務を果たせない状況も起こり得ると思います。
 活用までをどういう形で円滑に進めていくのか、また、将来的に検定というものの質保証と普及を図る上で何が必要なのかというところを、委員の皆様の御意見を整理して、そして新たに加えていくものを組み立てていくというところに来ているのかなと思います。
 そうなると忘れてはいけないのは、高齢化社会のシニア世代に向けて、情報共有することや、先ほどの益川委員の御発言にあったように、一つ一つグルーピングしながらいろいろな評価システムを作っていくことなど、解決策があるのであれば、そこに一歩一歩進んでいくことがとても大切であると考えております。

【菊川部会長】
 ありがとうございました。
 では高見委員、どうぞ。

【高見委員】
 産業界でどう評価をしていくかについて、先ほど難易度という話もありましたが、事業者アンケートを採ると、採用基準として使っているものがどんなものであるかというのが見えてくるのではないかと思います。私が採用するときに見ている点は、大きく分けてファンダメンタルスキルとポータブルスキルで、ポータブルスキルというのは、例えばデザインであるとかPHPという言語が書けるかということです。ファンダメンタルスキルは、先ほど大畑委員がおっしゃっていたようなギネスを更新するというような、やり切る力を意味しています。例えばファンダメンタルスキルだと、数学検定や数学オリンピックなどは、ファンダメンタルスキルに分類されますし、ポータブルスキルというのは、秘書技能検定などが分類されるといったような基準についてのアンケートを採っていただければ、いろいろ企業の人事担当者の考え方があるかと思いますので、御参考にしていただければと思います。

【菊川部会長】
 では清原委員、お願いします。

【清原委員】
 1点目は、平田委員がおっしゃいましたことで感じたのは、グローバルな資格等を得る検定もありますし、ナショナルに意義のある検定もありますが、ローカルから発信して、「地方創生」が重要である中で、独自の検定をすることで発信力を持つという性質の検定もありますので、評価する際にも、その目的・理念というものをきちんと踏まえていくことが必要であると思いました。
 三鷹市でも、五所川原市で生まれ三鷹市で晩年を過ごした太宰治検定や、井の頭公園の検定があり、それらが厳密に評価されることに意義があるのかと少し疑問に思いました。目的・理念、そして参加者層などを考えて、あくまでも取組を公開していくということは重要ですが、検定の目的、そして性質というものも確認するということが大事だと思います。
 2点目に、平田委員、西辻委員がおっしゃっていた、「学ぶ努力」というものを重視する視点についてです。特に学生が卒業資格で得られるようなものと違うものを学ぶとき、あるいは子供が検定に挑戦するというとき、その視点が重要だと思います。日本語検定などの検定試験は、世代を超えて共に学ぶ、家族で一緒に同じ目標を持つ、職場で改めて検定に取り組む、家族や組織や仲間を一致させるなどの機能も果たしています。特に子供の参加ということについては、生涯学習として注目したいと思いました。
 3点目に、「検定と活動とのマッチング機能」を常に皆さんが意識されているということを再確認しまして、自己評価を公開することで、検定事業者の皆さんが学びながら、そして、検定同士を組み合わせることによって、それぞれの検定の機能が生きてくるという発想を、自己評価・公開のプロセスで認識されたということを、大変力強く思いました。
 しかし、自己評価ではなくて、第三者評価を誰ができるのかと考えたときに、「検定事業者の第三者評価ができる人の検定試験」というのが構想できるのではないかと考えてしまうくらい、検定事業者の方の第三者評価は、もしかすると大変なのかもしれないと思いました。

【菊川部会長】
 ありがとうございました。
 では、柴山委員。

【柴山委員】
 先ほどの大畑委員のご発言と関連しますが、予測的妥当性の問題があります。要するに、教育効果の評価というのはとても難しく、永遠の課題です。我々は日本語として「評価」という言葉しか持っていなくて、混乱しますが、英語ですと「アセスメント」と「エバリュエーション」の二つの語があります。アセスメントというのは、xが今どういう状態であるかということを見る。エバリュエーションというのは、y=f(x)です。恐らく、大畑委員のおっしゃっているのは、xをきちんと出してくれたら、我々の方でfをかぶせて我々に必要なyを見つけますということだろうかと思います。検定試験の評価というのはアセスメントであるべきだと思います。それにより、活用の活性化みたいなのにつなげていく、そういう発想が必要だと思います。

【菊川部会長】
 どうぞ、今野委員。

【今野副部会長】
 今日は活発にいろいろな意見が出ましたし、最後、清原委員が非常に上手に分かりやすく、本質的にまとめていただきましたので、私の方からは特にまとめるようなことはありませんが、自分なりに気になっていることを、今日のことに重ねてお話をしようと思います。すごく大きな話になりますが、日本は少子高齢化で人口減少社会です。社会の活性化という問題の中で、地方創生等いろいろな解決策を模索しているわけですが、子供を産む女性の層の数が足りないので、多少出生率が上がっても長期的に人口減少は免れないようです。そのようになってくると、どうしても全体の働く人の数が少なくなるので、一人一人の能力を上げる、生産性を高めるしかないわけです。ところが、日本人一人当たりの労働生産性は、先進国の中で一番低い。そういうような状況にあって、一人一人の能力をどう高めていくのか、エンパワーメント系の生涯学習というのが必要になってくる時代だと思っております。
 そういう観点からすると、資格や検定というものも当然視野に入ってくるわけです。資格や検定の中には、もちろん自己実現を目的とするものもありますが、社会参画を促すとか、職業参入する上での力を養う資格ということで、エンパワーメント系の分野というのは非常に大きくなってくると思います。一定の目的の下に学習をして、社会的にアピールして評価してもらい、活動に結び付けるという循環の中で、資格や検定は非常に重要になってきていると思います。
 社会自体もどんどん変わっており、地域社会も職業も変わりますので、その時点で社会として特に必要な能力というのは何かという形で具体的な能力を切り取って、それを身に付けさせるためにどういうプログラムが必要かということを考えながら、検定試験というものを運用していくということになると思います。常にイノベーションが図られて、先ほど来、どんどん新しいものができてきているという話もありましたが、既存のものも、いつもニーズを考えながらイノベーションを図っていく必要があると思いました。
 その場合に、せっかくいい能力設定をして、それを高めるための制度化が図られても、社会で活用されないと意味がない。特に新しいものについては、どういう内容で構想されているのか、職業現場、社会全体に情報提供して、理解を進めていくということも、併せて必要になってくるだろうと思います。最終的には、資格を得た人が社会の中でどういう活躍をして、どういう評価をされるかという全体で評価されることになると思います。それまで、いろいろな情報公開をして、社会の中で広めていくということも大事だと思います。
 その中で、質の保証ということが特に大事になってきます。既にお話に何度も出ていますが、それぞれの資格、検定等の持っている目標が、実際にどう具体的に実現されているのか、資格を持った人々がどういうところで活動できているのかという、最終のアウトカムについての情報提供、あるいはそういう情報の整理・評価というものも、必要になってくると思っております。
 自己評価、第三者評価の議論も出ております。全体的にそういう方向に進めたいという共通の理解だと思いますが、お話にも出ていましたように、分野が多彩ですし、組織の規模も非常に大きいということで、一律にはなかなか進まないと思います。試行錯誤しながら関係者のグルーピングを図って、懇談会的なものから少しずつ始めていく必要があるかと思います。その場合、検定試験団体の組織のマネジメントの評価ということと、教育、検定内容そのものの評価ということを分けて考えた方がいいということがありました。そうだと思います。
 是非、社会の中で活用されて、国民の能力を高めるところに資するような検定試験の評価制度がうまく機能するために、ちょうど今、制度について考えるのに一番いい時期であると思っております。今日のような議論を積み重ねて次に進めれば、いい結論が出ると思いました。

【菊川部会長】
 まとめていただきまして、ありがとうございます。私からも一つお願いでございます。
 今日は検定試験についての議論を行いましたが、例えば最終的な答申文が出る際に、一般の方は検定試験という個別具体的な話から入るのではなく、学ぶこととか生きることという観点から答申文に入っていくと思います。ですから、検定試験が、学ぶこと、生きることの中のどういう位置付けを持つのかというところを、分かりやすくイントロで説明する必要があると思います。
 具体的に言いますと、学ぶことというのは、例えば資格もあり、検定もありますし、それから社会人の大学への再入学の問題などもあります。教育振興基本計画の中で、社会人の大学への再入学の割合を倍増しようという目標がありますが、なかなかうまくいっていない。それはなぜかということと、検定試験の問題というのは、恐らくどこかでつながっていると思います。
 ですから、1億総活躍とよく言いますが、1億総活躍の基盤作りは1億総学習ということで、その中に、検定試験というシステムを位置付けていただけると有り難いと思っております。
 今日は様々な御意見を頂き、ありがとうございました。次回以降、本日にお示しいただきました御意見を踏まえて、議論を進めていくことになると思います。
 最後に、今後のスケジュールについて、事務局の方から御説明をお願いいたします。

【竹下生涯学習推進課課長補佐】
 本日お配りしております資料2に、今後のスケジュール案を記載しております。次回につきましては、11月か12月に開催できればと考えております。会場、時間につきましては、改めて事務局の方より御連絡させていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

【菊川部会長】
 それでは、本日はこれで閉会とさせていただきます。皆様、お忙しいところ御出席いただきまして、本当にありがとうございました。これで終わります。

―― 了 ――

お問合せ先

生涯学習政策局生涯学習推進課

(生涯学習政策局生涯学習推進課)

-- 登録:平成28年05月 --