学習成果活用部会(第5回) 議事録

1.日時

平成27年8月20日(木曜日) 10時~12時

2.場所

文部科学省東館3階1特別会議室

3.議題

  1. 中間まとめ(案)について
  2. その他

4.議事録

【菊川部会長】
 ただいまから第5回中央教育審議会生涯学習分科会学習成果活用部会を開会します。
  本日は、これまでの部会の議論を踏まえた中間まとめ(案)の審議を行います。
 なお、本日、報道関係者より、会議の全体について録音と写真撮影を行いたい旨申出があり、許可しておりますので、御承知おきいただければと思います。
 それでは、議事に入る前に、人事異動がありましたので、事務局から紹介をお願いします。

【竹下生涯学習推進課課長補佐】
 8月に人事異動があり、事務局の体制が変わりましたので、御紹介させていただきます。
 生涯学習総括官の岩本健吾でございます。

【岩本生涯学習総括官】
 岩本でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

【竹下生涯学習推進課課長補佐】
 大臣官房総務課長、瀧本寛です。

【瀧本総務課長】
 瀧本です。どうぞよろしくお願いいたします。

【竹下生涯学習推進課課長補佐】
 以上です。よろしくお願いいたします。

【菊川部会長】
 ありがとうございました。
 次に配付資料の確認を事務局からお願いいたします。

【竹下生涯学習推進課課長補佐】
 お手元の資料について確認させていただきます。
 まず、議事次第、座席表、そのほか、本日、資料1‐1から資料3まで配付させていただいております。資料1が、本日御議論いただきます中間まとめの関係の資料です。資料2が、中間まとめ(案)に関する参考資料です。資料3は、今後の審議スケジュール(案)です。
 配付資料についての説明は以上でございます。

【菊川部会長】
 ありがとうございます。
 それでは、議題1に入ります。本日は、前回までの議論を踏まえ、本部会の中間まとめ(案)について審議することとなっております。
 最初に、事務局より説明をお願いいたします。

【助川民間教育事業振興室専門官】
 それでは、事務局から資料1‐1から資料1‐3までに基づきまして、中間まとめ(案)について説明申し上げます。
 こちらは、7月23日の生涯学習分科会及び学習成果活用部会の合同会議におきまして中間まとめ(案)について御検討いただいたところでございますが、そのときの御意見や、その後、委員の皆様から頂いた御意見を踏まえまして、さらに、私ども事務局においても、用語や文章の整理などをしたものをお配りしております。
 資料1‐1が中間まとめ(案)の概要となっております。資料1‐2が全体版でございまして、資料1‐3は、前回の会議でお配りした資料からの変更点を、どこが変わっているかというのが分かるような形にしたものです。資料1‐3を見ていただくと、大きく修正されたように見えますけれども、記述を移動したり、表現ぶりを整理したりした関係で修正箇所が多くなっているところです。内容的に変更した点を中心に説明申し上げたいと思います。資料1‐1と資料1‐2をお開きください。
 まず、1番の「生涯学習を取り巻く状況」でございます。資料1‐1の概要の方を見ていただきたいのですけれども、この章は、我が国の社会をめぐる状況の変化及び学習環境の変化、社会の変化と生涯にわたって学び続ける意義について論じた章でございます。
 また本文に戻っていただきたいのですけれども、1(1)の見出しは、もともと「我が国の抱える様々な課題」というものでしたが、課題のみならず、我が国の社会をめぐる状況の変化についても広く述べているところですので、そのように修正させていただきました。
 続いて、同じ2ページの11行目からの段落ですけれども、その前の段落では、社会の状況の変化として、超高齢社会について述べているところでございます。この11行目からの段落のところでは、急速な科学技術イノベーションの発展ですとか、グローバル化の進展が起きていること、そして、それによって社会の変化のスピードが高まっていること、それによって人々が絶えず学び続けなければならないということを追記しておりまして、この段落を付け加えております。
 3ページの3行目のところを御覧いただきたいと思います。3ページ目の一番初めの段落は、情報通信技術の進展によって人々の学習のスタイルが変化している旨を記述している段落でございますけれども、その例としてe‐ラーニングの拡大が書かれておりましたが、その中でMOOC(大規模公開オンライン講座)の拡大に加えて、3行目の最後のところ、「放送大学においても、ほとんどの放送授業のネット配信がなされている」旨の記述を追加いたしました。
 この第1章については、内容的な修正は、大体このような感じでございます。
 次に、2番の「学習成果活用の課題」でございますけれども、また資料1‐1の概要を見ていただくと、この章は、生涯学習等の現状ですとか、学習者、学習機会提供者、地域活動に関する課題について述べている段落でございます。生涯学習等の現状としては、学習機会を通じた成果には、学校教育、公民館等の講座、大学の公開講座、ボランティア活動への参加など、様々な学習機会を通じた成果が含まれていますが、そうした成果を評価して社会的に通用させる方策がなかなか十分ではないということを記載しております。
 さらに、その後に課題が述べられていますけれども、学習者、学習機会提供者における課題としては、各種の社会的課題の存在ですとか、学習・活動を課題解決へ生かすことの意義を意識啓発することが課題であること。また、学習成果を証明する検定試験等の信頼性の確保、それから、学習コミュニティの形成に向けたネットワーク化、さらに、公民館、大学等における地域課題の解決を意識した講座を充実していくことを課題として挙げております。
 また、その下のところ、「地域活動に関する課題」ですけれども、学習者を地域活動への参加に誘うような、そういった仕組みづくりの必要性が課題であるということを述べているところでございます。
 この2についてですけれども、また本文に戻っていただいて、4ページ目を見ていただければと思います。29行目以降の一番初めの段落は記述を移動させたものでございます。もともとこの段落は、「2(2)学習者の視点からの課題」の段落の冒頭にあったのですけれども、生涯学習の学習機会について、フォーマル教育、ノンフォーマル教育、インフォーマル教育というふうに分類しているものでございますので、2(1)に移動させたというものでございます。
 また、表現に関するものでございますけれども、7ページの7行目から8行目に係るところを御覧いただければと思います。もともとこの中間まとめ(案)では、学習記録、活動記録について、正確性・客観性を備えた学習・活動記録というような表現ぶりを使っておりましたけれども、客観性というよりも信頼性を備えた学習・活動記録を有していることが望ましいというような考えの下、客観性という言葉を、この文章を通じてほとんど信頼性という言葉に直しております。
 2番についての修正点は、大体、以上でございます。
 それから、今度は3番、「今後の施策の方向性」でございますけれども、こちらの章は、また資料1‐1も見ながら御説明申し上げますけれども、基本的な視点といたしまして、全員参加による課題解決社会に向けて、学習機会の充実、学習成果の適切な評価・活用の環境、こういったものを整備する必要性を論じている章でございます。
 中間まとめ(案)の8ページの16行目でございますけれども、前回御意見を頂いたところなので、学習機会の提供が様々な主体によってなされているということが書かれている段落でございますけれども、前回の資料では、段落の冒頭が「なお、」というふうになっていましたが、前回の御指摘も踏まえまして、「なお、」というのを「このとき、」というふうに改めております。
 第3章のそのほかの修正は、大体表現上の修正でございます。
 続いて、4番の『「人材認証制度」の活用の推進』でございます。「人材認証制度」については、もう一度振り返りでございますけれども、資料1‐1で申しますと、オレンジ色の見出しの一つ下に定義が書かれております。「人材認証制度」というのはどういうものかと申しますと、一定の学習や活動を経た人材の能力、経験等を第三者が客観的に認証等を行う仕組みを網羅的に指すものでございます。ですので、制度という、「人材認証制度」というような固有名詞として使っておりますけれども、しっかりとした制度というよりも、既にいろいろなところでなされている仕組みを網羅的に指すといったような意味合いで使われております。ですので、本文の中でも一番初め、「人材認証制度」という言葉が出てくるときに、いわゆる「人材認証制度」という書き方をしておりますけれども、制度という言葉が想起させるような、しっかりとした制度というよりも、仕組みといったような程度で使われているものでございます。
 この4の『「人材認証制度」の活用の推進』の章におきましては、また資料1‐1に戻って御説明しますが、「人材認証制度」に期待される役割・機能をまず述べております。これは第一に、地域が必要とする人材を可視化すること、次に、課題と学習需要とのマッチングに寄与すること、さらに、個々人の多種多様な学習・活動履歴を体系化するということを挙げております。その上で、当面取り組むべき事項といたしまして、自治体と大学等との連携及びモデル的な事例の共有ですとか、学びと活動がかい離する場合がございますので、それを解消するためにICTを活用するということを挙げております。
 さらに、この概要には入り切っていないですけれども、将来的な活用可能性として、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)を活用して、学習者のネットワーク化というのを挙げておりまして、これによって学習者が、将来的に地域の活動を担う新たな主体となることも期待されることを述べているところでございます。
 4番の『「人材認証制度」の活用の推進』の章の修正は、大体が表現上の修正でございます。
 次に、大きい5番の『ICTを活用した「生涯学習プラットフォーム(仮称)』の構築」でございますけれども、この章は、初めに「生涯学習プラットフォーム(仮称)」の機能を挙げております。すなわち、学習機会提供機能、例えばレコメンド機能を通じて、学習者の関心に応じた学習機会を提供する機能。さらに、学習・活動履歴の記録・証明機能、例えば学習・活動履歴を体系化して、地域課題と学習需要とのマッチングに資するといった機能。さらに、学習者等のネットワーク化の機能、例えば地域・空間・世代を超えた学習コミュニティを形成する機能でございます。
 今申し上げた3番目のネットワーク化機能でございますけれども、前回は地域・空間を超えた学習コミュニティの形成というように本文上、書いておりましたけれども、対面である場合と比べて、ICTを活用しないと、地域・空間を超えた学習コミュニティの形成というのは極めて難しいものであります。加えて。ICTを活用することによって、世代を超えたコミュニティの形成もよりやりやすくなるという考えの下、ここの例のところ、「地域・空間・世代を超えた学習コミュニティの形成」というように、世代という言葉を加えております。
 13ページの15行目からの段落は新たに追加いたしました。その前の段落までが、今申しました第一、第二、第三の機能を述べている段落でございますけれども、前回の議論におきまして、委員の皆様方の議論の前提として、生涯学習について幾つかの側面を前提とした議論があったと理解いたしまして、例えば、二つに分けますと、第一に、地域の課題ですとか地域の活動というものが何らかの主体から提示されることによって、これが人々の学びの指針になって、それで人々の学びが促進されるといった側面、すなわち、地域の課題が学習をリードするというのでしょうか、そういう側面を前提とした御議論が一つあったと思います。
 またもう一つ、人々が、一人一人の、自身の興味・関心に基づいて学習した成果があって、これが地域の課題の解決に還元されるといったように、人々の興味・関心自体が学習をリードしていくという側面を前提とした御議論があったと思います。
 今申しました前者の地域課題が学習をリードする機能というのは、どちらかというと第一の機能に近いと思います。第一の機能というのは、学習機会提供機能に親和的であって、後者というのは、興味・関心自体が学習をリードするという機能、これは第二の機能である学習・活動履歴の記録・証明機能に近いといったものかと思います。今申しました15行目以降の段落というのは、「生涯学習プラットフォーム(仮称)」というものが、この二つの側面を橋渡しするものであるというようなことを追記したものでございます。
 また、前回の議論では、生涯学習について、人間観というものを通じて深く議論すべき旨の御意見も頂戴したところでございます。ですけれども、中間まとめ(案)は、4月に諮問されていた検討事項のうち、情報通信技術の進展を踏まえて、各種教育プログラムですとか検定試験について、学習履歴を管理・活用して、それから高度な学習や、更に幅広い活動につなげていきましょうと、そういったことについてまとめたものでございますので、中間まとめ上、とりあえずは、人間観も通じた議論というのは、そこまでの根源的な議論については、現在のところ立ち入っていないところでございます。
 本文の今度は15ページ目をごらんいただきたいと思います。12行目からの「(2)当面取り組むべき課題」についてでございますけれども、こちらの(2)のところは、「生涯学習プラットフォーム(仮称)」の構築に向けて国が主体的に構想すべきこと、さらに、個人情報保護ですとか、ICTを学習者のネットワーク化に活用する場合の課題についての研究が必要であるということを述べているところでございます。
 一番下の35行目以降の「(3)将来的な活用可能性」でございますけれども、これは36行目以降の段落を新たに追加したものでございます。この段落は、「生涯学習プラットフォーム(仮称)」には、学歴・資格・活動実績のような学習成果についての情報だけではなくて、学習・活動に取り組んだ履歴のような、これまで蓄積が困難であったような情報も蓄積することができること、そして、新たに蓄積される情報を踏まえてマッチングがなされることによって、更なる『「学び」と「活動」の循環』が促進されることが期待されるという旨を追記したものでございます。
 最後に、6番の「今後の検討事項」でございますけれども、こちらは段落の順序を入れ替えたのみでございます。書かれている内容は、今後の検討事項といたしまして、より幅広い視点から、「人材認証制度」を『「学び」と「活動」の循環』の形成に向けて活用する方策について検討する必要があるということ、また、就業・大学入学者選抜といった場面での学習成果の証明の活用について、さらには学習成果の証明に活用される検定試験の質の保証・向上のための具体的方策について、こういった3点を今後の検討事項として挙げているものでございます。
 雑ぱくでございましたけれども、中間まとめ(案)について、前回からの変更点を中心に御説明いたしました。
 以上でございます。

【菊川部会長】
 ありがとうございました。
 前回からの変更点を中心に御説明いただきました。本日はこの議題一つでございますので、自由に御意見を賜れればと思います。細かい表現上のここが気になるというところなど遠慮のなく御意見を頂きたいと思います。 どうぞ、萩原委員。

【萩原委員】
 5ページの22行目ですけど、「学習者の意識啓発を図る」という、言葉が少し強過ぎると思いました。啓発という言葉を理解を深めるとか、表現を変えた方が良いと思います。
 3ページの24行目、知識基盤という言い方がありますが、8ページの6行目に知的基盤というのがあります。違いがよく分からなかったのですが、もし同じ意味合いであれば統一した方がいいと思いました。
 3ページの27行目、「これからの地域社会においては、スキルと市民性を持った人材」ということで、スキルと市民性を並列に、アンドで結ぶのは違和感があります。7ページの9行目に、「地域課題の解決に求められる知識や技能が」ということで、多分、スキルは知識と技能のことを言っているのではないかと思います。

【菊川部会長】
 ありがとうございました。
 やはりまとめに近づいてくると、細かいところでもいろいろ御意見がクリアに出てくるように思います。ほか、いかがでございましょうか。
 三瓶委員、お願いします。

【三瓶委員】
 15ページの37行、将来的な活用可能性ということで、こうなればいいなというふうに思いますけれども、例えば「学習・活動に取り組んだ履歴」はたった1日でもいいでしょうか。その内容の吟味というのも、1行何か入れておいた方がいいと感じます。例えば、生涯学習ではないですけれども、1日だけアメリカに行ったけれども、自分はアメリカに行ったことがあるという人と、10年ぐらいアメリカに行って研究してきたといってもアメリカに行ったことがあるということと同じで、要はマッチングする側としては、その人の背景というのをすごく見たい。私はマッチングする側なので、見たいと思ったときに、その履歴の信頼性も含めて、この1行だけだと、この履歴のあやふやさを感じました。
 全体的なことですけれども、マッチングとかコーディネーターというのをすごく私は大事だと思っているのですが、マッチングを担うコーディネーター的な人材の養成に関して言及がない。最初に先駆的な事例、あるいは先駆的な人材養成みたいなものが必要です。国がこういうふうにしたから、やるぞといっても、誰が最初にやるのという形になって、誰かがやるのを待とうとなると、何年も停滞してしまうように感じます。そういう意味では、SNSとかインターネットをフルに使うという若い世代ですと、「あっ、やってみようかな」、あるいは、「転職とかに有利ならばやってみようかな」というふうに思いますが、アクティブシニアの方々にも「こういうふうな履歴を持つと、あるいはこういうところに登録していくと自分の学びが見えますよ」というような、お勧めする相談員のような人、そういう人材育成というのは大事だと感じました。

【菊川部会長】
 ありがとうございます。
 今おっしゃったことは、過去2回ぐらいの会議の中でも出ていたようにも思うのですが、事務局の方で何か補足ございますか。

【竹下生涯学習推進課課長補佐】
 補足させていただきます。
 まさに、菊川先生の御指摘のとおり、今まで前回2回の会議の中でも、いわゆるサポートする人材について御指摘ございまして、例えば15ページの「(2)当面取り組むべき事項」の行数で申し上げますと20行目から始まるパラの中に、具体的な記載は23、4行目あたりですが、いわゆるいろいろなシステム等を導入する中で、必要な支援の在り方についてもいろいろ実証的に検討しなければいけないという文言を入れてございます。こういった中で、いわゆる単純にシステムを開発するだけではなくて、その際に必要となる支援、それがまさに、イメージ的には、実際に利用者の方々を結んでいただくような方、そういった方の支援の在り方も含めて検討しなければならないと想定していました。ただ、御指摘のとおり、なかなかそこが見えにくい部分がありまして、表現ぶりについては検討させていただければと考えてございます。

【助川民間教育事業振興室専門官】
 3ページ目と8ページ目の知的基盤、知識基盤についてでございます。私ども、ちゃんと見切れていなかったところなのですけれども、知識基盤と知的基盤、特に意味があって書き分けたものではございませんでした。今、知識基盤社会といったように知識基盤という言葉を使われることが多いので、両方を知識基盤というふうに統一するような方向で検討したいと思います。
 それから、スキルと市民性については、まさにおっしゃるとおりかと考えました。今、萩原委員おっしゃったような、知識、技能のある市民性を持った人材、表現ぶりはまた考えさせていただきたいと思いますけれども、そういった形で直していきたいと思います。
 また、5ページの学習者の意識啓発についても、学習者の理解を深めるというような形で修正を考えていきたいと思います。
 また、三瓶委員のおっしゃった15ページの37行目のところでございますけれども、おっしゃるとおり、履歴まで「生涯学習プラットフォーム」に載せるに当たっては、その信頼性の確保というのがまさに重要であると思います。これまでの、例えば検定のようなものですと、ある程度確保されていますが、それが履歴を掲載するというふうになると、履歴をどう記述するかということによって信頼性が確保される必要があります。その点についても、実際に構築していくに当たっては信頼性の確保ができるような形にしていきたいと思っております。

【菊川部会長】
 ありがとうございます。
 どうぞ、加藤委員。

【加藤委員】
 ここには、将来的には、そういったインフォーマルな関係の教育の活動履歴の情報も蓄積することができると書いてあって、裏を読めば、当面やらないというふうにも読めます。今までの議論の中で、インフォーマルな情報の重要性というのはいろいろな方が指摘されていたと私は認識しておりまして、逆に言うと、それを入れないで一体何を入れるのかという気がします。先ほどのような信頼性の話はありますけれども、事実がそのまま書いてあれば、それは利用する側で価値を判断すればいい話であって、それが事実であれば、それはそれで十分な学習履歴として活用できる価値のあるものだと思います。インフォーマル学習に対する取組がよく分からない。きちんとやるのかやらないのか、そこら辺がはっきりしていないなというのが気に掛かったところです。

【菊川部会長】
 ありがとうございます。
 今の件に関して、まさにプラットフォームの制度設計の案の中で、そういうインフォーマル的なものと、あるいは証明がしっかりできる部分も個人の選択で仕分をしていくというような御提案もなさっていたように思いますが、関連して何かございましたらお願いします。

【加藤委員】
 おっしゃっているとおりで、基本的には、自分でそれが学習であると思ったようなことであれば、海外体験であれ、映画を見たのであれ、本を読んだのであれ、どこかの講習会に参加したのであれ、全部入れていいと思います。その価値とか、そこから何を読み取るかというのは、それを利用する側が決めればいいと思います。

【助川民間教育事業振興室専門官】
 失礼します。先ほど私が申し上げたことがうまく言えていなかったのかもしれませんけれども、先ほど申しました「生涯学習プラットフォーム(仮称)」の機能を三つ挙げましたけれども、二つ目のところで記録・証明機能というものと、三つ目のところで学習者等のネットワーク化機能というのを挙げております。全くの客観的な情報だけを載せても、なかなかネットワーク化というのは難しいかと思います。また、ネットワーク化しやすいような情報を何でも載せていけば、客観的な、かつ信頼性も極めて高いものだけが載せられているというわけでもないと思います。ですので、もちろん信頼性の確保というのはある程度必要と思いますけど、実際に、プラットフォームの一番初めの段階から客観性を完全に確保するというのはなかなか難しいかと思います。
 特に、ネットワーク化機能というものをやりながらプラットフォームを運用していくというようになれば、客観性の確保というのは、恐らく走っていくことによって、客観性・信頼性というのが高まっていくシステムに洗練されていくという面もあろうかというふうに思っております。

【菊川部会長】
 ありがとうございます。
 13ページの上段のところにもあるように、「個々人が自由に記載できる部分も設けること等により、記載の信頼性と自由度のバランスのとれたものとして運用していく」ということかなと思いながらお聞きしたところです。
 どうぞ、藤田委員。

【藤田委員】
 拝見させていただいたところ、プラットフォームの問題ですけれども、学習から活動へというところは、とても明確に整理されていて分かりやすく書かれていると思いますが、活動したことにより、また次の学びへという、その次のステップへというところが何か見えにくいという気がしております。
 そのときに、三瓶委員がおっしゃった、マッチングするコーディネーターをどこが担うのかというところが、やはり明確に明記されている方がいいのではないかと考えます。もし可能であれば、明記という方向性を見いだしてもいいのではないかな、というように思います。
 それからもう一点は、活動から次の学びへというステップです。その部分についても『「学び」と「活動」の循環』と書いていますから、循環させるためにはやはり活動から学びへ、次の学びへというところも文言として、もし可能であれば明記しますと、次の目標へ向かっていくということで、学習者が見える形になっていくのではないかというふうに考えます。

【菊川部会長】
 ありがとうございます。
 ほか、いかがでございましょうか。

【西辻委員】
 今、話題になっていたところですけれども、13ページの16行目から17行目のところで、個々人がその興味や関心に基づき、還元していくという流れになっていますが、地域の課題解決に意欲を持っている、学習成果を還元したいという意欲を持っているという方がいいのではないかと思いました。
 ここで御質問ですけれど、言葉の使い分けなのですが、「個々人」という言葉がたくさん出てきますが、一部に「一人一人」という言葉も出てきます。これは、意図的に使い分けておられるのか、混在しているだけなのかを尋ねたいと思いました。
 それから、15ページの14行目のところで、プラットフォームのところを統括するような表現で「公平性・信頼性」という言葉が使われていますが、「信頼性」については、その前のところでも何回か「信頼性」に関わる記述が出ています。しかし「公平性」については、「客観的」とか「正確」とかという言葉はありますが、「公平性」という言葉はここで突然出てくるので、唐突に出てきたという感じがいたしました。
 同じページの31行目ですけど、これはできれば注を付けていただきたいと思います。「先行している諸外国の実例」と書かれたときに、このまとめを読まれた方は、どういう先行事例があるのか思って、ネットで調べようと思ってもなかなかすぐに調べられないと思います。ネットで検索するときにキーワードになるような注がここに付いていれば、諸外国の状況を調べやすいのではというふうに思いました。
 16ページの7行目の、「学び」や「活動」の社会的意義の後、(高齢者の健康との関係等)とありますが、(「例えば」高齢者の健康との関係等)というように、「例えば」という言葉が入った方がいいかなと思います。

【助川民間教育事業振興室専門官】
 御質問の点のところ、「一人一人」と「個々人」でございますけれども、意味の違いをもって書き分けているというわけではございません。そのパーツ、パーツで、言葉の流れとしてそちらの方が読みやすいと思い書きました。書いた者の意図としては、意味の違いをもって書き分けたわけではなかったということでございます。
 それから、諸外国の実例についてのキーワードを注記してはどうかということについては、その方向で検討させていただきたいと思います。
 また、16ページの7行目の(高齢者の健康との関係等)の括弧書きでございますけど、ここはおっしゃるとおり、まさに例として挙げているものですので、それが分かるように「例えば」といったような文字を入れたいと思います。

【竹下生涯学習推進課課長補佐】
 「公平性」の表現については、全体の流れからすると確かに唐突な部分もございますので、表現ぶり、前との整合性を踏まえまして、もう一度検討させていただければと考えております。

【助川民間教育事業振興室専門官】
 活動から学びのところでございますけれども、これはまさに第一の学習機会提供機能であると思っております。今、いろいろなサイトでレコメンド機能と呼ばれているものがありますけれども、これは、ある程度の利用者があることによって自然にできていくものです。今まであるサイトですと、何々を買った人はこういう物も買っていますというものが表示されますけれども、それはいろいろな人がそのサイトを使っていることによって自動的にできていくように何々を学んだ人はこういうものを学んでいますというふうになるのかは分からないですが、使われていくことによって、学習機会提供というか、学びが学びを呼ぶ、あるいは活動が学びを呼ぶというのができていくのかなというふうに思っております。

【菊川部会長】
 どうぞ、藤田委員。

【藤田委員】
 現状としまして、実際、この仕事の現場にいる人間としては、そのレコメンド機能の部分はある程度、自然にできてくるということも一理あると思います。しかし、次の学びへというところをさまよい歩いている学習者は一杯います。生涯学習がスタートしてもう二十数年というところですが、その結果が出てきているのかな、と現場の人間は感じております。
 ですから、その上に立って、活動で得たいろいろな課題とか、そのことについて一つまた次のステップ、次の学びへというところを模索している方たちに対して、見える化といいますか、何か方向性を示すことが重要です。そこはアナログで、プラットフォームになっています生涯学習機関というところは既にやっておりますけれども、せっかく今、またこのような新しいことに取り組むというのであれば、何か考えられる方向性はあっていいと思いまして発言させていただきました。

【菊川部会長】
 ありがとうございます。
 例えば今の藤田委員の御発言ですが、10ページの3行目からの丸のところに、総論として、ある程度書かれているところがあるように思います。ただ、「発展的な講座を提供すること等により」と書いてあるものですから、活動したら新たなまた学習課題が出てくると、そういうところが必ずしも伝わらないかもしれないということと、そのことがプラットフォームの機能としてはっきり書かれていないという、その2点だったように思います。
 どうぞ、三瓶委員、お願いします。

【三瓶委員】
 私も藤田先生のお話に一言付け加えたいのですが、要は、レコメンド機能ですと、ある程度、登録者の傾向が見えなければいけない。今、生涯学習の分野では人対人というアナログで、相談を行っており、現場では全く足りていない状態です。それをネット上で行おうというようになっているとすれば、学び、活動、更なる次の学びという意味で、体系化を促進する、あるいは体系化を支えるというような一言を10ページ辺りに入れていくとよいと感じました。

【菊川部会長】
 ありがとうございました。
 いかがでございましょうか。では、今野副部会長、お願いいたします。

【今野副部会長】
 今回のまとめ中に大きな提言が二つあって、一つが人材認証、それからプラットフォームということになりますが、10ページで「人材認証制度」の活用というところがあります。これ自体は、先ほども丁寧に御説明がありましたけれども、人々の学習によって得られた能力・資質・経験などを社会的に証明、アピールするための仕組みだということで、例えばボランティアでいろいろな活動をするときでも、そういう認証されたものがあれば、活用する側でも安心して頼めるというふうなことになって、とても活動がスムーズにしやすくなるという意味で大事だと思います。この活用の促進というのは当然のことだし、提言として言うべきだと思いますが、少し違和感があるのは名前です。「人材認証制度」という名称は、人そのものを何か評価されて資格化されるようなもので、また「制度」という言葉が含まれているので、余計にそういう感じがします。もう少し分かりやすい名称に、例えば資質・能力の認証の仕組みみたいなことでもいいと思いますが、言葉自体がかえって分かりにくくする感じがありはしないかなと思います。
 したがって、この活用自体はとても大事だし、今までも答申などでは、民間でも様々やられているので、活用しましょうということはあったと思います。これからのことを考えますと、特に今、日本の社会はいろいろなところで住民参加型の社会になっていくだろう。行政でもいろいろなところでローカルガバナンスを目指さなくてはいけないということで、市民協働的な行政の仕方をどこでも模索しているわけです。そういう中で、社会教育とか生涯学習というのは、まさに市民の力を育成して地域活動を盛んにするという意味では、大きな流れの中で中核にならなければいけない行政だろうと思っています。
 以前から社会教育主事というのがいます。この職は専門職で、市民の様々な団体のコーディネーションをやるということで非常に重要な職種ですが、しかし、これからの市民社会がどんどん進んでいく中では、社会教育主事だけが頑張っているというわけにはいかない。やっぱり市民の中のいろいろなグループの代表者、リーダー的な人たちと密接に連携、協働しながら生涯学習の仕事をしていかないといけない。その市民の代表的な人、リーダー的な人が、ここで言う認証制度で認められている人になると思いますが、思い切って、先ほどのプラットフォームを、全体をコーディネーションするような専門の人たちの記述が欲しいというような話がありましたことにかこつけて言えば、例えば既に民間にあるような生涯学習コーディネーターのような能力・資質を表す制度、そういう新しい制度を作ったらどうかということが提言できないかなと、今、話を聞きながら思っていました。
 前期の生涯学習審議会でもそれは議論になりましたが、最終的には日の目を見ないで終わっている。せっかく今回の認証制度の活用の促進ということで、単にその活用だけだと従来と変わらないと思いますので、少し踏み込んだ何か新しい認証制度を制度化するということについて考えられれば、そういう指摘があると良いと思いました。
 2点目ですけれども、二つ目のプラットフォームの関係で、12ページで三つの機能ということで整理されて出ています。1番目の機能はすごく分かりやすい。学習提供に関わる機能ということで、これは既に都道府県レベルで見れば、例えば、今も多分やっていると思うのですけれども、以前の知識でいうと、神奈川県では、全域の学習業者、機関、施設が一つのプラットフォームに加盟して、どこで、どんな事業を幾らでやっている、こういう学習をしたいということで検索すれば出てくるし、ネットで申込みもできるというようなことだったと思いますけど、そういうシステムができています。それから、佐賀県の夢パレットでも一元的に、生涯学習センターじゃなかったかと思いますけれども、県内で行われているものが加盟して、直ちに全体のものが分かると、非常に便利なものだと思います。恐らく、それを非常に大きくした形の機能になるのだろうと思います。
 そこの機能、実績もあるし、分かりやすいですが、二つ目の方、学習・活動の履歴を記録・管理・証明するということは、なかなかイメージが湧きにくい。以前でいうと生涯学習パスポート、記録票みたいなものを登録して、そのプラットフォームに、個々人が様々なデータを蓄積することが前提なのでしょうか。あるいは、従来の理解ですと、個人の学習記録ですので、基本的には個人が持っていて、個人の自己評価を含めて社会にアピールするときにそれを使う。使うときに、様々な事実で間違いないというものがあれば、それも付して使う。そういうことをするときに集約的なプラットフォームがあると証明してもらうときにはやりやすいし、自分で書くときに、いろいろなものを一元的に情報がとれるので、書きやすい。基本的には個人で管理して、個人で使うということだと思うのですが、ちょっとその辺りが、丸ごとプラットフォームの中に全部含まれてしまっていて、それは秘密にするというような感じなのか、あるいは、13ページの方を見ますと、流通させるときには、個々人の方にお戻しをして、個人の意思でと書かれているのですけれども、その辺りの記録とか保管の機能が具体的にはどういう形になっていくのかが分かりにくいので、イメージがしやすいように書いていただくといいかなと思っております。

【菊川部会長】
 ありがとうございます。
 実は、二つおっしゃったうちの二つ目のプラットフォームの方は、まさに前回、前々回ぐらいで議論したところです。具体的には参考資料26ページのプラットフォームのイメージというのがあるのですが、栗山委員か、大畑委員から何かお答えいただくことがありますか。

【大畑委員】
 26ページの図から説明させていただきますと、学習記録の扱いに関しては、プラットフォームが、大きく、全部一括して持つというスタイルではなくて、個々人が原則持っているスタイルが基本になっています。個々人がもともと持っている学習記録のうちで内容証明がちゃんとできるものが、右上の方にある機能が内容の証明になりますが、そういったもののうち、ある人が、自分の学びの記録として見せたいものをきちんと自分の蓄積されたものの中からピックアップして、生涯学習パスポートのような形にして活用する。活用するときに、その内容に関して証明が必要な場合はきちんと証明をとることができるというような仕組みを想定して、図は描かれています。

【菊川部会長】
 何かそこに個人の選択が入っているので、自由度と正確性を両立しようとしたという図のように見えます。
 このことも含めて、1点目ですけれども、「人材認証制度」の活用の推進というところで、プラットフォームの議論はたくさんしたように記憶しておりますけれども、振り返ってみますと「人材認証制度」のところは余り議論をしていないようにも思います。プラットフォームの押さえとして、入り口として「人材認証制度」の整理をしたということなのですが、いかがでございましょうか。今おっしゃったような、確かに、具体的なこととしては事例の共有みたいな形ですけれども、もう少し議論があってもよかったのかなという感じをちょっと持っております。今、今野副部会長がおっしゃった、いろいろな認定制度等のことも含めて何か御意見等がありましたら、お願いします。
 どうぞ、西辻委員。

【西辻委員】
 この人材認証機能と、生涯学習プラットフォームというのは、この中間まとめでは一番皆さんが注目されるところだと思います。そういうところでは、先ほどの参考資料26ページのシートのようなイメージ図というのが非常に大事になってくると思います。この26ページの図は、3回目の、いわゆる審議の過渡期で資料として提示されたわけですけれども、それを踏まえて中間まとめをまとめたときのイメージ図というようなものを、人材認証機能と生涯学習プラットフォームとの両方をぱっと一目で見られるようなものに作っていってはどうでしょうか。やはり絵があった方が分かりやすい。というのは、26ページの図だと、中間まとめ(案)12ページ31行目、第二の機能のところで「学習」だけでなく「活動」というキーワードも入りましたから、そういうものも入れながら、人材認証機能というものをこういう形でプラットフォーム化する、つないでいくというようなところが一目で見られるようなものがあると、このまとめがより分かりやすくなるのかなと感じました。

【菊川部会長】
 ありがとうございました。
 高見委員からも御意見をお願いいたします。

【高見委員】
 まさに西辻委員がおっしゃっていたことに近いと思うのですが、ここのプラットフォームを踏まえて、いろいろな意見が出たと思うので、プラットフォームのイメージにいろいろな意見を入れたものがあると私もいいなというふうに思っております。
 そもそも学習成果部会は、4月14日に下村文部科学大臣から諮問をされている資料の3ページの三つの丸についてまとめるという立ち位置だと思いますが、中間まとめがこの段階でいいのかというのを少し不安に思っておりまして、次のアクションプランのイメージができてこない。ここのまとめを経て、それを受け取った人が次にどうアクションしていくのというところが補足資料としてある状況ではないと、もう一度振出しに戻って同じ議論をしそうな気がします。
 まとめとしてはまとまっていますが、そこに込められているいろいろなものは、結局、議事録を拾わないといけないというのは少し動きにくいと思っています。今後の検討事項のところがもう少し分厚くなっているとか、今後の具体的な流れがある程度見えないと、諮問への答申が、結局、期待されるとか、可能となるとか、望まれるというところで終わってしまうと思います。

【菊川部会長】
 ありがとうございます。私の理解としては、通常、中間まとめといいますのは、どうしても喫緊の課題とか、あるいは、事業的なものとかがあるときに、当座、ここまでは言えますということを整理しながら出していくものが中間まとめというふうに私個人としては理解しております。ただ、それを再度、最終の答申にするときには、中間まとめも含めて、その時点でもう一度、優先順位も勘案し再構成していく。ですから、中間まとめでは、確実に言えることをきっちり実務的に出していくというイメージを私としては持っておりますが、今回の場合、いろいろな事情があるかと思いますけれども、今の何人かの方の御質問に対して、事務局からいかがでございましょうか。

【佐藤生涯学習推進課長】
 今回、大臣から諮問させていただいた点が大きく2点、この学習成果活用部会としてございまして、1点目が、これまでちょうど議論していただいた学習の成果と活用といったこと、循環のサイクルを作るという点でございます。2点目の方が、検定試験などの制度の在り方についてでございます。まず、議論を前半、後半に分けさせていただいて、前半の部分を今回、集中的に御議論いただいて、一旦、議論の整理をさせていただきたいということでの中間のまとめをさせていただくことになります。最終的には、最終の報告にいたしまして、審議会として、諮問に対して大臣にお答えする、答申するということになります。その後、今度、我々事務局としては、答申を受けまして具体的な政策の実行に移るということになりますが、最終的な答申をお待ちしてから行動するのではなくて、中間まとめで主要な事柄について御指摘いただきますれば、それを受けて、我々としても打てる政策をどんどん実行していきたいと考えております。具体的には概算要求を経て、来年度の事業の中で実行していくものはしていきたいということをもくろんでおりましたので、今回、一旦、中間まとめで頂きました事項については、実行に移せるものはどんどん私どもとしては前に進めていきたいというふうに考えております。

【高見委員】 であれば、優先順位については、もう少し踏み込んだ要望をしているような記憶があります。今後の検討課題の中で、ここを検討しなければいけないというのは一旦ざっと並べて、そこの中で予算もあるでしょうし、納期もあるでしょうし、国が誰にフォーカスしたいのかというような意思とかもあると思うので、そこの中で選んでいただくのはいいけれども、この順番で課題を網羅し、優先順位を付けていくということは、今後の検討事項というところであってもいいと思っています。

【菊川部会長】
 ありがとうございます。
 先ほどの西辻委員と同じく、今後の検討課題のところをもう少し詳しくという御意見のようにお受けいたしました。これに絡んでもいいですし、それ以外でもいいのですが。
 加藤委員、どうぞ。

【加藤委員】
 先ほどの西辻委員のお話と重なりますが、大畑委員が作られた26ページのイメージですけれども、今までの話の中でいうと、検定だとか、放送大学とか、大学とか、公民館とかという客観的なものにちょっと偏り過ぎているかなと思います。もし仮に、こういうものしか入れないということになると、国民の大部分はこんなものをとらないですから、私も長い間こういうものをとっていないですし、本当に使われないものになってしまう。そうではなくて、皆さんがふだん学んでいるようなことが入れられるようなところをもう少し中心に書いた方が良いと思います。
 それからあと、ユースケース1も、もう少し現状に合わせたものに書き換える必要があると思いました。

【菊川部会長】
 ありがとうございました。
 栗山委員、どうぞ。

【栗山委員】
 15ページの当面取り組むべき事項というところで、具体的に、「実証的に検討していくことが必要である」とか「実証的な研究を進めることが必要である」というようなことが書かれていますので、是非この辺は進めてもらえると良いと思っております。
 一つだけ、細かいことですけれども、9ページの12行目、一つ前の行から読みますと「地域課題とこれに対応して必要とされる人材が学習者に共有される」と書いてあるのは、人材ではなくて人材像であるとか、あるいは、に関する情報であるとか、そういったことなのかしらと思いました。非常に細かい点ですが。
 以上でございます。

【菊川部会長】
 ありがとうございました。
 どうぞ、今野副部会長。

【今野副部会長】
 今のところ、更にその下に、一義的には、自治体が明示すべきものだと書いてありますが、どういうものが住民にとって課題になっているのかとかというふうなことを自治体も提起する場合はあるでしょうけれども、「自治体が明示するべき」というのは表現として強過ぎるのではないか。もっと自由に市民の間の学習の中から出てくるようなものだと思いますので、その辺りも配慮いただければと思います。

【菊川部会長】
 ありがとうございます。
 こういう答申とか中間まとめというのは、特に市町村、県等で生涯学習、社会教育関連の仕事をしている者、あるいは大学等の開放事業等に携わっている方々等が、心待ちにして読まれるものです。ですから、審議のまとめではなく、久しぶりの中間まとめという形になりますので、現場の人々にとって読みやすいものを目指すといいのではと思っております。
 そういう意味で、例えば語尾で、何々「である」と書いているところと、何々「と考えられる」というところがありますが、若干、「考えられる」が多い感じを持っております。はっきり何々「である」と言い切っていいところは、言い切っていいのではないでしょうか。はっきり言えないところもありますけれども、これは誰が考えても間違いないというところは、「ある」で書いていただいた方がシンプルではと思っております。
 後でお気付きのところをファックスなり、あるいはメールでの返信で事務局の方にお寄せいただいてもかまわないのですけれども、左京委員、いかがでございましょうか。

【左京委員】
 この検討会を通じて終始述べてきた感想ではありますが、もちろん長く議論されてきた内容だということは踏まえておりますし、また、私自身の理解が足りていないというところもあると思いますが、この生涯学習プラットフォーム等に対して、私自身としてはまだリアリティーを持てていないというのが正直なところであります。
 それはなぜかと考えると、今後、解決が必要とされる地域の課題に関してはもちろんですし、あるいは、個人の学びに対する動機などについても非常に多様である可能性が高いと思っています。どうしても国という単位で考えていくに当たっては包括的にならざるを得ないと思いますが、そういったことを踏まえますと、今後の開発においては、例えば主体的に取り組む自治体と連携するなどをしながら、実際のケースを踏まえた検討、プロセスがあればより良いと感じております。
 先ほど、走りながら考えていくというお言葉がありました。その考え方は非常に共感し、賛同するところでありまして、そうやって走りながらというときのやり方の一つとして、そういう実際のケースを踏まえながら、またこういう包括的な検討を行っていくのはいかがかなと思います。

【菊川部会長】
 ありがとうございました。
 どうぞ、宮井委員。

【宮井委員】
 私もやはり最終的なプラットフォームのイメージがまだリアルに浮かばないところが、一番、自分の中ではひっかかっているところですが、先ほど部会長がおっしゃったように、まだ中間まとめの段階で、今、目前に確実にやらなくてはならないことをまとめる段階ということだと思います。また、この会議の後半、具体的にもう少し議論する個別の項目があると思いますので、そういったものをはっきりしていくことによって、多分、このプラットフォームの図ももっとシンプルになり、一般の方が見ても分かりやすいものになってくると考え、そうしていきたいとも思っております。

【菊川部会長】
 ありがとうございました。
 事務局の方から、きょうの御議論で何か補足がございましたら、お願いします。

【助川民間教育事業振興室専門官】
 表現ぶりについては、先ほど部会長から分かりやすくというお話も頂きました。先ほど御指摘いただきましたように、初めてこれをお読みになる方でも分かるような形で、より分かりやすくしていくという作業をやっていきたいと思います。その他、今まで頂きました表現のことについても修正していきたいと思いますし、また、それのイメージ図、表というようなものも、これまでの議論を分かりやすく説明する、お示しするものとして、更新なり、作れるものについてはまた作成していきたいと思っております。
 いろいろ頂いた御意見、例えば公平性の文言とか、先ほどお答えし切れなかったところもありますが、そういうところはまた引き続き検討させていただければと思います。

【菊川部会長】
 1週間以内ぐらいに、本日の原案で何か発言されたこと以外で気になるところがあれば、メール等でお寄せいただくということは可能でしょうか。

【竹下生涯学習推進課課長補佐】
 承知いたしました。前回同様、本日また各委員の方に当方から御連絡差し上げさせていただきまして、御意見を踏まえられるようにできればと考えてございます。

【菊川部会長】
 ありがとうございます。
 どうぞ、高見委員。

【高見委員】
 要望というところで、生涯学習プラットフォームについては、きっとファーストステップ、セカンドステップ、サードステップというようなお話をしたような記憶があるので、まずは個人が履歴を入れる、次に地域で活用できる、サードステップで、そこまで行くかどうかは分からないですが、産業界が活用できるというのと、個人が履歴を入れるといったときに、今のフェイスブックのように、入れて楽しい仕組み、活用するという手前の盛り上がるというところにフォーカスをしないと、器を作ったけれども、結局、誰も使わなくなると思うので、そこの仕掛けが非常にこういうプラットフォームにとって重要だと思うので、そこも盛り込んでいただけると良いと思っています。

【菊川部会長】
 ありがとうございました。
 どうぞ、加藤委員。

【加藤委員】
 資料1‐1のまとめですが、単に形式的なことなのですが、頭に点が付いていたり、付いていなかったり、4、5が何かインデントが付けられていたり、そこの右下だけ何か折れ曲がっていたりというのがあって、何か意味がありそうなのですけれども、伝わってこないので、これは何か統一した方が良いと思いました。

【助川民間教育事業振興室専門官】
 趣旨だけ御説明申しますと、4、5が下がっているのは、3が今後の施策の基本的な方向性というものなので、4、5はそれを具現化したというものなので、4、5が下がっているというよりも3が前に出ているというつもりで書いたものでございます。
 実は二つ目の点のところには、並列がスラッシュで書いてありますが、パーツごとで見て、その方が分かりやすいと思って書いた面もありますが、今おっしゃったような懸念がございますので、統一を図らせていただきたいと思います。

【菊川部会長】
 ほか、よろしゅうございますか。
 様々な御意見を頂き、ありがとうございました。
 時間が参りましたので、本日の審議はこの辺りにしたいと思います。
 この中間まとめにおける、頂いた意見等による修正や最終的な取りまとめなのですが、時間的なこともあり、部会長である私、また副部会長にも相談させていただきますが、御一任いただくということでよろしゅうございますでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【菊川部会長】
 ありがとうございます。
 では、今後、この中間まとめについては、秋に開催される生涯学習分科会、その後の総会に内容を報告する予定でございます。
 各委員の皆様におかれましては、中間まとめ取りまとめに向けて、本年6月の第1回から精力的に御審議いただきまして、ありがとうございました。また、今後も引き続き、後半の部分、それから前半も含めて議論を行ってまいりたいと思いますので、今まで同様、どうぞよろしくお願いしたいと思っております。
 最後に、今後のスケジュールについて事務局から説明をお願いいたします。

【竹下生涯学習推進課課長補佐】
 本日お配りさせていただいている資料の資料3をごらんください。
 本日の会議につきましては、第5回、8月20日ということで中間取りまとめについて御議論させていただきましたが、次回につきましては、第6回、9月17日、木曜日を予定してございます。本日の中間まとめの中にも今後の検討事項にありましたが、いわゆる検定の質について引き続き御議論させていただければと考えてございます。
 第7回以降につきましては、また日程を調整した上で御連絡させていただければと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 連絡事項は以上でございます。

【菊川部会長】
 それでは、本日はこれで閉会とさせていただきます。お忙しいところ御出席いただきまして誠にありがとうございました。

―了―

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生涯学習政策局生涯学習推進課

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