中央教育審議会 教育制度分科会/初等中等分科会における意見発表依頼における意見の書面での提出
平成19年2月26日
中央教育審議会
教育制度分科会・初等中等教育分科会 御中
財団法人日本学校体育研究連合会
会長 片岡暁夫
2‐1 学校教育法改正に関する主な検討事項
意見
1.学校種の目的及び目標の見直しについて
- (1)見直しの基本的な考え方:
とくに義務段階15歳までに国民としての共通の、自立する基礎力を形成し、国家・社会のよき形成者としての資質をつくりあげておくべきではないか。つまり、一人前に扱うことに力を入れるべきではないか。
学習指導要領は時代の要請に従って比較的短い間隔で変わっていく。法律はそれよりも変化が少なくなければならない。本質的目標を表現しておくことが現場の実践の混乱をさけさせる。
- (2)幼稚園の目標の見直し:順序化すべきであろう。
- (3)義務教育の目標規定の見直し
義務教育の9年間の目標を総括的に規定すべきであろう。
- (4)小/中学校の目的目標の見直し
9年間の大目的を小中に分けて下位の目標として設定することは必要であろう。この9年間は基礎づくりの時期であるが、発育/発達の側面から見ると特徴があるからである。小学校では児童として完成すること、中学校では、文化の深いところに目をひらくことを課題とすべきではないか。
- (5)高等学校の目的及び目標の見直しについて
高校は青年期に入ってくる。ひょろひょろしていた少年が、筋骨たくましい青年となる。卒業時には様々なプロからスカウトが懸かる時期でもある。自己の能力を発見し磨くとともに卒業時には社会の側からの働きかけや評価が必要なのではないか。
3.学校の評価等に関する規定について
- (1)学校評価の推進:必要である。
- (2)学校の情報提供の促進:必要である。地域の人々に学校を開くとともに、地域の教育力の成長をうながすことが重要であり、双方向性を確保しながら、地域の発展の一部として学校が発展するようにすることが期待される。
3‐1 教育職員免許法等の改正について
(1)教育職員免許制度の改善(教育職員免許法の改正)について
各教科免許ごとの特徴を生かした更新講習制度となることが望ましいのではないか。
2.指導が不適切な教員の人事管理の厳格化(教育公務員特例法の改正)
すでに、誰から見ても、明らかに指導不適切である教員について、合理的に指導不適切であるという判定が可能な評定尺度を開発すべきである。現場の混乱が生じないように公正な判定と指導が求められる。
4‐1 地教行法改正に関する検討事項
(1)教育委員会の責任体制の明確化
- 教育委員会と教育長の役割・責任体制の明確化:管理と事務の分離を進めるべきであろう。
(2)教育委員会の体制強化
- 教育行政の評価の実施
教育委員会が事務執行を評価することは重要
- 市町村教育委員会の事務処理の広域化:賛成。
- 教育委員の資質向上:研修を重ねていくことは、地域の特徴を生かすための背景として、とくに重要である。
(3)教育における地方分権の推進
- 委員数の弾力化:必要
- 教育行政における教育委員会と長の所掌の弾力化について;
文化・スポーツに関する事務の弾力化について、反対の意見がある。すなわち、任期の短い首長が交代するたびに方針が変わる可能性が高くなり、教育現場の安定性が損なわれ、ひいては児童/生徒の信頼感に影響してくるおそれがある。そして、教育現場の混乱も恐れる。二つの方向から風が吹いてくるので、迷うことになる。とくにスポーツについては首長に宣伝の利用価値がありそうで、政治的に利用されることが懸念される。また、体育とスポーツを他の教科と分離することにより、教育のまとまりが崩れる恐れがある。
- 教職員人事に関する市町村教育委員会と校長の意見の反映方法にいついて:人事についての不正が生じないようにすることが必要ではないか。
(4)教育における国の責任の果たし方
- 教育水準の確保等:教育水準の現状の評価(自己評価、他者評価)に基づき、落ち込んでいるところの改善に国の支援が得られるような仕組みが必要。
以上