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資料6-4 全国市長会提出資料1

時事ドットコム:トップインタビュー 越直美・大津市長

◇いじめ対策のモデルケース示す
 
 いじめを受けていた中学2年の男子生徒が自殺した問題をめぐり、学校や教育委員会の対応に批判が集中した大津市(34万2000人)。今年度から施行された「大津市子どものいじめに関する防止条例」に基づき、市を挙げていじめ対策に取り組んでいる。越直美市長(こし・なおみ=38)は「大津市がモデルケースとして進めていることをしっかり示していきたい」と意気込む。
 
 市は昨年8月、外部の専門家6人で構成する第三者調査委員会を設置し、今年1月末には「いじめが自殺の直接的要因だった」とする報告書が提出された。市長は「市長部局の付属機関にすることで独立性を保ったほか、毎回経過を公表しながら調査を進めるなど、遺族の知る権利や透明性にも配慮した」と振り返る。また、遺族側が推薦した委員と、市の依頼を受け日本弁護士連合会などの団体が推薦した委員が半数ずつ起用された人選にも前例がなく、「市の恣意(しい)的な要素が入る形ではなく、両方の立場に配慮した委員が選ばれた」と強調する。
 
 今年度は、条例と第三者調査委員会の提言に基づき、「いじめの問題を教育委員会任せにしない」ことを理念に、市長部局に「いじめ対策推進室」や常設の第三者機関「大津の子どもをいじめから守る委員会」を新設するなど、3億4000万円をいじめ対策事業に充てた。
 
 推進室は、いじめに関する情報を一元化するなどして、いじめ防止に向けた総合的な企画・立案を行うほか、弁護士や臨床心理士ら4人の相談調査専門員が子どもや保護者から直接相談を受けている。1カ月当たりの相談件数は、4月は40件だったが、7月は96件に上った。 
 
 5人の専門家で構成する委員会は、推進室が扱った案件の協議や検討を行う。相談調査専門員らは、子どもの話をじっくりと聞き、必要に応じて教諭らに助言。「地道に子どもの声を聞くことを重視している。これまで行き先がなかった事案の解決に向けた活動ができている」と効果を実感しているという。
 
 現行の教育委員会制度は廃止すべきだと訴えており、問題点として▽責任と権限の所在が分散している▽非常勤の教育委員には限界がある▽政治的中立性の名の下に民意が反映されない―という3点を挙げる。
 
 特に問題視しているのは、教委と首長の関係だ。「教育行政は教委の責任とされているが、訴訟になれば首長が最終的な責任を取る。責任を取るからこそ決定権があるべきで、現在の制度には問題がある」と指摘する。
 
 教育長を教育行政の責任者と位置付ける政府の教育再生実行会議の提言には、「教育長の政治的な考えで全てが決まってしまう。大津市の第三者調査委員会の報告書では、教育長以下の市教委事務局の独走を許したことが問題だと指摘されているのに、そのような反省が生かされていない」と危機感を抱く。各自治体の実情を踏まえ、教育委員会制度の存廃をそれぞれ選択できる制度を提案しており、方向性が変わらないのであれば、「教育長に対する首長の指導監督権を認めるべきだ」としている。
 
 いじめ防止対策推進法の成立を受け、文部科学省ではいじめ対策の指針などが見直される見通しだ。「大津市の経験を反映し、中立・公正な第三者調査委員会が全国でできるよう願っている」と話す。 
 
 (横顔)昨年1月の市長選で初当選を果たし、史上最年少の女性市長に。弁護士として日米の法律事務所で企業法務に携わった。 
 
 (市の自慢)琵琶湖の南西部に位置し、かつて大津京が置かれた中核市。世界文化遺産の比叡山延暦寺など多数の文化遺産がある。

【時事ドットコム トップインタビュー (平成25年9月9日配信)より】

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-- 登録:平成25年12月 --