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教育制度分科会(第26回) 議事録

1.日時

平成25年7月1日

2.場所

学士会館210号室

3.議題

  1. 教育委員会制度の在り方について

4.議事録

【小川分科会長】  おはようございます。定刻になりましたので、ただいまから中教審教育制度分科会、第26回目を開催したいと思います。本日は、お忙しいところ御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
 まず会議を始める前に、本分科会に初めて御出席していただいた委員がおられますので、御紹介いたします。
 ジャーナリストで公益財団法人国家基本問題研究所理事長、櫻井委員でございます。櫻井委員、一言御挨拶頂ければと思います。

【櫻井委員】  御紹介にあずかりました櫻井よしこと申します。大変重要な委員会でございますので、非力を承知で務めさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)

【小川分科会長】  ありがとうございました。
 このほか、委員の異動等もありまして、この分科会の委員名簿を新たに更新しております。今日配付していた参考資料1に新たに更新した名簿を配付しておりますので、後で御覧いただければと思います。
 また、本日の会議には、義家政務官にも御出席いただいております。また、よろしくお願いいたします。
 まず、今日の資料について事務局から確認をお願いいたします。

【堀野企画官】  それでは、配付資料を確認させていただきます。議事次第にございますように、配付資料として資料1から資料5、それに加えまして参考資料1と2がございます。不足等ございましたら、事務局までお申し付けください。
 以上でございます。

【小川分科会長】  よろしいでしょうか。もし資料など不足がございましたら、事務局までお申出ください。
 では、今日の議題に入る前に、資料について事務局から説明をお願いしたいと思います。これまでの諸外国の地方自治制度に関する資料等々も配付させていただいていたんですけれども、より詳細な資料を用意いただきましたので、説明をお願いします。
 また、もう新聞等々で御承知かと思いますけれども、6月28日に交付された「いじめ防止対策基本法」の中にも、首長と教育委員会との関係について規定など設けられたということですので、併せて「いじめ防止対策基本法」の御説明も少し事務局から頂ければと思います。よろしいでしょうか。お願いいたします。

【堀野企画官】  それでは、資料3を御覧ください。「諸外国の地方自治制度」という資料でございます。この資料は、6か国につきまして、文部省の資料ですとか財団法人自治体国際化協会が発行している資料に基づきまして概略をまとめたものでございます。
 まず1ページでございますが、1ページの一番上に地方自治体が教育事務を実施している国として、アメリカ、韓国、イギリスと挙げてございます。
 1ページ目、アメリカでございます。御案内のとおり、右下の図を見ていただければと思いますが、連邦国家でございまして、基本的に教育の権限は州にあるというのが根本でございます。州においては、住民の選挙で選ばれる州知事がおりますが、教育については州の教育委員会及び教育長が実施をしています。さらに、その下に学区のレベルでも教育長が置かれて、教育行政を執行しているということでございます。
 右のページを御覧いただきますと、この教育委員会と教育長の関係というのもアメリカでは一様ではございません。州の教育長の最初の例ですけれども、モデル1と一番上のように、州知事が教育委員会を任命して、教育委員会から州教育長を任命するというパターンもあれば、モデル2のように、直接選挙で州知事と州教育委員会がそれぞれ別々に選ばれて、州教育委員会が教育長を任命するパターンもあります。また、モデル3のように、州知事と州教育長がそれぞれ直接選挙で選ばれて、知事が教育委員会を任命するパターンもあれば、4のように、州知事が教育長と州教育委員会それぞれ任命をするというように、その他にもいろいろありますようで、様々なパターンがございます。いずれにいたしましても、教育委員会制度等をとっているということでございます。
 3ページを御覧ください。韓国ですけれども、上の図にございますように、この青い部分。特別市、広域市、道、特別自治州、特別自治市とありますけれども、この17の広域自治体が基本的に地方教育行政の権限を持っております。
 その中で、下の図ですけれど、教育監、教育委員会というのが出てまいりますが、直接選挙で首長が選ばれ、また教育監という方も別に直接選挙で選ばれます。そして、教育監に対して地方議会の中の教育委員会が審査・議決機関としてチェック機能を持つという形でございます。
 以上、この2国、アメリカ、韓国というのは、地方において首長が公選で選ばれるという意味では日本と近い制度でございますけれども、教育行政についての教育委員会、教育監、こういった方々が特別に担っているということでございます。
 4ページ目はイギリスでございますが、イギリスなどヨーロッパにおける地方自治制度については、首長を直接選挙で選ぶというよりは議院内閣制のパターンが多いようでございます。
 右下の図にありますように、現在のイギリスでは、首長と呼ばれるような方をリーダーとして議会の中から選んで、そのリーダーが任命をした内閣の下で教育行政が行われるという議院内閣制でございまして、日本の国の仕組みに近い形となっております。
 次に5ページ目を御覧ください。フランスとドイツの例ですけれども、中央政府・州政府が教育事務を実施している国でございまして、この2国については、そもそも教育行政は地方においても地方自治体が行うのではなくて国が実施するということでございます。フランスにおいては、国の出先機関が地方でも教育行政を実施しています。ドイツは連邦国家の州が国のようなものですけれども、州の出先機関から地方においても教育行政を行うということで、この2か国については地方自治ではなく国直轄というスタイルでございます。
 以上まとめますと、アメリカ、韓国のように、日本同様に首長が直接選挙で選ばれる国では教育委員会が教育行政を行っている。またヨーロッパでは、地方自治一般では議院内閣制が多いわけですけれども、イギリスのように議院内閣制の下で地方議会が実施するという国と、そもそも地方自治ではなく国直轄で行うパターンがあるということでございます。
 資料3については以上でございます。
 続きまして、参考資料2を御覧いただきたいと思います。先日、議員立法で法律となりました、いじめ防止対策推進法でございます。
 1ページ目に全体の内容があります。一番目に総則として、いじめの定義等。二つ目に、いじめ防止の基本方針として国、地方公共団体が方針を定めるといったこと。三点目に、いじめの防止に関する措置といたしまして、道徳教育、早期発見、相談体制の整備等々の規定がございます。
 四番目のところに重大事態への対処ということですけれども、深刻な事態が起きた場合に事実関係を、まず学校は調査しなさい。そして、この三番目のところに、この学校の調査について、さらに首長が再調査をすることができるという条文ができております。
 後ろに付いております法律の条文で見ていただきますと、18ページを御覧ください。18ページに法律の第30条がありますけれども、この第1項で、学校が、28条1項に掲げる場合とありますけれども、1ページ戻って16ページを御覧いただきますと、この1、2と書いてあります。いじめにより当該学校に在籍する児童等の生命、心身又は財産に重大な被害が生じた疑いがある場合、また、いじめにより当該学校に在籍する児童等が相当の期間学校を欠席することを余儀なくされている疑いがあると認めるときと。こうしたことを重大事態といたしまして、18ページに戻っていただきますと、学校は、こういうことが発生したということを地方公共団体の長、首長に報告しなければならない。報告を受けた首長は、これを附属機関を設けて調査を行う等の方法によって、この学校の調査結果についての、さらに調査を行うことができるというのが第2項でございます。第3項で、その調査結果を議会に報告しなければならない。そして第5項において、調査結果を踏まえて、首長、教育委員会は、それぞれの権限の範囲内で必要な措置をとると、こういう構成になっております。
 第4項では、この規定によって、これまでの首長と教育委員会のそれぞれの権限は特に変わりませんという確認の規定がございます。
 以上でございます。首長と教育委員会の関係について、特別な規定が置かれた例として御紹介をいたしました。
 説明は以上でございます。

【小川分科会長】  ありがとうございました。今、参考資料3の諸外国の地方自治制度と、参考資料2でいじめ防止対策推進法の簡単な説明を頂きました。
 特に何か御質問等々はございますか。審議の中で、何か参考にしていただければと思います。
 それでは、もう一つ、審議に入る前に、資料4を御参照ください。全国都道府県教育委員長協議会と、もう一つ、全国都道府県教育長協議会の連名で、「今後の地方教育行政の在り方に関する意見について」という意見書が下村文部科学大臣に6月20日付で提出されております。
 この分科会の審議の中身にも関わることですので、この意見書について、教育長協議会の会長でいらっしゃる比留間委員がいらっしゃいますので、比留間委員から簡単に説明いただければと思います。

【比留間委員】  お時間頂き、ありがとうございます。今お話がありましたように、6月20日付で文部科学大臣宛てに全国都道府県委員長協議会、教育長協議会の連名で意見書を提出をさせていただきました。委員長協議会、教育長協議会とも、5月から6月にかけまして実際に集まり、この問題について集中的に議論を行ってまいりました。この内容は一つの現時点での意見の集約というふうに御理解いただければと思います。
 ただし、教育再生実行会議の第二次提言の内容、特に教育委員会の位置付けの部分、非常にポイントになるその部分が、まだ明確にされておりませんし、そこは、この教育制度分科会で議論をするということでありますので、教育長協議会、それから委員長協議会とも、確定的にこういうふうにしてほしいという内容では、このペーパーは至っておりません。こういうところに注意をして議論を進めていっていただけないかというような点が中心になっております。
 では、簡潔に少しこのペーパーを御説明させていただきますけれども、まず1ページ目の記書きの1、地方教育行政の現状・課題の正確な把握で、各県から特に意見がありましたのは、特定の事例をもって全ての教育委員会が同様であるという評価をされることは是非避けていただきたいということで、教育現場を実際に視察いただくなど、教育行政の現状を十分に把握していただいた上で、現状を詳細に評価して、課題を正確に捉えていただきたいということを申し上げております。
 それから、記書きの2で七点述べておりますけれども、この教育行政の見直しの視点として、教育の充実につながるかどうかを、まず第一に重視をしていただきたいという内容が括弧1です。
 二点目は、課題に正対した見直しを検討していただきたいということで、特に課題が生じている場合に、それが制度に起因する問題なのか、それとも制度は問題はないけれども、その運用が十分でないために生じている問題なのか。そういった点を明確に区別して審議をしていただきたいということを申し上げております。
 括弧3で、教育関係者の意見も十分尊重していただきたいということで、全国で各教育委員会や教職員、保護者、地域住民、多くの方々の努力によって教育が支えられている。この点を最大限、その意見を尊重していただきたいという点です。
 括弧4で、現行の教育委員会制度が果たしてきた役割・機能を損なわないようにしていただきたいということで、この分科会でも様々な議論がこれまでもされてきておりますけれども、教育の政治的中立性、継続性・安定性の確保、それから多様な意見の教育行政への反映という、この重要な役割・機能を教育行政が果たしてきている。見直しに当たりましては、この機能が損なわれることがないようにしていただきたいということで、教育委員会のこの連合会における議論においても、この点については、特に多くの意見が出された部分でございます。
 括弧5で、教育委員会の役割・機能や運営体制等の実態を踏まえていただきたいということで、都道府県の教育委員会、それから区市町村の教育委員会、それぞれ内容、範囲、事務局の体制等、異なりますので、その相違を十分に踏まえて議論を行っていただきたい。
 括弧6として、各教育委員会の運営体制の充実についても検討を併せてお願いをしたいという点でございます。
 それから七点目、括弧7として、地方自治の原則を踏まえたものとしていただきたいということで、自治事務に関する国の関与は最小限であるべきだろうという点を踏まえて議論を行っていただければということを述べております。
 さっき、冒頭申し上げましたとおり、この意見書、現時点では、見直しの内容が詳細には明らかになっていない段階のものでございますので、総論的な内容となっております。もう少し議論が進んできた段階で内容が明確になってきた、そういう段階で、全国都道府県教育委員会連合会として改めて意見を申し述べるような、そういう機会を是非頂戴できればということを考えております。
 それから、教育再生実行会議の第二次提言の内容について連合会の議論の中で出された意見の代表的なものをまとめて5ページ以降、一番下にページが打ってありますけれども、5ページ、6ページと掲載してございますので、これは参考として御覧いただければと思います。
 以上でございます。よろしくお願いいたします。

【小川分科会長】  ありがとうございました。
 もう一つ、今日、皆さんのお手元に資料を配付しているものについて少しコメントさせていただきたいと思います。資料5ですけれども、長岡市長の森委員から「教育制度に関する意見」という意見書が出ています。今日は森委員は本分科会を御欠席ですので、こういう意見書という形で文書参加させていただきたいという申し出がございましたので、この資料を配付させていただきました。ここまで、議論に入る前の資料説明でございました。それでは、これから議論に入っていきたいと思います。
 進め方として、資料2の前半部分、首長と教育長との関係、そして政治的な中立性、継続性・安定性の確保、1ページから3ページまで、ここを前半とし、そして4ページ以降、新しい教育委員会の組織と役割以降、4ページから7ページまでを後半という二つに分けて、今日は議論していきたいと思います。
 では最初、資料1、資料2に基づいて、前半部分の説明について、事務局からよろしくお願いいたします。

【堀野企画官】  それでは、説明させていただきます。
 資料1につきましては、以前から御覧いただいている論点メモですけれども、表、裏で諮問事項1、2、3、全体となっております。この表の一番、教育委員会制度の在り方について、若干これまで重複する点等ありましたので、整理をさせていただきました。
 この一番目の教育委員会制度の在り方についてのこれまでの御意見を、資料2にまとめております。資料2を御覧ください。
 1ページ目、首長と教育長の関係。首長を任命する教育長の任期や罷免の要件をどう考えるかということでございます。これまで出ている意見としては、市長が教育長を議会の同意を得て任命することが実態に合っていて良いという御意見。教育長を教育行政の責任者とするという考え方は大方良いのではないか、こういう共通認識があるのではないかという御意見がございました。
 あと、罷免の要件につきましては、教育において業績が悪い場合に罷免することには疑義がある。教育の業績は短期的には見えない部分も多々あるので、何をもって成果と言えるのか、しっかり考えなければいけない。また、首長が議会同意を得て任命した教育長を罷免することについては、任命責任の問題にもなるので、慎重に考えるべきではないかという御意見。
 また、教育長の任命に議会の同意は不要ではないか。同意が得られなくて空席になっている自治体があるという御意見。また、その任命の際には、地方議会がしっかりと教育長に対して質疑・応答をして、人格、識見をきちんとチェックして承認する必要があるのではないかという御意見がございました。
 まだ議論が少ない点としては、任命の際に、今、教育長の任期と首長さんの任期は完全にずれているわけですけれども、新しい首長さんが選出されたときに教育長を新しく任命できるように任期を合わせるべきかどうかという論点が残っておりますので、御議論いただければと思います。
 次に2ページでございますが、政治的中立性、継続性・安定性の確保ということでございます。教育がその時々の政治的な風潮に流されるということでは学校教育に対する信頼が得られないという御意見。また、教科書等が首長の交代とともに変わってしまうことについては懸念があるという御意見。また、教育行政において今、政治的中立性が要求される仕事はほとんどないのではないかという御意見。これに対して、教科書採択や国旗国歌などの問題において政治的中立性が必要であるといった御意見。それから、政治的中立性のある仕事を棚卸しにするというのも一つの考えだが、目に見えない潜在的なリスクもあるのではないか。顕在的な形で問題となっていなくても、教育委員会制度があることでセーフティーネットとして機能しており、首長の教育への関わりが抑制的になっている機能があるという御意見がございました。
 3ページを御覧ください。現在の教育委員会制度については、教育委員会が子細にわたることまで見なければならない。今後は、管理・監督については委員会、日常の業務執行については教育長とすみ分けをして、イメージとしては公安委員会に近いものとするということも考えられるのではないか。
 また、みずからが最終権限を持っている教育委員会だという自負を持って仕事をしていただいている教育委員も数多くいる。これが諮問機関になったときに、余り位置付けが軽いということでは、責任感を持ってしっかりやってもらえるかという課題があるという御意見。
 それから、首長を教育行政の責任者とするとともに、教育長を首長が任命する事務執行の責任者、教育委員会をアドバイザリーボードとすることが適当ではないかという御意見。
 また、現在のように合議制であるおかげで変化がゆっくりになる、ぶれが小さくなるというメリットがあるので、合議制の機関とする方が良いという御意見。
 また、教育委員会を諮問機関にしていくということでは教育長の権限が強過ぎる。一方で教育委員会の廃止というのも踏み込み過ぎではないかという御意見。
 政治的中立性の確保のために、教育委員会は合議制の執行機関として存続した方がいい。こういった御意見が、ここまでございました。
 以上でございます。

【小川分科会長】  ありがとうございました。
 議論していくとしたならば、4ページ以降の教育委員の在り方とか教育委員会の職務の内容をどうするかと、そういうことはほとんどオーバーラップするところもあるかと思いますけれども、論点を少し絞り込みながら、今の議論をさらに深掘りしていきたいと思いますので、先ほど言いましたように前半、後半という形に一応、機械的かもしれませんけれども、やらさせていただいて、議論を進めていきたいと思います。
 今、事務局から、首長と教育長との関係、そして教育委員会という組織をどういう組織に、性格のものとして考えるかという二つの柱に沿って、これまで出された意見を整理させていただきました。
 少し重複するかもしれませんが、それぞれの論点をもう少しクリアにするということで、私の方から追加で説明をいたします。これまでの議論の中で、地方自治体の教育行政の責任者を、従来のように会議体の教育委員会ではなくて、常勤の教育長にすべきということについては、おおむね、大方の委員の方々の賛同というか、そういう方向性を確認できているのかなということを、分科会長としては感じました。
 ただ、教育行政の責任者を教育長にするといっても、じゃあ首長と教育長との関係をどうするのか。教育長の任命の在り方、教育長の職務に関する首長の関わり方、これについては、いろいろな議論があったのかなと思います。
 例えば首長と教育長との関係では、事務局から説明のあったように、首長が任命する教育長の任期とか罷免の要件をどう考えるか。例えば罷免の要件については、教育の成果なんかも一つの要件に入るかと思うんですけれども、じゃ、その成果をどのように設定し、評価するのかについても、かなり慎重に検討すべき問題があるのではないかという、いろいろな方々からの意見があったように思います。
 また、政治的な中立性、継続性、安定性の確保に関わる問題ですが、教育委員会という組織を、どういう性格のものとして位置付けるか、考えるかについても、これもいろいろな意見があったように感じます。一つは、政治的な中立性の確保が重要だという意見も多数出されましたけれども、またその一方で、今日の教育行政においては政治的な中立性が要求される仕事はそれほど多くないのではないかという委員からの御発言もあったようですし、また、そうした意見に対しては、教科書採択の事例など今日においても政治的な中立性が強く要請される事務の執行、事案はあるんだという反論もありました。また、確かに現時点では顕在化していなくても、潜在的なリスクがあって、やはり教育委員会制度があることで、そうしたセーフティーネットの機能も果たしているのではないかという、ご意見もありました。もう一つは、それに関わることかもしれませんけれども、新しい教育委員会制度を構想する場合、それを諮問機関、審議機関とすることでいいのではないかという意見がある一方、やはり執行機関として強い権限が付与されているからこそ政治的な中立性や安定的な執行が確保されているので、現行の行政委員会としての性格を大きく変えるということを結論付けるべきではないのではないか。そういうふうな意見があったように思います。
 事務局と説明がオーバーラップする面もありましたけれども、少し、より論点をクリアにする意味で、私の方から幾つかの点について追加の説明をしました。
 これから、おおよそ三、四十分、この1と2について、皆さんから意見をお聞きしたいと思います。どなたからでも、どうぞ。二見委員、どうぞ。

【二見委員】  町の教育長会の立場でございます。まず教育長と首長の関係です。議会の中で、議会答弁に立つ者は町長と教育委員長という形で基本的には指名されますけれども、委員長から教育委員会の教育長や関係課長等が委任を受けて議会へ出ます。基本的には、議会の中で質問を受けた場合には教育長や課長が私の町では答えるようになっておりますけれども、時折、委員長に直接答弁を求めるという機会もございますし、これは県や市や町のレベルでも、いろいろと違うと思います。全く委員長に求めない自治体もあるでしょうし、委員長に常に求められると困ると思いますけど。基本的には非常勤の委員長に細かなことを質問されても分からないというのが実際でございまして、実質的には教育長や事務局が考えたものをしゃべっていただく形になってしまうという点では、こうしたことは現在の委員長の責任が非常に重いためにそういうことが起こるんですけれども、教育長を教育行政の最高責任者とすることの方が議会対応でも自然だろうと私は思っています。
 それから、これが組織的な問題になりますけれども、教育長と教育委員会、いわゆる他の委員ですね。これは全く切り離した形で、教育委員会の教育委員のメンバーと教育長とは別途考えていく必要が、私はあるかなと思っています。というのは、先ほどのように、首長が代わる場合には、どうしても教育長の任期は影響を受けざるを得ない。しかし、一方で、教育委員会のメンバーである委員の方の任期は、やはり継続性・安定性を保つ意味でも、ここは制限をかけて、首長の影響が少ない形で、4年間の任期を全うできる形が、私は望ましいかと思っております。
 次に、中立性とか、あるいは独立性の問題なんですけれども、実際に首長さんが教育委員会に対してリーダーシップを発揮する場面というのは非常に多いわけですね。まず教育長になっていただく方を前提とした教育委員の任命あるいは他の委員の任命というのは、これは首長が行う。それから、予算の編成権は首長の方にあるわけでして、教育委員会にはない。それから、それぞれの市町で策定いたします総合計画であるとか、中期計画であるとかいうもの、ありますけれども、ここでは首長のリーダーシップで大きな枠組みが教育についても掛けられてくるという点では、首長のリーダーシップはかなり発揮できると思っています。
 また、教育委員会事務局の人事と首長部局の人事についても首長のリーダーシップが大きく発揮されているという点では、まず、非常に多くのリーダーシップを発揮する場面は首長さんにあると思っています。
 そういう中で、先般もやりとりがありましたし、また、先ほどのまとめにもありましたけれども、教育委員会の中立性が少し脅かされる、あるいはおそれがあるということは多々あるわけです。教科書の問題、あるいは国旗国歌の取り扱いの問題、あるいは、場合によっては現在、主幹教諭であるとか、指導教諭であるとか、スクールカウンセラーとか、様々な職種のものが設けられておりますが、本来、教員が全部やっていたじゃないかという中で、そういう職種を増やすことに対しての様々な意見を持つ首長さんもいらっしゃいます。また当然、教育内容についても、自分の町の特色をもって生かせよということで強い要求をされる首長もおられる。
 そういう点でいうと、既に制度的に非常に多くのリーダーシップを発揮される場面がある中で、教育委員会制度が今以上に制限されるとすれば、私は、現在、何とか教育の中立性が保たれている中では、これ以上は、やはり教育委員会が独立し、専門性を発揮し、中立性、公平性を保ちながらやっていく点では、いわゆる私の意見としては、現行、今ぐらいの首長さんの制限が必要なんじゃないかなと思っております。
 以上です。

【小川分科会長】  ありがとうございました。引き続き。門川委員、どうぞ。

【門川委員】  前回の会議を欠席して御無礼をしました。記録等は読ませていただいていますので、私の考え方をまとめて、お話ししたいと思っています。
 まず、政治的中立性の確保の重要性についてであります。教育行政というのは何よりも中立性、安定性、継続性が大切だろうと考えております。
 京都市という非常に政治的な対立の厳しいところで三十数年、教育行政に関わってきました。今、市長としても、そのことをしっかりと大事にしなければならないと、このように思います。
 そこで、教育行政の責任者を市長ないし知事、首長とするべきという意見も中にありましたが、政治的中立性等を確保する観点から、様々な懸念があると思います。教育内容に関わるものは当然として、学校現場で特定の主義主張に基づく偏った個々の教員の教育活動等についても気になるところであります。
 それから、もう一つは人事です。これはなかなか見えにくいものですが、現行制度では、きっちりと市長、知事と教育委員会や特に校長等の人事とはかい離されております。ここに、選挙に出られる市長、知事等の応援をする方々の色がじわっと付いてこないか。目に見えにくいものですけれども、非常に気になるところであります。
 やはり、しっかりと子供・地域を見て、教育に専念する、そういう教育現場を確保していくことが大事ではないかな、このように思います。
 政治的中立性について、現状ではおおむね問題がないんじゃないかという御主張もあります。問題がないということはいいことでありますが、この政治的中立性の確保ということについては、やはり50年、100年の展望の下での仕組みづくりが大事であります。特に、また目に見えない問題があるのかどうか分からない。気が付けば特定の政治家、首長の意向を非常に気にするような教育委員会の体制になっているということになってはだめだと思います。
 なお、国旗国歌のことを政治的中立うんぬんのことで主張されている方がおられますが、法令で決まった国旗国歌やその掲揚については、政治的中立性と何ら関係ないということも申し添えておきたいと思います。国旗国歌論争が、まるで政治論争であるような、この辺の誤解は解いておきたいと思います。
 京都では、既に二十数年前、まだ国旗国歌法が定められていませんでしたが、学習指導要領に基づいて実施するのは当然であるということで、あらゆる反対を押し切ってやりきりましたが、これは政治的主張であるというものではありません。誤解のないようにお願いしたいと思っています。
 次に、教育委員会の役割、教育長の役割でございます。非常勤の教育委員による教育委員会が教育行政の責任者という現行制度について、これについては京都市ではしっかりと維持できていますが、全国どこにおいても機能するか、あるいは現実と比べたらかい離があるんじゃないか、このように思います。教育長を教育行政の責任者として明確に位置付けるという教育再生実行会議の答申の趣旨に私は賛成であります。しかし、教育長の任命に当たっては、議会の同意の下に任命するということが大事だと思います。
 その際に、教育委員会が形骸化しないように、しっかりとした権限を教育委員会が引き続き持つことが大事であると考えております。教育委員会が教育長、現実の教育行政、日々の細々としたことも含めた教育行政と一歩離れた立場から教育長の職務執行をチェックする。そのことが、より開かれた教育行政の実現につながるのではないかと思います。
 そうしたときに、教育委員会を単なる審議会としてはならない。教育委員会の意見をしっかりと教育長が尊重する。制度として設計すべきだと、このように思います。
 教育委員会の審議をどの程度までするかということですが、現行をベースに考えればいいのではないかと思います。教育の重要な基本方針、教育委員会の規則の制定、あるいは重要な人事、あるいは予算の首長に対する意見の申出等については、教育委員会の審議事項として明確にしておく必要があるのではないかと考えております。
 なお、教育再生実行会議の提言でも述べられていますが、教育長を知事、市長、首長の下には置かない。一方で、現行の制度のような合議制の執行機関というのは、少し難しいんじゃないかと、非常に悩ましいところであるが、諸外国の例も参考にしながら、両者の中間的な形態を制度設計できないか、よく検討していただき、我々も考えていきたいと思っています。教育委員会の機能を一定きっちりと制度として担保すれば可能ではないか、このように思います。
 それから、もう一つ大事なのは、教育行政の担う専門的な職員の確保であります。優秀な教員は確保されております。優秀な学校長も確保されています。一方で教育行政を担う人材の確保について戦後、意図的に、制度的に作られてこなかったということだと思います。教育行政の力というのは、教育長の専門性とリーダーシップ、それから教育委員の見識、さらに教育委員会事務局の専門性、組織性、その総和であると思います。
 そういったときに、これはよく大学においても、大学運営、マネジメントを行う人が育っていないということが言われていますが、教育行政をきっちりとリードする、マネジメントする、そういう職員が育っていないということがあります。教員でいうと、教科指導には熱心であるが、学校運営指導については経験がない。また行政職については教育界の用語すら十分に知らない職員がいる、こういうことが現実としてあります。したがって、専門職として教育行政を担う人材を育む、そんな仕組みづくりも必要ではないかと思います。
 なお、私自身は教育行政に長年携わり、教育長を務め、今は市長になっております。本音を言うと、政治家としての市長、首長というのは、4年間で結果を出す、あるいは時に政治家というのは、パフォーマンスも必要とされている、これは事実であります。しかし、子供の真の学力、後伸びする力、あるいは道徳心、倫理観、哲学、こうしたものを育てる学校教育が、その時々の首長の下に置かれて、パフォーマンスの下に施策が実施されるということは、国家百年の計として避けなければならない。私自身、自分に自戒し、市長に就任したときには、教育行政のことについては教育委員と教育長にお任せし、可能な限り私は発言を慎むと宣言しました。ここではしゃべっておりますが。ただし、教育の中身についてはしゃべっておりません。
 なお、市民ぐるみで議論し、議会の同意を得て制定する京都市の基本計画においても、教育のことは明確に位置付けられています。同時に、京都市では行政評価条例を作り、その中で、全ての学校で実施している学校評価も位置付け、議会にも報告しております。そうした民主的な担保は大事ですけれども、首長と教育行政というのは、きちっと制度的にかい離させていくことが必要だろう、このように思います。

【小川分科会長】  ありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。帯野委員、そして早川委員、村上委員、そして貝ノ瀨委員、生重委員という順でご発言をよろしくお願いします。

【帯野委員】  全般的というか、基本的なことで恐縮なのですが、前回、少し発言することができませんでしたので、もう一度、あえて発言させていただきたいと思います。
 まず教育委員会を抜本的に改革という教育再生実行会議の提言にもありましたが、抜本的に改革する一つの条件は、以前も申しましたように、分かりやすい、国民にも見える制度にするということが一つではないかと思っております。
 その点で、一番分かりやすかったのは、教育委員会を廃止するということではなかったのかと思うのですが、これはどこかで消えましたし、諮問にもおりてきておりませんので、ここの委員会では、分科会でも扱わないということで、会長の方、よろしいのですね。これは再確認ですが。

【小川分科会長】  選択肢とすれば、行政委員会としての教育委員会を見直すという議論も選択肢の一つとしてはあり得るのかなと思うんですけれども。

【帯野委員】  分かりました。ありがとうございます。ただ、皆様の御意見を聞いていて、教育委員会は存続すべきということでありましたので。廃止論もあるということであれば、私ももう一度勉強して、そこも考えてみたいと思うのですが。
 ただもしも、このまま教育委員会を存続させるということであれば、やはり分かりやすいという視点から、平成10年度の中教審の答申に基づいて、教育委員会の下に事務局を置いて、その事務局の長として教育長。教育長を兼任ではなく専任化するということで、その上で教育長の責任と教育委員会の責任、これをきちんと考えていけば良いのではないかと思います。
 そのすみ分けについては今後の議論になると思うのですが、私、ちょっとこの間から出席しておりまして、今後この委員会で、分科会で審議を進めるに当たって、もう少しシンプルに考えた方が良いのではないかと感じております。例えば政治的中立性の問題でありますが、これも教職員の給与が県費負担で支払われているところから考えれば、現実的に言えば政治的中立性というのはないわけでありますし、逆に政治的中立性を脅かすほどの首長の介入があったのかなといえば、ここにいらっしゃる首長さんは別として、逆にそれを盾にとって、あまり教育と直面しなかった首長さんの方が多いのではなかったかと思いますので、この短い期間で審議する中で、余りこだわっていては全体が見えないのではないかと思うことが一点。
 それから、もう一つですが、教育の特殊性という言葉がよく使われるのですが、教育が特殊であっても教育委員会が特殊である必要はないのではないかと思っております。先般、事務局からの説明の中に、他の多くの行政委員会は特定の案件について調査、勧告、裁定を行ったり一時的な管理を行うことが委員会設置の目的であるというふうに説明がなされておりましたが、これは間違いがありまして。ごめんなさい。事務局に文句を言っているのではなくて、地方の他の行政委員会がどのような活動を行っているかということは当然分からないわけでありますし、同じ自治体にいても、他の行政委員会がどのような活動を行っているかということは知るすべもないわけです。
 私は、人事委員を10年務めまして、その中で5年委員長を務めました。例えば人事委員会でいいますと、勧告、審査、これは大きな主な業務でありますけれども、その他採用、人事の承認、勤務条件の見直し等々、こういう人事行政全般にわたって、正に教育委員会と同じように常時管理執行しているわけであります。
 そして、そのほか、私が在任中一番大変でありましたのは、公務員制度、特に教職員制度の見直しでありまして、まさに人事委員会は教育委員会のためにあるのかなと感じるぐらい、私の在任中におきましても、主任主事の廃止、それから首席、指導教諭の設置、副校長の設置等々、取り組んでまいりました。特にその中で首席、指導教諭というのは特2級という大きな改革でありましたので、余談でありますけれども、判断に苦労いたしました。
 ちょっと記録を見ますと、その間、6月24日から8月31日ですね。この2カ月間の間に、正に、このために5回、私たちは会議を行いまして、教育から遠く離れた委員会の中で、本当にこの制度を設置することが教育現場の活性につながるのか、処遇にならないのか、教員のやる気を起こせるのかということを私たちは考えたわけです。
 その間、分からないので、教育委員会から説明を求めましたが、大体室長クラスが来て、書いたことを説明するわけです。それでは分からないので、私たちは教育委員会の生の声を聞きたかった、教育委員さんと対応したかった。これを随分お願いしましたが、実現しませんでした。その訳は、私はよく分かりません。そのときに、これはどう判断したかというと、どうしても分からない。結局、教育委員会を信頼して、これは承認しよう。やってみてだめならやり直せばいいということで、承認したわけです。そして翌年、私たちはこれがうまくいっているのかどうか、もう一度、教育委員会に、検証を求めました。すると学校区に何人設置したといった通り一遍の説明があっただけであります。このときに、なぜ教育委員会自らが作った制度を検証しなかったのかということは甚だ残念でありましたし、今でも疑問に考えております。
 これは私の独断ですが、先ほどの御発言にありましたように、非常勤の委員には分からないのではないかということで、もしかすると事務局の方がきちんと、それを教育委員会に上げていないのではないか。教育委員の方も、そういう事務局に甘んじて、しっかり議論をしてこなかったのではないかというようなことも考えたりするわけです。
 話は元に戻りますが、教育委員会から遠く離れた委員会で素人の非常勤の委員でも、これだけ教育問題に取り組んでいるわけでありますので、これが教育委員にできないわけはない。やはり教育委員にきちんと権限と責任を持たせて、しっかり議論をしてもらうしかないのではないかと思います。
 教育委員会が特殊なものと考えて、ここで教育委員会の関係者ばかりが集まって話を進めていくと、少し今後の議論の方向性を見誤ってしまうのでないかと思いまして発言させていただきました。
 以上です。

【小川分科会長】  ありがとうございました。早川委員、よろしくお願いします。

【早川委員】  今のお話のように、やっぱり教育は政治と無関係であるはずがなくて、中立性といっても無色透明という話にはならないとは思うんです。しかし中立性の意味も時代とともに変遷してきました。今も続いているのかもしれませんけど、あるときは日教組に対して中立性を守らなきゃいけないということもあったんでしょうし、現在のように、現状維持の言い換えのように中立性と言っている場合もあります。
 しかし、今後の教育界における中立性の意味は何かというと、やはり私が一番心配するのは、暴走する地方の首長が出現したときの、その防御装置としての中立性ということだと思うんです。つまり、政治的中立性というのは、やっぱり教育行政の安定をどう維持するかという問題だと言い換えることができるんですが、その安定性は教育行政の専門性と深く関わっていると思うんです。
 教育行政の専門性というと、ヒントとしては、教員採用試験と一般の公務員試験の違いが端的に表れるかなと思います。
さらに深刻なのは、何度も出ていますように教科書採択の問題です。新聞紙上では特定の歴史的事象をどう記述してあるかというのは、教科書会社によって記述してあります。
 もちろん、それも重要なことでありますが、恐らく現場で調査、研究している教員がやっているわけですが最も重視することは、自ら学ぶ力をこの教科書で効果的に付けることができるかどうか。教科書が実際の授業で子供たちに、自ら学ぶ力を付けさせるものになっているかどうかということを最も重視していて、その点からいえば、教科書というのはかなりの実力差があるわけです。
 そういうことを教育界は分かりやすく市民に説明していないという、そこに問題があるわけですけど、そうした点において、専門性がやっぱりあるわけだということを思うわけです。
 ほかに中立性が脅かされる事例を具体的に挙げるのは、ちょっと気が引けますが、人事に対するリクエストは、大分県が事件があった2年ほどは全く静かであったわけですけど、でも、この頃また、そういうリクエストは大変、そういうところから増えてまいりまして、採用や配置に関する地方議員からのリクエストというのは、また喉元過ぎれば出てくるのかなと思います。もちろん、ルールに乗っているから全く影響を受けていないわけです。しかし、余分なエネルギーを使っていることは適切ではないということだと思います。
 そのように教科書の仕組みさえ整えばいいではないかという反論もあると思いますし、また良識ある首長さん方からは教育委員会制度の必要性を感じないという意見も出ることは、それは平時においてそういうふうに思われるということは、悪いことではないと思うんです。しかし問題は、やっぱり偏った考え方で政治介入を図ろうとする首長が登場したときだと思うんです。暴走する首長が出現したときは、それはめったにないから大丈夫という話では済まされないと私は思います。
 現実に幾つかあったということはあるわけで。例えば喫煙した生徒が所属する運動部の高校の校長が運動部の大会を禁止したら、そこの市長が出場させなきゃブログに批判記事を書くぞなんていうことも実際あったわけでして、この勢いで教育に口を出し続けられたらどうなるかということです。
 今後、ポピュリズムに乗じた選挙が増えることがいいことかどうか分かりませんが、そうした中で暴走する首長が出てきた場合、やっぱり教育委員会は、それを守る盾としてならなければならないということは多いと思うんです。教育は、かじを切ってから方向転換するまでに時間掛かりますし、政策の失敗は致命的ですし、その瑕疵(かし)が露呈した頃には、もう責任者がいなくて、じゃあ子供たちは、その損害賠償請求できるかという話にもならないわけです。
 ですから、一旦、暴走する首長が出てきた場合に備えて教育委員会制度は放棄したら取り返しがつかないということを思いますから、だから私は、やっぱり中立性と言い続けなければいけないと思いますし、子供の学習権という場合、どんなに民主的に仕組まれた、すばらしい行政があったとしても、やっぱり民主国家、日本を体現するためには、教育委員会制度というのはなくてはならないと私は思っています。

【小川分科会長】  橋本委員、ちょっとお待ちください。順番で、生重委員の後に、よろしくお願いします。順番、村上委員ですね。お願いします。

【村上委員】  三点プラスアルファで、ごく簡単に、できれば申し上げます。
 一つ目は、前申し上げたんですが、よく出てくる議論として、国は独任制で政治家が大臣をやっているのに、なぜ地方は教育委員会である理由があるのかということなんですが、これは、今日の越市長の御意見の中にも、そういう記述がありましたが、これは、やはり三点申し上げたいことがあって、一つ目は、前にも申し上げましたとおり、国がそうだから国に合わせて地方もそうするべきだというのも、もちろん一つの意見なんですが、別の方向として、もっと国が政治的中立性を担保するようなシステムが必要なんだという考え方もありますので、国と地方は違うから地方は国に合わせるべきだという議論には必ずしもならない。逆もあり得るということです。
 二つ目は、議会のチェック機能のお話があって、国の方は議院内閣制で国会が内閣を支えているけれども、地方は二元代表制なので議会のチェックがあるというお話もあったんですけれども、現実的には、国の方は国会が首相を辞任に追い込むということが実際にあり得るんですけど、地方の場合は不信任議決権はあるんですけれども、首長は議会の解散権も持っていますし、実態としては、国会が首相を辞めさせる方が、地方議会が首長を辞めさせるよりは現実として多いということです。それから、法律上も、国は、内閣が国会に対して責任を負っているんですけれども、地方は二元代表制ですので、首長は議会ではなくて住民に対して責任を負っているという点でも違っていますので、現実的に、国の方が議会のチェックが弱くて、自治体の方が議会のチェックが強いということは必ずしも言えないのではないかということです。
 三点目は、これも前に申し上げたんですが、国の方は分担管理で、主任の大臣が事務権限を持っていて、事務権限は総理大臣が一手に握っているのでなくて分散しているわけですが、自治体の方は首長がかなり一手に執行権限をほとんど持っていますので、国の大臣よりも権限は集中しているという点は、やはり国と地方の違いとして、しっかり見ておかないといけないということなので、地方が行政委員会で国が独任制で、地方だけ、どうしてそういうことになるのかというふうには、なかなかならないのではないかということです。
 それが一点目。国と地方の違いからどういうことが言えるのかというのが一点目で、国と地方の違いが行政委員会を廃止するような議論の根拠には必ずしもならないのではないかということです。
 二つ目が、今日は事務局の方からも説明あったんですけれども、主要国のうち、独任制かつ公選の首長が教育も全て一手に担当している事例はないということです。
 つまり、韓国とかアメリカでは独任制で公選の首長がいるわけですけれども、ここでは教育行政は独立をしている。しかも、韓国では教育長を公選で選ぶという仕組みになっている。イギリスなんかでは、地方議会の執行機関が教育行政をやっていて、これは独任制ではないという仕組みになって。独任制の首長が一手に握るというような仕組みには、そもそもイギリスはなっていない。それから、フランス、ドイツは、国とか、その国の出先機関が行政を担当していますので、大分違う仕組みになっているということで、外国の例などを見ると、独任制の首長が教育に関しても一手に握るであるとか、指揮監督権を握っている例はないということは、外国の例からも言えるのではないかと思います。それが二点目です。
 三点目が、今のところ、選択肢として合議制執行機関をベースにするか、首長への一元化なり首長のラインに置くことをベースにするか、あるいは独任制執行機関かというような選択肢になっていると理解をしています。私自身は、合議制の執行機関で、教育委員会と教育長のライン、関係を見直して、教育委員会は監督とか、管理とか、あるいは独任制ではリスクの高いような事務──教科書採択とか人事ですけれども、こういったものを教育委員会が担当して、日常の行政執行は教育長にかなり委任をするというのがベターだとは思っているのですが、ただ外国では、例えばシティーマネジャー制のように、政治家ではない人間が、かなり独任制に近いような形で行政執行を事実上任されるという仕組みもありますし、あと、よく考えると、日本の国の事例でも、例えば文部科学大臣が民間人であるというケースは、これまであったわけです。そうすると、首相は国会議員ですけれども、教育行政を任せる独任制の人は、実は政治家ではなくて民間人であるというケースは、法律上もできますし、実際にこれまでも例がありました。なので、合議制の執行機関がベターだとは思うんですけれども、独任制の教育長という在り方も、一応、メリットとデメリットは検討して、その上で再度考えるということを検討してもいいのではないかなと思いました。
 あと、プラスアルファの部分は、市長と教育長の任期は、私自身は一致させない方が、安定性とか継続性という面でよろしいかと思います。これは、ほかの教育委員会の性格にもよって変わってくると思うんですけれども、市長と教育長の任期は必ずしも一致させなくても良いというふうに考えております。
 以上、国と地方の違い、それから外国の制度で独任制首長が教育行政を一手に握っている例はないと。それから、教育長独任制ということも一応、メリットとデメリットを検討してみる価値があるのではないかということの三点です。以上です。

【小川分科会長】  ありがとうございました。
 時間がちょっと押していますので、以下、少し時間を配慮しながら発言いただければと思います。順番は貝ノ瀨委員、生重委員、そして橋本委員という順です。辻委員もですね。それでは、貝ノ瀬委員、お願いします。

【貝ノ瀨委員】  首長と教育長との関係ですけれども、お話が出ていますように、教育長を独任制の執行機関的な存在にする、教育委員長と教育長を一元化するというような案で、私は、その方向が一番ベターではないかという立場でございます。だからといって、首長が、では現実に、教育行政に何ら関与していないのかとか、又は教育長が首長と横並びになって、自分のコントロールが利かない存在になるとかということは、私はあり得ないと思います。
 現に、教育長は特別職でありながら一般職ですから、特別職として、理事者として、首長などとも定期的に会合を持ちながら、教育問題以外のことについても、いろいろ意見を申し上げたり、また意見を伺ったりという中で、首長のいろいろな教育に対する思いとか意向なども踏まえながら、現実には教育行政にも反映されているのが現状なんですね。
 その場合に、もう話が出ていますように、首長は事務局の人事権も、それから予算権もしっかり持っているわけです。ですから、この二つを持っているということは、これはもう絶対的な権力ですよね。
 ですから、その中で、どなたか、いつかおっしゃっていましたけれども、学校を建てるのに政治的中立性があるかということをおっしゃっていましたけれども、例えば学校一つ建てるにしても、その学校の造りをオープンスペースにするのか、又は、ただ普通の校舎にするのかということでも、これは、教育の中身と関係するわけですよ。そういうときに、やはり子細に議論を、この予算を持っている首長側の方と議論をする中で、一番子供たちにふさわしい教育の理念を踏まえた校舎、学校の校舎をどうあるべきかということで落ちついていくわけで、その上で教育委員さんたちとの合議も経て、現実に固まっていくということになるわけです。
 つまり、様々な面で間接的に首長さんは教育行政に影響を与えているし、今、現にそういう存在であるということであります。首長が議会の同意を得て任命するわけでありますし、その任命する際に、全く知らない方を首長が議会に諮るということじゃないでしょうから。事前にきちんと、その人物についても分かった上で、お考えも分かった上で議会にも諮りというふうなことで、納得の上で提案をして任命しているということでありましょう。したがって、この教育長が独走してしまうとか、そんなことは、まずは考えられないし、そういう話は、まず聞いたことがないですね。
 ですから、そういう建前論じゃなくて、そういう現実の問題を踏まえて、今の形骸化されている状況をきちんと整理して、子供たちのために実効性のある教育が進められるように、つくり直した方がいいというふうに思う次第でございます。

【小川分科会長】  ありがとうございました。生重委員、お願いします。

【生重委員】  今、貝ノ瀨先生がおっしゃったこととかなり重複して、同じ意見なんですが、私も、まちづくりのビジョンは首長がきちんとお立てになっているわけで、それに向けて人づくりを、町の活性化に向けての人材育成ということが行われているわけですから、社会教育においても、学校教育においても、首長が口を出せないという意見を出すのは、逆に私には分かりません。社会教育や生涯学習にまで首長が口を出せないのはおかしいという意見が上がっているんですけれども、そういうことではなく、やはり予算も、人事も、すべて首長の下で行われているという意味においては、逆に、もう少しちゃんと教育長に、最高責任者としての執行できるような権限も考えた方がいいのではないかと思います。
 とにかく今求められているのは、こちらで今日中教審のいじめの問題のものが出ましたが、即応性だと思われます。安全に対しても、いじめに対しても、子供たちが置かれている状況において即応できる、即対応できる体制を教育委員会にきちんと持たせるためには、きちんと教育長に責任、権限があることが必要です。
 教育委員会は私、これは多くの保護者や多くの地域の方にも意見を伺ったんですが、何をするところなのか見えない、顔も見えません。意外と身近な人が、私どもの町ですとなっているんですが、なった途端に、逆に見えなくなる。それもおかしな話ですし、もう一つ、何か本当に些細なことなんですが、教育委員になった途端に、学校に行くと先生たちの態度が変わってしまうと。それよりも、ふらっと、いつでも、どこにでも、きちんと学校を見に行ける体制みたいなところに、きちんと教育が行われているかどうかを確認するという役割が必要だと思います。現場を見ずして、座っていて議論しているという立場ではなく、やはり多くの現場を見て、子供たちの様子を見、保護者の意見を聞き、地域の方たちの意見も耳に入ってくるような、そういう教育委員会であってほしいなというふうに思っております。
 私、いろんな学校支援地域本部とか、放課後とか、コミュニティ・スクールとか、様々な研修会で講師として呼んでいただいて、全国伺うんですが、すごく残念な例としては、県名はちょっと申せませんが、長く学校支援地域本部のコーディネーターの人材育成をずっと続けてきてくれていた県が、首長が代わった途端に、箱物行政の方に力が入るので、地域の中で人を研修する予算もばっさり切られたので、来年からはこの事業はなくなりますと。文部科学省が100分の100で出していたときはやっていたけれども、そうじゃなくなった途端にできなくなったという県も、それは、やっぱり首長の意見の影響が大きかったのではないかと。
 常日頃からの私の活動から、さっき申しました、例えば子供たちの社会人基礎力とか、人間関係構築力、コミュニケーション能力とかというものも、21世紀に入りましてから、いろいろ時代の変容もありまして、コミュニティ・スクール、学校支援地域本部、それから職場体験とかインターンシップだけにとどまらず教科を含めてのキャリア教育、そういうものを通して子供たちの人間性を育てていくのだとしたならば、地域の中で一丸となって、やはり、やっていかなければいけない。
 教育委員会というのは、学校教育と社会教育というものが両輪として、両翼としてあって、そういう、これからの施策として教育行政の中で打ち出していけるのではないかと。教員の、もちろん力量を上げていくのは、とてもとても当たり前のように重要なことなのですが、でも、社会総掛かりでやっていくということを考えたときに、やはり地域の方たちの意見が上がってくる体制を、教育委員会の中に明確に重要性を位置付けて、何をやるべきところであるということが、もう一度周知されるようになっていくのがいいのではないかなと思っています。

【小川分科会長】  ありがとうございました。時間も迫っていますので、あと3人ですね。橋本委員、辻委員、そして竹原委員という順で、よろしくお願いします。

【橋本委員】  いろいろな御意見をお聞きしていて、首長の暴走という話もあったんですけれども、例えば、この今日の資料5の別紙1を見ますと、問題点というところがあります。これが果たして、これだけの問題を抱えていて、首長が出てこなかったら、この大津の事件は解決しただろうかということでありまして。資料5の別紙1の大津市長さんの意見です。
 首長の暴走と言いますけれども、逆に私は教育長の暴走、大津市の教育長の場合には、これだけの問題があっても、およそ表に出そうとしなかった。訴訟はそのまま継続しようとした。市長がまさに民意を受けて和解をしたいということで、徹底して調査しますという中で初めて解決できたわけでありまして、そういった点で、こういう教育長をそのまま置いておいていいのだろうかと。過ちを改めるにはばかることなかれで、早くしなくてはいけないわけで、こういった点でも、首長の暴走。首長については、暴走すれば、次の選挙で落とされます。教育長は落とされないんです。教育長というのは一番身分が今、安定している。
 そういう点で、今、いろいろなお話がありました。かつて、身分が安定していて、今ほど騒ぎが大きくない頃、例えば人事の縁故採用もありました。あるいは給与の待遇改善もありました。そういうものがどんどん行われている。議会からもどんどん言われてくる。こういったことについて、首長の方がよっぽど強いです。教育長は極めて弱い。あるいはまた教科書についても、自ら学ぶ姿勢が出ていない教科書を首長は選んでしまうかもしれないという話もありました。しかし、これだって、ちゃんと教科書検定をやっているわけです。教科書検定をやっている中に、自ら学ぶ姿勢が入っていないような教科書だったら、文部科学省が外せばいいわけでして。ですから、文部科学省が教科書検定としてやっている以上は、教科書としてふさわしいものを選んでいるはずなので、そういったことについても、政治的中立性でうんぬんということは、私は考えられないと思います。
 今日は、どうしても教育委員会の関係者が多いので、そういう意見が多くなってきておりますけれども、私は、先ほど帯野委員からお話がございましたように、シンプルであるべきだと思います。
 そういう観点からいうと、何で今回出てきたのかといえば、これは、これだけいじめの問題を解決できなかった。それを教育委員会制度と教育長に問題があるんじゃないかと、そういう中から出てきているわけでして、いかに、この建前とあれが食い違っているかというところから出てきているわけでして、解決のために何をすればいいかといったら、私は、今までのようなものよりも、さらに権限を強めた教育長ということでは、誰からも首にされない、そしてやりたいことはやれてしまう、これは非常に問題だと思います。
 それから、先ほど首長だけに任せると非常に偏向してしまうんじゃないかという話もありました。今出ているのは、基本方針ということについては、ちゃんと教育委員会にかけて、それを尊重する義務を負わせようという話が出ているわけですね。ですから、縛り方は幾らでもあるわけです。
 それから、国と地方は異なってもいい、行政委員会制度をとらなくてもいいと。とらない理由がはっきりしていればいいんですけれども、何なのかの理由がはっきりしていない。理由がはっきりしていない以上は同じような仕組みだっていいわけですし、何で違えているのかを説明しなければおかしいのではないか。そういうことで、地方制度調査会でも、あるいはまた地方分権改革推進委員会でも、今まで答申が、いろいろな議論をなされた中で出てきているわけですので、そういったことについてもきちんと配慮をしていくべきじゃないかなと思っています。
 以上です。

【小川分科会長】  ありがとうございました。それでは、辻委員、お願いします。

【辻委員】  私もお伺いしていまして、今回は本当に大きい問題で、皆さん、いろいろ御意見をお持ちだなと改めて思いました。そうした中でも、私は、今回の原点は、責任ある政治体制の確保にあると思います。責任ある体制を確保して、迅速、的確に対応していくために、どういう制度を作ったらいいか。その中で、より民主的に開かれた制度にするためにはどうしたらいいか。これが改革の原点であって、その次にもう一つの要素として、政治的中立性ですとか、安定性ですとか、継続性だとか、こういうものをいかに両立させていくかということがあると思います。今回の改革の中で、これらがうまく両方並び立つようなものを作っていかなきゃならないという点は、多分、皆さん共通だと思うというのが一点です。
 二点目は、しかし、今日の議論の中でもいろいろ出ていますが、制度の骨幹の話で、教育委員会を合議制の執行機関として残すかどうかというのが、今後の制度設計で、非常に大きな論点だということです。合議制の執行機関として残しても、残さなくても、それぞれ制度設計はあり得ると思います。どこまで長の責任で考えて、どこで民主制を担保するのか、ベースとして教育委員会を今のままの合議制の執行機関として判断するかどうか、長に責任を持たせるといったときに、これを合議制の執行機関ではなくすというところまで踏み込んで考えるのか、そう考えていないのか、それによって、私は、教育委員会の制度設計は随分異なると思います。
 合議制の執行機関のままで残すという選択肢をした場合には、まず制度設計として、教育長の責任の在り方が、本当に執行機関としての教育委員会と両立し得るのかどうなのかということについて議論をする必要があると思います。
 また、執行機関として教育委員会を残した場合には、もともと改革の原点にあった、より責任の明確な体制ですとか、迅速に対応できる体制ですとか、そういう点が本当に担保できているかどうか。ここのところを議論しなければなりません。
 もう一方は、教育委員会を執行機関でなくした場合です。今回の審議会委員は教育委員会関係者が多いので、政治的中立性の確保の方に随分議論が傾斜していますけど、しかし、その一方で、罷免権と任命権だけを首長が担保して、それで十分コントロールできるのかどうなのかということについては、私は、やはり大きい課題があると思っています。これは前回の議論でも随分大きな争点になりました。昔、機関委任事務制度ありましたけど、そのとき、首長を罷免できる制度もありました。しかし、現実問題として、一度も適用できた事例はありません。
 これは、罷免権は、よほどのことがない限り執行できないことを示しています。普通は、一定の指導監督権を前提にした権限を首長にもたせないと、機能できないんじゃないかと思います。首長による任命権や罷免権だけでは、いわば独任制の教育長になりますので、そこに膨大な権限が発生します。それを十分にコントロールできるのかどうかということについては議論しなければいけないと思いました。
 以上です。

【小川分科会長】  ありがとうございました。
 では、前半の最後ということでさせていただきます。竹原委員、よろしくお願いします。

【竹原委員】  前回の意見に加えさせていただきます。
 現在、教育改革をすすめる中で、地域とともにある学校づくりが言われていますが、子どもや学校に反映されるまでには、相当な時間が掛かります。さらに多様な立場の方々のエネルギーも必要です。そのようなとき、教育長をトップとした安定的で継続的な施策があればと思います。
 資料2の2ページの一番上の黒ポチの中に、「・・・学校教育に対する保護者、地域の信頼が得られない」という文面がありますけれども、実は信頼をかち得るだけではなくて、さらにみんなが担っていくエネルギーを出していかなければいけないとすれば、継続性や安定性があってこそ、担い手になって、みんなが一丸となって動くような機運が高まると思っています。

【小川分科会長】  ありがとうございました。すみません、櫻井委員も手を挙げておられましたね。櫻井委員どうぞ。

【櫻井委員】  忘れないでいてくださって、ありがとうございます。
 ちょっと突飛な話なんですけれども、スタンフォード大学が、日本とアメリカと中国と韓国と台湾の高校で使われている教科書の比較研究調査を3年間にわたって行いました。そのきっかけが、日本はひどい歴史を教えているんじゃないかという、日本のメディアにありがちな報道も一つの理由だったと思います。3年間の専門家、非常に多くの専門家が関わったこの研究で明らかになったことが1冊の本になって出版されています。全部は御紹介できませんが、特徴だけ一つ御紹介したいと思います。
 日本の教科書が一番つまらないということなんです。こんな無味乾燥なつまらない教科書を与えられて日本の子供は育つんだろうかというのが、日本に関する結論でありました。私は、これは教科書執筆者の問題でもあり、文科省の検定の問題でもあり、現場の教育委員会の問題でもあろうかと思います。申し上げたいことは、教育が機能していないということです。教育委員会の責任も非常に大きいと思って私は今日、ここに参りました。教育委員会は非常に大事なので、権限を強化しよう、守ろうという意見が、今日は随分ございました。
 地域によってその実態には随分と差があるんだろうと思います。この報告の中にも一括、一律で考えてもらったら困るという御意見が書かれておりましたし、京都市長さんのお話を聞いても、なるほど、京都という土地柄からすると、あのような御意見になるんだろうなということは十分分かります。
 したがって、一律で、これがこうあるべきだという議論をする気はありません。教育再生実行会議で決められた、この度は帯野さんの論点などにつながっていくんだろうと思いますが、教育委員会の存続をどうするのかという原点を一つ忘れてはならないと思います。存続させる場合、今、辻先生のお話がございましたけれども、じゃあ、どのようにやっていくのか。制度設計において、根本的なところを押さえておかなければ、この委員会の意味はないと私は感じましたので、そのことを強調しておきたいと思います。
 もう一つ言えば、今のままでは教育委員会制度──これはあくまでも一律論ではありませんが──地域によっては全く機能していないと私は感じております。
 以上です。

【小川分科会長】  ありがとうございました。今までの議論にさらに踏み込んだ議論ができたのかなと思っています。
 時間がちょっと迫っていますけれども、残りの論点もございますので、次の後半の議論に入っていきたいと思います。資料2の4ページ以降、これについて事務局から簡潔に説明いただければと思います。よろしくお願いします。

【堀野企画官】  それでは、資料2の4ページを御覧ください。
 まず教育委員を誰が、どのような手続で任命するか。これは教育再生実行会議の提言にも、ここは書かれていないところでございまして、ここで御判断いただきたいということです。御意見頂きたいと思っております。
 また、教育委員の人選の在り方については、コミュニティ・スクールの委員の方といったような地域の民意を反映した人が入っていくと良いのではないかという御意見がありました。このあたりの御意見、さらに深めていただければと思います。
 それから、教育委員に引き続きレイマンコントロールを重視していくのか、高い専門性を持つ教育委員も必要なのかというのが大きな論点にございました。非常勤だからできないというばかりではなくて、非常勤でもできるような制度にすべきである。あるいは、教育委員はこれまで監査役として考えていたけれども、いじめの問題等を受けて、プレーヤーとしての在り方を求められている。ただ、現役世代の方に是非入っていただきたいということも考えれば、やはり非常勤の方が必要であるといった御意見がありました。また、半分常勤、半分非常勤という考え方もあっていいんじゃないか。様々な御意見ありますけれども、レイマン、プラス専門的な方、いずれも必要ではないかといった御意見があったところでございます。
 5ページ目でございます。教育委員会の役割、職務権限ということで、教育委員がどういう動きをするかについては、事務局が出す情報いかんに係ってくるという御意見。教育委員は指導・監督をすべき。また、教育長の専決事項を増やして、教育委員会は大所高所の議論をしっかりすべきではないか。それから、教育委員会で必ずやるべき内容としては、教職員の処分、点検・評価、統廃合等々ありまして、条例等の修正といったような事柄については教育長に任せて良いのではないかという御意見。それから、教育委員会は事務局の誤った判断へのチェック機能が重要であるといった御意見等々ございました。また、社会教育や文化・スポーツ行政について、首長部局との役割分担を議論していくことが必要であると、こういった御意見がございました。
 6ページを御覧ください。教育長等の資質・能力についてでございます。まず小規模な町村では指導主事などの専門職が1名程度しか置かれていないという現状からすると、教育長の現場経験がある方であることが重要であるという御意見。教育委員会、小規模市町村については広域化すると、複数の市町村で協力してはどうかという御意見もあり、また一方で、事務局同士の広域化はいいけれども、教育委員会全体となると、複数の首長、議会の思いが様々であるということで、難しい面もあるのではないかという御意見。それから、今、教育行政は介護、福祉、環境、様々な分野とも関連をしているので、教育の専門知識だけでもだめなのではないかという御意見がございました。
 また、その下の教育行政部局の事務局体制につきましては、事務局が学校現場をしっかりバックアップする機関になるべき。新しい仕事やルールをオーダーする、現場をチェックするだけではなくて、ちゃんとバックアップ役となってほしいという意見。また、事務局スタッフを充実すべきという御意見がございました。
 最後のページ。人口規模に応じた教育委員会の在り方をどう考えるかということで、都道府県と市区町村、これはまたそれぞれ分けて考える必要もあるのではないかという御意見。また、小さいところでは教育長ぐらいしか教員出身者がいない。専門的指導ができない。一方で、大きな自治体になると、教育職の方と行政職の方の意思疎通が難しい傾向があると、こういった意見がございました。
 以上でございます。

【小川分科会長】  ありがとうございました。
 前半の議論は、首長と教育長、教育委員会との関係をどう考えるか、そして教育委員会という組織の性格、権限、役割をどう考えるかという非常に大きな制度の方向性に関わる議論でした。恐らく、そういう方向性の議論がある程度定まらないと、この4以降のところは、それと連動して議論されるような性格のものかと思いますけれども、そういうことを少し意識しつつも、やはり4以降のこういう各論的な論点も非常に重要ですので、きょうは可能な限り、委員の方から御意見を伺っておきたいと思います。
 残り30分もありませんけれども、4ページから7ページ、いずれの論点でも構いませんので、御意見のある方はよろしくお願いいたします。いかがでしょうか。では、貝ノ瀨委員、そして高橋委員、よろしくお願いします。

【貝ノ瀨委員】  これは前回でも申し上げましたけれども、教育委員会が、仕組みとして合議制の執行機関という形ではなくなるということであれば、また名前も変わってくるかもしれません。少なくとも教育長が独任制の執行機関的な存在ということになって、そして今までの教育委員会が合議制の執行機関という存在ではなく、純粋な諮問機関でもない。さっき門川さんがおっしゃいましたけれども、純粋な諮問機関ではなくて、一定の内容──大きな教育の方針ですとか、教科書の採択とか、そういった大事な問題については一定のチェックを受けるような、そういう縛りが掛かっているということで、純粋な諮問機関ではないわけです。そういう仕組みであったとしても、教育長が自ら、教育委員を選ぶというのは、まずいのではないか。やっぱり、お手盛りになるんじゃないかと思いますので、ここは首長が、議会の同意を得て選ぶという方がよろしいのではないかと思っています。
 その際に、全部が全部そうじゃないでしょうけれども、今の現状の教育委員さんといえば、必ずしも民意をしっかり反映している方々ばかりとは限らないということです。聞くところによると、首長さんの選挙の論功行賞でなったとか、地域の名士の方が名誉のためにということでなっているというふうなことも聞きます。全部が全部そうじゃないでしょうけれども、やはり、しっかりとした民意を反映できるようなということになりますと、地域でしっかりと教育のために活動している人たちが、その代表が入るのが一番ふさわしいわけで、そういう意味では今、教育振興基本計画の中にも、地域とともにある学校づくりということで、数ページにわたって位置付けられている、例えばコミュニティ・スクールの活動ですとか、学校支援地域本部等の活動などで活躍していらっしゃる方々の代表を選んでいくことが大事ではないかと思います。
 そういう組織、仕組みがないところは、それに類した地域活動を一生懸命やってくださる方々が、その教育委員を担うということが、民意をしっかり反映していく。その意味では、教育長に対して一定程度、現場の感覚、市民の感覚から、レイマンであったとしても、教育長をしっかりチェックしていくということのために、そうした地域にしっかり根差して活動していらっしゃる方が選ばれることが大事だと思います。
 中には学識の方も選ばれても、もちろん、よろしいかとも思います。また、もう既に進んでおりますけど、保護者の代表の方とか、まさに利害関係者といいますか、そういう子供たちの教育に密接に関わっている方たちが民意を反映して選ばれるべきではないかと思います。

【小川分科会長】  ありがとうございました。高橋委員、お願いします。

【高橋委員】  私も制度として、教育長さんが事務執行の責任者であると変えることは必要なことだろうと思っています。
 いじめの問題で迅速な対応ができなかった、適切な対応ができなかった例において、教育長の責任は、実は本当は大きいわけで、教育委員会も形骸化しているわけです。どういう教育長を選ぶかということは大きな問題だと考えます。
 そういう意味で、教育委員会の教育委員が、教育長さんの下で決められるのは良くないと思いますし、首長さんが議会の同意を得て任命する方が適切だと思います。
 レイマンと言われますが、それは素人と言うより、教育委員にはそれぞれの見識ある人を選ぶべきであって、選ぶに当たってはなぜ選んだかという根拠をしっかり御説明いただくことが大事だと思います。私が思いますに、学校教育の教員の経験者ばかりを選んでいるというところが非常に問題であって、もっと多様な人材を、そして地域の教育に貢献してくださる人材を選ぶべきであると考えます。そのような人材を選べば、合議制の執行機関において、細かいことではなく方向性、大きな視点について意見をいただく、そういう制度を考えていただければと思います。

【小川分科会長】  それでは、今田委員、橋本委員、比留間委員という順でお願いします。

【今田委員】  今の教育委員を誰がどのような手続で任命するのかという、この設問は、これは当然そうだろうとは思うんですが、それにもう一歩踏み込んで、私は、提言の中にもありましたように、教育長を議会の同意事項とすべきであるということは、これは少し首長さんの中にも違う御意見があったようですけれども、僕は、これは是非そうしていくべきじゃないか。そのことによって、その人選に対して、当該自治体の議会の人たちも深い関心も持てるし、そしてまた当然、選ばれる人物も、それなりの専門性と人間的な器量といいますか、能力というものをそこで検証される。これは是非そうあるべきだろうと思います。
 今、教育委員、私も10年やっていまして、少し世の中変わってきたなと思うんですが、一般的には今、貝ノ瀨先生のお話のようなところもあったかも分かりませんが、私の場合は決して選挙の論功行賞で選ばれたという立場じゃありませんので、おのが名誉のために申し上げておきますけれども。やはり、その世の中の動きの中に変わってきている、この雰囲気というものを是非継続していく必要があるし、教育長の権限をどこまでするかは別にしても、是非とも同意事項であるような対応を、制度設計を、僕は考えていくことが必要じゃないかなと思っています。

【小川分科会長】  ありがとうございました。橋本委員、お願いします。

【橋本委員】  ありがとうございます。私、これ、上の二つの升の中で、上の方はともかくとして、下の方ですね。コミュニティ・スクールのような経験者。これは、そういう人ばかりに限っていったら、教育委員会の幅が狭くなって、どうにもなりません。これは世界経済がどうなるのか、日本の将来がどうなるのか、そういうことも考えながら教育を決めていかなくてはいけないわけでして、そういう方面である程度の見識がある人、そういう人も入ってくれないと、とてもじゃないですけど。例えば、うちは理科教育を、今、積極的に始めました。これは科学技術創造立国とやるには理科教育をやらなくてはいけないというので、教科担任制も小学校五、六年生で始めています。そういうことなんかも、とてもコミュニティ・スクールにタッチしている人だけで出てくるとは私は思いません。
 そういった点で、議会の同意を得て首長が選ぶ。これは私も大賛成でありますけれども、いろいろな面で、教育長ですと付き合っている範囲も狭くなる。どうしても知っている範囲の人も狭くなってきますから、そういう意味でも首長が選んだ方がいいと思いますし、コミュニティ・スクールの経験者だけということにはしない方がいいと思っています。

【小川分科会長】  ありがとうございました。比留間委員。

【比留間委員】  人口規模による教育委員会の在り方のところで一点だけ申し上げておきたいんですが、何百人という自治体から何百万人という自治体まで、都道府県別にして、基礎的自治体とってもですね。それが義務教育の設置者であり、その教育に責任を負うという意味で、ある意味、規模は違いこそすれ、同じ仕事をしているという、ここのところをどう考えていくかというのは、是非、文科省によく制度設計していただきたいなと思うわけですが。
 併せて、形骸化ということが言われますけれども、教育委員会を活発に運営していくというのは、これは現場にいる者の立場として申し上げますと、非常にエネルギーが必要です。極めて大きなエネルギーを必要とする。活発に活動していただくということは、そこで議論されたことが形となって具体化されていかなければ、それの委員会としての意味がなさない、そこで議論が活性化しないわけで、その議論を実質的のものにして、そこでなされた議論を具体化していくというのは、実はものすごくエネルギーが必要なことなわけで、基礎的自治体で、小さなところではスタッフが少ないという実態が紹介されていますけれども、そことこの問題は無縁ではないということを、是非認識していただければなと思います。
 それから、もう一点、これからの議論について是非お願いなんですが、少し話が抽象的になっているのではないかなと感じています。私は問題は教育委員会をどういう位置付けにするのかというところがポイントだろうと思っておりまして、それが教育長の責任の問題のところにも出てくるし、誰が責任を最終的に負うのかというところにも関わってくる。要するに、教育委員会を、なくすのかも含めて、どういう位置付けにするのかというところが議論のポイントだろうと思っていますので、前回、会長がおっしゃったように、合議制執行機関として、あるいは教育長を独任制の執行機関とするのか、さらには教育行政を首長の所管にするのか。選択肢は、この三つだろう。具体的にこれをブレークダウンしていくと、いろんな案があり得ると思いますけど、大きくは、この三つだろうと思っていますので、少しこの辺が、ある程度出てこないと、どうしても議論が抽象的になって、なかなか実のあるところに収れんしていかないのではないかなというふうに、ちょっと危惧していますので。すみません、これは要望です。

【小川分科会長】  今、比留間委員がお話された点については、分科会長としても意識しておりまして、恐らく、次回以降、何回か諮問事項第2、諮問事項第3の議論がありますが、その後には、今ご指摘にあったような具体的な制度設計の案を分科会長案として提出して、そこで審議をして頂こうと思っています。また最後に、その辺について御相談をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
 船橋委員でしたでしょうか、お願いします。

【船橋委員】  船橋です。ちょっと私も勉強中なので、一個、教育行政の体制強化のところ、結構鍵なんじゃないかと思って、幾つかヒアリングをしてきました。
 一個見えたのが、今、残念ながら指導主事になり手が少ない。応募する人がどんどん減っていると。これは、よく言われる校長とか副校長になり手も減っているというところで、一番大きいのは待遇面で、特に指導主事になると今度、むしろ給与が下がるような状況があったりというところで、ここは一個、ここに書いてあるとおりだと思うんですが、変えなくちゃいけないんじゃないかと思います。
 ただ、それ以上に思ったのが、急になってしまうと。OJTというか、見よう見まねでやらざるを得ない状況で、1年でまた異動みたいなところもある中で、例えば民間企業だと、もう目を付けた人には半年前とか3か月前から、おまえ行くんだぞというような、ちょっと準備期間とかいうのもあってもいいんじゃないかとか、あるいは一個の具体的な提案としては、例えばアメリカではカレッジカウンセリングみたいな学位みたいのが存在していますので、何か具体的に指導主事、あるいはこういう教育行政下の新たな教育指導機関があってもいいんじゃないかななんても思いました。
 ちょっと何かここら辺が実際、教育長のスキルの話が前回多かったんですけれども、どんなに教育長の方が優秀でも、やっぱり現場が結構、最後は鍵を握ると思っていますので、改めて提案としては、報酬を上げる、早めに選抜する、伝えてあげる、きちんと指導機関がある。指導機関は、時間の問題と指導する場ですよね。というところあたりから変えていかないと多分、幾らいい教育長がいても、うまく回らないんじゃないかと思いましたので、このあたり、ちょっと具体的に。これは非常に分かりやすいし、みんな、反対論がないようなところだと思いますので、ここは突っ込んで今後議論してもいいんじゃないかと思いました。
 以上です。

【小川分科会長】  ありがとうございました。
 では、明石委員、村上委員。そして、ほかにどうでしょうか。じゃ、辻委員と門川委員という順で、よろしくお願いします。

【明石委員】  大体、各委員の意見と同じですけど、やっぱり比留間委員、また辻委員がおっしゃるように、合議制のものに検討するのか、独任制かということをはっきり制度設計しないといけないと思っております。それは多分、分科会長、次回にやるそうですから、それを踏まえて、私個人は教育長と教育委員長は同じ役割でいいだろう、と思います。それで、事務方の名前を省庁の庁にするのか、千代田区みたいな子ども・教育部とするのか。今後、子育ての問題で、教育事務というのはものすごく広範囲に広がってきますよね。名称は教育事務部だけでいいんだろうかという疑問があります。検討が要ると思うんです。
 次に、今の教育委員会を新しくした場合に、どういう名前がいいかというと、例えば教育振興会議とか。これは諮問機関でなくて、チェック機能を持って、教育計画も策定できるようなことにしていきたいと。そうすると、いわゆる単なるレイマンでは困るなと思いますし。といって専門家だけでは困ると思います。一つの案としましては、社会教育委員会がございます。これ、1号委員、2号委員、3号委員とありまして、1号委員は学校関係者、小中高の関係者。2号委員が社会教育全般のNPO含めた方の委員です。3号委員が、いわゆる専門家と言われる人々です。こういう形のメンバーを入れて教育振興会議を持ってくるという形が考えられます。
 だから、はっきり、帯野委員がおっしゃるように、世間から見て分かりやすくしたいです。教育委員会と教育長なんて言っていると本当、混乱するので、もう教育長と教育委員長は一緒にして独任制ぐらいのものに持っていく、とよいでしょう。貝ノ瀨委員がおっしゃるように、チェックは議会一点や第三者機関がチェックをすると、いう形にすればよいのではないでしょうか。もう一点は、門川委員がおっしゃるように、本当に幅広い教育専門家を養成してこなかった、ことです。人事のたらい回しで、結果として形骸化してしまっているのです。そういう意味では、今日はいい提案がありました。事務局の育成の問題と教育振興会議(仮称)に入る人の委員の選定も今後、考えていければと思っております。
 以上です。

【小川分科会長】  ありがとうございました。村上委員、どうぞ。

【村上委員】  すみません、簡単に。教育委員の構成なんですけれども、今、建前はレイマンコントロールなんですが、やはり、ここは実際上は、専門家と素人が混在するというのが本来望ましいのであろうと。ただ、それを運用レベルでここで提言するのか、あるいはコミュニティ・スクールから1名選ぶというふうに何か制度的な提言をするのか、そこのところは議論があるかなと思いました。
 もう一点は事務局の職員についてで、これは、やはり行政職と教育職のかい離みたいなのが一つ問題で、その点で、教育職の人は行政のトレーニングを指導主事としてやるんですけれども、逆に行政職の人が、もっと教育職の仕事に関わるようなやり方を検討してもいいと。
 京都市なんかでは、行政職員が教員研修に積極的に関わるようなことも何かされているというふうにお聞きしているんですが、例えばそういう行政職員が教育職の仕事の領分について積極的に関わるようなことも検討すると、教育村のような批判というのも少し実態が変わってくるのかなと思います。ただ、そのときには人口規模によって、小さい自治体だと難しいので、その辺をどうするかという問題は残っていると思います。
 以上です。

【小川分科会長】  ありがとうございました。辻委員、お願いします。

【辻委員】  私も冒頭、小川会長の議論の整理の仕方、基本的に賛成で、前段の議論がどうなるかによって随分変わると思うんですが、特に今議論になったレイマンコントロールのところは、まさに合議制の執行機関としての性格を残すかどうかというので、この専門性とレイマンコントロールの兼ね合いは決まるんじゃないかと思います。
 それからもう一つ、5ページのところで、これも合議制の教育機関たるゆえんのところなんですが、地教行法の第26条の第2項のところ、ありますよね。これが何で教育長に委任できないかというと、やっぱりそれは、あくまでも教育委員会が執行機関であるということの大きな性格上の担保のために残っている規定だと思うんです。
 ですから、これを、形骸化かどうか理由は分かりませんけど、やらなくなるということは事実上、もう執行機関じゃなくすということなので、それなりの制度設計をしなきゃだめで、条例規則や人事の点についてもそうですけど、無味乾燥かどうか分かりませんけど、これを粛々やるか、やらないかは、教育委員会の性格について極めて大きいことを持っているということを是非留意をして議論したいなと思いました。
 以上です。

【小川分科会長】  ありがとうございました。では、最後にしたいと思うんですが、門川委員、よろしくお願いします。

【門川委員】  端的に。教育長が最高責任者で独任制に近い制度設計と。ただし、教育委員会を議会の同意の下に任命し、きちっと形骸化させない。そういう制度設計をしてほしいと思います。
 コミュニティ・スクールの担当者が全部と言うとるやなしに、1名は入れるということをやったらいいんじゃないかなと。教育委員を充て職にしないということが非常に大事だなと思っています。
 それから、森会長がおっしゃっている選択性。これは、やはり、こうしたことは全国一律の制度がいいと思います。見識のある首長というのは教育委員会、廃止されないと思うんですけど、非常に人気のある、かつ個性的な人が教育委員会廃止されて、4年間いろんなことされたら取り返しつかないことになると思いますので、そうした制度の担保というのは全国一律がいいんじゃないかなと、このように思います。
 なお、文化財行政とかスポーツ行政等は、より市長部局と一体性を持ってやっていく。政治的中立性というのは学校行政が最大の課題でして、そうしたことは、より市長部局と一体性を持ってやっていったらいいんじゃないか、このように思います。

【小川分科会長】  ありがとうございました。時間もありませんので、このあたりで議論は終わらせていただきたいと思います。
 これで一応、諮問事項の1の教育委員会制度の在り方については、ひとまずここで意見を聴取したということにさせていただきます。今まで委員の方から頂いた御意見を踏まえて、分科会長の責任の下で制度設計を整理して、更に審議をして頂きたいと思っています。
 ただ、次回の分科会にすぐに案を出せと言われると、それは少しお時間を頂きたいと思います。というのは、諮問事項の2、国、都道府県、市町村との関係とか、諮問事項の3、地域と学校、コミュニティ・スクール等々は今までほとんど意見交換していませんし、関係者のヒアリング等々もやれていませんので、諮問事項の2と諮問事項3を次回以降、数回にわたって議論させてください。その間に、諮問事項1に関するこれまでの議論を整理してみたいなと思っています。
 私も教育行政の研究者ですが、正直言いまして、分科会長ですので、私個人の意見はほとんどこの間言えませんでした。それは仕方のないことですので。自分の考え方をここで表明するということは、分科会運営上好ましいことではないと思いますので、中立公平の立場で、今までの皆さんから頂いた御意見をきちっと踏まえて制度設計案というか、たたき台としてまずは最初の制度設計案を出したいと思います。
 スケジュール的に言えば、諮問事項2、諮問事項3の議論をしていただいて、それが終わった後に、諮問事項1のたたき台というか、制度設計案を少し私の方から出したいということで、8月に入ってからになるかと思いますけれども、そのあたりは御了解ください。
 なお、私の責任の下でというふうに言いましたけれども、当然、事務局とも十分に相談をさせていただきたいと思いますし、委員の中には、行政学とか教育行政の専門家の方もいらっしゃいますので、少しそういう方の御意見というか、御協力も少し得ながら、制度設計案を整理させていただければと思います。そういう進め方でよろしいでしょうか。そういうことで進めさせていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
 最後に、政務官もいらっしゃっていますので、また一言、御意見を頂ければと思います。

【義家政務官】  本日は非常に自由闊達な意見、ありがとうございます。私からも、いろいろ私も思いもありますが、中立・公平にお話をいたしたいと思います。
 例えば教育公務員特例法は第18条で、教員の政治活動について国家公務員と同様の縛りが行われております。毎回、文部科学省も選挙の前に、きちっと厳正にそれが守られるようにという通知を出しております。この参議院選挙の前にも出しましたが、一方で教育現場では、一生懸命、先生方が選挙に駆り出されていると。これを、我々が駆り出されないようにしてくださいという日教組の先生からの投書も私にあるような状況であります。ほとんど処分がございません。半ば公然と行われているにもかかわらず、教育委員会はそれを把握せず、処分せず、そしてそのままなあなあになっている。こういう教育現場が果たして、教育行政が機能していると言えるのだろうか。
 昭和20年代にできた義務教育諸学校の政治的中立の確保に関する臨時措置法、教室の中では政治的中立がなければならないという法律もあります。しかし、これが適用された事例はございません。
 さらに言えば、教育基本法の中で、教育振興基本計画というものを国が策定する責任があり、そして、それを参酌して各地方教育委員会は、地域の実情に合わせた振興基本計画を作る。これ、努力義務ではありますが、規定されております。現在、およそ50%の市町村は、この教育基本法に定められている地域の教育振興基本計画、策定しておりません。今、第2期振興基本計画が出ましたが、これは努力義務だからいいのかという話がございますけれども、基本的に努力義務で努力しなかったら裁かれるというのが子供たちの立場でございます。
 やはり教育行政、そういう責任感を持つために、例えば都道府県がしっかりと市町村に、これ、地教行法の48条で決められていることですが、指導及び助言ができるわけですから、都道府県が定めているからそれで機能しているのではなくて、末端に至るまで、そのようなしっかりとした法律に基づいたものができるような形の責任体制を作っていくことが非常に重要だろうと思っています。
 本日、いじめの防止法の説明もありましたが、これも今の話と無関係ではないんです。いじめ防止法は第12条に、国の方針を参酌して、その地域の実情に合わせたいじめ防止計画を定めるよう努めるものとすると、これも努力義務なんですね。つまり、振興基本計画の状況でいくならば、5年間何もしなかった市町村が50%あるわけですから、それを考えれば、この子供たちを守るために作った法律も設置者、学校現場に届かない可能性もあるわけです。
 ですから、この機会に、国の責任、都道府県教育委員会の責任、設置者の責任、その責任体制の在り方、これを是非皆さんと共にしっかりと今後とも議論するため、見守ってまいりたいと思います。心より期待しております。よろしくお願いいたします。

【小川分科会長】  ありがとうございました。
 それでは、今日の会議はこれで終わりたいと思うんですが、次回は7月17日水曜日、2時から4時までの2時間、場所は文部科学省の第2講堂です。旧庁舎6階です。今日、会場を間違えて文科省の方に行かれた委員がいらっしゃるということをお聞きしましたけれども、17日の会場は文科省の旧講堂で予定しておりますので、よろしくお願いします。詳細については、また追って事務局から直接御連絡がいくかと思います。よろしくお願いします。
 それでは、今日の分科会は、これで閉会いたします。ありがとうございました。

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-- 登録:平成25年10月 --