日本経済団体連合会産業技術委員会

山野井昭雄氏(日本経済団体連合会産学官連携推進部会長)のプレゼンテーション(要旨)

1.現状

  • 技術系人材育成に関する現状問題点は、「基礎学力の不足」、「オリジナリティーの欠如、問題設定能力の不足」、「意欲低下、目的意識の欠如」を指摘する企業が多い(日本経団連産学官連携推進部会アンケート調査(2003年1月実施)。
  • 技術系人材の採用実績について、過去5年間の年平均で見ると、企業が採用する約70%は、修士課程修了者。博士課程修了者についてみると、採用実績は2%であり、そのうちの約3割が中途採用。
  • 博士号保有者の資質について、企業側は必ずしも期待通りではないと考えているところが多数を占めており、具体的には、専門分野以外の幅広い知識や経験、独創的な発想力を求めている。
  • 企業の若手技術者が社会人となり改めて大学院(教育)に要望したい事項のアンケート調査によれば、修了後の進路は、企業、公的研究機関など多様であるのに対し、大学(院)教育はアカデミックな研究を主目的としており、大学(院)教育における研究の目的意識や動機付けが明確であれば、より有意義であったなどの意見がある。

2.産業界の視点からの大学(院)での人材育成

  • インターンシップの制度的充実
    • 大学(院)で学ぶ学問が実社会において、どのように活かされているのかが不明確で、動機付けやインタレストが不足していたという点が指摘されていることから、産学官連携によるインターンシップの制度的充実が有効ではないか。
    • 単位取得を前提として、大学(院)教育に組み入れることを検討すべきではないか。
  • 産学の人材交流の推進
  • 博士のプロジェクトリーダーとしての資質向上
    • 産業界が博士学生に期待する資質として、専門性のみならずマネジメント能力、若手育成・指導、研究資金管理など、企業においてプロジェクトリーダーとして活躍し得る能力があげられる。そのためには、博士学生に独立した研究者として、組織や資金、計画等に係る管理権限と責任を与え、成果を求める制度が必要ではないか。

※ 第19回大学院部会資料等より事務局作成

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