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道徳に係る教育課程の改善等について(諮問)

25文科初第1230号
平成26年2月17日
中央教育審議会

次に掲げる事項について,別添理由を添えて諮問します。


道徳に係る教育課程の改善等について


文部科学大臣 下村博文

(理由)

 道徳教育は,人が互いに尊重し合い,協働して社会を形作っていく上で共通に求められるルールやマナー,規範意識などを身に付けるとともに,人間としてより良く生きる上で大切なものは何か,自分はどのように生きるべきかなどについて,時には悩み,葛藤しつつ,考えを深めていくことをねらいとしています。このことを通じ,自立した一人の人間として,人生を他者とともにより良く生きる人格を形成することを目指すものです。
 こうした道徳教育の意義は,国や民族,時代を越えて普遍的なものであり,道徳教育は,万人に必須のものとして全ての教育活動の根本に据えられるべき重要性を有しています。

 このことを踏まえ,我が国の学校教育においても,道徳教育は,道徳の時間を要として学校の教育活動全体を通じて行うものとされており,これまで,関係者の努力により,創意工夫ある優れた指導の実践も行われてきました。
 しかしながら,我が国の道徳教育を全体として捉えると,歴史的な経緯に影響され,いまだに道徳教育そのものを忌避しがちな風潮があることや,教育関係者にその理念が十分に理解されておらず,効果的な指導方法も共有されていないことなど,多くの課題が指摘されており,期待される姿には遠い状況と言わざるを得ません。 

 以上のような認識に立ち,文部科学省では,教育再生実行会議における平成25年2月の第一次提言も踏まえ,道徳教育の充実に関する懇談会を設置し,道徳の特性を踏まえた新たな枠組みによる教科化の在り方など道徳教育の改善・充実方策について,幅広く検討を行ってきました。

 平成25年12月に取りまとめられたその報告においては,
  ○ グローバル化や情報通信技術の進展,少子高齢化の進行など,今後の変化の激しい社会において,道徳教育に期待される役割は極めて大きく,道徳教育は人間教育の普遍的で中核的な構成要素であると同時に,その充実は,我が国の教育の現状を改善し,今後の時代を生き抜く力を一人一人に育成する上での緊急課題であること
  ○ これまでも繰り返し道徳教育の重要性と課題が指摘されながら,全体としては十分な改善に至らなかった反省も踏まえ,道徳教育が学校教育活動全体の真の中核としての役割を果たすこととなるよう,早急に抜本的な改善・充実を図る必要があること
が示されています。その上で,具体的方策として,
 ○  道徳教育の目標と道徳の時間の目標とを見直し,それぞれよりわかりやすい記述に改めるとともに,相互の関係をより明確にすること
  ○  児童生徒の発達の段階ごとに特に重視すべき内容や共通に指導すべき内容を明確化すること
 ○ 児童生徒の発達の段階をより重視した指導方法の確立・普及や,道徳的実践力を育成するための具体的な動作等を取り入れた指導や問題解決的な指導等の充実などの観点を中心に改善に取り組むこと
 ○ 数値による評価を行うことは不適切であるが,児童生徒の成長の振り返りや指導計画・指導方法の改善のため,道徳教育の特性を踏まえた多様な評価方法を検討すること
 ○ 道徳の時間を,教育課程において,例えば「特別の教科 道徳」(仮称)として新たに位置付け,所要の改善を行うこと
  ○ どの学校でも一定水準の授業が実施されるよう,主たる教材を安定的・継続的に提供するとともに,民間発行者の切磋琢磨(せっさたくま)によって質の向上を図るなどの観点から,「特別の教科 道徳」(仮称)に検定教科書を導入すること
  ○ 学級担任が「特別の教科 道徳」(仮称)の指導を行うことを原則とするとともに,教員研修の充実や教員養成課程の改善などを通じ,教員の指導力の向上を図ること
  ○  学校,家庭,地域の連携の強化を図ること
などが提言されています。
 
 これらを踏まえ,今般,道徳に係る教育課程の改善等について諮問を行うものでありますが,特に,道徳の時間の新たな枠組みによる教科化に当たっての学習指導要領の改訂に関わる事項を中心に御審議いただきたいと考えています。
 具体的には,以下の点を中心に御審議をお願いいたします。

  第一に,教育課程における道徳教育の位置付けについてであります。
 道徳教育の抜本的な改善を実現するためには,教育課程における道徳教育の位置付けについてより適切なものに見直すことが必要と考えます。このため,道徳教育の要である道徳の時間について,「特別の教科 道徳」(仮称)として制度上位置付け,充実を図ることについて,専門的・具体的な御検討をお願いします。

  第二に,道徳教育の目標,内容,指導方法,評価についてであります。
  道徳教育の抜本的な改善に向け,道徳教育の充実に関する懇談会の報告も踏まえつつ,学習指導要領に定める道徳教育の目標,内容,指導方法,評価の在り方について,専門的・具体的な御検討をお願いします。その際,道徳教育の充実に関する懇談会の報告において,「特別の教科  道徳」(仮称)に検定教科書を用いることが提言されていることにも留意しつつ,学習指導要領における目標・内容等の示し方について御検討くださるようお願いします。

 以上が中心的に御審議をお願いしたい事項でありますが,審議に当たっては,教員の指導力向上方策,学校と家庭や地域の連携強化の在り方など道徳に係る教育課程の改善に関連する事項にも御留意の上,今後の道徳教育の改善・充実に向けて必要な事項について御検討くださるようお願いします。

お問合せ先

初等中等教育局教育課程課

-- 登録:平成26年02月 --