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今後の初等中等教育改革の推進方策について

15文科初第251号
平成15年5月15日
中央教育審議会

次に掲げる事項について、別紙理由を添えて諮問します。

平成15年5月15日

文部科学大臣 遠山 敦子

理由

 我が国の社会が現在直面している様々な課題を乗り越え、今後さらなる発展を遂げ、国際的にも貢献していくためには、教育の普遍的な使命と新しい時代の大きな変化を踏まえ、21世紀を切り拓(ひら)く心豊かでたくましい日本人の育成が重要である。その観点から、近年、21世紀教育新生プランや人間力戦略ビジョンを策定し、教育内容や教育条件など広範多岐にわたる教育改革の取組を進めてきている。今後さらに中・長期的な展望に立ち、生涯学習の理念など総合的な視野の下に、学校教育の根幹である初等中等教育について、不断の改善・充実を図っていくことが求められている。新しい時代の学校にあっては、より一層、子どもたちに豊かな心をはぐくむとともに確かな学力を身に付けさせ、保護者や国民の信頼に十分こたえることができるよう、子どもたち一人一人の個性に応じ、その能力を最大限に伸ばす創意工夫に富んだ教育活動が行われることが重要である。このため、初等中等教育に関して、教育内容・方法や制度の在り方などについて幅広く検討し、初等中等教育の改革をこれまでの改革の取組を基に着実に推進していく必要があると考える。
 当面、次の事項について検討する必要がある。

(1)初等中等教育の教育課程及び指導の充実・改善方策について(理由説明)

(2)義務教育など学校教育に係る諸制度の在り方について(理由説明)

文部科学大臣諮問理由説明

平成15年5月15日

 我が国の社会が現在直面している様々な課題を乗り越え、今後さらなる発展を遂げ、国際的にも貢献していくためには、教育の普遍的な使命と新しい時代の大きな変化を踏まえ、21世紀を切り拓(ひら)く心豊かでたくましい日本人の育成が重要であります。その観点から、近年、21世紀教育新生プランや人間力戦略ビジョンを策定し、自然体験・社会体験の推進などの教育内容の改善や教職員定数改善計画の推進などの教育条件の整備など広範多岐にわたる教育改革の取組を進めてきています。これらの改革を基に、今後さらに学校教育の根幹である初等中等教育について、不断の改善・充実を図っていくことが求められており、去る3月20日に中央教育審議会に取りまとめていただいた「新しい時代にふさわしい教育基本法と教育振興基本計画の在り方について」の答申においても、新しい時代にふさわしい教育の実現のため、具体的な改革の取組を引き続き推進するよう提言されています。
 昨年4月から順次実施されている新学習指導要領は、完全学校週5日制の下、基礎的・基本的な内容を確実に身に付けさせることはもとより、自ら学び自ら考える力などの[生きる力]をはぐくむこととしております。新しい時代の学校にあっては、より一層、子どもたちに豊かな心をはぐくむとともに確かな学力を身に付けさせ、保護者や国民の信頼に十分こたえることができるよう、一人一人の個性に応じ、その能力を最大限に伸ばす創意工夫に富んだ教育活動が行われることが重要であります。
 このため、初等中等教育に関して、教育内容・方法や制度の在り方などについて幅広く検討し、初等中等教育の改革をこれまでの改革の取組を基に着実に推進していく必要があり、今後の初等中等教育改革の推進方策について包括的に諮問を行うものであります。
 中央教育審議会は、従来の教育課程や教員養成などに関する審議会を統合し、初等中等教育全般にわたり総合的な検討を行う場として設けられたものであり、本審議において、中・長期的展望に立ち、総合的な視野の下に御検討いただきたいと考えております。

当面の検討事項

当面、次の事項について御審議をお願いしたいと考えております。

1.初等中等教育の教育課程及び指導の充実・改善方策について

 昨年4月から新学習指導要領が順次実施され、各学校及び各教育委員会では、そのねらいの実現に向けて創意工夫に満ちた取組がなされています。他方、我が国の子どもの状況については、近年の国際的な調査や平成13年度教育課程実施状況調査等の結果分析からは、学習内容の理解や学習意欲・学ぶ習慣などについての課題が明らかになっています。また、若者の勤労観、職業観についても各方面から課題が指摘されています。
 このような状況を踏まえ、中央教育審議会教育課程部会を常設化した趣旨にかんがみ、学習指導要領の実施状況を不断に検証し、教育課程及び指導上の課題を明らかにするとともに、新学習指導要領のねらいの一層の実現を図るため、教育課程及び指導の充実・改善方策について御検討いただきたく、当面、次の事項に関して御審議をお願いしたいと考えております。

 まず第一は、各学校における創意工夫に満ちた取組を充実するため、学習指導要領の「基準性」を一層明確にするとともに、必要な学習指導時間を確保することであります。すべての子どもが共通に学ぶ内容として示された学習指導要領に加えて、それ以外の内容も加えることが可能であるとの学習指導要領の「基準性」をより明らかにすることや、年間授業時数が標準授業時数であることを一層明確にするとともに、長期休業日や学期の区分の在り方などを工夫し、年間授業日数を適切なものとすること等について、今後改善すべき点がないか御検討いただきたいと考えております。

 第二は、「総合的な学習の時間」及び「個に応じた指導」の一層の充実についてであります。各学校において「総合的な学習の時間」の意義が十分理解され、そのねらいを踏まえた学習活動が充実するよう、指導上の留意点等について御検討いただくとともに、子どもたち一人一人に応じたきめ細かな指導の一層の充実を図る観点から、子どもの理解の状況や習熟の程度に応じた少人数指導や、補充的な学習、発展的な学習についての学習指導要領上の位置付けに改善すべき点がないか御検討いただきたいと考えております。

 第三は、全国的かつ総合的な学力調査に関連する事項についてであります。今後の学力調査の在り方やその結果の活用等、具体的には、来年度に実施を予定している特定の課題に関する調査の実施方法、小・中学校の教育課程実施状況調査の結果分析を踏まえての指導の改善、高等学校の教育課程実施状況調査の結果分析の視点等に関して当面御検討いただきたいと考えております。

2.義務教育など学校教育に係る諸制度の在り方について

 教職員がその能力を十分に発揮し、子どもたち一人一人の個性に応じ、その能力を最大限に伸ばす創意工夫に富んだ教育活動が行われるとともに、教育行政がこれらの取組を適切に支援し、学校に対する保護者や国民の信頼に十分こたえていくため、義務教育など学校教育に係る諸制度の在り方について御検討いただくことが必要であります。
 このため、当面、次の事項について御審議をお願いしたいと考えております。

 まず第一は、義務教育に係る諸制度の在り方についてであります。今日の子どもたちを取り巻く状況や子どもたちの変化などを踏まえながら、改めて、義務教育の今日的な意義・目的と学校の役割、義務教育における国と地方公共団体の役割等について御議論いただきたいと考えております。それを踏まえ、児童・生徒の多様な状況等に対応して弾力化を図る観点から、例えば、1就学の機会や就学時期の弾力化等義務教育の就学に関する制度の在り方、2多様な学校間連携の在り方など、義務教育に係る制度の在り方について御検討いただきたいと考えております。また、関連して、義務教育に接続するものとして幼児教育の在り方についても御検討いただきたいと考えております。

 第二は、義務教育における教育条件整備の在り方についてであります。
今後の義務教育における教育条件整備の在り方について、幅広く御検討いただきたいと考えております。特に、現在進められている教育改革の中で義務教育制度の在り方の一環として、国と地方との適切な役割分担、費用分担の観点から、義務教育費国庫負担制度の意義役割を踏まえつつ、義務教育費に係る経費負担の在り方について、御検討いただきたいと考えております。

 第三は、学校の管理運営の在り方についてであります。学校の管理運営に関しては、株式会社等による学校設置、公立学校の民間委託、地域が学校運営などに参画するいわゆる「コミュニティ・スクール」の導入など様々な指摘がなされており、こうした指摘も含め、公教育としての学校の教育活動の確実な実施と充実を図る観点から、新しい時代にふさわしい学校の管理運営の在り方について御検討いただきたいと考えております。

 以上、今後の審議に当たり、当面御検討をお願いしたい事項について申し上げましたが、我が国の初等中等教育が目指すべき方向とそれを実現するための方策について、幅広い視野の下に忌憚(たん)のない御意見をいただきたいと思います。
 なお、以上のとおり、初等中等教育改革の諸課題は、広範多岐にわたることから、これを一つ一つ着実に実現していくため、本審議会におかれましては、審議の区切りがついた事項から逐次答申していただくようお願いいたします。

お問合せ先

生涯学習政策局政策課

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