特殊教育免許の総合化について(報告)

平成17年4月22日
中央教育審議会教員養成部会

はじめに

  •  平成13年4月の文部科学大臣の諮問により、今後の教員免許制度の在り方について検討を進めてきた中央教育審議会初等中等教育分科会教員養成部会において、障害のある児童生徒等の重度・重複化等の課題に対応するため、現在、盲・聾・養護学校の別となっている特殊教育諸学校免許状の総合化については、早急に実現すべき課題であるとの方向性が示された。これを受け、教員養成部会において、平成13年12月に「特殊教育免許の総合化に関するワーキンググループ」が設置された。
  •  その後、平成15年3月に特別支援教育の在り方に関する調査研究協力者会議において「今後の特別支援教育の在り方について(最終報告)」及び平成16年12月に中央教育審議会「特別支援教育を推進するための制度の在り方について(中間報告)」がまとめられ、特別支援教育の理念と基本的な考え方、障害種別を超えた学校制度として「特別支援学校(仮称)」等の在り方が整理された。同ワーキンググループにおいては、これらの報告書の提言も踏まえ、審議を進めてきたところである。
  •  特別支援教育を担当する教員は、障害の種類に応じた専門性が求められる一方、児童生徒等一人一人の教育的ニーズに対応した適切な指導や支援を行うことや、「特別支援学校(仮称)」が、地域の小・中学校等に対する支援を行うといった、特別支援教育のセンター的機能を担うために、「特別支援学校(仮称)」の対象となる5種類の障害種別(盲・聾・知的障害・肢体不自由・病弱)以外の、言語障害、情緒障害に加えて、LD・ADHD・高機能自閉症等を含めた様々な障害に関する幅広く基礎的な知識を有していることが期待される。
  •  このような期待に応えうる教員像を具体化するため、同ワーキンググループを中心に今後の特別支援教育に対応する養成カリキュラムの在り方、免許制度の内容等について、専門的な調査審議を重ねてきたところであり、平成17年3月29日に教員養成部会として審議の結果をまとめたところである。このたび、その「審議のまとめ」に対する意見募集の結果を踏まえ、教員養成部会として最終的に報告書を取りまとめるものである。
  • ※「特別支援教育を推進するための制度の在り方について(中間報告)」(平成16年12月1日中央教育審議会)において、「特別支援学校(仮称)」に期待されるセンター的機能の例示として、
    •  小・中学校等の教育への支援機能
    •  特別支援教育等に関する相談・情報提供機能
    •  障害のある児童生徒等への指導機能
    •  医療、福祉、労働などの関係機関等との連絡・調整機能
    •  小・中学校等の教員に対する研修協力機能
    •  地域の障害のある児童生徒等への施設設備等の提供機能が挙げられている。

1.特殊教育免許の総合化に関する基本的な考え方

  • (1)新たな免許状の在り方と求められる資質能力
    •  障害のある児童生徒等の教育については、特に近年、児童生徒等の障害の重度・重複化や多様化が急速に進んでいる中で、その一人一人の教育的ニーズに応じて適切な教育的支援を行う特別支援教育を推進することが重要である。
       このため、障害のある児童生徒等の教育に関する基本的な専門性を構築しながら、各障害種別に対応した専門性を確保しつつ、LD・ADHD・高機能自閉症等を含めた総合的な専門性を担保する免許状とすることが適当である。
    •  特殊教育免許の総合化により新たに創設される免許状で担保すべき資質能力としては、
      •  特別支援教育全般に関する基礎的な知識
      •  障害のある幼児、児童又は生徒の心理、生理及び病理に関する一般的な知識・理解
      •  障害のある幼児、児童又は生徒の教育課程及び指導法に関する深い知識・理解及び実践的指導力(重複障害児の指導に関する知識・理解を含む)
      •  小・中学校等の支援のために必要なLD・ADHD・高機能自閉症等に関する知識・理解及び実践的指導力
       などをひととおり身に付けた上で、新たに創設される「特別支援学校(仮称)」の教員として、他の特別支援教育担当教員とチームを組み協力しながら、様々な障害のある個々の児童生徒等への教育を、著しい支障がなく担任できる資質能力であることを中心として捉えることが重要である。
    •  児童生徒等の発達段階に応じた専門性を確保するため、学校種ごとに免許状の種類を設けている現行の教員免許制度の趣旨等を踏まえ、今後の特別支援教育に対応するための免許制度とするためには、免許状の種類としては、従前どおり小・中学校等の免許状を基礎として、新たに創設される「特別支援学校(仮称)」の教諭が有することを前提とした「特別支援学校教諭免許状(仮称)」とする。
       なお、「特別支援学校(仮称)」のみならず、小・中学校等の特殊学級や通常の学級に在籍する障害のある児童生徒等への対応も含めた「特別支援教育」を担当する教員の資質を担保するものとして、「特別支援教育免許状」を構想すべきとの議論もある。これについては、今後の特別支援教育の在り方のみならず、免許制度全体の見直しを視野に入れつつ、中長期的な課題として検討していくことが適当である。
  • (2)小・中学校等の特別支援教育に関わる教員への対応
    •  小・中学校等における特殊学級や通級による指導を担当する教員や、通常の学級においてLD・ADHD・高機能自閉症等の児童生徒等を担当する教員についても、特別支援教育に関する専門性が求められることから、当面、「特別支援学校教諭免許状(仮称)」の取得や、小・中学校等の教員養成カリキュラムにおける特別支援教育に関する内容の充実を促進することが必要である。

2.「特別支援学校教諭免許状(仮称)」の在り方

  • (1)免許状の対象範囲
    •  「特別支援学校教諭免許状(仮称)」は、学校種に対応した免許状として、「特別支援学校(仮称)」の教員が有するものとしつつ、小・中学校等における特殊学級や通級による指導を担当する教員や、通常の学級に在籍するLD・ADHD・高機能自閉症等の児童生徒等を担当する教員の専門性向上にも資するものとして位置付けることが適当である。
    •  これと併せて、小・中学校等の通常の学級におけるLD・ADHD・高機能自閉症等の児童生徒等への対応については、小・中学校等の教員免許状を取得するための「教職に関する科目」の中で、障害のある児童生徒等の心身の発達及び学習の過程について含めて扱うこととなっていることから、大学の教職課程において、特別支援教育に関する内容の充実を促すことを徹底するとともに、小・中学校等の教員養成カリキュラム全体の見直しの中で、教職に関する科目等において、特別支援教育に関する科目等が適切に位置付けられることが必要である。
  • (2)障害種別ごとの専門性の確保の在り方
    •  「特別支援学校教諭免許状(仮称)」において担保することが求められる資質能力としては、新たな特別支援教育の理念や、様々な障害種別に共通する基本的な知識等が想定されていることから、従来の特殊教育免許に比して修得すべき内容が増加することとなるが、基礎となる小・中学校等の免許状に加えてこの免許状を取得することが必要であることを踏まえ、大学における教職課程の編成にあたり工夫が求められる。
    •  具体的には、現在の特殊教育免許取得に必要な単位数から若干増える単位数を設定し、例えば、特別支援教育に関する基本的な事項について、各障害種別で重複する部分はできる限りまとめることとして、各障害教育の概要や小・中学校等における特別支援教育の概要も含めて概論としておさえつつ、教育課程や各障害種別ごとの指導法の基礎を別途修得することとし、その上で選択的に特定の障害種別についての指導法等を重点的に修得することとするのが適切である。
  • (3)「特別支援学校教諭免許状(仮称)」の種類・内容
    •  現行の教員免許制度の趣旨を踏まえて特別支援教育担当教員の資質の維持・向上を図るため、普通免許状、臨時免許状の2種類を設け、大学における養成を原則とする普通免許状を中心とするべきである。
    •  普通免許状の種類としては、修業年限や修得単位数に応じて大学等から多様な人材を得ることにより教員組織全体の活性化を図るとともに、上位の免許状等の取得を目指すことによる現職教員の自発的な研修を促すため、他の教員の場合と同様、専修免許状、一種免許状、二種免許状の3種類を設けることとする。この中でも大学における4年間の養成を経た一種免許状を標準とし、各免許状には以下のような内容が想定されるべきである。

      1 一種免許状
       特別支援教育を担当する教員の標準的な免許状として、全ての障害種別に共通する基礎的知識・指導方法や、複数の障害のある児童生徒等の心理、生理及び病理や、教育課程及び指導法の基礎を身に付け、その上で、例えば視覚障害や聴覚障害など「特別支援学校(仮称)」の対象となる5種類の障害種別(盲・聾・知的障害・肢体不自由・病弱)から1障害種別を選択するか、又は、大学の履修設定に応じて、選択した1障害種別に加えその他の障害種別(言語障害、情緒障害、LD・ADHD・高機能自閉症等を含む)についても選択して、一定の専門的な知識、指導方法等を身に付ける。
      2 専修免許状
       特定の障害種別に対するより深い専門的知識、指導方法等に加え、重度・重複化への対応、地域の小・中学校等における特別支援教育を視野に入れたコーディネートや、「特別支援学校(仮称)」のセンター的機能を総合的にコーディネートするために必要な知識や技能を身に付ける。将来、「特別支援学校(仮称)」等において指導的立場に立とうとする者が積極的に身に付けることを想定する。
      3 二種免許状
       一種免許状の取得を原則としつつ、特別支援教育についての専門性のある教員を少しでも多く確保するため、全ての障害種別に共通する最小限必要な基礎的・基本的知識や、各障害種別に対応した指導方法の基礎を身に付ける。
       この免許状は、特殊教育担当教員を確保するための経過措置として、新たな「特別支援学校(仮称)」の教員の免許状取得率向上を図るために取得すべき免許状として捉える。例えば二種免許状取得後、特別支援教育を担当する教員が有することが原則である一種免許状の取得を目指すものとする。
    •  また、これらの免許状については、小・中学校等の通常の学級や特殊学級担当教員等が取得することを目指すものとしても想定する。
  • (4)「特別支援学校(仮称)」教員の養成カリキュラムの在り方
    •  特殊教育免許を総合化し、全ての障害種別に共通する事項を修得することとしても、現在の特殊教育免許を取得するために修得することが必要な「特殊教育に関する科目」について、その専門分野に応じた科目区分の大枠は維持することが適当と考えられることから、引き続き、「特別支援教育に関する科目(仮称)」として、特別支援教育の基礎理論、障害のある児童生徒等の心理、生理及び病理、障害のある児童生徒等の教育課程及び指導法、障害のある児童生徒等についての教育実習について、必要単位数を修得することが必要と考える。(具体的には、別紙の内容を想定)
    •  新たな特別支援教育の理念等を理解した上で全ての障害種別に対応する基礎を身に付けるため、特別支援教育に関する基本的な事項や全ての障害種別に共通する基礎的な事項について修得するものとして、例えば、「特別支援教育の基礎理論に関する科目(仮称)」として、修得すべき基礎理論に関する科目に位置付けることが適当である。
    •  上記の「特別支援教育の基礎理論に関する科目(仮称)」においては、特別支援教育の基本的な考え方、特別支援学校の教育(自立活動を含む)、小・中学校等における特別支援教育を含めて修得することとする一方、障害のある児童生徒等の心理、生理及び病理や、障害のある児童生徒等の指導法については内容と単位数を厳選し、より専門性の深い内容を身に付けることが必要である。
    •  重複障害のある児童生徒等への指導に対応するため、「特別支援教育の基礎理論に関する科目(仮称)」や「障害のある幼児、児童又は生徒の教育課程及び指導法(各障害種別に関する自立活動を含む)に関する科目(仮称)」等の中で、重複障害に関する内容を含めることとすべきである。
    •  自立活動に関する内容については、特別支援教育を担当する全ての教員に求められる資質であることや、大学における教員養成の原則を踏まえ、当面は引き続き、教員資格認定試験等による授与の仕組みも残しつつも、「特別支援教育の基礎理論に関する科目(仮称)」や、「障害のある幼児、児童又は生徒の教育課程及び指導法(各障害種別に関する自立活動を含む)に関する科目(仮称)」においても取り扱うことを明確にし、養成カリキュラムの開発を大学等の関係機関に促すことが必要である。
    •  通常の学級に在籍するLD・ADHD・高機能自閉症等の児童生徒等への対応については、「特別支援学校(仮称)」が、センター的機能の発揮等を通じて先導的役割を果たすことが期待されることから、「特別支援教育の基礎理論に関する科目(仮称)」や、「障害のある幼児、児童又は生徒の心理、生理及び病理に関する科目(仮称)」、「障害のある幼児、児童又は生徒の教育課程及び指導法(各障害種別に関する自立活動を含む)に関する科目(仮称)」において、小・中学校等の特別支援教育の支援のために必要な知識や、LD・ADHD・高機能自閉症等に関する内容を取り扱うこととするのが適切である。
    •  障害のある児童生徒等についての教育実習については、大学の講義等において学修した知識や理論を特別支援教育を行う学校現場での実践につながるようなものとすることが必要である。その際、現行制度において、特殊教育諸学校免許の基礎となる小・中学校等の教員免許状を取得するに当たって5単位程度教育実習を行っていることや、小・中学校の教員免許状取得の際に義務付けられている介護等体験の中で、2日間程度特殊教育諸学校における体験が行われていることなどを踏まえた内容とすることが適当である。また、教育実習に係る事前及び事後指導では、「特別支援学校(仮称)」以外の学校、例えば特殊学級、通級による指導における教育実習に準ずる経験を含むことができることとすべきである。
    •  なお、特別支援教育を推進するために必要となる、個別の教育支援計画を策定するために必要な資質能力、「特別支援学校(仮称)」のセンター的機能、特別支援教育コーディネーターの役割等、教員がチームとして障害のある個々の児童生徒等に対応していくために必要な知識、医療、福祉、労働などの関係機関等との連絡・調整のための必要な知識等については、上記の「特別支援教育の基礎理論に関する科目(仮称)」においてその基礎となる知識等を修得するとともに、指導的立場やコーディネーターとなる者等が、専修免許状取得の際に更にそれらの知識等を深める学修を積むことや、現職研修を積極的に実施することが必要である。

3.大学における養成体制の在り方

  •  「特別支援学校教諭免許状(仮称)」が、全ての障害種別に関する基本的事項をおさえるものとすると、大学においても全ての障害種別に関する科目を開設する体制を整える必要があるが、これは現実的に困難が予想されることから、工夫が必要である。
  •  具体的には、「特別支援学校(仮称)」教員の養成課程としては、より多くの大学で養成課程を設けられるように、他大学との連携や、都道府県教育委員会との連携などを含めた以下のような大学等における教育体制の整備が必要である。

    • 1 科目等履修制度や多様なメディアを活用した遠隔授業等による履修を積極的に活用すること
    • 2 「特別支援教育に関する科目(仮称)」について、教職に関する科目との均衡を考慮しつつ自大学で開設すべき授業科目をある程度軽減する措置をとる一方、大学間の単位互換制度を積極的に活用すること
    • 3 多様な障害種別に関する科目を担当する教員を確保するため、都道府県教育委員会等と大学との連携を強化し、盲・聾・養護学校等の現職教員や退職した教員を大学の非常勤講師等として積極的に活用すること
  •  また、教育実習は、教員を志望する者にとって、実践に触れ自らの進路を考える極めて貴重な機会であるため、実習協力校との連携等、大学と教育委員会等の連携関係や指導体制の強化に一層努力する必要がある。その際、大学は指導教官の実習先への派遣等、指導体制の構築に努めることが重要である。
     更に、学生に特別支援教育に対するより広い見聞と認識を身に付けさせるため、大学内で授業を展開するだけでなく、実態を踏まえた教員養成を行う観点から、大学は、教育実習はもとより選択科目や課外における諸活動を通じ、複数の障害種別に対応できる能力を高めるための実践の機会を確保するとともに、障害のある児童生徒等と実際に触れあい、観察する機会や、障害のある児童生徒等が卒業後勤務する職場を見学する機会等を提供することが期待される。

4.現職教員の「特別支援学校教諭免許状(仮称)」の取得促進

  •  特別支援教育を担当する資質能力のある教員の確保・増大を図るために、現職教員が一定の実務経験と大学や教育委員会による教育職員免許法における認定講習(以下「免許法認定講習」という。)等での単位修得により、「特別支援学校教諭免許状(仮称)」の取得を促進することが必要であり、講習等を開設する関係機関がこれまで以上に、単位修得の機会を拡大するよう努めることが重要である。
  •  特殊教育に関する科目の免許法認定講習等は、現在、都道府県・指定都市の教育委員会や独立行政法人国立特殊教育総合研究所等において行われているが、これらにおける講習を拡大するとともに、例えば、研修の実施権限を有する中核市の教育委員会においても実施できるよう措置することを検討することが必要である。
  •  現在の盲・聾・養護学校や小・中学校の特殊学級、通級による指導の実務経験を、新たな「特別支援学校教諭免許状(仮称)」の取得に活かす仕組みを設けることを検討することが必要である。

5.その他の課題

  • (1)現行の特殊教育免許の取扱い
    •  現に盲・聾・養護学校教諭免許状を有する者については、「特別支援学校(仮称)」の教員となることができるよう、保有免許の種類等に応じて一定の講習等を受講することとするなど、新たな特別支援教育の円滑な実施のために必要な措置を講ずることが必要である。
  • (2)特別支援教育関係教職員の採用、配置、研修の改善
    •  都道府県・政令市教育委員会等においては、採用、配置、研修等を通じて特別支援教育関係教員の専門性の一層の向上に努めることが必要であり、今後、少なくとも特別支援教育担当教員を採用するにあたっては、「特別支援学校教諭免許状(仮称)」の保有を前提とするとともに、 採用後の特別支援教育担当教員に対する現職研修の充実に努めることが重要である。
       その際、都道府県教育委員会等において研修を担当する指導主事等に、専門性の高い者を配置するなど、教育委員会における特別支援教育担当職員の充実が求められる。
    •  特殊教育諸学校だけでなく、小・中学校等の通常の学級を担当する教員に特別支援教育に関する知識の修得が期待されるとともに、特殊学級等の担当教員に対しては、特別支援教育に関する現職研修を一層充実し、「特別支援学校教諭免許状(仮称)」の取得を促進することが重要である。
    •  当分の間、特殊教育免許の保有を要しないこととしている教育職員免許法附則第16項について、新たな「特別支援学校教諭免許状(仮称)」の普及状況等を見極めた上で、当該免許状の保有率向上のための方策とともに、時限を設けて廃止することが適当である。
  • (3)特殊教科の免許状の扱い
    •  現在、盲・聾・養護学校教諭免許状とは別に設けられている特殊教科の免許状については、各専門分野の教育に関して人を得るため、盲学校については理療、理学療法、音楽の教科、聾学校については理容、特殊技芸(美術・工芸・被服)の教科、そして自立活動(盲学校については視覚障害教育、聾学校については聴覚障害教育、養護学校については肢体不自由教育及び言語障害教育)として設けられている。
    •  これらについては、制度創設の理念や各々の免許状の活用状況の実態を鑑みると、特定の分野に幅広い人材を得るための方途として、現在でも一定の存在意義を有するものと考えられるため、当面は引き続き存続させることとしつつも、特殊教科の免許状の活用状況、大学における教員養成の原則、高等学校教諭の各教科の免許状の活用などの観点を踏まえ、精選を検討する必要がある。
  • (4)小・中学校等の特別支援教育に関わる教員資格の将来的課題
    •  「特別支援教育を推進するための制度の在り方について(中間報告)」において提言されている「特別支援教室(仮称)」の構想を実現するためには、担当教員のより高い専門性が確保されることが必要である。このため、今後、「特別支援教室(仮称)」の構想の具体化を踏まえ、担当教員の資格の在り方について検討を行うことが必要である。

(初等中等教育局初等中等教育企画課)