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中央教育審議会(第123回) 議事録

1.日時

平成31年4月17日(水曜日)15時00分~17時00分

2.場所

文部科学省「第二講堂」(旧庁舎6階)

3.議題

  1. 学校における働き方改革の取組状況について
  2. 新しい時代の初等中等教育の在り方について(諮問)
  3. 新時代の学びを支える先端技術活用推進方策(中間まとめ)について
  4. その他

4.出席者

委員

 渡邉会長,天笠副会長,明石委員,荒瀬委員,今村委員,牛尾委員,加治佐委員,木場委員,今野委員,志賀委員,竹中委員,中野委員,西橋委員,萩原委員,橋本委員,長谷川委員,東川委員,日比谷委員,堀田委員,道永委員,村岡委員,吉岡委員

文部科学省

 柴山文部科学大臣,藤原事務次官,芦立文部科学審議官,瀧本総括審議官,平野大臣官房審議官,塩見社会教育振興総括官,寺門総合教育政策局政策課長,三好総合教育政策局男女共同参画共生社会学習・安全課長,長谷総合教育政策局教育人材政策課教員免許企画室長,丸山大臣官房審議官,矢野大臣官房審議官,望月初等中等教育局初等中等教育企画課長,合田初等中等教育局財務課長,松永初等中等教育局教育課程課長,髙谷初等中等教育局情報教育・外国語教育課長,田村初等中等教育局参事官,玉上大臣官房審議官,森大臣官房審議官,白間高等教育局私学部長,常盤国立教育政策研究所長 他

5.議事録

【渡邉会長】
 それでは定刻となりましたので,ただいまより中央教育審議会総会を開催いたします。本日は大変御多忙な中,御出席いただきまして,誠にありがとうございます。
 本日は柴山大臣に御出席いただく予定になっておりますが,国会の関係で途中から入られることになりますので,よろしく御配慮いただければと思います。
 それでは,まず本日の議事について御説明いたします。議題の(1)では,学校における働き方改革に関する対応状況についての御説明をしていただく予定です。議題の(2)では,新しい時代の初等中等教育の在り方について諮問を頂き,意見交換を行いたいと思います。最後に議題の(3)になりますが,新時代の学びを支える先端技術活用推進方策の中間まとめについて御説明を頂きます。
 なお,本日は,報道関係者の方々から会議の全体について,録音・カメラ撮影を行いたいという申出がございましたので,許可しておりますことを御承知おきいただければと思います。
 それでは,議事に入りたいと思います。議題の(1),学校における働き方改革に関する対応状況について,事務局から,まず御説明をお願いいたします。

【矢野大臣官房審議官】
 初中局の審議官をしております矢野と申します。本日,局長が国会に呼ばれておりますので,大変申し訳ございませんが,私から御説明申し上げたいと思います。
 まず,学校における働き方改革の取組状況について,本日配付しております資料1に沿って御報告申し上げたいと思います。学校における働き方改革については,第9期の中教審で御議論いただきました。本年1月25日,答申を頂戴したところでございます。また同日,文科省といたしまして,公立学校の教師の勤務時間の上限に関するガイドラインを策定したところでございます。その内容については,1ページから7ページでその概要をお示ししているところでございますので,御参照いただければと思います。
 また,ここでの詳細な説明を割愛させていただきますが,1か所御説明させていただきますと,資料1の5ページ目の中ほどを御覧いただきたいと思います。5ページ目の中ほどの黒字で書かれております,「今後更に検討を要する事項」と記載しております。これは,働き方改革の答申の中で,学校における働き方改革を進める上で引き続き議論すべきであるとされた事項でございますけれども,小学校の教科担任制の充実も含めた教育課程の在り方,教師の養成・免許・採用・研修全般の改善・見直し,先端技術の活用,小規模校の在り方の検討等が取り上げられておりまして,これらについては,後ほどの議題となっております新しい時代の初等中等教育の在り方についての審議において,是非御議論を頂戴できればと考えております。
 さて,答申を受けまして文部科学省では,答申と同日の1月25日に,柴山大臣を本部長とする学校における働き方改革推進本部を設置いたしております。8ページを御覧いただきたいと思いますが,8ページの左側でございます。1月29日に行われた第1回の会合では,冒頭に大臣から,学校の働き方改革はここからがスタートという認識の下,学校や教育委員会にお任せということでは進まないということ,教師が教師でなければできないことに全力投球していただくために,文部科学省は,答申で御指摘を頂いた学校と社会の連携の起点・つなぎ役としての役割を,しっかりと前面に立って果たしていく必要があることなどの御発言がございました。
 また,その右側を御覧いただきますと,保護者や地域をはじめとする社会全体に対して,何が教師本来の役割であるかというメッセージを柴山大臣より発信するとともに,答申で御提言いただいた内容ごとに,今日の資料を御覧いただきますと9,10ページに,文部科学省工程表を作成いたしまして,文科省が実行すべき取組を決定しました。文部科学省といたしましては,この工程表に沿って取組を進めているところでございます。
 続きまして,11ページをお開きいただきたいと思います。答申におきまして各教育委員会や学校が取り組むべきとされていた方策について整理し,3月18日に各教育委員会等に通知いたしております。その概要を13ページでお示しいたしておりますが,この通知では,各教育委員会に対して必要な取組の徹底を呼び掛けるのみならず,各地方公共団体の長に対しても,教育委員会への積極的な支援を依頼したところでございます。
 なお,これらについては,通知を出すのみならず,全国知事会,全国市長会をはじめとする関係団体におきまして,文部科学省職員が直接説明に上がり,御理解と御協力を依頼しているところでございます。
 これに加え,14ページを御覧いただきたいと思います。先ほど申しましたけれども,答申におきましては文科省に対して,社会全体に対し何が教師本来の役割であるかというメッセージを発信することが提言されているということを踏まえ,学校における働き方改革の趣旨・目的等を分かりやすく御理解いただけるよう,長谷川委員や北山前会長などをはじめ,総勢10名の働き方改革に取り組む当事者と有識者の方々のインタビューを収録した公式プロモーション動画を作成いたしております。本動画は先月の公開後,既に約2万回視聴されているところでございます。これは若い人たちが頑張ってくれました。
 また,15ページにお示しいたしておりますけれども,教育委員会や学校などで研修等の際に御活用いただけるよう,例えば公立学校の校長を含めた管理職向けに,適切に勤務時間管理を行うため,労働法制等について正確な理解を促すため,文部科学省担当職員が分かりやすく解説しているものなど,各種の動画を既に公開しているところでございます。併せて,政府広報等も活用し,社会全体に対して発信をしているところでございます。
 文部科学省といたしましては,今後とも,ただいま御説明した取組に加え,今年度予算を足掛かりにした学校の指導・運営体制の効果的な強化・充実,上限ガイドラインを始点とした勤務時間管理の徹底,公立学校の教師に係る勤務時間制度に関する検討など,取組を総合的に進めてまいりますので,引き続き御指導をお願いいたします。
 以上でございます。

【渡邉会長】
 ありがとうございました。
 続きまして,議題の(2)に入りたいと思います。先ほど申しましたとおり,新しい時代の初等中等教育の在り方についての諮問がございますが,大臣が到着されてから諮問を受けたいと思いますので,その前に,事務局から,諮問の内容について御説明をお願いしたいと思います。
 

【矢野大臣官房審議官】
 会長からの御指示でございます。私から,諮問の簡単な概要と諮問理由に関する現状等の補足説明ということを先にさせていただきたいと思います。
 今回の諮問において審議をお願いしたい事項は,本年1月に取りまとめていただきました学校における働き方改革に関する答申において,今後更に検討を要するとされていた内容,それに加えて,教育再生実行会議の中間報告が既に出されておりますが,そういった内容を盛り込むとともに,現在の学校の様々な教育活動に対応するための事項を含んでいることから,広範多岐にわたるものとなっているものでございます。
 現在各学校では,新しい学習指導要領に向けた準備を進めていただいているところでございまして,今回の諮問は,この新しい学習指導要領を,学校における働き方改革やチームとしての学校運営の推進とともに進めていただくことを前提としながら,更に次の世代を見据えた初等中等教育の在り方について,大所高所から御議論・御検討をお願いするものでございます。
 具体的には,資料2-1の4ページを御覧いただきたいと思います。今回の諮問では,主に次の4つの事項を中心に御審議をお願いしたいと考えております。
 第1に,新時代に対応した義務教育の在り方についてでございます。具体的にはそこに記述しておりますが,義務教育の基礎的読解力などの基盤的な学力の定着方策,児童生徒の発達の段階に応じた学級担任制と教科担任制の在り方や習熟度別指導の在り方,先端技術の活用など多様な指導形態・方法を踏まえた授業時数・授業時間等の在り方を含む教育課程の在り方,障害のある者を含む特別な配慮を要する児童生徒に対する指導及び支援の在り方など,児童一人一人の能力,適性等に応じた指導の在り方などについての御検討をお願いしたいと思います。
 第2でございますが,新時代に対応した高等学校教育の在り方についてでございます。具体的には,普通科改革など学科の在り方,いわゆるSTEAM教育の推進,地域社会や高等教育機関との協働による教育などについての御検討をお願いいたします。
 第3に,増加する外国人児童生徒への教育の在り方についてです。具体的には,外国人児童生徒等の就学機会の確保,教育相談等の包括的支援の在り方,公立学校における指導体制の確保,指導力の向上などについての御検討をお願いいたします。
 第4に,これからの時代に応じた教師の在り方や教育環境の整備等についてです。具体的には,今申し上げました第1から第3までを踏まえた教職員配置や教員免許制度の在り方,教員の養成・採用・研修・勤務環境・人事計画等の在り方,いじめや虐待事案への対応方策,学校の小規模化を踏まえた学校運営の在り方,教職員や専門的人材の配置,ICT環境や先端技術の活用を含む条件整備の在り方などについての御検討をお願いいたします。
 以上,諮問事項の概要でございます。
 続いて,補足説明をさせていただきたいと思います。本日お配りしております資料2-3を御覧いただきたいと思います。本資料は,諮問理由の内容に関連した現状やデータなどをまとめたものになりますが,幾つか御紹介申し上げます。
 まず,諮問事項の1つ目の柱,新時代に対応した義務教育の在り方に関連してでございます。資料2-1の諮問理由の2ページ目で,日本型学校教育の成果や,子供たちの語彙力や読解力に関する課題について触れているところでございますが,資料2-3の3ページ以降をお開きいただきますと,学校の在り方の国際比較,4ページから7ページにOECDの学習到達度調査の結果や,全国学力・学習状況調査の結果についての資料をまとめているところでございます。
 その3ページでございますが,諸外国のスクールが主に知育の面に特化している一方,日本の学校は教科指導,生徒指導,部活指導,いわゆる知・徳・体を一体的に行う指導形態が取られて,国際的にも高く評価され,効果を上げてきております。OECDの学習到達度調査におきましてもトップレベルの学力水準を維持するとともに,全国学力・学習状況調査においても,成績下位都道府県の平均正答率と全国の平均正答率との差が縮小してきているなど,学力の全体的な底上げが確実に進んでいると捉えております。
 一方で,文を正しく書くこと,情報を整理して内容を的確に捉えること,自分の考えを説明することなどに課題があることなど,語彙力や読解力などの基盤的な学力の確実な定着に向けた方策の検討が必要であると考えております。
 また資料2-1の4ページ目を御覧いただきたいと思います。諮問の具体的事項である学級担任制と教科担任制の在り方や,習熟度別指導の在り方ということが触れられておりますが,それに関しては資料2-3の8ページに,小学校等における教科等の担任制の実施状況,これは例えば高学年では理科,音楽,家庭などの教科担任制が進んできているということが見て取れると思いますが,その実施状況を示しております。
 また9ページ,その次のページを御覧いただくと,小・中学校等における個に応じた指導の実施状況を掲載。
 大臣,到着されました。

【渡邉会長】
 それでは,大臣が到着されましたので,説明を一旦中断させていただいて,早速,大臣からの諮問をお受けしたいと思います。よろしくお願いいたします。

【柴山大臣】
 大変遅参をして申し訳ございませんでした。文部科学大臣の柴山昌彦と申します。委員の皆様方におかれましては,御多忙のところ御参集を頂きまして,誠にありがとうございます。
 本日は,既に御説明を頂いておりますけれども,新しい時代の初等中等教育の在り方について諮問をさせていただきます。本諮問は,初等中等教育における様々な課題を克服して,新しい時代を見据えて教育の質を高めるために,総合的な検討をお願いするというものです。Society 5.0時代の到来といった急激な社会的変化が進む中で,子供たちが予測不可能な未来社会を自律的に生き,社会の形成に参画するための資質や能力を,一層確実に育成することが求められております。
 我が国の学校教育の現状に目を向けると,子供たちの知・徳・体を一体で育む日本型学校教育は,着実に成果を上げてきている一方で,このSociety 5.0時代に活躍できる人材の育成の観点からは,大きな課題があります。また,誰一人置き去りにしない教育を実現するため,児童生徒等への支援体制を整えていくことが求められております。我が国の質の高い学校教育は,高い意欲や能力を持った教師の努力によって支えられていますけれども,学校における働き方改革を進め,教職の魅力を高めることが急務であります。
 また,学校のICT環境は脆弱であり,そして地域間格差も大きいなど,危機的な状況であると考えます。昨年11月に公表した「柴山・学びの革新プラン」でも提言をしたところでありますけれども,学校のICT環境の整備を着実に進めていく必要があります。さらに,Society 5.0時代の教師には,子供たちの学びの変化に応じた資質や能力が求められておりまして,こうした教師の育成や多様な人材の活用によるチームとしての学校を推進していくことが重要だと考えます。
 こうした状況に加えて,人口減少,少子高齢化の進展による児童生徒数の減少に伴う教育環境の変化に,しっかりと対応していく必要があります。こういった様々な状況を踏まえて,4つの事項を中心に御審議をお願いいたします。
 本諮問事項は,これからの教育,ひいては我が国の未来を左右する非常に重要なものでございます。委員の皆様方におかれましては,大所高所から忌憚なき積極的な御議論を賜りますことを心からお願い申し上げます。
 それでは,諮問文を会長にお渡しいたします。どうぞよろしくお願いいたします。

(諮問文手交)

【渡邉会長】
 それでは,大臣は公務の関係がございますので,これにて御退席されますが,引き続き皆様には御議論をよろしくお願いいたします。
 大臣,ありがとうございました。

【柴山大臣】
 失礼いたします。

【渡邉会長】
 それでは,先ほどの補足説明を中断しておりますので,御説明を続けていただきます。

【矢野大臣官房審議官】
 では,引き続き補足説明をさせていただきます。資料2-3の9ページのところでございました。9ページに,小・中学校等における個に応じた指導の実施状況を掲載しているところでございます。義務教育9年間を見通し,児童生徒の発達段階などを踏まえ,指導体制の在り方を検討する必要があると考えているところでございます。
 同じく,諮問の具体的事項でございます。年間授業時数や標準的な授業時間数等の在り方を含む教育課程の在り方ということが諮問されておりますけれども,それに関しては,ちょっと飛びますけれども,資料2-3の29ページをお開きいただきたいと思います。29ページに小学校の標準授業時数に関する資料を掲載しております。教科担任制の導入や先端技術の活用など,多様な指導形態・方法を踏まえ,こうした教育課程の在り方についても検討が必要であると考えております。
 児童生徒の一人一人の能力・適性等に応じた指導の在り方に関連しては,そこからまた数ページ飛んでいただきまして,35ページまで飛んでいただきますと,特別支援教育の現状がございます。また,その次の36ページには,不登校の現状を掲載しております。また御参照いただければと思いますが,これらの特別な配慮を要する児童生徒の数は増加傾向にございまして,特定分野の特異な才能を持つ者も含み,こうした児童生徒に対する指導及び支援の在り方などについての検討をする必要があると考えております。
 次に,諮問事項の2つ目の柱,新時代に対応した高等学校教育の在り方に関連してでございます。資料2-1の諮問理由の2ページ目で,一部の高等学校では先進的な取組が進められていること,あるいは高等学校の学習時間,学習意欲などについての課題について触れられているところでございますけれども,ちょっと前に戻っていただきまして,資料2-3の10ページから13ページ目辺りを御参照いただきますと,多様な高校教育の取組例がここに記載されています。また是非,後で御覧いただければと思いますが,一方で14ページ,15ページを御覧いただきますと,高校生の学習時間・学習意欲等の状況についての資料をまとめております。
 一部の高等学校では,先ほどの資料のように大学や産業界等との連携の下で様々な教育が展開されていたり,地域社会の課題解決に大きく貢献する活動が実践されたりするなど,先進的な取組が進められているところでございますが,資料の14ページ,15ページですが,授業の満足度・理解度については,学年が上がるとともに低下傾向にあると。高校1年生相当学年において,学校外で学習をしない生徒が急増している。中1・中2のときよりも,高校に入ってからの方が勉強していないという課題が見受けられます。
 また,資料2-1の4ページの諮問事項の具体的事項である普通科改革などの学科の在り方に関連しては,資料2-3の18ページに,高等学校の学科別生徒数の構成割合の資料。これは大体,7割強が普通科ということでございますが,資料を載せております。文系・理系の類型に関わらず,学習指導要領に定められた様々な科目のバランスをよく学ぶことに関連しては,その次のページの19ページに高等学校生の文系・理系の選択状況が青色・赤色で載っておりますけれども,選択状況は理系が少ないということです。20ページに,高等学校における理数系科目の履修状況を掲載しておりますので,これもまた御参照いただければと思います。
 同じく諮問の具体的事項であります定時制・通信制課程の在り方に関しては,21ページに定時制の高等学校についての実態を載せておりますが,その次の22ページには,通信制高等学校についての資料を掲載しております。定時制・通信制高校におきましては,かつてのように勤労青少年だけではなく,近年は不登校経験者,中退者など,様々な入学動機や学習歴を持つ者が多くなるなど,制度発足当初とは異なった形での重要性が高まってきております。また,通信制高校については,教育の質の確保の必要性が指摘されるなど,時代の変化,役割の変化に応じた定時制・通信制課程の在り方について,検討する必要が生じていると考えているところでございます。
 続いて,諮問事項の3つ目の柱,増加する外国人児童生徒等への教育の在り方に関連してでございますが,資料2-3の37ページ,また飛んで恐縮でございますが,37ページをお開きいただきますと,日本語指導が必要な児童生徒の現状は,かなり増えております。38ページから39ページにも,帰国・外国人児童生徒に対する日本語指導の現状についての資料がまとまっております。公立学校に在籍する外国人児童生徒の約4割が日本語指導を必要としており,増加傾向であります。一方,日本語指導が必要な児童生徒のうち,2割以上が特別な指導を受けることができていないという現状でございます。誰一人置き去りにしない教育を実現するため,これらの児童生徒等への支援体制を整えていくことが求められていると考えているところでございます。
 最後に諮問事項の4つ目の柱,これからの時代に応じた教師の在り方や教育環境の整備等に関してでございます。資料2-1の諮問理由の3ページ目で,教師の長時間勤務の実態や,採用選考試験の競争率の減少について触れておりますけれども,資料2-3の40ページに,これは本審議会でも何回か触れさせていただいておりますが,教員勤務実態調査の結果を,43ページに公立学校教員採用試験の倍率の推移を示しているところでございます。
 勤務実態については,前回調査と比較して平日・土日ともに,いずれの職種でも勤務時間が増加しておりまして,小学校では月約59時間,中学校では約80時間の勤務時間外をしていると推定され,教師の長時間勤務の実態は非常に深刻となっていると捉えております。また,公立学校教員採用試験の競争率の減少は顕著でございまして,特に小学校では,平成12年度には12.5倍あった倍率が,平成29年度には3.5倍となるなど,志高く能力のある人材が教師の道を選び,我が国の学校教育が更に充実・発展をするためにも,教職の魅力を高める必要があると考えております。
 また,諮問理由の中では,学校のICT環境の状況や,チームとしての学校運営の推進についても触れておりますが,資料2-3の46ページに学校のICT環境整備の現状,48ページから49ページにかけまして,チームとしての学校の在り方と今後の改善方策について取りまとめていただいた答申の概要を掲載しております。
 まず,学校のICTの環境整備については,教育用コンピューターの1台当たりの児童生徒数は5.6人,無線LAN整備率は34.5%であるなど脆弱であり,先ほどの大臣のお話にございましたとおり,地域間格差が非常に大きいという危機的な状況であり,新しい学習指導要領では情報活用能力というのは,学習するに当たっては基盤的なものだと位置付けている割には,地域間格差は非常に大きいという実態がございまして,学校における先端技術の効果的な活用に向け,ICT環境の整備を着実に進めていく必要があると考えております。
 また,Society 5.0時代の教師には,子供たちの学びの変化に応じた資質・能力が求められておりますけれども,社会人など多様な人材を活用することにより,多様性があり時代にも柔軟に対応できる教師集団を形成していくことが必要となるほか,教師や事務職員,様々な専門スタッフ,そして多様な背景を持つ外部人材が地域住民等とも連携・協力しながら,チームとして学校運営を推進していくことが重要だと考えております。
 さらに,諮問理由の中では,児童生徒数の減少に伴う教育環境の変化についても触れておりますが,資料2-3の56ページに,公立小中学校数と児童生徒数の推移のデータを掲載しております。公立小中学校の数と児童生徒数は年々減少してきており,1市町村に1小学校1中学校等という,要するに,それ以上統合はできないという市町村は,全国で232ございまして,全体の13.3%を占めるという状況でございます。こうした状況を踏まえ,自治体間の連携などの学校運営の在り方について検討する必要があると考えております。
 また,ちょっと戻っていただきますが,41ページ及び42ページには我が国の教員免許制度について,そして44ページには教員研修の実施体系についての資料を掲載しております。諮問の具体的事項として盛り込んでおりますけれども,これからの時代において児童生徒等に求められる資質・能力を育成することができる教師の在り方,義務教育9年間を学級担任制を重視する段階と教科担任制を重視する段階に捉え直すことのできる教職員配置や教員免許制度の在り方,教員免許更新制の実質化など,教職員配置や教員の養成・免許・採用・研修・勤務環境・人事計画全般にわたる改善・見直しなどについての検討を行う必要があると考えています。
 検討の進め方でございますけれども,例えば諮問内容について集中的に審議を行う特別部会を,初等中等教育分科会に設置することなどが考えられると思います。また,これらの内容は広範多岐にわたることから,審議の状況に応じ,審議の区切りが付いた事項から,逐次答申していただくことも御検討願えればと考えております。
 以上,長くなりましたけれども,諮問内容の補足説明とさせていただきます。

【渡邉会長】
 ありがとうございました。
 それでは,先ほど大臣から諮問を受け,詳細の補足説明も頂きましたので,これを中心に,冒頭の学校における働き方改革の対応状況も含めて御質問や御意見があれば,御発言いただければと思います。
 それでは,どなたからでも結構でございます。特に,前回御出席がかなわなかった方は,是非御発言いただければと思います。
 長谷川さん,どうぞ。

【長谷川委員】
 前回に引き続き,トップバッターで発言させていただきたいと思います。
 諮問内容を確認させていただきました。正にみんなが同じであるということが価値であった時代から,他者との違いというものに,より意味を持てるような時代に転換していくと。そういう新時代の教育にシフトしていくことに向けて,教育課程から教員の配置,教員免許制度というのを一体型で改革していく非常に大きなチャンスが,この諮問内容には含まれていると感じております。
 特に,学びの個別化というのをこれからどう推進していくのかという具体的なところが非常に重要であると思いますが,諮問内容にもあるように,多様なバックグラウンドを持った人材を,教師として学校現場で子供たちに向き合えるようにするというところは,非常に重要な内容であると感じております。特に学校の先生が環境教育,英語教育だけじゃなくて,プログラミングのSTEMの教育であったり,障害児への対応であったり,そういったことを全て,今の先生だけで担っていくのはなかなか難しいと。
 一方で,例えばうちのような民間企業は,教員の免許を持っている人は少ないですが,STEM教育がしっかりと実施できる人材や,障害児教育に専門性を持った人材というのは,うちの中で多くいます。学校さんからも教育委員会さんからも,LITALICOの社員を派遣してほしいという要望もよく頂きますが,そういった,免許は持っていないけれども子供たちの力になれるという人材が,現場で子供たちにどうやって向き合えるようにするのかというところが,非常に重要であると思っています。
 この議論は,20年近く前にもなされていた議論であると思っておりまして,小泉政権のときにも議論されていて,そのときは特別免許状というものがあって,特別免許状がもっと発行されていけば,免許がなかった人材を,多様な人材を生かすことができるということで議論がされていましたが,今回確認してみると,例えば公立の小学校において平成元年から平成29年までに特別免許状が付与された件数,2件です。30年間でたったの2件です。これは,特別免許状が小学校において,ほぼ機能していないと言っても過言ではないと考えておりまして,この特別免許状をうまく運用して何とかしようということをもうやめて,免許制度,本丸をしっかり変えていくということが,今回向き合うべき点だと思っています。
 具体的には,既存の教員定数に加えて,社会人枠の教員定数というものを新たに作って,そこにおいては,教員免許は学生時代に取っていないけれども,一定の要件を満たした人が社会人枠としてだったら,部分的な教員を務めることができると。そういう具体的なところを,学校独自の判断で採用ができるということが具体的に進められていくと,障害のある,実際に学校の中で困っているお子さんたちにとっても,不登校のお子さんにとっても,力になるんじゃないかと思っていますので,そういったところも含めて,是非議論していきたいと思っています。

【渡邉会長】
 ありがとうございます。大臣からの御説明にありましたように,多様性を受容する体制の整備が,初等中等教育の段階においても必要になっておりますので,御指摘頂いた視点を含めての諮問内容になっていると思います。是非今後とも御議論を深めていただければと思います。
 それでは,吉岡委員,どうぞ。

【吉岡委員】
 我々が中教審で議論するときに,ある意味では当然というか,どうしても仕方がないことだと思うんですけれども,我々から見て,次の社会はこういう社会になる。こういう社会になるので,こういう人材が必要だと。そのためにはどうするかという,どうしてもそういう議論の組立てになると思うんですね。これは私はいけないとは思わないんですけれども,一方で,子供たち,中学生も高校生も,大学生もそうだと思うんですけれども,そういう形では多分,世の中を見ていないと思うのです。未来を見るときに,次の社会はこうなるから,こういう人が必要だから,自分はそれになればうまくいくというふうには発想しないだろうと思うんですね。
 次の社会にこういう人材が必要なので,こういう教育体系を作るというふうに組んでしまうと,当然それにうまく対応できる人間が,その中で育っていくことになります。そうではなくて,例えば我々の世代や今の社会が考えるような仕組みを超えるような発想をするというのは,多分そこから外に出ているというか,その外にいる人たち,あるいは,外にあるような柔軟な若い発想だと思うんですね。
 ですから,議論の仕組みとして,次の社会がこういう社会になるので,こういう人間が必要だという議論は,もちろん必要だし逃れられないと思うんですけれども,そこから外れるような人たち,これが多分,本当の意味での多様性を保障していくんだと思うんですけれども,それをどういう形で拾うか,あるいは,そういうことを見ることができる仕組みをどう作るかということは,どこか常に念頭に置いておかなければならないだろう,そうしないとイノベーションは起こらないだろうと思います。
 以上です。

【渡邉会長】
 ありがとうございます。御指摘のように,もう少し個性を伸ばしてあげたいとか,いわゆるギフテッドのような視点も含めて,今後,議論の対象になっていくと思います。
 どうぞ,堀田委員,お願いします。

【堀田委員】
 東北大学の堀田でございます。2点申し上げたいと思います。
 まず,今回の諮問は総合的だという話がありましたけれども,非常に多岐にわたっている諮問だと思います。ポイントになりそうなところは,戦後ずっと続いている6・3・3制という我が国の学校制度が,当時の身体の発達とか,当時の社会の仕組みにマッチしていたけれども,現状から見ると,本当にこのままでいいのかという問いを突き付けられているような気持ちになります。
 もちろん,学校制度を大幅に変えるというのは,そう簡単にはいかないことですけれども,例えば小学校の高学年段階で,学力差や興味・関心の差に対応して,もう少し専門性を持った方が子供たちに直接教えられるような仕組みを作るということは,非常に望ましいことかと思いますし,そこには先ほど長谷川委員がおっしゃったように,民間の力を借りやすくするような制度の構築は重要かと思います。
 この話は教育課程の話でもあり,教育職員免許状の話でもあり,社会に開かれた学校の仕組みをどう作るかという話でもありますので,恐らく早々に各論に入ってしまうと,現状の制度の枠組みの中でどうするかという議論に矮小化されてしまうような気がします。ですので,先ほど諮問の追加の説明のときにあったように,当面は集中的に総合的な審議を進めていって,それから方向が出たら,各論におろすみたいなやり方で進めていくことが重要かなと感じました。
 2つ目です。私は教育の情報化が専門なんですけれども,今回の諮問にもSTEAM教育とか,いろいろなことが出ています。小学校段階からプログラミング教育が入るなどの新しい動きがありますけれども,我が国においては新しい動きですが,世界的に見れば,むしろ先進国の最後の方でやっているわけです。しかし,学校現場ではそれですら,何でこんなに新しいことをやらなきゃいけないのかという声が上がります。先生方が多忙化で疲弊しているというのもありますけれども,学校の情報化が進んでいないために,先生方にとってはあまりピンとこないという状況があります。
 私たちは毎日スマホを持って生活して,地図を見ながら目的地に向かい,切符やレストランなどを予約したりしています。映画もネットで見るという時代になっていますが,学校ではネットでNHKの教育番組を見ようと思っても,ネットワークの回線速度が遅くてできない状況があります。保護者も,子供が入学するときにいくつもの紙に名前や住所を書かなきゃいけないようになっています。一般の行政ではワンストップサービスが少し実現し始めていますけれども,公立の学校ではまだほぼ皆無で,それも全て,学校のインターネットを含むICTのインフラが余りにも脆弱で,やろうと思ってもできないばかりか,その中で先生たちは発想しているので,新しい仕組みを作る発想にもなりにくいんだと思います。
 このことを考えると,今日も条件整備としてのICTの整備への意見がいくつも出ていましたけれども,今までと同じような掛け声の掛け方で整備の方針を出しても,恐らく自治体には自治体の様々な事情がありますから,十分な整備はなかなか難しいかと。大きな予算を必要にしますけれども,もっとトップダウンで,かなり抜本的な学校現場の情報化が進むような仕組みを検討していただいて,検討していただいてと言いましたけれども私も頑張って検討しますが,そういうことで,新しい枠組みの中で新しい制度が動くような基盤作りが非常に重要かと思います。
 以上です。

【渡邉会長】
 ありがとうございます。前半部の学校のマネジメントやチーム学校の運営などの推進を,どのように審議していくかについては,皆さまの本日の御意見をお聞きした上で,分科会や,先ほどの説明にありましたような特別部会等を設けて深掘りするなど検討していきたいと思います。
 それから後半におきましては,教職員や専門的人材の配置,ICT環境,それから先端技術の活用を含む条件整備の在り方は,今回の諮問内容になっております。また,これは予算面も含めた大きな議題ですので,答申の中でも重要な位置付けとしていく必要があると考えます。是非いろいろな御意見を出していただき,審議会の中でも深掘りをしていきたいと思います。
 それでは,橋本委員,中野委員,それから萩原委員と3人続けて御発言いただいてから,事務局から必要があればお願いいたします。

【橋本委員】
 審議事項が大変多岐にわたっていますので,その中で2点ほどお話をしたいと思います。
 1つ目,私は教育長をしておりますので,やはり大きな関心事というのは,小学校における教科担任制の導入というところ,これは具体的に書いてありますので,これが1つ挙げられるかなと思っております。私どもはこれまで働き方改革との関連でも,小学校において専科指導に必要な教員の拡充等を求めてきたわけですけれども,こういう形で教科担任制を導入するということになりますと,これは専科というものを更に前に進めたという見方が1つはできるかなと思います。
 その一方で,小学校教育の在り方自体を大変大きく見直すことになるかなと思っていまして,今回,先ほどありましたように学制改革まで目指すものではないと思っておりますけれども,若干そこに近付くような議論もできるのかなと思っております。
 いずれにいたしましても,新しい時代の教育を進めていく上で,例えば今,小学校の先生というのはかなり文系に偏っている,大学時代もほとんど理数を専門に学んでいないという実態もありますので,質を高めていくという上でも,教科担任制というのは取り得る施策かなと思っておりますし,先ほど申しました働き方改革との関連で言いますと,小学校教員の持ちコマ数も削減できる,あるいはいろいろな精神的な負担を減らすきっかけにもなるかなと思いますので,そういう意味では,是非考えていくべき事柄であり,しっかり議論させていただきたいなと思います。
 実際に我々のところの小中一貫校を見ましても,大体4年生というところで線が切れまして,4・3・2というスタイルを取っているところが多いんですけれども,5・6年生から変えていくというのは,1つ理屈があるのかなと思っております。もう少し言いますと,本当は小学校高学年への外国語教科を導入する以前にこういう議論ができていれば,もっとよかった,そんな感想も持っております。
 ただ問題は,これを実現するための具体的な教職員の配置,あるいは教員の免許制度をどうしていくか,4つ目の柱にありますけれども,ここがなかなか難しいのかなと思います。この内容によって我々も教員の採用計画であるとか,研修の計画に大きく影響が出てきますので,こうした施策を実現していくときにどうしていくかということも,併せてしっかり議論していく必要があるだろうなと考えております。
 もう1点は,ICT環境等の条件整備についてであります。指摘がありましたように,現在,ICT環境は本当にまだまだ不十分な状況にあります。また,地域間あるいは学校間の格差も大きいということかと思います。ただ,なかなか市町村の財政というのはかなり厳しい。我々府県も厳しいですけれども,市町村の財政が厳しい中で,今,地方財政措置を講じていただいておりますが,首長さんにとっては,交付税措置では予算を付けにくい。いろいろな財政需要がありますので,望まれているのは,恐らく国庫助成制度かなと思います。
 そうした更なる財政措置の充実がどうしても必要だということと,併せて,新しい学習指導要領も来年から小学校で実施されますので,ここは時間を掛けずに答えを出していく必要があるんじゃないか。そんなふうに思っておりますので,この辺りの議論もよろしくお願いしたいと思います。

【渡邉会長】
 今回の諮問内容で非常に核心的なところを御意見いただいたと思います。ありがとうございます。
 引き続き御意見を伺いたいと思います。それでは,中野委員お願いします。

【中野委員】
 市の教育長の中野でございます。先ほどの橋本委員と重なるところが多いなと思いながら聞いておりました。
 義務教育の在り方についてという点についてなんですけれども,審議内容については,新しい時代を拓いていく,未来を拓いていく子供たちのために重要であると考えますし,この内容が教育委員会でも検討している,現場に合った本当に重要な視点だなと感じました。今,求められているのは,より専門性を高める教育というか,質の高い教育ということになりますと,児童生徒の発達段階,これは堀田委員もおっしゃったようなことがありますが,9年間,また幼児教育も含めると12年間,こういったものを見通して制度を整えていくということの大切さを感じています。
 基本の確実な習得や定着の時期における学級担任制ですね。これも重要な時期がありますし,有効な時期があります。それと,またその次の段階として,知的発達の高まりといった中で,専門的に指導・支援の必要な一部教科担任制というか,5年生,6年生が当たるかと思うんですが,そういったのと,それから中1なんかが接続に関わると思うんですが,そういった場面。それから,完全教科担任制の有効な時期というふうに,段階をきちんと分けて考えてみると,そういった中で教科担任制の意義というものを感じるところなので,研究していく必要性があるなと思っています。そうすることで,教員にとっては,先ほどありましたように,教材研究がしっかりとできるという利点が大変大きいと思っています。
 それからもう一つ,働き方の視点からなんですが,さっき言った教材研究の時間の確保が,教育の質の向上につながるということだと思うんですが,中学校の教員の授業の持ち時間は,多い場合24時間ですね。1週間の全体が6時間掛ける5日として30時間ですが,その中の24時間を担当していますけれども,小学校の場合は30時間から29時間ぐらい持っている教員もいるわけです。
 今年度,全ての小学校の5・6年生で,外国語と理科が成果があるかなということで専科制を取り入れるとして時間を組んでみると,上限24時間ぐらいでいけると。だから, 1日1時間ぐらいの空き時間が出る。これを有効に活用するというのは大切かなと考えているんですが,そういったときに,先ほどから出ている定数の改善,それから加配教員の配置といったものを研究する必要があると思います。
 また,小中一貫を進める上で,ネックなのが免許状です。中学校の免許だと,小学校の専門教科の指導はできるんですけれども,小学校の担任ができません。そうすると,どういうふうに教員を有効に配置していくかというところが難しいところがあります。
 もう一つ最後に,専門性を高めるということから議論がありましたが,社会教育の視点から,企業の社会貢献などの力もかりながら,専門性の高い社会人から生徒が学ぶ機会を取り入れられるということができてくるといいと思いますし,異業種の刺激というのは,教職員の意識改革にすごく役立つように思っています。働き方改革には,こういった意識改革ということも必要だと思っておりますので,いい諮問を頂いたので議論していきたいと考えています。
 以上です。

【渡邉会長】
 ありがとうございます。非常に重要な意見だと思います。
 では引き続き,萩原委員からお願いします。

【萩原委員】
 ありがとうございました。
 孫が来年小学校なので,どういう教育がされるのかとか,英語教育も,プログラミングも始まるしという不安と期待の中でいる状況の中で,当事者意識を持って発言させていただきたいと思います。孫は肝移植もしているので,「障害を持っている児童への配慮」という点も,非常に身近に感じています。
 働き方改革のところですけれども,これは学校の先生だけの問題では当然ないわけですね。家庭における教育であるとか,地域における教育,NPOとの連携といったときにも,企業や様々な組織で働く方々のワーク・ライフ・バランスを進めていかないと,担い手という観点からみると学校だけの問題ではない。全体として,今進められている働き方改革を進める必要があるだろう。例えば,人の命を預かるところ,人格形成に非常に重要な役割を果たしている方たちの,正にライフの充実ということが,結果として子供たちへのよい教育にもつながっていくなど,全体として考えていくべきだろうと思っております。
 それから,外国にルーツを持つ子供たちに関する学習支援。これは立教生も関わっているNPOが豊島区の中にありますが,需要は本当に増えております。日本語,日常会話は分かるけれども,いわゆるアカデミック・ジャパニーズという言われ方もするそうですが,たとえば教科書を読む理解するための日本語力,日本語教育というものが遅れているそうです。それから,子供だけではなくて,親に対する支援も同時に進めていかないと,子どもの日本語力を高めることができないので,親子にむけた学習支援も考えていく必要があるだろうと思います。
 多様な専門的な教育を進めていくためには,学校の教員だけではない,いろいろな方たちの力を使って一緒にやっていかなきゃいけないという状況の中で,前回もちょっと申し上げたかと思いますけれども,科学研究費の研究を社会に貢献するプログラムとして「ひらめき☆ときめきサイエンス」があります。小中高生がいろいろな大学の研究室に行って,研究内容を学ぶプログラムです。そこで大学の先生や院生たちからいろいろな難しい研究を分かりやすく説明されることによって,理科の実験であるとか,あるいは社会の課題に対して,子供たちが非常に関心を持つ。そういった意味でも,大学との連携というのは,もっともっと進めていくことによって,多様な個性に合わせた教育につながっていくのではないかなと思います。
 最後に,先ほど吉岡委員がおっしゃったことが非常に私は重要だと思っていて,この議論に,次代を担っていく子供たちがどういう考えを持っているのか,子供たちの参加,参画というのでしょうか,そういった場も必要なのではないでしょうか。私たち大人だけが決めることではなくて,子供たちがどういうことを望んでいるのかということを聞くような場も,是非作っていただきたいなというか,作っていきたいと思っております。
 以上です。

【渡邉会長】
 ありがとうございます。今の御三名の方は,今回の働き方改革の答申の中の従来の初等中等教育にない要素を深掘りしていく御意見と理解しました。 今までの働き方改革や,学習指導要領の指摘に,先ほど堀田委員がおっしゃっていた,教科担任制の移行を,どの段階で,どう位置付けるのかということや,免許制度との関係,外部人材との協力などの問題が新たに加わったのだと思います。これは非常に重要な視点です。
 もう一つ,出入国管理法の改正もありましたため,今,実態としてもかなり増えている外国人児童生徒への教育の在り方が,今回の諮問としては大きな検討事項の一つになっております。先ほど御意見いただいた視点も含めて,重要な論点として整理し,議論を深めていきたいと思います。
 それでは,引き続き,今村委員,牛尾委員,荒瀬委員,お願いいたします。

【今村委員】
 発言させていただきます。既に出てきている話題と重なる部分もあるんですけれども,私も19年前から教育現場に,社会教育の立場と学校教育の立場を行き来するというNPOをずっと経験してきて,やはり思うのは,教員免許って何なんだろうなということを感じることがとても多いです。それは,現状の先生方を完全に否定するということではないんですけれども,現実的に起きていることとして,要望が多様化し過ぎているということに対応するには,もっと大きな勢いを持って,多様なリソースを学校が位置付けていける仕組みをもっと加速して作っていかないと,この状況は打開していけないと思っています。
 私自身の経験でいうと,震災直後に被災地でずっと活動してきたときに,例えば1つ起きたことでいうと,学校も被災して,ほぼ教員の方々も被災している,生徒たちも被災している。だけど,そのメンバーで新たな学校を再建していかなきゃいけないという状況のときに,当然子供たちに目が行き届かないし,授業の力を向上させていくというのは難しいということが起きます。ただ,子供たちの学力低下みたいなことが震災を機に起きるということはよくないということもあって,例えば女川町の教育長さんは,物すごくいろいろな努力をされた。
 例えば,私たちは放課後施設の運営をしていたんですけれども,放課後施設のメンバーと学校の先生方がもっと行き来を加速して,例えば英語の授業をする先生が,放課後の方で雇っている塾の先生の方が,とても上手に英語が教えられるということが起きたと。そのときに,本当はよかったか悪かったか,制度的には分からないんですけれども,中学2年生の英語の半分ぐらいの,まだ追い付いていない子たちには,この先生にやってもらいましょうみたいなことを英断されたみたいなことがあったり,大学生でも,もっと上手に教えられるという人がいれば,個別的に,免許はないにせよ,学校の中に位置付けてチームとして迎えていくということを一杯やったりしました。
 その中で,ポイントになったなと思っているのは,今後の免許の議論を進めていく上で,2つポイントになるなと思うのは,リーダーのポジションにこそ民間人といいますか,教員免許に縛られない方々を登用していくということも同時に検討しながら,教員免許について検討していくことで,社会資源をもっと加速して取り入れていくことができるんじゃないかということです。
 校長先生は,私は教員の方の方がいいような気がしていますが,例えば副校長級の方々とかは,もしかしたら民間人の方でもいいかもしれないなと。そうすると,いろいろな経営資源が,企業の寄附を集めるみたいなことも,いきなりその先生がされるということもできるようなことがあるということが起きます。なので,リーダーにもそういった方々を登用していくということも検討していった方がいいんじゃないかということです。
 もう一つが,外部の人材を巻き込んでいったときに,情報共有をどこまでしていいかということに対して,先生方はとても迷われるということがあります。震災の直後であれば,あのときは私たちにとっては,そんなことを言っていられませんよねという理屈が通って,ほぼ要対協レベルの情報を共有しながら,学習進度においても,この子はここまでできていないから,ここまで戻しましょう,放課後でそこを引き取りますみたいなことをやったり,授業のときにそこを把握したりするとか,あと,ここでこういういじめが起きていますとか,この子の家庭で実は虐待みたいなことが起きたということを,放課後発見しました。それを学校と共有しますみたいなことをしていく中で,学校で起きたことも,情報の共有の一定の枠組みは必要なんですけれども,共有していただくことで,放課後の見る目も増えていくということも起きました。
 なので,免許の在り方を検討していくとともに,どうすれば多様な人材が学校に入っていくということがもっと加速してできるのかということを,もっと深めて考えていきたいなと思っています。
 以上です。

【渡邉会長】
 ありがとうございます。震災時の御経験を踏まえた,非常に貴重な御意見だと思います。
 それでは,牛尾委員から引き続きお願いいたします。

【牛尾委員】
 私からは2つ,意見を述べさせていただきたいと思います。
 1つ目は,現状の教員の皆さんが,大変疲弊した難しい状況にあると。その中で,だけれども,これからSociety 5.0社会を作っていく大切な子供たちを育んでいくために,こちらから様々な教育の支援というものを提供していく必要がある。そのときに,教員だけに求めても難しい。そこの部分で社会と教員を結んでくれるような,生涯学習の分野では社会教育士というものがありますけれども,それ的なものを考えることはできないのかなというのが1つでございます。
 ICTですとかAIですとか,どんどん世の中が科学技術が進んでいく中で,じゃ,人間は何ができるのかといったときに,結局は愛なんだと思います。人間としてそばにいる人,また接している環境であるとか,社会ですとか,自分の周りにあるものに対して,どれだけ愛情を注げるのか。人との触れ合いで,自分のすぐ近くにいる人が困っている,このことを解決するにはどうしたらいいんだろうとか,自分の周りのこの環境は,こんな困ったことがある,ごみが増えてこんなふうに,空気がこうなっている,どうしたらいいんだろう。じゃ,そういった自分の周りのものに対する深い愛情というものが芽生えてきた中で,何か問題を解決したい。そこの中で,プログラミング教育なんだと思うんですね。
 ですから,ただ単にプログラミング教育を子供の頃からやればいいという話ではなくて,そのプログラミング教育の裏には,そうした人間としての愛,好奇心,探求心,何とかよくしていきたいという意欲が結び付かなければ,本当の意味での教育にはなっていかないと思います。
 ちょうどたまたま私は,東京大学のAI研究の第一人者の松尾先生のお話を直接聞きましたときに,若い人というのは,大人にはない感性を持っている。さらに,スタンフォード大学のデザインシンキングの大家でありますシェリー・ゴールドマン先生のお話も直接伺ったんですけれども,小学校ぐらいの小さい段階で,まだデザインシンキングというのは,いろいろな自然であるとか,もっと体験型教育というんですかね,どんどん自分なりの見方を,それぞれの多様な見方を育てていくような,好奇心をかき立てていくような教育ですけれども,そういうものを初等教育の段階から施していくことによって,ある意味,STEAM人材というものが育っていくという教育実験を積み重ねて成果を出していらっしゃるんです。別にそれをやろうよという話ではないですが,そういったところの成果なども鑑みながら,日本の初等教育の中にもそういった人間性,人間らしい好奇心や探求心を育んでいけるようなプログラムというものを入れていくべきではないか。じゃ,それは既存の小学校の先生がやれるんですかというと,それは難しいです。そこの連携をどううまくつないでいくのかというところを考えていく必要があるのではないかというのが,まず1点です。
 もう一つは,SDGsの考え方から,誰も取り残してはいけないという考え方,これはとても大切なことです。今,この資料を頂戴した中で,結局,多様な人がいるんだと。様々な属性で,今,余りきちんと対応されていない人たちがいる。例えばそれは,外国人の子供たちのお話がありますが,また,障害がある方,貧困などで学校になかなか行けない方,そしてまた,性差の問題というのも実は大きいと思います。この資料を頂いた19ページを見ましても,これは明らかなんですけれども,文系・理系といったときに,男性と女性で大きく,理系に進学する女性というのは少ないわけですね。これも当たり前のように受け取られていますけれども,性別によって異なる感性が,社会や先生方の中にも働いて,進路指導の中で選択された結果が,こういうことになっているんだと思うんですね。
 ですので,男女の問題もしかり,外国人の問題,障害のある方,登校困難な様々な貧困な方,いろいろな方が今,どういう状況に置かれているのかというのを,これからのSDGsを実践していく社会の中で,多様な人の事情,社会的な背景,文化的背景というものを知って,それぞれを尊重して生かしていくんだという理念を,先生方の中に改めて持っていただくというのは,とても大切なことだと思います。
 ですので,そういった研修,わざわざ学ぶということも必要だと思います。そんな時間がないよということだと思うのですが,そこをいかにして作っていけるのか,うまくそこを時間として捻出していけるような仕組みというのを作っていくべきだと思いますし,まず今回の働き方改革というのは,その意味でも大変重要な一歩になると思いますけれども,それによって,教員という職が大変重要で,もちろん重要なんですけれども,更に働き方としても魅力的な職であるということを,きちんと保証していけるようなことを考えていかなければいけないと思っております。

【渡邉会長】
 ありがとうございました。若い人の感性やSTEAM人材について,日本の好事例だけではなくて,御指摘のような,海外のモデルも参考にするといった御意見でしたが,確かにそういった視点も必要だと思います。
 それから,SDGsや多様性についての御指摘は,今回の諮問にある多様性を,もう少し幅広く見ていく必要があるということだと思います。
 それでは引き続き,荒瀬委員,お願いいたします。

【荒瀬委員】
 ありがとうございます。諮問文が,「新しい時代の初等中等教育の在り方について」ということで,先ほどから何人もの委員の方がおっしゃっていますが,本当に多岐にわたる内容だと受けとめました。学制改革というわけではないがという橋本委員のお話もありましたが,もちろん,これまでの議論も大変重要なものがたくさんあったわけですけれども,今回これだけ多岐にわたり,しかも,吉岡委員がおっしゃった次代を担う人たちの意見も取り入れてといったことも含めて考えますと,渡邉会長がおっしゃいましたけれども,矢野審議官のご説明の最後の部分ですね。特別部会という形になるかどうかは分からないですけれども,初等中等教育分科会での議論の仕方を考えることが必要ではないかと思います。
 御意見が出ていましたが,集中的かつまた総合的に,そして多様な御意見を聞きながら初等中等教育分科会で議論をするために,初等中等教育分科会に論点整理を出すような仕掛けを作ってはどうでしょうか。
 1つ内容のことについて申しますと,4つ具体に書かれていましたけれども,3つ目の増加する外国人児童生徒ということの最後に書いてある内容は,多分,外国で暮らす日本人が日本に帰ってきたときにどうするのかということも,非常に大きな問題としてあるように感じています。
 以上です。

【渡邉会長】
 今後の進め方については,いただいた御意見も参考にさせていただきながら,今後の検討事項として早急に決めていきたいと思います。ありがとうございました。
 続きまして,村岡委員,道永委員,お二人続けてお願いいたします。

【村岡委員】
 ありがとうございます。山口県の村岡でございますけれども,私から,話はまた戻るんですが,教科担任制ですとか,小中の連携の話をさせてもらいます。
 山口県におきましては,小学校の高学年で算数・理科等の教科で授業交換による教科担任制というのを導入して,年間を通じて計画的に実施するということをやっております。そうした中で感じているのは,学級担任制と比べまして,より多くの教員が児童に関わる,いろいろな視点から子供の課題を捉えることができるといったこと,一人一人に応じた学習や生徒指導をきめ細かく行えるようになっているんじゃないかなと思います。
 それから,教科担任制によって,1つの指導案で複数回授業を行いますので,担当する教科の研究とか準備に多く時間を充てられて,より質の高い教育ができるようになっているんじゃないかと感じております。
 それから,小中学校で連携した教育ということで,義務教育9年間目指して,小中連携という取組も進めておりますけれども,特に外国語とか算数・数学といった授業で,小学校の5・6年と中学校1年で,中学校の教員が小学校で授業を行うといった,小中の教員が相互に授業をしておりますけれども,9年間の学びを意識した授業作りができるようになったり,教員の授業力の向上も見られたりしております。そういったことでいいますと,今これから議論される教科担任制等については,大変期待をしているところでありまして,よく今取り組まれている実情等もしっかりと踏まえていただきながら,是非いい仕組みを作っていただきたいなと思っております。
 もう1点,今日の資料の中でも知育・徳育・体育というのがあって,今,日本では全てそれを学校が担っていると。欧米,諸外国では,スクールというのは知育の部分で,徳育や体育というのは教会とか家庭とか地域とかになっているということでありまして,なるほどと思ったんですけれども,こういった観点で日本もこれから向かっていかなきゃいけないのかなと思います。教員も非常に専門性の高いものも必要になってきますし,人数も限られる中で,教員の働き方改革も必要ですから,教員がやる部分と地域等で担う部分というのを,もっと分けていかなきゃいけないんだろうなと思います。
 我々はコミュニティ・スクールということで,地域の教育力を高めるということで,県内の全ての公立の小中学校で導入をして,地域の方が子供たちの教育に関わっていく。そして,公立高校でも全て導入することになっております。非常に地域の方も,子供たちを育てるということについては意欲的に取り組まれますし,子供たちもそれによって社会性が身に付くと。そういった大変多くのメリットがあると思っておりますので,県内の優良事例をしっかりと表彰して,それを横展開するということをやっておりましたし,またそれをコーディネートする人というのを配置して,この取組を進めております。
 これから先,子供たちも地域とか,企業もそうですけれども,多くの方に関わっていくということも重要でありますし,それが子供の社会性を身に付けたり,地域への愛着を高めたりするということになってくるだろうと思います。そしてまた,地域の方も,今,教員の働き方改革をやりますけれども,世の中一般の働き方改革もあって,それによって生み出された時間を何に使うのか。それから,人生100年時代と言われて,第二の人生をどういうふうに過ごすのか。生まれた時間を自分のためとか,ただ無為に過ごすんじゃなくて,地域の教育とかそういったものに向けるということを,この機会にもっと慫慂できたらいいんじゃないかなと思います。
 この生まれた時間を,正にここに向けるべきですよということを,これがいい形ですよということを,キャンペーンでもやったらいいんじゃないかなと思っておりますけれども,そういったモデル作りというか,そうしたものを,是非文科省でもどんどん旗を振ってやってもらえるといいんじゃないかなと思いますし,またそういった取組は,思いだけじゃなくて,ちゃんとコーディネートする人がどうしても必要であります。うまく形を作っていって,それを維持する人が必要ですので,そういったものをしっかりと財政面なり制度面で,しっかりとしたものを作ってもらうということで展開していけば,これから向かうべき地域の教育の在り方というものが,もっともっと多くの人に見えてくるんじゃないかなと感じておりますので,そういった観点からの検討も是非期待したいと思っております。
 以上です。

【渡邉会長】
 ありがとうございます。働き方改革の議論の中でも,御指摘のような形での地域との連携やチームとしての学校の在り方に関する議論もありましたし,それから,小学校の教科担任制の充実も,ICTを入れたときに,どういった形で進めるのかという検討も必要だと思います。自治体などの好事例を学びながら,理想的なものが何かについて議論を進めさせていただければと思います。
 引き続き,道永委員からお願いいたします。

【道永委員】
 道永と申します。日本学校保健会の副会長であります。また,日本医師会で常任理事をしておりまして,その中で学校保健を担当しております。
 この学校保健という分野は,余り皆さん御存じないというか,興味ないかもしれませんが,生涯保健という言葉がございます。そのスタート地点ということで,非常に大切な分野だと思っております。学校保健の分野というのは,結局,健康寿命の延伸というのが今,国が一生懸命目標にしているところですが,そのためのスタートとしての生活習慣を,子供のときから望ましい生活習慣を教えるというのがとても大事で,それが学校保健であります。しかも,健康教育という言葉が,この諮問の中には出ておりませんが,子供たちの教育の中で,健康教育はとても大事なので,そのことを是非今回の中で議論していただければと思っております。
 また,その一つになると思うんですが,皆さんこれは御存じのことだと思いますが,がん教育が始まります。がん教育も,がんがどういうものかということだけではなく,命の大切さを教える授業だと思っております。もちろん,学校の先生,保健体育の先生が中心になってよろしいんですが,外部講師ということで,がんの専門医あるいは学校医,がんの経験者の方々を教師として,その中で活用しましょうということになっておりますので,是非この話もしていただければと思います。
 また,先ほどから出ておりますが,いじめ,児童虐待も,それこそ待ったなしの問題だと思っております。日本医師会に代議員会というのがありまして,3月の末に開かれました。そのときに,虐待に対する質問が2点ございました。非常に地域の先生方が憂慮している問題でございます。これについても,是非この中教審の中で議論の内容の中に入れていただければと思っております。
 あと,外国人児童生徒数の増加というのは,現場で見ていて本当によく感じるところでございますが,なかなか文科省そのものが,学校保健で英文,いわゆる外国人に対する普及みたいなのをしていないというのが現実だと思います。日本学校保健会では,ホームページに英文の部分を作りました。ナレーション入りで,英文の説明資料を作って掲載しているところです。ただ,学校保健安全法は残念なことに英文がないんですね。それを非常に苦労して英訳したところですので,もしできれば,この場で議論できるかどうか分かりませんが,それも入れていただければと思います。
 あと,文科省で,学校における医療的ケアの実施に関する検討会議というのに私は委員として出席しております。また日本医師会で,小児在宅ケア検討委員会というのを設置しておりまして,今,検討しているところですが,この中教審のインクルーシブ教育でしょうか,特別な配慮を要する児童生徒への対応についても議論していただけると思っております。
 ちょっとこれはお礼なんですが,学校における働き方改革について,答申の中に,小規模校においては学校ではなく,教育委員会に嘱託産業医を置いて対応すべきということを書き入れていただきました。これは日本医師会がずっと主張してきたことでしたので,非常に感謝しております。
 以上です。

【渡邉会長】
 ありがとうございます。誰一人取り残さないというSDGsの基本理念を見据えながら,新しいことをやるときには必ずセーフティーネットが必要になりますので,御指摘の視点も含めて検討したいと思います。
 続きまして,東川委員,今野委員,それから日比谷委員と志賀委員,お願いいたします。

【東川委員】
 日本PTAの東川と申します。よろしくお願いします。前回の中教審総会の折にも一言ということで申し上げた中で,柴山大臣が発出された1月25日の働き方改革の答申を,いかに浸透させていくかが重要かと思いますという発言をさせていただきました。
 この資料の1の8ページに,大臣の冒頭の挨拶とメッセージというものが分かりやすく書いてございますけれども,これを受けて,これは経過報告という形になりますけれども,私ども日本PTAでも,保護者,特にPTAを通した保護者の意識といいますか,当事者意識が醸成をしてこないと,行政サイドだけでは働き方改革も,改善にはなかなか導いていけないのではないかということから,私ども団体でも,大臣の冒頭挨拶を含む答申をバックアップするような挨拶文を1枚,ほぼできているところでありまして,これを全国に発出しようと考えています。
 特に,この総会にもたくさんの教育長の皆さんがいらっしゃいますけれども,域内における教育長や,私どもの仲間でありますPTAの代表者等の懇談会等はやっておられると思いますけれども,京都府は特に積極的にと伺っていますが,そういうところから,更に枝葉を付けたところまで,この辺を活用していただくべく,そういうものを今,ほぼほぼできておりまして,これを発出したいと考えているところが経過報告であります。
 それから,審議をお願いしたい事項ということで4つございますけれども,いずれも重要かと思いますが,特に私が目に付くところとしましては,4番のこれからの時代に応じた教師の在り方や云々と書かれた中で,特別な配慮を要する児童生徒等へのというくだりがございます。私もたくさんの現場の教職員の先生方と触れ合う機会が非常に多いんですけれども,この春に異動・転勤をされた先生方をたまたま拝見する機会がありまして,非常にベテランの先生方が,ある学校に赴任をし,お伺いしますと,特別な配慮を要する児童がかなりいるようだと。
 数年前に文科省の調査で,発達障害を含めた児童生徒が学級内にどれぐらいいるかというデータで,大体6%強という話を伺っていますけれども,もし最新の数値があれば,またお尋ねしたいところでありますけれども,実態としては,これ以上いると。これは教員の現場感覚でありますけれども,いるようであるというところから,非常に長時間労働云々は別としても,事象に対応する教員の能力云々というのはかなり差があると思いますけれども,それによってかなり疲弊をし,あっという間に追い込まれていく姿を,割と多く見ているというところからいいますと,これは長時間労働だけではなくて,特別な配慮を要する児童生徒に,どのように即効的に取組をしていくのかと。
 この中教審の場においては,中長期的な議論は当然必要かと思いますけれども,例えば精神疾患に追い込まれる教員が約1万人強いるというところも含めて,例えばそういった方々が自死に至るようなことがないよう,即効性を持った対応というのもかなり必要かなということを考えますと,対症療法や原因療法を合わせたところでの議論というのが特に必要なのかなと思います。
 先ほど来,SDGsの話も当然出ているわけでありますけれども,教員も取り残してはいけないということを考えますと,大所高所からのいろいろな皆様方のお知恵を頂きながら,そういった議論が必要なのではないかなと感じたところでございます。
 以上でございます。

【渡邉会長】
 ありがとうございました。誰一人取り残さないためにも,PTA,すなわち家庭との連動をどう取るかということは非常に重要だと思います。
 それでは,引き続き御発言をお願いしたいと思います。今野委員からお願いいたします。

【今野委員】
 部活動の在り方と,質の高い教師の確保という観点からお話させていただきたいと思います。
 今,学校では,そして地域内の学校では,在校時間記録簿を毎月取っておりまして,先生方の長時間を少しでも少なくしようということで,学校長同士が連携を取って,いろいろな情報交換をしております。その中で,どうしても部活動の時間が,この長時間になっているという話題になっております。部活動をしてからの教材研究,そして学年部会,様々な会議といったところを持たざるを得ないという状況でした。
 それから,質の高い教師の確保というところでございますけれども,これまで各校では校内研修とか校内研究,テーマを決めて,それぞれの先生方がチームを組んで,校内研究を各学校では一生懸命やってきたと思います。それが,ベテランの先生が若手に様々なことを伝えていくという場にもなっていたと思います。指導案を書いたり,指導案を書かなくても事前検討会をしたり,授業の後の事後検討会をしたりするなどして,非常に校内研究というのが,先生方の指導力の向上のためのよいことであったかなとなっております。
 ですが,校内研究も部活動の時間に圧迫されているのではないかなという感じを受けている状況です。部活動のガイドラインが出されたり,外部指導者の制度も整ったりしてまいりましたけれども,質の高い教師の確保,研修といった面からも,部活動の在り方と,校内研究・校内研修を行って高い教師の確保といったところも考えていく必要があるのではないかなと感じております。
 また,人的配置といったことでも,生徒指導加配とか教科指導加配,様々な加配を定数以外にも頂いておりますけれども,教育復興加配があと2年で終わるということで,当地域では非常に危機感を持っております。おかげさまで心のケアとか,様々な生徒指導の面で加配の先生に来ていただいて,一人一人の子供を見ることができたと思います。その人的な配置といったことについても,先生方で御議論いただければと思っております。
 以上でございます。

【渡邉会長】
 ありがとうございました。働き方改革の答申の実行フェーズにも入っておりますので,そうした実態を見ながら,今後の議論も進めていきたいと思います。
 日比谷委員,お願いいたします。

【日比谷委員】
 ありがとうございます。私も諮問事項の2番目,高等学校教育の在り方について,少し意見を申し述べたいと思います。
 4番目に挙がっております地域社会ももちろんですが,高等教育機関の協働ということですけれども,頂きました関係資料の10ページから数ページにわたって,多様な高校教育の取組例が出ておりまして,理数分野における高大接続ですとか,グローバル人材育成,地域を支える人材の養成等ございますけれども,この3ページいずれの事例におきましても,大学との非常に密接な協力関係について,どれもよい取組だと思います。
 特別入学枠を設定するとか,あるいは協定を結んで,大学の教員が高校で講演をしたり,あるいは何かプロジェクトに助言したりするということが非常に盛んになっておりますけれども,そろそろもう少し踏み込んで,意欲のある高校生が,高校生の時代に大学の授業を受けて,そして,しっかりとやるべきことはやらなくては駄目ですけれども,単位が取れるという早期履修制度の検討をしてもよいのではないかと思います。
 先ほど,高校生は余り勉強しないというデータを見せていただきまして,高校1年になると急に勉強しないのが増えるのはどうしてか,もう少し詳しく知りたいところではありますけれども,勉強する意欲のある高校生はいるはずです。大学に行ったらどんなことを勉強するんだということを,高校の時代から先取りできる。それが学習意欲を増すということがあると思いますし,また,大学に行って何を勉強するかを,本当に進路を決めるためには,こういう大学ではこういう授業をしているとか,こういう分野はこういう学びがあるという実態に触れてから,大学進学の進路決定をするということは,すごく大事だと思いますので,この2番目の柱の中で,高等教育機関の協働につきましては,これまで以上に踏み込んだ連携・協働を是非目指すような議論をしていきたいと思っております。
 ありがとうございました。

【渡邉会長】
 ありがとうございました。新時代に対応した高等学校教育の在り方の中で,そういった議論をどのように位置付けるのか,検討を進めたいと思います。
 それでは,志賀委員,お願いいたします。

【志賀委員】
 ありがとうございます。前回の総会は出席できなかったので,この第10期を迎えての抱負も含めてお話ししたいと思うんですが,長く中教審の委員を務めていて,結構いろいろ新しい時代に合わせて,これもやらなきゃいかん,あれもやらなきゃいかんという発言をずっとし続けてきて,結果的には,現場も生徒の人たちも結構忙しいことになって,働き方改革と。こうつながっているような気がするんですけれども,思い起こしますと,これから多様性のある社会の中で,自分で考え自分で判断し,そして自分の言葉で表現するという教育に変えていかなきゃいかん,だからアクティブラーニングをどんどん増やさなきゃいけないとか,あるいは,これからのグローバル社会の中で,初等教育から英語教育を入れなきゃいかんとか,こういうITの時代ですから,初等教育からプログラミング教育をやらなきゃいかんとか,ずっとここで言っていて,今度10期を迎えて,そろそろこれはやめませんかという,あれもやろう,これもやろうと言うのをやめようと思って,そうしないと,何ぼ働き方改革をしても,現場はどんどん忙しくなるし,結果的に前回の学習指導要領も,英語も入れた,プログラムも入れたけれども,減らす授業がなかったわけで,どんどん増えてアドオンしちゃっているわけですね。
 そうなってくると,また準備される先生方も忙しくなりますし,そういう意味では,教科担任制度なんていうのは非常に大事だろうと思うんですが,ここで使うべきはICTだろうと本当に思うんですね。今,この中にも先端技術の活用など,多様な指導形態・方法を踏まえた新しい教育課程の在り方というのを書かれていますし,私が何よりも大事だなと思うのは,その下に書かれていますけれども,児童生徒一人一人の能力・適性等に応じた指導の在り方と。
 今,例えばタブレットで試験問題を解いていくと,AIが,この児童はどこで引っ掛かっちゃって,これが解けないのかというのを分析してくれて,そこに戻ってもう一回問題を出し直すみたいなAIを,塾なんかでは当たり前のように使われている技術ですけれども,あるいは,非常に授業の上手な予備校の先生が,受験サプリみたいなところでやって,そっちの方が伸びていくみたいな。そうなると,従来からの集合教育的に,進んでいる子も遅れている子も同じように授業を回していくということではなくて,今はもう海外でも始まっていますけれども,要するに,生徒はタブレットで勉強して,引っ掛かって,質問だけを授業中やるというんですね。
 だから,今回の新しい時代の教育の在り方の中で,私は1つのKPIとして,どれぐらい児童生徒一人一人に合った教育ができるかと。集合教育ではなくて,進んでいる子はどんどんタブレットで進んでいけばいいし,引っ掛かっている子は授業中にちゃんと先生が指導していくみたいな,そういう一人一人に寄り添った教育の中にやっていくとなると,本当に真面目にICTを入れていって,生徒全員がタブレット・PCを持って授業を進めていく。進路に合わせて,やっていることは集合ではなくて,個々に違うところをやっていって,引っ掛かっている子は先生が面倒を見るみたいな,そういう新しい,未来の教室ではないですけれども,そういう教育体系に本気になって予算を付けて,文科省の皆さん方,予算を付けて,ここに転換するぐらいの覚悟でやっていただきたい,今回せっかくこれをやるのであれば。本当にそう思います。
 以上です。

【渡邉会長】
 ありがとうございます。この後の議題(3)でも,ICTに関連した御説明をさせていただきますので,それも含めて議論を進めさせていただきたいと思います。
 それでは,加治佐委員,お願いいたします。

【加治佐委員】
 この諮問文を読ませていただいて,本当に初等中等教育が大きく変わるという感じを受けております。さらに,今日,たくさんの委員の方の御発言を聞いていると,これを超えるようなことも起こりそうな感じがしております。そういう中で,教育大学の学長として,教員免許改革がこれまで以上に諮問されておりますので,そのことについて1つ,考えを述べさせていただきたいと思います。
 御承知のように,日本の学校教育,公教育の質保証が,免許状主義でなされてきたわけです。しかも,相当免許状主義ということで,免許状を有するだけじゃなくて,小中高の各校種,あるいは,中高は教科ごとの免許状が,その質を保証する,あるいは教師としての適性を保証するということで,ずっとやってきたわけですね。
 そういう免許状主義を緩めるべきであると,例えば免許を持たない人を,もっと学校に活用すべきであるということがこれまでも提言されてきました。だけど実現したのは,特別免許状の創設や拡充。要するに,免許状主義は変わっていないわけですね。あるいは,小中どちらにも使える義務教育学校の免許状とか,中高にまたがる免許状,これも提言されてきましたけれども,結局は実現しておりません。
 それはいろいろな理由があると思いますが,私が考えるに,最大の理由は,免許状というものは,教師としての最低限の能力や今後の成長可能性を保証するものとして位置付けられているわけです。それがない人々の質保証をどうするか。あるいは,例えば中学校の先生が小学校を担当するといったときに,中学校の免許状しかない人が小学校を担当することの質保証をどうするか,適性をどう保証するか。その担保がなかったと思うんですね。
 ところが,この諮問文がそこまで意味しているのか分かりませんが,今日の皆さんの御意見を伺う限りは,そういう免許状主義は,あるいは相当免許状主義が,何か打破されるような印象を受けるんですね。ひょっとすると,免許状に代わるような,質保証の仕組みとか,適性を保証する仕組みをつくるところまで,考えなきゃいけないんじゃないかと。教員養成部会長でもありますので,そういう印象を強く持ったところです。
 社会人をたくさん入れるべきだという御意見はよく分かります。免許を持たない社会人枠の教員定数とか,なるほどなという感じもしないではないんですが,ただ,免許を持って卒業した学生でさえ,教員になりたい者が減ってきています。つまり,教員採用試験の競争倍率が減ってきているわけですよ。そういう職場に,社会人として能力の高い人がたくさん,今のところ参集するとは思えない。そうすると,どうしても免許状に代わる質保証の仕組みは不可欠だと思います。そういうことを今後議論する必要性を,非常に強く感じているというところです。

【渡邉会長】
 ありがとうございます。免許に関する御意見を多く頂きましたが,御指摘のように,質保証を備えた弾力化という視点が必要だと思います。
 それでは,この後もう一つ議題が残っておりまして,時間も迫ってまいりましたので,一言ずつお願いできればと思います。竹中委員と西橋委員,お願いします。

【竹中委員】
 ICTを使ってチャレンジドがタックスペイヤーにということで30年間活動してきまして,ICTというのがテーマなんですけれども,この文科省の審議会でも,ICT化ということに非常に重要性を置いていただいていて,大変心強く思っています。とりわけ知的のハンディの人たちにとってのICTというのが,物すごく今,未来形というか,特にグラフィック系とかでは大きな才能を発揮できたりするようなことも,私たちの目の前で続々起きていて,それが一般教育の中へ広がっていくのもうれしいんですが,やはり特別支援教育の中で,より一般の児童以上に,ICTを教育に取り入れていただくことが重要かなと思っていますので,是非そういう展開を考えていただきたい。
 それと,短く発言なので,あと1個だけなんですけれども,先ほどからICTというと,予算の話が出ていまして,予算というと,もちろん文科省の予算なんですけれども,財務省が文科省に大きな予算を付けなきゃいけないということで,私は財政審をやっていて,文科省でお話を聞いて,きちっとそれを財務省に伝えたいなと思っているんですが,今日全く同じ時間に財政審を隣でやっていて,何とか時間を外していただいて,こっちで知見を得たことを持っていけるようにしていただけるとうれしいなと。すいません,余分な。よろしくお願いします。

【渡邉会長】
 ありがとうございます。
 引き続き,お願いいたします。

【西橋委員】
 鹿児島県の甲南高校の校長の西橋と申します。どうぞよろしくお願いいたします。簡単にということですので。
 私の学校は今,スーパーグローバルハイスクールの最終年度でございますが,この事業を入れたことで,生徒たちの学習意欲,この課題の中に学習意欲が低下しているという話がありますけれども,特にSGHの対象となった生徒たちは,本当に学習意欲も上がりましたし,これからの時代に必要とされる資質とか能力とか,随分身に付いてきて,劇的な変化をした生徒たちがたくさんおります。
 本校は鹿児島という,本土では一番南にあるわけですけれども,鹿児島大学がすぐ近くにありますし,それから鹿児島中央駅という鹿児島の玄関口が,歩いて5分もかからないところにありますので,他県の大学等とも比較的連携しやすいわけで,地方ではありますけれども,非常に恵まれているなと思っております。
 ただ,鹿児島県は,南北600キロということで,鹿児島市や新幹線の沿線等にある高校はまだいいんですけれども,それ以外の地方の高校というのは,本当にいろいろな面でハンディがあるというのをつくづく感じております。大学等との連携も,いろいろと大変な面もあると思いますし,マンパワーという点でもハンディがあると思っています。
今,私の学校はスーパーグローバルハイスクールと申し上げましたけれども,例えば申請書も報告書もかなりのボリュームで,働き方改革を言っている中で,授業をしながら,校務分掌をしながら申請書を書くというのは,本当にすごい労力でございまして,学校の中にそういうことに長けている人がいない限りは,また,それなりに人数がいない限りは,なかなか挑戦できないというのが,私は現実じゃないかと思っています。
 ですから,地方の学校は非常に小規模校でありますし,先生方の人数も少ないと。そうすると,頭から,そういう事業に申し込むことは考えにくいというところはあると思います。ですから,こういった地方の,更に地方にある普通科の学校というのは,それぞれ特色を出して一生懸命頑張ってはいますけれども,結局,大学にも行かないで,就職もしないということになると,高校を卒業した後に専門学校に行くということになっていくわけですね。そうすると,高校の3年間は何のためだったのかなと,私も小さな学校に勤めていたときには何度か思うこともありました。そういう意味で,普通科改革など学科の在り方について検討できるのは大変意味のあることだと思っています。
 そういったことで,誰一人置き去りにしないという言葉がありますけれども,予算のことやらマンパワーのことやらありますので,地方のまた地方にある学校も頑張れるような形になるように,議論ができたらいいなと思っています。

【渡邉会長】
 大変貴重な御意見をありがとうございました。
 それでは,先ほど申し上げましたように,次の議題もございますので,意見交換はこれまでとさせていただきます。
 委員の皆さまには大変貴重な御意見を頂き,これまでの働き方改革の答申をはじめとした今までの中教審の答申,あるいは教育再生実行会議の議論などとも連動する要素もあったかと思います。
 それから,今後の検討についても,幾つかの御意見をいただきました。今後,初等中等教育分科会を中心に審議を進めさせていただきたいと思いますが,御意見がありました特別部会等の位置付けも含めて,検討を進めたいと思います。引き続き御協力をお願いいたします。
 それでは続きまして,議題の(3)になりますが,新時代の学びを支える先端技術の活用推進方策(中間まとめ)について,事務局から御説明をお願いいたします。

【矢野大臣官房審議官】
 引き続き,私から御説明申し上げます。資料3-1をお開きいただければと思います。
 文部科学省といたしましては,昨年11月に公表いたしました柴山・学びの革新プランを踏まえまして,先端技術の活用方策の具体的な検討を進めてまいりました。当審議会の議論とも非常に密接な関わりがあると捉えております。今回,先月3月29日に,新時代の学びを支える先端技術活用推進方策の中間まとめを公表いたしましたので,内容の御説明を申し上げます。
 資料3-1の1ページをお開きいただきたいと思います。真ん中辺りに書いておりますけれども,ICTを基盤とした先端技術は教師本来の活動を置き換えるものではなく,子供の力を最大限引き出すために支援・強化していくと。これが基本的な考え方でございまして,子供の力をどう最大限引き出すかというのを実現していくということでございます。
 先端技術の効果的な活用を通じた「子供の力を最大限引き出す学び」の実現を目指す次世代の学校・教育現場につきまして,良質な授業・コンテンツの提供,校務の効率化,児童生徒の効果的な学びの支援,教師の経験知と科学的視点のベストミックスという観点から,その次のページ,2ページで具体的に提示しております。イメージ図でございますので,文科省が目指す次世代の学校・教育現場のイメージがここに書かれておりますが,その次のページ,3ページにありますように,ICTを基盤とした先端技術を効果的に活用するに当たり,ハード上・利活用上の課題を整理させていただいております。
 今回の中間まとめでは,このような課題を解決し,目指すべき次世代の学校・教育現場を実現するため,一番下の四角囲いでございますが,遠隔教育の推進による先進的な教育の実現,2,教師・学習者を支援するための先端技術の効果的な活用,3,先端技術の活用のための環境整備の3点を柱にして,方策をまとめたところでございます。
 まず1点目の遠隔教育ですが,4ページ目を御覧いただきたいと思います。左から,多様な人々とのつながりを実現するもの。その次,教科の学びを深める。一番右,個々の児童生徒の状況に応じた教育の実施。こういった場面場面における活用を通じまして,教師の指導や子供たちの学習の幅を広げる,あるいは,特別な支援が必要な児童生徒等の学習の機会の確保を図るという観点から,重要な役割を果たすと考えております。
 次のページ,5ページにお示ししております,これは文科省で調査を行ったんですが,希望する全ての学校が遠隔教育を活用できるよう,さらに,今後希望する学校が増加していくように,遠隔教育の普及に向けた具体的な施策として,様々な支援・助言が受けられる環境の整備や,遠隔教育特例校の創設といった実証的取組,SINETの初等中等教育への開放という3点の施策を記載しております。施策の具体的な内容は,次のページから7ページにかけまして詳細を記載しておりますので,御参照いただければと思います。
 ちょっと飛ばしまして,9ページをお開きいただきたいと思います。2点目の先端技術の効果的な活用についてでございますけれども,現在,学校現場におきましては,協働学習支援ツールやAIドリルなどの先端技術を導入している学校は,既に少なくない現状でございます。このような先端技術の活用を通じて教師や児童生徒を支援し,アクティブラーニングを推進し,学習指導要領が目指す資質・能力の育成につなげる必要があると考えております。
 そこで,現在学校現場で使われている先端技術とその効果の整理を行いました。それがこの図でございます。今後どのような場面で,どのような先端技術を活用することが効果的かについて,基本的な考え方を最終まとめ,今回は中間まとめでございますが,最終まとめで提示したいと考えております。
 次のページ,10ページにもありますように,一方で学校現場の先端技術の活用といっても,大変残念ながら,いまだ,何人かの委員から御指摘がございましたとおり,環境整備やデータ収集・分析そのものが不十分であるということを,文科省としても認識しておりますが,まずはこれを進めていくことが急務であると考えております。
 3点目の環境整備についてでございますが,文部科学省として「教育のICT化に向けた環境整備5か年計画」,これは今年から始まっておりますが,自治体における学校のICT環境整備の促進に努めているところでございます。11ページ,その次のページをお開きいただきますと,各自治体におけるICT環境は十分に整備が進んでいないと。諮問のときにも申しましたとおり,地域間格差が著しく生じていると。ここに書いてありますが,危機的な状況だと認識しているところでございます。
 今後,ICT環境整備を加速するために,その次のページにお示ししているように,世界最高速級の学術通信ネットワーク,SINETを,これは100ギガバイトというとてつもない大きさを持っているSINETというものでございますが,初等中等教育へ開放するほか,パブリッククラウドの利活用に向けた「教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」の在り方の検討,これを見直していくということでございます。
 ICT環境整備を安価に行うための具体策の提示。これは18ページに,安価な環境整備に向けた具体策の検討・提示というのを載せております。こういったものを今後,具体的に提示していく。あるいは,関係者の専門性を高める取組の推進という4点の施策を推進してまいりたいと考えております。具体的な内容は,13ページから19ページに詳細を記載しておりますので,御参照いただければと思います。
 今後これらの施策の更なる具体化を図り,6月に最終まとめを示していきたいと考えておりますが,先ほど橋本委員のお話にありましたとおり,そんなに時間はないと我々も認識しておりますので,しっかりと御支援を頂戴しながら進めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。

【渡邉会長】
 ありがとうございました。橋本委員や堀田委員,それから志賀委員にも先ほど御発言いただきましたが,ICTに関して,これから具体的に進めていくようですし,最後の方にありましたSINETの初等中等教育への開放というのは非常に大きい要素だと思います。これが現実化するならば,御意見頂いた内容に関しても,もう少し進展するのではないかと思います。本件について御意見・御質問等ございましたら,お願いいたします。
 堀田委員,どうぞ。

【堀田委員】
 これを進めていくときに,遠隔教育が1つ大きなポイントかなと思います。まず,遠隔教育で遠くにある良質なリソースを学校現場へ届けようとしたときに,現状の回線速度では,とてもじゃないけれどもできない現実があるので,そういうことができるようなインフラとしての回線速度の向上が必要であり,SINETへの接続には大きく期待をしています。
 一方で,遠隔教育というのは,遠方に相手がいる教育形態で,一対一とか,一対多とか,いろいろなことが考えられますけれども,遠隔にある良質なリソースを上手に学校現場から使えるという観点で考えれば,良質な学習動画などのコンテンツにアクセスして学ぶというような,必ずしも相手が人でない場合も今後は積極的に考えた方がいいのかなと思います。少し広めに枠組みを取って考えていくことが重要かなと私は認識しております。
 以上でございます。

【渡邉会長】
 ありがとうございます。
 事務局より補足の説明はありますか。

【矢野大臣官房審議官】
 正に今,堀田委員がおっしゃったことがポイントだと考えております。例えば6ページに,接続先のマッチング,指導面・技術面のアドバイス。コンテンツの提供先を独力で見付けてくるというのはなかなか難しいので,この接続先のマッチング,協力者や協力内容の一覧化,ポータルサイトの運営,問合せ窓口の機能ということを真ん中に書いておりますけれども,こういった手当てをしっかりとしていく,条件整備をしていく必要があるだろうと考えているところでございます。
 また,13ページ,遠隔教育について,ある程度の能力を持った線が必要だろうというのは,正に御指摘のとおりでありまして,13ページの上の右側の図を御覧いただきますと,青い線の部分は正に100ギガバイトの通信インフラが整備されているわけですが,いわゆるラストワンマイルというものですね。そこを,この赤い部分をどうしていくか,これが最大の今後の行政課題であろうと捉えているところでございます。
 以上でございます。

【渡邉会長】
 ありがとうございました。
 どうぞ,萩原委員。

【萩原委員】
 先日,徳島県の神山町というところへ行ってきました。サテライトオフィスがあるところで,正に徳島県は県として,回線速度とか,すごく設備がしっかりしているので,本当に東京とのやり取りが,「はーい」とか言うと「はーい」と返ってくるような状況なんですね。
 今,消滅可能性都市と地域活性化の話もここに入ってくるんですが,人を呼ぶといったときに,最後に問題になってくるのは教育なんですね。これからその教育をどうするかという話のときに,ICTをどう活用するかというのは非常に重要で,神山町の場合にはIT関連の方たちが結構入っているので,もう学校と連携を始めているということもあるので,地域活性化というところともすごくつながってくるところなので,そういう視点からも,この問題を議論していく必要があるかなというのを,先日実感してまいりましたので,ちょっとお時間を頂きました。ありがとうございます。

【渡邉会長】
 ありがとうございます。事務局より何か御説明ございますか。

【矢野大臣官房審議官】
 地域活性化というのは1つの大きなキーワードだと考えております。先ほども申しました6ページは,これは地方の学校,教育機関も当然入っていただくことになります。先日,東大の五神総長とお話をしましたけれども,正にそういったところに最先端のコンテンツを提供できるという意味で非常に画期的なもので,地方創生と申しますか,地方活性化という意味でも意義があろうと考えておりまして,しっかりとしたコンテンツと,しっかりとしたハードをそろえていく,ソフトをそろえていく,それが何よりだと考えております。
 以上です。

【渡邉会長】
 それでは,時間がまいりましたので,以上で本日の会議を終了させていただきます。次回の総会の日程につきましては,追って事務局から連絡させていただきたいと思います。
 本日はどうもありがとうございました。

─了─

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