検定試験の評価等の在り方に関する調査研究協力者会議(第6回) 議事録

1.日時

平成29年5月29日(月曜日) 10時00分~12時00分

2.場所

文部科学省15F1会議室(東館15階)

3.議題

  1. 検定試験の第三者評価について
  2. その他

4.議事録

【今野座長】
 皆さん、おはようございます。定刻となりましたので、ただいまから第6回検定試験の評価等の在り方に関する調査研究協力者会議を開催いたします。
 お忙しい中、お集まりいただきまして誠にありがとうございます。
 本日は、5月16日に公表された高大接続改革の進捗状況について簡単に御説明を頂いた後、前回に引き続き、検定試験の第三者評価について審議したいと思います。
 なお、報道関係者より、会議の全体についてカメラ撮影と録音したい旨の申出があり、許可しておりますので、御承知おきください。
 それでは、配付資料の確認を事務局よりお願いいたします。

【伊佐敷民間教育事業振興室長】
 それでは、お手元の資料の確認をさせていただきます。議事次第、座席表及び資料1、資料2をお配りしております。お手元にございますでしょうか。過不足ございましたら、事務局までお知らせください。

【今野座長】
 それでは、議題1に入る前に、高大接続改革の進捗状況について、高等教育局高大接続改革PT、濱口主任大学改革官より御説明をいただきます。よろしくお願いいたします。

【濱口主任大学改革官】
 御紹介いただきました主任大学改革官の濱口でございます。資料2に基づきまして、簡単に御説明を申し上げたいと思います。
 資料2のまず表紙です。ページ番号は打ってございませんが、それを見ていただきますと、全体カラー刷りで黄色、緑、青という資料がございます。総括的には高大接続改革の中身はいろいろなものがパッケージになっているという状況でございます。
 一番最初の、高等学校教育改革の最初のポツのところを見ていただければ分かりますけれども、学習指導要領から始まりまして、それから一番下の青、大学教育改革のところでは「三つの方針」の制度化というところまできております。これらそれぞれの進捗状況については、様々な進行のペースというものがありまして、対外的に見えているものは、学習指導要領の高等学校分については来年度の告示を予定しております。それから、高等学校教育改革の二つ目の柱のいわば教員の資質能力の向上の部分については、昨年の臨時国会で教育公務員特例法等の関係法律が成立してございます。
 残っている課題、これもいろいろありますけれども、マスコミを中心に報道されているものというのは、大きくいえば試験関係の部分でございます。それが本日御説明する三つの項目になっておりまして、一つは高等学校教育改革の部分の一番最後の矢印にもありますとおり、高等学校基礎学力テスト(仮称)(以下「基礎テスト」という。)という部分が一つ、それから箱でいうと緑の大きな二つ目の箱になりますが、大学入学者選抜改革の部分の大学入学希望者学力評価テスト(仮称)(以下「大学評価テスト」という。)改革が2点目、3点目が個別入学者選抜改革、これが3点という部分でございます。本日はこちらについて申し上げます。
 これらの基礎テスト、大学評価テスト、個別入学者選抜改革ですけれども、資料を1枚おめくりいただきますと、ページ1という部分が出てまいりまして、横紙になっていて恐縮ですけれども、これが基礎テストの検討の方向性でございます。
 全体的に申し上げますと、これら基礎テストあるいは大学評価テストは、6月末をめどとして実施方針の策定をする、いわばテストの骨格を作るということを目標にしておりまして、昨年末、高大接続システム改革会議が安西座長の下でありましたけれども、それ以降については非公開の立場で1年間を掛けて検討してまいりました。
 ここについて、その時々である程度の検討状況が整理できた段階で世の中にお知らせをするということをやってきておりまして、その1回目をやったのが昨年の8月末の段階でございます。今見ていただいている5月16日付けの部分というのはその2回目に当たる部分で、先ほど申し上げましたとおり、6月末に実施方針を策定・公表いたしますので、今回5月16日付けで配布しているものは、その一歩前の段階であるという感覚でお受け止めを頂ければと思ってございます。
 その上で基礎テストの横紙ですけれども、いろいろな議論がございました。根本の部分は変わっておりませんけれども、この横紙の一番上のところにもある「導入の目的・ねらい」という部分でございます。これについては、ここにもありますとおり、高校生の基礎学力の定着に向けて確実な習得と学習意欲の喚起をする。この中でどういうものを作るかということがずっと議論になってまいりました。
 その中の大きな論点は、右側の欄の赤字のところを見ていただければと思いますけれども、それのダイヤマークが付いている部分の特に二つ目です。端的に言えば、基礎テストというものを国が直轄してやるのか、民間を最大限活用してやるのか、ここをまずどうするかということが大きな論点で、現在の議論の方向性というのは、ここにもありますとおり、国が直轄でやるのではなくて、国が一定のスペック・要件を示して、それに適合する民間事業者、これは一つに限りませんが、多様なものが入ってくると思いますけれども、それを様々認定して、学校現場で活用いただくという部分でございます。
 なおかつ、特にこれは全国学力・学習状況調査とよく対比されますけれども、全国学力・学習状況調査の場合は毎年一定日時で実施しているわけですが、基礎テストはあくまでも学校の主体的な判断でどれを使うか使わないか、いつやるかやらないかということに関しては、学校の判断でやっていただくというものを構想してございます。
 そういうものですので、同じテストといっても大学評価テストと基礎テストは大きく性格が違っています。いわば、ガチガチのテストというイメージのものではなくて、あくまでも日々の指導をする、どこができているかできてないかということを振り返るための材料を提供するものですので、ここにもありますとおり、「高校生のための学びの基礎診断(仮称)」(以下「学びの基礎診断」という。)という名称が付いているということでございます。
 いずれにいたしましてもこれを使って、目標とするところは、赤字の一番下のところにもありますとおり、高校教育のPDCAサイクルを回していくということを目標にしているものでございます。
 右側の欄の一番下のところにもありますとおり、スケジュール的にはこれまでのスケジュールでいうと、平成31年度から試行的にやるということを言っていましたが、それを1年間前倒しをして平成30年度中の運用開始を目指して、今後、認定基準等々の詳細を検討していくということにしております。詳細な説明はいたしませんが、認定基準の主なイメージというのは、このページの更に後ろをめくっていただくと、2ページ目のところにある程度のイメージが、ポンチ絵になっておりますけれども、右側の欄に書いてございますので、これは後ほど御覧ください。これが、まず1点目の基礎テストの現在の検討状況でございます。
 それから、残り二つ、大学入学者選抜改革ですけれども、ページが飛んで恐縮ですが、8ページ目を御覧ください。これも横紙になってございます。ここの欄の下の方に大学入学共通テスト(仮称)(以下、「共通テスト」という。「共通テスト」とは、大学入試センター試験に代わるテストの名称であり、5月に公表された新テストの実施方針(案)に示されている。)の部分と個別入学者選抜の部分がございます。委員の皆様の中には、直接的に検討に加わっていただいている方々もおられますので、御案内だと思いますけれども、先ほど表紙の部分で見ていただいた高大接続改革の全体を貫く軸というのは学力の3要素の育成・伸長でございます。これを入学者選抜でもきちっと測っていく。
 特に共通テストの部分で論点が二つありますけれども、一つは記述式、正確には条件付き記述式といっておりますが、これをきちっと入れていくということと、それから英語の4技能の評価を推進するという部分がございます。条件付き記述式の部分につきましては、右側の欄、平成32年度以降入ってきますので、そこの具体的なところを見ていただきますと、箱の中に丸が幾つか付いてありますけれども、これについてはまず形態として大学入試センターが作問、出題、採点をする。採点については民間の事業者を活用していくということを考えてございます。
 当面入れるものは教科でいえば国語、数学でございますけれども、国語については80字から120字程度の問題を含め、3問程度入れていく。もちろんマークシートも改善をした上で残りますけれども、記述式も入れていくということになってございます。数学についても、数式あるいは問題解決の方略を問う問題を含めて、3問程度出すということになってございます。その他の教科につきましては、3番目の丸にもありますとおり、平成36年度から地歴・公民分野、理科分野等々でもこういうものを入れていくべく、今後検討を続けるということになってございます。
 報道にも以前出ておりましたけれども、国立大学においては国立大学協会の見解として、この共通テストを使いつつ、2次試験でも高度な記述式を課す方向で検討するということが言われているわけでございます。これが1点です。
 共通テストの二つ目が英語の4技能の部分でございますが、これは右側の欄を見ていただきますと、A案とB案と書いてございます。これはまだ結論をつけているわけではございません。両論併記の形で書かれてございます。
 何が違うかというと、A案でも、B案でも、大学入試センターが認定をした民間の検定試験を使うということになってございますけれども、平成32年度から、A案ではセンター試験としての英語を廃止して、民間試験の活用というふうに一挙に舵を切ってしまうか、あるいはB案のように、平成35年度までの間は今大学入試センターがやっている2技能、「読む」と「聞く」ですけれども、これをなお併存させるということを経過措置的に残すか。残した場合でも、ここにもあるとおり、それらをどう使うかというのは大学の判断になるわけでございますけれども、一挙に変えてしまうか、斬進的に変えていくか、ここの部分が両論としてございます。
 ここは今パブリックコメントを基礎テストも含めてやっておりますので、それらの意見を踏まえながら、あるいは関係団体の意見も踏まえながら、最終的に6月末でA案にするのか、B案にするのかということを決めていくことになってございます。
 ここも先ほど申し上げましたとおり、民間に対する認定というのを一定の条件のもとで大学入試センターがやりますので、これは一つの検定試験に限られるというものではなくて、幾つかの検定試験が入ってくるのだろうと思っています。その中の条件にはいろいろなものがあって、これは大学入学者選抜ですので、全国的な会場を確保できるか、あるいは学習指導要領との整合性があるかということを中心として、認定基準を詰めていくということを今後行っていこうと思ってございます。
 最後に個別入学者選抜改革、一番下の部分でございますけれども、ここの部分、問題意識のところは、左側にもありますとおり、学力の3要素を的確に評価する入学者選抜をしていく。なおかつ、早期合格による高校生の学習意欲の低下を招かないようにどうするかということの中で、毎年度関係者が集まって決めている共通のルールがありますけれども、これを改定していくことになってございます。
 具体的には、右の欄の一番下のところを見ていただければ分かりますとおり、AO入試・推薦入試においても、こういう小論文、プレゼンテーション、共通テスト等々いろいろあるわけでございますが、これらのいずれかをきちっと課していただくことを共通ルール化するというのが一つでございます。
 二つ目に調査書の改善というのがありますけれども、ここについても何を書くかということをある程度細分化してルールを決める。客観的にどういう活動をやってきているのかということを中心に書いていただくということを考えてございます。
 それから最後に、三つ目として出願時期ですけれども、AO入試の出願時期を1か月以降ずらす。あるいは合格発表時期についてもAOの推薦を少しずつずらしていって、高校生でいる間に合格が決まったら肩の力を抜くということではなくて、なるべく最後まできちっと勉強していただくということを狙いにして、こういう合格発表時期もずらしていくことをやるということでございます。
 いずれにいたしましても、政府のe-Govを見ていただければパブリックコメントを募集している点は載っていますし、あるいは本日お示ししているものは資料の抜粋版ですので、本体は大体参考資料も含めると100ページ以上の大部になってございますが、これは文部科学省のウェブページに載せておりますので、御関心に応じてまたそれらを御覧いただくなり、ダウンロードしていただければと思ってございます。よろしくお願い申し上げます。

【今野座長】
 ありがとうございました。せっかくの機会ですので、質問等ございましたら是非どうぞ。

【乾委員】
 1点お伺いしたいと思います。今回、高校側、大学入試の方も共に民間検定試験の活用が想定されているわけですけれども、そもそもの民間活用の目的についてお伺いできますでしょうか。

【濱口主任大学改革官】
 御質問ありがとうございます。民間活用する場合の狙い、目標というのは、大学入学希望者学力評価テスト(仮称)については今仮称が変わっておりまして、大学入学共通テスト(仮称)になっておりますけれども、共通テストのものと学びの基礎診断では趣が異なってございます。共通テストの場合は、特に英語の4技能の中でもスピーキングを中心として、現在、御案内のとおり、「読む」「聞く」ということをやっておりますけれども、試験日程が全体で2日間の中で、50万人以上の方々が一斉に受けるということがございます。これをスピーキングについて入れていくとなると、現在の体制ではなかなか難しいところがございます。
 これらの問題を解決しつつ、でも英語、今現在の学習指導要領でもそうですが、4技能をきちっと推進するということを考えていったときに、それを入学者選抜の部分でもきちっと確保していくことが必要になりますので、なおかつ民間の英語を取り巻く検定事業については、これまで長年の蓄積、社会的な定着もございます。これらの方々のお力を是非お借りしたいという部分が、共通テストでの民間活用の趣旨でございます。
 それから、一方で学びの基礎診断については、これは後ほどの資料でまた見ていただければと思いますけれども、なるべくコストを掛けずに、なおかつ民間と連携をしながらきちっとやっていくべきだというのが、基礎テストを検討する検討・準備グループの中でもいろいろ出された意見でございました。
 それらを踏まえて国が直轄でやるのではなくて、また国・数・英以外にも様々ございまして、表紙の部分にも書いているかもしれませんけれども、例えば専門校長会の方々がやっておられるようなものも様々ございます。そういったものも含めて活用していくことを考えておりますので、国直轄ではなくて、民間最大限活用型ということで考えている次第でございます。

【乾委員】
 ありがとうございます。

【今野座長】
 他にいかがですか。沖委員。

【沖委員】
 ありがとうございます。前半の方の学びの基礎診断絡みでお尋ねしたいのですけれども、こちら、特に資料ですと、1ページ目のところに「民間の試験等を認定するスキームを創設し」というのがございます。釈迦に説法ですけれども、ここで第三者評価に関する議論をしていて、今後、第三者評価の仕組みが出てきたところで、それをそのまま活用されることを想定されているのか、あるいはそれに準じたようなものを認定という形で考えられているのか。思ったよりも早く、平成30年度から実施ということになりますと、第三者評価機関を立ち上げるタイミングであるとか、それに対して国なりがどういうふうに管理をするのかということをお考えなのか、もし御案があるようでしたら教えていただければと思います。

【濱口主任大学改革官】
 御指摘ありがとうございます。現在考えております学びの基礎診断の認定基準のイメージというのは、沖委員から御指摘を頂いた1ページ目の裏をめくっていただきまして、余り詳しく説明をいたしませんでしたけれども、2ページ目のポンチ絵を見ていただきたいと思ってございます。
 これの青の方の右下半分のところに認定・基準等の考え方(イメージ)という、点線で囲われている部分がございます。現在、主に考えておりますのは、ここにありますとおりでございまして、読んでいただくと分かりますけれども、出題内容に係る基準・条件等と実施方法に係る基準・条件等と、大きくいうと二つに分かれてございます。そのまま読ませていただくような形で恐縮ですけれども、出題内容については、これも高校生の基礎学力をアップさせるということを目標にしますので、当然のことながら学習指導要領の対応ということは言わずもがな出てくる話でございまして、もう一つ重要なのは、その下のポツにもありますとおり、受検者の学習成果や課題について確認できる結果提供であると。これらを何らかの工夫をして行っていただくことが今後大きな話として出てまいります。
 その他実施方法についても、先ほど乾委員からも御指摘があった部分で、御説明を差し上げた部分に近い部分がありますけれども、学校に過度な負担が掛からない、あるいは継続的に提供できるといったことも出てございます。
 現在、中心的に検討を進めているのはこちらの部分でございますが、今、沖委員から御指摘があった、現在この会議において検討していただいていることとこういったものとをどう接合させていくのかということも一つ重要な論点と認識をしてございます。これらについてはまだ特に結論が出ているとか、何かということではありませんけれども、関係部局の中でも担当者ベースでは話を始めてございます。
 その上で、この検討会議の結果をどのように活用していくのかという部分については、委員の皆様方の検討の中身がどのようなものになっていくのかということとリンクいたしますので、当然、意識を持ちながら今後も検討させていただきたいと思っている次第でございます。

【今野座長】
 その他いかがでしょうか。どうぞ後藤委員。

【後藤委員】
 全国工業高等学校校長協会の後藤でございます。先ほどの説明の中で、今の話もそうなのですけれども、学びの基礎診断の科目の設定が国語・数学・英語と固定されるものではないという解釈で今捉えたのですけれども、それでよろしいのかどうかということ、基礎学力というのは学んでいる内容、例えば工業であれば工業の専門、商業であれば商業の専門とか、そういう形で専門科目の基礎学力という部分も捉えて、このテストの活用という部分に反映されていくのかどうか、その辺をお聞きできればと思います。

【濱口主任大学改革官】
 御質問ありがとうございます。この点については担当から説明させていただきたいと存じます。

【廣野高校教育改革PT専門官】
 基礎テストを担当させていただいております。先ほどの補足になりますけれども、まず教科・科目につきましては、今見ていただいているポンチ絵にありますとおり、高校における学びの成果を確認しながら、しっかりと指導の工夫・充実につなげていく取り組みに資する様々な測定ツールの開発・促進を進めていかなければならないという観点がございますので、そういう観点で申し上げますと、教科・科目が必ずしも国・数・英でなければならないという考え方にはならないのかなというところがございます。
 一方で、これまで高大接続改革を検討させていただいている中で、どういった教科・科目において始めるかというところから、国・数・英の共通必履修科目が示されてございます。まず、これからシステム、基準をどう作って、どれをどういうふうに活用・運用していくのかというところがございますので、まず教科・科目については、これまでの経緯を踏まえながら、どういったところから検討を積み重ねていくのかというところはございますけれども、御指摘いただいたとおり、国・数・英でなければならないということはないかと思ってございます。
 もう一つ、専門教科・科目の中でも、先ほど申し上げたとおり、オレンジ色で囲っている枠の部分、こういった活動に有益なものというのは、既に校長会等の検定を用いた取組等でも有効に機能しているものもあるだろうと思ってございます。ただ、学びの基礎診断の枠組みの中にどういう形で入っていけるのかということにつきましては、これから様々な関係者と御意見させていただきながら、内容としては定まっていくのかと思っているところでございます。
 以上です。

【今野座長】
 他の委員、いかがでしょうか。よろしいですか。
 それでは、濱口主任大学改革官、どうもお忙しい中ありがとうございました。貴重なお話しを頂きました。
 それでは、議題(1)に入りたいと思います。本日は、検定試験の第三者評価の方向性について事務局から御説明を頂き、それを踏まえて検定試験の第三者評価について、項目ごとに分けて議論したいと思います。前回は各項目にわたりまして、それまでの関連した意見を列記してまとめていただいて、議論をしました。関連して幅広く議論できたわけですけれども、今回はそれらも含めて各項目ごとの基本的な考え方を整理していただいたものでございますので、文言も含めて、内容等足りないものはないか等も含めて御議論を頂ければと思います。
 それでは、事務局から資料1の(1)評価の目的から(3)評価の頻度について、一括して御説明をお願いいたします。

【伊佐敷民間教育事業振興室長】
 検定試験の第三者評価の方向性についてということで、まず(1)評価の目的でございます。
 第三者評価によって、検定試験の信頼性の確保や質の向上が更に促進されることが期待される。
 また、評価の過程における様々なやりとりが結果として検定事業者に多くの気付きの点を与え、検定試験を「育てる」ために生かされることが望ましい。
 また、評価の実施を通じて検定試験の社会的な地位が一層向上して、検定試験のさらなる発展につながることも期待されるとしてございます。
 次に、(2)評価の対象でございます。評価の対象としましては、中教審の答申にありますとおり、「学習者の学習成果を測り、一定の基準に照らして合格・不合格の決定や達成した水準の程度を示すもののうち、法令等に基づかず、民間の団体が実施する全ての検定試験」が広く想定されるとしてございます。
 特に、企業・学校・地域等広く社会で活用されることが期待される検定試験や国の後援を受ける検定試験は、第三者評価を受けることを基本とすることが適当であるとしてございます。
 さらにこれに加えまして、公的な実施主体による資格試験等についても、ガイドラインを参考にしてもらうことが考えられるとしております。
 (3)評価の頻度です。こちらは中教審における指摘のとおり、3~4年に1回程度行うことを基本とすることが適当であるとしております。

【今野座長】
 ありがとうございました。説明は三つまとめていただきましたけれども、それぞれ御意見を頂きたいと思います。
 まず、(1)評価の目的のところではいかがでしょうか。柴山委員どうぞ。

【柴山委員】
 私がこの委員会でずっと主張してきたのは、民間の活力をそがないように、最低品質保証制度といいますか、最低品質という日本語を使うと変な感じなのですが、要するにミニマムリクワイアメントで、そのラインを押さえておけば、あとは民間の自由な活動にお任せするということが基本でした。
 それで、全体の案を読ませていただいて、その方向でまとめていただいているという点にまずお礼申し上げたいと思います。
 それとはある意味逆方向なのですけれども、評価の目的の最後のところに国際競争力を育成とか、伸長とか、そういうことも入れておかれた方が良いのかと思いました。と申しますのは、先ほどの濱口主任大学改革官のお話で、国の方で大学入試センターなども認定するというアイデアをお持ちなので、ハイステークスな部分に関してはそれでよろしいかと思います。それから、ローカルですね、グローバル化が進むと、ローカルなところが逆に価値を持ってくるといって、一時グローカルなんていう言葉で言っていましたけれども、そういった辺りの検定なども大丈夫だと思うのです。
 心配なのは英語でやれてしまう、例えば経済学や統計学などの試験ですね、これは英語の資格試験なども含めてですけれども、それがすごく国際競争にさらされると思います。そのときに、例えばISO認証なども、そういうテストに関する議論が始まっているというのも耳にしますので、その部分の競争力を伸ばしてあげるようなところもこの第三者評価の機構の役割、すぐにはできないかもしれないのですけれども、目標として視野に入れておくというのはいかがでしょうか。
 以上です。

【今野座長】
 ありがとうございました。今のお話に関連していかがでしょうか。これからは国内だけではなくて、国際的な競争力にさらされるような状況にもなるので、第三者評価でそうした力を伸ばすようなことにも資する、そういうものも視野に入れておいたらどうだろうかということでした。乾委員、どうぞ。

【乾委員】
 柴山委員の発言に関連してなのですけれども、国際的な競争力を高めるという部分と並列のような形であるのですけれども、今後、激しくなっていくであろう経済的な環境変化に対して柔軟に対応していく、そうした能力の開発に資するような検定を増やしていくという形の文言をこの中に入れれば良いのではないのでしょうか。必ずしも国際というものが特定の語学に関わるものではありませんし、この第三者評価そのものが将来の環境変化に対応できるような形で発展していく、そのような含みを持たせていくこともできると思うのです。

【今野座長】
 なるほど。国際競争力だけではなくて、様々に変化する環境に柔軟に対応できるような、あるいはそういうものに資するような視野というのも、そういう形で入れておいたらということですよね。分かりました。いかがでしょうか。ここの目的の関係で他にございますか。
 では、取りあえず次の(2)評価の対象の方はいかがですか。柴山委員。

【柴山委員】
 評価の対象の一番最後の丸ですけれども、「公的な実施主体による資格試験等」というのは具体的にはどういう試験を指しておられるのかということと、ガイドラインというのはこの検定試験の第三者評価機構が作られるのと並行して作られていくのかという、その辺りのスケジュール感も教えていただければと思います。

【伊佐敷民間教育事業振興室長】
 ここの「公的な実施主体による資格試験」といいますのは、例えば厚生労働省の技能検定ですとか、社内検定ですとか、そういったものを考えています。このガイドラインを参考にするというのは、今回この会議でおまとめいただいている自己評価、第三者評価のガイドラインをそちらの方でも参考にしてもらうことを考えています。

【柴山委員】
 このガイドラインですか。

【伊佐敷民間教育事業振興室長】
 このガイドラインでございます。

【柴山委員】
 分かりました。ありがとうございます。

【今野座長】
 ガイドラインのところは、もう少し説明があった方が良いですね。いきなりガイドラインというと、どのガイドラインかと思ったりもしますので。他にはいかがですか。
 では、私の方から。二つ目の丸なのですけれども、上の丸で全般的に自主的な判断で広く第三者評価を受けてくださいと書いてあって、特に入試とか企業で社会的に活用される場合には、多分一層求められますよということだろうと思うのですけれども、前回出ましたように、活用されるのは社会のいろいろな場所でやられるので、活用されているかどうか分からない場合も非常に多いということで、実際に活用される場合には基本として第三者評価を受けてくださいという趣旨だろうと思うのですけれども、それが分からないので、多分期待されるような場合となっていると思うのです。
 一つは期待されるという言葉で良いのかということです。検定をやる側からすると、そういうことを強く意図して実施しているものについては、基本的に第三者評価を受ける心構えでやってくださいと言った方が良いので、外から期待されるというよりは強く意図する場合には第三者評価を受けなさいとした方が良いのかと。期待という言葉はどうかと思いました。
 それから、「第三者評価を受けることを基本とすることが適当」と書いて、前の答申もそういう言い方だったと思うのですけれども、「基本とするのが適当」というのは少し曖昧な感じがするので、基本とするから必ず受ける義務があるというわけではなくて、いずれにしても主体的に受けるかどうかということなので、受けることが基本的に大事だと考えることが適当だとか、「基本とする」ということをもう少しクリアに書いた方が良いかと思いました。
 それと、その後の「ただし」以降のところですけれども、実際の活用状況の把握が難しいので、特定化するのが難しいとあります。これから対象範囲については検討すると書いてあって、それはそうだと思いながらも、実際に活用されたかどうかで判断するとすれば、いつまでたっても難しいのが残るのではないでしょうか。先ほども言いましたけれども、主体的に是非幅広く活用されることを目指して運営している検定試験なので、積極的に第三者評価を自ら得たいと思うようにしてくださいみたいな、そのようなところで書いておかないと、後で検討すると言ってもなかなか大変かとも思ったりするのですけれども、その辺りいかがでしょうか。

【萩原委員】
 今、座長がおっしゃった丸2のところですけれども、「さらなる検討が必要である」というと、この先にまた何か更に考えていくということになり、何かプロセスの途中段階のような感じがして、ここはもう少しはっきり言い切った方が良いのかという気がしています。国の後援を受けている検定試験は第三者評価を受けることを基本とすると言い切っても良いですし、望ましいとか、言い切った方が良いかと思います。「さらなる検討が必要である」というところは、もう少し表現に工夫が必要な気がします。ここが一番気になったところです。

【今野座長】
 他の委員、いかがですか。事務局から何かありますか、ここのところでは。

【伊佐敷民間教育事業振興室長】
 「さらなる検討」とすると、曖昧な感じがするというのはおっしゃるとおりだと思いますので、今、御提案いただきましたように、「企業・学校・地域等広く社会で活用されることを意図する検定試験や国の後援を受ける検定試験は、第三者評価を受けることを基本とすべきである」という表現としてはどうかと思います。

【今野座長】
 柴山委員どうぞ。

【柴山委員】
 これは資料1のタイトルが「第三者評価の方向性について」ということですので、その辺りは「さらなる検討」という言葉で残しておかれてもよろしいかと思います。余り縛ると、この後また議論があるわけですよね。この会議が終わった後も別の会議で。そこで更にいろいろ検討された方が良いのではないかと思ったのですけれども、いかがでしょうか。

【今野座長】
 ありがとうございます。片桐委員どうぞ。

【片桐委員】
 評価の対象の丸1の一番最後のところ、「検定事業者は、自らの判断により、積極的に第三者評価を受けることが強く期待される」と、ここでまず一つ強くうたっているわけです。その中で、今度2番目の「特に、企業・学校・地域等広く社会で活用されることが期待される検定試験や国の後援を受ける検定試験は、第三者評価を受けることを基本とすることが適当である」とありますけれども、委員の皆様方がおっしゃっているように、この辺では言葉の表現としては弱いと思うのです。
 ですから、最初の「積極的に第三者評価を受けることが強く期待されることを踏まえて第三者評価を受けることが望ましい」と、直接簡潔に出された方が良いのではないかと感じます。表現的には少しもたついた表現なのかと。言っていることは非常に明快なのですけれども、この場におきましては強く出された方がよろしいのではないかと感じました。

【今野座長】
 他いかがですか。それでは、いろいろな意見が出ましたので、また改めて引き続き検討していくということにしたいと思います。
 (3)の頻度はどうでしょうか。これはここだけ答申の指摘どおりと書いてあるけれども、他も大体答申の指摘どおりのところが多いので、あえてそこは要らないかと思いました。他どうでしょうか。頻度、大体3~4年に一度という意見が多かったようでした。よろしいですか。
 それでは、次、(4)(5)(6)と三つお願いしましょう。

【伊佐敷民間教育事業振興室長】
 (4)評価の負担の適正化です。小規模な検定事業者でも受けられるように、評価の費用の軽減を図るなど、第三者評価に係る経済的負担や事務負担には十分配慮が必要です。このため、実地調査を伴わない書類審査のみによる簡易版の評価も可能とすることが適当でございます。
 他方で第三者評価が事業として成立するためには、多くの検定事業者に積極的に受けてもらえるような工夫が必要です。
 (5)評価主体・評価者です。民間の多様な主体が特色のある第三者評価を実施し、検定事業者がその中から第三者評価機関を選択できることが本来的には望ましいとしております。
 評価者として、組織・運営に関する評価については会計と法令の専門家を、また、試験問題に関する評価についてはテスト理論の専門家や当該分野の専門家などを必要に応じて含めることが適当であるとしております。
 第三者評価機関により、評価者に対する研修が行われると共に、評価者が一定の知識を得たことを示すことが必要でございます。また、評価内容に偏りが生じないように、属性が多様な人々を評価者として選ぶことが望ましいとしております。
 (6)評価内容・項目です。大きく分けて「運営・組織に関する項目」と「試験問題に関する項目」に分類できます。特に「試験問題に関する項目」については、前回の会議でもいろいろ御意見を頂いたところですが、一律に実施を求めるのではなくて、その実施の有無は、第三者評価機関及び検定事業者の判断によるものとするのが適当であるとしております。
 説明としては以上でございます。

【今野座長】
 ありがとうございます。それでは、(4)のところからいきましょうか。評価の負担の適正化という項目で御意見いかがでしょうか。乾委員。

【乾委員】
 (4)の前半部分で、実地調査を伴うか書類審査のみかというところで2種類、フルセット版と簡易版が想定されております。一方で、後半では、運営に関わる部分と問題の内容に関わる部分という評価対象に当たる分類もございます。例えば運営に関わる部分だけれども、実地調査を伴うといったケースも想定されます。ですので、簡易版としては書類審査のみと入っておりますけれども、ここについては多様な形での実施が想定されるのではないかと考えますが、いかがでございましょうか。

【今野座長】
 ありがとうございます。いかがですか。簡易に評価する場合でもいろいろなやり方があるだろうということでした。実地調査をやるやらないだけでなくて、多様な在り方も可能になるように構想しておいたらどうだろうかということだろうと思います。林委員。

【林委員】
 今の部分なのですけれども、フルセット版で評価した場合と、簡易版で評価した結果というのが二つ出てくると思うのですけれども、その二つというのは等価で考えてよろしいのですか、同じものとして。その辺がよく分かりません。

【今野座長】
 どうですか。フルセット版と簡易版で全く同じと認めて良いのか。

【伊佐敷民間教育事業振興室長】
 これからの検討になるかもしれないのですが、平成28年度に行った特定非営利活動法人全国検定振興機構の委託調査においては、フルセット版については評価段階を一番上にS評価というものを設けて、Sであれば学校や企業等において積極的に使うことが可能であるという評価にしたのですが、簡易版の場合は一番上の段階をAとして、学校や企業で積極的に使うことが可能であるといったこともあれば、単に検定試験として運営などが的確であるといった評価にしておいたということで、一段低い評価になっていたという経緯がございます。

【今野座長】
 簡易版でも基本的に重要な事項はカバーしている。フルセット版の方はもっときめ細かにいろいろな側面をということですので、等価というと違うかもしれないけれども、必要な条件は確保しているということで見て良いのではないでしょうか。
 いかがでしょうか。柴山委員。

【柴山委員】
 今のお話だと優劣がつく感じがしますので、企業側からすると、まずい分類ではないかと思います。
 それで、例えば使われる目的によって、それが適合しているかどうかという話ですから、例えばですけれども、大学入試などで使われる場合ならその分類で、そうではなくてもっと興味・関心といった感じのところで、趣味みたいなところで第三者評価を実施するときには、また別の分類というふうにしても、優劣をつけるのではなくて、分類で枠を設けられて、そこに応募したら、その結果Sですよとか、その結果Aですよというふうにされた方が良いのかと思います。ただ、これも方向性の議論の中では少し細か過ぎる話かとは思いました。
 以上です。

【今野座長】
 趣旨、目的に応じて少し分類分けをして、その中での区分だという印象が強くなるようなことも考えなければいけないかもしれませんね。
 他はいかがでしょうか。小嶺委員。

【小嶺委員】
 (4)評価の負担の適正化の二つ目の丸なのですけれども、ここは「多くの検定事業者に積極的に受けてもらえるような工夫が必要」と書いてあるのですが、ここの内容は少し桁が違うのかと思って、ここだけに係ることではなくて、全体に係ることなので、あえてここで書くことなのか。書くのであれば、もう少し負担の適正化に係る部分についての工夫のことを書いた方が良いのか。全体像と結果が少し違うような気がいたしました。
 以上です。

【今野座長】
 そうですね。指摘としては多くの人に参加してもらいたいというのは全体に関わるようなことですから、どこか場所を考えた方が良いかもしれません。(4)はよろしいですか。
 では、(5)にしましょうか。評価主体・評価者、ここではいかがでしょうか。柴山委員。

【柴山委員】
 何度もすみません。一番下の丸なのですけれども、その最後の文章です。「また、評価内容に偏りが生じないよう、属性が多様な人々を評価者として選ぶことが望ましい」というのは意味が取りにくくて、これは不公平とか不公正とか、あるいは利益相反などを防ぐために様々な評価者という意味で書かれているのか、その辺りが私には読み取りにくかったのですが、いかがでしょうか。

【今野座長】
 いかがですか、事務局のコメントをお願いします。

【伊佐敷民間教育事業振興室長】
 評価内容に偏りが生じないようにということで、組織・運営であれば、会計とか、法令ですとかいろいろな分野の専門家を入れることが必要になりますし、試験問題に関する評価で申し上げれば、問題について特定の考え方の人だけではなくて、様々な考え方を持つ属性の多様な人々を入れるということが必要ではないかと考えております。

【今野座長】
 柴山委員。

【柴山委員】
 そういたしますと、これは研修の内容を書かれているので、研修内容とか属性が多様な人々を講義する人に選ぶとか、研修内容に絞られた書き方にされた方が分かりやすいかと思ったんですが。

【今野座長】
 その辺りも少し含めて検討してみてください。
 他はいかがでしょうか。片桐委員。

【片桐委員】
 評価主体・評価者の丸1のところでございますが、表現が少し不具合な感じがしたので、提案させてもらいたいのですが、その2行目でございます。「民間の多様な主体が特色のある第三者評価を実施」と。ここでは第三者評価を実施してもらうということを言いたいと思うのです。ですので、ごろ合わせが少し不自然に感じたので申し上げているのですが、「民間の多様な主体がある」というか、この辺の言葉の表現がすんなりいかないのかなという感じがしたのです。そこで言っているのですけれども、この表現ですね、「民間の多様な主体が特色のある第三者評価」と。この辺、検討いかがでしょうかと思ったのです。

【今野座長】
 ありがとうございます。そこと関連してなのですけれども、民間の多様な評価主体で様々実施してもらいたい、それが本来的に望ましいとあるのですけれども、行く先々はそうだとしても、当面どうなのかということがなくて良いのかと思うのですけれども、そこまでは良いのでしょうか。
 場合によっては、将来的にはいろいろなものが多様に出てくるのが望ましい、それを選択できれば良いと思うのですけれども、当面これから始めるところなので、どこかに実施してもらわなければいけないと思うので、当面は実績のある非営利的な、あるいは公共的な団体に、支援するところは難しいでしょうね。そういう団体との連携を図りながら実施してもらうようにすることが必要だみたいな、分かりませんけれども、先々のことだけで良いのかというだけなのですけれども、そのことも含めて(5)はいかがでしょうか。どうぞ萩原委員。

【萩原委員】
 少し細かい話になります。二つ目の丸の「組織・運営に関する評価については会計と法令の専門家」と言い切っているのですけれども、例えばここは検定事業の経験者、例えば、既に現職でない方とか、いろいろな方も入ってくると思うので、ここは「など」と入れていただきたいと思います。また、その下の「試験問題に関する評価についてはテスト理論の専門家や当該分野の専門家などを」ということで、「など」という言葉が入っているのですけれども、これは意見ですけれども、当該分野の専門家というのが本当にいるのかと思ってしまいます。検定事業者は、それぞれ特色を出しながら検定をやっています。私たちは日本語検定を実施していますけれども、私たちは、日本語の運用能力を6つの領域別の能力と定義しており、それらを測っています。そのように規定しております。そうするとそのような専門家と言った場合、日本語といっても外国人に教える日本語の専門家もいますし、当該分野の専門家というのは現実にはいないのではないかと思います。
 ただ、「など」と書いていますから、そういう専門家が存在する検定試験ももちろんあると思いますが、気になりましたので、意見として申し上げました。

【今野座長】
 ありがとうございます。柴山委員。

【柴山委員】
 今の萩原委員の御意見はそのとおりだと思います。それで、当該分野の専門家というところに、例えば有識経験者という言葉を付けられて、そのテストの関連の方を目安にされるというのはいかがでしょうか。

【今野座長】
 いかがでしょうか。では、今出た意見も含めて、また検討していきましょう。
 それでは、(6)にいきましょうか。評価内容・項目についていかがですか。乾委員。

【乾委員】
 (6)の2番目、「検定試験の試験問題に関する項目」について、正に今、萩原委員がおっしゃった当該分野の専門家に直結する内容であるかと思うのですけれども、必ずしも内容に関わる評価というのを行わないという選択肢もあり得るのではなかろうかと考えます。
 といいますのも、今回、第三者評価の目的というのは信頼性の担保と質の向上という形になっております。受検者から見た場合にそういった第三者評価による信頼性が最も必要になるのが、例えば新しい検定であったり、環境変化に応じて変更されている検定だったり、あるいは1分野に複数検定が存在しているようなジャンルと思われます。
 そして、そういった新しい分野であったり、複数検定が存在する分野でありますと、客観性が担保できるようなディシプリンそのものが存在していない、若しくはディシプリンを正に当該団体のところで確立していかれようとされている状態になります。
 そうなると、原理的に、試験問題の内容に関わる評価というのは非常にしづらいのではなかろうか。もちろんディシプリンが確定されている中で、高校教育に先ほどのような形で活用を考えていらっしゃる目的での評価というのと、もともとの信頼性アップに資するための評価というのは異なってくると思うのですけれども、今回の内容に即していうと、試験問題そのものの内容に対する評価を実施するしないという、特にしない方の選択肢というのを大きく考えるべきではなかろうかと思います。

【今野座長】
 前回も随分そこのところの議論が出て、多分この原案は、4行目に「一律に実施を求めるのではなく」、その下に「第三者評価機関と検定事業者の判断による」となっているので、必ず第三者評価機関でやるわけではなくて、お互いの中でやりましょうといったときだけに道を開くという感じになっているので、乾委員が言われたようなことも含まれているのかと思いながらいました。柴山委員。

【柴山委員】
 今の乾委員の御指摘はすごく重要かと思います。と申しますのは、これは認可制度ではないですよね。新しい試験を立ち上げるから、これをやらせてくれというのをどこかの機関に許可を求めるわけではないので、その辺りの部分は余りきつく縛らない方が良いのではないかと私も思います。意見です。

【乾委員】
 そういう意味では先ほど柴山委員がおっしゃった評価の負担のところであったりとか、あと当該分野、(4)(5)に関わるところ、目的ごとに分類されるというところで言いますと、目的の名前は今でてきませんが、内容まで関わるフルセット的な目的のタイプと、あとは内容は関わらない目的のタイプみたいな、そういうタイプ分類といったものが明確にできていれば、分かりやすく運用できるのかと考えますが、いかがでしょうか。

【今野座長】
 あるいは説明として全部やらなければいけないというわけではないというのを少し強めにはっきりと書いた方がより良いかもしれません。後藤委員どうぞ。

【後藤委員】
 大体同じなのですけれども、実施しないという選択ではなくて、ここに書かれているような一律の実施を求めるのではなく、その有無について判断ができるような道筋、そして乾委員も言われたように、分類とか枠で考えていくという枠組みだけは残した方が良いかと思っています。

【今野座長】
 その他いかがですか。

【乾委員】
 すみません、自分ばかりで。もう1点の観点としては、(4)の二つ目、「第三者評価が事業として成立するために」というところにも関わってくると思いますけれども、こちらでいうと、非常に多くの検定事業者が実施してもらわないと第三者評価事業自体がなかなか成立しにくいのかと考えます。
 3~4年に一度ということですと、例えば対象が三、四百検定という形で初めて年間で100検定の実施になります。1検定当たり幾らぐらいの評価のギャランティーになっていくのかなかなか分からないですけれども、仮に50万円であったり、100万円であったりという形であったとしたら、それぐらいの規模がないと事業としてもなかなか成立しづらいということを考えると、どちらかというと内容面の評価というのは、内容面に対する第三者評価もできると。スペシャルバージョンでそういったこともできるという形でないと、対象となる検定団体が非常に限定されてしまう恐れがあると思うのですが、いかがでしょうか。

【今野座長】
 ありがとうございます。なるべく幅広い参加を得られるように、書き方も、あるいは分類の仕方も少し工夫をしていく方が良いですね。そうだと思います。他どうでしょうか。
 あと、私の方から二つ目の丸で、検定試験に関してこう考えられるが、2行目ですけれども、「個々の試験問題の評価には多大な労力と費用を要すること」から「一律に求めるのではなく」とつながっているのですけれども、確かにとても大変だからというのはあるのですけれども、何か言うときに、一番最初にお金が掛かるからというのが理由にくると、何となく違うような感じがして、試験問題の在り方については専門の事業者の独自の専門性とか今までの経験があって、そういうものを尊重したいとか、そういう前向きの理由があって、その後、お金も掛かるしねというのだと、のみ込みやすい気がするので、そういうことはどうでしょうか。

【柴山委員】
 先ほど改革案の御説明の中にありましたように、この第三者評価が関わってくるところで一番厳しいのは、学びの基礎診断かと思います。そのときにいろいろな教科があって、その教科の内容の数、学習指導要領、これは大綱的なものとは言われますが、かなり縛りがきつくて、その辺りを認定するとかしないとかの判断を厳密・公正にできる仕組みは多分第三者評価機構の中には作れないと思うのです。
 ですので、その辺りも、例えば今やられているのは多分国立教育政策研究所や大学入試センターといった、その辺りが主体になっていると思うのですけれども、そこの部分はそちらにお任せしてみたいなフレキシブルな組み方をしておかないときついかと思います。ただ、乾委員のおっしゃっている問題の内容はまた別の意味をしているのか、その辺は分からないのですけれども、以上です。

【今野座長】
 乾委員。

【乾委員】
 柴山委員のおっしゃったところで、ではということなのですけれども、各問題の内容についての項目は、確かに、共通テストや学びの基礎診断で検討されているものと、こちらで検討しているものとはかなり内容は違ってくると思います。一方で組織・運営面については、例えば財務的な側面であったり、あとセキュリティ情報、個人情報等も含めて、非常に共通性が高いのではないかと思うのです。であれば、例えばこちらのところでもう少し組織・運営面の評価項目を積み上げて、広く使っていただけるような評価スキームにしていく、そこを目指していくという方向性もあり得るのではないでしょうか。

【今野座長】
 いかがですか。よろしいですか。
 では、取りあえず次にいきましょうか。(6)までやりましたので、(7)以降ですね。説明をお願いします。

【伊佐敷民間教育事業振興室長】
 (7)評価結果の公表でございます。評価結果はまず自己評価と同様に4段階で示すことが考えられ、改善点も併せて記述することが重要であるとしております。
 また、評価結果は、検定事業者と共に第三者評価機関においても公表することとし、国においても、第三者評価の活用に関する広報などに努めることが適当です。
 (8)自己評価との関係と評価結果の反映です。検定試験の評価は自己評価が基本であるが、第三者評価を実施し、それに基づいて検定試験の改善を行うことで、検定試験のPDCAサイクルの質を一層向上させることが重要です。
 (9)国の関わりです。国は、第三者評価事業を後援することや事業環境の整備、そして結果を受検者等に公表するための場を提供することが考えられます。
 以上です。

【今野座長】
 それでは、(7)結果の公表のところではいかがでしょうか。御意見ございますか。沖委員。

【沖委員】
 私の意見も反映させていただいているようで大変有り難く思っているのですが、2番目なのですけれども、お役所文章になっていて、主語がよく分からなくなっています。最初は「事業検定者と第三者評価機関が公表することとする。」で、1文で終わるような気がするのですが、その上で「国においても、結果について周知を促進する」。その際に「も」でくくっていったときに、「公表する」の上の文章も国にかかっているのかどうか。
 さらにその後の「第三者評価の活用に関する広報に努めることが適当である」とつながっているので、まず検定事業者と第三者評価からみて、ここに書かれている「すべきこと」は三つありそうなのですけれども、これは全部やるということなのか、下の残りの二つは国だけに課されている話なのか。内容面でよく分からないので、もし分かれているのであれば、思い切ってこれは二つに分割した方が分かるかと思いましたので、この読み方について教えていただければと思います。

【今野座長】
 いかがですか。

【伊佐敷民間教育事業振興室長】
 まず1番目は、評価結果は検定事業者が公表すると。また、第三者評価機関も公表するということです。
 2番目以降は国の話になってきて、「国においても、検定試験の受検者・活用者への周知を促進するとともに、第三者評価の活用に関する広報に努めることが適当である」となっていますので、検定事業者と共に第三者評価機関においても結果を公表するというのがまず一つと、その後、「国において、この検定試験の受検者・活用者への周知を促進するとともに、広報に努める」となっております。なので、1行目、2行目で切れています。

【沖委員】
 ありがとうございます。それでしたら、多分主語が明確に違うような気がするので、分けた方が良いかと思います。
 実はそれに関連して、今のところは、特に国の役割として最後のところに、「第三者評価の活用に関する広報に努めることが適当である」ということですけれども、(9)国の関わりの最後で「第三者評価の結果を受検者等に公表するための場を提供する」ということで、これも多分、公表絡みの話の国の役割のように読めます。とすると(9)の文章を上に持ってくるか、あるいは(7)の後半部分、広報絡みの話を下に持ってきて、国の関わりについて全部まとめて書くか、いずれにしても何を国がするべきなのか、あるいは期待されていることは何かについて、一覧のような形で明確に整理された方が分かりやすいかと思いました。これは内容というよりは書き方の問題だと思いますので、工夫していただければと思います。お願いします。

【今野座長】
 ありがとうございました。他はいかがでしょうか。
 では、(8)にいきましょうか。自己評価との関係と評価結果の反映。
 それでは、(9)国の関わり。先ほども出ましたように(7)と重複があるので、少し整理をしたらということがありましたけれども、その他書いておくべきことで何か抜けているところがあるかもしれません。いかがでしょうか。柴山委員どうぞ。

【柴山委員】
 これもこの会議の中で以前少し議論があったと記憶しているのですが、第三者評価の機関自体を立ち上げるときに誰がそれを評価するのかとか、それは前にも書いてありましたように、多分、複数あるのが本来的には望ましいと思うのですけれども、それが走り始めた後、更にメタな部分というか、マクロの部分でその機関自体がしっかりと動いているのをチェックする仕組みをにおわせるような文言を国の関わりの中に入れておかれるのも必要かと思ったのですが、いかがでしょうか。

【今野座長】
 いかがでしょうか。新しくできるであろう機関に対して、何らか国としても関わるような機能を持っていた方が良いのではないか、あるいはそういうことをテーマとしてのせておいた方が良いのではないかということですよね。検定事業者の事業をチェックしてくれる第三者評価機関がこれから大切になるということを言っているわけですけれども、それ自体についての何らかの質保証みたいな、あるいはチェック機能が何らかある必要があるかもしれませんね。

【柴山委員】
 大学評価で評価機関が幾つかありますから、そういうものをヒントにしたような仕組みのようなものがあればよろしいかと思っています。もっとも、そこまで大層にしなくても良いとも思うのですが。

【今野座長】
 ありがとうございます。その他はいかがでしょうか。片桐委員どうぞ。

【片桐委員】
 先ほど柴山委員がおっしゃったような国の関わりとしまして、ガイドラインの適用による円滑に運用されるようなバックアップ体制も必要とされるとか、そういった面でのはっきりとしたバックアップ体制も文言として入ったらよろしいのではないかという感じがします。

【今野座長】
 ありがとうございます。乾委員どうぞ。

【乾委員】
 こちらは(7)の後半部分により強く関わることなのかもしれませんが、国が活用者に対してどのように広報するのか、活用に関する広報をする際の方針といったものを書いておいた方が良いのかと考えます。
 といいますのも、実際、第三者評価というのは、例えば受検者に対して、この検定を受けていれば大丈夫というような形を保証するものではありませんし、むしろそういうことをしてしまったら、逆に今、促進されようとしている主体的な学びというものも阻害される結果になってしまいます。ですから、「内容が自分のキャリアにどう生かされるかというのはあくまで自分で考えてね、でも、あなたが選ぶこの検定は、そのためにしっかり運営されていることは保証しますよ」、そんな広報の方針になっていくかと思います。
 そこで、「そういう意味合いで判断基準となる内容を、公表しています」という形の広報の方向性をこちらに記載すればがより良いのではないでしょうか。

【今野座長】
 その辺りも少し具体に考えて、記述できる部分は記述していきましょう。他はいかがでしょう。
 そうしましたら、どこでも結構ですけれども、今まで言い残したところ、あるいは改めて気がついたところで、全体を通じて何か御意見ございましたらお伺いします。
 よろしいでしょうか。本日初めていろいろ具体の議論をした部分もございますので、またお気付きの点は事務局に適宜御意見を頂ければと思います。
 それでは、様々な御意見をいただきましてありがとうございました。本日お示しいただきました御意見を踏まえて、次回の会議において検定試験の自己評価及び第三者評価のガイドラインについて議論を進めていきたいと考えております。
 事務局で今後の話をどうぞお願いします。

【伊佐敷民間教育事業振興室長】
 次回の会議は6月末の開催を予定しております。具体的な日程や会場などにつきましては、改めて事務局から御連絡をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
 なお、本日の資料につきましては、机上に置いていただきましたら、後日郵送させていただきます。
 連絡事項といたしましては以上です。

【今野座長】
 ありがとうございました。
 それでは、本日はこれで閉会とさせていただきます。お忙しいところ御出席いただき、ありがとうございました。

―― 了 ――

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民間教育事業振興室 民間教育事業第一係