【資料2】第1回検討会議(5月13日)における主な意見

資料 2


1. 基本的方向性

○  専修学校は、産業構造の変化に柔軟に対応してきたというところに大きな価値がある。
○  2010年から専門学校進学者は増加しているが、リーマンショックによる家計の問題を背景として、その中で、短期高等教育機関の中では、専門学校が選ばれつつある状況にある。
○  出口が見えやすいことは、専修学校の特色。他方、専修学校は学校数自体も多いため、底上げと見える化をどのように進めていくかが課題。
○  実践的な職業教育を行う新たな高等教育機関の創設に向けた議論が進められているが、産業・労働環境が大きく変化し続ける中で、専門学校の役割もさらに重要であることは疑いがない。新しい制度ができることを契機に、専修学校の振興策を幅広く検討していくことは、時宜を得ている。
○ 専修学校教育の振興については、「人材養成」、「質保証・向上」、「学習環境」を大きな視座として捉えつつ、質保証・向上を中心にして、関係施策を連携させて考えるべき。
○ 専修学校教育の振興策の展開に当たっては、「下支え」の取組と、「とがった」取組と、両面の観点から取組を進めるべき。「とがった」取組としては、日本の専修学校についての海外展開なども考えられる。

2. 専修学校教育の人材養成機能の向上について(人材養成)

(産学連携)
○  分野間の連携の視点も必要(例えば、美容と福祉との連携等)。そこから新たなビジネス展開の可能性も生まれる。
○  専修学校による職業教育は8分野で展開しているが、大くくりだと画一的に語りにくい面もあり、実態に応じて、細分化した対応も求められる。産学連携により、その質の向上を進めていくことが必要。
○  実践的な職業教育ほど、労働力需要との接続が必須。このため、教育プログラムの段階から労働力需要側と密接に話し合いながら教育プログラムを設計していく職業実践専門課程の仕組みは優れており、この延長上に専門学校は展開してほしい。
○  大学においては、何を学ぶかという履修主義から、何ができるようになったかという修得主義へという流れにあるが、専修学校においても、何ができるようになったかを社会に発信していくことが必要。
○  地域の活性化・イノベーションを起こす中核人材を専門学校等が育成し、地域の発展策につなげていくということを、国として支援するという体制が必要。

(社会人学び直し)
○  社会人になった方々の学び直し、実践的な学びを深めて行くための受皿の確保の必要性について、企業からの声が強い。学校における教育と企業における人材養成とはどうしても溝があり、そこを埋めていくことが必要。
○  大学全入時代にあって、専門学校としての特色化を図るため、自校では、大卒生、社会人経験者を積極的に受け入れている。また、(正規課程だけではなく、)附帯教育の分野で学んでいる学生も多い。
○  社会が大幅かつ頻繁に変動する中、日本全体として人のスキルを上げていくために、社会人が学び直しにより、ミッドキャリアの中でどのようにして能力を高めていくかが改めて重要になる。個別の企業で対応できない分野・内容について、求められるスキルを分解しつつ、学校において体系的なプログラムで学べるようにすることが重要であり、その際に、身の軽い専修学校の役割は大きく、学び直しにおいて、どのようにして専門学校の能力を生かしていくかが大事なポイント。

(留学生)
○  日本で高度な職業教育、実践的な教育を学びたいという学生が圧倒的に多い。
○  日本の専門学校で留学生を受け入れて、教育をして、日本で働けるような道を開いていくことが必要。在留資格について、介護について広がる見通しがあるが、他の分野にも今後広げていくべき。
○  日本の文化や職業のあり方のアジアへの展開なども含め、専門学校の質の保証と海外発信を進めていくこともあるのではないか。

3. 専修学校教育の質保証・向上(質保証・向上)

(専修学校についての理解・認知度向上)
○  高校生等への情報発信の仕方が重要である。(専修学校による)情報公開のための手引きの作成はすばらしい取組。高等学校においては、「進路の手引き」等で発信しているところもある。情報を集約して伝えていくことが重要。
○  高校現場における進路指導においては、まず大学へという指導が行われているという現実の中で、どの専門学校においても、学生募集が厳しい状況になってきている。他方、専門学校側も、大学との違い等について議論したことはなく、国家資格合格率以外の指標(卒業生の現場での評価や卒業後の活動・収入状況等)はほぼないような状況である。
○  専修学校と高等学校等との連携という部分を形作ることにより、教育の質を高めていけないか。
○  高等専修学校について、特に若手の中学校等教員の認知度が低い。教職課程の中に専修学校設置基準についての学習を盛り込み、また、現職教員研修において、教育制度(大学編入学制度等を含む)についての学習を必修にしてほしい。

(職業実践専門課程)
○  実践的な職業教育ほど、労働力需要との接続が必須。このため、教育プログラムの段階から労働力需要側と密接に話し合いながら教育プログラムを設計していく職業実践専門課程の仕組みは優れており、この延長上に専門学校は展開してほしい。【再掲】
○  職業実践専門課程の成果の検証と発信が必要。
○  職業実践専門課程について、高校生・保護者・企業等の採用担当者に対する認識の広がりについて、まだ十分ではないのではないか。

(質保証・向上の更なる充実)
○  情報公開など質保証について、専修学校は外からは見えづらい部分があり、変化の早い中で、どのように情報をきちんと発信していくかというところが求められている。
○ 分野別の質保証及び学校としての質保証が求められる。
○ 大学においては、何を学ぶかという履修主義から、何ができるようになったかという修得主義へという流れにあるが、専修学校においても、何ができるようになったかを社会に発信していくことが必要。【再掲】

(質保証・向上の基盤支援)
○  教育をする側の教員の資質能力の向上も改めて課題になってくる。いろいろなレベルで研修が行われていると承知しているが、産業界の要請を受けながら教育の改革を続けていけるよう、資質能力を支える施策も考えていくべき。
○  専門分野の専門性だけでなく、チャレンジ精神や忍耐力など、非認知的な部分を高める教育も、産業界から人材養成の要請がある分野であり、そのような教育の開発支援も進めていく必要があるのではないか。

4.学びのセーフティネットの保障について(学習環境)

(高等課程・専門課程における修学支援のあり方)
○  修学困難な専修学校生の修学支援について、具体的な方策を見出したい。
○  経済的に修学困難な専門学校生に対する経済的支援に取り組まなければ、日本は、本来の先進国、リーダー国にはなれない。
○  情報公開など、質向上に向けた取組と絡めながら、都道府県単位あるいは学校間連携により、経済的に修学困難な専修学校生に対する経済支援・修学支援を進めていくことが必要。
○  学びのセーフティネットの保障について、高等課程について大阪府は支援が手厚い。大阪府をモデルにしたい。
○  大阪府は、高等課程では経済困窮世帯が他県に比べても多く、手厚い支援を行っている。他方、専門課程について、国による専門学校生への効果的な経済的支援の在り方に関する実証研究事業は受託しているが、大阪府独自の経済的支援については、高等課程に対する充実した支援を重視しているのが現状。

(障害者差別解消法等に基づく振興策)
○   最近の傾向として、乳幼児期に手のかかる子が増加している。また、特別支援が必要な子供たちの高校後の進路については、就職は厳しい状況であり、かつ、受け入れる学校も少ない状況である。そうした子供たちが、社会に出るまでにどのような生き方を付けて社会生活を営むことができるのか、どのようなセーフティネットを設けていくのかといった点は、専修学校の中においても大切な部分。

(災害共済給付等)
○  高等専修学校について、日本スポーツ振興センターの保険加入が実現していない状況であり、実現が課題。

以上

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文部科学省総合教育政策局生涯学習推進課

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