これからの専修学校教育の振興のあり方検討会議(第4回) 議事録

1.日時

平成28年8月22日(月曜日)15時30~17時30分

2.場所

経済産業省別館2階 227各省庁共用会議室

3.議題

  1. 審議経過報告(案)について
  2. その他

4.出席者

委員

浦部  ひとみ   東京都立青井高等学校主幹教諭、東京都高等学校進路指導協議会事務局長
大井川  智明  日本商工会議所企画調査部担当部長
小方 直幸     東京大学大学院教育学研究科教授
黒田 壽二     金沢工業大学学園長・総長、日本高等教育評価機構理事長
小林 浩       リクルート進学総研所長、リクルート「カレッジマネジメント」編集長
小林 光俊     学校法人敬心学園理事長、日本児童教育専門学校校長、全国専修学校各種学校総連合会会長
今野 雅裕     政策研究大学院大学教授
清水 信一     武蔵野東高等専修学校校長、全国高等専修学校協会会長、全国専修学校各種学校総連合会常任理事
寺田 盛紀     岡山理科大学教授、名古屋大学名誉教授
吉本 馨       大阪府教育庁私学課長 

文部科学省

有松  育子 生涯学習政策局長
下間 康行 生涯学習総括官
里見  朋香 生涯学習政策局 政策課長
岸本  哲哉 生涯学習推進課長
白鳥  綱重 専修学校教育振興室長
星川 正樹 専修学校教育振興室室長補佐 
牧野 浩司 専修学校教育振興室専門官

5.議事録

【黒田座長】  皆さん、こんにちは。所定の時間になりましたので、ただいまより、これからの専修学校教育の振興のあり方検討会議を始めたいと思います。今回は第4回目であります。本日は台風の中お集まりいただきまして、ありがとうございます。台風の関係で、河原委員、小杉委員が欠席ということになっています。前鼻委員は飛行機の調整で遅れているということでありますが、時間に間に合うかどうかちょっと分かりませんので、始めさせていただきます。
   本日も報道関係者より写真撮影と録音の申出がございますので、委員の皆様におかれましては御承知の上、御発言いただきたいと思います。
初めに事務局に人事異動がありましたので、紹介をお願いいたします。
【白鳥専修学校教育振興室長】  事務局内の人事異動につきまして紹介をさせていただきます。7月に着任いたしました生涯学習総括官の下間でございます。
【下間生涯学習総括官】  下間でございます。よろしくお願いいたします。
【白鳥専修学校教育振興室長】  以上です。
【黒田座長】  今後ともよろしくお願いいたします。
   続きまして、事務局から本日の配付資料の説明をお願いいたします。
【白鳥専修学校教育振興室長】  議事次第の1枚紙がございます。そちらに配付資料を書いてございます。資料1といたしまして、審議経過報告(案)。資料2が今後の予定について(案)というものでございます。併せて参考資料を配付しております。また、前回の会議資料は机上資料にございます。
   以上でございます。
【黒田座長】  よろしいでしょうか。
  それでは議事に入りたいと思いますが、議題の1つ目であります。審議経過報告(案)について今日は御審議いただくことになっていますが、これまで本会議において皆さん方より頂戴いたしました意見を審議経過報告としてまとめていただいたものであります。既に委員の先生方には御確認をいただいているということでありますので、御協力ありがとうございました。これらの御意見を踏まえたものを本日審議経過報告(案)として配付させていただいております。そこで、本日の会議の進め方でありますけれども、審議経過報告について文言の修正があるかないかの確認をさせていただきます。もし時間があるようでしたら、後に今後の課題を御審議いただくということでありますが、今後の課題としては9月以降の会議において本格的に議論を進めていきたいというふうに思っていますので、本日は文言の修正のみということで審議経過報告をまとめていきたいというふうに思っております。
   それでは,事務局から資料1について説明をお願いいたします。
【白鳥専修学校教育振興室長】  資料1をお手元に御準備いただきたいと思います。今審議経過報告の案ということでございまして,大きく項目立てといたしまして,はじめに,そして基本的方向性・具体的施策という大きな柱の下で、これまで3回行ったこの会議における先生方の御発言・御意見を整理させていただいたものということでございます。
   まず1ページ目ですけれども、1つ目はじめにということでございます。専修学校制度については学教法の改正ということで制度化された後の話としまして、特に進学率についてもリーマンショック後の状況から増加に転じたといったところなどは、リクルートの小林委員からの御指摘なども頂きました。こうしたことも踏まえて、現在この検討会議を進めており、特にその中で新しい高等教育機関の議論もあるということでの御紹介でございます。
   次の2ページ、こちらが基本的方向性です。こちらは、まずは専修学校についてということで、その制度の概要等を中心にまず冒頭整理をしております。特にこれは、これまでの会議で専修学校についての理解・認知度向上の論点の中で特に御意見をいただいた箇所でございますけれども、全体に関わる内容ですので冒頭に紹介させていただくという形の整理としております。
   最初の専修学校制度の概要のところは、座長の御指摘の中にもありました各種学校との関係も含めた整理ということでございまして、もともと各種学校からスタートして専修学校制度ができているということも含めて、併せて専修学校制度の概要、特にほかの学校種との関係も含めた制度の概要を整理しております。
   それに引き続きまして専門学校の特徴それから高等専修学校の特徴ということで、それぞれデータを記載させていただいていることに加えまして、次の3ページの最初のパラグラフですけれども、これもリクルートの小林委員より、特に高校生から見た専門学校の特色といったところなどのデータも御提供いただきましたので、そちらを掲載させていただいております。特に「知識・技術を実際に活かせる力」というところが特色だということでございます。
   高等専修学校についても、高等専修学校協会の調査もこちらの方で引用させていただくとともに清水委員からの御指摘も踏まえて、高等専修学校の特色を3ページから4ページに掛けて整理をさせていただいております。
   それから次の5ページになりますが、これは全体の振興策の基本方針ということで整理をしております。今回のこちらの会議におきましては、3つの柱の下で議論・検討を行っていただいております。5ページの一番冒頭にあります「人材養成」・「質保証・向上」・「学習環境」、この3つの柱の下でいろいろ御審議を頂いております。また最初の会議で小方委員より、この3つの柱を基軸としつつも、特に「質保証・向上」の視点を中心にして、この3つの柱については相互に関連付けながらの施策展開というのが必要であろうという御指摘であったり、また底上げ支援それからフロントランナー支援といったような施策の振興策の進め方においても、どういったターゲットを前提にしているのか、想定しているのかといったところを明確にしてはどうかということの御指摘を頂きましたので、そちらを整理しております。
   それから、5ページの一番下のところに専修学校教育の価値の再確認というふうにございます。これまで特に個別の論点を基軸にしながら御議論いただいておりますけれども、更に専修学校制度あるいは専修学校教育というもの自体がこれからの時代の中でどのような役割を果たしていくべきか、その専修学校の価値を改めて問い直し確認した上で、これからの振興策をしっかりと位置付けていく必要があろうという大きな御指摘をこちらの方に整理をしております。
   引き続きまして、6ページからになります。こちらが具体的施策ということであります。この中で大きな冒頭に申し上げました、そしてまた先ほど申し上げました3つの柱というものに沿って整理をしております。6ページのところにございますのは、人材養成の中で特にその後に続きます本文の内容について概略をまとめたものが6ページの四角で囲ってある中の記述でございます。ここでは視点としまして、産学連携・社会人の学び直し、留学生・グローバル化といったような整理をさせていただきまして、その中でこれまで先生方から御意見を頂いた事項を整理させていただいております。産学連携につきましては産学連携の体制づくり、そして産学連携による教育手法の確立、社会人の学び直しにつきましてはその促進についての具体的展開、それから企業による支援について。それから、留学生・グローバル化については留学生施策と、あとは国際通用性の確保といった点でございます。
   以下7ページ以降、本文が続いております。
   7ページをお開きいただきますと、まず1つ目産学連携の枠組みの中では、産学連携の体制づくりということでございます。上から3つ目のパラグラフのところが、これは小杉委員から御指摘いただきました。特に産学連携の体制づくりにおきましては、プログラム策定の段階から労働力需要側の意見を取り入れる取組が重要だといった御指摘。それからその次のパラグラフにつきましては河原委員から御指摘いただきましたけれども、特に分野ごとに学校そして産業界そして行政機関との連携体制の構築、その下で教育内容の改善充実を進めていくことが重要だといった御指摘でございました。こうしたことをベースにしますと、産学連携体制の構築は極めて重要だということで、特に産学官による組織的、機動的かつ持続可能な連携体制づくりに向けた支援が求められるということでございました。
   8ページの方ですけれども、2とありますのが産学連携による教育手法の確立ということで、これは専修学校の小林委員から特にデュアル教育に関わりましてメリットの明確化といったところを対象別により意識して進めていくことが必要だという御意見でございます。そして、それに関わりまして論点としては職業実践専門課程の文脈の中での御意見ではございましたけれども、寺田委員から特に企業の方に出ていっての実習だけではなくて、学校の方に企業の方が入っていただくような連携の在り方あるいはそうした教育手法の在り方というところもあるので、そうしたところもしっかりと進められることを期待したいといった御意見を頂きましたので、併せてこちらの方に整理させていただきました。
   それから、社会人の学び直しの視点ですけれども、3にありますのは社会人学び直し促進の具体的展開。ここの辺りは非常に多くの御意見を頂いたところでございます。専修学校の小林委員からは、特に生産性の向上というものが大変重要だといった御指摘。そしてまた専修学校における学び直しというのが地域産業の振興に寄与し、地方創生の推進にもつながるといったような視点を頂いております。
   その次の9ページからは、様々なデータなどを活用させていただいております。特に小杉委員から頂いたデータなどは対応させていただいておりますけれども、企業規模の特色、また年齢層の特色、また正社員かどうかといったところの特色の中での学び直しニーズに関しての御指摘でございました。その次の丸にありますところは、今のデータに関わってのところですけれども、併せて後段にありますのは今野副座長から御指摘を頂きました。特に専修学校については大学等と比べても学び直しの受皿としての役割可能性が大きいといったことで、そこにより着目した推進策、社会人の学び直しの推進策を講じていくべきだ、特に専修学校の中でも専門学校につきまして附帯事業についても、そこの部分が社会人の受皿、学び直しの受皿としては期待される、といった御指摘でございます。
   その下にありますパラグラフは、特に河原委員から御指摘いただきました。社会人の学び直し環境の促進という部分においては、非常に多様な学び直しニーズにいかに応えていけるかといったことで、その部分についての国の支援が必要だという御指摘でございます。
   9ページから10ページに掛けてのところもこれも小杉委員から頂いたデータを活用させていただきつつ10ページ2つ目のパラグラフのところですけれども、特にこうした産学連携体制ということで、先ほども出ておりましたけれども、こうした体制作りの中で、しっかりと企業と学校がつながっていくということ。そして、取組が全体の産学連携体制の中でもしっかりと還元されながら、しっかりと現場レベルでの産学連携の取組にもつながっていくといったような社会人の学び直しに向けた好循環というものを導き出す成功モデルを築いていくということが求められるという御指摘を河原委員などから頂いておりますし、その次のところでは体制作りと併せて、具体的に社会人の方が学びたいと思ったときに、どこの学校に行けばどのような内容の講座があるかといったところが分かるような形、容易にアクセスできるようなもの、ポータルサイトなどによってそうしたことが容易にアクセスできるようにしていくことが必要だといった御指摘も頂きましたので、そちらも書かせていただいております。
   それから11ページです。11ページには4としまして、企業による支援に関わっての事項でございます。こちらは特に学び直しの障害要因として何が多いかというところで、特に時間とお金が自己啓発の主たる障害要因となっているというデータの御紹介でございます。
それから、ここに関わりまして例えば厚生労働省におきましては、企業が労働者に対して職業訓練を計画する場合に、そしてまた、それに沿って実施した場合に一部助成金が出るといった枠組みもありまして、こうした枠組みも含めて、より多くの企業が学び直しの促進を進めていけるような環境を整えていくというところも大変重要だといった御指摘でございます。
   それから併せまして、厚生労働省におきましては専門実践教育訓練給付金という部分についての展開もございます。ただ、こちらについては職業実践専門課程についても、指定講座として今多く認定されておりますけれども、実際の社会人の学び直しというところについてはまだまだ課題が大きいということも含めて、実際に社会人の方により効果的に周知するにはどうしたらいいか。あるいはどのような形で展開すればより社会人にとって魅力ある講座展開となるかといったところについては引き続き検討が必要だということの御指摘でございます。
   12ページの上にありますのは、特に社会人の学び直しに関わりまして、eラーニングに関わっての御指摘で、特に介護福祉など厚生労働省の様々な指定養成施設のいろいろな基準については、eラーニングについては課題があるといったところの御指摘です。これは前鼻委員から頂きました。
   それから次の項目です。留学生・グローバル化、5のところにつきましては留学生施策についてです。1つ目のところにありますのは約3万9,000人の留学生が専門学校に在学しているといった最近の状況、加えてベトナム・ネパールなどの非漢字圏からの留学生も多いといった状況であります。こうした事態に対応しまして、質・量ともに充実した教育体制を整備していくことが急務だといったことでございます。そのために日本の専修学校制度、そして職業教育等についての周知発信を積極的に進める。これはリクルートの小林委員などからも御指摘いただいております。こうしたところを積極的に進めていくといったことの他に、例えば留学生向けのポータルサイトを設置する。そしてまた専門学校側が受け入れ体制をしっかり確立していくといったことに加えまして、特に出口保証の部分について寺田委員をはじめ多く御指摘を頂いております。国内企業とのマッチング、就職支援なども含めつつですけれども、こうした就職までしっかりと結び付けていくといったことの重要性も御指摘いただきました。
   以下のパラグラフにつきましては特に在留資格の関わりの中で多く御意見を頂いたところになりますけれども、このページからその次のページに掛けまして、特に専修学校において在留資格あるいは日本国内で職を得て定着していくといったことについては、それを具体的に進めていくためには各分野の特色なども踏まえつつ、日本国内の専門学校における学習とその後の国内での企業等での一定期間の就労といったことがどういった教育的意義があるかといったところを更に積極的に検討して発信していくことも必要ではないかというところの整理をさせていただいております。
   6につきましては国際通用性の確保、特に職業教育といったことに関わりましてであります。専修学校に限った話では当然ございませんけれども、こうした部分について大変重要な課題だということの御指摘を、寺田委員そして黒田座長からも頂いております。
   以上が人材養成の枠組みであります。
   次の14ページからが質保証・向上に関わってでございます。この枠の中に書いてあります、特に視点としましては職業実践専門課程・教育体制の充実、それから専修学校についての理解・認知度向上でございます。職業実践専門課程については今後の在り方といった大きな方向性。それから2にありますのは職業実践専門課程を基軸とした質保証・向上の更なる充実といったことです。教育体制の充実につきましては、特に教職員の資質能力向上についての御指摘でございます。理解・認知度向上につきまして4にありますのは専修学校についての積極的な情報発信のあり方について。5については特に専修学校からの発信について。6につきましては専修学校への進学に関する自主的なルール作りの必要性。7については高校等の教員への専修学校の理解促進の取組ということです。
   15ページ以降、今概要に沿った部分で内容について簡単に補足いたします。15ページです。職業実践専門課程、まず1、今後のあり方ということです。最初の2つのパラグラフは現状とデータを付させていただいております。3割ぐらいの学校において今、職業実践専門課程が認定されているという状況です。
   それから、特に効果検証の必要性について御指摘を頂きました。前鼻委員からは御自身の学校における取組の効果ということも含めて、特に学校運営・教育活動の組織的な改善につながっているといったような御指摘を頂いております。併せまして、教職員の理解そして指導力の向上にもつながったといったような効果も見られます。
   その次の未認定の学校についての状況については、専修学校の小林委員からの御指摘でございます。
   そのような中、特に企業そして高校現場に職業実践専門課程を周知し理解していただくための取組が必要だということでございますが、そのためにも効果検証を行いながらしっかりと発信していくという意味合いにおきまして、16ページの方に移りますけれども、寺田委員から御指摘いただきました。特に効果検証におきましては職業実践専門課程としてどのような人材が輩出できたかといった観点が重要だということであります。職業実践専門課程につきましては、この3月に認定課程の2年制課程の卒業生が初めて出たといったところもありまして、その卒業生の調査といったところもしっかりと見ていく必要があるという御指摘でございます。
   それから、その次の次の職業実践専門課程の位置づけという見出しのところでございます。今、効果検証などしっかりと実態調査を継続的に行うべきということの御指摘がございましたけれども、併せて職業実践専門課程自体をどのように位置付けていくか、どのように再定義して位置付けていくべきか、その制度の在り方について検討を進めることが必要だといったようなことでございます。また、その関連論点として1年制課程の扱いというところも併せて検討課題だということの御指摘でございます。
   その次の2でございますけれども、職業実践専門課程を基軸とした質保証・向上の更なる充実ということでございます。特にこれは前鼻委員から御指摘いただきました。認定を受けている専門課程につきましては、具体的に公開様式も設定されているということも含めてより進んだ情報公開が進められる枠組みとなっている。他方で先ほどのように3割が認定課程ということでありますけれども、全般的に見ますと学校評価そしてまた情報公開、こちらについてはなかなか課題が多いというところが御指摘としてございました。そのような意味で、16ページから17ページに掛けましてでございますけれども、学校評価・情報公開の充実に向けた取組というのが質保証・向上の文脈の中で大変重要だということでございます。
   大井川委員からは専修学校の団体における自主的な指針についての御紹介もいただきました。専修学校の方でも具体的に取組充実に向けて取組をしていただいておるわけでありますけれども、併せて最後のところにあるのは前鼻委員から、個々の専修学校自身による自助としての質保証・向上の取組を進めることも急務だといった御指摘でございます。
   また職業実践専門課程の在り方にも直結しますし、また質保証・向上ということにも直結いたしますけれども、第三者評価の活用の在り方といったところも大変重要な課題だといったことでありまして、引き続きの検証、検討を進めるべきだという御指摘でございます。
   その次の教育体制の充実ということで、3にありますのが教職員の資質能力向上の推進でございます。特に小規模な学校が専修学校の場合は多いといったこと。そしてまた、そもそも質保証・向上を支えるのはやはり教職員であるといったことから、そこのところについての研修の在り方ということについて御指摘を頂いております。
   18ページの2つ目の丸にございますけれども、その中身としましては教員の指導法に関する事項であったり学校運営に関する事項、特に専修学校が個々に当然ながら対応するわけですけれども、ただ専修学校全体として専修学校の教職員が共通的に理解して対応すべきミニマムスタンダードと言えるような事項についての研修体制の構築といったところが重要だろうといったことの御指摘でございます。特に指導法に関する事項と書いてあるところの中には具体的には実際の授業展開の在り方といったところ、こちら河原委員から御指摘がございました。そして、併せまして大学生等と比較して専修学校生については比較的課題だとされているところ、今野先生からこちらについては非認知的な能力という用語の御紹介がありましたけれども、このような能力についての育成も重要な視点ではないかというところでございます。
   その後、関係しまして最後のところの丸のところでは、河原委員からの御指摘で、特に実務者出身の教員が多いといったところの中で、企業文化等の違いを踏まえてしっかりと専修学校の教員として指導力を発揮していただく、といった観点からもこうした研修についての必要性が高いといったところの御指摘でございます。
   それから、18ページの下ですけれども、理解・認知度向上。こちらは冒頭、専修学校の概要のところでも申し上げましたとおり、幅広く御意見を頂いたところでございます。特に4にあります積極的な情報発信ということに関わってでありますけれども、まず18ページの一番下にありますが、これは今野委員から御指摘いただきました。情報発信についてはしっかりとターゲットを明確に意識して戦略的に考えることが必要だという御指摘でございます。
   それから、19ページです。特に2つ目の丸のところにありますけれども、専修学校関係者自身がどのような視点、どのような観点で高校・中学校の現場に伝えていくべきかといったところについては、しっかりと学校自身による振り返り、そしてまた地域の高校・中学校との連携促進というのが大変重要だといった御指摘、これは前鼻委員から頂いたわけでございます。相互理解といったところが、そうした絡みの中で御指摘を頂きました。
   また、今野委員からはその次のパラグラフの中にありますけれども、その連携の中では、特に行政機関についてもしっかりと関わっていく必要があろうということと、併せて全般的に御意見を頂きましたきましたのは、高校生あるいは中学生自身が、しっかりと自分自身で専修学校の実態について肌で感じるような機会を作り出していくといったところも重要だという御指摘がございました。
   また、様々な情報発信につきましてはデータに基づき具体的に示していく必要があるといったことと、情報を集約して発信していく必要があるといったところ。今野委員ならびに浦部委員から御指摘を頂いたところでございます。
   また20ページのところでございます。2つ目の「なお、いうまでもなく」のパラグラフですけれども、理解・認知度向上というのは大きな課題ではあるんですけれども、その前提として質を伴った教育実践を各専修学校で行っていただくということが前提として不可欠だという御指摘を、今野委員からいただいております。これに関わりまして、リクルートの小林委員からは特に大学における状況を踏まえつつの御指摘でありますけれども、学校で何ができるようになるかという習得主義という視点が大変重要だという御指摘も いただいております。
   それから5のところです。専修学校からの発信のあり方ということで、特にここでは学校訪問の御指摘を頂いております。どのような観点で発信していくべきかといったことについての御指摘であります。
   21ページの方に移らせていただきますと、一番上の方にありますように専修学校のよさをしっかり伝えていくためには、ほかの学校種との違い・特色といったところも明らかにしていくこともいいのではないか。また、マスコミにも広く取り上げられるような工夫の仕方というのも必要だろうという御指摘でございます。
   また、リクルートの小林委員からは、その次のパラグラフにあります専修学校全体の価値をどのように見せていくのかということと、個別の学校の価値を社会とどのようにつなげていくのかということを整理しながら取組を進めていくべきだということの御指摘でございます。専修学校全体の価値をしっかりと高めていくということが、1つはこちらの検討会議の大きなテーマになってくるわけでありますけれども、そのことと併せて個々の専修学校の取組実践、すぐれた実践ということ、そしてそれを個々の学校により発信していただくこと。こうしたことが重要な柱となりながら両輪となって専修学校の振興策につながっていくんだという御指摘であると理解しております。
   その次の21ページの6ですけれども、専修学校への進学に関する自主的なルール作りの必要性ということでございます。特にアドミッション・オフィス入試、いわゆるAO入試につきまして御指摘がありました。特に大学におきましては国によって入学者選抜実施要項といった形で、具体的なルールが定められているわけですが、各都道府県の認可である専門学校につきましては各都道府県において専修学校の団体による自主ルールが定められているところでございますけれども、ただこうした状況も個々の高等学校の現場には必ずしも伝わっていないということも御指摘としてございました。そのような中で、専門学校と高校生がSNSを介して直接つながっていく。そのような中で、高校現場が知らない状況の中でどんどん進学先が決まっているといった状況などの御指摘もあります。
   他方で専門学校側もAO入試を含めて、早期に入学を決定された生徒さん向けに入学前の学習セミナーなども展開していただいているといった御指摘もございました。このような状況も含め、高校と専修学校の間でしっかりと共通理解を持てるような場、具体的には透明性を確保していくといったような場の設定、そうした関係者の統一的な見解を持つような取組というのが大変重要だろうといった御指摘でございました。
   それから最後の22ページですけれども、専修学校の理解・認知度向上に関わりまして、中学・高校の教員先生方に専修学校についてよりよく理解していただけるような取組、特に研修等においてそうした理解を深めてもらうというところが重要だという御指摘を、清水委員他から頂きました。
   それから、最後の23ページです。学びのセーフティネットの保障ということで学習環境についてですが、視点が3つあります。経済的支援、教育基盤整備、3つ目が多様な学び・教育の実現です。経済的支援につきましては、特に就学困難な専門学校生に対する授業料減免等の在り方に関してです。教育基盤整備につきましては耐震等の関わりも含めた教育基盤の整備支援についてでございます。多様な学び・教育の実現について1つは個に応じた多様な学びの機会の保障、2つ目がインクルーシブ教育システムの実現といったことに関わってのものです。
   以下本文の方ですけれども、23ページの下にあります。経済的支援につきましては、まずは専門学校生についての経済的支援のあり方検討という見出しですけれども、現状といたしまして、まずは高等課程の状況について御紹介をさせていただいております。高等学校等就学支援金など高等学校生と同様の支援が、高等専修学校生については一定程度実現している。
   この関係で、24ページの方になりますけれども、大阪府におきましては独自の補助制度により手厚い支援を行っているという御指摘が吉本委員、それから清水委員から御紹介がございました。他方で、専門学校につきましては、特に大きな枠組みというのが国においては示されてない、具体的にはないということの中で、その支援の必要性について浦部委員、それから専修学校の小林委員他から御意見を頂きました。現在、授業料減免等に関わりましては、国による実証研究事業が進められておりますけれども、こうした取組も踏まえつつ、具体的に専門学校生特に経済的に就学困難な専門学校生に対する経済支援の実現ということについての御指摘でございます。
   その次の項目は教育基盤整備ということでございます。現在国におきましては、教育基盤の整備といったことに関わりまして、施設設備の整備に対する補助金の実施というのを行っております。特に24ページから25ページに掛けてのところですけれども、具体的にはそういった取組の重要性に触れつつ、今年につきましては平成28年熊本地震の発生を受けて、ここに関わっての支援の実現の必要性ということで整理をさせていただいております。併せまして、地震により被害を受けた建物の復旧支援ということだけではなくて、学生さんの御自宅が全壊なり半壊されている学生さんもいらして、そうした場合は家計が急変しているといったことの中で、その支援の必要性もあるといったところについてもこの中で併せて関連項目として整理させていただいております。
   25ページ、最後の項目です。多様な学び・教育の実現ということで1つ目、多様な学びの機会の保障ということでございます。清水委員からは、特に高等課程に関わっての御紹介という中でございましたけれども、学割であったり高体連への加盟であったり、特に学ぶ学生・生徒の目線に立って、その多様な学び・教育の実現に向けた課題の解決に向けて、いろいろ取組を進めてきたといった御指摘と併せまして、現状としまして学校管理下における不慮の事故を救済する上での制度的な課題があるといった御指摘がございました。
   それから、一番最後のところはインクルーシブ教育システムの実現ということで、今年4月から施行されておりますけれども、障害者差別解消法の施行など障害者の支援ということに関わりまして様々な体制が動いております。そのような中で、専修学校については特に高等専修学校につきましては発達障害の可能性がある生徒さんも含めて、比較的多く在籍、在学していらっしゃるといったことの中で、その支援についての工夫を行っていただいているという現状。それから、専門学校においても今後しっかりと特に合理的配慮というものが求められておるわけですけれども、そうしたものへの対応の必要性ということも指摘されておりますので、こうした専修学校における取組促進に向けた支援が必要だということでございます。
   なお本文は以上でございますけれども、今の本文の内容を概略としてお示ししたものとして、概要というもを次の次のページから3枚にわたりまして付けておりますので、併せてごらんいただければと思います。
   説明は以上でございます。よろしくお願いします。
【黒田座長】  ありがとうございました。
それでは、今事務局から説明がありましたことにつきまして、項目ごとに確認を進めていきたいと思います。なお先ほどもお話ししましたけれども、きょうは審議経過報告案をまとめていきたいというふうに思いますので、具体的な修文・意見ではなく新たな課題等についての御意見であれば、審議経過報告の議題が終わった後に時間があれば、きょう後半にその時間を設けたいと思います。また具体的には9月以降の会議において発言をいただくということにしたいと思っております。
   それでは項目ごとに順番に行きたいと思いますが、まず「はじめに」と1の基本的方向性について、お気付きの点がありましたら御発言をお願いいたします。清水委員。
【清水委員】  ありがとうございます。3ページの高等専修学校の特徴のところで残念な報告になってしまいますが、生徒数4万人を何とか最近は維持できていたのですが、平成28年度の学校基本調査の速報では3万8,000人に戻っている現実があります。今皆さんで議論していただいている振興の加速というのが必要なところであると思いますので、この部分に書き加えていただいた方がよろしいのではないかと思いますので、よろしくお願いいたします。
【黒田座長】  現状は3万8,000人ぐらいになっているわけですね。落ち込んでいるということですね。
【清水委員】  はい、そうです。
【黒田座長】  このことをこの中に加えるとすると、どこをどういうふうに修正しますか。
【白鳥専修学校教育振興室長】  今御指摘いただきましたところは3ページのところの高等専修学校の特徴といったものの1つ目のパラグラフの中に平成27年5月現在ということで具体的に学校数、生徒数が書いてありますので、今の御指摘はあくまで速報値なのですけれども、平成28年5月現在の状況ということで、データをアップデートするといったことが考えられると思います。
【黒田座長】  これは注記の方に書き込むということでよろしいですか。じゃ、そのようにしますが。あとよろしいですか。どうぞ。
【寺田委員】  職業教育を専門だと思っている人間にはこういう表現は非常に気になるところがあって、5ページの専修学校教育の価値の再確認、非常にいい言葉で柱立てをしていただいて、21ページにも同じ専修学校の教育的価値という話が出てくるんですけれど、中身を見てみるとちょっとびっくりで、3行目の終わりの方から「単なる技術・技能を伝習する機関でなく」とあります。こういう言い方はノット・バットで、前者を否定する意味合いになりますので、「だけでなく」というぐらいの意味にしていただきたいなと。具体的に言うと「単なる」は消していいんじゃないでしょうか。専修学校はもちろん学校教育法上の学校の一つであって、専門的技術・技能という意味なんでしょうけれど、普通科目とか、あるいは人格形成を図るというようなことを多分仰りたいんだろうと思いますけれど、これは専修学校の一つの特徴が技術・技能を伝達する教育ということがあるので、それを否定してはいけないので、ここの表現を御検討いただきたい。「単なる」というのをとればいいのかなというふうに思います。
【黒田座長】  はい。
【寺田委員】  21ページにも同じようなものが出てきています。
【黒田座長】  21ページにもあるんですか。
【寺田委員】  はい。専修学校全体の価値を高めていくという、そのこと自体が出てくるんですが、同じようなことが出てくるんですけど、ここは特に修正の必要はないと思いますけれど。
   どういう意味ですか。厚労省の職業訓練校、単なる職業訓練ではないということを仰りたいんですか。あんまり深い意味はないんでしょう。
【岸本生涯学習推進課長】  本質的には今御修正いただいたとおりかと思いますけれども、もともととしては先生から御指摘もありましたように、単純な技能を伝えるだけという機関ではなくて、そこにまさに学校教育法の中に位置付けられた教育機関としての専修学校であるという価値観を明確にしたかったという趣旨でございます。
【寺田委員】  はい。
【黒田座長】  この「単なる」というのが引っ掛かるということですね。
【寺田委員】  ええ、よろしくないですね。
【黒田座長】  よろしいですか。外した方が……。
【寺田委員】  と思います。
【黒田座長】  ほかの委員の方、どうですか。今野委員、何か。
【今野副座長】  今のところですか。
【黒田座長】  ええ、今のところ。「単なる」という。
【今野副座長】  そうですね。やっぱり技術・技能を伝習するということ自体を否定するわけじゃないので、そこも大事なところなので「単なる」と言っちゃうと、そのことを軽視するような感じがどうしても出ちゃうので、「単なる」は消した方がいいと思うんですね。「伝習するばかりではなく」とか、さらに教育機関としてもっと価値のあるというふうなことを言いたいんだろうと思うので、「単なる」というのを消して先生も言われたと思いますけど「伝習するだけではなく」プラスしてというふうな印象がある方がいいんじゃないかと思いました。
【黒田座長】  それじゃ、ここは「単なる」というところをまず消すということですね。これが本来の機能ではあるわけですけれども、それだけではないんだということもちょっと分かるようにということですね。小林委員、よろしいですか。
【小林(光)委員】  はい、それでいいと思います。
【黒田座長】  それじゃ、5ページまで、これでよろしいですか。
【今野副座長】  あと1点、言葉遣いだけなんですけど、4ページの一番上のところで「夢を追いかける子供達向けの」というふうなことがあるんですけど、これだと随分その前はずっと、1つ前の丸では生徒、生徒という言い方があって、「夢を追いかける子供達向けのもの」もあるという「子供達」というのがちょっとどうかなと思いましたのと、それからタレント養成みたいなものも一群の学科だということで、夢を追い掛ける目的の学科もあるというふうなことなんですけど、普通そう言うでしょうかね。「夢を追いかける」というのも考えてみると、ふわっとした言い方で、報告書の言葉としてはどうかなと思いながら、少なくとも「子供達向け」というのは生徒向けか何か別の言葉の方がいいかなと、ちょっと思いました。
【黒田座長】  いかがですか、ここのところは。どうぞ。
【小林(浩)委員】  これは清水委員が会議の中でこういった分け方もあるのではないかという御発言をされて、そのとおりだなというふうに思いました。ここで言うと、多分「子供達向け」というのが、社会人でもう一度芸能を学んでということもあり得ますので、「子供達向け」というのは不適切かなと思いますので、ほかと同じように生徒というふうにした方がいいのではないでしょうか。どこまで書くかですけど、そういった社会人の学び直しもターゲットにしていますので、「子供達向け」というのは生徒達というふうに変えた方がいいかなというふうに私も思います。
【黒田座長】  ありがとうございます。
【小林(浩)委員】  清水先生、そこはいかがですか。
【清水委員】  問題ございません。
【黒田座長】  この括弧書きのタレント養成だけしか書いてないんですが、もう1つぐらい書いたらいいですね。
【清水委員】  そうですね。音楽ですね。
【黒田座長】  あとよろしいですか。
【小林(光)委員】  はい。
【黒田座長】  それでは次、6ページのところに行って、具体的施策でありますけれども、1番目の専修学校教育の人材養成機能の向上について、ここをお伺いしたいと思いますが、これは項目が全部で六つ書かれておりますけれども、いかがですか。
【今野副座長】  済みません。また言葉遣いのことで、5ページの最初のところですけれども、上から3つ目の丸で「見える化の推進が必要である」と書いてあります。私も、見える化という言葉はよく使われるので、自分も使っているんですけど、この間、別のある会で高名な先生が最近そういう言葉を報告書に使うケースがあって遺憾だ、「見える化」というのははやり言葉ではあってもちゃんとした言葉ではないんじゃないかというふうなことがありましたので、危機感を強く持たれる部分もかなり社会にはあるのかなと思って、ここのところも「見える化」になっているんですけど、ほかの部分では9ページとか、10ページとか、14ページでは「可視化」という言葉も別に使われていますので、あえて思いがあってかぎ括弧で囲って「見える化」というふうになっているんですけれども、普通の言葉も「可視化」とか何か、ここそのものでいいのかどうか分からないですけど、何か別の言い方の方がいいかなと思いました。
以上です。
【黒田座長】  ここも確かに「見える化」というと、報告書には余り使わない言葉かもしれないですけれども、可視化というのを強調しようとすると「見える化」ということになってしまうんですね。だから、括弧書きで強調してあるというふうに考えれば、これでいいのではないかと思うんですけれども、いかがしましょうか、ここは。「可視化」に直しますか。
【小林(光)委員】  はい。
【黒田座長】  どうですか。
【寺田委員】  そのほうがよさそうですね。ちゃんとした日本語のほうが。
【黒田座長】  それじゃ、ここは「可視化」ということで直してください。
   あとよろしいですか。どうぞ。
【寺田委員】  (1)のところですよね。2つぐらい細かいんですがありまして、1つはこれは確認ですけれど、デュアル教育という言葉が使われるようになって、生涯学習政策局の助成事業にもそういう言葉が使われておりまして、個人的にはうれしいんですけれども、どういう意味で使っておられるのかなと思います。8ページのマル2の見出しは「産学連携」となっているんですね。産学連携となっている場合、どういう意味なのか。あるいは2の2つ目の丸で、多分私が発言したことを反映していただいているのか、コーオプ教育特にここには書かれていませんけれども、コーオプ教育と産学連携はどう違うのということがあるんですけれど、どういう意味合いで使っておられるのか。確認だけです。
   ついでに言うと、デュアル教育、デュアルシステム、中等教育ではデュアルシステムと言いますけれど、デュアル教育、ドイツ辺りではデュアル学修過程というドイツ語が出てきて、その影響なのかなと思ったりしていますけれども、必修の専門企業実習の専門訓練が産学連携でやられている、そういう意味合いなんですけれど、ここではどういう意味で使われておりますかという、これが1つ。
   もう一つは、10ページの2つ目の丸のキャリア意識の高低。最近キャリア意識の問題、やっていたりするもので気になるのですけれど、意味がここは少し分かりにくい。「キャリア意識の高低」。受講する社会人のことを触れておられて、知識の習得度。社会人のキャリア向上意識とかそういうような意味合いですかね。キャリア意識一般というと、すごくいろいろな問題が入ってくる。職業観、労働観、仕事観、キャリアデザインとかですね。限定した方が分かりやすいというふうに思います。
【黒田座長】  お願いします。
【白鳥専修学校教育振興室長】  8ページの「デュアル教育」に関わりまして、これは専修学校の小林委員から御指摘いただいたものを基本的にそのまま掲載させていただいたものですが、これは後段にある寺田先生の御指摘との対比ということも含めてなんですけれども、企業の中で産学連携により実習を行っていくといったようなケースを基本的には念頭に置いたような取組であろうというふうに理解して、ここで整理させていただいたところですで。特にデュアル教育システムとか、デュアル教育と言われるものは、基本的には企業内で実習するといったことが基軸になったものが一般的な理解であると考えられますので、そうした観点で記載をしてあります。ただ、冒頭、寺田先生から御指摘いただきました私ども事業の一つに専修学校版デュアル教育推進事業というものがございますけれども、これは今申し上げた企業内実習だけではなくて、学校の中で企業と連携しながら行うような産学連携による教育手法というのも広く含めたものを想定し、ここは専修学校版という枕を付けて、専修学校版デュアル教育と称しております。ただ、ここにある「デュアル教育」というのは小林委員からの御指摘では恐らく企業内実習であろうという理解のもとで、この文章においては使わせていただいております。
【黒田座長】  あともう一つの方はどうですか。10ページ。
【白鳥専修学校教育振興室長】  10ページの「キャリア意識の高低」のところは、今残念ながら御欠席でいらっしゃるのですけど、河原委員から御指摘いただいた文言ですので推察するしかないのですが、今の寺田委員からの御指摘のとおりで恐らくキャリア向上意識の高低といったような意味合いではないかなというふうには思われます。
【黒田座長】  それはちょっと分かりやすく直した方がいいかもしませんね。「デュアル教育」の言葉の使い方、ここ、よろしいですか。
【寺田委員】  これは特に修正は要りません。確認したかったので。
【黒田座長】  「キャリア意識」のところはちょっと分かりやすく修正してください。
【寺田委員】  ええ。そこは何か入れた方がいいと思いますね。
【黒田座長】  ほかにございませんか。
【小林(光)委員】  よろしいでしょうか。例えば10ページの丸の「専修学校は」の中で、2行目ぐらいに「特に企業等からみて教育訓練ニーズが高い在職者を対象にしたコースの充実が求められる」となっていますが、充実や継続教育という言葉も入れたらどうかと思います。「コースの充実や継続教育等が求められる」と。今ドイツなどでは継続教育に随分力を入れてやっているんです、高等教育では。企業サイドからの要望なのですが、コースの充実も求められるし、それから当然、継続教育等が求められるということを入れるというのはどうかと思ったのですが、御検討いただければ。
【黒田座長】  今非常に重要な課題ではあるんですね、継続教育というのは。
【小林(光)委員】  はい。
【黒田座長】  これはどうですか。継続教育を入れた方がいいですか。
【小林(光)委員】  説得力があるかと思ったのですが。
【黒田座長】  それじゃ、ここもそういうようにしましょう。
【寺田委員】  よろしいですか。これで継続教育がある程度表現されているのかなというふうに思います。継続教育の全部ではないけれど。だから、「企業等からみて教育訓練ニーズが高い在職者を対象にしたコース」と入れるのであれば継続教育。僕は向上教育でもいいし、ほかの言葉でもいいんですけれど。「コースなどの継続教育の充実が求められる」という。継続教育というと幅広いですね。追加訓練、向上訓練、再訓練。
【黒田座長】  そうですね。ここ全体の文面としては表現されているので。
【寺田委員】  一部表現されていますね。
【黒田座長】  頭のところへそれをちょっと加えておくということですね。
ほか、よろしいですか。
留学生・グローバル化の辺りはこれでよろしいですか。12ページですけど。特段ありませんか。
それでは次にまた進めさせていただきます。(2)の専修学校教育の質保証・向上についてというところはいかがでしょうか。14ページからです。ここは特に職業実践専門課程の話が出てくるわけですけれども。いかがですか。
   この中で16ページに寺田先生が前に反対されておった1年制度を取り入れるかどうかというのが書かれているんですけれども、これはここに一応書いておいて9月以降の検討課題として本当にやるかどうかということを、そのときに議論したいと思うんですが。
【寺田委員】  それより別のことで。それは事務局とのやりとりでとりあえずの決着というか意見を出していますから、今後議論するとしまして。
効果検証のところで引き続き職業実践専門課程の効果検証の事業をやられるようですけれども、そういったところで発言する機会があればと思いますけれども。まずは縦断調査というか卒業生調査をきちっとやるということと、もう一つは専門課程との、どこかに書いてあるかもしれませんけれど、書いてあればそれで構いません。16ページの上5行目ぐらいでは十分書けてないと思いますので。通常の専門課程の学生との比較というのもポイントになるんじゃないかと思います。そのことをほかで書いていれば構いませんが、十分書かれてなければ入れていただきたいなと。
【黒田座長】  どこかに書いてあったと思うんですが、事務局いかがですか。
【白鳥専修学校教育振興室長】  今の御指摘は十分書かれていないと思いますので、御指摘を踏まえて、座長と相談させていただきます。
【黒田座長】  書きますか。じゃ、そういうことで、その辺は修正します。
   あといかがですか。
【小林(光)委員】  一つよろしいですか。17ページの教育体制の充実の2つ目のパラグラフのところですけれども、「専修学校のうち、定員200名以下の学校は全体の65%を占めており」と書いてありますが、「定員」というのは総定員のことなのか、それとも入学定員のことなのか。そこが第三者にははっきり分からない。これ、どちらかはっきり書いておいた方がいいかと思うのですが、いかがでしょうか。
【寺田委員】  収容定員でいいんですかね。
【黒田座長】  これは総定員なんでしょうね。
【寺田委員】  収容定員と一緒。
【黒田座長】  収容定員ですね。
【小林(光)委員】  収容定員ですね。
【寺田委員】  普通定員というと、1学年ごとの学科の入学定員です。
【小林(光)委員】  そうそう。入学定員と勘違いすると困るから。
【黒田座長】  じゃ、この定員のところ、「収容定員」と。
【小林(光)委員】  はい。
【岸本生涯学習推進課長】  恐らくそれで間違いないかと思いますが、確認してふさわしく表記いたします。
【黒田座長】  ほかにございますか。
   それでは次に移ります。(3)学びのセーフティネットについて、ここ何かございますか。23ページ。この辺、就学支援の話とか耐震工事とか、いろいろと予算にも関連するような項目が書かれているわけですけれども。
【浦部委員】  済みません。21ページでもよろしいですか。
【黒田座長】  いいですよ。
【浦部委員】  ここのところ、前にお聞きしたことがあったと思うんですけれども、専門学校という表記でずっと書かれているので、これについては特に問題がないということでよろしいでしょうか。このページについては高校を想定した形でのお話になっているというところで。一つは「SNSを介して直接つながって」しまうというところなんですけれども、SNSに関しては、よく使う言葉としてはSNS等とかというふうに「等」というふうに付けている書き方を目にすることが多いので、そういうふうにした方がいいのではないかと思います。
   あと、こちらの方ちょっと修正していただいた中で「例えば普通科高校において、キャリア教育・職業教育は3年間で完結するよう計画していても」というところで、3年若しくは4年みたいな形で発表のときには、4年というところも付け加えさせていただいたかと思うのですが、「例えば」というふうに入っているのでいいとは思うのですが、普通科高校が3年間で完結するというふうに何となくとれなくもないので、定時制高校で4年間でということもありますので、普通科は3年間というふうに見えなくもないので、そこのところを工夫していただいた方がいいのかなと思いました。
   以上です。
【黒田座長】  ありがとうございました。20ページのところには「SNS等」と書いているんですが、21ページのところは「等」が抜けているんですね。だから、これは「等」を入れておいてもらったらいいと思うんですが。
   普通科の、今定時制4年という話があったんですが、これは書き込んだ方がよろしいですか。それとも……。皆さん、分かっているから。分かっている人が読んでいるとそのまますうっと流れちゃうものですから。どうしましょうか。どうぞ。
【岸本生涯学習推進課長】  済みません。逆に定時制4年間等の、そういったものをここに表記しておく方がよりここの趣旨が分かりやすくなるというか、世の中の方に伝わるようになる印象なんでしょうか。私ども分からない部分がございますので、もしよろしければ、少し。
【浦部委員】  よくいろいろなところでお話しする際には定時制というイメージを必ず加味するようにはしております。ですので「3年間で」というふうに言い切ったときに、かなり定時制の先生からの御指摘があるんですね。ですので、うちは4年間なんだ、4年間でプログラムを組んでいるというふうに指摘の場面があるので、そこを触れる形で書かれるか、あるいは書き方を少し工夫していただくかという形なんですけれども、こちらの方の文面では普通科高校が何となく3年間でというふうに見てとれなくはないので、「3年間若しくは4年間で」みたいな形で表記があると安心なのかなというふうには思います。
以上です。
【黒田座長】  ありがとうございます。この定時制のことも無視せずにということですね。書き方はまたちょっと考えてください。
   ほかにございますか。
   清水委員、インクルーシブ教育のところはこれでよろしいですか。
【清水委員】  それでは1つだけ。今日リオデジャネイロオリンピックが終わって、いよいよ2020年東京オリンピック・パラリンピックの準備に本格的に入っていくことになります。特にパラリンピックに関しては、国の施策としての「共生社会の実現」についてマスコミでも随分報道されてきておりますので、そのことも冒頭で触れておいていただいた方がいいのかなと思います。
【小林(光)委員】  「共に生きる」ですね。
【清水委員】  はい。
【黒田座長】  今そういう時期に来ていますので、この時期に合った表現ということになると思いますね。
ほかにございませんか。よろしければこれで修文していきたいと思うんですけれども。それでは、ただいま頂きました修正の意見は私に一任をいただいて、事務局と相談しながらまとめていきたいと思います。よろしくお願いしたいと思います。審議経過報告については月末になると思いますが、今月中に公表するということになっていますので、そういうスケジュール観を持ってまとめ上げていきたいというふうに思っております。この取りまとめ、一応修文できた段階で皆さん方に御報告させていただくということにしたいと思います。急いで修文するというのは何かということでありますが、次年度の概算要求の時期に来ていますので、この内容を活用していただいて是非とも予算要求に頑張っていただきたいというふうに思いますので付け加えておきます。
   これで一応審議経過報告のまとめというのが出来上がったわけであります。これから後の時間は、いろいろと今後の検討課題というのが引き続きあるわけでありますが、それについて御議論いただきたいと思います。まず審議経過報告に基づいて必要であるとか、今後検討すべきということが書かれていますので、それらについて事務局から説明をいただいて次の議論を進めたいと思います。まず事務局から説明をお願いします。
【白鳥専修学校教育振興室長】  ありがとうございます。資料1の28ページから30ページに掛けまして、今御了承いただきました審議経過報告(案)がとれる形になりますけれども、こちらの概要に沿って、特に今座長から御指摘いただいた事項に関して概略御紹介したいと思います。28ページの真ん中のところに基本的方向性とあります。3本柱の下で整理していくということですが、2つ目の丸のところにあります新たな高等教育機関の議論等も進む中で教育を行う場としての専修学校の価値を問い直し、その下に個別の施策を展開すべく、更に検討を深めるといったことが大きな課題として整理していただいているところでございます。
   また個別の施策に関わりましては、例えば人材養成のところにつきましては、29ページの社会人の学び直しの2つ目のところに企業等による支援というところがありますけれども、「また」以降のところ、専門実践教育訓練給付金が専門学校において一層活用されるよう更なる検討が必要であるといった御指摘であったり、また留学生の関わりでは総合的な留学生施策と書いてある項目の2文目のところ、「なお」書きのところですけれども、卒業後、一定期間国内の企業で就労していくこと。そしてまた実践していくことの教育的意義についての検討の必要性。
   それから、その次の国際通用性の確保についても同様でございます。
また更に大きな論点としては、その次の質保証・向上につきまして、座長からも御指摘いただきました職業実践専門課程の今後のあり方ということにつきましては大きな課題として残っているところでございます。それとの関わりの中で質保証・向上の更なる充実ということで、第三者評価の活用のあり方、こうしたことなどが引き続きの個別の項目に関しての審議事項ということでは書かれております。
   以上です。
【黒田座長】  ありがとうございました。ただいまの事務局から説明がありましたように、既に御指摘いただいた項目について多くの検討課題が残されているわけでありますけれども、私としてはこれらの検討課題のうち特に専修学校の社会的な役割や価値、そういうものの確認をする、そういう論点を作っていきたいというふうに思っていますし、また専修学校の振興策全般にわたる重要な論点について考えていきたいというふうに思っております。職業実践専門課程のあり方についても今後議論を進めて、専修学校の価値との密接な関係を何とか表現していきたいなというふうに思っているところであります。
   そういうことで9月以降の検討会議においては、この課題について重点的に取り上げていきますけれども、このような議論を通して今後の振興策の大きな方向性、いわゆる振興策を進めていく視点の確認をする作業、そして振興策について骨太の方針を示していきたいというふうに考えているわけであります。
   本日はまだ時間が少し残っていますので、今申し上げたような方向性を持って専修学校の役割や価値、また先ほど説明がありました引き続きの検討課題に関する皆さんの意見を少し頂戴しておきたいと思いますので,よろしくお願いいたします。専修学校の社会的価値の向上をどうするかというのが最大の課題だと思うんですね。専修学校というのは日本にとっても非常に重要な機関であります。そういう意味で専修学校の振興策についての骨太方針を作るというところに論点を絞っていきたいというふうに思いますので、よろしくお願いしたいと思います。まだ少し時間がありますから、どなたからでも結構ですが御発言いただけますでしょうか。小林委員、何かありますか。
【小林(光)委員】  先生から今大変重要なことをおっしゃっていただきました。まさに専修学校は、地域創生というのが大きな課題です。地域の産業の活性化を考えた場合、地域の人材の学び直しを含めて、人々が地域に逗留し定着して地域の人たちとともに、いろいろな産業の活性化あるいは人材の活性化をしていく。教育の部分でそういう役割を専修学校が果たしていくことが今後ますます重要になっていくのだと思います。政府が言っている「一億総活躍社会」とはまさに老若男女を含めた地域の人たちを、学び直しで活性化していくことが問われるのではないか、こう思っております。
   私自身は今まで何回も聞いてきたことでありますが、平成の初期に日本のGDPが530兆あったものが、第二次安倍内閣が引き継いだときは470兆になっていた。OECD47か国でデータがそろっている国の中ではGDPがダウンしたのは日本だけと言ってもいいくらいであったと聞いています。そしてその結果、地方の産業の空洞化が激しく起きてしまった。これがどうして起きたのか、僕はいろいろなところで言っているんですが、一つは政策のミスマッチの連続があった。どうして政策のミスマッチが起きたかと言えば、20年間で16人も総理が代わって長期的な政策が立てられなかったということが一つの大きな原因であり、また極端な円高も重なりなかなか改善できなかった。したがって日本で何を生産してもペイしないから外国へ、言わば中国や東南アジア諸国へ産業と資金あるいは技術と資金を持って日本の大企業や中小企業が出ていくということが起きてしまった。そして、それが産業の空洞化に繋がったということがあります。この歴史を反省して日本の生産基盤・地域の生産基盤をどう確立していくかということを考えた場合に、地域のセーフティーネットとして職業教育の高度化・職業教育の活性化というものをきちんと行うことによって日本の地域の産業を取り戻すことが重要であると思います。安倍さんもおっしゃっていることでありますけれども、このような取組をやっていくには職業教育を見直していくことが大きな柱として必要です。皆さんの御協力でここまでの報告書がまとまり、職業実践専門課程のスタートから3年たって、文部科学省の皆さん方もこれからいよいよ成果を検証していく時期に入ってきています。
   そういうことも含めて、今後いろいろな意味で地方創生に大きく寄与するように、若者の地方への定着、そして地方産業の生産性向上、地域の学びのセーフティーネットを強化していく。その役割を専修学校が今後更に充実して進めていけるような政策を私は国としてもとっていただく必要があると思っております。
   総論的に申しましたが、以上です。
【黒田座長】  ありがとうございます。専門学校の基本的な考え方を述べていただいたわけでありますので。ありがとうございました。どうぞ。
【浦部委員】  今、職業教育というところでお話がありましたが、本校もそうなんですが高等学校全体の7割程度が普通科高校で、なかなかその中での職業教育というのが難しい状況にあると思っております。先日出されました中教審の答申の中にもございますけれども、普通科高校での職業教育というところが学問の教育より職業技能の教育が一段低く見られ、大学に進学すること自体を評価する社会的風潮があると言われるというところに本当に凝縮されて示されています。全体から見たところでの普通科高校における職業教育を充実させていくことが必要なのではないかと痛切に思っております。この会で高校、特に普通科高校でどのように職業教育が実践できるのかということについて考えることが、将来の職業人を育成する中でも非常に大きなポイントであると思っております。社会全体の風潮の中で、では普通科高校で何がどういうふうにできるのか、どういった職業人を育成することができるのかというのを社会全体で捉えていただきたいと思っております。また本校もそうですけれども、外部と連携した取組はとても重要な視点であると考えます。高等学校の中だけでなく社会全体で考えていかなければ、個々の学校が奮闘したところでなかなか大きな流れにはつながっていかないという現状があります。
【黒田座長】  ありがとうございました。今お話しいただいたのは本当に基本的なことなんですね。社会そのものが職業教育に意識を持っていただかないとなかなか変わり得ないということ。その辺のことをどう社会に意識付けていくかということが重要だと思うんですね。小林委員、何かありますか。
【小林(浩)委員】  社会人の学び直しという点に関しまして、日本の企業は終身雇用制ということで、メンバーシップを重視したポテンシャル採用というのが高度成長期のモデルでした。しかしあるメディアが調べたところ、30年前の会社の寿命というのは30年というふうに言われていたのですが、2013年に調べたところ今の会社の寿命は18年なんだそうですね。つまり大卒で22歳ぐらいで就職すれば、昔は55歳で定年でしたから一社で30年勤め上げれば豊かな老後が待っていたという時代でしたが、今は人の就業期間よりも企業の寿命の方が短くなってきて、きちんとしたキャリア設計を自分でしなければいけなくなってきた、そういう時代になってきたのだと思います。その中で、今おっしゃったようにアカデミックと職業教育というところが、どちらかというと今までは職業教育は若干下に見られていたという日本の風潮があったと思います。しかし今回、新しい職業専門大学あるいは専門職大学という言い方もされていますが、それを作ることでアカデミックの学術的な山とプロフェッショナル職業のもう一つの山、ツインピークスという言い方をしていましたが、2つの山を作ってきちんと双璧をなすようなものにしていこうというようなことが今作られているわけですね。そのときに、では専修学校・専門学校はどうしていくかというと、専門職業大学が国際的な学位をとって通用させようとするものであれば、都道府県認可の専修学校・専門学校は、より身近で地域に根差して学び直し、あるいは学び重ねるといったところが、キャリアアップとかキャリアチェンジにうまくつながっていくようなところに裾野を広げていく必要があるのではないかなというふうに思います。そうしたときに一番の課題は学び直したり学び重ねたりしたことが、どのように社会なり企業から評価されていくかというところが非常に重要かなというふうに思っていまして、そこら辺の議論もこれからできていくと良いのではというふうに私は思っております。
【黒田座長】  どうもありがとうございました。まだちょっと時間がありますが、いいですか。どうぞ。
【小方委員】  3つぐらい述べさせていただきたいと思いますけれども、1つ目は基本方針を3つどう進めていくか。今回の報告書でそれぞれの柱立ての具体的な方向ということは分かってきているのですけれども、3つをまとめてどう、さっき座長が骨太のとおっしゃいましたけれども、進めていくかという上で、僕はこの委員にさせてもらって大阪府の状況とかもよく聞くにつれて、都道府県の役割というか本気度みたいなものが結構重要で、大学であれば設置認可行政を握っているということもあって、文科省の政策でかなり動く部分もあるし、高等学校以下であれば教育委員会を通してかなり動く部分もあるんですけれども、専修学校の場合はなかなか文科省と専修学校の関係だけでは実質化しない部分があるので、都道府県に関しては今回も報告書の中に特に情報発信等のところでは行政の役割というふうに取り上げられていたのですけれども、ほかの部分でもやっぱり都道府県が担う役割というのはかなり大きいのではないかと思いますので、その辺を今後もっと議論させていただければ有り難いというのが1点目。
   2点目は専門学校の価値とかいうことと関わってきて、新しい職業高等教育機関ができるということとも関わりますけれども、基本的なこととして学校基本調査等では大学の分類は一応人文社会と学問分類なのですけれども、かなり崩壊していてほとんどその他の分野に入っているものが多くて、あれも使い勝手が悪くなっているんですけれども、専門学校の職業分野として使われてきた8分類もこれでいいのかということを、これは実態がどうかということと社会の認知という意味でもこういう分類の示し方でいいのかということも併せて考えていく上で、実際この分野に分けたときの行き先が1対1とは言いませんけれども分かる形で対応しているのかというのはもう一度基本的に見直していくことが専門学校・専修学校の振興につながっていくのではないかということが2点目ですね。
   3点目は今回学習環境について、特に経済的支援とインクルーシブの問題で今極めて大きな問題になっている経済的な面と障害学生等の支援のことでは触れていただいているんですけれども、これを更に充実させていく、あるいは教職員の資質・能力の向上とも関わっていくんですけれども、恐らくは経済的支援とインクルーシブのところで抜けているのは専門学校・専修学校さんは基本的に入学した時点で出口を考えないといけないので、キャリアに関する支援はかなり充実していると思いますけれども、学習がうまくいかなくて退学したりする学生さんも経済的な面以外でうまくいかない学生さんは当然かなりいらっしゃるわけで、広い意味での学習支援みたいなものを振興策の中として、もちろん少ない職員の方でクリアしなきゃいけない領域がたくさんあるのですけれども、そういう方向も含めて振興していく必要があるのではないかというふうに思います。
   ちょっと長くなりましたけれども、以上です。
【黒田座長】  ありがとうございます。大変重要な視点だと思います。今の話は大学でも同じように起きているんですね。その辺をどう解決するのか、非常に悩んでいるところなんですけどね。
   あと何かありますか。
【今野副座長】  よろしいでしょうか。済みません。個別の話で先ほどちょっと出ていました1年制の職業実践専門課程の関係ですけれど、これから議論しましょうということで原案どおりになっているわけですけれども、ちょっと考えたことなんですけれども、私は是非認定対象にした方がいいんじゃないかという考え方を持っています。職業実践専門課程自体は一般の専門課程を更にレベルアップさせる一つのツールとなって働くわけですけれども、当面2年以上の学校だけというふうなことになっていますので1年制の課程が水準を高めてよくしようとしたときに、課程認定の制度が使えないというふうなことになりますので、是非1年制のレベルが上がるような基準設定の仕方をして実践専門課程の対象にしていっていただくといいんじゃないかな。特に高校の新卒の学生だけじゃなくて社会人の学び直しのときに、どうしても就業年限というのが制約条件になる場合が多いわけですので、レベルの高いものでしかも1年でというふうなことがこれから必要になってくるとすれば対象にしていただくことによって、そういう社会人向けの1年程度のレベルの高い教育プログラムがどんどんできてくるきっかけになりはしないかなというふうなことを考えておりまして、是非前向きに考えた方がいいんじゃないかなと思っております。これはまた後ほどの議論になると思いますけれども、とりあえず考えましたので申し上げました。
【黒田座長】  ありがとうございます。次の会議以降に議論していきたいというふうに思っています。
ほか。寺田委員の方から。
【寺田委員】  今の話ではありませんので。これは専修学校関係の先生から意見が出てもいい話だと思っているんですが、小林先生辺りから。基本的には専修学校団体は1条校化というような話、長い間目指してこられて今回の中教審部会で提言されたこと、先ほどから出ている職業専門大学なり専門職業大学なり、僕は専門大学だと言っているんですけれども、これとの関係をどう考えられているのかなというのが一つあって、それで研究者としては職業教育体系の構築、先ほど小林さんですか、おっしゃいましたけど、それが正規の学校教育体系と相互浸透性があり同等性が認められるような、そういう職業教育体系をどう構築していくかということの中に専修学校をどう組み込んでいくのかなということを考えるわけですけれど、そういうふうに思ったときは職業実践専門課程ですね。これをどう強化するのかという。私はあえて強化と言いますけれど。それと新たな高等教育機関との相互移動性みたいなものをどう担保していくのかということが一つでしょうし、それから前も少し発言しましたけれど高等専修学校ですね。これの認知というか、正規の学校教育にどう近付けていくかという、こういう課題が基本的に残っていると思うので、今回のこの委員会は当面あるいは中期的な課題を焦点に置いておられるようですけれども、そういう議論ができればなというふうに思っております。
【黒田座長】  ありがとうございました。
じゃ、清水委員、どうぞ。
【清水委員】  最後になるかと思いますけど、小方委員のお話を聞いておりまして、都道府県の対応はとても重要だと高等専修学校は特に感じております。何回かお話しさせていただきましたけれども、運営費の補助金に関して高等専修学校は1条校ではないということで私立学校振興助成法の対象外ですから、各都道府県単位の独自の補助金制度で補助金を頂いています。実際大阪府は私立高校と同額で、東京都はその半分ぐらいしかない。岡山県はまだ1銭も出てないと、都道府県によって格差があるのが現状です。ですから、そういう観点では国の一つのルールが専修学校には適用されていないところがありますので、24ページに載せさせていただいております部分について今後是非御検討いただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
【黒田座長】  ありがとうございます。国と都道府県との関係というのは非常に難しいんですけれども、しっかりやっていかないとばらばらになっちゃいますね。ある程度統一したものが出てこないとというふうに思いますね。
   大体時間が来ましたけれども、きょうは議論はこれくらいにして、ただいま頂いた御意見も踏まえながら9月以降更に議論を深めていきたいというふうに思います。
それでは事務局から今後の予定について説明をお願いいたします。
【白鳥専修学校教育振興室長】  資料2をごらんいただきたいと思います。今後の日程等についてでございます。御連絡が遅くなりまして申し訳ございませんけれども現在調整中でございますので、具体の日時等は改めて御連絡申し上げたいと思います。なお前回の会議で御連絡を差し上げましたとおり、9月以降、3回程度、有識者や専修学校関係者などへのヒアリング、そしてまたこの会議につきましては地方開催するといったことも行いたいと考えております。現在、人選、そしてテーマにつきまして座長と御相談しながら進めているところでございます。また、10月又は11月に地方開催ということを考えております。資料2にございますとおり、開催地につきましては福岡県福岡市を想定しております。福岡県専修学校各種学校協会に御協力を頂きながら、当地での開催に向けて現在詳細を調整中でございます。
   なお最後となりますけれども、本日の資料は机上に置いていただければ郵送させていただきます。
   連絡事項は以上でございます。
【黒田座長】  ありがとうございました。
直接関係している方のヒアリングをするということ、それから地方の現状を見させていただくということにしたいということであります。
   それでは、本日台風の中で大変順調に会議を進めさせていただきました。ありがとうございました。これで本日の会議は終了いたします。御苦労さまです。

―― 了 ――

お問合せ先

文部科学省総合教育政策局生涯学習推進課

(文部科学省総合教育政策局生涯学習推進課)