国立女性教育会館の役割・機能等に関するこれまでの主な御意見(案)

1.国立女性教育会館がこれまで果たしてきた役割・機能について

 <主な御意見>

  •  特に地方あるいは地方公共団体の人材育成、養成、研修という分野について今まで大変大きな役割を果たしてきた。
  •  婦人の勉強の場として、多くの人たちを地域のリーダーとして育ててきたという実績がある。
  •  民間が運営している男女センターでは、公募の所長、民間採用職員が活躍しはじめている。これは会館で学んだことが実を結んだ結果だと感じている。
  •  会館は地方の男女センターにとってなくてはならないナショナルセンターである。
  •   これまで会館は歴史的に日本の男女共同参画施策を下支えし、その成果を上げてきた。しかし、目に見えるような形でドラスティックには成果は上がっていない。
  •  草の根的に活動しているグループ等が年に1回、会館に集まって意見交換をしながら自分たちの研究成果を発表するような事業が、地方で活動している女性関係団体をエンパワーするもとになっている。

2.国立女性教育会館の課題について

<主な御意見>

  •  職員の意識改革が必要である。会館業務がサービス事業であるという認識への転換を図らなくてはならない。(※理事長)
  •  「女性教育会館」の「女性教育」という名称が男性利用者に誤解を与え、新しい取組を妨げているのではないか。(※理事長)
  •  会館の強みと弱みの仕分け、あるいは他の機関とは競合せず、新しい機能を付け加えるということを考えなければならない時期にきている。これらのことをせずに、重要な役割を果たしているといってもそれでは通らない。
  •  地方公共団体等の人材育成、養成、研修という分野について大変大きな役割を果たしてきたが、女性センターなど、地方の女性センターでも力をつけているので、再検討する必要がある。
  •  会館のやるべき事業の在り方を検討すべきである。35年間の歴史の中で積み重ねてきたネットワークの拡大も考えるべきである。
  •  会館が抱える問題点として、例えば、距離の問題をどうやって克服するのか、利用者の20%が60歳代であるといったことが挙げられる。

(※)第1回検討会における国立女性教育会館理事長による現状と課題説明時の発言 

3.国立女性教育会館の今後の役割について

<主な御意見>

  •  日本が成長していくためには男女共同参画だけではだめだと思っている。いろいろな意味で多様化のための施策の一つとして、会館を位置づけるのが望ましい。
  •  時代の要請を考えれば、会館には経済、雇用、労働の分野も巻き込んで女性に対する教育を行い、納税者を育てていくといった範疇の広さが求められている。
  •  アジア地域との連携が強く求められているときに、日本がこの男女共同参画の拠点である会館をアジアの拠点とすることで、今後、会館がアジアでのリーダーシップをとっていくという展開が期待される。
  •  男女センターへの支援はまだまだ必要である。会館には地域に出向いて、地域のニーズを把握したうえで、センターに対する支援を強化してほしい。
  •  会館からの情報やプログラムの提供、講師派遣などに期待している。また、悩んだときに相談できるパートナーとして、会館はますます重要な存在である。
  •  男女共同参画といってもその在り方自体、あるべき姿が変化しているはずであり、その意味では、ただ単に維持・発展はありえない。
  •  あらゆる主体との連携が重要である。例えば、全国女性会館協議会とのパートナーシップが考えられる。地域の女性センターとの協働による新たな展開を検討してほしい。
  •  男女センターのみならず、あらゆる分野の多様な主体との連携協働を強化していくことで更に重要な機関になっていくことを期待する。
  •  男女共同参画をはじめとした多様性の時代を捉え、その中で会館の位置づけを考えるべきである。
  •  時代に合わせて見直しをすべきだが、地域の男女共同参画のすそ野を広げるということで言えばまだまだ会館での教育は必要である。
  •  男性に対する啓発はまだまだ足りないが、それについて会館が果たせる役割はどこにあるのか。
  •  バランスのとれた人生を送ることができる社会をつくっていくための拠点としてヌエックが存在してほしい。
  •  ダイバーシティ社会の実現に向けて、学問分野を超えて政策提言していくような研究機関として会館を考え直すのは一つの手である。
  •  女性のキャリア教育を全国で展開するための拠点的な役割を担う必要がある。
  •  女性や若い世代に視線を向けて男女共同参画の考え方を浸透させたり、そのために必要な予算を投入したりすることが必要である。
  •  日本全体の女性教育の底上げに資するという観点から、会館の在り方を考えていくべきである。

4.国立女性教育会館の今後の機能について

<主な御意見>

全般的事項

  •  今までの機能をそのまま保持するのではなく、新しい機能を付け加えることを検討すべきである。
  •  会館が「女性と仕事の未来館」(働く女性、働きたい女性の支援等)の視点を継承して広げていただきたい。
  •  「女性の仕事と未来館」がなくなってしまった以上、会館においてキャリア教育を行うことは何としても必要なのではないか。また、特に地方での教育が必要となっているので、会館がその拠点的な役割を果たすことが大事なのではないか。
  •  他の機関では代わりがきかない機能を会館が果たすということが必要である。

調査研究関係

  •  今後の調査研究については、大学・研究機関と立場が異なるのでかなり難しい。 
  •  女性学・ジェンダー研究のセンターとしての機能も重要である。

情報関係

  •  会館のデータベース・アーカイブ、Wi-netのような情報提供機能はナショナルセンターとして大きな役割を果たしており、今後ともぜひ続けてほしい。
  •  35年にわたって会館が蓄積してきた資料、機能やネットワークを最大限に生かしつつ、貧困の問題等について対応すべきではないか。
  •  会館は女性の社会進出が進んでいない現状や社会問題などの資料等が非常にそろっており、また、場所が郊外にあるため、ゆったりと研究ができる。このような機能は他に代わるところがない。

国際関係

  • アジアだけではなく、世界のハブステーションとしての機能を果たす。これについては、ITを活用することが大事である。

人材育成関係

  •  地方公共団体等の人材育成、養成、研修という分野について大変大きな役割を果たしてきたが、女性センターなど、地方の女性センターでも力をつけているので、再検討する必要がある。(再掲)
  •  日本だけではなく、開発途上国、アジアの国々で活躍できる女性の人材育成をする必要がある。その際、研修ではなくしっかりとした体系的な教育をする機関、高度な専門的な力を持った人材育成をする機関という機能を加えてほしい、また、国際的な視野を持った機関であってほしい。
  •  企業で活躍出来る人材養成という新たな機能を付け加える。
  •  国として平和構築に貢献できるとか途上国の開発に具体的なリーダーシップを発揮できるといった専門的な人材を送り出す。イメージとしては学部ではなく30歳前後の社会人の方たちに教育をしていく。現在の日本に欠けている機能であり、これを会館の新しい機能として期待する。
  •  会館とリーディング大学院が連携して女性が活躍しやすい教育プログラムはどうあるべきか考えるのもよいのではないか。
  •  学校でキャリアプランを学ばせるためのプログラム開発を男女センターと会館で協働して開発したい。
  •  リーダーになるため、仕事を始めるため、社会活動のためというようなことも含めて能力開発をサポートする機能を充実させることを期待する。
  •  非正規雇用者等、学校教育や企業内教育からこぼれた人々に対する能力開発センターとしての機能があればよい。

交流関係

  •  全国各地で活動している女性団体を全国的に統括して、いろいろなかたちで会館のサポートや主催事業を行うことが必要である。
  •  草の根的に活動している団体の活動を支援して、元気づけるための施策を必ず盛り込んでほしい。

お問合せ先

生涯学習政策局男女共同参画学習課男女共同参画推進係

(生涯学習政策局男女共同参画学習課男女共同参画推進係)