「熟議」に基づく教育政策形成の在り方に関する懇談会(第3回) 議事要旨

1.日時

平成22年7月6日(火曜日) 13時半~15時半

2.場所

文部科学省東館3F1特別会議室

3.議事要旨

・事務局より、熟議の取組全般に係る説明がなされた。

(1)インターネットの活用による意見収集に係るこれまでの実施結果や今後の進め方について

・楠委員(サイト運営委員会)より、これまでの「熟議カケアイ」サイトの運営状況等について説明がなされた後、意見交換が行われた。

(鈴木副大臣)

○ネットでの「荒れ方」や「文句の吐き出し口」的イメージからすると、極めて性質を異にする新しいサイトができたと思っている。奇跡的な「荒れ度」の少なさということはまず申し上げたい。

○サイトの運営が順調に始まったので、第2期は少し色々「冒険」したい。

○熟議については、ほぼ同じ結論に至るにしても、膨大な人たちがそこのプロセスに参加することにも意味があり、文部科学省やプロの研究者も含めて、そこに加わった人たちの理解が深まるということがある。

(貝ノ瀬委員)

○サイトでまとまったものを、小さい単位にして、地方の各地でリアル熟議の中に投げ込んで議論してもらって、またそれをサイトで全体的に議論してもらうといった地道な積み重ねの中で、政策形成の実効性、国民各階層の意見が集約された政策形成につながっていくのではないかと思う。

(田村副座長)

○専門家の集まる会議で熟議の話をすると「ハッスル」し、3,40分延長したが、とてもいいことだと率直に思った。

○熟議によって審議会がさらに活性化し、それを受けてまた熟議も活性化する。民主主義の政治をやる上では非常に重要な手続きだということが実感した。

(板東生涯学習政策局長)

○教員の資質向上に関する提案書も含め、熟議の取組が専門家のご議論とバランスを取っていただいているというのは非常に感じるところ。

○ICTについても、熟議で非常にいいご意見が多く出ており、それをもとに「学校教育の情報化に関する懇談会」の場でも議論がなされたということがあったが、熟議と専門家の会議との間で相互作用が非常にうまくいく可能性が出てくるのではないかということは実感している。

(小松委員)

○テーマの性質によって、幅広に井戸端会議的な形で意見が出ることを肯定的に受け止めるべきものと、しっかりと前提を知った上でなければ議論できないものがあり、しばらくは両方のものが必要だと思う。

(日渡委員)

○「文部科学省への提案書」の中には国だけではなくて学校や自治体レベルが対象とするものも多かったということだが、今後は、提案とまではいかなくとも、都道府県教育委員会や市町村教育委員会、学校、PTAの組織までのメッセージというような方法は考えられないか。

(2)現場対話による意見収集に係るこれまでの実施結果や今後の進め方について

・事務局より、「リアル熟議」(現場対話の熟議)の取組(「熟議に基づく教育政策形成シンポジウム」も含む。)に関する説明がなされた。

・竹原委員より、「横浜リアル熟議(ヨコハマの学校と地域)」に関する報告がなされた。

・金子座長より、“Kaboom!”及びリアル熟議実践パッケージ「熟議虎の巻」に関する説明がなされた。

(田村副座長)

○皆に当事者意識を持ってもらわないと、現場の改革が本当の意味での改革につながっていかないのではないかとずっと考えていたが、熟議をうまく普及させていくとそれができるような気がしている。

○熟議と審議会での連携・やり取りがなされると、審議会の結論にも色々と影響はあり、それが現実化するときに非常に意味が出てくる。民主主義ということを考えると、是非これからはそういう工夫をする場にしていただけるとありがたい。

(村上委員)

○子ども・児童生徒の熟議をやって、いつの時期か、その結果をサイトにおける「未来の学校」に入れてもらったら、視野が広がり議論が深まっていくのではないか。

○「ネット熟議」と「リアル熟議」をつなぐことで、よりよいものができたらと思う。教育委員会、行政、地域との協働でそういうことをやりたいと思っている。

(佐々木委員)

○イー・ウーマン「働く人の円卓会議」の特徴は以下のとおり。

(1)全ての投稿をスタッフが読んで、読みやすい量として1日5件~15件、多様な意見を選び掲載している。

(2)議長がナビゲートしている。

(3)7月末までは、サイト参加者と議長のコメントが毎日更新されて1週間でレポートができる。秋からは、1日置きぐらいのペースで更新され1カ月でまとまるパターンも検討している。

(4)参加者はテーマに対する賛成・反対の票を一票持っており、毎日の議論を読んでいくうちに変わっていく。

○より多くの人たちに議論を開くためにも、外部のサイトと連携してもよいのではないか。

(金子座長)

○中立的にファシリテートするものだけでなく、主張があり議論を引っ張っていくものがあってもよいと思う。懇談会委員が責任を持って2週間程度実施するとよいのではないか。

・平本サポーターより、「千代田区リアル熟議(ICTの活用)」に関する報告がなされた。

(貝ノ瀬委員)

○各地方教育委員会にいかに関わってもらうかということを考えた方がいいと思う。教育委員会であれば、無作為で市民を募集することもできる。

○「リアル熟議」に懇談会委員がファシリテーター等として参加して、地方の小さい単位でまずやることが大事だと思う。それが教育委員会、さらに世論を動かしていくと思うので、地道な時間が必要だと思う。

(鈴木副大臣)

○熟議において文部科学省がどこまで出ていいのか迷っていたが、無事進んでいるので、もう少し出ていってもよいと思う。

○「パブコメ型熟議」では文部科学省の担当課がしっかり発言・説明していった方がよいと思う。一方で、「問診型熟議」ではあまり出ない方がよいか。

○「ネット熟議」において、委員等にファシリテーターをしていただき、大変な部分は文部科学省が補佐をさせていただくのもよいかもしれない。テーマの担当課が補佐をするのもよい。

○編集長にどこまでの権限を持つのがよいか。5人チームくらいでシェアしながらやるのがよいか。

(中竹委員)

○たとえば教員だけで熟議をするのもよい。これまで青森の教員と福岡の教員が熟議をする機会はなかった。とにかく熟議を重ねることが大事で、それを続けようというスタンスがよいと思う。

○文字情報だけでなく、映像等のツールも使っていくとよいのではないか。

(佐々木委員)

○ファシリテーターや主催者が本気になって、丸裸になってやれば人も集まるし、きっとうまくいくと思う。

(城山委員)

○「解決策検討型熟議」でどこまで踏み込むかはナイーブだが、(1)解決策については「リアル熟議」・現場に投げるという形と、(2)解決策の編集機能を現場当事者に委ね、それを文部科学省がサポートするという形がある。

○熟議を踏まえた最終的決定は政治判断であるが、説明責任を果たしていく必要がある。

  • 佐々田委員より、8月1日開催予定の「リアル熟議in秋田」の案内がなされた。
  • 柏谷委員より、青森県横浜町で開催予定のリアル熟議の案内がなされた。
  • 日渡委員より、愛知県及び島根県津和野で開催予定のリアル熟議の案内がなされた。
  • 金子座長より、大学をテーマに開催予定のリアル熟議の案内がなされた。

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生涯学習政策局政策課