生涯学習に関するデータの集積の在り方に関する部会(第9回) 議事要旨

生涯学習に関するデータの集積の在り方に関する部会(第9回)が、以下のとおり開催されました。

1.日時

平成24年12月26日(水曜日)13時15分~15時30分

2.場所

文部科学省生涯学習政策局会議室

3.議題

  1. 社会教育調査の見直しについて
  2. 「学び」に関する意識調査について

4.出席者

委員

小泉委員、笹井委員、澤野委員、田中委員、土屋委員、益川委員(五十音順)

文部科学省

生涯学習政策局
西澤調査企画課長、土山調査企画課長補佐、郷家政策課長補佐

5.議事要旨

事務局より配付資料の確認及び資料の説明が行われた。

(1)社会教育調査の見直しについて

前回会議までの議論や省内及び都道府県からの意見を踏まえて作成した調査票案について事務局より説明を行い、委員より了解を得た。

(2)「学び」に関する意識調査について

前回会議の議論を踏まえて事務局にて作成した調査票案について、委員による議論が行われた。

学びの実態について

  • 「学び」の範囲を明確にして定義について十分な説明をした後、具体例を提示するとよい。
  • 「生涯学習に関する世論調査」の中の生涯学習の定義を使ってはどうか。
  • 「意識が変わることで成長する」という学びを調査対象から外すことを明確にするために、「形になった学び」を対象としてはどうか。
  • 状況的学習や偶発的学習は除き、個人が意図を持って学ぶことや、学校の学びだけでなく、個人が社会資源や自分自身が持っている資源を用いて学ぶこと、という範囲をとらえるということでよいか。
  • 「学び」の定義を決めても回答者が「学び」をどうとらえるかはわからないので、回答するがわの「学び」に対する認識のずれを補正できるような設問にすればよい。
  • 過去の要因で中学校で起こったことを聞いているが、過去の経験が学習活動だけに絞られているのはなぜか。
  • 職場体験については、今後の重要性はわかるが、現在の30歳以上の経験者は少数であると思われるため、現段階で調査するのは難しいのではないか。
  • 「地域の行事」とあるが行事だと範囲が狭くなるので、「地域の活動」として、地域でやっていることが広く含まれる形にした方がよい。
  • 学びの実施状況は生涯学習に関する世論調査と重なる内容だが、過去の要因との関係を見る際に基準変数となるので聞くべきだと思う。
  • 学びの要因として過去のことや今の意識を聞いているが、それが趣味的な学習や教養的な学習など、学習のどういう内容に影響を及ぼすのか、学びの領域は聞いておいた方がよい。
  • 学びの手段や方法を問う設問について、選択肢は「雑誌・本」「テレビ・ラジオ」「CD・DVD」の3種は質が異なるので分けるべき。また、グループでDVDなどで学習する場合はグループ学習の選択肢に入れる。
  • スポーツ系をイメージした選択肢も必要。フィットネスクラブなどを入れるとよい。
  • 社会人学生に配慮し、学校の正規課程の選択肢を入れる必要はないか。
  • 電車に乗りながらスマートフォンでクイズ形式で学習することも視野に入れ、選択肢には「オンライン学習」や「e-learning」という言葉を入れるとよい。

学習成果の活用について

  • 全体的に問いに対して選択肢の表現が妥当であるか再検討してほしい。
  • 「学び」から得たものとして「仕事」というのは、仕事が充実したという意味と、新しい仕事を得たという二通りの意味が考えられるので、選択肢は丁寧な表現にするべき。
  • 学びの目的と成果の対応関係をある程度見えるようにした方がよい。
  • 学びの「効果」であれば一般論で答えられるが、学びの「成果」と言われると失敗した場合は成果がなかったということで何も選べなくなる可能性がある。
  • サブクエスチョンで、「学び」から得たもので一番大きいものは何か、ベスト3まで書いてもらってはどうか。
  • 「その他」がないので入れるべき。

過去の要因

  • 成績に相当するものについては学歴で聞くこととし、加えて、勉強が好きだったかどうかについて聞くとよい。
  • 勉強が楽しくても成績が悪い子もおり、学びという観点でみると好き嫌いというのはそぐわないのでは。しかし成績を聞くもの難しいので、「中学生のころ学ぶことが楽しかったですか。」と聞けばよいのではないか。
  • 主要科目、芸術系科目、スポーツ系科目に分けて、それらが「得意だったかどうか」、又は「楽しかったかどうか」を聞けばよい。
  • 「学習塾に熱心に行っていた方だと思いますか」という問いは、誰が熱心なのかわからないので表現を変えた方がよい。
  • 子ども時代の地域の行事への参加については、地域の行事だけでなく、子ども会や青少年育成関係などの活動も入るような表現にする必要がある。
  • 家庭内の要因との相関関係も見られるとよいので、家庭関係に関する質問が必要ではないか。
  • 「熱心に」という表現は「積極的に」に変えた方がよい。
  • 「過去の要因」は、質問内容が学校時代のことに戻り、学校の学びを問うことになるため、「属性項目」の前におくのがよい。

施設の利用について

  • 東京23区では公民館を社会教育館と呼んでおり、大都市圏の人が「公民館」をイメージができるかが問題。社会教育センターや社会教育館などの、図書館や博物館以外で社会教育施設といわれるものも入れた方がよいのではないか。
  • 公民館・図書館・博物館に限らず、コミュニティセンターや生涯学習センターなどの社会教育グループが利用しうる施設も調査対象とすべきではないか。
  • 施設の意義を聞いた後に、施設を利用しているか否かを聞く方が原因と結果がつかみやすいのではないか。
  • 施設の意義は、「自分自身にとってどれだけ役立つか」と聞く方がよい。
  • 各施設を利用している人に対して、どういう点で利用価値があるか、様々な項目を挙げて「とてもある」「とてもない」などの選択肢を選んでもらう形がよいのではないか。
  • 施設の種類については、公民館・図書館・博物館はそれぞれ聞いておき、コミュニティセンターや生涯学習センターのような施設はその他として、4分類にするのがよいのではないか。
  • 施設の利用価値については、それぞれの施設の設置目的があるので、ある程度法律を参考にして考えるとよい。

お問合せ先

生涯学習政策局調査企画課