「これからの博物館の在り方に関する検討協力者会議」ヒアリング

2007年4月13日

鴨川シーワールド
顧問　祖一　誠

• 1970年10月開館（年間入館者数：900〜1,000千人）
• 営利法人（三井観光開発株式会社）
• 博物館相当施設（1981年3月指定）
• 所属
  • 日本動物園水族館協会
  • 日本博物館協会、千葉県博物館協会、全国科学博物館協議会

• 加盟園館数
  • 159（動物園91園、水族館68館）
    • ＊動物園は公立が多く、水族館は私立が多い
• 年間利用者数
  • 70,000千人（動物園39,000千人、水族館31,000千人）
• 動物園水族館の機能
  1. 教育
  2. レクリエーション
  3. 自然保護
  4. 研究
     • ＊最近は、特に環境教育、自然保護、命の教育に果たす役割が期待されてきている。
     • ＊国際的な博物館の定義に基づいて検討された、博物館が有すべき3つの機能（P．4）とも合致する。
     • ＊上記機能を兼ね備えている動物園や水族館は社会的に認知・支援され、公共性が非常に高い。
     • ＊また、野生生物に関する情報発信や、「楽しく学べる空間」として地域振興や観光振興に大いに寄与している。

• P．7　「新しい登録制度の考え方」の4つの視点では、
  
  
  • ＊の「私立博物館も含め、できるだけ多くの博物館が参加できる」とあり、営利法人が設置した博物館では、の「登録博物館になることがメリットとなる」が、大きな関心事となる。
• P．9　「動物園・水族館は営利法人が設置している…営利法人立の博物館についても…登録制度の対象とし、…登録審査にあったては、博物館の有するべき公共性に鑑み、当該法人の博物館部門の経理の明白性の確保等についても考慮した上で、引き続き検討する。」
  
  
  • ＊私立博物館でも、博物館経営に関わる事項を区分すれば博物館部門の経理は明白にできる。
    明白にしてどう検討されるのか？という疑問がある。
  • ＊営利法人は、利潤追求が基本であり、赤字経営では施設の存続は困難となる。
• P．9　「新しく加わる登録博物館が受けるべき税制上の優遇措置等のメリットについては、個々の博物館の特性に応じて検討されるべきである。」
• P．12　「登録博物館が享受する税制上の優遇措置を始めとする諸制度についても、参加制度を積極的に促す上で重要であり、さらなる検討が必要である。」
  
  
  • ＊営利法人立の博物館が登録博物館となる主なメリット（要望を含む）
    • 1．社会的なステイタス
    • 2．博物館経営の方向性の明確化
    • 3．税制上の優遇措置（地方税等の免除を期待）
    • 4．動物取扱業からの除外（要望）
      　現在、「動物の愛護及び管理に関する法律」により、届出・講習等がペット業者等と同等の扱いとなっている。

関連事項

• ＊博物館の長（館長・園長）の資格制度があっても良いのでは？
  • 博物館経営や運営に関する知識や認識が著しく低い場合がよくある。

• P．22　国公私立の登録博物館全般の入館料に関する考え方
  • 　「入館料は無料ないしできるだけ低廉な価格に設定することが望ましく、少なくとも児童生徒については、無料とすることが望ましい。」
  • ＊国公立といえども経営健全化が叫ばれ、指定管理者制度による民間活力の導入等が行われている。また、受益者負担の考えも根強い。
    私立（民営）の場合、入館料無料では経営が破綻してしまうので、この点は受け入れ難い。利益が出ているからこそ安定経営ができ、精力的な博物館活動ができる。よって、
    入館料は無料ないしできるだけ低廉な価格に設定し…
    に変更を希望する。