ヒアリングの発言要旨

徳川美術館 副館長
山本 泰一(やまもとやすかず)

  1. 登録制度について
     現行に国・独法・学校・教育委員会非所管・会社などを含め、一定以上の水準に達したミュウジアムを登録(認定)するのは賛成である。
     登録(認定)になるメリットが、具体的な形で享受できるようになると良い。このためには全てのミュウジアムというわけにはいかないので、ハードルが必要となろう。貸し会場を専らにする施設は省くべきであろう。
  2. 学芸員制度について
     学芸員資格という条件があることにより、かえって能力ある人をミュウジアムより遠ざけていることがある。ミュウジアムに能力ある人は必要だが、それに資格が必要とは思わない。ましてや上級学芸員などとは。上級医師・上級弁護士など聞いたことがない。
     能力のある人をミュージアム業界にひきいれるには、ミュウジアムのある大学院大学を作り、歴史・運営・保存・展示・作品研究・普及・広報などを習得するコースを創設するしかない。ここを出た人が博物館博士や修士と名乗ればすむことと考える。
     ただ現行の制度が、マイナーなこの業界を広く知らしめた効能は否定しない。が、片手間の履修で資格を与え、幻想を抱かせるは酷というものだろう。
     一方、採用する側にも学術研究者のみを受け入れる姿勢を改める必要がある。学部レベルでもミュウジアム専攻コースができれば、違ってくるのではないか。
  3. 博物館の基本的要件に資料の情報公開や研究情報の公開を入れたい。
  4. ミュウジアムの公益目的とその事業について明確にする必要がある。