「博物館の在り方に関する検討協力者会議」ヒアリング資料

2007年4月13日

法政大学　金山喜昭

野田市郷土は博物館で18年間の学芸員・館長補佐のキャリア。
法政大学で博物館学芸員課程の担当教員5年のキャリア。
また、キャリアデザイン学部教員としてのキャリア教育の経験。
野田市でNPO法人の立ち上げ。2年前にNPO法人野田文化広場設立。
今年4月から指定管理者として　野田市郷土博物館・市民会館（国登録文化財）の一体的な管理運営をして市民のキャリアデザインの拠点として再スタートする。

野田市郷土博物館（千葉県内初の登録博物館）学芸員配置が確保された。

• 社会を改善する上で博物館登録制度を用いて何ができるのかを明らかにしておく。
  • 博物館や学芸員のためにでなく、市民のため。
  • 権威的なものでなく、社会的な信用ブランドにする。
  • 各博物館のミッション提示が重要
  • 博物館の多様性を保障する。画一化させない。
• 登録博物館のメリット
  • 財政的な支援措置（税制・補助金など）
    私立博物館、NPO博物館（指定管理者として納税義務が生じる）、財団博物館
  • 人事交流（公立博物館間、公立と民間博物館間）（一定期間・移籍）
    人材育成に対する補助金（全額でなく当人も負担する）例：キャリアコンサルタント講座など
• 登録制度の留意点
  • 登録基準を精緻化してハードルを高くすると一部の館に限定されて制度が機能しなくなる。また、徐々にハードルを上げていかない。10年間は様子を見る。
  • 評価よりも、各館のミッション・施策・事業・実績などを情報公開する。
• その他
  • 私立博物館（登録博物館）で後継者がいない。コレクションの散逸化のおそれ。←行政による救済策。

• 公立博物館の採用方法の見直し
  • 首長部局（人事）の採用基準・方法による。一発試験の採用の落とし穴。
• 公立博物館学芸員の異動について
  • 専門職でも部局を横断した異動があってもよい（庁内のコミュニケーション促進、行政内部の理解）一定期間後に戻る。
    • 登録博物館間での学芸員の交流・異動人事―学芸員の流動化をはかる
      一例
      • 指定管理者運営の博物館学芸員→公立博物館へ
      • 公立博物館での専門職員（非常勤）→財団博物館（常勤職員）
      • 公立博物館→公立博物館（専門性の適正化をはかる）
    • 学芸員のキャリア相談
      • 職業キャリアの支援策として、制度改革にともない適応できない学芸員や、新たなキャリア設計についての相談などの対応をする。個別博物館では対応できない。→第三者機関などの業務の一部として位置づける。
    • 学芸員養成制度の改革について
      • 基本的に賛成。
      • 学部教育では博物館理解・学芸員理解をはかる（キャリア教育）→大学院での博物館専門教育（高度職業教育）。インターンシップなど。

• 昭和34年設立−指定管理者制度の導入―今年4月スタート
• NPO法人野田文化広場による運営管理。
• 指定管理者制度をもちいて博物館の再生を図る試み。
  • 教育部門（博物館）と民生部門（市民会館）の融合化−根本市長の政策判断
  • 従来：職員3名（館長1名、事務1名、学芸員1名）以上常勤職員
  • 指定管理者：職員7名（名誉館長1名、館長1名、事務1名、学芸員4名）学芸員（指定管理者3名、市から派遣1名）全て常勤、他は非常勤。
• 新しいミッションの設定「市民のキャリアデザインの拠点」
• 事業の大幅拡大
• コレクションの棚卸し作業（全点確認）
• 博物館と市民会館の改修工事（5年間）
• 予算の増額（今年度）
• 博物館は従来どおり無料化―博物館をコミュニティの拠点にする上で有料化はなじまない。

以上