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学校における携帯電話の取扱い等に関する有識者会議(令和元年度)(第3回) 議事要旨

1.日時

令和元年7月3日(水曜日)15時00分~17時00分

2.場所

文部科学省 旧文部省庁舎2階 特別会議室

3.議題

  1. 学校からのヒアリング
  2. その他

4.出席者

委員

伊藤委員,上沼委員,竹内委員,玉田委員,森田委員
【ヒアリング協力者】
都立向丘高等学校,学校法人須磨学園,学校法人金蘭千里学園,学校法人富士見丘学園

文部科学省

丸山審議官(初等中等教育局担当),大濱児童生徒課長,松木児童生徒課生徒指導室長,星児童生徒課専門官,打田男女協同参画共生社会学習・安全課青少年有害環境対策専門官,佐藤情報教育・外国語教育課課長補佐,小林情報教育・外国語教育課情報教育振興室室長補

5.議事要旨

【座長】  初めに、学校における携帯電話の取扱い等に関わる取組事例について、各先生から御説明をお願いしたいと思います。
 それではまず、東京都立向丘高等学校に御説明をお願いしたいと思います。
【向丘高等学校】  本校は東京都教育委員会よりBYOD、スマートスクール構想の実証研究の指定を受けております。昨年度からその取組をしておりますので、積極的にスマートフォンを活用した授業を前提にしておりますので、まずそういった内容であるということを御承知おきください。
 それでは、資料に従いまして説明をいたします。
 まず、説明の前提として、本校の学校の概要について御説明をしたいと思います。本校は都立の全日制、普通科の高校でございます。いわゆる中堅校と言われる位置付けにあります。在籍が、現在868名で、7クラス、1学年だけ8クラスといった規模の学校でございます。
 近年、中堅の学校ではございますけれども、少し進路実績が伸びてきているそういう取組を行っている学校です。具体的には、その下のところに書かれておりますけれども、国公立、それから難関大学の合格者数名、そして中堅の私立大学につきましては、大体100名ぐらいの合格が出ている学校です。都立高校の中でも比較的入試の倍率は比較的高い水準にあります。
 一番下のところにございますけれども、本校は現在、東京都教育委員会から三つの研究指定を受けております。その一番上に書かれておりますのが、スマートスクール構想実証研究校です。先ほど、冒頭申し上げたBYODで、積極的に生徒のスマートフォン等を活用するという取組をしているところです。
 続きまして、本校の取組の様子を前提として見ていただきたいなと思っております。どういう形で、本校が生徒のスマートフォンを活用しているか。ほんの一部ではございますけれども、授業の動画を撮ってまいりましたので、少しご覧ください。
 これは、数Ⅱ、2年生の習熟度別の授業でございます。本校は、全ての普通教室にWi-Fiが設置されております。それと同時に、Web学習システムを活用した授業に取り組んでいるというところです。
 これは、授業の導入で、それぞれが自分の目標を入力しているところです。このBYODを通じて、生徒が今日の目標は何なのかということを常に意識しながらやれるよう、こういった形で画面に出しております。
 これは、授業のまとめの部分です。こういった形で、その授業の自分の取組がリアルタイムで分かるよう全体化をさせている。もちろん、ほかにもたくさんの取組がございます。先ほど、生徒の手元を見ていただいて分かるとおり、もう日常的に活用しておりますので、入力も私たちと比べ物にならないほどかなり速い速度で打ち込みをしています。
 それではこれ以降、スマートフォンの適正な使用について、まず本校はBYOD研究校になっており、東京都教育委員会が作っております「都立学校BYODネットワークシステム利用ルール」により校内のWi-Fi等を使うに当たってのルールを設けています。
 「都立学校BYODネットワークシステム利用ルール」の中には、様々ありますが、少し資料が小さくて申し訳ございません。もしお手元に紙ベースのものがございましたら、4番の「利用上の注意点」で、例えばウイルスの関係や、教育目的以外での使用、あとは公序良俗等に反しない、誹謗中傷等、著作権等々について、全体に向けて統一のルールを東京都教育委員会が作っております。
 それで本校は、この統一のルールに従って、本校独自のルールを作っております。それが次の画面になります。「向丘高等学校BYOD利用規則・同意書」とあります。基本的には、都立学校が統一して持っているルールに加えて、もう一点、校内における取扱いという形のものが入っております。教員の指示があるとき以外はスマートフォンの電源を切ってかばんの中にしまっておきましょうという、いわゆる校内のルールがその中に示されております。そして、これについては、入学直後、生徒、それから保護者を含めて、十分な説明、御理解を頂いて、同意を取った上で活用するという形になっております。
 次になります。これは、やはり入学時の指導でございますけれども、本校は学校生活全般についてのガイダンス期間に様々な指導をしています。その中で、こちらが入学時の指導の冊子になりますけれども、本校が作っております「高校生活の手引き」です。この一番後ろのところに、画面にも映っておりますけれども、最後、8番目として、「高校生のインターネット活用マナー」で、インターネットを利用するに当たっては、やはり入学時に生徒については徹底的に指導しているところでございます。
 先ほど申し上げたように、本校はBYODの研究校になっておりますので、いわゆる持込み、それから校内における細かいルールについては設けておりません。ただし、様々な面で、そのことについては指導しております。その一つが、この入学時の学校生活における手引きによる指導で、まず最初に、インターネット等をどう活用するのか、してはいけないことは何かということを含めてやっております。
 それでこの中に、やはりスマートフォンは高価な個人の財産でございますので、この扱いについては、個人の責任として、それは親御さんも含めて同意を得て持込みをしているという形になっております。
 続いて、本校の中で、BYODを積極的に活用する授業、それ以外の授業、様々ございます。それで、BYODを積極的に活用する授業については、もちろん教室に持っていって、「すぐに出して」という、先ほどの動画のような形になりますけれども、授業で教員の指示がない場合もございます。その場合には、基本的にはかばんの中にしまうというのがルールではございますけれども、なかなかそこら辺は徹底されないところもございます。
少し細かいところについては後で触れたいと思いますが、いわゆる移動教室のときに、スマートフォンを特別教室などに持ってきてしまうということがございます。授業の前に、もしスマートフォンを持ってきてしまった場合には、このかごの中に入れてくださいということで、授業中無断で使用することがないよう、これは生徒が自主的に入れている状況にございます。これについては、かごに入れずに授業中に使っていたといった事例はございません。
 それから、こちらも東京都教育委員会が「SNS東京ルール」というものを策定しております。これに基づいて、各学校がそれぞれの学校の実態に合わせて、SNSのルールを作ることになっています。当然、本校も「SNS向丘ルール」というものを策定していますが、実は、この4月に東京都が「SNS東京ルール」を改定いたしましたので、現在、各学校は、その改定の作業をしているところです。本校の場合には、生徒会が中心になって、生徒たちが自分たちで必要なルールを考え、そして、学校のルールを策定していく作業をしているところでございます。
 実際、今現在存在しているルールにつきましては、1から5のところ、利用時間だとか、あるいは使わない時間や場所、フィルタリング、個人情報について、あとは、誰かが見て嫌な気持ちになるようなことは絶対にやめようといったルールを設けているところでございます。
 それから、1年生の早い段階で「セーフティ教室」を実施しております。この「セーフティ教室」の中で、スマートフォンの取扱いについては指導しているところです。もちろん、校内の教員が指導するとともに、やはり外部から専門の方をお呼びしてということで、毎年、通信会社等の専門家を講師としてお呼びして、指導を行っているところでございます。これも、早い段階で毎年行っている指導でございます。
 それから、次の画面では、これも1年生の指導になりますけれども、こちらが東京都教育委員会の独自のテキスト、教科書になります。人間としての在り方、生き方に関する教科という、学校設定教科、科目を設けております。「人間と社会」という科目。この中で、やはりインターネットに関わる、ネット時代を生きるという項目がございます。生徒がグループワーク等をしながら、自分たちで何をどうすればいいのかということについて、授業の中で生徒たちが真剣に考え、そして、それを自分たちのものとしてルール化していく。そんな形の指導も入っているところでございます。
 それから、これは全学年になりますけれども、「交通安全教室」。当然、一般的な交通安全の指導になりますけれども、その中で、現在は必ずスマートフォンに関する項目を入れていただいております。こちらの交通安全教室につきましても、警察と連携した形で毎年行っており、近年は「歩きスマホ」、あるいは自転車に乗っての「ながらスマホ」といったことの危険性と同時に、加害者になるといったことも含めて指導しているところでございます。
 今、本校のスマートフォン等における指導を一つ一つ紹介させていただきましたけれども、本校の場合には、スマートフォンに限定して指導するというよりは、様々な場面で多面的な指導を入れております。先ほど御紹介いたしました安全指導、それから人権尊重、そして、学校生活全般についての指導ということで、あらゆるチャンスを捉えて、生徒たちにはスマートフォンの扱いについては指導しております。
 それでは、本校におけるスマートフォンについてのいわゆる課題について、それほど大きな問題になってはおりませんけれども、実際に数件発生している事例がございます。例えば、真ん中のところに例が載っておりますけれども、本校は朝学習という時間を取っております。この朝学習については、BYOD推進校でございますので、Web学習を使う分には、もちろん構いません。しかし、それ以外のアプリを起動させて、学習以外のことをするということは、やはりルールに反することになります。このような事例があり、この件に関しましては担任が指導しましたけれども、まずは、問題であるということを生徒に迫り、保護者の了解を得て、その生徒のスマートフォンを一時預かります。そして、反省を促して、自分のルールを最終的に本人が述べて、適切な活用をするという確認をとっております。
 最後になりますけれども、「スマートフォン等の適正指導に関する課題」ということで、四つぐらいの課題としてまとめました。
 まず、授業、教員の指示以外の使用についてというところがございます。やはり休み時間、あるいは放課後、別のアプリを使用することはゼロではございません。当然、その場を見れば指導することになります。
 それから、「歩きスマホ」。私は、毎日正門に立って、生徒に「おはよう」と声を掛けていますが、やはり若干名の生徒がスマートフォンを持って歩いているという現状がございます。ただ、これについては、画面を見ていないので、細かくは分かりませんが、今の生徒は、時計代わりにスマホをぱっと見ることがあります。大体スマホを手に持っている生徒は、登校の時間ぎりぎりになっている生徒が多いという事実はございます。
 それから、自転車の「ながら運転」については、ほとんどそういった生徒はおりません。ただ、やはり一般的な指導としては、そういった危険な行為については指導はしているところです。
 それから、三つ目、SNSへの不適切な書き込み。これについては、事の大小、いろいろあるかと思いますけれども、やはり少しでも他者が嫌だなと思ったことについては、指導を強めているところでございます。
 それから、スマートフォンの使用と健康ということで、やはり長時間の使用については、健康上の様々なことがございます。かなり長い時間使っている生徒もいるように見受けられます。そういった課題があると考えておりますけれども、現時点において、本校では、これらの課題が大きな問題に発展しているということはございません。ただし、常に私たちが意識を持って指導体制を整えていくといったことが必要だと思っております。
 いずれにしても、冒頭申し上げたとおり、BYODの取組を積極的に行っていくというのが本校の現状でございます。適正な使用を含めて、さらに指導をしながら、学習の支援ツールとして活用し、生徒たちがネット社会の中で適切な行動が取れるように指導してまいりたいと思っております。
 以上でございます。
【座長】   それでは、続きまして、学校法人須磨学園に御説明いただきます。
【須磨学園】  こんにちは。須磨学園です。
 私立の同族経営の学校でございます。学園長が、以前IT企業に勤めていたということもありまして、携帯電話とかIT関係のことに非常に詳しくて、ある日、私のところに、「最近、携帯電話のことが話題になっているようだけれども、学校に持込み禁止だって。それはよくない。インターネットの接続、これも制限が掛かっているって。それもよくない。リテラシーが上がらないということで、全員に携帯電話を持たせなさい」と。「そうだ。学校が決めた携帯電話を作ろう」ということで、それが、私どもが今日お話しさせていただく制携帯の取組でございます。
 制携帯とは何かということですけれども、制携帯とは、実は、制服とか、制かばんとか、制靴といったような、学校が仕様を決めた、デザインを決めた、学校独自の携帯電話。最近は、去年から全員がスマートフォンに変わりました。もともとはこのような携帯電話、フィーチャーフォンだったのですが、昨年から全員がスマートフォンを持つようになりました。それが、制携帯というものです。
 では、何でそんなことになったのか、どうしてそういうことになったのかということですけれども、そもそも文部科学省から我々に通達が参りました。ある日、小中高の生徒、原則、学校への携帯電話の持込みは禁止するというお達しがやってまいりました。それ以前から、どこの公立中学校も小学校も、皆さん携帯電話の持込みは禁止ということが言われていました。
 なぜ禁止かというと、無法地帯であるからということと、もう一つは、いじめに使われたことがあった。メールでいじめが起こっていた。でも、そのことを学校は管理できなかった。先生は御存じなかったということで、学校の管理責任が問われてしまったからかなと思っています。つまり、管理できないツール。これを学校は許可するわけにいかないという判断をされたのだと考えておりました。
 それが、2007年ぐらいです。2007年ぐらいにアンケートを取りました。入学したての中学校1年生に、「携帯電話を持っていますか」というアンケートを取りました。中学校1年生、何%だったと思いますか。
【委員】  ほぼ9割でしょうか。
【須磨学園】  そうです。87%です。中学校1年生が87%。高校3年生。
98%、99%。約一、二名が持っていなかった。そんなレベルでした。
 なぜかと申しますと、特に私学は通学圏がかなり広いからです。そして、うちの学校は、非常に勉強を過激に取り組む学校でございまして、夜9時まで残って勉強ができるというシステムがあります。塾や予備校に行かなくてもいいように、全部学校でやりましょうということで、9時まで残って生徒たちが帰る段階になると、やはり御家庭に連絡します。そのため、携帯電話を持ってくるのは当たり前でしょうというのが保護者の考え方です。
 では、学校がほぼみんなが持っている状況のときに、禁止するとどうなるか。禁止すると、大抵の人は隠れて使います。「持ってきていません」なんてうそをついてしまって、実は、かばんの中に忍ばせて、隠れて使う。隠れて使われることほど困ることはありません。隠れて使うとどうなるかというと、我々、大人が関与できなくなる。大人が関与できなくなるとどうなるかというと、無免許運転と一緒です。危険に巻き込まれる可能性が非常に高くなる。ネットいじめがあったり、詐欺に遭ったり、不正請求がありますけれども、うちの生徒、中学校1年生のときに、お母さんが学校に飛び込んでいらっしゃいました。「先生、今月の携帯電話の請求が30万円です。学校で携帯電話の使い方、教えていただけませんか」と。十数年前は、ゲームばかりやるとそういうことになっていました。
 では、学園長が言うように、携帯電話のシステムを作りましょうかということで、禁止するよりも正しく生徒たちに携帯電話を使ってもらおう。ルールを学んでもらって、危険性を学んで正しく使う。これは、自動車教習所みたいな感じです。自動車はとても便利なものです。でも、無免許運転で乗ったら大変危険です。ルールを知らない、運転の仕方を知らない、危険性を知らない、仕組みを知らない。これほど危険なものはない。でも、みんな自動車教習所で車の乗り方を学びます。教習所に行って、一番最初に学ぶのは何でしたか。そうです。怖い怖い事故に遭う場面を見せられて、自動車はこんなに怖いよと教えられますよね。その後、自動車の仕組みを学んだり、交通法規をがんがん学ばされたりして、それから試験運転というか、第1段階の教習に入るみたいな感じでした。
 それで、須磨学園は同じ考え方でやっています。一番最初に、どれだけネットが危険か、携帯電話が危険か、どういうことが起こっているのか、みんなちゃんと学びなさいよということで、みんなに教えます。そして、正しい使い方はこうですよ、こういうふうに正しく使いましょうね。正しく使うと、とても便利なものですよ。だから、制携帯を作りました。
 制携帯は、どういうものが特別なものなのかというと、普通です。最初はガラケー、フィーチャーフォンでした。今はスマートフォンですけれども、スマートフォンが電波塔を介して基地局に行く。須磨学園の制携帯の特殊なところは、ここに須磨学園サーバーが立っています。ファイルサーバーですけれども、これで全ての携帯電話のやり取りのログをアーカイブしています。記録を取っています。
 なぜこんなことをしているかというと、例えば、携帯電話を見た、メールを見た生徒がいなくなってしまった。家出をしてしまった。何か事件に巻き込まれたのではないか。お母さんは心配で心配で仕方がない。きのうから本当に様子がおかしいからと。それで、警察に行って、携帯会社に行って、ログを見せてくださいとお願いをする。でも、携帯会社は絶対に見せてくれません。携帯会社、どういうときにログを見せてくださるのですか。
そうです。事件性がない限りログは開示してもらえない。だから、未然に防ぐということはできない仕組みになっています。そのため、この須磨学園サーバーを立てているということが、一番の大きな特色です。サーバーを立てている。それで、全てのトランザクションとアクセスと通話履歴、メールのアーカイブ、全部知っています。かといって、私たちが生徒たちのやり取りを四六時中ウオッチしているわけではないですけれども、保護者からの申出があれば開示するというシステムのものです。
 須磨学園サーバーを経由している。だから、ログをアーカイブできます。それで、保護者から依頼があるときに限って、ログを開示します。
 このことで、どういういいことがあるかというと、実は、これが抑止力につながっています。生徒に、「あなた、変なメールを送って誰かを傷付けたら、傷付けられた誰かのお母さんがログ開示請求をしたときに、あなたが変なメールを送っているのが分かったら、大変なことになるよ」みたいなことを一々言いませんけれども、生徒たちは分かっています。このやり方が正しいかどうかというのは、文部科学省の皆様、先生方にとっては、いささか疑問点がおありかもしれませんけれども、これが抑止力となっているということは間違いがないと思います。
 抑止力として機能する。言ってみれば、高速道路に付いているオービスみたいなものです。「時々見ていますよ」ということを生徒たちに言うことによって、生徒たちは、あっ、これは見られているからまずい。見られてしまうとまずいことをしてはだめだな。少し本末転倒なところがありますけれども、抑止力としての機能は十分に果たせていると思います。
 それだけではなくて、このスマートフォンには様々な管理機能が組み込まれています。携帯電話を持たせることの一つの大きなポイントとして、管理できる仕組みを作るということが大きなポイントでしたので、管理できる機能を組み込んでいます。例えばフィルタリングを掛ける。ウエブにアクセスするときにフィルタリングを掛ける。当初はホワイトリストだったのですけれども、今はブラックリストのフィルタリングを掛けています。
 ダウンロードについて。これも制限を掛けています。危険サイトからのダウンロードはできないような設定にもなっています。
 もう一つ、アプリのインストール制限。これは、ダウンロードについてと非常に連動しておりますけれども、アプリケーションを勝手にインストールできないような設定になっています。アプリケーションをインストールする場合は、授業中であったり、教材をダウンロードしたりしてインストールしています。
 もう一つは、使用時間のコントロールができます。中学生と高校生と使用時間は違いますけれども、深夜12時から朝の5時、6時まで、使用できない設定を掛けています。これによって、携帯電話で、また、スマートフォンでゲームをやり過ぎたり、動画を見過ぎたりするということはなくなっているようです。
 最後の管理機能ですけれども、監視システムを導入しています。これは、先ほど申し上げたものに付加されるものですけれども、妙な通信があったということで、アラートがやってくるというシステムです。
 このようなシステムを組み込んで、須磨学園は中学校1年生から携帯電話、今はスマートフォンを持たせている。一番最初にやることは、この「制携帯ハンドブック」で携帯電話の危険性、携帯電話の正しい使い方を学びましょう。学んで、正しく使うことを実践しています。
 それだけでは、当初、やはりいろいろ反対する保護者の方も出ていらっしゃいました。今は、メリットの方が大きいですね。当初は、いろいろなキャリアのところに出向きまして、携帯電話、スマートフォンは危な過ぎる。子供たちにとっては危険がいっぱいだから、もっと管理できる仕組みを作ってもらえないか。
 ドコモばかり言うつもりはないのですけれども、昔は、ドコモのホーム画面から危険サイト、アダルトサイトにジャンプできるリンクが張ってあった。こんな電話を子供に持たせていいのですかという話をしに行ったことがあります。
 でも、その仕様は変えることができない。では、携帯電話をちゃんと作ってくださいよという提案を、企画書を書いて、全てのキャリアに持っていきました。それで、我々の話を聞いてくださったのが、今、携帯電話を導入しているKDDIさん、auさんです。
 別に私はauさんの回し者でも何でもないですけれども、auさんは、須磨学園の取組は大変面白い、どんどんやってください、携帯電話を無償提供しましょう、通信料金についても面白い試みだから半分にしましょう、みんなの負担を減らしましょうということでやってくださったのです。大変面白い取組だなと我々も思って、この取組をどんどん広めたいと、いろいろなところに行って、今までも話をしてまいりました。
 ところが、制携帯は2校目がなかなか出てきません。この場をおかりして、どうぞ、この携帯電話は大変いいシステムだと思います、ですのでどんどん導入していただければなと思っていますけれども、なぜ広がらないかということを併せて申し上げておきたいと思います。
 なぜ私たちの取り組んできた制携帯が皆さんの間に広まっていかないのかということですけれども、これは、非常に手間が掛かるからです。手間が掛かって、この携帯に掛かり切りのスタッフが3名います。要は、携帯ショップ、ドコモショップ、auショップ1軒分を校内に抱えているみたいなものです。でも、言い出しっぺは辞められない状況で、今も延々とやり続けているのですけれども、今はいろいろな活用を見出しまして、特に緊急連絡ツールとしての威力がかなりのものだなということを申し上げておきたいと思います。
 兵庫県、昔は全国初の鳥インフルエンザで休校になりました。そのときに、私どもの学校の生徒は、誰も学校に来なかった。なぜなら、一斉連絡が可能だったからです。生徒に一斉連絡をプッシュメールで通知ができた。そのことで、みんなちゃんと対応できた。
 災害時にも活躍できるように、今、時々試運転をしております。そのような取組を通して、制携帯をもっといろいろな場面において活用していければなと思っております。
 最後になりますが、制携帯の活用事例として、緊急連絡、一斉連絡はともかくも、メール、内線電話、電話の通話料は無料です。内線電話のイメージで、制携帯同士の通話は無料になっています。グループウエアとしての情報発信、あと、新しいところでは、語学教育に活用しています。
 最近、スマートフォンが音声認識をしてくれる時代になってしまいました。文部科学省がおっしゃっておられる、来る2020年の大学入試制度改革の英語教育の取組。英語の試験が大きく変わります。今までリーディングとライティングとリスニングしかなかった試験に、スピーキングが加わってくる。このスピーキングのテストは、音声認識システムが組み込まれたデバイスに向かって受験生は英語をしゃべる。そのデバイスが採点をするという仕組みのようです。その練習として、うちの生徒たちはスマートフォンに向かって、音声認識システムが搭載されたアプリに向かって話し掛けて、英語のスピーキングの練習を現在しています。 
グループウエアというのが最後のページにありますけれども、そのグループウエアの部分だけをまとめたものです。どうしてこれを持ってきたかということなのですが、まず、コンピューターを教育に使うということの可能性は、随分昔から、パソコンと教育、それからパッドと教育、今はスマホと教育という感じで、ずっとされてきたわけですね。それについて、結果は出ているのか。それについては、結果はあまり出ていないような感じがする。つまり、コンピューターを使って教育するよりも、黒板で教育をしているのとあまり変わりないと言ったら問題が起きるかもしれないけれども、それよりも携帯電話やスマホ、パソコンもそうですけれども、教育に一番大きな影響を与えるとすると、それは何か。それは間違いなく、生徒と保護者と学校とのコミュニケーションの大きな変化が大きなインパクトを与えると、過去30年ぐらいの経験で考えているわけです。
 私どものスマホ、制携帯の意味の、私個人としては半分ぐらい、ほかの人は半分もなくて3分の1ぐらいと言いますけれども、それは学校が運営されているベースとなるグループウエアがスマホから使える、パソコンから使えることであると思っています。
 最近、ほかの中学校、高等学校の設置者変更をいたしまして、私どもの傘下に夙川中学校・高等学校というものが入ったのですけれども、そこはグループウエアほとんどなしで運営しているわけですね。グループウエアありで運営している学校と、グループウエアなしで運営している学校の運営の違いというものを改めて経験したわけです。
 私は、制携帯の意義の半分ぐらいは、グループウエアを使った学校の運営や教育が、生徒と保護者の手元に届くというところにあると信じております。
 以上です。
【座長】   学校法人金蘭千里学園、御説明をお願いいたします。
【金蘭千里学園】   本校では、携帯電話の校内持込みですが、原則許可、ほぼ許可です。以前は、原則禁止ということで、ただ、保護者様から許可願い、例えば、過去に危険な思いをしたとか、帰り道がどうしても暗くてとか、事由を書いていただいた上で許可をする、事由によっては許可しないという形だったのですが、今は、届出は出させていますが、許可しているというふうに変わりました。
 では、その許可の経緯ですけれども、皆さんも記憶に新しいと思いますが、昨年6月に大阪の北部地震が起こりました。本校は、北摂の吹田市にございまして、それはそれは大きく揺れました。時間帯がちょうど登校時間帯でしたので、校舎にいる子も確かにいました。本当に家が近い子は、恐らく家を出ていなかった時間帯。しかし、ほとんどの生徒が、実は電車の中に取り残された時間帯だったのです。ですので、非常に困ったことが起こりました。
 それは、学校も把握できない。そして、親御さんも場所が分からない。子供たちがどこにいるのだろうということで、所在が分からない生徒が非常に多数になりました。阪急電車というものが走っていまして、その阪急電車に取り残された生徒が非常に多いだろうと予測をして情報を集めたのですけれども、そのときに、どうやら近くの公園に避難させられているらしいということで情報を得まして、そこに教員を派遣しました。
 一斉メールシステム、ミマモルメというものを本校は使用しておりまして、保護者様にはメールアドレスを登録してもらっていました。ですので、本校は、まず、学校で確認できた生徒は何年何組何番のこの生徒ですということを送り、公園に行った教員から情報を得まして、南千里公園では何組何番が確認できましたということを10回ぐらいは送りました。保護者様の安心のために、情報が入り次第、どんどん情報を随時配信するという対応をいたしましたが、最終的に把握に時間が掛かりました。最後の子は夕方から夜に掛けて、やっとそこで把握できたという状況でした。
 やはり緊急時、携帯電話というのは、このミマモルメもそうですが、非常に有効。そして、こういう緊急時、意外とミマモルメはすっと通りましたし、LINEなどのSNSは結構通じています。ですので、こういう緊急災害時に、やはり携帯電話というのは非常に有効だということで、北部地震の後、校内持込みという検討を本格的に始めることになりました。
 本校の狙い、趣旨ですけれども、一つはやはり登下校中の生徒の安全・安心。それで、北摂に位置する学校ですが、実は奈良県からも登校していますし、北は滋賀県栗東からも登校しておりまして、結構広範囲にわたって本校に登校しているということがあります。親御さんからしますと、学校にいれば、学校につながれば、ああ、無事だとか、けがはしているけれどもちょっとなのだと分かるのですが、登下校中、一体どうなっているのだろうということが一番不安である。
 しかし、本校も進学校をうたっていますので、登下校中の生徒の安全安心と、本校教育の質を維持する、この二つを両立するためにはどうしたらいいのかということです。それを考えまして、一つは、ルールをきちんと決めたということ。そして、もう一つが、学校で管理、保管をするという方針を決定いたしました。
 こちら、ルールの一つ目ですけれども、届出書を出していただくというところからスタートいたします。少し画面が小さいですけれども、名前を書いていただきまして、保護者印。その下には、携帯電話所持の注意があります。
 この注意書き、少しアップにしますと、いろいろ書いてあります。これは以前に原則禁止で、何か特別な理由があった場合の許可制のときからの名残もありますので、いろいろと載ってはいるのですが、簡潔に申しますと、まず、登校したら電源を切って担任に携帯電話を預ける。そして、下校時は職員室の担任のところに取りに来て、それから帰宅をする。登下校中は、緊急の連絡、家庭との連絡のみ可とする。そして、例えば電車の中でゲームをして、みんなでわいわい騒いでいるというような使用を見つけた場合は、その生徒を呼んでしっかり指導する。端的に言うと、この4点になります。本校、中高一貫教育ですが、中学、高校とも、全く同じルールで運用しております。
 しかし、ルールをいろいろと守らせることは大変なこともありますし、登下校中、ずっと監視しているわけでもございませんので、こちらが思わないような使い方をしている可能性も十分にあるのですが、それ以上に、保管すると決めたのですけれども、保管するにあたっての課題というものがありました。
 一つは、「学校に預けなさい」とこちらが言っているわけです。ですので、破損した場合、学校の管理責任を問われる。ですから、破損をどう防止するのかというのが一つ目の大きな課題でした。
 二つ目ですが、悪意がなくても、同じような携帯電話が結構あったりします。同じような色の同じiPhoneであれば、もしかしたら取違えが起こってしまって、せっかく緊急用に持たせているのに、そういうときに限って何か起こってしまうとか、こういうことを防止するにはどうしたらいいかという課題が、会議の中では挙がりました。
 そこで、携帯電話の専用バッグを導入して、そこに保管することで、破損、取違えを防止しようということで、この専用バッグの導入を決定いたしました。
 さあ、一体どういうものなのか。実は、20個バージョンと40個バージョンがありますが、本校は30人クラスです。基本、1クラス30人のクラスです。それで、高校に行きますと、文系、理系に分かれたりしますと、たまに34人のクラスが出来上がったりもしますので、全員が届出書を出したとしても全員保管できるように、40個バージョンの方の購入を決定いたしました。非常にクッション性にすぐれていまして、ネームタグが大きく付いています。ですので、非常に取違えの危険性が少ないということがございます。
 費用、予算の件ですが、40個入りは、定価3万5,000円もします。1個3万5,000円です。ただ、実はこの専用バッグ、なぜ私たちがその存在を知ったかということですけれども、本校の制服、具体名を申しますと、トンボ学生服というところで制服を作っています。本校が携帯を許可する議論を全く考えていないときに、営業に来まして、「先生、こんなのを作りました」と。「携帯専用バッグというものをこれから売り出そうと思っていまして」という営業に来まして、倉庫の奥でほこりをかぶっていた見本のバッグがあったのですね。そして、議論の中で、あんなのあったなということを思い出しまして、引っ張り出してきて、これはどうだという話になりました。
  写真を撮ってまいりました。見た目はこんな感じです。これは今、チャックで閉まっている状態ですね。閉じた状態がこういう感じになっています。
 チャックを開けますと、大きく開きます。その前に、最初に何年何組とありますね。ここにクラス名などを書くことができます。それで、中に今は白紙のネームタグを入れていますが、結構大きいですよね。1列5個です。5人分。ここに大きな名前を書くことができます。これがネームタグです。このネームタグのところがふたになっていまして、実はそこを開けますと、ぱかっとこうなります。今、1個の携帯、iPhoneを入れていますが、このふたを開けたメッシュのところに入れて、ふたを閉じるわけですよね。ですから、これを落としても割れないような仕組みになっているというのが、携帯電話保管専用のかばんなんですね。これで、やはり非常にクッション性が高いということと、このネームタグが付いていることで取違えを防止できるということで、このような専用のかばん導入を決定いたしました。
 本校は、1学年6クラスあります。ですので、中高一貫校ということで、掛ける6ですから、36クラスというのがマックスといいますか、今の中2は取り過ぎまして7クラスあるのですけれども、40個あれば足りるだろうということで、こちらを40個購入するという考えをしまして、理事長に直談判に行ったという経緯で、こちらを導入いたしました。
 実際、保護者様などからはどんな声があるかということですが、在校生の保護者様に「どうですか」ということはあまり聞いていないのですが、もちろん原則禁止のときから比べて、圧倒的に届出は増えています。多い学年ですと、9割ぐらいは持ってきていますし、大体中1などは、少なくても3分の2は超えているだろうという感じです。
 ただ、最近は、持ってくることが前提といいましょうか、特に小学校6年生、5年生あたり、例えば、本校がブースで説明会をして、1対1で質問の受け付けができるという感じになったときに、「金蘭千里では、携帯電話の取扱いはどうなっていますか」という質問が、地震以降、明らかに増えました。地震以降に、「携帯電話は禁止ですか。どういうふうに扱っていますか」という質問が圧倒的に増えたという感覚が私の中であります。
 それは、基本的には、禁止してほしいではなくて、かくかくしかじかで本校では許可しておりますが、朝来たら職員室に寄って、預けてから教室に行ってもらい、放課後、取って帰ってもらうような仕組みにしています。教育的配慮もありましてみたいなことを説明すると、ほとんどの場合が安心します。「ああ、持たせていただけるのですね」と。要は、「どうなっていますか」という御質問は、「持たせてくれますか」という質問です。こういうことが、実は入学前から既に聞かれることが非常に多くなっているなというのが、私の感触でございます。
 現状と課題でございますが、まず、原則禁止から原則許可に変更しましたけれども、携帯電話に関する問題行動、指導件数、若しくは内容が深刻になったかというと、そうではなく、もともと子供たちは携帯を持っています。そして、LINEトラブル等は、別に禁止の段階から、家に帰って起こるわけです。ですから、須磨学園様にもありましたように、どう正しく使うかという教育も、今年から本校もBYODをスタートしまして、1人1台iPadを持たせていますので、今、そういった教育をどんどんしている最中です。ですから、原則許可になったからといいまして、指導内容、指導件数、何か深刻になったり、増えたりしたかというと、全く変わりません。教育活動、生徒指導に負の影響は見られていないと断言できます。
 課題は何かというと、取違えを防ぐということで、しかも職員室に取りに来るということで、必ず大人の目があるという状況ではありますが、悪意を持てば、盗難防止というのはやはり徹底できない。そこは、本校生の質であったり、善意、良心に頼ったりしている部分もあります。もちろん、それはどんな状況だったとしても、悪意を持てば防止できないということはあるのですが、職員室で、先生の目のあるところでも、やはり悪意を持ったら無理だろうな、では、どうしたらいいのかなというところは課題としてございます。
 1人1台、もしかばんに保管、若しくはポケットに入っていれば、かばんを持って逃げる。何か起こったときに、逃げただけでポケットに入っているという状況だと思いますが、職員室も潰れたみたいな大災害のときに、恐らく担任の先生はそのクラスの避難誘導をするわけですね。では、職員室にある携帯電話はどうなってしまうのだろうというところは、やはり一つ課題だろうなと。それが、ポケットに入っていれば、避難と同時に携帯電話も持ってグラウンドに集合できるものが、そうではないというところが課題ではないかなと、今考えております。
【座長】  それでは、続きまして、学校法人富士見丘学園お願いいたします。
【富士見丘学園】  私どもは今の金蘭さんと近い考え方でございますけれども、ICTと携帯電話というものは全く別物という考え方でやっております。と申しますのも、そもそも論ですけれども、ちょうど1995年に阪神淡路大震災が勃発しまして、その頃、ポケベルというものが世の中に氾濫しました。
 それで、96年頃にポケベルからだんだんPHSに変更、そして、携帯に変更という形であったのですけれども、このポケベルの時代にも、実は高校生ぐらいが親に頼んで、やっとポケベルを買ってもらって、ポケベルを持った途端に、例えば「死ね」とか、そういうメール、番号が入るとか、子供たちは逆に何人分のポケベル番号を知っているかが自慢みたいな、変な動きになってきたわけです。
 ただ、そこにPHS、携帯というものが始まりまして、実は、うちの学校では2000年4月から、携帯電話は許可制で使用を認めました。ただ、この使用というのは、あくまでも保護者の責任において、保護者が買った携帯電話を学校の登下校時に、要は、その当時も親御さんが、私立学校の特性として、広域性という部分があるものですから、行き帰りのことで非常に不安がある親もいました。それから、一人っ子も増えていまして、例えばお母さんが急にどこかに行かなければいけない。そういうときの連絡という意味で携帯電話を持たせたいという声が上がってまいりまして、それならやはり許可制で、私どもが逆にお父様、お母様たちの責任で携帯電話を持たせていただいて、学校に来たら学校に預けて、学校にいる間は我々学校に連絡をしてもらえば子供に連絡が付くわけですから、放課後にお返しするという形で、学校は一切責任を取らないということで、許可制で預かることにしました。
 その際にも、実は、うちは金蘭さんのような注意深いことを考えておりませんで、要はそういう親の責任という論理でいたものですから、当時、2,000円ぐらいのクーラーバッグで、防水になった、中が銀色になった、少し厚手の大きい袋があるのですけれども、そのバッグを各クラスに買って、表に「1-1」とか「1-2」と書いて、朝のホームルームのときに教員が広げる。そうすると、持ってきた子は入れていく。それで、終わったら閉めて、帰りは終礼のときにまた開いて、勝手に自分たちのものを持っていかせる。つまり、これも自己責任。間違えても自己責任ということで、そういう形で非常にシンプルにやらせていただくとともに、逆に学校としては、携帯電話を持っている子を把握できること、それから学校としても、放課後、例えば急遽何かあったときに、そのまま連絡ができるというメリットがございましたので、当初、2000年の頃は2割程度でしたが、先ほど西先生のお話にもありましたように、2007年ぐらいになれば、もう8割、9割は当たり前、10年頃からは全員ということです。
 ただ、その頃から、だんだんとスマホに変わり出しました。スマホに変わった時点で、ICT教育のことも絡めて、携帯電話というのはやはり親が自分たちの便利、そして、家族のコミュニケーションのツールとして使っている部分があるので、規制することは非常に難しいかなと。
 それから、例えば、iPhoneで、つい5年ぐらい前の話ですけれども、うちの教員で実際にあったのですが、父親が突然死して、データが全部iPhoneに入っていた。ところが、iPhoneのパスワードを家族の誰も知らなかった。そうすると、事件性がない限り、死んでも教えてくれない。そんなわけで、その方の場合は、亡くなった通知ができなかったという問題があったぐらいで、それほど個人の色の強いものが携帯電話だなという思いがあったものですから、私どもとしては、それをずっと通しておりました。
 2011年3月に、御承知のように東日本大震災があったわけですけれども、この際も、結局、電話はほとんど通じない。そして、結果として、インターネットを介してのFacebookなり何なりが一番通じたという状況でございました。
 うちの学校は、緊急連絡電話という、停電になっても、局から電気を送るために使えるという電話が、今、東京都の場合、私立学校も公立学校も各校1台はあるはずだと思いますけれども、うちの場合、幸いにして5台もありまして、そのために光ファイバーに変えられない部分もあるのですけれども、そういうものが連絡のツールとしてあるので、親からは何かあったときはそこに電話してくれということを常に通知してありますし、その番号も教えてあるということもあります。そのときは、100名ほどが残りましたけれども、ちゃんと連絡を付けることもできました。
 その年の6月にLINEというものが韓国でスタートしました。2012年4月にLINEが3,000万人に到達しました。ただ、その頃から、LINEは危ないぞという、子供たちのツールとして危険だという話もありましたので、我々は12年4月の始業式の日に、教員、生徒指導部長からの注意喚起の話をしました。その年の7月に、LINEさんをあえて呼んでワークショップを開こうということで、保護者と生徒全員の前で、静岡大学の塩田研究室の方をLINEの方が連れていらっしゃいまして、LINEの正しい使い方のワークショップを開きました。
 実は、この年の5月に、LINEの出会い系サイトの問題が勃発して注意喚起があったので、ちょうどいいタイミングでございました。
 その年、2012年12月に、LINEさんが18歳未満のユーザーへの機能制限というものを掛けました。でも、その頃には、私どもでは、生徒たちにしっかりとそれが伝わっていたわけです。
 そして、13年4月にも、またワークショップを開催しました。そのときから、だんだんと携帯がスマホに100%近くなっておりましたし、それから、生徒会に声を掛けて、SNSへの教育を徹底する中で、やはり生徒たちの自己責任ということを考えたときに、自分たちでもっとちゃんとしたルールを作った方がいいのではないのということから、生徒会と風紀委員会に、4月から自分たちのルールを考えるという委員会を作らせました。
 そして、今日お手元に配っているのが、2013年12月にできた、うちの風紀委員会が作って、今生徒手帳で生徒が持ち歩いております、「富士見丘ソーシャルメディアポリシー」として、「世界とつながっていることを意識しよう」、「自分及び他人の個人情報(ID・写真・住所・名前など)をネット上へ公開しない。情報発信する際、相手を傷つけないように考えた情報のやり取りをしましょう。困った事が起こったら大人に相談しましょう」というルールをSNSにおいては作りました。
 そして、それとともに、携帯電話の使用に関しては、生徒同士が放課後、それから、朝の通学時、自分たちから、例えば駅から学校に歩いてくる間に、スマホは絶対にかばんから出さないとか、電車の中で人に迷惑になるような場合にはスマホを使わないといったことを自分たちで決めさせ、そして、自分たちでルールをもし守れていなかったら、学校は取り上げて親に返すよということを、お互いに納得した上で、保護者とともに相談してやらせていただいています。
 そして、2012年から16年までは、LINEさんにやってもらっていたわけですけれども、16年以降は、いろいろなものを使いまして、今、東京都が昨年の2018年1月に、青少年治安対策本部の総合対策部の中の青少年課健全育成担当というところが、ファミリeルールプログラムというものを諮問しました。そして、このファミリeルールの事務局の方と連携を取りながら、大体年に2回ぐらい、生徒保護者にSNSの安全教育みたいなことを繰り返し行っているというのが現状でございます。
 今、私が一番感じていますことは、やはり子供たちに社会性を身に付けさせるのが中等教育の最大の目的だと思っています。そういう中で、便利な、家族全体でのコミュニケーションツールとして利用する携帯、スマホというものに対して、逆の意味で依存症的になってしまうようなスマホの使い方というのは、私はやはり家庭の責任、親の責任だと思っております。そこで、今はスマホも、みんな制限は家庭で掛けられるわけです。親がやれば、夜は使用できないようにということもできるわけです。それから、フィルタリングも全部掛けようと思えば掛けられるわけですから、やはりしっかりと保護者の皆さんに意識を持っていただくために、そういった安全教育をやってきたということが功を奏しているかなという気がしているところでございます。
 それから、BYODにつきましては、東京都の場合、おととしからですか。始まったのも、実際には、タブレットが全員に行き渡らないというのがスタートなわけです。それで、東京都の場合、BYODの特定校を10校作られて、当初、たしか7,000万円か8,000万円か予算を立てて、Wi-Fiを整備して、一種の緊急避難的な部分で、eポートフォリオの問題等もあったので始まったわけだと思いますけれども、私が若干スマホで気になっておりますのは、今回、デジタル教科書も昨年諮問されました。そういう中で、デジタル教科書というものも、今、日本の国では目を悪くするからだめだとか、何だかんだいって、結局、「デジタル副教材」という名前になりましたし、デジタル教科書が配付されることはなくなってしまったわけなので非常に残念です。確かにタブレットの時代からキーボードの時代になっていることも事実だと思っております。
 私どもは、2年前からICT教育ということで、今、生徒全員にパソコンを持ってもらっています。それは、全員同じ機種を中学校3年間、高校3年間、それぞれ別々の機材になりますけれども、あえて中高の3年間で全員切り替えるようなリースの仕方をして、保護者の皆さんに御負担いただいてやっているわけです。それは、全てフィルタリングをしっかりして、学校のWi-Fiからサーバーの方を通して全て行うという形にして、そして、子供たちが授業、その他においてはしっかりと使っていく。
 そして、緊急連絡等につきましては、2013年ぐらいから一斉送信メールをやっておりまして、保護者の皆さんにも携帯電話、それからメール、全てを登録していただいて、子供に流すものと同じものを親にも流すということで、地震の際もそうでございますけれども、雨天や豪雨等での電車の遅れといったときの学校の授業のこと等についてもそれをやっています。ですから、アラートシステムという形でそういうものをして、やはり私は、携帯の依存症みたいなことは絶対に起きてはいけないことだと思いますし、それが起きる、起きないに関しては、御家庭でファミリールールというものをしっかり作ること。それが大事だなと思っております。
【座長】  それでは、御発表につきまして、御質問、あるいは御意見等がございましたら、どなたからでも、どこの学校に対してでも結構でございますので、よろしくお願いします。
【委員】  金蘭千里さんの報告をお聞きした中で、今回は学校の方でバッグに預かるという形でという報告を頂いたところであるのですけれども、一つは、公立の学校で考えていったときに、管理の在り方が大きな課題になってくるかなと思います。このあたりで、子供一人一人の自己管理ということにしなかった理由は、どのあたりにあるか教えていただけますでしょうか。
【金蘭千里学園】  今、例えばBYODの導入をしたと申し上げましたが、本当に須磨学園様の制携帯のように、いろいろとこちらが指定した機能しかございません。それに対して、みんなが持っている携帯電話、子供たちが個人で持っているような携帯電話というのは、もちろんフィルタリングや何やかんやといろいろと厳しい制限がある御家庭から、そうではない御家庭まで山ほど、様々、十人十色といいましょうか。そういった中で、例えば今、実はBYODでは、写真は撮れなくしています。例えば、写真をどこかで撮って、もちろんその子の教育は並行して行っているのですけれども、勝手に肖像権、プライバシーの権利というものを犯すようなリスクを減らすであったりだとか、隠れて使ってしまう、放課後使ってしまう、授業中使ってしまう、そういったトラブルの防止と教育的な質の低下、管理できないものを学校の個人に持たすわけにはいかないという考え方で、そうさせていただきました。
【富士見丘学園】  今の件で、私ども、申し忘れたのですけれども、うちは2001年から預かる形を取って、なぜ生徒に持たせなかったかというと、実は、学校に持ってきて、自己責任だからということでスイッチを切って使わないということは、できないことはないと思います。ただ、当然ながら、子供のことですから、手元にあればいじりたくもなる。それから、あと、間違ってスイッチを入れてしまっていたりするときもある。そうすると、我々も怒りたくない。生徒も怒られたくない。それだったら、学校に預けてしまおうねというのが根底にございました。
 ですから、教員は、はっきり言って、朝集めて自分の机の下で管理しているのですけれども、もうほとんどが持っているのだから、面倒くさいからいいではないかと言い出した時期もありましたけれども、やはりそんなことより、完全に怒るのをやめようよということをやっていたおかげで、LINEが広まって、ゲームがどうのと言われる時代にも、何の不安もなかったというのも事実でございます。
 ただ、2011年の東日本大震災後は、お出掛け行事というか、合宿行事の際も、学校集合の場合のときは、学校まで来て、学校で預かって置いていくという形でしたけれども、例えば、修学旅行みたいに地方に出ていくとか、そういうときは、大変担任はかわいそうですけれども、駅で担任が全部集めて持って、ホテルまで持っていって、ホテルで貴重品として預ける。つまり、その地域で災害があったりしたときに、生徒全員に自分の携帯を返せるように、渡せるようにということでやらせましたので、手間と言えば手間ですけれども、「そんなものは教員として当たり前だろう」という言葉でやってもらっているというのが実態です。
【委員】  先ほど、金蘭千里さんの方で答えていただいたところと、今、「担任が」と言ったところと重なってくるのですけれども、一つ言えることは、担任が教室でバッグに集めて、それを職員室に持っていくというシステムで預かっているということなのでしょうか。
【金蘭千里学園】  教室に持っていっている担任も、少しはいます。
 ただ、本校は、まず、下駄箱の目の前に職員室がありまして、ガラス張りの職員室でして、結構生徒が自由に入れるような職員室です。ですから、担任の机の近くにかばんを置いていまして、登校すると、教室に上がる前にまず職員室に寄る。それで、職員室で預けてから教室に上がる。帰りは、職員に寄って、そのかばんから取って帰るという仕組みを基本的には取っています。
【委員】  今日は、高校、それから私学等の先行事例が非常に参考になりました。いろいろ聞きたいことがあるのですけれども、このようなシステムを実際の公立の小中学校等でもできるような形にしなければいけないという意味で幾つかお聞きしたいです。
 流れで言うと、例えば、今の金蘭千里さんは、3万5,000円のものを40個買うということは、140万円掛かっているのですよね。だとすると、まずその予算がどうかということ。
 それから、30人が、例えば、高ければ1人1台10万円ぐらいするスマホが30台、あるいは300万円がかばんに入っている。それが6クラス、6学年、36クラスあるとしたら、1億8,000万円が職員室にあるわけです。保険は掛けてあるのですか。
【金蘭千里学園】  はい。学校としての保険は入っていません。ただ、例えば個人で破損したというような、そのような保険は、ほぼ強制的に入っているという感じです。
【委員】  なるほど、なるほど。だから、掛かった費用としたら、140万円の割引ぐらいが必要だということですよね。
【金蘭千里学園】  そうです。
【委員】  須磨学園の制携帯も、すごく私は興味があるのですけれども、これは、例えば3人分の人件費と、これからスマホを高校生に貸すわけですよね。1年間、概算どれぐらい掛かるのですか。
【須磨学園】  生徒たちは、通話料金で、1か月、約3,700円掛ける12か月です。教員は、3人がスマートフォンの担当、スタッフですけれども、情報の授業に入っておりますので、それを差し引きますと、学校の持出しというのはありません。携帯電話の本体は、携帯キャリアから無償提供を受けています。
【委員】  分かりました。
 それは、例えば、全国日本中の小中学校に導入する場合に可能ですか。どうですか。
【須磨学園】  十分可能だと思います。
 ただ、キャリアをauさん1社に限定しなくても、私どもは、実は同じようなシステムをNTTさんも開発してくださいましたし、ソフトバンクさんにも話を持っていって、ソフトバンクさんも、そういうシステムは開発可能であるということはおっしゃっておられました。ベースになっているのは、ビジネスフォンがベースのようです。
【委員】  非常にいいと思うのですけれども、なぜ広がらないのですかね。
【須磨学園】  いや、それは、今から何年か前に携帯を禁止するというお上のお沙汰があって、それがまだ潜在的に心の中に生きているという感じがする。それを、あえてここでひっくり返して、要るのかといったら、ポケットに入れて隠しておけばいいのではないのかというところがあるのではないかと思います。
【委員】  なるほどね。その辺がとても参考になりました。
 あと、もう一点だけ、須磨学園出身の子に話を聞くと、「パズドラできない。LINEできない。Twitterできない。だから、2台目持っていたわ」と言う子がたくさんいます。そのあたりはどういう感じでしょうね。
【須磨学園】  スマホではなくて、ガラケーのときは、ガラケーもできなかったから、それでよかったと思います。だけど、最近のTwitterとかLINEとか、そういうものになったときに、TwitterやLINEにこちらからアクセスしてコントロールするということは無理です。だから、2台持つという、それは止められない。
だけど、2台持たせる親が本当にいるのかといったら、あまりいない。それは、高過ぎるから。
 もう一つは、制携帯を持つことに意味がないのかといったら、それがないと、学校のことが分からないわけですよ。単にコミュニケーションのデバイスだけではなくて、グループウエアで、学校のほとんど全てのプリントなどを持って帰らなくても、それを見れば分かる。そういうグループウエアの情報提供というか、情報ユーティリティーとしての存在があるから意味があるという、そんな感じです。
 二つ持たせているという親については、2台持たせるとよくないですよということを保護者会でしっかり言うしかないと思っています。
【委員】  実態という意味で伺えればと思うのですけれども、富士見丘さんの方で2000年から認めているということですが、実際のトラブルなどは、それぐらいだと何回かあるのではないかと思いますが、どんな感じでしょうか。
【富士見丘学園】  実は、ありません。
あったのは、唯一、2016年ぐらいですかね。保護者のグループLINEです。保護者のグループLINEで、保護者会に行かなかった親の陰口をたたいたといううわさが流れて、そういう意味では、子供より親の方がたち悪いです。
 トラブルというトラブルは、おかげさまで本当にないですけれども、壊れたこともありませんでした。ただ、子供同士が取り違えて帰ったみたいなことは何回かあったみたいです。
【委員】  すごく感激して、トラブルがないいい子たちだとは思うのですが、私、もともと大阪の中学校の教員をしていました。いろいろな子がいるので、本当にそれで全国の小中学校でやっていくときにどうなるか。
その辺をお聞きしたいです。
【富士見丘学園】  大変申し訳ないですけれども、私は今、私立という立場、それから女子校という立場、それも含めて、やはりうちはそういうルールがあるよというのを前提として入っている子たちです。その点は、私は、公立学校はお気の毒だと思います。やはり地域の学校ですから選ぶわけでもないし、かなり厳しいと思います。
 先ほどの個別のケースに入れること一つ取っても、多分公立学校ですと、先生が見ている目の前で一つずつやらせない限りは、絶対になくなった何だと言ってくると思います。うちみたいに、開いているから勝手に入れろ、それで、自分たちの責任だということを押し付けることは、僕はなかなかできないのではないかなと。
 それで、先ほどの制携帯が広がらない理由、これは、全国の私学の立場として言わせていただくと、
これは本当に須磨学園さんの取組はすばらしいものだというのは我々も知っているのですけれども、結局、例えば小学校時代から最近は持ち出しているわけですね。それを、持っているものを1回切らせて新しい携帯をやるのだったら、パソコンを1人ずつ持たせた方が、学校としてICT教育をやる上では、ずっと画面も大きいし、便利であるという方に走ってしまう。
 それで、おっしゃるように、グループウエアみたいなものは、やはりパソコンも同じことというわけですから、うちも全てそういった書類等は全部グループで流していますので、そういう方に走ってしまう傾向があるので、本当にいいものだと思うのですけれども、そこが拡散しない一つの理由になってしまうのかなと思います。
【須磨学園】  パソコンも持たせています。
【富士見丘学園】  そうでしょう。だから、両方になるでしょう。
【須磨学園】  はい。
【富士見丘学園】  だから、そうすると、大変な経費になってしまいますよね。
【委員】  経費が高いですよね。
【須磨学園】  いや、でも、制携帯は通話料、アプリケーションも全部入ってですけれども、3,000円前後ですから、そんなに高いという感じは……。
【委員】  全国の小中学校ということなので、日本中に物すごい生徒数がいて、KDDIさんが全部そこに無償で提供というのは、あまり考えられないと思う。やはり保護者の負担が増えてくるということを考えると、ちょっと難しいですかね。
【富士見丘学園】  ですから、今、現実に問題としては、ICTの問題で言ったら、逆にWi-Fiの通信料の問題もあるわけですよ。生徒が一斉に動画を見たりしたら、あの1万円ぐらいの光では全然通じないわけですよ。だから、NTTさんが巨大なやつをぽんと学校のそばに1本立ててくれて、無料Wi-Fiをやってくれるとか、そういうことがあれば別だと思いますけれども、携帯と両方となると、それこそ月1万円近くなっていってしまうと思うし、公立で全員に強制するというのは、僕は無理だと思います。
 自治体がそれを全て持たせるということも不可能だと思います。だから、そのルールとして、自分の持っているものをどうやって使っていくかということの社会性を身に付けてもらうしかないのではないでしょうかね。
【委員】  よく分かりました。
【須磨学園】  もう一点あると思います。管理機能があればいいのではないかと思います。要は、管理するためのツールであったり、管理するためのシステムであったりをキャリアさんが提供してくださる。若しくは、子供向け、キッズ携帯というものが出ているわけですから、キッズ携帯のようなスチューデントスマホというのでしょうか、危険な画面にアクセスできないようなシステムを搭載した、又は一括で生徒たちが何をしているか分かるような管理機能を搭載したシステムをキャリアさんに御提案いただくことが一番の近道ではないかと思います。
【委員】  今の点で、学生にいろいろと今回の件を相談したところ、やはりGPS機能が付いた、本当に安価なもので、どちらかというと大学生はスマートフォンを子供たちに持たせるというのは反対な方が多かったです。西さんの今のお話だと、スマートフォンをNTTさんやキャリアさんから、こういうふうなものがあればというものを全国の小中学生に提供すると良いのではないかというお話だったでしょうか。
【須磨学園】  申し上げたことは、携帯電話であったり、スマートフォンであったり、全国の小中高生に持たせるとするのであればという前提に立っての話です。管理機能があれば、問題のほとんどは解消されるのではないかと、そういうことを申し上げた。
【委員】  分かりました。ありがとうございます。
 では、もう一点。多分、今日ここにお見えの先生方の学校は、保護者の方も判断力があり、ある程度、家庭に経済的な余裕があってということと、子供をきちんと親御さんが見ている学校なのではないかなと思われます。唯一、公立で来ていただいている学校に伺うのですが、先ほど、個人の責任でというお話を頂いたのですが、先生の学校は今、大学入学実績を見ても、ある程度、中堅以上の東京都の学校だと思われます。そして、今、実験校をやられているのですけれども、例えば高校の場合で、学習的にも困難という学校はたくさんあると思うのですが、今のような実践をそのような困難な学校でも実践可能かということと、小学校や中学校など、学校種を下げた場合に可能か、その件についてどういうふうに感じていらっしゃるかを少し伺いたいと思います。
【向丘高等学校】  やはりそれぞれの学校の実態によって違ってくるというのは、それは当然だと思います。ただ、全ての高校生、私立、公立問わず、これからネット社会を生きていくということで言えば、情報スキルをしっかりと身に付けさせなければいけない。やはり必要なことは、教育的な予防というか、予防的な教育というのでしょうか。そういった観点でもって、しっかり社会スキルを身に付けさせる。私は、そういうことが、まず大前提だと思っております。その中で、やはり活用できるものについては活用し、しかも、適切に活用させる。そういったことが何より大事だと思っています。
 ただ、先ほど申し上げたように、それぞれ学校の実態が違います。そういったことで言うならば、なかなか難しいところもあるのは、正直言って感じているところでございます。
 過去、私が経験した学校においては、本当にスマホ、その当時は携帯でしたけれども、携帯を手離せない、そういった生徒さんもいたことは事実です。ただし、その段階においても、かなり携帯の使い方等々については、様々なチャンスを捉えて指導しているという事実はございます。ただ、いわゆるルール違反みたいなものは、やはり学校によって違ってくると考えております。
 それから、もう一点、小中ということでございますけれども、この携帯あるいはスマホの持込み。私どもは、高校という視点でもって発言をさせていただいております。児童生徒の発達段階によって、これは全然違った話だなというふうに私は捉えております。
【委員】  いや、まさにそこで、今の議論は、小中学生、小学校1年生から、しかも、いろいろな御家庭があります。ここでは、偏差値がある程度、中堅以上の高校だと50、60ぐらいですよね。30の子も、20の子も、特別支援の子も、いろいろな子がいる状況で携帯を解禁していいかどうかという議論の場なので、先ほど、吉田校長先生が難しいのではないかとおっしゃった。
 私は、中学校現場にいたのですけれども、今の金蘭千里のように、自分で入れて、自分で持って帰るということにすると、ほかのやつの5,6台を持って帰って売る。今、メルカリで売れるのです。そういうことも起こらないかなという危惧がある。
【須磨学園】  そんなことをしたら、直ちに補導されるのではないですか。
【委員】  もちろんそうです。
【須磨学園】  売ったら、跡は残りますよ。
【委員】  もちろんそうです。
【須磨学園】  何をしても跡が残るということを子供たちは認識していると思う。
【委員】  もちろんそうです。いや、そのあたりを、もしも補導されるのであれば、補導しないといけないような、分かるようなシステムを作った上で導入しないと。
【須磨学園】  いや、もうできていると思いますよ。
【委員】  ああ、そうですかね。
【須磨学園】  つまり、スマホが転がっていて、それを持っていって売ったら、恐らく24時間以内に警察の人がお迎えに来るというのは、今の日本の常識ではないのでしょうか。
【委員】  いや、ちょっと申し訳ないです。それプラス、いろいろな危惧がいろいろな学校にあるので、今、皆さんとてもすばらしく、須磨学園の制携帯も感動したぐらいですけれども、ただ、それを小中学校に適用するときにどういう議論、どういう懸念があるかなということを少し考えたい。そのあたりのことをお聞きしたいのですけれども、どうでしょうか。
【須磨学園】  私、いろいろな議論を聞いていて、今日は、私どものやっている制携帯のことを説明しろということでお招きを受けたから来たということで、それ以上の枠組については、私は知らなかった。だけど、今、話を伺って思うのですけれども、どうやら携帯を公立学校に解禁しようではないかと。それについてのいろいろな諸条件を出して考えようということだと私は受け取りました。これで、私が思います一番大きな問題は、お金はどこから来るのかということです。
【委員】  そうですよね。
【須磨学園】  このお金の問題を解決しない限り、これは机上の空論になると思うのです。私は、お金がたくさんあるおうちも、お金がないおうちも、等しく与えられているものは今の時点で何なのか。それは、義務教育なわけです。あと、義務教育プラス高校の教科書。これも無料だと理解しています。ということは、何かと言ったら、教科書は皆にいっている。
 私見ですけれども、この教科書を電子教科書にして、教科書出版会社に対して、電子版だけであれば安く提供するようにと言えば、何年かたつと教科書は全部古本になるわけですね。教科書の紙代になって消えているものを財源として考えることができるのではないかと思います。
 それからスマホですけれども、このスマホと、最近、電子教科書でいろいろ言われているタブレットがあるのですけれども、タブレットとスマホと何が違うのかといったら、それは全く同じです。だから、タブレットに小さなワイヤレスのヘッドセットを付けたら、スマホの代わりはできる。とすると、スマホを学校に持ち込むということと、電子教科書の問題と、この二つを同時に解決して、なおかつ、今、電子タブレットの値段は幾らなのかと言ったら、「支那タブレット」とみんな言っているのですけれども、中国製のタブレットは、一つ1万円以下で、秋葉原に行って、一番安いものは5,000円か何かで売っていましたよ。ということは、1万円以下でそういうソリューションができて、小学生は無理にしても、中学校、高校6年間で1万円の投資を何とかひねり出すことができるのかといったら、その可能性はあると思う。
 それは、大きな制度の変更。いわゆる教科書を配るということではなくて、タブレットと電子教科書を配るということで、教科書がなくなるわけですけれども、そういうやり方はあるのではないかなと思いました。
【委員】  実は、私もその点については同感です。本当に全員にということで、等しく貧富の格差もなくということになるのだったら、以前、電子教科書の議論がありましたし、先ほどお話にもありましたが。もし全員に配付できて、全員が等しく持って、ランドセルに入れてとか、かばんに入れて登下校するときに安全機能が付いているのだったら、非常に有効かなというのは、今のは私の感想です。
【富士見丘学園】  結局、はっきり言って今の段階で不可能です。今全員に持たせようとしても、ではそのタブレットを家に持って帰ってWi-Fi環境が整っているのかとか、そういう問題も出てきてしまいます。では、それを携帯会社にお願いして、みんな全部携帯の番号を取ってやるということになれば、大変なことになってしまうし、そうではなくて、現状でとりあえず持っている子たちをどうさせるか。それから、持っていない子にいかに補助をしてやるかという形しかないのではないかなと。
 そうなったときには、やはり学校という場で、手元に自分のスマホがあった場合に、家庭でおもちゃになっているものを授業中にいじらなくなるかというのは、私は非常に難しいと思うので、やはり学校の管理の問題、保管の問題というのですか。そこの問題で解決するしか方法はないのではないかなという気がいたします。
【座長】  1点だけ、これはどうなるのか分かりませんが、今、須磨学園の制携帯というのは、私も非常にいい仕組みだなというぐあいに思っております。いわゆる緊急連絡網なり、あるいはいろいろな監視システムというものに特化した制携帯と言われるものと、それからスマホ等の、いろいろな活用範囲の広い、こういう携帯というもの。これが、我々の今の議論の焦点になっています。
 iPadだとか、その辺の学習支援機能というのは、ちょっと離して考えなければいけない問題だろう。ICT教育と、先ほど吉田先生がおっしゃったように、これは切り離して考えるべきである。
 そのときに、複数台持つ子供が出てくる。当然、制携帯でカバーし切れないものも多いです。これを、複数台というのではなくて、例えば今BYODの方でやっているように、公務文書システムと、それから学習支援システムとを、ある意味では論理言語で分ける。あるいは仮想空間を使って分けていく。こういうものを、例えば須磨学園のようなサーバーの中でやることは、私は技術的には可能だろうというぐあいに思っております。それは、何も複数を持ってこなくても、サーバーの言語で切り分けていく、プログラムで切り分けていくということは可能だろうというぐあいに思っております。
 ある意味では、片方で学習支援システムが展開されていけば、その附属の附帯機能として、今のような緊急連絡というところから発生した携帯持込みの問題と言われるものが、ある意味ではそこで解消できるような一つの空間、緊急連絡、あるいは子供たちの状態の監視。監視というのはあまりいい言葉ではないですが、そういうものをうまく組み込んで、論理的に分けることが可能だろう。今の技術としては、そこまで行っているだろうというぐあいに思っております。これが一つの解決策の在り方かなというぐあいに、私は話を聞いていたのですが、実際にそれを使っていらっしゃるところから考えれば、いかがでございましょうか。 
【須磨学園】  問題と考えられるのは、市販の非常にポピュラーな通信システム、例えばAppleのメール、iCloud、それからマイクロソフトのメール、Googleのメール、それから、Twitter、LINE、こういったところが、たとえ学校であっても、その干渉を物すごく嫌う。だから、バーチャルマシンみたいな感じにして何でもできますけれども、そういうポピュラーなアプリに関して、割込みができない。割込みができないと、必ずそちらの方にみんな動いていくわけです。だから、そこをどうキャプチャーするかということですよね。
 でも、一番手っ取り早いのは、全員に同じ機械を配る。だけど、そのお金はどうするのか。
 あと、キャリアは、ドコモもauもソフトバンクも、今度やる楽天も、子供たちを早くキャプチャーしたいから、いわゆるロイヤルカスタマーとして育てるために、物すごく大きな値引きをすると思います。同時に、スチューデント携帯、生徒のためのそういうスマホをやってくれという提案をすれば、先ほど携帯の使用法をやるぐらいにしておいたらどうかという御意見もありましたけれども、それを誰が言ってもだめだと思います。ドコモが言って、他が乗るかといったら乗らない。私が言っても、民間で言っていてはだめだと思います。学校が言ってもだめだ。
 やはりしかるべき権威のあるところ、だから、こういう感じの会議で、文部科学省に4社を呼び付けて、スチューデント携帯を考える懇談会みたいなものを作られたら、間違いなく1年後にできているでしょう。だって、そのスペックはもうほとんど決まっているから。そこで、LINEが動かない、それからGoogleが動かないというスペックにすれば、誰だって3か月で作ってしまいますよ。
 それを、文部科学省は何と言えばいいかと言ったら、まず、安く売っていい、ただではだめ、それから、国のお金は付かない。それは、あなたらが商売したらいいのではないかという話で、それは何かと言ったら、学校によって制服も、靴も、制かばんもみんな違うから。学校によって、どこのものを使うのかを学校の判断に委ねれば、そこに当然として競争状態が存在するわけだから、やはりデバイスで何が動くかということをはっきりと定義してやらなければいけない。そこのところだけを押せば、坂道を雪だるまが転がり落ちるみたいな感じでいくような感じはしますね。
 だけど、私がスマホだけを解決したら済むということではなくて、やはりお金がどこにあるのかと、そこだと思います。私は、電子教科書の問題も昔からずっとやっています。電子教科書の問題は不毛な問題ですよ。みんな反対はしない。みんなやる。だけど、絶対に広まらない。そういう今までの懸案事項も含めて、一気に解決する可能性があるのではないかなと思って申し上げたような次第。
【委員】  とても勉強になって、それぞれからいろいろなことが分かりました。
 方向性として、二つあると思います。お金を掛けて1人に1台、正しいものを何かの形で、それはスマホかもしれないし、おっしゃっているようなGPSのチップかもしれないし、何であれ、登下校の安全の確保をしなければいけないというのはよく分かりました。
 それと、もし持ってくる場合に、回収するのをかばんに持たすという学校と、学校が回収するという学校がありました。学校で回収する場合は、140万円値引きのかばんが要るし、多分、私のところでいくと、鍵の掛かるロッカーが要るだろうと。だから、おっしゃるようにお金が必要だし、子供に持たせるのだったら、ある程度以上、子供たちが自立しているところ。例えば、小学校1年生に判断しろというのはなかなか難しい。
 だから、先ほど、西さんがおっしゃっていたように、やはりお金が要る問題だし、それから、それぞれの携帯会社等で、どれだけ無償で提供してくれるか、安くなるのかというあたりのことが必要だなと、非常によく分かりました。 
【座長】  それでは、以上をもちまして、今年度第3回の会議を閉会いたします。
 
―― 了 ――

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-- 登録:令和元年08月 --