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夜間中学設置推進・充実協議会(第2回) 議事要旨

1.日時

平成31年1月25日(金曜日)13時00分~15時00分

2.場所

文部科学省 7階特別会議室

3.議題

  1. 事務局説明(外国人材の受入れ・共生に関する総合的対応策)
  2. 「夜間中学等における教育活動の充実策について」委員からの現状説明
  3. 意見交換

4.出席者

委員

浅田和義  大阪市立天満中学校長(全国夜間中学校研究会会長) 
江口怜  東北大学高度教養教育・学生支援機構特任助教
榎本博次  NPO法人松戸市に夜間中学校をつくる市民の会理事長
岡田敏之  京都教育大学教職キャリア高度化センター教授
尾崎勝彦  奈良市教育委員会教育総務部長
小島祥美  愛知淑徳大学交流文化学部准教授
新田智哉  東京都教育庁地域教育支援部義務教育課長
野川義秋  埼玉に夜間中学を作る会代表
牧野英一  東京都世田谷区立三宿中学校長(前全国夜間中学校研究会会長)
桝田千佳  大阪府教育庁市町村教育室小中学校課長
馬場敏男  埼玉県教育局市町村支援部小中学校人事課長

文部科学省

丸山 大臣官房審議官(初等中等教育局担当)
望月 初等中等教育局初等中等教育企画課長
中野 総合教育政策局地域学習推進課長
田中 初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室長
上久保 初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室専門職

5.議事要旨

(文部科学省における主な取組等について)
  事務局より資料1に基づき説明


(委員からの現状説明)
1 世田谷区立三宿中学校 牧野英一委員
・夜間学級の大きな特徴として、給食が極めて重要な役割を占めているが、給食は非常に経費が掛かる。
・学校の教育活動なので図書室の運営や、消耗品、印刷や用紙、印刷機の関係、教材作成など学校の教育活動に係る経費のほか、教員の旅費などを含めてだいたい2000万円くらいの予算がかかる。おそらく、今後進めていく中で、自治体には財政的な支援がないとなかなか進まないところも出てくるのではないか。
・高齢の生徒で重い疾患のある生徒が多く、養護教諭の必要性は、昼間の中学に比べても高い。
・現在、養護教諭は非常勤教員のため退職した教員が対象となるので、退職した養護教諭で夜間学級を希望する方は非常に限定されるため、人材確保上課題となっている。
・難聴と心疾患、慢性心疾患、大動脈閉鎖不全、左の耳と目に支障、精神疾患など特別な配慮が必要な生徒は約18%。5人に1人で、通常よりもはるかに多い割合。特別な配慮が必要な生徒以外はほぼ外国籍の生徒という状況でこれを定数の中で対応しているのが現状。
・日本人生徒10名のうち7名が生活保護か就学援助受給者であるように、生徒は経済的に課題を持っている生徒が多い
・校外活動では介助員をつけることがある。比較的高い頻度で生徒の健康面での対応が必要になる。教員はさらに多忙になり、その中で授業をやっており、課題。

 2 奈良市教育委員会教育総務部長 尾崎勝彦委員
・1976年に夜間中学校を作る会が中心となり、私設の奈良夜間中学校(愛称「うどん学校」)を開設。その後、作る会と奈良市教育委員会は2年間の話合いを行い、1978年に奈良県で初の公立の夜間中学が開校。翌年の1979年には補食費の支給が開始し、生徒1人あたり1回につき250円を支給していたが、平成25年度からは減額、平成26年度には廃止し、現在はやっていない。身体障がいのある生徒や、安全かつ円滑に学校生活を送れるように2004年にエレベーターを設置、その後、障がい者用トイレ、スロープの設置を行い、現在、エアコンを設置。
・昭和60年より修学旅行費を市が負担するというかたちでやっておりまして一人当たり5万7千円負担。
・奈良市立の夜間中学であるが、周辺自治体から12名の生徒を受け入れている。入学する場合、奈良市と市外の市町村とで覚書を締結して負担金を頂くことになっている。
・入学される市町村をAとすると、入学希望者がA市の副申書を添付して奈良市に入学申請書を提出する。奈良市が審査を行い、必要と認めた場合は入学の許可をとる。その後、入学を許可したことをA市に通知する。
・奈良市はその年度の夜間学級の運営に必要な物件費一人当たりのコストと、生徒へ支給する扶助金を算出してA市に請求する。物件費は旅費、光熱水費、燃料費、需用費、通信運搬費、手数料、施設を運営するための備品購入、事務員の給料(市費)、施設修繕料、エレベーター点検等の修繕料、市費講師の給料。
・生徒への経済的支援となる扶助金は支給要件があり、各生徒の出席日数に応じて通学の実費単価を学校が毎月分計算している。また、特別活動費は、校外学習としての交通費を年4回程度支給している。
・修学旅行費は参加した生徒に対して57,590円を限度額として支給している。この額は市の就学援助制度における中学校における修学旅行費の支給金額を用いている。平成33年度末に廃止する予定である。
・就学援助費は一般の小中学校の就学援助制度と同じで、他市町村に対して費用の負担をして頂く。物件費については一人当たり約10万円と、生徒ごとにかかった扶助費を年度末に当 該市町村に支払ってもらう。
・現在夜間中学には職員、教頭、教諭、再任用、県費の講師、養護講師、日本語指導の非常勤講師、そして市費の講師、それから市費の事務職員、合計15名で運営している。この定数としては、春日中学校の夜間中学を含む普通学級は19クラスあり、それと特別支援学級が3クラスで計22学級から全体の県の教員定数をはじき出すと35名になる。昼間の普通学級と特別支援学級のクラス数から昼間の全体の定数をみますと29名ということになる。35名から29名を引きますと6名。それが県費の、定数法上の教員の配置であり、そこに県から教頭を一名加配、それから常勤講師2名の加配を受ける。これは外国人籍に対応と識字対応のため。さらに養護の講師を一名加配、日本語指導の非常勤講師を3名が配置されている。それ以外に市から特別に市費の加配講師を1名、事務職員を1名、計15名が夜間中学の職員数となっている。
・夜間学級では、子育ての理由等から夜間の通学が困難な方には特に昼間からの授業13時30分から16時5分までの授業も行っている。
・夜間学級に関する広報として、毎年1月~2月にかけて生徒募集を行っている。英語の翻訳版、ルビ付き版を市役所内のモニター、ポスターでも行っている。生徒募集のポスターも作成し、市教育委員会、公民館、出張所など市内33カ所で掲示している。県においても夜間学級のポスターを作成する予定している。
・最近、夜間学級の認知度が高まり、問い合わせが増加。県外からの問い合わせもある。市内の中3に配布される進路資料にも進路先の1つとして掲載されるなど、形式卒業をした生徒に学び直しの方法があるということも周知している。こうした取組により、減少していた生徒数は若干増加傾向にある。
・奈良県には奈良市、天理市、橿原市に夜間中学があるが、3市で連絡協議会を設置し、夜間学級の現状、広報活動、教育課程についての情報共有を行っている。また奈良県教育委員会が新規採用の教員を対象に夜間学級に関する研修会を行い、教員の資質向上にもつながっている。
・様々な国籍の生徒の入学が増加し、年齢、生活歴、母語の違い、多様な実態があり学習のニーズに合わせた学習グループの編成、授業の工夫改善が求められるなど、ニーズの多様化が課題。
・奈良市の夜間中学に京都府の南部から受け入れてくれないかという課題がある。これまでは県内の生徒しか受けいれていなかったが、京都府には京都市にしか夜間中学がなく、地理的には奈良市の方が近い。今後は都道府県の行政区域を超えて受け入れるということを検討していかなくていけないと考えている。
・今後、学齢期の不登校生徒の受け入れも必要になってくると考えている。
・入管法の改正に伴い、これから外国籍の生徒が今まで以上に入って来ると予想され、やはり日本語教育が必要ではないかと考えている。
・他市町村より生徒を受け入れる際、奈良市としては生徒の交通費を立て替え、その分を当該市から受け取ることとしている。こうした対応は県単位で条件を合わせていくことが必要と考える。

3 松戸市に夜間中学校をつくる市民の会理事長 榎本博次委員
・松戸市自主夜間中学の授業料は原則的に無料。基礎教育は無償で行われるべきだ、との考えから開校当時から無償。教室は松戸市の勤労会館という市の施設の4部屋を借用して運営。最勤労会館の使用料は一般料金から3割が減額されている。一般の市民団体と同様に社会教育関係ということで3割の減額。年間約30万円の費用がかかっている。この3月議会に使用料の減額を要望する陳情をしようと考えている。
・松戸市自主夜間中学校では次第にいじめなどで不登校になった人、障がいのある方、外国籍の方たちが増えた。これまで1850人くらいの生徒が来たが、チラシや新聞、テレビとかで自主夜中を知った方が多い。
・生徒に教えるスタッフは小中高大の教員やその退職者が多い。それ以外だと公務員やサラリーマン、主婦がいる。次第に高齢化してきており、スタッフの確保が大きな課題となっている。
・夜間中学の費用を捻出するため、新松戸中央公園のチャリティーマーケットに参加している。また、生徒の社会性や協調性などを養う場として重要であり、かつ、夜間中学を一般の方に知ってもらうことも目的としている。
・広報活動としては、松戸駅等でチラシを配ったり、市の行事やお祭りとかに参加してチラシを配ったりしている。しかし、市民センターなどではなかなかチラシを置いてくれないので、行政側と相談しなければならない。
・スタッフは全員ボランティアで、中には近隣の千葉市や埼玉県の朝霞市などからも来てくれており、交通費の補助くらいはしてやりたいがなかなかできない。教材等もスタッフがポケットマネーで作成しており、多大の労力がかかっている。
・NPO法人松戸市に夜間中学をつくる市民の会は1983年の4月に結成し、これまでに、市長とか教育長とか市会議員とか市教委担当者等とは話し合いを100回以上行ってきた。市民の会は年間約70万円から100万円の予算でやってきているが、なかなか財政的には厳しく、思ったように運営できない。


(意見交換)
【小島委員】
・外国人が多いということだが、編入学する際の時期やその学年などはどうなっているのか。

【牧野委員】
・三宿中学校においては、最初に日本語の能力をはかる適正検査を実施し、その結果を踏まえ、どの学年に編入学するか本人と相談している。多くは働いていることから、早く卒業したいという思いを持っている。取り出し授業などの指導体制を組む必要があることから、基本的には4月と9月を入学時期としている。外国籍の生徒は日本語能力の習得を目的としている場合が多く、半年か1年で辞めてしまう生徒も多い。

【尾崎委員】
・奈良市においては、基本的には1年生からのスタートになるが、面接結果から編入学する学年を決めることもある。市民だよりに掲載するなどして1月から募集を開始し、入学時期は4月を基本としているが、その都度その申し出があれば受け入れている。
【岡田座長】
・広域から受け入れるという観点から奈良市の例は参考になる。

【牧野委員】
・本校においては、アクセスもよいことから19の市区に住む生徒が通っているが、特に生徒の居住する自治体に応分負担は求めていない。

【岡田座長】
・このような現状と課題が今後の論点になる。

【小島委員】
・松戸の自主夜間中学には12歳以下の子供も通っているとのことであるが、その目的は何か。

【榎本委員】
・外国籍の小学生で、親と一緒に家族で学びに来て、日本語習得や教科学習を行っている。

【江口委員】
・交通の便がよい首都圏や大阪近郊と違い、地方で夜間中学を設置する場合、設置場所によっては通えない学齢経過者が出てくることを考慮しなければならない。奈良県において、これまでそのようなことはなかったのか。また、京都府南部に住む方の受入れを検討しているようだが、現在はどのような形で受け入れる範囲を定めているのか。

【尾崎委員】
・県内に3校の夜間中学が設置されていることから、地理的にいずれかに通うことができる。
・定数の関係上、京都に住む学齢経過者を受け入れた際に生徒数にカウントして問題はないのか。

【事務局】
・学校に籍を置く生徒の数でカウントすることから、居住する自治体は特に関係ない。

【野川委員】
・牧野委員から夜間中学における給食の実施や養護教諭の配置の必要性について説明があったが、もう少し詳しく説明いただきたい。

【牧野委員】
・三宿中学校においては自校方式であるが、都内の夜間中学においてはいろいろな形で給食が実施されている。給食は教育活動の一環であると捉えるべきである。また、養護教諭の配置について東京都では非常勤で対応しているが、平成27年に文部科学省が受け入れる際の考え方を示した入学希望既卒者については発達障害や精神疾患を有していることが多いことから、昼間の中学校と同じような教員体制が必要である。

【岡田座長】
・牧野委員の資料によると、給食費は一食あたり280円位になる。自治体によっては夜間中学に通う学齢経過者も就学援助の対象となっている。夜間中学に通う学齢経過者に対してどのような経済的支援が必要かについても今後の論点である。

【牧野委員】
・三宿中学校においては、食材費として自費負担である。

【野川委員】
・夜間に通ってくる現状を考えると、給食は必要である。

【野川委員】
・自主夜間中学においてはスタッフや生徒が定着しないことが課題である。

【榎本委員】
・外国籍の方は学びに来る期間が短い。また、大学生ボランティアも就職を機に足が遠くなる。同じく 
 スタッフの確保が課題である。

【岡田座長】
・教育機会確保法第14条の書きぶりが抽象的であることから、自治体における取組が進まないのではないか。

【江口委員】
・まず、通うために必要な経済的支援の策を整備すべきではないか。

【事務局】
・本法律は議員立法であることから、この場での議論をとりまとめた報告等を踏まえ、改正の議論がなされることになる。
・現行の就学援助の制度は法令上、学齢児童生徒の保護者を対象としている。夜間中学を設置する、いくつかの自治体においては独自財源により就学援助に類する経済的支援が実施されているところである。

【岡田座長】
・自治体ごとの差を教育機会確保法第14条に項目を追加することで対応できないか。

【牧野委員】
・都内においても財政状況は如実に表れており、区部では実施しているが、市部では実施していない。

【馬場課長】
・川口市においては、県内の他の市町村から受け入れる際、かかる経費について応分負担を求める予定である。学校運営に係る経費は地方交付税措置されているものもあり、市町村間の調整が必要であり、県がこの調整役を担っているが、調整は難しい。
・学齢経過者に対する就学援助制度や夜間中学への養護教諭の配置については、国において整備いただきたい。

【岡田座長】
・この議論は教育機会確保法第19条にも関わる内容である。

【桝田委員】
・大阪府では、当初、設置する市と折半して夜間中学に通う学齢経過者に対して就学援助を実施していた。就学援助は財政力の差から自治体によって差が生じることから、国における整備が必要である。
・他府県からの受入れについて検討を開始する予定である。
・昼間の中学校と同じ基準の教員数では対応できないことから、大阪府においては非常勤を配置することで対応しているが、指導力向上のための研修の機会の確保などに課題がある。夜間中学独自の加配措置などがあれば、基礎自治体も前向きになれるのではないか。

【野川委員】
 ・牧野委員から報告のあった入学希望既卒者の状況について、詳しく御説明いただきたい。

【牧野委員】
・不登校による入学希望既卒者の多くは学校に通い続けている。その理由として考えられるのは、かつて不登校だったが、ある時思い立ち、決意して、夜間中学に来ており、モチベーションがあるのと、夜間中学独特の多様性を受け入れる柔らかい風土、教員の受容性、これらがプラスに働いていると考える。

【岡田座長】
・例えば日本語を母語としない新渡日の生徒、日本語を母語とする不登校の生徒がいた場合、不登校の生徒が自分の居場所を感じられずに、また不登校になってしまうのではないかとの懸念がある。

【牧野委員】
・習熟度別のクラス編成になっているので、基本的には不登校の既卒の生徒は習熟度の高いクラスに入っていくことになる。多様性の振れ幅の中で比較的近い生徒が、直接的には一緒に生活するということはある。

【岡田座長】
・多様な生徒たちに対して、職員が多様な対応をしなければならないため、教職員加配、カウンセラー、ソーシャルワーカーも含めて、特別な配置を考えられればよい。

【新田委員】
・形式卒業の生徒、学齢の不登校生徒、外国の生徒それぞれで対応すべき方策も違い、現場が困らないよう今後の対応を整理すべき。

【尾崎委員】
・夜間中学の設置について法令上明確化されていないため、各市町村各県によって、運営の在り方がまちまちになっているのではないか。

【岡田座長】
・14条に教育の質が確保について付け加えるといい。
・義務教育を受けることが出来なかった人に限って、経済的な支援を必要としている場合が多い。経済的支援を手厚く行う必要があると思う。
・交通費を払う自治体もあれば、支給していない自治体もある。交通費を払う必要はないとの方針を決めたり、厳しい基準をつくったりするのはよくない。

【江口委員】
・法14条で学齢を経過した人の義務教育を受ける権利を保障しなければいけないと自治体に義務付けられたと考えた場合、本来的に学齢超過者も義務教育を受ける権利を持っているということになり、学齢児童生徒と同様に経済的支援等も保障されなければならないと考えられるが、希望する者がいるから、確保しなければいけないとの言い方は若干曖昧との印象がある。

【岡田座長】
・条文に追加して、第2項として教育の質が確保されるように配慮するものとするとか、あるいは経済的な理由によって、就学困難と認められるときは、その者に対して必要な援助を与えなければならないとか、そういう文言が追加項目として入らないか。
・例えば自主夜間中学でも車いすでなければ通うことができない方がいて、設備がそういうつくりになっていない、松戸市においても今度新しく夜間中学が出来るが、エレベーターがない。実際に車いすの方には断らざるを得ないっていうことになってしまう。教育機会確保法ができたといって、教育確保ができていない状況。

【榎本委員】
・私たちの自主夜間中学にも車いすの方が通学できないということもあり、施設の在り方について全体的に変えていかなくてはいけないと考えている。

【岡田座長】
・この法律の中で、地理的な条件も含めて、物理的な教育確保に向けて、実情に合わせて改善できるようにしていかなければならない。

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