令和2年度 第1回「がん教育」に関する懇談会 議事要旨

1.日時

令和2年12月10日(木曜日)13時00分~14時30分

2.場所

文部科学省 3F1特別会議室

3.議題

  1. 「がん教育」に関する懇談会の設置について
  2. 「がん教育推進のための教材」「外部講師を用いたがん教育ガイドライン」「指導参考資料」改訂の御意見について

4.出席者

委員

  伊藤治也委員、柏原聖子委員、儀賀理暁委員、助友裕子委員
  中川恵一委員、野口直美委員、林和彦委員、前川育委員
  丸山洋生委員、吉野恵美子委員、南谷優成様(代理出席)
  
 

文部科学省

  鰐淵大臣政務官、蝦名初等中等教育局担当大臣官房審議官
  平山健康教育・食育課長、堀江健康教育・食育課課長補佐
  横嶋健康教育・食育課健康教育調査官、ほか関係官

 

5.議事要旨

1、議事
(1)「がん教育」に関する懇談会の設置について

○資料2に基づき事務局から説明があり、検討委員会の設置を含めた検討体制について了解された。

(2)「がん教育推進のための教材」「外部講師を用いたがん教育ガイドライン」「指導参考資料」改訂の御意見について
   
  ○事前に各委員から提出された意見を含め、各教材等について、各委員から意見をいただき、協議をした。

①【総論】
○既に本教材を使ったり、独自の教材でがん教育を行ったりしている学校もあるので、基本的な構成を変更する必要性はない。
○教材等作成時点からの状況変更に係るものなど、必要な項目は付加的に改訂する。
〇データや資料は最新の情報に更新する。

【個別の論点に関する意見】
○外部講師による「講演」や「啓発」ではなく、教員が主体的に考えて外部講師と協働で実施する「教育」として実施するのが望ましい。
○児童生徒の自己肯定感や自尊感情を高められる教育であるべきである。
○他者を尊重できる教育というコンセプトで実施する。
○子供たちのためのがん教育であるべきである。
○各衛生主管部局との連携については文部科学省がサポートをすることが必要である。
○がん教育は保護者の理解を得ながら進めることが必要である。

②【がん教育推進のための教材】について
【概括的な意見】  
○新学習指導要領等への対応をした改訂を行う。(「回復の過程」や指導例、保健体育科以外の教科・活動の視点等 )
○その他、個別の表記・表現等や個別の論点を確認し修正を加える。

【個別の論点に関する意見】
○基本的な構成を変更する必要はない。
○目次構成を一部変えて、つながりの良さ、理解のしやすい流れにしてはどうか。
○計画的、継続的ながん教育を実施できる教材にしてほしい。
○すべての教材につながりがあり、保健体育以外の教科も含めた、カリキュラムマネジメントのモデルになるような例示を記載することを検討してほしい。
○がん教育を実施する学年について、学習指導要領を基に、発達段階や既習知識を踏まえて検討したい。

③【外部講師を用いたがん教育ガイドライン】について
【概括的な意見】
○学校等の現場への定着状況等に鑑み、最小限の修正とする。
○がん対策基本法改正や第3期がん対策推進基本計画へ対応する。
○名称の「ガイドライン」 は、その名称・位置付けを含めて検討する。
○「配慮が必要な事項・情報」に関する補足が必要か検討する。
○新学習指導要領等へ対応する。 (「社会に開かれた教育課程」等の考え方等)。
○その他、個別の表記・表現等について必要な修正を加える。

【個別の論点に関する意見】
○外部講師と連携しながら、学校が主体的に授業を行うという趣旨を明記してほしい。
○外部講師が学校現場を知っておくことも必要である。
○医療者、がん経験者と教員の連携を強くし、よりよいがん教育を目指すことが必要である。
○外部講師は資格制や認可制ではないことを明記してほしい。
○ガイドラインの扱いは、個別の状況に応じて現場で判断できるよう名称を含めて検討してほしい。
○がん教育の実施に当たって配慮のし過ぎにも注意が必要である。子供たちの背景は千差万別でマニュアルのように示すことには違和感がある。
○その配慮については子供たちに普段接している教員が日頃どのように目配りしているのかが大事なのではないか。
○学校現場が一番対処方法について分かっているのではないか。
○マニュアル化する必要はないが、学校現場の声を伺いながら、具体的な事前の打ち合わせや案内、配慮の対応について等の例示を示すのがよいのではないか。
○配慮がうまくいかなかった時のフォローや対応についても協議が必要である。
○ガイドライン」は(名称も含め)がん対策推進基本計画(第3期)に記述されており、改訂するのなら、「配慮の例」のところに「補足」か「Q&A」という形で追記するのがいい。

④【指導参考資料】について
【概括的な意見】
○大幅な改定は必要ない。
○各学校での使い勝手や意見等を把握する必要がある。
○新学習指導要領等へ対応する。
(評価の観点や「思考・判断・表現」を促す指導方法等)。
○その他、個別の表記・表現等や個別の論点の確認し修正を加える。

【個別の論点に関する意見】
○指導参考資料についても、すべての教材のつながりを検討してほしい。
○各都道府県や市町村、学校現場がカスタマイズして使える教材としてほしい。
○個別の児童生徒に合わせて、がん経験者の動画も、見直しを検討してほしい。

⑤【表記・表現等】について

【個別の論点に関する意見】
○「命を大切に」という表現から「生きることを大切に」という表現に変更できないか。
○「がん患者」という表記について「さん」をつけるなど優しさを感じさせる表現がふさわしい場面もあるので検討してほしい。

(3)その他
○懇談会の意見に基づき、引き続き検討委員会で協議がされることが確認された。

お問合せ先

初等中等教育局健康教育・食育課

がん教育推進係
電話番号:03-6734-2931

(初等中等教育局健康教育・食育課)