免許外教科担任制度の在り方に関する調査研究協力者会議(第6回) 議事録

1.日時

平成30年9月18日(火曜日)

2.場所

経済産業省別館11階1107会議室

3.議題

  1. 「遠隔教育の推進に向けたタスクフォース」について
  2. 報告書(案)について
  3. 免許外教科担任の許可に関する運用の指針に含める事項について
  4. その他

4.議事録

【加治佐座長】  
 少し早いんですけれども、全員おそろいですので、始めたいと思います。ただいまから、第6回免許外教科担任制度の在り方に関する調査研究協力者会議を開催させていただきます。本日は御多忙の中、御出席いただきまして、まことにありがとうございます。
 それでは、事務局より、本日の配付資料の確認をお願いいたします。

【長谷教員免許企画室長】  
 それでは、お手元の資料を御覧ください。まず、資料1-1から1-3まで、「遠隔教育の推進に向けた施策方針」の本体とポイント、それから、概要の3種類の資料がございます。それから、資料2、これが本会議の報告書の概要でございます。次に、資料3、これが検討会議の報告の案でございます。それから、資料4、参考資料、基礎データ集が付いてございます。それから、最後に、資料5としまして、「免許外教科担任の許可に関する運用の指針に含める事項(イメージ)」というものがございます。もし過不足等ございましたら、事務局までお願いいたします。

【加治佐座長】  
 ありがとうございました。
 それでは、本日は第6回、最終回になりますが、本日の内容は、まず、この報告書の中にもありますように、「遠隔教育の推進に向けたタスクフォース」について、先日14日に報告書が取りまとめられておりますので、文部科学省より御報告いただきます。その後、本会議の報告書(案)について、事務局から説明をしていただいた後、討議を行いまして、本日をもって取りまとめを行いたいと思っております。また、その後、文部科学省から通知を予定している免許外教科担任の許可に関する運用の指針について討議を予定しております。
 それでは、早速ですけれども、「遠隔教育の推進に向けたタスクフォース」について、文科省より御説明をお願いいたします。

【佐藤情報教育課課長補佐】  
 失礼いたします。情報教育課の佐藤と申します。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 資料といたしましては、1-1から1-3まで3種類お配りさせていただいておりますけれども、本日は、資料1-2「遠隔教育の推進に向けた施策方針」のポイントに基づき御説明をさせていただければと存じます。
 今、座長からもお話を頂きましたが、現在文科省では、丹羽副大臣を主査とする「遠隔教育の推進に向けたタスクフォース」を設置して、遠隔教育を効果的に活用した教育の質の向上を図るため、検討を進めてきたところでございます。ちょうど先週金曜日、14日に施策方針の取りまとめを行いましたので、そのポイントについて御説明させていただきます。
 まず1ポツ、遠隔教育の基本的な考え方のところでございますが、遠隔教育は、小規模校等における教育活動の充実ですとか、また外部人材の活用、幅広い科目の開設などにおいて、重要な意義を果たすものでございます。
 また、このほかにも、不登校児童生徒や病気療養児など、通学して教育を受けることが困難な子供たちにとって、学習機会を確保していく観点からも重要な役割を果たすものでございます。
 この2つの考え方を踏まえまして、一人一人に応じた学習機会を提供していくという観点から、遠隔教育が効果を発揮しやすい学習場面や目的・活動例等を類型化しまして、学校を含めた教育関係者の理解を深めていくというものが、この施策方針の基本的な考え方でございます。
 資料をおめくりいただきまして、別紙を御覧いただければと思います。まず遠隔教育の中で、授業として行われるもの、遠隔授業と呼んでおりますが、この類型について、大まかに3つにまとめたものがこちらでございます。
 まず一番左側、合同授業型としているものでございますが、こちらは送信側・受信側ともに、先生方と子供たちがどちらもいて、授業が成り立っている中で、同時双方向でつなぐというものでございます。このように合同授業を実施することによりまして、児童生徒が多様な意見や考え方に触れたり、協働して学習に取り組んだりする機会の充実を図るという効果が期待されるところでございます。
 中ほど、教師支援型としておりますけれども、こちらは受信側に先生と子供たちがいまして、送信側にALTや専門家等を配置することによりまして、子供たちの学習活動の質を高めるとともに、先生方の資質向上を図るということが期待されるところでございます。
 今回御議論になっております免許外教科担任の方々が授業を担任せざるを得ない場合に、遠隔システムを活用して、当該教科の免許状を保有し、優れた指導力を有する他校の先生方が遠隔地から参画するというものは、こちらの教師支援型に該当するものでございます。
 最後、一番右側、教科・科目充実型、こちらは高等学校段階のみのものでございますけれども、下の受信側のところにございますが、受信側で当該学校の教師であれば、教科の免許状の有無を問わずに単位認定できるという仕組みが高等学校にございまして、こちらについては、生徒の多様な科目選択を可能とすることなどによりまして、学習機会の充実を図っていくというものでございます。
 資料1枚目までお戻りいただければと思います。1枚目の左側、2.制度の整備等でございますけれども、本施策方針におきまして、大きく3つの制度の整備等を取りまとめたところでございます。
 まず、1)でございますが、小・中学校段階の病気療養児に対する遠隔教育につきまして、現在の制度では、特に出席ですとか出席扱いとできるような仕組みがなかったところでございますけれども、病気療養児に対する遠隔教育、効果を発揮している側面がございますので、今般、指導要録上出席扱いとしまして、学習成果を評価に反映することができるよう、近日中に制度改正を行う予定としております。
 また、2)不登校児童生徒に対する遠隔教育でございますが、こちらは既に指導要録上出席扱いとする仕組みはあるところでございますけれども、なかなか活用が進んでいないという課題もございます。そういった課題も踏まえまして、活用実績がなかなか進まないという現状も踏まえた留意事項を学校関係者に周知を図りまして、制度の活用を一層促進してまいりたいと考えております。
 最後、3)が今回の議論と最も関係するところでございますが、遠隔システムを活用して免許外教科担任の支援を促進するということも、一つ掲げているところでございます。やむを得ず免許外教科担任が授業を担任する場合、免許状を保有する高い指導力を有する教師等が遠隔システムを活用して授業に参画することによりまして、授業の質を高めていくとともに、免許外教科担任の先生方の資質能力の向上を図るというものでございます。
 最後、3ポツのところでございますが、遠隔教育につきましては、様々な観点から学びの質の向上に効果を発揮するものと考えておりまして、今後全国的な普及に向けた取組を進めてまいりたいと思っているところでございます。今後こういったことを踏まえまして、遠隔教育に係る施策を総合的・継続的に推進していくことと、本施策方針ではまとめているところでございます。
 簡潔でございますが、説明は以上でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

【加治佐座長】  
 ありがとうございます。
 何か質問等ございますか。
 よろしいですか。それでは、どうもありがとうございました。
 それでは、続きまして、本会議の報告書(案)について、前回も案を出してもらって、いろいろ討議したわけですけれども、それを踏まえて修正いただいておりますので、特にそのことを中心に、事務局から10分程度で説明をよろしくお願いいたします。

【長谷教員免許企画室長】  
 それでは、お手元の資料3、検討会議報告(案)となっておりますものを用いまして御説明申し上げます。
 前回、第5回の会議では、この検討会議報告の素案をお示しさせていただきました。そのときに頂きました御意見を踏まえまして修正いたしましたとともに、そのときにも御指摘ございましたけれども、例えば、字句の修正の中で、教師と教員という言葉が混在していたり、都道府県教育委員会や教育委員会という言葉がそれぞれ混在しているところがございましたので、そうした字句の修正も整理させていただきました。
 本日の資料、この案では、今申し上げましたような字句の修正以外で、前回頂きました主な御意見を踏まえました変更点を中心に御説明申し上げたいと思います。
 まず、8ページ目のところをお開きください。机上のお配りしている資料では、黄色のマーカーをしてございますけれども、こちらの8ページ目、ここは前回山本委員から御指摘ございまして、免許外教科担任を運用せざるを得ないような場合につきましても、管理職の方々、それから、担当されている先生方、その熱意と使命感に支えられてこれまで運用されてきたというところの趣旨をこちらに入れさせていただいております。
 それから、9ページ目のところでございます。ここでは、複数の免許状を保有するということで、幅広い指導力を有する教師というところについて言及しておるくだりですけれども、前回の会議で村上委員から御指摘があったかと思います。幅広い指導力を有する教師の存在というのが、教師間の中での学校内での学び合いにも資するということがメリットとして期待されるという点がございましたので、ここに入れさせていただいております。
 1ページおめくりいただきまして、10ページ目のところでございます。養成・採用・研修等の対応のところでございます。最初のところに3行書かせていただきました。前回の会議の中でも、木村委員、川上委員から御指摘いただきましたけれども、複数免許状を保有することについての促進策といいますか、インセンティブがなかなか見えにくいというところがございました。この促進策ですとかインセンティブに当たるような事柄が、ここの(2)の養成・採用・研修等の対応の中にまとまって書かれてある部分がございましたので、ここがその促進策に当たる部分であるということが分かるように書かせていただいたところでございます。
 さらに、その下の黄色の部分でございますが、複数免許状促進策の一つとしまして、これは村上委員から御指摘いただいたことでございますけれども、複数教科の指導を行うことを人事上の配置や処遇等で考慮するというような扱いについても検討していくことが考えられるということがございましたので、ここに記載させていただいております。
 それから、11ページ目のところでございます。こちらも複数免許状を取得するための方策のところでございますが、上の黄色の部分、加治佐委員から御指摘があったこととともに、本図委員からも別途御指摘を頂いておったんですけれども、教職大学院も活用しまして、複数免許状を取得するようなプログラムを実施していくということも大学の方に期待されるというところがございましたので、ここに入れさせていただいております。
 それから、その下のところでございます。「また」以下の部分でございますが、ここの前半部分、太田委員から前回御指摘いただきましたように、複数免許状を取得するための免許法認定講習の開設に必要な補助をすることによりまして、講習の受講のために必要な費用の負担の軽減を図るというところがございました。文部科学省でもこういった事業はございますので、この点について追記させていただいております。
 それから、その下、「さらに」のところでございますが、これも加治佐委員、本図委員からも御指摘を別途頂いておりましたが、大学の方で認定講習等々を開設するに際しまして、大学、教職大学院、それから、研修等々のいろいろな場面での先生方の学びを、いわばラーニングポイントのような形で蓄積していくことで免許状につなげていくことも考えられるのではないかという御指摘を頂いておりましたので、ここに追記させていただいております。
 さらに1ページおめくりいただきまして、12ページ目のところでございます。ここは現職の教員以外の多様な人材の活用の部分で、現職の教員以外の方が、適時・適切に教壇に立てるように、例えば、臨時免許状を活用するなどによって、弾力的に免許状更新講習の受講ができるようにするといったようなことを書いておるくだりですけれども、これまでもこの会議の中で何度か御指摘がございまして、前回も山本委員から御指摘ございましたけれども、65歳で免許状更新講習の修了確認期限を迎える方がこれから出てまいりますので、そういった方についても、弾力的な取扱いを可能にすべきであるという御意見もあったということを、ここに記載させていただいております。
 ただ、ここで1つ確認しておきたいところでございますけれども、ここは臨時免許状を弾力的に活用していくというところですが、必ずしも免許外教科担任に代えて臨時免許状を使っていくという趣旨ではございませんで、あくまで免外も臨免の方も、両方とも普通免許状を持っておられる方が確保できない場合の措置でありまして、基本的には両方とも抑制的に用いられるという前提の下で、ただ、やはりどうしてもやむを得ない場合に、こういった活用の仕方が考えられるといった趣旨であるということを確認しておきたいと思います。
 それから、13ページ目のところでございます。上の黄色の部分でございます。これは兼務者に対するサポート、学校全体のサポートが必要であるというところ、松本委員からも前回こういった御趣旨の御発言いただいておりましたので、この点について追記させていただいております。
 それから、一番下のところですけれども、免許外教科担任を行っておられる方々への研修等の支援の対応のところでございますが、ここはそれぞれの先生方の熱意と使命感に支えられてきた制度ではございますけれども、それに頼っているだけではなくて、やはり学校全体として支えていくというところの趣旨を最初に書かせていただいております。
 それから、1ページおめくりいただきまして、14ページ目のところ、ここは修正点ではございません。一番下のマル2のところの、その1つ上のところでございます。なお書きのところで、複数免許状を持っておられる方のリカレント教育的な講習の受講につきまして、前回、岡本委員から、複数免許状を持っている方であっても、しばらく使っておられない方に関しては研修が必要であるという御指摘も頂いておりましたので、ここの中で、やはりリカレント教育的な研修が必要であるといったことについて確認をしておきたいと思っております。
 続きまして、15ページ目のところでございます。15ページ目の上の部分、「また、こうした専門性の高い教師とともに授業を行うことにより」というところで、遠隔教育の活用のくだりですけれども、これは遠隔教育のプレゼンテーションをしていただいたときにも御指摘いただいておったんですけれども、遠隔授業をすることによりまして、授業の内容を豊富にするということだけではなくて、免許外で担任しておられる先生方の資質能力の向上にも資するという御指摘は何度か頂いておりましたので、ここにつきましても今回追記させていただいておるところでございます。
 その下の「また」以下のところでございます。先ほど事務局から御説明申し上げましたように、「遠隔教育の推進に向けたタスクフォース」の施策方針が14日に取りまとまったところでございますので、その点を踏まえた時点修正をさせていただいております。
 それとともにですが、前回の会議の中で、山本委員から、遠隔教育を活用していく上で、モデルケースですとか成功例をちゃんと示していくことで、遠隔授業の説得力を高めていくべきだという御指摘も頂いておりました。タスクフォースの提言は、まさにそういった点を意識しながらまとめているところがございますので、この点についても、この中で確認させていただいております。
 それから、最後の16ページ目のところでございます。黄色の部分でございますけれども、前回の会議で富所委員から、文科省としてもちゃんとフォローアップをしていくということ、それから、例えば、縮小に効果のあった取組を各都道府県の間で共有していくということ、こういった御提言を頂いておりました。本図委員からも別途こういったことが必要ではないかというお話を頂いておりましたので、その点も加味しまして、ここに記載させていただいております。
 前回からの主要な変更点は、以上でございます。

【加治佐座長】  
 ありがとうございました。
 いかがでしょうか。何なりとおっしゃっていただければと思いますが。
 小さな字句でも、何か気付きがあれば、おっしゃっていただければいいと思いますが。

【本図委員】  
 じゃ、小さな字句というお言葉に甘えて、14ページの一番最後の行の注7は、丸の。すみません、本当に小さなことで。

【長谷教員免許企画室長】  
 注の打ち方ですね。

【本図委員】  
 はい。すみません。

【加治佐座長】  
 何番ですか。分からないです。

【長谷教員免許企画室長】  
 14ページの一番下の注7のところが、句点の後ろに来ておるところが、句点の前に注は入ると。

【加治佐座長】  
 そうなんですか。
 いかがでしょうか。もうよろしいですか。注文等も含めて。そういうことでよろしいですよね。

【岡本委員】  
 すみません、ちょっとだけ。

【加治佐座長】  
 どうぞ。

【岡本委員】  
 前回のところ、「資質能力」という表現については、「資質・能力」という形でずっと表記されていたところが、今回は全部共通という形になっているのでしょうか。

【長谷教員免許企画室長】  
 ここも字句の統一をさせていただいたところでございまして、御指摘のように、「資質・能力」となっていたところと、「資質能力」と書いておったところと混在しておりましたので、「資質能力」の方で表現を統一させていただきました。

【加治佐座長】  
 だから、一体のもとして捉えるということですね。

【長谷教員免許企画室長】  
 はい。

【加治佐座長】  
 前回も大分議論いただいて、かなり熟したと思うんですよね。報告書は、それを踏まえていただいていると思います。もちろん、気付きがあれば、これからおっしゃっていただいてもいいんですけれども、この報告書に書いてあることだけではなくて、たくさん議論しましたので、そういう議論を踏まえまして、また、きょうは最後ですので、改めてこれだけは言っておきたいということがあれば、おっしゃっていただければと。今後これを進めていく上での留意事項でありますとか、あるいは、恐らくまた発生するであろう課題であるとか、そういうことが何かあれば、おっしゃっていただけるとよろしいのかなと思いますが、いかがですかね。
 インセンティブについて、免許外を担当することのインセンティブ、あるいは、複数教科を取ることのインセンティブ、こういうことについては、たくさん意見が出ました。文科省としても、そうしたいという気持ちはあるんだけど、明確に制度上こうできるとか、あるいは、予算措置上こういうふうにできるということがないと、なかなか書きづらいということでしたので、その点は御了解いただくとともに、今後制度化とか、あるいは、予算措置の努力はしていただけると、そういうふうに思ってはおります。

【太田委員】  
 1点。

【加治佐座長】  
 どうぞ。

【太田委員】  
 気がかりというか、16ページ、最終ページのところに、「また」のところから、都道府県教育委員会がどのような支援策を講じるのかというふうに述べていっていただいているわけですけれども、その2行後ろに、申請書の記載事項を見直すべきであると言われていて、申請書は学校の方から出すものになるものですから、事項がかなり具体的に書かれているものですので。その中に、支援策として、校内としてこういう研修をやるとか、免外なのでこういった軽減をするとかということを学校側で出すんだろうと思うんですが、上の文の方では、県の教育委員会として、例えば、そういった研修会を設定するとかというようなことになるものですから、申請書を書く、どんなふうに申請書の項目が更に加わるのか、その具体によっては、なかなか学校側が苦慮するのかなという、言い方が不十分かもしれませんが。どういうイメージで、ここの申請書記載事項の見直しになるのかといったところが、今後議論が進んでいくんだと思うんですけれども、ちょっと気がかりなところかなと思っています。

【長谷教員免許企画室長】  
 ありがとうございます。

【寺園委員】  
 関連してよろしいですか。そこはちょっと気になっているところだったんですが。結局、教育委員会としての何らかの支援策、例えば、研修会をしますとかいうことをまず我々が打ち出して、それを各学校に周知して、各学校の校長は、それを頭に入れながら、申請書を出すときに県が行うあの研修会を受けさせますというようなことを記載させるという理解でよろしいのかということを、私も確認したかったんですが、いかがでしょうか。

【長谷教員免許企画室長】  
 ありがとうございます。
 ここの支援策につきましては、ここにも書かせていただいています、いろんな支援のやり方があろうかと思っております。それは、教育委員会の方で実施される研修に参加できるようにするというところもあろうかと思いますし、学校の中で他に免許を持っている先生がいれば、その免許を持っておられる方がサポートするというのもあると思いますし、また、管理職その他の教職員がサポートするというやり方もあろうかと思います。ですので、この支援策ということの中には、そういったいろんな支援策の中で、どういったことを講じるのかということを書いていただくのかなとイメージしております。
 例えば、教育委員会の方で研修会を開催される場合であれば、教育委員会の方で開催される研修に参加できるようにするとか、そういったことを書いていただくようなイメージで考えております。

【加治佐座長】  
 後で指針を議論しますが、指針の中には、今言ったようなことは書かれるんですね。

【長谷教員免許企画室長】  
 はい。指針の中にも、後ほど御説明申し上げますが、いくつか支援策についてという記載がございますので、こういったことを念頭に置いていただきながら、どういった形での支援をやっていただくのかということを記載していただくとともに、教育委員会の方でも、例えば、研修といったものにつきまして、企画をしていただいて、学校に周知をしていただくことで、学校の方も、それに対して記載をしやすくなろうかと思いますけれども。

【加治佐座長】  
 よろしいですか。

【寺園委員】  
 例えば、市町村単位で遠隔授業を導入しているところがあれば、それを使ってもいいし、県の研修会を使ってもいいし、いずれにせよ、研修の支援のシステムを何らか我々の方で周知をして、その中からピックアップして、自校でできるものと併せて報告する。その報告のさせ方というのは、免許の担当の県教委の方で行うという考え方でよろしいんですか。

【長谷教員免許企画室長】  
 そうですね。そこも、いろんな支援のメニューの中から、どういったものを学校の方で選択して出していただくのかと。それを免許外教科担任の許可のときに、申請の中に記載をしていただくような形で出していただくということが考えられようかと思います。

【加治佐座長】  
 いかがでしょうか。

【富所委員】  
 どうもありがとうございました。
 今まで議論してきまして、そういう議論が反映された過不足ない内容になったのではないかなと思っております。
 その前提で、私も、先ほど指針の話が出たので、それに関連して1つ。7ページの記述ですが、今回、全体を一読し、さらに指針のイメージと絡めて見た場合に、表現がこれでいいのかどうかというのが気になったところがあります。
 真ん中あたりに、三の1の第1パラグラフの一番最後、そのような現場での、要するに、免外教員の制度が、現場での個別のニーズを適時に調整するための制度として必要とされていると考えられる、こういうふうに書かれているわけですね。
 一方で、指針の案の部分を見ると、安易な許可を行わないとか、勤務負担の平準化を目的としないというような前提になっています。そうすると、ニーズを調整するというよりは、やむにやまれず使われるべきものということなのかなと思いました。現場のニーズを調整するために制度が存在しているという前提に立ってしまうと、もう少し幅広く扱っていいというようなイメージになるかなという気がしたので、そこはいかがでしょうか。

【長谷教員免許企画室長】  
 ありがとうございます。
 確かに、もう少し抑制的に書いた方がいいような感じもいたします。表現については、少し工夫をさせていただければと思いますが、趣旨としましては、もともとこの制度が導入されたときには、そもそもマクロで教員の数自体が足りなかったときに、それを埋めるための制度としてできたんですけれども、現状は、マクロとしては、養成数自体はかなりありまして、ただ、どうしても急に産休・育休で空いた場合ですとか、急に特別支援学級ができた場合ですとか、何時間かだけ教員の配置がないような場合にという、ミクロレベルでの教員の配置上のニーズを満たすために、やむを得ず使われているという趣旨で書かせていただいておりますので、やむを得ず使われているという趣旨が出るような形にした方が、御指摘を踏まえた形になろうかと思います。

【本図委員】  
 今のやむを得ずという点では、7ページの下から4行目も、同制度は「存続させるべきである」という、やや強いという気もするので、存続もやむを得ないというか、もう少しトーンが落ちてもいいのかなとは思いました。また御検討いただければと思います。

【長谷教員免許企画室長】  
 はい。

【加治佐座長】  
 いかがですか。

【太田委員】  
 よろしいですか。

【加治佐座長】  
 どうぞ。

【太田委員】  
 今のところが、今の定数だと、「べきである」は書き過ぎなのかもしれないですが、「べきである」ぐらいを書いていただかないと、実際は定数がこれ以上増えない中では、厳しいなということで、ここは、自分たちからすると、ありがたい表現だなということを思うところもあるものですから。すみません、気持ち……。

【加治佐座長】  
 なるほど。
 やっぱり「やむを得ない」と「べきである」では、受け取る側の印象は大分違いますかね。

【太田委員】  
 そうですね。この文章は、免許担当とかが見たときには、非常にここはありがたい表現だというか。申し訳ないんですけれども、毎年のように減らしてはきているものの、なかなか技能教科の教員の配置が苦しくて、すぐには免外ゼロというわけにはいかないものですから、非常にありがたいという声があるものですから。

【寺園委員】  
 ありがたいです。私も、是非そうしておいていただきたい。

【加治佐座長】  
 だから、仕事をやる側の正当性みたいなところがあるということですよね。

【太田委員】  
 はい。

【寺園委員】  
 どうしてもやっぱり必要だと思います。現在の状況では、どこまでいってもゼロにはならないという意味合いでも、やはり我々がこれを今度は提示して説明するときには、ありがたい表現ではあります。

【加治佐座長】  
 だから、やむを得ないから、いろいろ支援策を講じるとか、そういう言い方よりも、今の定数とか仕組みの中では、免許制度の中では、これはもうどうしても出てくるものだと。そうすると、やっぱりそれに前向きに積極的に支援策とか対応するためには、この制度はやっぱり正当性を持つんだとか言い方をした方がいいということですね。

【寺園委員】  
 この文章の中に標準法のことを書き込めないのであれば、明確な記述にしてもらいたいという気はしますが。

【長谷教員免許企画室長】  
 ここは、存続させるべきである、必要性ということを確認した上で、その次のパラグラフのところで、その例外は可能な限り縮小していかなければならないという方針を明確にさせていただいておりますので、併せてここは読んでいただければと思っております。

【加治佐座長】  
 いかがでしょうか。ほかにはあるでしょうか。

【山本委員】  
 じゃ、よろしいでしょうか。

【加治佐座長】  
 どうぞ。

【山本委員】  
 前回の意見、議論を丁寧に書き込んでくださって、ありがとうございます。
 8ページのところに、特に「教師の熱意と使命感に支えられて」というところを書いていただいたので、実際にこの会議に参加している中で、いろんな御意見を頂いている中で、こういう声が結構あったものですから、大変意に沿うような形になっているかな。
 併せて、先ほども出ていましたけれども、現状打破、1,000、2,000を超える数で不足はしていますよということを考えると、急な改変ってなかなか難しいなと。だから、役割や方向性として、これはこういうふうに分析しているけれども、減らしていくこと、これがあくまで目標ですよという方向性は頂いていますので、例えば、技術の先生なんかが悲鳴に近い声を上げて寄せてはくれたんですけれども、この書きぶりは、「ああ、自分たちのことを考えてくれているな」というふうにはなっていくだろうなと思っております。ちょっと感想に近いですけれども、この書き方で大変ありがたい。
 以上です。

【加治佐座長】  
 分かりました。
 もうよろしいですか。もう最後になりますので、一言でも結構ですが。後でもよろしいんですが。
 では、とりあえずはよろしいですか。この後、指針に移っていきたいと思いますが。
 それでは、続けてまいります。また後で御意見いただいてもいいんですけれども、きょう出た意見も踏まえまして、事務局と相談の上で、必要な部分の修正を行って、これをもって本会議の報告書としてまとめたいと思っています。あとは、座長一任ということでよろしいでしょうか。
 それでは、本日は髙橋局長に御出席いただいておりますので、本報告書の取りまとめにあたり、一言お願いいたします。

【髙橋初等中等教育局長】  
 それでは、今年の1月に御挨拶して、もう9か月ということでございます。この間、6回の会議を開催いたしまして、委員の皆様方には、大変お忙しいところ、毎回熱心に御議論賜りましたこと、この場をお借りして、また改めて感謝を申し上げたいと思います。
 今日もかなり機微に触れるというか、微妙なバランスの中でこの報告書がまとめられた、その一端もまた垣間見えたわけでございますけれども、免許外教科担任制度、各教育委員会の長年の取組もありまして、長期的には縮小してきているところでございますが、一方で、きょうも先ほどあった御議論のように、やむにやまれずといった状況で、まだまだそういったところを現場の先生の熱意によってカバーいただいている部分もあるわけでございます。そして、そういった積み重ねが、我が国の質の高い義務教育を全国津々浦々担保しているというのも、また実情であるわけでございます。
 この会議においては、この間、各都道府県の実態とか、それぞれの教育委員会が免外の縮小に向けて取り組んでいる様子、また、冒頭の報告とも重なりますが、遠隔教育の活用による支援策など、様々な事例を紹介いただきまして、そういったことも織り交ぜながら、今後の在り方について大変前向きな御提案も頂きました。そういった意味では、非常に示唆に富んだ報告書をまとめていただいたのではないかと、重ねて感謝を申し上げたいと思います。
 文科省といたしましては、この報告書を踏まえまして、引き続き、長期的には免許外制度の縮小に向けて取り組むとともに、当面必要な支援策の充実についてもしっかりと取り組んでまいりたいと思いますし、きょう若干欄外で定数改善といったことについても、概算要求では今年2,800人程度の要求をいたしております。30年度の増員が1,600人弱でございましたので、倍増に近い、かなり大幅な要求を掲げておりますので、働き方改革等絡めて、こういった定数改善にもしっかりと取り組むと。そういったことも併せて対応してまいりたいと思っております。
 また委員の皆様方からも、今後も引き続き御支援賜ればと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 本日は、まことにありがとうございました。

【加治佐座長】  
 どうも、髙橋局長、ありがとうございました。
 髙橋局長は、用務のため、ここで御退席されます。

【髙橋初等中等教育局長】  
 では、すみません、ちょっと中座いたしますが、どうぞよろしくお願いいたします。

【加治佐座長】  
 続きまして、免許外教科担任の許可に関する運用の指針について討議を行います。事務局より説明をお願いいたします。

【長谷教員免許企画室長】  
 お手元の資料5を御覧いただきたいと思います。
 今回の報告書の本体でも、最後の方で、免許外教科担任制度の運用の改善ということで、運用の指針を示すというくだりがございました。それから、今回の会議、当初から、各教育委員会の取組ですとか、許可の運用の状況、こういったことも御報告いただきまして、状況の把握をしてまいりました。
 こういったことを踏まえまして、今後、今回の報告を受ける形で、文部科学省から、免許外教科担任の運用をしていただいている都道府県の教育委員会に対しまして、こういった内容を含むような運用の指針を通知させていただきたいということを考えておりまして、その内容のイメージということで本日お示しさせていただいております。
 まず最初のところ、基本的な方針のところでございますが、基本的な方針としましては、やはりこの制度の趣旨、相当免許状主義の例外であるというところに鑑みまして、安易な許可は行わないというところが、やはり基本的な方向性になろうかと思います。
 その上で、やはり免許外教科担任を極力生じさせないように、人材の計画的な採用、配置等の取組によって御対応いただきたいというところがございます。
 それに加えまして、複数免許状の取得の促進など、大学と連携してやっていただける部分もあろうかと思いますので、ここは大学と教育委員会との連携を通じまして、養成、採用、研修を通した取組を行っていただきたいというところがございます。
 次に、個別の点につきまして、まず許可の手続きでございますけれども、許可に係る具体的な審査基準を定めて、申請・許可の手続き及び運用を適正に行っていっていただくというところがございます。
 それから、一度作っていただいた審査基準につきましても、状況に応じて、必要に応じて適宜見直しを行っていただきたいというところがございます。
 次に、免許外教科担任の許可が必要な理由について、その判断をされる際の留意点ということで、1つは、当該教科の免許状を有する教員を真に確保することができないかどうかということを確認いただきたいということ。
 それから、これは従前の文部科学省の通知の中でも申し上げておりましたけれども、勤務負担の平準化を目的とするような運用は避けていただきたいということ。
 次に、免許外教科を担任する教員につきまして、許可の際に、こういった点に御留意いただければというところですけれども、1つは、免許外教科を担任する教員の持ち時間数が過重なものになっていないかどうかということ。
 それから、もともと所持している免許状の教科を担任するということを前提として配置されておりますので、その所持している免許状の教科を担任せずに、免許外教科の担任だけを行うというようなことは避けていただきたいということ。
 それから、研修等に専念していただくことが必要な初任者ですとか経験年数の浅い教員については、できる限り免許外教科担任を指導させるということは、極力避けていただきたいということがございます。
 それから、免許外教科を担任する教員への支援策、先ほど御議論いただきましたところですけれども、ここはいろいろな支援策があろうかと思います。ここはあくまで例示という形で、これに限るものではございませんけれども、幾つか、こういったことが考えられるのではないかということをお示しさせていただいておりますが、免許外教科を担任する教員に対する当該教科の指導に関する研修等の計画ですとか、あるいは、研修等を受講しやすいようにしていくといったこと、それから、当該教科の免許状を持つ教員が在籍している近隣校がある場合には、その学校との連携ですとか、あるいは、遠隔システムを活用することなどによりまして、免許外教科を担任している教員を支援するという体制を作るということ、あるいは、許可を申請する学校の管理職の方々、その他の教職員の方々によって、いろんな形でのサポートをしていただくということ、こういったことを許可の際にも御留意いただければということを考えております。
 それから、これは最後のところですが、今回運用の指針をお示しした後につきましても、文部科学省で、例えば、許可の件数ですとか、あるいは、免許外教科担任を縮小するために効果のあった取組、こういったものにつきましては、情報収集をさせていただきまして、各都道府県教育委員会の間での情報共有を行うようにさせていただきたいと考えております。
 以上のような内容を今イメージしておりますけれども、本日頂きました御意見を踏まえまして、この後、この運用の指針をまとめてまいりたいと思っております。
 以上でございます。

【加治佐座長】  
 それでは、いかがでしょうか。この指針案ですね。
 これはいつ頃出されるんですか。

【長谷教員免許企画室長】  
 本日のこの報告がまとまり次第、あとは、この指針の文言の全体がまとまり次第、できるだけ可及的速やかにお送りしたいと考えております。

【川上委員】  
 よろしいですか。

【加治佐座長】  
 どうぞ。

【川上委員】  
 4点目の免許外教科を担任する教員についての黒丸3点目、初任者や経験年数の浅い教員が云々というのを示す一方で、1個目の基本的な方針の3つ目で、複数免許状の取得促進など、大学と連携して養成、採用、研修を通した取組を行うと。このまま見ると、ちょっとした矛盾に見える気がするんですね。きちんと基本的な方針の3点目が、要は、教職課程の学生に向けた複数免許の取得促進に限った話ではないということが分かれば、多分伝わるんでしょうけど、このまま見ていると、初任者に複数免許を持つように促しておいて、初任者や経験の浅い教員にはむやみに充てないことと、取った免許の使い道がないような話になってしまいかねないので、中途での取得支援をどう図っていくかというような話を基本方針の中にきちんと入れていかないと、白丸の4個目との間にちょっと齟齬が出るのではないかなという印象を持ちました。

【長谷教員免許企画室長】  
 ありがとうございます。
 そうですね。基本的な方針のところで、やはり現職の方も含めてですけれど、あとは教員養成課程の学生の方も含めてなんですけれども、できるだけ複数の免許状は取得していただくように促していきたいということを考えております。
 一方で、初任の方ですとか経験年数の浅い方、こういった方が、大学で教育を受けていない免許外教科を担任するということはできるだけ避けないといけないというところがございますので、そこが両立するような形での運用ということにはなっていこうかと思いますけれども。

【加治佐座長】  
 複数免許を持っている者が、新採されますよね。そのときには、当然、量的な負担、授業時間数とかの考慮は当然要るわけですけれども。ただ、2つの教科を担当できるという力量が保証されているということが前提だと思うんですね。当然、初任者ですから、その2つの教科についての研修も受けますけれどね。ということだろうと思うんですよね。
 一方で言っているこれは、初任者には免許外教科を担任させることは望ましくないですよということを言っているわけですよね。だから、必ずしも、量的な配慮があれば、矛盾はしないのかなという気はしますけどね。

【川上委員】  
 ちょっと加筆が要るかなと思ったぐらいです。

【加治佐座長】  
 はい。

【川上委員】  
 それから、複数免許を取った初任教員が複数免許を使い出すときの支援的なものというのは、あんまり書かなくても大丈夫でしょうか。

【長谷教員免許企画室長】  
 複数の免許を持っておられる方なんですけれども、主免の方をずっと担当されていて、副免の方をしばらく担当されていなかった方へのサポートということですね。
 免許外教科担任の許可のところの運用をイメージしておりましたので、なかなか入りにくいかもしれませんけれども、本文中で触れさせていただきましたように、やはりリカレント教育的な研修というのは有効であろうかと思いますので、そういったことも是非教育委員会の方でも取り組んでいただけるというふうには思っております。それは本文の中で触れさせていただいたところではございます。

【加治佐座長】  
 よろしいですか。

【川上委員】  
 はい。

【加治佐座長】  
 どうぞ。

【本図委員】  
 冒頭の基本的な方針のところの黒ポツ1つ目に、免許外教科担任制度の趣旨というふうにあるんですけど、制度として免許外教科担任制度というのが存続させるべきという教育委員会のお立場も十分分かるんですが、趣旨と付くのは、もう少し大きな教育職員免許制度であって、免許制度の趣旨の下に、例外的に免外の制度があると思うので、ここで、この一文の趣旨というふうに入っていると、厳然として存在してよいもののように、例外的なニュアンスがちょっと薄れるような気がするんですけど。趣旨と言われてしまうと。

【長谷教員免許企画室長】  
 ありがとうございます。
 確かに、ここはポイントだけ書かせていただきましたので、運用の指針本体ではもう少し丁寧に書かせていただこうと思うんですが。基本的に、免許外教科担任制度の許可制度の運用指針ですので、一応制度は存続しているという前提の上で、ただ、やはり相当免許状主義の例外であるというところが免許外教科担任の1つの在り方ですので、やはり相当免許状主義の例外であるというところに鑑みて、安易な許可を行わないようにと、こういったことを今考えているところでございます。

【本図委員】  
 はい。

【寺園委員】  
 よろしいですか。

【加治佐座長】  
 どうぞ。

【寺園委員】  
 文科省からは、これまでも、免許外教科担任の許可に関しては方向性が示されていて、それを受けて、県の方では運用の方針等を作っているんですが。これまでのもと今回のものと違うところというのは、どこになるわけですかね。

【長谷教員免許企画室長】  
 ここの中で、基本的な方針ですとか、許可の手続き、それから、許可が必要な理由ですとか、担任する教員については、実は、もう長い期間の間に断続的に文部科学省の方で通知でお示ししてきたところですので、1つは、今回、そういった今までの運用のところをまとめた形で、許可の運用の指針ということをまとめさせていただいたということが1つと、それと、従来文部科学省の方から申し上げていなかったところとしまして、免許外教科を担任する教員の支援策を講じていただきたいと、ここは新規で入ってくるところと理解しております。

【寺園委員】  
 分かりました。本文中にも、許可をする教育委員会の責任を重く受け止めて、教育職員検定などの重要性等に触れられていると思うので、改めてきちっとまとめて出すと、支援策の部分も入れていると、そういう理解でいいわけですかね。

【長谷教員免許企画室長】  
 はい。

【寺園委員】  
 それを全部から集めて、各県がどういう運用の指針を持っているかについて集めて、フィードバックするというのは、今回が初めてになるわけですか。

【長谷教員免許企画室長】  
 そうですね。従来、文部科学省の方から、断片的と言いますと言葉はよくないんですけれども、何回かに分けていろいろ申し上げてきていたり、各教育委員会に運用状況をお伺いしたりしておったんですけれども、こういった形で全体をまとめて、こういう運用の仕方をお願いしたいということでまとめるのは初めてということになります。

【寺園委員】  
 分かりました。

【松本委員】  
 よろしいですか。

【加治佐座長】  
 どうぞ。

【松本委員】  
 基本方針の部分に関わってなんですが、都道府県教育委員会は、人材の計画的な採用・配置を行うためには、大学で都道府県教育委員会が欲しい人を作っていただくのが一番ありがたいわけなんですけれども、それは5教科と技能系の科目を、こういう2つを持ってくれるのが一番ありがたいと。
 埼玉の場合も、採りにいっているんですけれども、そういったものが来ない。なぜなんだろう、養成してくれていないのかなって非常に思うんですよ。下のところで、大学と連携して養成云々と。これ、連携協定をうちの方も埼玉大学と結んでいるんですけれども、なかなかその実効性が出てこない。なぜなんだろうなと思うんですけれども、やっぱりそこで会議をやって、お互いに共通理解をして、そして、養成してくださいね、採りますよといったときに、その実効性が取れないという部分で、やっぱり実効性の部分が何か担保できないかなという感じがするんですよね。
 都道府県教委も採るよ、養成系の大学も作るよという、そこのところがうまくいってないなという感じがするので、そこの部分をちょっと強調していただけるとありがたいと思います。

【長谷教員免許企画室長】  
 ありがとうございます。
 まさに教育委員会と大学との間の協議といいますか、対話が重要であると思いますので、1つは、昨年度施行になりました協議会の場を使って、是非、大学と教育委員会との間で、こういったことについても御議論いただきたいと思います。
 それから、今回お示ししました運用の指針自体は、文部科学省から都道府県の教育委員会に対して出す通知をイメージしておるんですけれども、今回、免許外教科担任制度の報告書が出ますので、その中には、大学の方にお願いしたいということもございますので、教員養成を行っている大学の方には、またこういった提言が出ているということについては、周知をさせていただきたいと思っております。

【加治佐座長】  
 どうぞ。

【本図委員】  
 その点は、協議会のところ、各自治体で名称が違うかもしれませんけど、育成協議会などを活用していって、ほわっとしないで、もうそここそで協議しなければだめでしょうと言っていただいてもいいのかなという気もいたしますし、一方、需要があるのは都道府県教委ですけど、育成協議会を立ち上げているという点では、政令指定都市の教育委員会にも、これは通知されるんですよね。

【長谷教員免許企画室長】  
 この免許外教科担任の許可の運用指針自体は、許可制度を運用しておりますのは都道府県の教育委員会になってきますので、これ自体は都道府県の方に行くものなんですけれども、政令市について、採用権者としての政令市については、またどうするか考えさせていただきたいと思います。

【加治佐座長】  
 政令市には来ない?

【長谷教員免許企画室長】  
 この許可の運用主体が、政令市も含めて都道府県の教育委員会になっておりますので。

【加治佐座長】  
 そうか、政令市は違うのか。

【本図委員】  
 ただ、育成協議会を、そういうことの政令市であっても、県であっても、やっぱり大学と一緒になって協議していく場だと思うので、そのあたりの整合についてお考えいただけたらなと思います。

【加治佐座長】  
 県からは、政令市にこういう文書は回るんですか。

【松本委員】  
 回します。

【加治佐座長】  
 こういう場合は回すんですか。

【松本委員】  
 政令市が持っている権限と県が持っている権限、ちゃんと分かれていますので、政令市がないところは、ちゃんと県は政令市の方に回します。

【加治佐座長】  
 政令市が独立してやることは、その部分については回さない?

【松本委員】  
 直接行っている場合は回しません。

【加治佐座長】  
 ということですね。だけど、直接がいいということですよね。

【本図委員】  
 はい。

【加治佐座長】  
 今おっしゃった件ですけれども、だから、おっしゃるように、育成協議会で、より強調された方がいいと思うんですね。
 それと同時に、今もやっていますけど、複数免許がないと採用がなかなか難しいですよという方向をもっと打ち出せば、極めて効果的だと思いますね。大学側も、そうすると、本当に知恵を絞ると思うんですよ。
 ここにも出ていますように、例えば、千葉大学からも既に発表がありましたけど、複数免許を取らせる工夫をしてますしね。だけど、取る人がそんなに多くないということだったですね。なぜかというと、複数免許を取るのは大変ですから。採用で相当の有利性というのがないと、今現状では、取りたい者がそんなに増えてこないということはあると思いますね。だから、今後、そういうインセンティブを付ければ、かなり変わってくると思いますね。
 ただ、大学もいろいろ工夫するときに、結構これは難しいと思いますね。だから、この中でも、本図さんも言われたように、教職大学院を活用して、学部からもう教職大学院で計画的に複数免許を取るとか、こういう方向は当然考えられるし、もう既にやっているところもあるかもしれないけど、やると思うんですよ。これはできると思いますね。
 できれば、どうしても書けなかったんですけれども、やはり複数教科免許を取る際の免許法上の基準をもう少し緩和してほしいなとは思いますね。やっぱりちょっとハードルが高いと思いますね。ここまで複数免許の必要性が言われるのであれば、教師の専門性の在り方も変わりますので、1つの教科を極めることはもちろん大事ですけれど、同時に、幅広い指導力で、複数教科を担当できる……。ここの書き方もそういうことは強調していますので、是非、そういう方向で、ちょっと緩和をですね。質を落とすということではなくて、もうちょっと工夫して、何かできないのかなという気はしますね。是非、そこを検討いただければと思いますね。そうすると、大学もかなりやりやすくはなってくると思いますね。学生も取りやすくなるということですよね。

【山本委員】  
 すみません。

【加治佐座長】  
 どうぞ。

【山本委員】  
 本当に細かくて失礼なんですけれども。下から2つ目の丸のポチの2つ目のところに、遠隔システムとありますけれども、ここはやっぱり遠隔教育システムですよね。入れなければいけません。タスクフォースの方にも、報告書の方にも、遠隔教育システムの簡便な言い方で遠隔システムと書いてあるんですけど、ここは、そのほかの言葉が出てこないので、やっぱり丁寧に、遠隔教育システムとしないと、イメージですけれども、その二文字は必要なのかなと。細かすぎて失礼ですけれども、できれば入れておいた方がいい。

【長谷教員免許企画室長】  
 分かりました。

【加治佐座長】  
 あと、いかがですか。
 本文中には、きょう新たに加わりました、免外を担当する教員の人事上の配慮であるとか処遇のことが書かれたんですが、こういう指針の中にそういうことを書き込むべきかなという気も私はするんだけど。ただ、そこまでを国がどうこう言うのは、ちょっと関与し過ぎなんですかね。そういう考慮は、それぞれの県教委で配慮はしていただきたいけれども、ここの指針の中に盛り込むのはちょっと難しいということなんですかね。そこらは、もし何かあれば。

【長谷教員免許企画室長】  
 今回の報告書の本文の中にございますように、例えば、採用段階で複数免許を持っていることを考慮することですとか、あるいは、人事上のいろいろな処遇等々の中で、複数の教科を指導しているという実績を考慮していただくということは、この有識者会議としての期待として入れているところはございます。
 一方で、文部科学省から都道府県の教育委員会に対しまして、採用についての、そこまで細かいことをお願いするですとか、あるいは、人事上の評価の仕方について、すごく細かな考慮事項についてお願いをするということは通常やりにくいところはございますので、この指針の中では、そこまでについてはあえて触れていないというところでございます。
 ですので、基本的な方針の中で、一般的な方向性としまして、人材の計画的な採用・配置というところについて言及させていただいているというところでございます。

【加治佐座長】  
 はい。
 いいですか。どうぞ。

【川上委員】  
 今のに若干関連してなのか、白丸3つ目の1つ目、当該教科の免許状を有する教員を真に確保することができない、意味がよく分からないんですけど。兼務の工夫をさせればできるかもしれないのに、配置ができませんは、これ、真に確保することができないになるのかとか、処遇の工夫の余地はあるけど、処遇をしていないので配置ができませんというのは、真に確保することができないに入るのか、何かを指しているようで、あんまり指していない感じがする言い回しになっていて、どういうことなのかなというのを少し確認させていただければと思うんですが。

【長谷教員免許企画室長】  
 ありがとうございます。
 もともとこの免許外教科担任の根拠条文になっております免許法の附則の2項の中で、ある教科の教授を担任すべき教員を採用することができないと認めるときは、免外を許可することができるとなっておりまして、これが法律の要件になっております。ここのイメージの表現が必ずしもスマートではないんですが、担任すべき教員を採用することができないと認めるときという、そこの要件の判断を厳格に行っていただきたいというところがあろうかと思います。
 ここは、県によってはいろいろ、例えば、必要性を厳格に判断するために、1~2時間ぐらいしか免外が必要でないような場合には、できるだけ出さないでいただきたいですとか、そういったことを書いていただいている県もあるんですけれども、そこまで定量的に書いていきますと、今度は、県によってはなかなか運用が難しいところもあろうかと思いますので、ここでは一般的な書き方になっておるんですけれども、ここの要件の判断を厳格に行っていただきたいという趣旨で記載をさせていただいております。
 表現につきましては、すみません、工夫をさせていただきたいと思います。

【川上委員】  
 書きぶりが難しいとは思うんですけど、多分、この言葉の解釈の幅が、結局、運用の幅につながる話なのかなと思って読んでしまうとですね。ちょっと御検討いただければと。

【長谷教員免許企画室長】  
 はい。

【加治佐座長】  
 いかがでしょうか。
 よろしいですか。それでは、ありがとうございました。
 今頂いた意見を踏まえまして、文部科学省において、運用の指針について改めて周知を行っていくということにしたいと思います。
 またいろいろ表現等が変わる可能性もあるということですね。
 それでは、今日はこれでおしまいにしたいと思うんですが、何か最後に、こういうことだけは言っておきたいとか、そういうことはございませんか。
 事務局の方、よろしいですか。
 非常に早いものですからね。分かりました。働き方改革の上からも、非常にいいのではないかと思うんですけれども。
 本当に6回にわたり、ありがとうございました。免許外教科担任の制度が縮小すると同時に、より充実した運用になるということを願っております。特に私としては、複数免許を取る教員が増えることを切に願っていると、そういうところです。
 本当に御協力ありがとうございました。いい報告書がまとまったと思います。本当にありがとうございました。

―― 了 ――

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