免許外教科担任制度の在り方に関する調査研究協力者会議(第5回) 議事録

1.日時

平成30年8月28日(火曜日)

2.場所

一橋講堂会議室203

3.議題

  1. 報告書(素案)について
  2. その他

4.議事録

【加治佐座長】  
 どうも皆様、こんにちは。定刻となりましたので、ただいまから、第5回免許外教科担任制度の在り方に関する調査研究協力者会議を開催させていただきます。本日は、御多忙の中、御出席いただきまして、まことにありがとうございます。
 それでは、事務局から、本日の配付資料の確認をお願いいたします。

【長谷教員免許企画室長】  
 本日お配りしております資料、議事次第にございますように、配付資料としましては、資料1「免許外教科担任制度の在り方に関する調査研究協力者会議報告書(素案)」、それから、資料2としまして、参考資料、今回のこの会議でこれまでお出ししてきておりました各種データを参考資料として、一つ別途にまとめたものがございます。もし過不足ございましたら、事務局までお伝えください。

【加治佐座長】  
 本日は、御案内のとおり、本会議の報告書の案について検討したいと思います。まずは、事務局から説明をしていただいた後に、自由に討議を行いたいと思っております。
 それでは、早速ですけれども、事務局から10分程度で説明をよろしくお願いいたします。

【長谷教員免許企画室長】  
 それでは、資料1の検討会議報告(素案)を御覧いただきたいと思います。
 「はじめに」のところから。まず今回の検討の背景のところから御説明申し上げますが、最初にございますように、基本的に、我が国の教育制度の中では、相当免許状主義というものが大原則としてございます。ただ、「しかしながら」以下のところでございますけれども、とりうる手段を尽くしてもある教科の免許状を保有する教員が採用できない場合の例外としまして、1年以内の期間を限って、都道府県教育委員会の許可によりまして、当該教科の免許状を有しない教師がその教科の教授を担任するというのが、免許外教科担任制度というところでございます。
 これはもちろん相当免許状主義の例外でございますし、さらに加えまして、今回の学習指導要領の改訂への対応、あるいは、教師の長時間勤務の是正と、こういったいろいろな観点から考えましても、やはり縮小が必要なものであるというところが大原則でございます。
 ただ、2ページの方に入っていただきまして、「他方で」というところがございますけれども、近年の状況としまして、18歳人口が減少していく中で、仮に今後小規模校が増えていったような場合には、やはり課題が出てくるだろうということがございますし、特に近年、教員の不足ということが言われておりますけれども、教師の質と量の確保の課題があるという中で、この免許外教科担任制度の在り方について、やはり検討すべき時期にあるというところがございます。
 これに加えまして、昨年の6月に閣議決定いたしました規制改革実施計画の中でも、この制度の在り方について見直しをするということが決定されておりますので、これらのことを背景としまして、今回のこの会議を立ち上げまして、皆様に御検討いただいているというところでございます。
 次に、免許外教科担任制度の現状でございますが、1の免許制度の概要のところにつきましては省略させていただきまして、3ページの2ポツ、免許外教科担任制度の運用の状況のところから簡略に御説明させていただきます。
 まず許可の運用のところでございますが、これは各都道府県の許可の条件等々につきまして調べさせていただきますと、多くの都道府県教育委員会では、許可を行うための条件が定められておりまして、主なものを取り上げていきますと、3ページ目から4ページ目に箇条書きで書かれておりますような、こういった条件を定めている教育委員会が多いというところでございます。やはり都道府県教育委員会におけます免許外教科担任の審査が、個々の案件の必要性、適切性について十分に吟味されることが期待されますし、学校の設置者、各学校におかれましても、教員の構成、校務分掌等で配慮していただくことが期待されるところであろうかと思います。
 それから、(2)のところでございますが、実際に許可を受けて免許外教科を担任されている先生方の属性を見てまいりますと、「この点」というところでございますが、例えば、高等学校では、地歴と公民ですとか、商業、数学、理科の先生が情報を教えるといったように、比較的関連性の見られる教科で免許外教科担任の許可が出されている場合が多く見られますし、あるいは、職業に関する教科につきましては、それぞれの分野の専門性を持った他の教科の先生方が担当されているといった例もかなりあると承知してございます。
 5ページ目に移りますけれども、ただ、必ずしも今申し上げましたように専門性の近い教科で許可が行われている場合ばかりではございませんので、やはり教科指導の質をできるだけ確保していくことが求められているところでございます。
 それから、現状の3番目としまして、経年の変化のところに入りますけれども、いろいろ書いてございますが、最後の段落、「こうした」というところからですけれども、これまでの国の施策や都道府県教育委員会の御努力を頂きまして、免許外教科担任の許可件数は大きく減少してきておりまして、昭和40年度には7万5千件程度の許可が行われておりましたが、現在では約1万件程度と、かなり縮小してきているところでございます。ただ、やはり1万件程度まだあるというところですので、この点についてどう考えていくか、それがこの会議での課題というところでございます。
 1点補足させていただきますと、注2というところで、5ページ目の下のところがございます。この会議でも御紹介させていただきました、都道府県別に見ますと、件数の多いところ、少ないところというばらつきは非常にございます。ただ、例えば、臨時免許状の運用ですとか、関連するいろんな制度の運用によりまして、免許外教科担任の許可の件数は影響を受けてまいりますので、単純に許可の件数だけで都道府県の間の比較をするのはなかなか難しいところがあるというところは、御留意いただければと思います。
 次に、3番の免許外教科担任制度の利用の状況というところで、これも各県の方に、それぞれの許可につきまして状況を確認させていただきました。6ページ目の上の方にございますように、特に免許外教科担任が集中しておりますのが、美術、保健体育、技術、家庭といった教科なんですけれども、これらの教科は学校教育法施行規則で定めております標準授業時間数が少なくなっておりまして、特に小規模校を中心に、一人の教師をこれらの科目に配置しにくいという事情があることが考えられます。
 それから、免許外教科担任を使用しております理由について伺ったときに、意外に多く回答されておりましたのは、「特別支援学級の生徒への指導のため」というところがございまして、これは近年、特別支援学級が設置されるケースが多くなってきておりまして、その結果として、学級担任がどうしても必要になるというところで、特定の教科を担任する先生がどうしても足りなくなるというところで、免許外教科担任が利用されている場合が多く出ているというところがございました。
 この他にも、やはり産前・産後休暇、育休、病休といったところで、急な教員需要の増に対して対応することが必要だというところも挙げられてございました。
 こういった急な教員需要があった場合に対しましては、6ページ目の最後の段落のところですが、非常勤講師等を活用するケースが各都道府県教育委員会は非常に多いのですけれども、先ほど申し上げた美術、技術、家庭、高等学校の職業に関する教科は、免許状の授与件数自体も他の教科に比べて少ないところがございますので、なかなか非常勤講師の確保がしづらい。特にへき地・離島などでは非常勤講師の採用が難しいというところがございますので、7ページ目の上のところに入りますけれども、いろんなこういう要因が影響した結果としまして、全体としては小規模校で許可件数が多くなっておりまして、教科別でいきますと、中学校では美術、保険体育、技術、家庭科、高校では情報、あるいは、職業に関係する教科で多数の許可が出ているというような状況があるということが分かってまいりました。
 それでは、今申し上げました現状に対しまして、今後の免許外教科担任制度の在り方というところで、三のところに入ってまいりますけれども、まず対応の方向性といたしましては、全体的な状況としまして、昭和20年代にこの制度が導入されたときには、そもそも免許を持った先生方が非常に少ないという状況の中で、免許外教科担任が使われておったんですけれども、現状では、免許を持った方々は非常に多いんですが、ただ、いろんなニーズを勘案いたしまして、どうしても教員が確保できない個別の場合がございますので、そういった個別の場合を調整するための制度として、今の免許外教科担任が活用されている、こういう現状がございます。
 これに加えまして、冒頭にも申し上げましたように、いろんな要因によって教師の需要がひっ迫している状況があることに加えまして、今後の人口の減少ということを鑑みていきますと、小規模校、へき地などでは、やはり免許外教科担任制度を利用するニーズが出てくるだろうということが考えられるところであります。
 今申し上げました構造的な状況ですとか今後の状況を鑑みますと、7ページ目の下から2番目の段落ですけれども、相当免許状主義の限定的な例外ということで、この免許外教科担任制度は今後も存続させる必要があるというところが、基本的な方向性としてあるわけでございます。
 ただ、この下の「もとより」という段落から8ページ目に入ってまいりますが、あくまで相当免許状主義の例外というところがございますので、その例外は可能な限り縮小していくということが基本的には必要でありますので、関係機関である文部科学省、教育委員会、教員養成を行う大学が、それぞれの役割を果たしながら、相当免許状を持った教員が配置されるように取組を行っていくということが、全体の方向性としては必要であろうと、こういう方向性でございます。
 では、具体的にどう対応していくかというところで、8ページ目の下の2ポツのところからでございますが、まず免許制度による対応のところでは、今回の会議の中でもヒアリングで出てございましたけれども、複数の免許状を保有するということが、1つの現実的な方向性としてあるのではないかということがございます。これは9ページ目あたりに複数の免許状を持つことの意義について書かせていただいておりますが、これは単に一人の教師で複数の学校種や教科をカバーできるということだけではなくて、複数の学校種・教科にわたる幅広い理解に基づいた、教師としての総合的な指導力の向上にもつながる、こういった意義も認められるところであろうかと思います。
 それでは、具体的にどういう対応をとっていくかというところですが、9ページ目の一番下、「文部科学省においては」以下でございますけれども、現職の教員ですとか教員養成課程、教職大学院に在籍している学生等が他教科の免許状を取得することを促進するために、もちろん、教師として必要な資質能力の育成は確保されることが大前提でありますが、弾力的な取り扱いが可能になるような方向性を検討するということが、1つ対応として考えられるかと思います。例えばというところで、免許法の別表第4で、免許状を取得する場合に、勤務経験を考慮して弾力的な対応をするということが、アイデアとしては挙げられているところでございます。
 それから、(2)の養成・研修における対応というところで、今回のヒアリングの中でも出てございましたけれども、大学の中には、都道府県・指定都市の教育委員会の要望を踏まえまして、カリキュラムや時間割を調整して、学生が複数の免許状を取りやすくしているような取組もございますし、教育委員会と連携して免許法認定講習を積極的に開設していただいている大学もございます。こういった形で、特に教員養成系の大学・学部では、教育委員会のニーズを踏まえて対応していただくということが、1つの方向性として期待されるというところがございます。
 それから、11ページ目に入っていきまして、冒頭のところですが、今申し上げたのが養成課程の学生ですけれども、現職の方が受講する際にも、なかなか先生方お忙しい中で、お時間がないというところもございますので、免許法認定講習ですとか免許状更新講習、あるいは、教育委員会で実施されている研修とを兼ねていただく、こういった工夫を重ねることで、受講の負担を過度に増やすことがないようにしながら受講を促進していくことができるのではないかというところがございます。
 それから、なお書きのところでございますが、認定講習ですとか養成段階での対応ということが指摘されてございましたけれども、教科によっては、教科の教職課程の認定を受けた大学自体がもうなくなっている、特に、採用数の少ない教科では、こういった県が既に存在しているところです。ただ、やはりこういった希少免許であっても養成課程を維持していくということは大事だろうというところがございますので、近隣の大学との連携・協力によって、採用数の少ない教科についても養成・研修機能の強化、効率化が図られるというところが、やはり大事なところではあろうかという指摘がございます。
 それから、(3)のところ、教師の任用・人事配置による対応のところでございますが、現職教員以外の多様な人材の活用というところで、定年退職後の元教師の方ですとか、免許状を保有していますけれども免許状が休眠しているような方々、あるいは、免許状を持っていない社会人の方々、こういった多様な人材がより柔軟に活用できるようにということで、例えば、更新講習の受講の弾力化ですとか、特別免許状・臨時免許状の活用といったことも考えられるというところが指摘としてございます。
 それから、12ページ目に入りまして、もう一つ、任用・人事配置による対応のところで、複数校の兼務というところがかなり御議論を頂いておりまして。これは一人の先生を一つの学校だけに配置するのではなくて、複数の学校に兼務させるというところでございまして、これは制度的にはいろんな弾力的な対応が可能になっているところでございますので、こういった複数校の兼務を積極的に活用していっていただくということも大事なところでありますけれども、それと併せまして、複数校を兼務される先生方の移動の負担ですとか、授業準備の御負担にも配慮が必要でありましょうし、他の生徒、先生方とのコミュニケーションや本人の学校への所属感といった心理的な面についても、やはり配慮が必要であるというところがございますので、各県の方でこういった実態を踏まえていただいて、複数校の兼務も、状況に応じて進めていただくということが期待されるところでございます。
 それから、13ページ目のところです。今まで申し上げてきました免許外教科担任を縮小させるための取組というところが、今申し上げた(1)から(3)のところですけれども、この(4)のところは、いろんな手段を講じましても、やはり免許外教科担任の許可がどうしても必要な場合における先生方へのサポートが必要というところで、これも幾つかの教育委員会では、既に免許外教科を担任されている先生方への研修ですとか支援策といったものがとられていることが御紹介されておりました。ですので、やはりこういったことを免許外教科担任の許可の際に確認をしていっていただくということが、1つ方向性として考えられるところでありますし、国の取組としましては、特にこういう免許外の許可件数が多いような教科について、全国的にも使えるような研修を開発しまして、それを活用していっていただくという方向性があるのではないかというところがございます。
 それから、14ページ目、マル2、遠隔教育を活用した支援でございます。免許外教科担任の方への支援策の一つとしまして、この会議でも熊本県の高森町からプレゼンテーションいただきましたけれども、教室にいらっしゃるのは免許外教科担任の許可を受けた、別の教科の免許を持っている先生なんですけれども、遠隔教育で、実際免許を持っている先生が指導のサポートで入ることによって、免外の先生の授業の質を確保していくという取組を紹介されていたところでございまして、こういった取組も非常に有効であろうというところがございますので、文部科学省としても、これを推進していくということが必要であろうと思います。
 文部科学省の中でも、14ページの最後でございますが、「遠隔教育の推進に向けたタスクフォース」を設置して、この推進方策を検討しているところですので、このタスクフォースの検討を踏まえながら推進していくということが考えられようかと思います。
 最後に、15ページ目ですけれども、(5)の運用改善というところで、これまで申し上げてまいりました様々な留意点ですとか支援策について、文部科学省の方で整理しまして、運用の指針を示すというところですとか、あるいは、(6)で、教育委員会と大学との連携というところを、協議会の枠組を使って推進していただくということが考えられようかと思いますので、こういった点についても、この報告書の中で触れさせていただいているところでございます。
 事務局の方からは、以上でございます。

【加治佐座長】  
 ありがとうございました。
 それでは、4時頃まで自由に討議を行っていただきたいと思います。15ページぐらい、それほど短くもないですけど、そんなに長くもないですので、特にどこからということではなくて、どこでも結構ですので、順不同になっても何も構いませんので、御意見を頂ければと思います。挙手でもよろしいし、プレートを立てていただいても結構です。いかがでしょうか。
 では、川上さんから。

【川上委員】  
 後でまた頭の整理をしたら、別のことについても発言をさせていただければと思うんですけど。
 10ページ、11ページの養成研修の対応ですね。今、私がいる大学が教育系の単科大学ということもあって、状況は少し変わってはいるんですが、11ページにあるような、希少免許を出す課程を維持していないとか、維持をやめた大学とかの件で言うと、国立を含めなんですけど、総合大学の中だと、希少免許の課程維持に対して、相当なプレッシャーが大学の法人本部の方からかかるというケースを考える必要があるかなと、この件については思っています。
 さしたる卒業生の数も出ていない。大学全体からすると、コスト部門に見えてしまったりすると、そういう大した人数を出していない教職課程については、教員を何人か免許法に則って張り付けておくのが非常にコスト高に映ると。なので、そういう課程はやめてしまえというプレッシャーですね。特に総合大学の中で教育学部がありますというケースで、教育学部以外の方が大学全体のハンドリングをされているケースなんかでは、まま聞く話です。
 それを考えたときに、希少の免許を出す仕組みを維持することは非常に大事ですし、各県の教育委員会と大学との連携の枠組の中で考えるのも非常に大事なんですけど、それぞれの足元ですよね。大学の中でのこういう課程はコストばっかりかかるからやめてしまうというプレッシャーに対して、どういうふうに対応していこうかという部分ですね。要は、希少な免許を出していく課程を維持するインセンティブみたいなものが、それぞれの大学の中で働いていかないと、なかなかこれは実質化しにくい部分もあるのかなというのを少し懸念しております。
 前職のケースなんかで見ていると、やはり大学全体の定員管理の関心の方が先にきてしまうと、非常に小さな課程で希少種の免許を出しているところについては、やはり看板を下げたらどうかというようなプレッシャーというのは決して小さくないと思っておりますので、足元を見たときの大学内での圧力に、この議論だと、そこにどう対応できるのかなというところについて少し懸念がありますという意見表明のようなものですが、どうしたものでしょうねという感じがします。

【加治佐座長】  
 そうですね。おっしゃることはよく分かりますね。
 大学の経営者をやっていた立場から言うと、いいか悪いかは別ですけど、財政とかを考えたときは、その方向はやむを得ないですね。もうその余裕がありませんので、それはそれでよく分かるんですね。
 ただ、川上さんおっしゃるように、だからといって、そういう希少免許をなくすということはできませんので。だから、少ないからこそ、また意味があるということも逆にあるわけですよね。だけど、財政的には苦しいと。これは難しいところですよね。
 だから、(2)の最後に書いてあるように、もうここは教育委員会も関わっていただいて、大学と共同して取り組むしかないということにならざるを得ないですね。特に国立がやるべきですね。国立は、そういう希少教科を出すということも任務ですので。それしかないと思いますね。
 文科省は、大学間の連携・協力を促進する仕組みを検討すべきとちゃんと書いてありますので、これをやっていくということだと思いますね。だから、その中に、ひょっとするとインセンティブもあるのかもしれないですね。何らかのインセンティブ――コストはかかりますので、複数でやってもコストはかかりますので、そこを何かインセンティブ。
 一つの県だけではなくて、複数の県に恐らく対象がなると思うんですよ。複数の大学で協力するということになりますよね。そうすると、そういうところを出た人については、やっぱり採用でもある程度の配慮をしていただくということをしないと、なかなか難しいのかなという気がしますね。ある意味で競争原理というところからちょっと外れるかもしれないけど、最初から、入口のところからちゃんと質保証をして、プロセスにおいても教育委員会が関わっていただいて、ちゃんと質保証をするような養成をやって、出口のところでも、できるだけ、よほどのことがない限り採用されるとかいったようなことをやっていただくということがいいのではないんでしょうかね。
 教育委員会から、そういう学生に対して奨学金なんか出していただけると、なおいいと思うんですけどね。

【木村委員】  
 私、内容もよく理解できますし、そのとおりだなと思っております。1つ確認をしたいのが、8ページから9ページの複数免許状取得の意義のところなんです。そこに教員の資質向上には縦型と横型があるということが書いてあります。縦型は、教職大学院などの取組と思うんですね。
 これまで、特別支援学級の設置基準の弾力化により、特別支援学級数が増えてきました。また、通級指導教室の在籍者が増える動きの中で、義務教育には特別支援教育の免許を持つという必要性が出てきました。
 さらに、もう一つ、小中一貫とか義務教育学校とかいう取組の中で、校種別、中学校の先生が小学校の、小学校の先生が中学校の免許を取得するという意義が出てきました。そこに、並列で複数の教科の免許を持つことの意義が書いてあるんですね。
 全くそれはそのとおりだと思うんですが、その背景が、例えば、学級数が増えたとか、小中一貫教育が進められてきたというのと、今の私の理解では、同じような整理にならない。つまり、教員が複数教科の免許を取っていこうというような動機付けが、いま一つ、私の中には入ってこない。
 当然、免外を解消するためということなんですが、このあたりを何か力強く、例えば、国の方で教員の資質向上の柱の一つにするような構造的なものが、裏付けとしてできれば教員にとっても、複数の免許を取得していきたいなと思うような気がします。免外解消にかかわらず、多くの先生が、複数免許を取っていきたいなと思うような構造が示されると、私の中ではこのあたりの文章がすっと入ってくるなという印象であります。

【加治佐座長】  
 おっしゃるのは、教科横断的な指導力は必要とされてきたということとか、あるいは、学校間の接続を円滑にするような能力が教師に求められてきたと。こういうのは、いわゆる本質的なものだということですよね。
 一方で、複数教科の免許を取るというのは、要するに、担当する教師がいなくなっちゃったから免外を出さなければいけないから、それでそちらから来たんだということですよね。そのとおりですよね。
 そうではなくて、そっちも、結局は、教師の目指すべき姿としてあるんだということですよね。

【木村委員】  
 そうです。

【加治佐座長】  
 複数免許を取って、学校で複数教科を担当することが、教師のある意味いい姿として、これからの求められる姿として本質的にあるんだと、そういうことをうたえということですね。

【木村委員】  
 と申しますのは、例えば、今、多くの学校では、横断型というのは、先生たちが教科を超えて協力してやりましょうというのが、現場のスタイルなんです。一人の先生が複数の免許を持ってやろうというスタイルではなくて、国語と数学の先生が力を合わせてやっていきましょうというスタイルなんです。そういう状況の中で、これを言葉として出していくのであれば、そういう考え方を一つ持った方が、説得力と申しましょうか、背景があるなという感じを思った次第でありました。

【加治佐座長】  
 表現とか、どうですかね。

【長谷教員免許企画室長】  
 表現はまた考えたいと思うんですけれども。木村委員も加治佐先生もおっしゃるように、今回の学習指導要領の改訂の中で、カリキュラムマネジメントという概念が今回入ってきまして、各教科をそれぞれ学ぶということとともに、教科横断的な視点で授業を改善していくというところが入ってきましたので、それぞれの教科の担当の先生が集まってそれを改善していくというところもあろうかと思いますし、一人の先生が、別の教科の視点で教科を改善していくという、こういうアプローチの仕方もあるんだろうなと思いますので。
 ここで翻ってみますと、従来、免許法の制度の中で、別の免許状を取っていくというのは、小学校・中学校ですとか、中学・高校、あるいは、特別支援学校というふうに、別の学校段階の方に広げていくというのは、制度の内容としてはあったんですけれど、別の教科に広げていくというところが、制度としてはあるんですけれども、必ずしも最近そこは議論されていなかったところがありますので、ちょうど免外という文脈の中ではあるんですけれども、それを在り方を考える機会を頂いたと思いますので、この機会に、是非、教科を横に広げていくという視点を、また教員の質の向上の中で入っていくというのが、方向性として立てられるといいなと思っております。

【加治佐座長】  
 そうですね。

【松本委員】  
 よろしいですか。

【加治佐座長】  
 どうぞ。

【松本委員】  
 私、小学校と中学校の教員を見ていて思うことがございまして。総合的な学習の時間が設置されたときに、当然、それぞれの学校、地域、児童生徒の実態に合った指導計画を立てなければならないわけなんですが、小学校の教員は、国語、算数、理科、社会、音楽、図工、幅広くやっているわけなんですね。ですから、総合的な学習の年間指導計画、あるいは、1単元当たりの計画が非常にスムーズに立てられたという記憶がございます。ところが、中学校の方は、1教科単科でやっていますから、意外と幅が広がらない。というふうに考えると、中学校の先生の総合的な学習の時間の年間指導計画が困難を極めたという経験がございます。
 そういうことを考えると、ここにあるように、教科にわたる幅広い理解というふうな部分で、1つの教科だけではなくて、複数の教科を持つことで、先生方の指導力の幅が広がるというのは当たっているのだろうなというふうな思いは持ちます。

【加治佐座長】  
 そこらはもう少し出せるといいのかなというところですね。

【長谷教員免許企画室長】  
 はい。

【山本委員】  
 全日中の山本でございます。この夏、全国各地区で校長会あるいは研究大会が開催されていて、先生方はやっぱりこのことについて非常に関心を持たれているんですね。「報告書読んでます」なんていう方もいたので、この会議の役割って大きいなと感じているところです。
 その中で、いろんな意見がある中で、この報告書に絡んで言うと、3点ございましたので、報告させていただいて、ざっくばらんに、声についても聞いていただければと思います。
 最初が、5ページの3番のところにある教師の配置に関する部分です。実際には、6ページのところに示されているこの内容ですね。いわゆる標準法のところをいじらないで、このことを果たして改革できるんでしょうかという疑問の声が非常に多かったです。
 いわゆる小規模の学校で定数内で教員をそろえようと思うと、どうしても5教科、受験に関わる教科のところに学校は優先しがちなんだと。結果として、美術、保健体育、技術・家庭が少なくなってしまうという実情がありますということです。
 そこで、例えば、免外解消のための加配のようなものがあってもいいのではないかと。標準法は、下の注釈に丁寧に書き込んでいただいていますけれども、昭和33年の法律で、これが教員の定数について細かく定められた法律ということになりますけれども、ここのところが少し厳しいのではないのかという声が随分上がっていましたので、例えば、標準法の見直しの可能性とか、あるいは検討の必要とかというものがあるかないか。書き込んでしまうと、努力義務が生じてしまうようなことも起こり得ますけれども、そうした声が実は多いということを、まず1点目、報告させていただきます。
 それから、11ページに関わるところなんですが、いわゆる休眠状態の免許保有者がいるということは、やっぱり各学校にとっても気になるところで、免許更新制の是非については、ここでいう内容ではないんですけれども、再任用の教員の活用がもう少しなされてもいいのではないかと言っています。多く声が聞こえてきます。
 例えば、再任用を終えて、更に免許更新をしなければ現場に立つことができない、ちょっと立場を変えると、お手伝いすることができないという状況はもったいないなと。だから、せめて定年して再任用という資格を持った場合には、さっきは標準法でしたけど、こちらはいわゆる免許法の問題でもって、特例なり、あるいは改正なりをして、実績のある教員については、例えば、違う校長の認定とかいうような形で、免許更新を除外して、いわゆるマンパワーとして確保するということができると、結構使いやすいんだよねという、これも2つ目の声でございます。
 それから、3つ目は、最後、遠隔授業に関することも非常に関心を持っている方が多くて、「いいぞ」という声を上げる人もいれば、「いや、やっぱり生身の教員が必要だよね」「専門性が必要だよね」と言う方もいらっしゃいます。
 ただ、ここのところは、ICTを活用してということで、私が聞いた限りでも、声が二分されているところがございますので、例えば、これをモデル化して、こんなによくできているよというところがもっと聞こえてくると、ICT活用、誰しもが、もしかしたらそういうことで解消する可能性があるかもしれないというところで、まだ疑心暗鬼のところがあるんですね。だから、このところのモデルケースなり成功例なりを積み上げていただくと、最後の遠隔教育については、更に説得力を増してくるのかなと思うところです。
 2つの法の改正のある意味要望の声と、それから、遠隔授業に対する期待というようなところで発言をさせていただきました。

【加治佐座長】  
 ありがとうございました。
 皆さん、そのところは、特に最初の2つは関心のあるところだと思うんですが。また後で事務局からも答えていただきますが、あえて言うと、あんまり可能性の低いことは書いていないということだと思いますね。だから、義務標準法が改正されて、そういう小規模校での特例配置みたいなものができるということであれば一番いいんでしょうけれども。
 それから、もう一つが、再任用された先生方の更新講習の免除の問題ですね。3番目は期待ということで、これはこれでよろしいと思うんですけれども、どうですか、そこら2つのことについては。

【長谷教員免許企画室長】  
 この問題に関しては、たしかこの会議の中でも御要望あったと思いますし、それから、実は、8月2日に教員養成部会で、この免外の会議の状況を御報告したときにも、そういう御意見はございました。
 今、63~64歳以上の方は、制度導入当時の経過的な措置ということで、更新制の対象から外れておりまして、これから65歳を迎える方々が更新の対象になってくるというところがございます。ですので、こういった方々についての更新をどうするかというのは、我々も課題であると思っておりますので、そこは、この中でも弾力的な対応ということは検討事項として挙げられてございますので、その中で考えていければなと思っております。

【加治佐座長】  
 明記はしないということですね。

【長谷教員免許企画室長】  
 そこは考えてみたいと思いますけれども。

【加治佐座長】  
 1番目はどうですか。義務標準法の改正。

【長谷教員免許企画室長】  
 この問題、教員の数の問題ですとか、あるいは、学校の規模の問題ですとか、いろいろな根源的な問題が絡んできているところがあろうかと思います。そこについても、やはり中長期的には考えていくことが必要なのであろうと思うんですけれども、当面の課題といたしまして、当面、我々の方で対応できることとして、今回は制度のところに着目して、頂いた御意見のところをまとめさせていただいたところがございますので、そういった観点で、今回、事務局案としては整理をさせていただいたところでございます。

【山本委員】  
 分かりました。

【加治佐座長】  
 だから、本当に少子化で学校規模が小さくなっていくわけですよね。それで、その中でいろんな工夫がされていくわけです。統廃合もその一つですけど。だけど、統廃合しても小規模校が残るということはありますよね。そうすると、日本の学校、ひいては子供たちの学びの場を維持するためには、これまでの標準法にあるような考え方も変える必要性みたいなものは分かるんですよね。それは分かるんですけれども、財政難の中で、そのハードルが高いということですよね。だから、また今後に期待だと思うんですけどね。
 いかがでしょうか。

【木村委員】  
 今後のことだと思いますけど、もう一つだけ。
 複数教科を指導するというのは、大変本人にとって負担がかかる。また、本人自身が、その免許を取るために、かなりのハードルを越えなければならない。
 制度面のことは外れるということですので、これはあくまでも要望なんですけれども。例えば、小学校であれば、多学年手当といって、複数の学年を持つと手当があります。今後、複数の免許を取らせて、その中で動かすということであれば、そのような手当ても考えていく必要がある。
 小さな学校は、いろんな面で様々な問題を抱えておりますので、そういう中で、やる気を持って力を発揮するという教員が生まれるためには、今後ですけれども、是非、検討の一つに入れておっていただければありがたいなと思います。

【加治佐座長】  
 その要望は何度か出ましたね。だけど、明記するわけにはいかないということですよね。

【長谷教員免許企画室長】  
 考えてみますが。制度の在り方の見直しというところが、今回のもともと発端になりました閣議決定のところでありましたので、ある種守備範囲を限定するような形になってしまいますけれども、制度のことを中心に取り上げさせていただいたというところがございます。

【富所委員】  
 すみません、これも質問というよりは、要望なのですが、免外の数字を見ると、昭和40年代からずっと減ってきていて、今、ようやく1万ぐらいにたどり着いたという状況です。しかし、7ページを見ても、学校を取り巻く環境というのは、教師の需給の問題とか、教育の質とか内容の転換とか、いろいろ複雑化してきています。放置しておくと、ともすれば免外の数は増えてしまうかもしれない状況だと思います。
 そういう中で、今回こうした議論を続けてきたわけですけれども、この手の改革をやる時、一般には、いつまでに、どのくらいまで減らすのかというような工程表とか数値目標みたいなものができるといいんだと思います。でも、一概にここで言うのは恐らく難しいんだと思うんですね。
 最初に議論を始めたときに感じたことでもあるのですが、この問題は地域差が大きくて、なかなか一朝一夕にいかないのだと思います。きっと新しい制度が導入されても、呼びかけに呼応して大きく減らすところもあれば、なかなか減らないというところもあるんだと思うんですね。ですので、言わずもがなとは思いますが、制度導入後も文科省が調査を行い、大きく減ったところは、どうやって減らしたのか、何で減らすことができたのかというところを情報提供していただきたいと思います。
 以上です。

【加治佐座長】  
 そうですね。引き続き、この改善状況をちゃんと調査していただいて、ある意味、この報告書のフォローアップということもありますよね。それもやっていただくということですね。
 いかがですか。

【川上委員】  
 よろしいですか。今の御発言の件も含めてなんですが、これも継続して是非御検討いただきたいなという、取りまとめについてのというよりはという位置付けですけど、インセンティブの構造が余り見えないんですよね。教職課程にいる学生さんが複数免許を取るインセンティブはどこにあるんだろうかとか、免許外ではなくて、二種免を取らせる工夫とかというのをそれぞれの任命権者がするインセンティブはどこにあるんだろうかとか、冒頭発言申し上げたので言うと、各大学にとって、希少種類の免許の課程を維持しておくインセンティブはどこにあるのかという、水路付けとかインセンティブに関わるものというのが若干弱い。
 これはもろもろの制約があってのことで、仕方がないところはあるんですが、やはりインセンティブの見えにくさというのは、それこそ先ほどの御発言で、放置していると増えかねないというのは、多分そこが根底にあるのかなと。楽な方とか、易きに流れていくと、結果的には免許外がやっぱり増えちゃいましたという話になりかねないとなると、減らしたくなる仕組みをどう作るかという部分について、これも調査というよりは、研究を続けていただきたいかなと少し思うところです。

【加治佐座長】  
 だから、これから教員になろうとする学生にとっての分かりやすいインセンティブというか、具体的なインセンティブは、採用が有利になるということですね。これはやっておられますし、今後もやってくださいということはちゃんと書いてあるわけですね。ほかには……。

【川上委員】  
 それで言うと、既に教えていらっしゃる方が、もう一種類の免許を取るインセンティブをどこに置くか。

【加治佐座長】  
 現職教員が。

【川上委員】  
 はい。

【加治佐座長】  
 だから、そうですね。

【川上委員】  
 安易に免外を出してもらっても教えられちゃう仕組みと捉えられかねないというふうになると、手間暇かけて二種免を取ってもらおうという仕組みに誘導するものがないですよね。免外でもできるんだったら、免外でいいじゃないかという話になりかねないとなったときに、前回少し言いましたけど、ライセンスを使ったお仕事で、複数ライセンスを使ったときに、処遇上のインセンティブが働かないというのは何か不思議な感じがするというのともつながってくるわけですけど、やはりもう一つの免許に手を出したくなる仕組みがすごく必要かなと思います。

【加治佐座長】  
 そうですね。教育委員会の方からも、そういう複数免許を持っていて複数教科担当する人、あるいは、免外の人もそうかもしれないんだけれども、やっぱりそういう人に何らかの具体的な手当とか、そういうことの要望はずっとあるわけですね。だけど、ちょっと書くには難しいということですね。
 教育委員会の方々は、これが出たんで、またいろいろ複数免許を取ってもらう努力はされると思うんですけれども、そこはどう先生方に話しますか。

【村上委員】  
 よろしいですか。もう川上先生おっしゃるとおりだと思うんですけど。教育委員会としては、まずは複数免許を取得してくれた学生さんをどう採用していくかというところで、目に見える形で採用に対するメリットというか、そういうのがあったら、目に見える形にしていってあげないといけないなというのは、まずは思いますね。
 それと、現職になってからもう一つ免許を取るというところは、もう一個の免許更新制のために必要な講習だとか、単位だとか、それから、通常私らがやっている研修の中と単位の共有だとか、そういったところを積極的に取り入れて、どっちみちやらなければならないんだからやっていくという、そこら辺の効率性みたいなところを打ち出していくのと、あとは、冒頭でお話あった教科横断的なこれからのカリキュラムマネジメントの中で、そこの意義を是非御理解いただきながら、資質向上を図っていくと。
 それと、もう一つ、もっと突っ込んで言えば、北海道はやっぱり小規模校が大変多いので、どうしても教科の人は学校に一人しかいないという状況になって、切磋琢磨する環境だとか、研修を深める環境がなかなか整えられないので、そこに複数免許でもう一人話のできる人がいるというのは、それは校内研修にも役立つことなので、そういった形で複数免許の人が増えていくというのは、結局は自分のためになっていくんだよというところを御理解いただきながらということに、ちょっと情緒的な話になるかもしれないですけど、そういったところかなと思います。

【加治佐座長】  
 先生方は、子供のためということで、向上心がありますものね。

【村上委員】  
 そこへの期待みたいなところは、実はあります。

【加治佐座長】  
 そういうことですよね。

【岡本委員】  
 高等学校の方では、やはり専門性が非常に高いことがあると思います。ですので、教員として採用されると、後から違う教科の免許も取るというのは、なかなか難しいところがあると思います。東京の場合ですと情報で採用試験を受ける場合には、数学か理科の免許を持っていることが条件です。そうすると必ずそれは持って採用試験を受けるわけなので、(免外ではないことが)確実ですが、そうでないところでは、違う教科に踏み込んでという取得することが少ないと思います。
 校内では研修をやりますが、そのときには教科横断でやることがあります。多教科で一つの教室でやるとなると、国語、数学、理科であるとか、自分が教えている生徒たちが、自分の教科でないところでどういう動きをするか、あの生徒は自分の授業では「ぐたっ」としているのに、この授業だと生き生きしている。その教科ごとによって生徒の受け方が違うというところに新たな発見をして、それを自分の教科でどのように生かすかということは多くやっているところです。
 しかしながら、時間的にも一度教員に就いてしまうと、なかなか違う教科の免許を取って授業をやることは難しい。もしそういう複数教科ということであれば、先ほどお話があったように、例えば、免許更新の際に取れるような仕組みというのがあれば、隣接するような教科では、できる可能性があるというところだと思います。あとは、やはり県によって大分状況が違うものですから、(選考において)どういうふうに考えていくかということは、非常に大事なことかと思っています。
 高等学校では、情報で多く免外が出ているというところがありますので、そうなると、新しく指導要領が変わって、情報がより深くクローズアップされて、大学入試でも使われるという形になると、更に情報の教員が必要になる。現状ですと、ちょうど情報の教科ができたときに、他教科から情報を取ったという方がたくさんいらっしゃるのですが、その年代というのが割と高い年代が多いものですから、やはり新たにそういう情報の免許の必要性というのもあるかと思います。その際も複数免許では軸とする教科があると、そちらの方に力が入ってしまいます。他教科にプラスして情報となると、情報を少し違う形でしか教授できないという可能性もあります。専門性を高めるためには、教員になった後の研修や、情報としての採用が非常に大事ではないかと思っています。

【加治佐座長】  
 ありがとうございました。
 やはり認定講習とほかのいろんな研修との兼ね合わせといいますか、そういうことについての要望が強いということですね。

【松本委員】  
 よろしいですか。

【加治佐座長】  
 どうぞ。

【松本委員】  
 長期的に見れば、先ほど川上先生が言ったように、大学の養成の段階から5科目と技能系の科目を取らせて、そして卒業させる。そして、都道府県教委が加点を付けて採用するというようなことができれば一番いいわけで、これは長期的なんですが。現実には、もうどんどん児童生徒数が少なくなって、免外を何とかしなければならないというのが近づいているわけですから、お金と人を何とかして非常勤を付けるとか、あるいは、学校と本人の理解を得て兼務を推奨するとか、この2つぐらいしかないのかなと思うんですね。
 非常勤の場合、都道府県で予算を取ってすれば何とかなるんですが、最近は、その人がいない。だから、先ほどの再任用、あるいは休眠している免許を生かす方法というのを作ってもらえるとありがたいなというのがあります。
 一方で、すぐにできそうでできないのが兼務なんですけれども、先ほど申しましたように、学校の理解と本人の理解さえ何とか得られれば、兼務は可能だと思うんですよね。ただ、そこに、この前も話が出たように、兼務をしちゃうと学級担任ができないとか、部活の担当ができないとか、そういった課題がありますので、そこを、都道府県教委あるいは国の方で面倒を見てもらえる仕組みができれば、もっともっと進むかなと。そうすれば、本務者が2校なり3校なりの音楽や美術や技術という、そういったものを受け持つことが可能かな。また、県教委は、ずっとその人ばっかりに兼務をさせておくとかわいそうなので、3年ぐらい経ったら、1つの大きな学校へ異動させるとか、そういう人事異動を考えれば、できなくはないのかなと。
 だから、学校、都道府県教委、国で何らかのところでサポート体制というものが加われば、短期的に見ても、結構な数が解消できるのではなかろうかとは思います。

【加治佐座長】  
 これまでこの会議の中で、教育委員会の人事行政の担当者のお話を伺ってきて、私、感心しましたね。ある意味、本当のレベルの高さというかな。それで、今のお話なんかを伺っても、今後、人事行政にますます高い専門性が求められるそうですね。本当にそんな感じですね。本当に高度なプロの世界になるのかなという感じですね。そうしないと、本当に複雑な状況を回せないですよね。だから、人事行政も、ある意味やりがいがあるのかもしれないですね。

【太田委員】  
 よろしいですか。採用の場面ではインセンティブを付けやすいんですよね。2つ免許を持っているということで加点しますよと募集要項に明らかにうたえるんですが、先ほど言われたように、現職教員が他の免許を取るというのは非常に難しくて、そこのインセンティブとまではいかないんですけれども、県としては、その免許を取るための大学の講義を受ける場合には補助を出すということをやっているものですから、取ったことによるインセンティブを付けられればベストなんでしょうけれども、取るに当たっての何か補助というんですか、そういったようなものを、その状況が、全国的にこういったものがあるよとやると、私たちも、財政に対して予算も取りやすいというところもあるものですから、調査の中にそういったこともまた加えていただけると助かるのかなという気はします。

【加治佐座長】  
 結構やっておられるんですかね。

【長谷教員免許企画室長】  
 今おっしゃっていただいたこととの関係でいきますと、希少免許状の取得に関しては、認定講習を開設するための補助というのを文部科学省の方で持っておりまして、そこを是非、各都道府県の教育委員会の方にももっと活用していただけるといいかなと思います。
 ですので、今おっしゃいましたように、取得することに対するインセンティブにはなかなかならないのかもしれませんけれど、せめて経済的な障害だけでも、そこの補助で取り除くことができればということは考えております。

【加治佐座長】  
 どうぞ。

【村上委員】  
 今、インセンティブの話がございまして、養成段階で複数免許、それから、現職になって複数免許というところと、もう一つは、1つの教科だけれども兼務でいろいろ回るといったところで、学生なり現職教員に対する負担をストレートに処遇上で手当とかというのはなかなか難しいというときに、教育委員会というか、任命権者として、これからちょっと研究していかなければならないなと思ったのは、人事評価制度への反映だとか、校務への貢献度、そういったものをどう人事評価制度の中で取り入れることができるかというのは、任命権者としては研究していかなければならないなというような意識は持っております。

【加治佐座長】  
 そういうようなことは書けないんですか。それは何も絡まないですよね。

【長谷教員免許企画室長】  
 はい。考えさせていただきます。
 それから、先ほど松本委員がおっしゃられた兼務のお話で、例えば、今、働き方改革の文脈の中で、先生方がなるべく教科指導の方に集中できるような環境を作るということで、部活動についても、部活動指導員、今回も概算要求の中で検討していきますし、そういった形で、先生方ができるだけ教科指導に専念できるような環境が作っていければ、兼務の先生方も少しは肩身の狭い思いをしないといいますか、やりやすい状況が出てくるのかもしれないです。

【松本委員】  
 それは非常にありがたいことなんですけれども、中学校の教員も、先生になったからには、学級担任をして、中一、中二、中三と、最後進路指導まできちっと面倒を見たいという、そういう思いがあるんですね。ですから、そういう思いもかなえさせながらやっていくということになると、やっぱりずっと兼務ばっかりの学校ではいけないので、県教委の人事権というのはありますので、何年か経ったら、きちっと大きな学校で専門的にやって、そして担任もできるというようなところにしないといけないのかなと。
 ただ、やっぱりそれだけでは、学校さんは、自分のところから0.5日行っちゃうよとか、そうなっちゃうので、そこのところを何らかの形で補う仕組みというのが、県だけでは無理なので、国の方でもサポートしていただけると、この兼務制度はもっと進むのではないかなとは思うんですけどね。
 実際に、9学級、10学級ぐらいのところは、本務者を多分入れていると思うんですよ。例えば、技術、家、美術、そういった先生は、10時間ちょっとの時間数しか持っていないわけなので、他の5教科の先生に比べると少なくていいなと言われてしまう部分があるので、そういう面で言えば、その10時間しか持っていない先生に、もうあと一個を持って、3時間なり4時間なり持ってもらえると本当はありがたいというのが正直な気持ちなんですよね。また、それくらいやってもいいんじゃないかと、5教科の先生たちは思っているという部分もありますので。だから、その辺の兼ね合いをうまく取ってやれればありがたいという思いで、周りの先生からも思ってもらえると。この辺が非常に難しいんですけれども、人間関係というのもありますので。

【太田委員】  
 このこととちょっとずれてしまうかもしれないんですが、今、再任用の方たちというのが、フルだとなかなか働けないけれども、ハーフだったら働けるよという方は相当いるんですね。けれども、なかなか教員定数に余裕がないので、ハーフで担任を持てない人では困るというところがあって、苦しさがあるものですから。だからといって、定数を増やすことは無理なものですから。であれば、例えば、ハーフ二人で、一つの学級担任を二人でやるというんですか、担任・副担任が、終日必ずいる人がいるという状態ではないこともありだよという中であれば、退職した再任用者が、技術の人と家庭科の人が、それぞれハーフだったら働けるよという人が二人で一つの学級を持てるような、そんな研究も場合によってはしなければいけないのかなと。
 この頃、なかなか教員がいないものですから、小学校もハーフ二人で何とか一学級ということもやらざるを得ないこともあるのかなということは、昨年度末の人事異動の際に、ある市によっては、なかなか人がいない中で発言があったものですから、そういったことも工夫すれば、免外解消にも若干はつながっていくのかなというような気がします。

【加治佐座長】  
 なるほど。働き方改革になるかもしれないですね。
 結局、具体策はできるだけ実現可能なものということを書かれているということで、ここに書きたいんだけど書けない御要望がたくさんあるということではあるんですけれども、今後またいろいろ期待するということにして、大体これで内容的にはよろしいんですかね。

【木村委員】  
 小さなことでいいですか。

【加治佐座長】  
 どうぞ。

【木村委員】  
 例えば、6ページの上から2行目に、美術、保健体育、技術、家庭の4教科が並んでいるんですけれども、保健体育だけが、時数的にも美術と技術と家庭と違う。もう一つ、頂いた免外の数も、保健体育というのは、実は数学より低いんですよね。そこで、美術と技術、家庭との文章上の並びというのがいかがなものかなと思っているものですから、整理をしていただければということ。もう一つ、これも小さなことなんですけれども、11ページですが、語句の使い方なんです。(3)に教師の任用と書いてあって、その下にマルで現職教員と書いてあって、そして、1行目の右側に現職の教師と書いてあって、第2段落の1行目に現職教員と書いてあるんですよ。
 教員と教師の言葉の使い方が何らかあるんだろうなと思いながら、整理しておいてもらえればと思いました。

【加治佐座長】  
 明確に使い分けをされていることだと思うんですよね。今の御指摘についてはどうですか。

【長谷教員免許企画室長】  
 まず最初の保健体育のところは、整理をさせていただきたいと思います。
 それで、教師と教員の言葉の使い方ですけれども、これは中教審の答申もそうなんですけれども、基本的に、学校の先生を指すときには、最近、教師という言葉を使っているんですが、法令用語に関係するところは、教員という言葉を使っておりまして。確かに、御指摘いただいたように、教師と教員がかなり混じっているところがあって、読みにくいところがございますので、全体的にもう一度整理をさせていただこうと思います。

【山本委員】  
 私もいいですか。

【加治佐座長】  
 どうぞ。

【山本委員】  
 小さいことということで、私も、どうしようかなと思ったんですけれども。第4回の会議のときに、私、報告させていただいて、てっきり現場、学校が対応にさぞ苦しんでいるんだろうなと思っていたと報告申し上げたんですが、意外にそうではなくて、もう仕方がない、子供たちの学びの環境を整えるためには、免外だろうが何だろうが、学校としてはやらざるを得ないんだと。だから、好悪の問題ではなくて、これはもうやらなければいけないという現場の努力に支えられて実はやっていると。仕方がないから、これを存続させる云々ではなくて、どこかの場面で、例えばですけど、生徒に学びの機会を整備したいと考える校長及び教員の理解によって支えられているという、ちょこっとそういうのに触れていただかないと、私が多く聞いている声を無視することになってしまうので、多分、体制とかいう部分にはないと思うんですが、現状、そういった熱意によって支えられているというところは、ちょっと付加していただけると助かるなと思います。

【長谷教員免許企画室長】  
 承知しました。

【加治佐座長】  
 もう是非それは。

【長谷教員免許企画室長】  
 そうですね。

【山本委員】  
 是非お願いします。

【加治佐座長】  
 確かに、そうですね。人事行政の苦労も書かれてもいいと思うんですけどね。
 小さい点を含めまして、ほか、いかがでしょうか。
 それでは、私の方も少し要望がありますので、それをお願いしたいと思います。
 1つは、10ページ、(2)が養成・研修等の対応というところなんですが、その一番下、質の高い教員の養成に取り組むとともに、認定講習の開設に云々というのがあるんですけれども、ここは国立の教員養成大学・学部に特に期待することだということなんですけれども。ここに、各地域の教育委員会のニーズを踏まえつつ、質の高い教員の養成に取り組むとともに、これは当然のことですので、これは省いていただいて、代わりに、学部と教職大学院の接続を活用して、こういうところはもう国立の教員養成大学・学部では結構取り組んでいるところもありますし、取り組もうとしているところも多いんですね。つまり、6年制、あるいは、場合によっては5年制もできるのかもしれませんが。そういう学部と教職大学院の接続を活用して、複数免許を5年なり6年の中で計画的に取得する取組などを更に進めるとともにということを入れていただけるとありがたいかなと思います。そして、認定講習の開設にこれまで以上に積極的に協力するとか、そういうことを入れていただきたいなと思います。
 教職大学院、全ての教員養成大学・学部にありますので、せっかく新しい制度で、しかも、それが学部とつなげようとする志向を持っていますので、そういう長い年限の中で、複数免許を計画的に取る、そういうことがあっていいと思うし、現行制度でも、工夫すれば可能だと思うんですよ。特に、最初から5年なり6年間を見通して、例えば、数学と技術を取るとか、そういうちゃんと免許を取るものを決めて、学部段階でどれぐらい単位を取って、教職大学院ではどれぐらい取ると。さらに、教職大学院に行って、学部の授業を受けないと複数免許につながりませんので、教職大学院に行ったら、学部の授業をどれぐらい取るかとか、そういうことも計画的にやるということですね。そういうことを是非入れていただけると、教職大学院に進む学生のインセンティブにもなりますし、大学側にとってのインセンティブにもなると思いますね。それを是非お願いしたいということですね。
 それから、この養成研修のところですが、ほかの委員からもそういう要望があったということですけれども、ラーニングポイント制といって、教職大学院の単位に、教育委員会が主催する研修、更新講習であったり、10年目研修、管理職研修であったり、いろんなのが、筑波の機構のものでもいいんですけれども、それを教育委員会と大学が話し合って、教職大学院の単位にしていくということが行われつつあります。つまり、学んだ単位を積み重ねていくということですね。ですから、認定講習とか複数免許を取るためのものも、是非、教職大学院の単位化すると、そういうことも可能なら含めていただけるとありがたいかなと思います。
 それから、3つ目は、これも本当に要望なんですけれども、(2)の前の(1)は、免許制度による対応ですね。ここで、弾力的な取り扱いが可能になるように検討すべきであるということがありますので、是非、これを進めていただきたいと思うんですが。ただ、残念ながら、この弾力的な取り扱いの例が1つしかないわけですね。今後増やしていただきたいなと思います。
 特に、これは非常に難しいのは分かっていますけど、その前に書いてありますように、もう一つの免許を取るためには、28単位とか要るわけですよね。二種であっても十何単位とか要ると、結構ハードルが高いですよね。ここのところを、もうちょっと何らかの工夫をしていただいて、もう少し取りやすくしていただけるというんですか。そういうことがつながるといいかなと思いますね。是非、また今後、教員養成部会とか、そういうところで検討していただければと思います。
 まだ時間は大分あるんですが、何かありませんか。

【柳澤教職員課長】  
 すみません、加治佐先生がお話しになった件で、時間もあるので確認をさせていただきたいのですが。
 複数免許を、学部と教職大学院でつながる中で、5~6年あるだろうと。だから、2つの免許をといった場合に、教職大学院に行く学生のニーズとして、今度教科も教職大学院の方へ入っていきますので、そうすると、自分はこの教科を深めたいんだという方が教職大学院に入っていくと、学部と同じ教科を極めたいという声も出てくるのかなと思うんですが。先ほどお話しになったのは、あえてその中でも違う教科の免許を取得させることを計画的にやらせてはどうかという御指摘ですよね。

【加治佐座長】  
 そうです。1つの教科を学部から教職大学院にかけて極めていくと、これはこれでいいと思うんですよ。これを否定しているわけでも何でもなくて、これはこれで大変結構なことだと思うんですね。
 ただ、それだけではなくて、先ほどから出ていますように、新しい教員の在り方として、複数免許を持つことが、現実的な必要性からだけでなくて、教師の本来の在り方としても望まれるんだというふうになるべきだと思いますので、高度な教員を養成する教職大学院でも、やっぱり複数免許を希望する者には出すという道を開くべきではないかという考え方なわけですね。
 1つを極めるのも高度化だし、場合によっては、2つとも極めるといいますか、そういう道もあってもいいのではないかということですよね。それは、教職大学院がそういうことに乗り出しても、せっかく教科も入ってきましたので、やっていいのではないかと、そういうことなんですね。

【柳澤教職員課長】  
 仕組みとして、教職大学院が修士とは違う世界であるということを、加治佐先生にまとめていただいた会議でもまとめたところでもあるので、本当にそのとおりだなと思うので、1つの特色だなと思うんですけど。場合によっては、やっぱり専門性を極めるために使いたいみたいな話もあり得るかなと思ったので、一応確認をさせていただきましたが。
 趣旨としては、やっぱり教職大学院に行くぐらいの方々というのは、非常に実践重視をされていますから、そうすると、今後の実践がどうなるかといったときに、複数教科を持つ幅広さというのが1つの実践だという、そういうところに価値を置くようなのを、教職大学院の1つの在り方という。

【加治佐座長】  
 そうですね。ここに書いてある幅広い指導力ですよね。

【柳澤教職員課長】  
 そういうことなのかなと思いますので、そんなニュアンスが出るような形で書かせていただければと思います。

【加治佐座長】  
 お願いします。
 一部の人口の多いところは別にして、多くのところは、複数免許がないと採用が難しくなりますよね。そうすると、教職大学院まで行っても複数免許を持たないと、教員になれないとなると、取りにいくと思うんですよね。
 それで、よろしいですか。

【川上委員】  
 すみません。これ、確認なんですけど、14ページ、遠隔教育の話が出ていたと思うんですが。これ、文章を読んでいく限りでは、遠隔教育、これからより使い勝手について検討していくよという文脈に読めるんですが、これまでどおり、例えば、中学校においては、免許外の枠に入る、だから、免許外としての扱いは変えないまま、遠隔教育の利活用について今後検討していきますという読み取りでいいんでしょうか。免許外の解消に向けた会議と銘打っている中では、いささかずれる話かなという気がしなくもないんですが、この辺、すみません確認をさせていただければと思うんですが。

【長谷教員免許企画室長】  
 今回の会議の中でもございましたけれども、現行の制度の中では、中学校では、送信側は免許を持っているかどうかは別として、受信側に免許を持っているか免外の先生が対面で指導しているということが原則になっています。そこに外から遠隔で知識を入れていくという形になりますので、基本的には、その枠組の中ではあるんですけれども。
 ただ、免外で指導されている先生の指導の質を上げていくという観点で、遠隔を活用していくのが有効ではないかというところが、この会議でもプレゼンをしていただいた高森町でやっておられる例でしたので、基本的には、そういう、今実際にグッドプラクティスをしているようなところを、取組を広げていければというところが、ここで書かせていただいているところです。

【川上委員】  
 分かりました。免外は、そのままですけど、同じ免外にしても、質のいい免外に向けての取組であるという。

【長谷教員免許企画室長】  
 はい。

【川上委員】  
 分かりました。ありがとうございます。

【加治佐座長】  
 だから、ひょっとすると、遠隔教育を活用した方が質が上がるかもしれないということを言っているわけですよね。免外の人がもし担当したときに、免許を持っていた人が教室でやっていて、それが活用できるということ、あるいは、その人の支援を受けられるということがあるから、免外の授業がかえってレベルが上がるのではないかという、そういうことですよね。

【寺園委員】  
 よろしいですか。鹿児島の三島村は遠隔教育の研究で鹿児島大学とのやりとりをしているんですけど、今おっしゃったとおりで、受ける側の方は、その人の専門ではないので臨時免許状を取ってもらっているんですが、送信の側は専門の免許を持っていらっしゃる方なので、三島の子供たちの教育の質を上げるという意味で、非常に有効な使い方になっていると。今後、そういうのを進めていきたいとの意見を伺っております。
 三島村は、3つの島に4つ学校があるんですけど、そこで、例えば、それぞれ三島全体で9教科がバランスの取れた配置をして、その上で遠隔教育を行うことが大切だとの意見も伺っています。それぞれ学校単位で考えると、その学校の中で5教科が欲しい、5教科が欲しい、5教科が欲しいとなるので、全体を考えて、全てに専門の免許を持つ者をそろえて、3つの島を遠隔でつないで、受け手の側と送り手の側を考えていくという構想は持っていらっしゃって、結果としては、遠隔教育が質的向上には役に立っているというお話をこの間伺ってきたところです。

【加治佐座長】  
 鹿児島大学の教職大学院が、それをやっておられるんですね。一緒にやっておられる。

【寺園委員】  
 はい。映像も今はとてもクリアなので、よくできているんですけど。ただ、受け手の側が、個別指導だったり、安全指導だったり、そういうものが必要なので、そうすると、やっぱりその方に美術なら美術の臨時免許状は取ってもらうという保証をした上で。質を上げるためにも、送り手の側から美術の専門の人に指導してもらうことを考えていらっしゃるということでした。

【加治佐座長】  
 それでは、よろしいですか。きょうはかなり早いんですが、特にもうということであれば。
 では、今後のスケジュールについて。

【長谷教員免許企画室長】  
 本日いろいろ修正が必要な御意見も頂きましたので、事務局の方でこの素案を整理させていただきまして、次回に案という形でお諮りさせていただきたいと思います。
 時間は、時間・場所とも調整中でございますので、後日お知らせをさせていただきたいと思います。またよろしくお願いいたします。

【加治佐座長】  
 それでは、どうもありがとうございました。もう一回よろしくお願いいたします。

―― 了 ――

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