「高校生のための学びの基礎診断」検討ワーキング・グループ(第3回) 議事録

1.日時

平成29年9月15日(金曜日)13時00分~15時00分

2.場所

文部科学省3階 3F1特別会議室

3.議題

  1. 「高校生のための学びの基礎診断」の認定基準及び手続きについて
  2. 平成29年度「高校生の基礎学力の定着に向けた学習改善のための調査研究事業」連絡協議会について(報告)
  3. その他

4.出席者

委員

(主査)荒瀬委員
(委員)岡本委員,柴山委員,関根委員,竹内委員,長塚委員,根岸委員,藤森委員,前川委員,宮本委員

文部科学省

白間大臣官房審議官(初等中等教育局担当),滝波高校教育改革PTリーダー,
田中高校教育改革PT専門官,中村高校教育改革PT専門官

5.議事録

(1)「高校生のための学びの基礎診断」の認定基準及び手続きについて

 


【事務局】本日は,議題1としまして,事務局で作成しました「高校生のための学びの基礎診断」の認定要件のたたき台を準備しております。この資料は,来週22日に予定されています民間事業者向けの説明会をはじめ,今後,基礎診断の申請を検討されている民間事業者に対してお示しをして,それから,意見交換を行っていくということを考えております。本日は,それに先駆けまして本ワーキング・グループの委員の皆様にも御意見を頂いた上で,先ほどの民間事業者との意見交換なども踏まえつつ,認定基準の検討を深めてまいりたいと考えております。

 それでは,個別に資料1から御説明させていただきます。資料1は認定要件のたたき台と申請書類のたたき台を対比する形式の資料としております。認定要件から御説明いたしますと,出題に関すること,結果提供に関すること,2枚目に,運営に関すること,情報開示に関すること,報告その他に関することという形で大きく5つに分けております。

 それぞれ中身として順に御説明いたしますと,出題に関することとしましては,まず幹となる部分と致しまして,学習指導要領を踏まえた出題の基本方針を定め,当該方針に基づき問題が設計されているということ,それから,個別具体の要件としまして,対象教科については,国語,数学又は英語として,共通必履修科目を中心に出題すること,それから,義務教育段階の学習内容を含むことを明らかにしているということを設けております。国語,数学又は英語といいますのは,国語のみ,数学のみ,英語のみといった単一の教科でも構いませんし,国語,数学,英語の3教科のセット,若しくは国語と数学,若しくは数学と英語,又は国語と英語のような2教科のセット,どのような組合せでも構わないという意味で使っております。このような形で共通必履修科目を中心に義務教育段階の内容を含むことを明らかにするということを要件にしますけれども,ただし書としまして,学習進度に配慮して出題範囲を設定する場合がございますので,そのような場合,受検時期に応じて,共通必履修科目からの出題を少なく設定したり,義務教育段階の内容を含まなくても差し支えないといった形で柔軟な形に配慮しております。

 3つ目としましては,主として知識・技能を問う問題に加え,主としてこれらを活用して課題を解決するために必要な思考力・判断力・表現力等を問う問題――思考力・判断力・表現力等を問う問題と以下言いますけれども,それを出題することを明らかにしていることを考えております。

 4つ目としましては,主として思考力・判断力・表現力等を問う問題の1つの類型としまして,一定数の文字を記述させる記述式問題を出題することを明らかにしてもらいたいと考えています。

 最後に,英語につきましては,「聞く」「読む」「話す」「書く」の4技能を測定することを明らかにしていただきたいということでございます。以上が出題に関することでございます。

 次に,結果提供に関することでございます。まず大きな幹となる部分としましては,学習指導要領に示す目標に照らした定着度の測定を通じて学習の成果課題が確認でき,事後の学習改善に資する結果提供がなされることを明らかにしていただくということでございます。

 それから,試験等の結果,正答状況やスコア等のことでございますが,そういった試験の結果に対する評価の方法と分析の手法を明らかにしていただきたいという内容としてございます。

 2枚目に行きまして,運営に関することでございます。学校において実施可能で,学校にとって過度な負担が掛からない方法で実施されるものであるという大くくりの要件を設定してございます。

 情報開示に関することにつきまして,学校等が測定ツールを選択するのに必要な情報や選択に資する情報が開示されているということを考えております。

 それから,報告その他としまして,まず1つ目に,毎年度事業概要を文部科学省に報告していただきたいというふうな形でいわゆる事後チェックの内容を設けております。それから,少し細かい話になりますが,受検した学校等の同意なく,学校・都道府県の順位を示すなど学校・都道府県間の比較ができるような情報を公表又は第三者に提供しないというふうなものも守っていただきたいものとして書いております。それから,実施内容に変更が生じる場合や試験等を廃止しようとする場合には,必要な届出を文部科学省に出していただきたいということ。最後に,バスケットクローズとしての規定としまして,実施内容に特に著しく不適切と認められるような内容が存在しないということも要件として規定させていただいています。

 右の方に,要件に対応するような,それぞれの申請の際に記載いただきたい内容や書類をまとめてございますけれども,この資料では割愛させていただきまして,後ほどの資料で御説明させていただきたいと思っております。

 資料2を御覧ください。資料2は,基礎診断の手続に関する流れを一覧にまとめたものでございます。大きな流れとしましては,来年度の運用開始を目指しておりますが,来年度の夏頃に申請,秋頃に審査,初冬に認定,それから,情報提供するという流れを考えてございます。認定して学校現場で利活用された後には,毎年度,事後チェックという形で,事業年度終了後に事業概要報告を民間事業者の方から求めたいと考えております。

 それぞれの内容を御説明いたします。申請のところにつきましては,教科が複数あるものにつきましては,原則まとめて1件として申請いただきたいと思っておりますし,学習進度によって各回の出題範囲が異なるような一連の試験等につきましては,これらをまとめて1件として申請いただきたいと思っております。申請の書類につきましては,これも後ほど資料3,4,5という形でたたき台を準備してございますので,そちらの方で詳しく御説明させていただきたいと思っておりますけれども,申請の書類がございます。その中で特にサンプル問題につきましては,各教科大問2題,それから,主として思考力・判断力・表現力等を問う記述式問題について,そのうち1問以上提出を求めたいと思っております。そのほか,実施要項や学校用実施マニュアルについても提出いただきたいと考えてございます。

 審査の記載を御覧ください。審査の手順としては,大きく3段階に分けております。まず,事務局において形式的要件をチェックいたします。

 2つ目に,審査員による分担審査ということで,我々の方から専門分野の有識者の方に審査員として委嘱をいたしまして,各測定ツールを分担して審査を行っていただきたいと思っております。審査員につきましては,教科専門や高校教育関係,テスト運営,テスト理論・教育測定等の有識者を想定しております。具体的なやり取りとしましては,事務局経由で審査員と事業者の間の書面を通じたやり取りと,質問や指摘事項についての回答を繰り返すようなことを考えております。懸念点等につきましては,審査員と事業者の間のやり取りにおいて,審査員が懸念すべきことや改善すべきことがあるときに,指摘事項の案を作成いただきます。それから,必要に応じてヒアリングも実施するということを考えてございます。

 それから,3つ目の段階としまして,審査会による全体審査です。先ほどの分担審査を行っていただいた審査員全員やそのほかの有識者による全体会を開催して,最終的な認定又は不認定の決定とか,認定の場合は,懸念点等に対する指摘事項の決定を行っていただきたいと考えております。

 それから次に,認定・情報提供の欄を御覧ください。認定のところに書いておりますけれども,認定されましたツールにつきましては,事業者にその旨と指摘事項を通知するということとともに,認定されなかった場合には,その理由とともにそのことを通知するということを考えてございます。

 情報提供のところに書いておりますけれども,認定されましたツールにつきましては,文部科学省のホームページで,基本情報のほかに,申請書類の記載内容や事業者への指摘事項を一覧形式で情報提供しようと考えております。こちらも後ほど資料を準備しておりますので,詳しく御説明いたします。ホームページで情報提供するのとともに,教育委員会等に対しても,趣旨の周知も併せて同じ内容を通知したいとも考えております。

 それから,認定の効果と取消しでございます。認定の有効期間は,認定したときから3年後の年度末まで,つまり,概ね3か年度分有効期間があるといったことを考えております。それから,認定要件を欠くとか欠く恐れが判明した場合には,必要に応じて,先ほどの審査会を経まして認定を取り消すということも考えております。

 それから最後に,事後チェックのところです。毎事業年度終了後,御覧いただいているような項目につきまして事業概要報告を求めたいと思っております。こちらも後ほど資料で詳しく御説明いたします。

 それでは次に,資料3を御覧ください。資料3につきましては,資料3の1ページから5ページがいわゆる記載様式と記載要領を書いたものになってございます。ページ番号の6ページから13ページが,英語を取り上げた具体的な記載例を示したものになっております。資料3の前半と後半の記載要領と記載例を見比べるような形で御覧いただければと思います。

 それでは,前から順に御説明しますと,記載要領でいうと1ページ目です。この1枚目の部分につきましては,測定ツールの基本情報として,事業者名,測定ツール名,主な対象者,対象教科,目的,概要,実施回数,年間実施回数,試験時間,実施方式,受検料,標準返却期間などを記載いただくことを考えてございます。測定ツール名のところに青字で記載しておりますけれども,同一の測定ツールで複数レベルの内容等を教材として提供している場合には,その難易度等の名称も測定ツールの名前と併せて記載いただきたいと思っております。それから,名前につきましても,「高校生のための学びの基礎診断」の趣旨・目的を踏まえた名称とするような配慮をお願いしたいとも思っております。

 記載要領2ページ目を御覧ください。2ページ目以降がいわゆる測定ツールの中身に関することになってございます。まず「出題に関すること」を設けております。(1)として出題の基本方針という形で,主な対象者や測定しようとする資質・能力,出題範囲,主として知識・技能を問う問題と主としてこれらを活用して課題を解決するために必要な思考力・判断力・表現力等を問う問題の出題方針,それから,学習指導要領との対応,出題形式,その他出題に関する事項の概略をコンセプトとして記載いただきたいと考えております。具体的なイメージとして,英語の例でございますけれども,7ページ以降に出題に関すること以降の記載例をモデルとして書かせていただいておりますので,こちらも併せて御覧いただきたいと思います。

 それから,「出題に関すること」の(2)の構成としまして,それぞれ出題のバランスを記載いただきたいと考えております。「1出題形式」としまして,選択式,短答式,記述式,それぞれの問題のバランスについて記載いただきたいと考えております。それから,リスニング試験やスピーキング試験を実施する場合には,その旨やその測定方法,それから,活用する機器があれば,そのような機器についても併せて記載いただきたいと考えております。

 「2出題範囲」としましては,高等学校段階の内容と義務教育段階の内容のそれぞれのバランス教科の中における各領域のバランスについて記載いただきたいと考えております。

 「(3)難易度設定の考え方・方法」につきましては,(1)の出題の基本方針の中で,難易度はどのようなものであるかを記載いただくわけですけれども,その難易度設定に当たって,例えば予備調査をこういう方法で行ったというような具体的な方法を記載いただきたいと考えております。

 記載要領の3ページ目を御覧ください。「(4)基礎学力の定着や学習意欲の喚起を図るための工夫」につきましては,日常的に触れる機会の多い素材を用いた問題作成,CBT方式での動画や音声を用いて興味・関心を引き出すような問題作成,進学後の学修や就職後の社会生活の場面を意識させるような問題設定,義務教育レベルの問題から高校レベルの問題の体系的な出題などの具体的な方法,工夫について記載いただきたいと考えております。

 (5)として,その他特長を設けております。以上が出題に関することでございます。

 次に,「結果提供に関すること」を御覧ください。こちらにつきましては,「(1)受検者個人への結果提供内容」と,「(2)学校への結果提供内容」の2つをまず書かせていただいております。それぞれ結果提供の項目を列挙していただくとともに,学習成果や課題が確認できて,事後の学習改善に資する結果提供がなされるといった認定要件に関しまして具体的な内容を記載いただきたいと考えております。併せて,受検者本人に学習意欲の喚起に資するような情報提供の工夫がなされているか,それから,学校として指導の工夫・充実に資する情報提供の工夫がなされているかといったことに関しても具体的な内容を記載いただきたいと考えております。

 次に,「(3)試験等の結果に対する評価の考え方と分析手法」を書いていただきたいと思っているのですが,具体的には,結果の表示方法とその算出方法,それから,評価の示し方とその分析手法について,それぞれ具体的な内容を記載いただきたいと考えております。以上の「結果提供に関すること」につきまして,英語の具体的な記載例としましては,ページ番号でいえば9ページ,10ページのところで具体的なイメージを持ちやすいような形で記載例を記載しておりますので,併せて御覧ください。

 次に,記載要領でいうと,ページ番号は3ページ目で運営に関することを御覧ください。運営に関することとしましては,(1)問題の質を確保するための方法,(2)学校における実施方法,(3)採点の方法と体制,それから,(4)情報管理体制といったことについて項目を設けております。

 この中で,「(1)問題の質を確保するための方法」としましては,記載要領の方に書かせていただいておりますけれども,出題内容の妥当性・信頼性の検証方法,作問の体制や方法などについて具体的な内容を記載いただきたいと考えております。

 「(2)学校における実施方法」としましては,学校において実施可能で,学校にとって過大な負担が掛からない方法で実施されるということについて具体的な内容を記載いただきたいと考えております。学校の実情に応じて実施できる方法であるということについて,例えば学校単位で受検できるということとか,教科単位で受検できるということについても書いていただきたいと思っております。それから,併せて,学校の方で担うべき役割や作業についても具体的に書いていただきたいと考えております。

 「(3)採点の方法と体制」につきましては,採点結果の信頼性の向上の観点を含めまして,採点の方法と体制について具体的に記載していただきたいと考えております。例えば記載要領の方に括弧書きで記載しておりますけれども,採点結果の信頼性向上に資する方策ということで,採点ガイドラインの作成や,採点者の採用基準の明確化・研修の実施,それから,採点プログラムの開発,複数採点者によるダブルチェックや,設問ごとの採点者の配置等について,信頼性向上の観点でどのような取組を行っているかを記載いただきたいと考えております。

 「(4)情報管理体制」としましては,情報セキュリティポリシーの整備の状況とかプライバシーマークの付与を受けているような場合には,その旨も記載いただきたいと考えております。

 最後に,「情報開示に関すること」を御覧ください。こちらにつきましては,学校等が測定ツールを選択するのに資する情報という形で各項目を設けております。それぞれ御覧いただいている(1)から(6)の内容につきまして,サンプルとしまして12ページで記載例も示しておりますので,こちらを併せて御覧ください。申請書のいわゆる本体のところについては以上のような内容になってございます。

 次の記載要領の5ページ目,モデルでいうと13ページ目でございますけれども,様式3と記載してございますところには,いわゆる申請書本体に書き込み切れないような内容を別添のリストとして一覧にしているものでございます。この中で特にローマ数字1の出題に関することの中で提出必須の書類等として,様式4の測定しようとする資質・能力の具体的内容について,それから,様式5のサンプル問題について,今回資料としてこの後ろに準備しておりますので,御説明したいと思っております。

 それでは,資料4を御覧いただきたいと思います。資料4につきましては,測定しようとする資質・能力の具体的内容の様式のたたき台として示しておりますけれども,具体的には,一番左の欄に,測定しようとする資質・能力の具体的な内容としまして,いわゆるCAN-DO形式で,「どのようなことができる」というような記述文で具体的な内容を記載いただくということを,教科ごとにどういうような力を見るのかといったことを業者ごとに記載いただきたいというようなことを考えております。真ん中の欄に設問数,出題形式とございますけれども,ここに出題の設問数とか,測定するための形式を記載いただきたいと思っております。この中に一部,サンプル問題も大問2題を提出いただきたいと思っておりますので,サンプル問題がある場合にはその旨にも記載いただきたいというようなフォーマットになってございます。

 これらの様式の参考といいますか,似たような取組と致しましては,本日の参考資料の2から4で御準備させていただいていますけれども,例えば参考資料2を御覧いただきたいと思います。こちらは国立教育政策研究所の方で作成・提供しております,いわゆる学習評価の評価規準の作成に当たっての参考例を示したものがございます。いわゆるCAN-DO形式でどのようなことができるようになるのかといったことを,学習指導要領の目標に照らしてどこまでできるようになるのかといったことを測る1つの目安として示しているものとして御紹介させていただきます。

 それから,参考資料3としましては,これは東京都の方で取り組まれておりますけれども,都立高校の学力スタンダードです。こちらも学習指導要領のそれぞれの目標,指導事項に照らして,それぞれ基礎,応用,発展というふうな3段階で学習の到達目標を示すことによって,各学校が自らの学校でどのような教育目標を設定するのかといったことをこれに当てはめて,それに基づいて自らの学校の学力スタンダードを作るための参考,もととなるような資料の提供をされております。

 それから,参考資料4としましては,こちらは一部の教科書会社のいわゆるCAN-DOリストの例として紹介させていただきたいと思います。英語につきましては,このような形で各教科書会社の方でCAN-DOリストを指導の参考資料として検定教科書と併せて提供している例が多くございます。学習指導要領の指導事項に合わせて,各教科書の中でどのような学習到達目標が考えられるのかといったものを案として情報提供する取組も行われてございます。

 このような形で,いわゆるCAN-DO形式で目標に照らしてどこまでできるようになるのかといったことを示す取組が進んでおりますが,学校によっては,目標設定ができているところと余りできていないところのばらつきがあるというふうな実態であると思っております。このような今回の資料4の様式を通じまして,これはテストの設計図として明らかにしていただきたいという内容ではございますけれども,このようなものを通じて,各学校においても教育目標,学習到達目標を設定する際の手掛かりになればというところも狙いとして考えておりますし,自らの学校がどのようなことができるようになるのかといった具体的な目標に照らして,どのような測定ツールがふさわしいのか選んでいただく際の参考として,資料4がその手掛かりになるのではないかということも期待しております。

 次に,資料5を御覧ください。資料5は,サンプル問題のフォーマットを示しております。具体的な題材につきましては,前回のワーキング・グループで公表もいたしております数学の例を1つ入れております。このような形で,出題のポイント,それから,主として問う能力,解答方式,それから,具体的な問題と解答例に関して一覧の形で提出いただきたいと考えております。

 次に,資料6を御覧ください。資料6は,認定された後の認定された測定ツールの文部科学省のホームページによる情報提供のイメージを示したものでございます。御覧いただきますように,まず基本情報となるような測定ツール名,事業者名,主な対象者,対象教科,目的・概要,それから,実施期間,年間実施回数,実施方式,試験時間,受検料,標準返却期間のような内容を一覧形式で表示いたします。それから,それぞれにつきまして詳細情報ということで,申請の際に記載いただいた記載内容,それから,事業者に審査会から出されました指摘事項や,実際に学校現場で利活用された後の事業概要報告についてもリンクできるような形で情報提供をしたいと思っております。このような形で学校の選択に資するような情報提供に取り組んでいきたいと思っております。

 次に,資料7を御覧ください。資料7につきましては,認定の有効期間のイメージを図式化したものでございます。まず第1弾の認定としましては,2018(平成30)年度の初冬をめどに認定を出すといったことを考えております。その後に,毎年度認定申請の受付,それから,審査,認定といったサイクルを実施していきまして,認定された測定ツールが充実していくようなイメージを持っております。

 2022年度からは学年進行で新学習指導要領に移行する予定でございますので,それに向けまして新課程と旧課程の測定ツールが併存する形になると思っております。その2022年度に向けまして,2020年度から2021年度にかけまして,この制度そのものの検証や新学習指導要領に対応するといったことも含めた必要な見直しも考えてございますので,上のところに検証・見直しといったことも書いてございます。

 最後に,資料8を御覧ください。資料8は,事後チェックとして行う事業概要報告をイメージしたものでございます。一番左の方には,学校,教育委員会等の教育現場におけるPDCAサイクルの構築を図式化しております。これらを目指していくとともに,真ん中の欄に記載していますけれども,この基礎診断の枠組みの有無にかかわらず,測定ツールを開発・提供される民間事業者の中でも事業改善に向けたPDCAサイクルは当然行われていると思ってございます。この基礎診断の枠組みを設けて,学校等の教育現場,それから,民間事業者の双方のPDCAサイクルをより効果的に回していくといったことを後押ししていけるような,そういった枠組みが提供できればと考えております。

 事後チェックとしましては,この基礎診断の実施後のデータを各民間事業者の方から事業概要報告という形で文部科学省に報告いただいて,フォローアップをするとともに,それから,制度の効果分析,文部科学省からの情報発信を国の役割と考えております。

 国で報告を受けました実施データや検証内容につきましては,それらを分析したり,必要に応じて国で継続実施していきます調査研究に反映させたり,制度の見直しにつなげていくということを考えてございます。特に調査研究の成果などにつきましては,民間事業者の新たな測定ツールの開発や更なる改善のために還元していくということも考えております。

 説明は以上でございます。

【根岸委員】改めて見てどう理解したらいいかなと思ったのが,資料2ですが,サンプル問題のところに各教科に付き大問2題を出すということなのですが,この大問の定義というのがどういうことなのか,皆同じように理解されるかどうか。例えば今回の対象になるかどうか分かりませんが,分かりやすい例でいうと,TOEICですと,全部で100問あって,問題の同じタイプのものが例えば4種類あって25問ずつあったときに,その25問丸々全部というふうに出すということなのか。そうでないと,一個一個は100個あるのは,我々が普通見たときに小問というふうに見えてしまうので。リスニングとかリーディングだと割とそういう設定のテストも英語だと少なくないので,業者の方が幾つうちは出したらよいのかというのが同じように理解されるかどうなのかと思ったので。

【事務局】具体的にどのような単位で大問を捉えるかということについては,正直言いまして,まだ十分に検討を深められていないところもございますので,この後もしっかり検討していきたいと思います。その趣旨と致しましては,英語の方よりは国語や数学の方の問題をよく読んでいますと,小問といいますか,設問ごとで問題の項目としては細分化されておりますけれども,我々としましては,小問それぞれを抜き出してきてサンプル問題として提供いただくというよりも,大問それぞれで題材や素材が設定されておりますので,そういう意味では,1つのまとまりのあるようなものを大問でいえば2題というような形で,まとまりのある問題を2題提供いただきたいという意味で書いているものでございます。場合によってはそれになじまないような出題の形式があるかもしれませんので,その辺りはまた検討を深めていきたいと思います。

【宮本委員】様式4で,測定しようとする資質・能力の具体的な内容についてというのがあるのですが,これは申請する業者がそれぞれ作成して提出をするような形になるという理解でよろしいでしょうか。

【事務局】御指摘のとおりでございます。

【荒瀬主査】当然御質問もまた出るかと思いますが,多岐にわたりますので,まず出題に関することを中心に,具体的な御意見,御質問等ございましたらお願いしたいと思います。出題と,もう1つは,それ以外の残り全部となりますが,まずは出題に関していかがでしょうか。

【岡本委員】細かい話に入る前に1つだけ。これは私の理解では,こういう資料を基に業者の皆様が集まったところで説明をして,こういうものを作ってくださいという書類であろうということですよね。その上で,意見でもなければ,質問でもない,思いみたいなものなのですけれども,1つだけお願いがございます。説明されるときに,今度の「高校生のための学びの基礎診断」というもののコンセプトにしっかりと合致するように作ってくださいねということが書かれているわけですけれども,恐らく業者の皆様方におかれましては,やはり商品ですから,具体的な名前はいろいろお考えになって楽しそうな名前が出てくると思うのですけれども,もともとこれ,高大接続システム改革会議では,このテストというのは,「高等学校基礎学力テスト(仮称)」でしたよね。名前で出発して,高大接続システム改革会議のときに既に,テストという名前は非常に趣旨に合わないのではないかという議論があって,それですったもんだして診断という,だから,検査とかそういう言葉ではなくて,診断というところになったと。それは高大システム会議でも名称も含めて検証してということなので,そういう思いというのがあって,例えばこれは新しいあれだから,もともと高大接続システム会議では「高等学校基礎学力テスト(仮称)」だったからそういう名前の商品を作るとか,それは別にどこかに準備された書類のどこかに書くということではないのだけれども,是非説明会のときに,そういうことをすると,これを一生懸命2年も3年も潰してきた先生たちがみんな泣いちゃうよと。つまり,そういう思い,それを是非お伝え願いたいということだけ申し上げておきたいと思います。

【岡本委員】よろしいのですよね。そういう思いは皆さん共有していて。

【荒瀬主査】この名称の会議になりましてから本日は3回目ですけれども,これまでの会議の中でも強くそういう御意見があって,合意がなされていたと認識しております。したがって,そこから生まれたのが「高校生のための学びの基礎診断」という名称でありますから,この名称に込められた意思というか意図というか方向というか,そこは十分に踏まえていただくというのは,これは文部科学省からも強くおっしゃっていただくということでよろしくお願いいたします。事業名が学びの基礎診断で,実際にやるのが基礎学力テストということになってしまっては,せっかくの議論が,今,岡本先生おっしゃいましたように後戻りしてしまうということでありますので,よろしくお願いいたします。

【根岸委員】私もそのとおりだと思うのですが,もしそうだとすると,この書類上のどこかに,私が見落としているかもしれないのですが,どういうふうな形で診断を行って,どういう診断情報をフィードバックするのかというところもこの申請書類の中に書いていただけるといいかなと。今のものだと,本当にテストが出てきて,従来どおりのテストでも特に問題がない形になってしまっているので,もしできたら御検討をお願いしたいと思います。

 それから,もう1点別の点ですが,資料1で出題に関することの中に,主として思考力・判断力・表現力を問う問題として,一定数の文字を記述させる記述式問題を出題することを明らかにしていることというのがあるのですが,この意味は,この一定数の文字を書かせていたら,つまり,その上と関係してくるのですが,要件を満たしているということなのか,これは最低条件で,そうでない,例えば英語の場合,具体的に言うと,国語も関係あるかもしれないですが,「聞く」とか「読む」という技能のところでは書かせるということが,解答open-endedで理解を問う問題の解答を書かせるというものもオーケーだったら,それを表現力と呼ぶならそれはそれでいいですが,そうでない,受容技能の解答に当たって思考力・判断力を見るというようなところも迫るのかどうか,そこは要件とされるのかどうかというところも,読んでいて若干曖昧かなと思いました。

【藤森委員】今の御意見に関わる資料3の2ページ目のところの出題に関することの基本方針のところの記載例がございますね。これ,非常に大きな要素になると思うのですが,申し上げたいことが2点あります。

 例えば国語の場合,ここにある力として示された3つはいずれも言語活動に関わるもので,恐らく新学習指導要領でいうと,思考力・判断力・表現力等に関わる要素になろうかと思います。これら全ての言語活動を通して,国語の特質や伝統的な言語文化に係る事項というのが現行学習指導要領では付記されておりますが,それがない場合,知識・技能の側面はどういうことになるのかなという問題が,このままの記述だと生ずるのではないかなという印象があります。

 これは各論なのですけれども,その大前提として,先ほどのロードマップを見ますと,新課程になった時点でまた新しく問題が作成されるというふうな認識でいるのですけれども,もとより現行の学習指導要領に基づく診断ですので,それが前提になることは大前提なのですけれども,ただ,いきなり教育課程が変わったから,評価観をそこでコペルニクス的に大転換するというわけにいかないわけで,現行の教育課程ではあるけれども,新課程における評価観を意識して,いわゆる結果型評価からできる型評価へと変換していくという,それについてのコンセプトがどういうふうに出題に生かされているのかという,その辺りについてのニーズは,私はあっていいのではないかと思います。

【竹内委員】資料1の出題に関するところの中で,「知識・技能を問う問題に加え」というところがあります。知識と技能というと何か1つのもののように見えるのですけれども,英語の場合,特にこの乖離が激しくて,知っていることとできることが相当に違ってきます。これ,1つにくるんで書きますと,知識だけを試していたらよいのかなというふうな観点で物を見るテストも作られないこともないかと思います。少しこの辺り,知識と技能の両方にバランスを配慮してというようなことが申請書類の中に書き表せられるようにしていただくと,知識だけを試すようなテストは消えていくと思います。その辺の御配慮を頂ければ有り難いなというのが1点です。

 あとは,予備調査のことについてという記述を,記載例の中で見ますと,これは様式2の記載例なのですけれども,予備調査としてどういうことをしたかというのが,出題に関することの中にあまりしっかりとは書き込まれていないような気がします。これ,サンプルですので仕方ないのですが,もう少しどういうような調査をしたのかということが書ける欄を設けるか,あるいは参考資料として提出してもらえれば,審査するときにかなりやりやすくなるのではないかと思いました。その点御勘案いただければと思います。

【長塚委員】難易度設定の考え方,方法というのが,出題に関することの具体的な要件になっていきますが,その事例として記載例が先ほど示されて,それを見ると,この例では,英語の何とか診断A2レベルというようにツール名が,名称も付けられているわけですけれども,英語ならば,これは記載例ですけれども,英語のCEFRを用いて,こういうCEFRのような規準があると,このツールの難易度の設定がしやすいということを改めて感じたわけです。

 ほかの国語,数学に関してこの難易度をどのように,ある意味,汎用性というのでしょうか,全体に通じるような難易度の分かりやすい設定の仕方を各事業者さんが工夫されるとは思うのですけれども,そういうものはいずれ,逆に言えば,CEFRのような形に収れんされて,義務教育の範囲のものがおおむね理解されている程度だとか,それが半分程度であるとか,いわゆる難易度を分かりやすく示していくことがいずれ大きな課題になって,その中でどのテストでどの程度取ればそのレベルを習得しているというように認識できるというようになっていかないといけないのだなと思います。

 そういう意味では,レベル,難易度の表示の仕方は非常に,大変でしょうけれども,重要だと言えます。英語はこの例示のように,CEFRが用いられそうだなという思いがしたのですけれども,そんなことを感じながら,難易度の設定が,この基礎診断をやりながら,全体で更に継続的にそういうものを仕上げていくというのでしょうか,練り上げていく必要があるのではないかかということを改めて感じました

【宮本委員】今の長塚委員の発言と関連します。最初に質問した資料4が正にそこに当たるわけで,結局,先ほどのお答えですと,測定しようとする資質・内容というのは各業者で決めるのだと。そうすると,業者によってはばらばらになっていくわけで,正に難易度のところと密接に関連してくるわけです。

 前回も私が言いましたように,この内容についてはこのレベルということをこちらから示すべきではないのかと思います。例えば本日参考資料でお配りになりました参考資料2の場合ですと,これは国語に関して国立教育政策研究所の方でこういうような力をというようように具体的に示していますし,参考資料3,これは東京都が作っているものですけれども,これについては3段階の難易度についての目安をあらかじめこうやって示しているわけです。つまり,こういうようなものを示すべきじゃないかと私は思います。

 そうでなければ,学校の方で一つ一つの業者のものを全部横に並べて,どうなのだろうというようなことをしていかなくではいけないですし,業者によって,例えばこれは基礎レベルですと言いながら,別の業者の基礎レベルとは難易度が違ってきたりすると,非常にはりやりにくくなっていく。ですから,やはり何らかそういうものをこちらの方から示していくということが大事なのではないかと。それが先ほど長塚先生おっしゃったような,いわゆる難易度としてどうなのだろうというところとの関連になってくると思います

【荒瀬主査】確かにそうですね。学習指導要領を示した中で,高等学校の授業もやっているわけですから,その中であえてそこに段階を明確に出すというのはなかなかこれ,難しいところがあろうかと思います。

【柴山委員】全然違う質問になりますが,資料1の出題に関する構成のところ出題形式で,選択式・短答式・記述式のバランスということが書かれています。これは,いわゆる紙に鉛筆で答えていく形式の問題というふうになるかと思うのですが,そういたしますと,いわゆるマークシート式というのは,完全に排除するということで考えてよろしいのでしょうか。 もしそうだといたしますと,いわゆる標準学力テストで,教室で単元ごとにテストをして教師が採点するような,そういう形式のテストかなというふうなイメージが浮かんでくるのですが,その辺りどういうイメージなのでしょうか。

【事務局】そこの出題形式のバランスについては,選択式と呼んでいる中に,いわゆるマークシート方式のことも含めて選択式という理解でこちらとしては書かせていただいたつもりです。なので,排除しているというわけではないというのが我々の方の認識ではあります。

【柴山委員】バランスということですので,3つは必ず入れてあって,そのうちの幾らかはマークシートで処理できるかもしれないけれども,幾つかは必ず記述式を入れないといけないという,そういう理解でよろしいでしょうか。

【事務局】要件として,最初に御説明しましたように,問題の類型というか形式としましては,一定数の文字を記述させる記述式問題を出題することを明らかにしていることといった要件を設けようと思っておりますので,ここのところは守っていただきたいと思っております。その他の,例えば全てが記述式問題といったものも全く排除しているわけではないのですけれども,少なくとも記述式問題は出していただきたいといったことを明らかにする以外のところは,選択式の問題や短答式の問題をどのようなバランスで出すのかということに関しては,業者の方の,どういうふうな力を測定するのかといったことによって変わってくるところもございますし,まさしく業者の方の創意工夫のところだと思っております。

【荒瀬主査】今の柴山先生のお話は,先ほど根岸先生がおっしゃった,診断ということの何を見るのかということとも随分関わりがある話ですよね。これは,非常に重要なポイントかと思います。具体的にどういう段階を設定していくのかということを,これを,ここで話し合って決められるものではないと思うのですけれども,その辺りのことについてもう少し御意見を頂ければと思いますが,いかがでしょうか。

【柴山委員】難易度のことなのですが,これは,使ってくれるのが高校生たちということで,やはりそこの部分というのは,宮本委員をはじめとする高校側の御意見はすごく重要だと思います。それで,現在ここに書かれている情報からできるとしたら,各業者さんで問題を作ったときに,いわゆる標準的な高校生たちのサンプリングのようなことをしていただいて,その標準的なサンプリングの高校生たちというのは,サンプリング方法さえ合わせておけば,どの業者さんも,同じ程度の力を持った高校生集団をサンプリングできますから,それで業者さんごとに難易度をまずざっくりと設定していただくことは可能と思います。もちろんそれを精密に何点とはとてもできないようなのですけれども,大体そういうような標準的なグループでこの難易度を見ましたよ,その結果,基礎学力レベルですよ,中位の学力レベルですよというものを業者さんごとに設定すれば,それほど大きくは変わらないのかなというのが,かなり大ざっぱな方法ではありますけれども,現実的な方法なのかなということを御発言をお聞きしながら考えておりました。

【前川委員】例えば資料2などに出てくるのですが,各回というのがありますけれども,これって年に何回やるとかそういうことは決まっているのでしょうかというのが1つです。

 あと,今,出題に関することということで議論が進んでいると思うのですが,出題,毎回新しい問題を出すのか,それとも,これはいい問題だと分かったものを何度も出し続けるのか,それから,作った問題を公開するのか,それとも,どうするのかという,その辺のところは何か決まっているのでしょうか。

【事務局】まず御質問の中で,実施回数,年何回実施するのかということにつきましては,こちらの方からは特に指定というか,こういうふうにしてくださいといったことではなくて,飽くまで情報を開示してください,明らかにしてほしいという意味で,年間の実施回数,実施期間も含めて,そういうことを情報として明らかにしていただきたいという項目としてフォーマットの方にその項目を用意しておりますというのが1点です。

 それから,毎回新しい問題なのか,それとも,問題を使い続けていくのかということに関しても,から何かしら制限するということは考えておりません。それについても,業者の方で,例えば毎年度同じ問題で定点観測をするといったことに適するようにそういった問題を作るというようなこともありますしるというようなこともありますし,毎回使い捨てといいますか,問題を出して,それを公表することなども含めて使い捨て,毎回新しい問題を組み込んでいくといったことも,こちらとしては特に制限を設けているわけではないということです。

 それから,今少しお話ししましたけれども,問題の公開につきましても,こちらの方からどうこうしてくださいというようなことは考えていません。CBT,IRTのような非公開が求められる問題の形式もありますので,そういったところについては問題の公開はなかなか難しいと思います。そういったことについても,業者の方の状況に応じてどういうふうにするのかという情報を開示していただきたい,明らかにしてほしいというようなことで,問題の公開の在り方を情報の開示の項目の1つとして入れておりますので,申請に当たって,どのような取扱いとするかを明示していただきたいと思っております。

【前川委員】教育的観点から問題は公開するということが必ずしも正論とは限らないので,今のスタンスでいいのではないかという気がいたします。

【根岸委員】先ほど幾つか出ていた難易度の点ですが,柴山先生がおっしゃっていたこととも関係あるのですが,難易度に関する情報というのをテストの実施前に提供するのか,実施後に提供するのか。先ほど柴山先生おっしゃっていたのは,予備調査でしょうかね,それを基に提供するのかという,そこら辺がどういう形でやるのかというのが,あと,どれぐらいちゃんとやるのかというのもあって。サンプリングも,業者さんがやる予備調査となると文科省の手を離れるわけで,国がやっているような様々な調査のように完全なサンプリングは業者さんの方でできるわけではないとすると,知り合いベースの学校でお願いするなどの形になると,そもそもそこのところが結構崩れてしまう可能性もあるのかなと危惧しています。

 それから,本当にそういうデータなく項目の困難度などを予測するというのは,割と今,ある人たちの研究対象としては結構注目を浴びているらしいですが,ただ,まだその精度はむしろ競っている段階なので,先ほど言ったCEFRをにらみながら,大体自分たちでラベリングするとすればというのが事前にできる,あるいはスペックとか,英語でいったら,語彙,単語であるとか文法であるとかをにらみながらラベルを貼るというのができることで,それが事前にできる数少ないことで,その後に何かやるのかということですね。多分あり得ないとは思いますが,いろいろなテストの共通項目みたいなもの,これは何問かは入れてくれというふうにすれば,お互いの関係性とか少し見えるかもしれないですが,どれぐらいちゃんと知りたいのか,どれぐらいそのために縛りを入れるのかみたいなところを私たちあまあまり議論してこなかったのではないかと思いました。

【藤森委員】難易度の話が今,主題になっていますけれども,教科によって難易度そのものの概念が一律ではないのではないかという気がしています。特に例えば数学的思考や英語の言語習得と少し性格が異なる国語の要素では,例えば共感であるとか,感性,情緒といった,いわゆる論理的な側面とは対極にあるような側面も1つの指導事項としてこれはずっと明記されている内容で,これをある種のレベルの下で測定するとなると,それについては,そこに見合うようないわゆる難易度概念が必要になってくると思います。それをある意味,ガラガラポンという形でやってしまうと,結局,設問で扱う教材の読みづらさによって難易度を設定するような,こういう方向になっていく恐れがあるのではないかという気がしています。それを考えると,難易度の概念を一律で設けるというその一律の枠組みは,少なくとも教科特性によって違いがあるということと,もしかすると,この手の診断には,残念だけれども測定できない側面がこの教科のここにはあるのだという,そういうある意味での限定認識というのも必要ではないかという気がしています。

【荒瀬主査】まさしくそれはおっしゃるとおりですね。おっしゃるとおりですねって失礼な言い方で申し訳ありませんが。どこまで何を測るのかということが非常に大事で,そこのところを今は申請の段階で出していただくということでもあるわけですし,一方では高等学校の方が自分たちの生徒にどういう力を付けたいのかということが必ずあるわけですから,したがって,そこと出された申請書の内容との重なり具合というのを見ていくということは非常に大事なことですね。

【柴山委員】質の話と量の話がやはり結構こんがらがっているということと,それから,テストのデザインによってその話もまた違ってきます。ただ,共通の診断ということですから,何かやはり共通のものが必要だと思います。例えば共通のものが必要だといった場合,質的な側面のシンボリックな部分がやはり学習指導要領というようなものですよね。その学習指導要領で内容的には共通というふうに押さえておいたとしても,実際にデータとして出てきたときにばらばらのものが出てきたらやはりそれぞれで判断が狂ってくると思います。何かその辺り,全くおっしゃるとおりで,多面的評価のツールですから,そのツール自体が多様性を持っていないといけない。その多様性は保持しつつ,高校の共通のところで基礎診断をしていますよという,ある意味相矛盾することをやらないといけないというところで何かしら共通の判断基準が必要と思います。

 私,決して厳密にサンプリングをやらないといけないとかということは全然言っておりません。大体どこか妥当なところで共通の部分が合わせられるのがいいのだろうなという1つの例として,いわゆる教科書会社さんたちが出しておられる全国の標準学力調査というのも,おっしゃるとおり,知り合いの学校さんに頼んで,大体のレベル,2,000名なら2,000名のレベルの中でこうですよというふうに合わせていますから,せいぜいそれぐらいしかできない。しかし,やはり民間の力をお借りするということですから,民業圧迫になってはいけない。プライオリティはやはり高校生のためというところが一番重要だと思うのですけれども,活用ということですから,コストパフォーマンスが物すごく悪い仕組みにしてはいけないと思います。そういう全部の要素が絡んできている議論だと思っております。

【藤森委員】ちょっと別の角度になると思うのですが,出題の形式のことに関わってくる部分なのですけれども,結果提供に関するところの中で学習意欲の喚起という要素がありました。もちろん結果提供の中で,学習意欲を喚起するような,いわば励ましていく,支援していくという方向性での結果提供は非常に重要だと思うのですが,そもそもこの試験を能動的に受けたくなるような,つまり,魅力ある試験であってほしいという要素を出題自体の中に盛り込む必要があるのではないかと思います。

 本日お示しいただいている記載例,資料5の中で,冷蔵庫の2つの商品を,お母さんとなつみさんのどっちが言っている方が正しいかという,こういう問題ありますよね。これ,極めて日常的でよくありがちな内容の中で,これを基にしてこれを数学的な思考でもって解いていくという,私,これ,非常に魅力的だと思います。サンプルですけれども,こういうふうに,例えば今回の申請段階では,出題についてこんな工夫をしているので,多分解答者はわくわくしながら受検するだろうというふうな要素のPRをやはりしていただきたいと思います。それがあってこそ,させられる試験じゃなくて,自ら受けたいと思う診断だという要素が担保されるのではないかかというふうに思っています。

【岡本委員】基本的に教科ごとに幾つかの会社の方がいろいろ工夫されて作っていって,それが適切なものであるかどうかというのは,最終的にはそれを使われた学校が,言い方が悪いのですが,実際に自分のところの高校生の学力を上げて,皆を励ましていくことに役に立ったかどうかということで評価は決まるはずですよね。であるとすると,それは業者の皆様にこういうことをお願いするというのとはまた別な問題もたくさんあるのかなと。事後のチェックということも一つあると思います。

 それともう一つは,そこから先は,私は数学しか分からないのですけれども,結構,業者の方も含めて,学校の先生や生徒とよくやり取りをしているので,数学に関していえば,難易度というのは確かにCEFRみたいな標準はないのですけれども,何となくあるのですよね。つまり,中でいえば,大体,教科書会社というのは教科書は今何種類も出していますけれども,大体大ざっぱにやると3種類に分かれていて,「どの教科書を使っています?」と聞くと,その高校は大体こういうことを目指しているなというのが分かるようになっているので,その辺は,数学に関していえば余り縛らなくても出てくるのかなと。

 ただ,それを実際に学校にフィードバックしたときに,どういうふうに役に立ったのかとか,どういうふうに使われたのかということが積み上がっていかないと,暗黙の標準が,今お話が出ていたような明示的な標準にはなかなかならないので,今度良いチャンスだから,そういうものを作り上げていくと,将来的に20年ぐらい経ったときに,昔の基礎診断って随分易しいことで診断していたのねというふうになって,皆幸せになるのではないかかというふうには思います。

【根岸委員】先ほどの,また難易度のこととも関係するのですが,少し自分の中で具体的にここ何日間か英語で考えていたのですが,英語ですと,ここ数年間英語力調査を国がやっていて,外的な規準を基にしてCFERという規準で4技能を測りました。御存じの方も多いと思いますが,結果は結構惨憺たる感じで,高校卒業時でも,リーディングが一番良いのですが,7割5分がA1だと。しかし,スピーキングとライティングは山がなく,ほぼ下にいるという,そういう状況です。

 これを診断するといったときに,今,外的な規準を当てると,日本人の学生は発表技能の方に非常に問題があるという形の姿が浮き上がってくるのですが,今度,予備調査をして,日本人の子たちがこの話すテストをやらせたらこんなにできないから,できるようにという調整をしてしまうと,高校生ができるような問題が実施されて,そうすると,問題自体が浮かび上がらないというか,こんな話させても話せないみたいなことを基に,では,話せる簡単な,中学生に問うような質問をしようみたいなふうになってきてしまっていいのかというところが,具体的に考え出すと,どういうふうに設定して,どういう診断をするのかというのが結構難しいなと思いました。ですから,それは英語だけの問題なのかもしれないのですが,少し悩みを共有いたしました。

【前川委員】少し難易度とも関係するのですけれども,結果の解釈ということなのですが,例えば英語の場合は,各テストの何点というのは,CEFRでいったらこんなもの,若しくはCEFRの中のCAN-DOでいくとこういうことができるみたいなのとの対応がとれると思うんですけれども,国語とか数学はまだそういうものがある意味ないわけですよね。

 だから,先ほど宮本先生がおっしゃったように,参考資料にあるいろいろなもの,例えば東京都のものとか,あれを活用して,うちのテストは,例えば私のところは200満点ですけれども,200点満点の何点だったらこういうことができますよとか,あれのどの難易度のレベルに当たっていますよ,のようなことが言えるといいという気がします。ですから,英語のCEFRに当たるようなものを何か今の参考資料のもの若しくはそれの発展系という形で作って,それとの対応性を取る。本当はそっちが基にあって,それに準拠したテストを作ってくださいという方があれなのだと思うのですが,現在あるテストを活用するということであれば,何点はどういう意味という,その点数の意味をはっきりした方がいいのではないかと思います。

 それからもう1つ,何点というときに,例えば資料3の後半の方の例えば10ページのところに,合計200点満点でうちのテストはできていますみたいなことを書くということがあるのですが,そのときに,それに付随する誤差が幾つぐらいあるのかというのを必ず書いていただきたい気がします。いわゆる段階表示と同じで,では200点と201点は本当に違うのかみたいな話になりますので。普通,200点満点ぐらいのテストだったから,誤差はプラスマイナス10ぐらいあってもおかしくないと思うのですけれども,それを書くようにすると,解釈の時点でより役に立つのではないかという気がします。以上です。

【荒瀬主査】そうしましたら,難易度というのは出題とも関わるわけですけれども,出題も含めてですが,全般に関しまして御意見をお願いしたいと思います。

【長塚委員】すみません,やはり難易度のところに行ってしまうのですが。大学入試の共通テストの方で,英語については外部検定を使うことになったということになって,しかし,4年ぐらいは現在のセンター方式と外部検定を併用するということになった。それによって,今現在,各外部検定のCEFRに位置する段階というのは,それぞれの検定の団体が,自分の検定ではこのスコアがこのCEFRの段階ですよということを自己申告しているというふうに聞いておりますし,そうなのだと思うのですが,それが本当かどうかというかしっかり検証されるためには,今度センター方式と各外部検定を併用する中で,センターが両方のデータを持つので,聞くところによりますと,センターでは各検定のスコアがこのCEFR段階であることの信憑性が明確になってくるというふうに考えているとも聞いているわけです。

 ということと同じように,今回この基礎診断は,文科の方で1つの,あるいは複数レベルでもよいのですが,統一してやるということであれば,全体が1つの枠の中でのある意味難易度というものを測ることができるということになると思うのですが,複数の事業者さんのテストを各学校が任意に使うことになると,その間のいわゆる難易度というのでしょうか,どの事業者さんのテストの,テストとまた言ってしまいましたが,スコアがどのレベルであるかということをある意味しっかりと客観性を持ったものとして出すことがなかなか難しいとすれば,先ほどの事前サンプルテストみたいなことでしたけれども,どこかでやはり各事業者さんの結果においてこのスコアだったらばどのレベルであるかという,そのレベルの共通性みたいなものを確認するような作業が必要なのではないかと思います。

 ある学校の生徒が複数の事業者さんの診断のこのツールをやってみて,その中で,共通問題を今回入れるというようなことはここにうたわれておりませんので,そういうところで測っていかないと,結局,事業者さんのテストごとの差というのでしょうか,それが分からないまま各学校が任意に使っているというようなことになるような気がいたしました。最初は実施の設定要件の中に共通問題のようなものが入り込むのかなと思っていたのですが,それは盛り込まれていませんので,何かしらそういうことをしないといけないのではないか,CEFRのような考え方に近付けないんじゃないかという思いがいたします。

【関根委員】難易度の問題は私もずっと考えてきている難しい問題なのですが,現場でやっていると,確かに難易度はある程度統一してもらえると有り難いのですが,一方では,難易度が統一されるということは非常に危険な部分もあって,ある程度アバウトであった方がいいなという気持ちもしています。結局はランク付けになってくる。基礎診断というのは,力をきちんと付けましょう,伸ばしましょうということがベースですから,全て一律にできるようになるということではないと思っています。現場で教えていて,それはあり得ませんので。その子の中の良いところを伸ばせる,自信を持って社会へ出て生きていけるようにしていくためのベースとしてあると思います。ですから,ある程度のアバウトな意味での難易度というのは必要ですけれども,あまあまり難易度を厳密にしてしまったときには,あなたはできないですよというレッテルを貼ることと同じになってしまうので。

 ですから,ある意味ではCAN-DOリストの部分でこれができるようになっていますというところが分かる。各業者さんの中で,その中でのある程度の難易度,この辺まで到達していますみたいな形を明確にしていってもらえればよいのではないかと思います。あまり難易度を統一しようというようなことを考え出すと,子供たちに対してきちんと力を付けて,自信を付けて社会で生きていってもらうというところでいうと外れていくと思うので,業者さんの中である程度,この難易度はこの程度ができるようになったことですよとか,そういうものをちゃんと明確にしていってもらうということを申請書では義務付けてもらうことがよいと思います。各学校の方はそういうものを見ながら,多少でこぼこはあるけれども,例えば今,業者テストで模擬試験とかやっていますが,それは模擬試験によって違うのですが,それを学校が上手に見て判断していますので,そういう使い方の方がかえって子供たちにはよいかと思います。あまり厳密に難易度を決めてしまうのは何か危険な気がしています。

【柴山委員】今議論されていることは,テスト理論の歴史の中でずっとなされていた議論で,正確に測ろうとすればするほど測る対象の能力が限定されてしまって,本来豊かであるべき能力が測れなくなるという矛盾ですね。それで,どの程度厳密かというのは,ある程度合意でやってしまった方が現実的ではあると思います。正確にやればやるほど,ものすごく限定的な能力しか測れなくなるので。多分今回の教育改革全体が多様性ということが,キーワードかどうか分からないのですけれども,バックグラウンドとしてあると思いますので,この辺りはなかなか難しいのですけれども,その矛盾がずっとある話ですね。すみません,ちゃんとしたコメントではなくて。

【荒瀬主査】いえ,ありがとうございます。これは,今後,この会で議論するのかどうかは別として,どういう二次的活用していくのかということとも関わるお話ですね。二次的活用していこう,すなわち,入試で使おうとするならば,一定の基準がなければ使えないわけですし,そうではなくて,高校生自身が基礎学力を上げていこうとする,それに関わって,高校の先生方がどう生徒を指導していくかということに資する材料として提供していく,それが全体的に高校生の学力を上げていくのであれば,つまり,基礎学力の付いた生徒たちが,進学にするにしろ,就職するにしろ,卒業していくということであれば,それが一番望ましいわけですから,そうなれば二次的活用の議論も変わってくるかもしれません。そういう中で,どこまで厳密性を求めるのかって非常に難しいところですね。

 だから,これまでの議論で言うならば,一方では,基準性はなければならないだろうということですが,しかしながら,そこにばっかり目をやってしまって,本来の趣旨である,高校生の学びの意欲を喚起するというところが曖昧になってはいけないですし,あるいは関根先生がおっしゃいましたように,ランキングというのが如実になっていくということの問題もまた出てくると思いますので,その辺りのところのそれこそバランスをどう取っていくのかということが大変重要かと思います。

【長塚委員】くどくなってすみません。私も別にランキングするようなことが必要だと思っているわけではないのですが,そもそも到達度診断の基礎テストみたいなところから議論が始まっていたというところがあって,統一的に基礎力をはっきりさせるというか,付けていくための指導のための材料にするということだったわけですけれども,やはり基礎力がどの程度あるかということを診断するときの目安を,どの業者さんの診断のツールを使うかということは各学校が考える。それで済むといえば済むのですが,現在でも,例えば模擬試験などというものをいろいろある中で各学校が難易度をしんしゃくしていろいろ使っているわけです。

 各学校がそれを任意に使っていくだけでは,将来それを活用するときに,正にそれがどの程度対外的に意味を持つかというところにはやはりしっかりとした統一した物差しを与えるというのが,今回文科が始めようとした最初のスタートにあった考え方だったと思っていたのですが,各事業者さんに全部任せる,問題作成から任せることになりましたので,そうすると,実際は,今現在行われていることと余り変わらないというか,ほとんど変わらない。名称が変わったぐらいであって,それほど国を挙げてやっているものとして言えるのかということがあるのではないか。

 そこをせっかくこうやって認定ツールという名称にまでしたので,この認定はどういうレベルをちゃんと測れているよということをやるべきじゃないか。全国学力調査というのが小学校,中学校で行われていて,高校が行われていないわけです。何かそこに触れるのを恐れているような気がするのですが,実態をしっかり把握するところから実は始まるのが正論だと思うんです。そこを各学校が判断してやるということで本当にいいのか。実態がいろいろあって,ランキングすることとは別問題として,しっかり把握して,それを全体として到達度を上げていくのだという考え方に基づかないと,現在とあまり変わらないことにならないかという懸念がございます。

【柴山委員】すみません,私,技術論的な方向からの話ばかりしてしまうのですけれども,今,長塚委員のおっしゃったことは技術的にはやはり可能です。ただ,やはりかなり大きなデータ収集のデザインとか,かなり複雑なことをして,出そろった測定ツールの,前川委員の方が詳しいのですけれども,その辺りを調整するという方法は方法としてはございます。なので,どの辺りまで難易度を厳密に調整するかどうかで,全国学力・学習状況調査のように悉皆でやってしまうのかみたいなレベルから,そうではなくて,現実的なコストの許せる範囲で,この程度ならできるかなというところまでずっと落としたレベルまで,それは様々あります。ですので,やはり基礎学力診断というものの対外的な品質保証,それがはりやはりどこまで求められるのかという一番根本的なところが決められないと,技術論的な話の中には入っていけないのかなというところです。

【荒瀬主査】ここで言うのは控えてきたつもりですが,私はもともとこの基礎診断の前身のテストのときには,これは入試に使うべきだという立場でしたので,そういう発想で言いますと,長塚先生がおっしゃるお話というのは非常に耳に心地よいわけであります。

 ただ,これは,これまでの議論の流れの中でともかく,ともかくというのはいいかげんな意味ではなくて,具体的に高校生の基礎学力をどのようにして付けていくのかというのは,これは相当慌てなければならない大きな課題ですよね。調査の結果からも勉強しなくなっているということもありますし,力が付いていないまま大学に行って本当に困っているという学生がたくさんいるわけですから。

 そういう点でいうと,柴山先生が技術的に可能だとおっしゃるので,後にはこれを入試に使うとなれば,更に内容的に精度を高めていくということは,当然あると思うのですけれども,今の段階では,そういったことも気にしつつ,忘れないでおきつつ,やはりどう教育活動に使っていくかという方向で考えていくということでいかがでしょうか。そのこともあって基礎診断という名前になったという経過もありますので。

次の議題で,具体的に20校でお取り組みいただいている状況の御紹介がありますが,確かにこれまでと変わらないのではないかというのはとても寂しい話で,そうであっては困るのです。これを何とか変えていこうとして,国が関与してこの基礎診断をやっていくというわけです。だから是非,各高等学校はもちろんのこと,教育委員会も,あるいは私学の設置者の皆様も,すべての高校教育関係者が,高校生の基礎学力を確かなものにするために真剣に取り組んでいくという方向で,そのための調査もやっているわけですから,そういったことを生かしながら進めていくということを実現したいと思います。

【宮本委員】今,診断難易度というところで話がどんどん進んでいるのですけれども,そもそも診断することが目的ではないのですよね。つまり,どういう力を付けるのかというのがまずあって,そこまで力が付いたかどうかということを診断で測るということなのですよね。ですから,診断の難易度というところでずっと話をしちゃうと,そこが見えなくなってきてしまうので,その前提として,1年間で例えば数学ならここまでの力を付けますというのがあって,それに向けて日々の教育活動が行われて,それで果たして付いたかどうかというのを診断で見るということになるわけです。そこの目標をしっかりと,それぞれの学校でもよいのですけれども,うちは1年間でここまで付けますということを明らかにして指導していく。やはり,それがなければ診断の意味がないのではないかかというふうに思います。

 そのこととこの診断の難易度というのがリンクしないといけないわけですよね。ですから,そういう制度設計というのをもう1回しっかりと確認する必要があるのではないかと思います。そうでなければ,日々の教育活動と全く違うところで難易度だけ見て測ったところで,それがまた結果を基にして教育活動の改善にはつながっていかないと思います。それが正にPDCAのサイクルになっていくわけなのですけれども,そういう位置付けの中での診断なのだということをもう1回確認をしていくという必要があるし,業者の方たちにもそこのところをちゃんと理解してもらわないと,おかしなことになるのではないかと改めて思いました。

【竹内委員】今の御意見に私も非常に賛同する立場です。測定をすることについてはかなり議論を詰めていきつつあるとは思うのですけれども,これ,診断をするといっても,診断をどういう形でするのか,というところは業者に任せた形で,それをどう通知するか,子供たちにどう伝えるか,学校にどう伝えていくかということに関してはあまり議論がなされていないのかなというふうに思います。そこが一番大切なポイントなのに,意外とそこが抜けてしまったなという感じもしますので,もしこれ,次に問題を業者さんが作っていただくときに,その点についてはしっかりと記述をしていただかないと,本当に使える診断ツールにはなっていかないのではないかなというのを危惧しています。

 例えば診断の項目については,アドバイスをしますと書いてありますが,何をアドバイスするのかもよく分からないし,ある点数の人は皆同じアドバイスが出てくるような機械的なアドバイスの出し方をしてしまったら,これはもうあまあまり使えない診断であるという判断を受けそうな気もしますので,ここの診断及び通知の部分に関してもう少し項目を立ててしっかりと提案書に書いていただくとか,この場でも少しどういうことをやるべきなのかということを時間があれば議論した方がいいのかなと思いました。

【荒瀬主査】今のお話は,この間の3回の前の会議でも何度か話していたことだと思いますが,要は,出てきたデータを誰が使うのかというと,もちろんこれ,生徒が見るわけですけれども,高校の先生方が御覧になるわけですよね。高校の先生が,業者の方がお出しになったアドバイスをそのまま,変な言い方ですけれど,真に受けて,それをそのまま生徒に伝えているようでは,これは教育改革にならないわけで,学校が主体的にこれを使ってどのように力を付けていくのかということを考えていくということを前提にしているわけで,そこのところはまさしく,先ほども言いましたけれども,学校とか教育委員会とか設置者の皆さんに御理解いただかなければならないのではないかと思います。

【竹内委員】多分そのポイントは,診断ツールを作られる業者さんだけでなくて,学校の方,並びに教員の責任あるいは教育委員会の責任かと。そこのところに関しては,今回は全く表に出ていません。もちろん議論はしっかりさせていただいて,前身の会議でもかなりさせていただいたので,そこをもう少しおもてに出して,利用者に対しての注意喚起をしっかりとするという側面を設けていただければ,少しは改善するかなと思います。

【荒瀬主査】それは本当にそうですね。何か業者の方にばかり注文して,良いもの作らないと使いませんみたいな,それは変ですね。

【藤森委員】特にそれに関わる具体的な例なのですけれども,平成14年,17年と行われた教育課程実施状況調査の中で,古典の学びに対する生徒の好悪の感情があらゆる教科科目の中で最も悪いんですね。70%を超す子が,つまらない,どちらかというと面白くないと。気になるのは,この測定の中で,例えば古典文法に関わるようなものが出てきて,結果的にその文法の得点のスコアを上げるためにもっと文法指導しなくてはいけないのだというふうに駆り立てられるとすると,全く逆効果だと思います。もう既に議論が出ていますけれども,受検者本人への督励,啓発もありますけれども,それにも増して,授業改善に資するような問題である必要がはりやはりあるなと強く思います。その視野をはりやはりどういうふうに民間のアイデアをそこに投入して,閉塞されがちな,座学に陥りがちな高校の授業改善をどういうふうに改善していくかという,そのための1つの起爆剤になっていく必要があるだろうなと思っています。

 

 

(2)平成29年度「高校生の基礎学力の定着に向けた学習改善のための調査研究事業」連絡協議会について(報告)

 


【事務局御覧事務局】資料9を御覧いただければと思います。8月9日に今年度の「高校生の基礎学力の定着に向けた学習改善のための調査研究事業」に取り組んでいただいている教育委員会と実践研究校の方々にお集まりいただき,連絡協議会を開催いたしましたので,概要を報告させていただきます。

 議事の内容は4番のとおりです。学びの基礎診断の検討状況に関する説明に続き,前回の本ワーキンググループにおいて御議論いただきましたが,今年度の試行調査の実施計画について協議をいたしました。その後,各教育委員会や実践研究校の方からそれぞれの取組状況について御発表,質疑応答を行いました。発表に対する講評は,放送大学の田中統治先生に御協力いただきました。また,講演につきましては,教職員支援機構の百合田真樹人先生に講師をお務めいただきました。百合田先生には,事前に昨年度の本事業の成果報告書全てお目通しいただき,その所見と今後の調査研究についてのアドバイスを頂いております。

 2ページを御覧いただきますと,実施団体における主な取組につきまして,17団体20校の御発表の内容を事務局にて整理,集約したものを主な取組の項目ごとにまとめてございます。各項目の事項につきましては,ほとんどの実践研究校において取り組んでいただいているという状況でありました。

 特に授業改善,学習改善のアクティブラーニング型授業やICT機器の活用につきましては,多くの発表の中で触れておられたところでありますけれども,一部の発表の中で,アクティブラーニングについては,それをやれば生徒の基礎学力が身に付くと安易に考えるべきではなく,しっかりとした仕掛けの工夫が必要であるというふうな発表がございました。また, ICTの教材の活用については,取組当初は一時的に効果が出たということでしたが,ので総合的に見ますと,学習改善がなされたとは言えないという状況があり,校内でその理由をいろいろと検討したところ,ICT教材の活用自体が目的のようになってしまっていたのではないかということで,今年度からは,その反省を踏まえ,組織的な取組を図った上で,ICTは飽くまでもツールとして活用して取り組んでいくこととしたという発表がございました。

 PDCAサイクルにつきましては,この事業がそもそもPDCAの構築を目的としたものであり,全てのところで何らかの取組は行っていただいているところですが,こちらの資料には,発表があったものについて掲載させていただいています。例えば,年間を通してだけではなく,様々な段階の中でPDCAサイクルを回していくことを検討しているといった発表がございました。

 評価等につきましても,全ての学校において取り組んでいただいていますが,発表のあったものだけを掲載させていただいております。一例として,ルーブリックを生徒に事前に示すことによって,生徒が授業に前向きに取り組むようになったという事例報告がございました。

 また,昨年度実施をいたしました試行調査につきましては,その調査問題を分析したり,授業アイデア例を作成しているという学校や,授業改善に生かしているといった発表がございました。

 それから,学校独自の「学力スタンダード」については,団体によって必ずしも「学力スタンダード」という名称ではありませんが,同様の取組ということで,幾つかの学校あるいは県単位で既に作成若しくは今後作成を考えておられるといった発表がございました。

 その他様々な取組について御発表いただきましたが,時間の関係で省略をさせていただきたいと思います。

 次に,講評については,4ページに田中統治先生の講評の概要を記載させていただいております。田中先生からは,個別の学校についての講評というよりも,これからの事業を進めていく上でのポイントということでお話いただきました。その中で,カリキュラムマネジメントという用語について,カリキュラムの概念は,従来の教育課程というペーパープランの視点だけでは非常に狭く,「学びの基礎診断」ということで「学びの」というタイトルが付いているわけですけれども,学習経験というところまで目を凝らして,その実質を調べていこうというのがカリキュラムという概念を使う理由であって,ただ英語だからユニバーサルな用語として使おうというだけではなくて,「隠れたカリキュラム」というのが一番その典型的なものですが,従来の教育課程の研究だけでは目が行き届かなかった側面について目を凝らしていく必要があるというお話がございました。

 それから,学びの基礎診断では,現在,英数国を1つの指標にするというふうになっていますが,全体的に学びに向かう環境や関係であるとか,それを作っていくという点では,教職員全員の参加が必要であると。また,ともすれば,学校の管理職層がやることであると思われがちですけれども,そういった従来の文化を変えていくという大事なミッションもあるのではないかというお話がございました。

 また,授業評価について,生徒によるアンケート等を活用してはどうかとの御提案がありました。生徒による評価というと,例えば教師の人気取りになるのではないかというふうな課題もあるというのもあるけれども,ある程度目をつぶってでも正面から受け止めてみると,生徒との対話の切り口になると。生徒が学びやすい,そういう授業にするためには,教師と生徒が一緒に協力してやらないといけないということで,アクティブラーニングの大事な出発点になるのではないかというお話もございました。

 最後に,生涯学習についても触れて,学びの基礎というのは,実は生涯にわたって学び続けるための基礎というふうに捉え直すことができるのではないかという講評を頂きました。

 次に,教職員支援機構の百合田先生による講演につきましては,資料の5ページから8ページが講演資料でございます。9ページから13ページは,昨年度の本事業に取り組んでいただいている団体から提出された事業成果報告書を百合田先生にあらかじめ御覧いただき,それについて書面評価から抽出した共通課題ということで所見を挙げていただいた資料でございます。

 まず5ページですが,学力の3要素と言われているけれども,私たちがこれまで持ってきた学力観から大きく変化していることについての認識が必要であるとの前提についてお話がありました。学力観の変化は,教育することを巡る考え方,学習者の位置付け,評価の在り方が変わることをも意味しているということです。

 7ページでは,PDCAサイクルについて言及をされておられます。PDCAサイクルとは,方法論ではなく,恒常的改善に取り組む社会あるいは文化の中では,どういうことが起きているのかということを整理,単純化したものであると。本事業の取組においては,このPDCAサイクルが任意の事業の方法論として認識されている可能性があるのではないかということでした。PDCAサイクルについて,先ほどの事業成果報告書の中でもいろいろと触れられているわけではあるのですけれども,P-D-C-Aのそれぞれのつながりが不明瞭なところがあるのではないかという御指摘がございました。また,高校生の基礎学力の構築を学習指導要領の改訂の方向性を基準にして捉え,調査研究事業の狙いを教育改革の文脈で理解するということが重要なのではないかという御指摘がございました。

 それから,10ページを御覧いただければと思います。各団体で取り組んでいただいている調査研究上の課題の一例と致しまして,10ページのマル4のところに「統計的検定の必要性」というところがございます。こちらの例2のところを御覧いただければと思います。多くの事業成果報告書の中で,アンケート調査などを用いて学習者の意識変化や学びの変化をつかむ努力をしていた点は評価できるとしながらもので,調査結果については,それぞれの調査項目の単純集計にとどまっているということで,もっと調査項目間の関係性などを組み合わせてクロス集計などを通してそうして見るといろいろなものが見えてくるのではないかということで,集積データの十分な活用を図るべきとのお話がありました。

 一方,学校の中においてはこのような分析はなかなか難しい面もあるということで,外部専門家の有機的な活用について御提案がありました。本事業においてもすべての事業で外部専門家の活用が図られていますが,その活用は,知見を得ること,指導・助言を得ることにとどまっていて,これでは非常にもったいないと。近年,大学と教育委員会との連携の動きもあるので,例えば,学校のデータも提供するので,一緒に共同研究をやりませんかとか,そういった提案をすると必ず賛同してくれる研究者はおられるはずであると。そのように,学校現場等に不足する専門性を補う観点で専門家の活用を検討して,データ活用を図っていくことも有効ではないかというお話がありました。

【柴山委員】すみません,PDCAサイクルというのはもう随分昔から言われてきていることなのですが,これは,もともと経営学的な,数値にできないものは管理できないみたいな発想が入っていますよね。それで,学校の教育の中でPDCAサイクルを回すといったときの改善指標の設定にこの基礎学力診断を入れたらどうなるのかというふうなところでこの研究事業は始められているのでしょうか。

【事務局】その要素も入れた研究ということもあり得るかとは思うのですけれども,試行調査を実施した時期としては年明けの時期でありまして,その分析もまだ十分ではないという状況があろうかと思います。また,試行調査の調査問題においても,調査をするためにいろいろな要素を入れているというところもありますので,実践研究校においてそれがそのままPDCAに生かせるものなのかというところはいろいろあるのかなと思います。調査問題において,特に思考力・判断力・表現力などを問う問題を一部入れることにしておりますので,実践研究校においてその辺りの分析をされたとか,教材を作成されたとか,そういった個別の取組としては行われていますし,PDCAサイクルの「C」の部分で一部,試行調査の結果を活用いただくという前提もありますので,意識はしていただいているかと思いますが,その結果がどうであったかということはまだ今のところ聞いていないという状況でございます。

【長塚委員】今の御報告の中で,生徒にあらかじめルーブリックを示したらば効果的であったということは,とても意味のある話だと思って伺ったのですが,それは診断テストの結果が良かったということなのか,日頃の話なのか。日頃の話なのだろうというふうに思って聞いたのですが。例えばそのルーブリック,今度の新しい診断テストなども,生徒たちにこういうことができるようになることが求められるというルーブリックの段階みたいなものが各業者さんのテストにおいても作られていて,それを超えたところに達していたらばいいねというようなことが示されるようなことにつながっていけばいいのかなと思いながら伺ったのですが,もう少し何か分かっていることがあれば教えていただけますか。

【事務局】今回の取組発表につきましては,各団体の発表時間が10分程度でかなり短くて,御発表の中でそのような御発言があったにとどまっております。各団体が作成した配布資料の中にも特にそれを示すようなものも入っておりませんでしたので,あいにくこちらで御紹介することはできませんが,後で少し聞いておきたいと思います。

【柴山委員】今の長塚委員の御発言とやはり関連してくるのですけれども,カリキュラムマネジメントとか,これが何であるかというのは私自身まだよく理解できていないのですけれども,教育の中に数値を持ち込むときのやはり怖さというのがあります。その辺りのところに多様性を担保するというふうな形でこの基礎学力診断を使うというような何か視点を入れておかないと,多分数値にした途端に物すごくパワーを持ってしまいますので,教育が持つべき本来の多様性がそこに収れんしてしまって,いろいろなものが壊される方向に働きかねないので,基礎学力診断の実際の使われる辺りの手加減といいますか,その辺りのことも是非考慮いただければと思います。

【長塚委員】くどくなってすみません。先ほどの説明に,この学習評価に関する参考資料5番,この説明があまりなかったかなと。されましたっけ。していませんよね,まだ。これを拝見していますと,最後の方のスライドの25番に,これは国語科(古典)の例というルーブリックがある。ルーブリックを用いた評価の例があって,右側にその段階があったりするのですけれども,こういうルーブリックというものを,先生が評価するのではなくて,ルーブリックは生徒自身があらかじめ理解しておくと非常に効果的だという話がよくあるわけですね。

 ですから,今回の診断の場合にも,こういうルーブリックを各診断テストの中,教科の中で作って,それが示されていると,先生も生徒もそれに対応するような力が付いたかどうかということが見えてくるようになれば,CEFRと同様に考えられるのではないか。このルーブリック評価などを使うということは,いわゆる何ができるようになるかということに繋がる話ですので,まだこれは次期指導要領のいわゆる方向性なのですよね。しかし,そういうことになっていけば,今までの模試の結果のように,君はこの点数だったねとか,できたね,できなかったねというような判断だけして終わってしまう結果とは違ってくる。こういうルーブリックになって,それに対応するような形で示されてくれば,非常に幅のある学びの改善につながっていくのかなという思いがいたします。

【荒瀬主査】今,各学校でそういった,教科とか,あるいはいろいろなパフォーマンスのルーブリックを作ろうとしている動きがたくさんあると思います。ですから,それぞれの学校の持っているそういう規準的なものに基づいて,各業者の作られた診断をどう選ぶかというところから,多分この診断の活用が始まっていくのかなというようなことを思いながら聞いておりました。だから,先生がおっしゃった,業者の方がお作りになるというのも当然あると思うのですけれども,学校が持っているというのも大事だと思いながら伺いました。

 今,柴山先生がおっしゃいましたけれども,数値化されると急に怖くなるというのは,これはきっとそのとおりだと思いますので,ここのところで軸がぶれないようにしておくというのは,一方でこれを,大いに活用してくださいというのを高等学校にお願いするのと同時に,活用の仕方を,違った使い方になってしまうということにならないようにとお伝えすることが大事ですね。多様な測定ツールの1つとしてどうやっていくかという話ですので,そのところは十分注意しなければならないなと思いながら伺っておりました。

【藤森委員】ルーブリックの話が出ましたので,1点意見申し上げます。今こちらの参考資料5の25ページのところに高等学校の古典の例でルーブリックがあります。ルーブリックが完全に無意味だとは申しませんが,これを見ると,Cのところを見ると,述べていないとかできないとか,こういう否定的なネガティブな表現でもってここに算定規準があるのですね。ここに位置された生徒がどれだけ不愉快な思いをするかと思うと,あなたの授業が駄目だからできなかったのでしょうという,こういう授業改善に向けての教員自身の内省がないまま,だから,あいつはできないのだという話になってしまうので,こういう形に何か悪用されないように,是非ここの,特に,未挑戦,これからの挑戦だという,そういう視点で,できたか,できないかではなくて,できたか,これからの挑戦なのかという,その視点は我々の基本コンセプトとしてあっていただきたいなと強く思います。

【荒瀬主査】ルーブリックにつきましては,中教審の教育課程部会の中の高等学校部会の中でも,相当議論がありました。ルーブリックというのは作るまでは非常にみんな考えてやるのだけど,出来上がってしまうとただ当てはめているだけみたいなことになって,これなら意味がないという話もありましたし,扱いには十分注意しなければならないということでありますね。それでは時間が来ました。事務局におかれては,本日の話を参考にしていただきまして,業者の方への御説明をよろしくお願いしたいと思います。

【事務局】次回の第4回ワーキング・グループは,10月中旬から11月中旬を予定してございます。開催案内は,後日改めてお送りいたしたいと思っております。

 本ワーキング終了後も,御意見等ございましたら,事務局に御連絡いただければと思います。

―― 了 ――

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