「高校生のための学びの基礎診断」検討ワーキング・グループ(第2回) 議事録

1.日時

平成29年8月4日(金曜日)10時00分~12時00分

2.場所

文部科学省15階 15F特別会議室(東京都千代田区霞が関3丁目2-2)

3.議題

  1. 「高校生のための学びの基礎診断」に関する今後の展開について
  2. 民間事業者の商品・サービス等に関するアンケート調査結果について
  3. 「高校生のための学びの基礎診断」の認定基準の設定について
  4. 「高校生のための学びの基礎診断」の認定基準の設定について
  5. その他

4.出席者

委員

(主査)荒瀬委員
(委員)岡本委員,柴山委員,清水委員,関根委員,長塚委員,根岸委員,藤森委員,前川委員,宮本委員

文部科学省

髙橋初等中等教育局長,滝波高校教育改革PTリーダー,田中高校教育改革PT専門官,中村高校教育改革PT専門官 

5.議事録

(1)「高校生のための学びの基礎診断」に関する今後の展開について


【事務局】資料1を御覧ください。「高校生のための学びの基礎診断」に関する今後の展開イメージという資料です。こちら,前回も議論の中で,この基礎診断に関する様々な御意見を頂きまして,こういうことをすべきだとか,あるべきだとかという様々な御意見を頂きましたので,そういったことを今後どのような形で展開していくのかというものを1つイメージとして図式化したものを用意させていただいています。内容につきましては,もう既に実施方針等でも発表していますとおり既に御案内のこととは思いますけれども,改めて認識の共有という形で御紹介させていただければと思います。
  資料の上から順に行きますと,オレンジの帯で書いておりますけれども,高等学校における基礎学力の定着に向けたPDCAサイクルの構築ということで一貫してこれまで言ってきておりますので,これが1つ柱として全体を貫くものとしてあるという中で,3つ取組を整理させていただいています。取組1としましては,いわゆる高校現場において基礎診断も含めて多様な測定ツールを実際に指導で使っていただいて,それをうまく次の改善に生かしていただきたいという,学校現場においての取組を国としても促進していくということを取組の1つ目として掲げさせていただいております。
  そのために,我々国としましては,この測定ツールの認定スキームを構築するという方針を掲げておりますので,取組の2つ目として認定スキームの構築の柱を掲げております。こちらにつきましては,平成30年度に運用開始をすることを目指して進めるという形でスケジュールを考えております。認定スキームを構築できましたら,準備,それから,広報の期間が少しございますけれども,運用開始の平成30年度に向かいまして,そこから申請の受付,審査,認定で,学校現場での利活用,それから,事後チェックでの点検という形でサイクルを回していきたいと考えております。こういった認定制度の運用を通じまして測定ツールの充実・発展を目指していきたいといったものが2つ目の柱としてございます。
  これらに関しまして,実施方針でも明らかにしていますけれども,運用開始の3年経過後を目途に実施状況を点検・検証するという形で必要な見直しを行うことも考えておりますので,それに向けて計画的に実施状況をチェックしていくということも書かせていただいております。
  最後,取組3としましては,これは従来やっていることではあるのですけれども,調査研究の継続がございます。いわゆる実践研究校でPDCA,高等学校における基礎学力の定着を目指したPDCAサイクルの構築に向けて様々な取組を行っていただいていますので,そのような取組結果を踏まえたPDCAサイクル構築に向けた課題の分析や改善方策の検討を行ったり,又はCBTなどのテスト手法に関する調査研究をこの中で行ったりしていきます。調査研究の成果につきましては,できるものから随時,認定制度そのもの,若しくは個々の測定ツール,そういったものに成果若しくは結果などを随時反映し,その後改善していくということを目指しているということで取組の3つ目として書かせていただいております。このような形で随時,制度そのものを充実・発展するという形で,まずは30年度に運用開始することを目指してスタートを切りたいとことを考えています。


【宮本委員】取組2の認定制度なのですけれども,これは1回認定したら終わりということではないということでいいわけですよね。当然中身については少しずつバージョンが上がっていきますから,何度も何度も結局認定ということを行っていくという形の理解でよろしいでしょうか。


【事務局】御指摘のとおりでございまして,一度切りの認定ということではありません。随時認定していきますので,申請を受け付けて認定というサイクルをずっと繰り返していき,その中で改善も当然図られるでしょうし,新たに開発された測定ツールも出てくることも想定しています。


【柴山委員】右上のところに新学習指導要領(学年進行),それから,完全移行というのがございますが,この制度自体も完成年度を2024年度辺りを目途にされているのかどうかということと,あと,完成形のイメージですが,多様なミッションを帯びた数多くの高校があって,その高校の教育に資する多様なツールを数多くの民間団体が供給する。そのベストマッチングの機能も必要かと思いますが,それら全体を国が支える制度というふうな完成形のイメージで理解しておいてよろしいのかどうかの2点お願いいたします。


【事務局】まず期限といいますか年度の話ですけれども,具体的にここまでにこういったものを完成させるといったことまでの具体的ないわゆるビジョンといいますか,それをこういう形でという具体的なものを今こういう形でお示しすることはなかなか難しいところがあります。後ほど3つ目に取り扱います認定の基準の話の中でも,それに似たような,いわゆる望ましいあるべき姿をどう捉えるべきかといったことを取り扱いたいと思いますので,その中で,正に御議論をいただいて,どういう機能やどのような状態に将来持っていくべきかといったこともこの議論を踏まえながら更に具体化を進めていきたいと考えております。ですので,明確に新学習指導要領の完全移行のときにこういった形のものがあるとかというふうにはっきりビジョンを示すことが理想だと思いますけれども,現時点でこういった具体的なものをお示しすることはできていないという段階でございます。

(2)民間事業者の商品・サービス等に関するアンケート調査結果について


【事務局】資料2と資料3を併せて御覧いただきたいと思います。資料2に書かせていただいておりますけれども,先月我々の方で,現在いわゆる学力測定等の商品やサービスを展開されている民間事業者さんに対してアンケート調査を行っております。その内容については資料3において総括的に表形式でまとめさせていただいているところなのですけれども,やや細かいところがございますので,この資料3は適宜御覧いただきながら,資料2を中心に御説明させていただきたいと思っております。
  まずアンケート調査の趣旨としましては,基礎診断の仕組みの構築に係る更なる検討の参考とするために,高校生の基礎学力の向上等を目的として民間事業者が提供している商品・サービスに関する情報収集を目的に実施しました。
  実施期間につきましては,7月5日から7月21日にかけて実施しました。対象者として,これまで随時,民間事業者の方へ説明会を開催させていただいていますので,その参加いただいた民間事業者の方に対してアンケート調査の協力を求めました。
  アンケート調査の項目につきましては,ここに御覧いただいているような形です。詳細には資料3の総括表を御覧いただければ分かるのですけれども,主に商品サービスのコンセプトとか,あとは,出題に関すること,結果提供に関すること,実施に関することといった各側面に関して,やや細かいかもしれませんけれども質問をさせていただいたといった内容になってございます。
  アンケート調査の結果のポイントについてです。回答につきましては,民間事業者18機関の48の商品・サービスについて回答を得ました。そのポイントとして4点ほどまとめさせていただいております。まず1つ目のポイントですけれども,記述式問題に関して,現在の商品・サービスの中でも記述式の問題を出題していると回答いただいたところは相当程度見られます。
  その中身を具体的に見てみますと,例えば国語については,漢字の読み書きを答えさせるものとか,問題文中から該当する語句や文章を抜き出すというもの,それから,問題文中の記載に関する理由を一定字数以内で記述させるものが見られます。数学につきましては,解答のみを記述させるものや,解法の過程も含めて記述させるものが見られます。英語につきましては,英語の設問に対して英単語で答えを記述するといったものや,英文和訳,和文英訳,それから,英文で自分の考えとその理由を記述させるといった幅広い様々なものが様々な形態で存在しているといったことが確認できました。記述式問題という御回答を頂いたものの中にも,比較的解答の自由度が低いものだけを出題しているといったものも見られたところでございます。
  2つ目のポイントとしましては,いわゆる国数英3教科を中心とした複数教科をセットで展開している商品・サービスにつきまして,こちら,英語の4技能測定の状態を見ますと,4技能全てを測定するといった機能を持ち合わせているのは少数であったといった結果がこの回答の中で分かりました。
  3つ目としましては,結果提供の側面です。各商品・サービスのコンセプトに基づいて,生徒や教員に対して様々な情報提供がなされているといったことが確認できました。具体的な結果提供の情報の項目につきましては資料3に種々書かせていただいていますけれども,生徒向けに,結果の段階表示とかアドバイス,成績推移,志望校判定等があったり,教員向けに,個人・クラス別・学年別の分析結果や教科別の分析結果等について情報の提供といった形で結果提供がなされていたりといった状況がございます。
  テストそのものということではありませんけれども,それに資するということで,事前教材や,事後の改善ということで事後教材がセットになっている商品やサービスも多数存在しておりました。
  最後,4つ目のポイントです。この試験,テストを運営する試験運営をしている主体ですけれども,学校で試験運営を行っているというふうな商品やサービスが多数といった状態です。学校でもCBT,コンピューターベースで実施するといったところも存在するのですけれども,その大半はPBT,ペーパーベースの方式で行われているといったところが確認できました。
  結果につきましては以上でございます。


【長塚委員】資料3にちょっと目を向けたのですけれども,この裏の方に,出題に関することの次,結果提供に関することの欄に,絶対評価の実施という項目があって,随分丸が付いています。ここで言う絶対評価というのはどういう意味合いでアンケートを採られたのか。また,回答されている方もどういう意味合いで回答されているのか。いわゆる到達度評価を絶対的に捉えること自体も,到達度そのものも測ることというか設定すること自体がなかなか難しい。ですから,ここの意味はどのような意味合いがあるのかちょっと気になるのですが,分かる範囲で教えてください。


【事務局】絶対評価の実施の部分につきましては,こちらからの問い掛けとしましては,いわゆる目標に準拠した評価,いわゆる絶対評価とこれまで言ってきているものが目標準拠という形で表現してきていましたので,そういった目標準拠の形の評価がなされているかということをお聞きしました。それについて,いわゆるアンケートですので,自己申告といいますか回答いただいて,丸が付いているところがいわゆる目標準拠でやっているという回答を頂いたところです。その中身のそれぞれにつきましては,我々の方で例えばパンフレットとかホームページとかで確認できるものもあれば,そこまでの情報が得られないものがあったりとかということでつぶさには承知できていないところなのですけれども,趣旨としては先ほどの目標準拠といった形の意識でおります。


【長塚委員】分かりました。


【藤森委員】資料2のアンケート調査結果のポイントの記述式問題に係る部分でちょっとお尋ねしたいのですけれども,おしまいのところにアンダーラインで,記述式問題でも解答の自由度が低いもののみを出題するものも見られたとありますよね。恐らくこれは記述式問題であったとしても,採点の際の正確性を期するために,これ,やむを得ない措置だと思うのですが,「見られた」とありますので,多分そうではないものも散見されたように私は印象を持ちます。どの程度自由度の低いものが見られていて,その中でも,解答の中でユニークといいますか,記述式の中で意欲的なというか,そういったものでどんな例があるのか,差し支えない範囲で教えていただければと思います。


【事務局】現状なかなかつぶさにお答えしにくいところもあります。中身としまして,ここにも書かせていただいていることでもあるのですけれども,例えば20字以内,30字以内とかという形で一定程度字数を区切って条件を付けた形で,本文中の筆者の考えとか,若しくは本文中の登場人物の心情を読み取らせるような形,いわゆる従来型の読解力を把握するような形のものも多数といいますか,我々の方で得られた情報の中で相当程度見られました。
  ただ一方で,そうではなくて,漢字もそうなのですけれども,語句だけを一部抜き出すとか,ここの問題文中における空欄といいますか空所のところに適切な接続詞などを入れるとかそういった形で,思考を多分させるというふうな観点もあるのでしょうけれども,幅といいますか,そこについては結構様々あります。どちらが多い少ないというのはなかなか我々が全体的な情報を持ち合わせていないので,全体の割合がどうかというのはなかなか言えないのですけれども,ただ,どっちか極端に少ないとか極端に多いとか,そういった形ではないかなというふうな形で我々は受け止めました。


【藤森委員】私は国語が専門なのですけれども,例えば数学の問題の中で,正解としての数値を得られないにせよ,どういう見通しでこの問題に向かうかということが記述されてあれば,それに対して一定程度の採点をするとか,こういった視点は僕は重要ではないかなと思っているのですけれども,そういった前例が観察されたかどうか,あればお聞かせいただくと有り難いのですけれども。


【事務局】今回の調査の中におきましては,そこまで実は具体的なことは得られていません。我々の方で得られた問題サンプルとかそういったものを,問題を見て,こういったことを問うているといったことは客観的にというか外形的に分かるものはあるのですけれども,具体的に採点基準とか,どのような出題の狙いとか,測ろうとしている力があるかといった,更に踏み込んだところまでは情報をそこまで精査できていないところでございます。


【根岸委員】今のことに関連してなのですが,もしこの後また同じような調査をされる場合に,記述式といって,1つの答えが想定されている,それを書くだけというものと,中身を受検者が自分で決定する,英語であれば,何か書くときの中身,それとか,どういうふうに書くことがいいかどうかを受検者が自分で判断するとかそういうものの記述式なのか,限定的なレスポンスだけを書くというものなのかというのは多分ここの話合いでもとても重要な違いなので,是非またそういう調査もお願いしたいと思います。


【柴山委員】2つございます。1つが,先ほどから出ている測定ツールの定義との関連です。後の議論になるかもしれませんけれども,認定基準で認定されたら,それもこういうふうな商品であっても測定ツールとして含めると理解しておいてよろしいのかというのが1点。
  それからもう1つは,テストの開発コストのことを考えると,問題の公開・非公開というのはすごく重要な情報かなと思います。資料3でその情報というのは,結果提供に関することの生徒向けの提供物の一番上のところに問題とございますよね。問題を返していないというところが問題非公開というふうに解釈してよろしいのかどうかの,その2点お願いいたします。


【事務局】2点目の方を先にお答えします。おっしゃるように,これは生徒に対して問題を返すということを意図して質問を出しています。そこで丸が付いていないということは,生徒に対して返していないということですので,恐らく公表も行っていないのであろうと捉えております。
  済みません,1つ目は,もう1回だけ趣旨を確認させていただいていいですか。


【柴山委員】測定ツールの定義ということで,ずっと測定ツール測定ツールというふうに我々は呼んでいますけれども,それが具体的に新たに開発して企業に提供していただくのか,それとも既に現在あるものを,認定基準を満たしていれば認めるというのか,そのどちら,あるいは両方なのかもしれませんけれども,その点です。


【事務局】認定の考え方としましては,こちらからいわゆる基準となるものを示した形で,その基準にいわゆる適合しているか,適合していないかといったものを判断して適合していれば認定するといった,そういうスタイルで考えております。申請されてくる測定ツールが,従来型のものなのか,このために新たに開発されてきたものかといったものは,申請されてきて基準に適合しているかどうかということとは直接的には関係ございませんので,結果的には両方とも対象になり得るといったことで,あとは基準の設定の仕方やそういった考え方によるということでございます。


【前川委員】主なアンケート項目というところに商品・サービスのコンセプトというのが書いてあるのですけれども,これは48個,どの程度コンセプトがぶれたのか,同じなのかというのを伺いたいと思います。前回も申し上げましたように,いろいろなテストがあるとやはり点数間の関係が気になるので,本当に同じものを測っているのかどうなのかというようなところを教えてください。


【事務局】商品・サービスのコンセプトにつきましては,今回アンケートという形で限られた情報を必要最低限という形で収集しようと考えたもので,実は余り細かいといいますか,いわゆる出題の基本方針とか狙いとか,こういう力を測ろうとしているといった具体的なところについては,回答いただけるところもあるのですけれども,我々もそこまで踏み込んで問い掛けをしなかった部分もございまして,そこまで具体的な内容というのは正直分かっていないというのが現状です。
  ただ,おっしゃるように,いわゆるコンセプトといいますか,この測定ツールが狙うところが何なのかという特徴を明らかにしていただかないと,学校で測定ツールを選択するに当たってなかなか選びづらいといったことが当然ございますので,その点,情報を開示するという観点からは非常に大切だと思っております。このアンケートではそこまでは得られていないのですけれども,今後認定のスキームを作る中ではそういったことも踏まえて考えていきたいと思っています。


【前川委員】コンセプトが明らかになっているだけではなくて,本当にこのテストが測ろうと宣言しているものが測れているかどうか,そこまで確かめないとまずいのではないかという気がします。


【清水委員】アンケートの項目の中に,年間実施回数等というのがあります。結果を拝見しますと,年間3回以上行っているものが多いのですけれども,3回以上という複数回の意味に,トレンドというか,成績が上下したかどうかが見られるような仕組みがあるかどうかということが大事だと思っています。「学びの基礎診断」を一旦入試とは切り離して,学習者である高校生が自分目線で自分の学力を確認する,あるいは学校現場がそれを生かすというような立場に立ったときに,自分の変化が見られるような仕組みがあるかどうかというのが大事だという気がするのですけれども,実際はどうでしょうか。


【事務局】実施回数につきまして,いわゆる伸びを把握・測定する,成果を把握するというふうな観点で,学習意欲の観点からもすごく重要な点だと考えております。今回の調査の結果からにつきましては,そこの中で関係する内容としましては,例えば結果提供に関することの項目の中に,生徒向けの提供物として成績推移といったものを問い掛けしています。この中で丸が付いているところというのは,具体的な推移の出し方とか考え方はそこまで情報としてこちらの方で得られているわけではないのですけれども,ある業者の一定の考え方に沿っていわゆる過去の成績との推移を明らかにする結果を提供されているということだと思います。中身については十分把握できないのですけれども,外形的にはそういうことだと思っております。


【根岸委員】英語のことでお聞きしたいのですが,細かいことで済みません。31番の商品というのかな,サービスは,測定技能にどれも丸が付いてないですが,これはどういうテストなのでしょうか。ほかの教科なら何となく分かるのですが。


【事務局】済みません,基本的に民間事業者の回答をほぼそのまま書いている格好になっていまして,詳細というか,真意は定かではないのです。ただ,資料3の中には表示していないのですけれども,この商品のコンセプトといいますか,どういった内容なのかといったものをこちらとして情報を頂いている限りでは,いわゆる語彙力といいますか,文法とか語彙といったものをテストの測定の対象にしているといったような説明がありました。そういうことであればリーディングなのかなとかいうふうな,推測ですけれども,そういったことであるのですけれども,済みません,定かなところは分からないというところでございます。

(3)「高校生のための学びの基礎診断」の認定基準の設定について


【事務局】引き続き,資料7を御覧いただけますでしょうか。資料7につきましては,いわゆる認定の基準の設定についての議題としまして,前回も第1回のワーキング・グループで,やや広い視点から検討の全体像の話とか,あとは,その中で基礎診断の認定の基準の大枠といいますか,そういったものを示させていただきましたけれども,その中でも様々な御議論をいただきました。そういったところの中で,特に論点といいますか,主にこういったことが整理として必要ではないかといったことを2点,ひとつ論点提起としてまとめさせていただいています。
  論点1としましては,基礎診断の望ましいあるべき姿とスタート時点における必須の要件といった2つの観点があるのではないかといったことの論点提起でございます。現在存在しない基礎診断という新しい枠組みを構築するという観点と,あと,基礎診断自体が随時発展的に改善を行っていくといったような観点から,基礎診断の望ましい姿を明らかにしながらも,30年度を目指していますけれども,スタート時点において学校における測定ツールをいかに有効に活用していただくかといったことを意識した要件を意識してはどうかといったことを掲げさせていただいております。
  別紙をそれぞれ付けておりますので,後ほど具体的な内容については御説明させていただきますけれども,そういったことのために,学校の選択に資する情報開示がなされることを重視した大括りの要件設定としてはどうかといったようなことと,その大括りの要件設定をベースとしながらも,個別具体の要件を設定すべき部分があると思いますので,その部分をどう考えていくかといったことが論点として,大きなまとめとしてあるのではないかといったことにしております。
  先に論点2の方も御紹介させていただきます。論点2としましては,こちらも前回のワーキング・グループの中でも少し事務局の方からも発言させていただいたのですけれども,測定ツールとしましても,必ずしも1つの測定ツールに全ての機能を持たせるということに限らず,学校の選択によって様々な強み,特徴を持つ多様な測定ツールを組み合わせて活用することも考えられるのではないかといったことも論点として掲げさせていただいております。
  それぞれ具体的なイメージにつきまして別紙を用意しておりますので,御覧いただきたいと思います。まず別紙1としましては,やはり望ましい姿とスタート時点における必須の要件のイメージを意図しているところです。この資料全体の構成としましては,まず基礎診断そのものの話を超えた更に大きな取組としまして,まず高校の基礎学力の定着に向けたPDCAのサイクルの構築といった大目標がございます。
  そこに向けて例えば資料の上の方に書かせていただいていますけれども,測定ツールの充実や効果的な活用とか,義務教育段階の学び直しを重視したカリキュラム・マネジメントとか,学習意欲の喚起に資する指導・評価方法,基礎診断そのものに限らず,こういった様々な観点の研究・検討がなされていく必要があるのだろうということがある中で,測定ツールの充実・効果的な活用にも関係しますけれども,測定ツールとして一定の要件をクリアしたものを認定するというふうな基礎診断の枠組みを作っていくということでございます。
  資料の真ん中以下のところに基礎診断の枠組みの構築といった形で記載させていただいていますが,この中で,その更に中ほどに,望ましい姿と,下の方に制度開始時点における必須要素の例といった形で大きくイメージを書かせていただいています。例えば望ましい姿に書かせていただいていますが,1つ目のCBT,コンピューターベースのテストと,IRT,項目反応理論といった形で,CBT-IRTといったものを使った形で実施するというふうなことで,例えば適応型のアダプティブな問題の解答の結果によって次の出題が変わるといった形でより柔軟に出題をしていくといったような,そういった形態も考えられるところでございますので,そういったことを望ましいものとして考えられることの1つとして掲げさせていただいています。
  そのほかにも,これは測定ツールそのものということではありませんが,いわゆる共通尺度による評価といった形で,1つの尺度を様々な測定ツール,多様な測定ツールを我々としては学校が選択できるように測定ツールが多様に出てくることを想定しているのですけれども,そういった中で,それらを相互に共通の尺度で比較ないし,そういった共通の尺度で見られるというふうなことが望ましい姿としてあるだろうといったこと,これも前回の御議論でもありましたけれども,そういった話を2つ目として掲げさせていただいています。
  もう1つ,こちらも1つの測定ツールよりも制度全体というふうなイメージなのですけれども,難易度を中心に多様な問題レベルが出てきて,それらを各学校が自分の実情に合ったところを選択できるといったように,1つのツールが全てのレベル,1つのツールの中でレベルが高いものから低いものまで取りそろえるといったものに限らず,多様な民間事業者の方で,問題レベル,平均的な学力層を対象にしたような測定ツールがあったりとか,若しくは学力面で課題がある層を対象にした問題レベルがあったりとか,そういった様々なターゲットがあるかと思いますので,そういったものがそれぞれの民間事業者の中で出てくることで,制度全体としてそういったものが選べることも1つ望ましい姿としてあるだろうといった形で書かせていただいているものでございます。
  その中で,スタート時点においていわゆるコアとなるような要素,必須要素としてはどのようなものがあるかといったことで書かせていただいていますのが,主なものということで全てではございませんけれども,4点ございます。従来も指摘されている話ではありますけれども,学習指導要領を踏まえた出題方針の設定や出題方針に基づいた問題設計がなされているということとか,知識・技能を問う問題を中心に思考力・判断力・表現力を問う問題を出題しているということとか,また,学習意欲の喚起にも資するという意味で,学習の成果や課題が確認できて,事後の学習改善に資する結果提供がなされているということ,それから,実施面では,学校でそもそも実施ができることとともに,一定程度,学校で実施するものでありますので,何かしら負担は掛かるといったことではございますけれども,過度に負担が掛からない形で実施できる方法になっているかといったことにつきましても必須の要素として考えられるのではないかといったことで掲げてさせていただいています。
  資料の左側の方に,例えば必須要素の例のところでいうと,国語,数学,英語といった形で教科を書かせていただいています。まずは国数英といった3教科で始めるという形でイメージして,最終的にあるべき姿としては,教科型というふうな形で,国数英以外の,地理・歴史・公民や理科もございますし,専門教科もございますので,そういった教科,ほかの教科も含めた教科についての測定ツールがあったりとか,教科の枠を超えた合教科のタイプがあったりとか,コンピテンシーベースの総合型のような形で,様々なタイプの測定ツールが将来的にはあるというふうなことが望ましいことではあるだろうとことで,イメージとしてはこんな形で整理させていただいています。
  これもスタート時点においてまず認定していくということですけれども,右側の方に,制度定着を図りつつ随時発展的に見直しというふうに書かせていただいています。今後の展開としましては,1回やったら終わりということではございませんので,制度の定着状況を見つつ,随時点検を繰り返しながら,調査研究や民間の開発の状況もありますので,そういった様々な状況を見つつ,随時発展的に見直して,制度の中にも必要に応じて取り入れていくといったことを全体のイメージとして記載させていただいています。
  続きまして,別紙2の方も御覧いただきたいのですけれども,別紙2の方は,こちらはいわゆる大括りの要件をベースとしながらも,どういった個別具体の要件を設定していくべきかといった観点につきまして,そのたたき台となる資料を作成したものです。この資料自体につきましては,前回ワーキング・グループ第1回のときの資料を多少加工した形のものになっております。特に左側から,大括りの要件という欄と,申請の際に求める書類等という欄と,申請において確認するポイントと3つの欄がございますけれども,この欄につきましては前回の資料と全く同じ文言をそっくりそのままといった形で書かせていただいています。
  その中でも,大括りの要件と書かせていただいているところにつきましては,先ほどの別紙1の方でも御紹介しましたけれども,制度開始時点において必須要素の例として書かせていただいているような,例えば学習指導要領を踏まえた出題方針を定めて,その出題方針に基づき問題が設計されていることなどをそれぞれ大括りの要件としてイメージしているところです。
  こういった大括りの要件がありながらも,一番右の方に,最終報告や実施方針等でこれまで示されてきた個別具体の主な実施内容といった形でまとめさせていただいています。高大接続システム改革会議の最終報告とか,あるいは先月に公表しました基礎診断の実施方針とか,そういった累次のこれまでの提言等で示されてきたような中の個別の具体の実施内容を書かせていただいているといったものになっています。こういった,例えば上の方から,出題に関することで書かせていただいているものの中には,対象教科は国語,数学及び英語,共通必履修科目を上限に,義務教育段階の内容からも出題することを明らかにしていること,知識・技能を問う問題を中心に思考力・判断力・表現力を問う問題を出題することを明らかにしていること等,これまで指摘されてきている具体的な個別な項目を書き出しているといった内容になってございます。
  それで,ちょっと細かいのですけれども,明朝体で書かれている部分につきましては,個別の項目といったよりも,より細分化する場合にこういったことも基準というか要件になり得るのではないかといった形で書かせていただいています。例えば一番右上の欄の4つ目のポツのところにありますけれども,出題方針の中で学習指導要領との対応関係を明らかにしていること。
  これ自体は,要件としてこれそのものを基準に設定すべきなのか,これは当然確認するのだけれども,更に大括りといいますか,一番左の方で最初に御紹介した,まず指導要領を踏まえた出題方針を決めていただいて,その方針に基づいて目標が設定されているといった,ある程度大枠で要件自体は決めながら,審査の中でちゃんと対応関係が明らかになっているかをチェックしていくといった形で見ていくといったこともありますので,より細かく設定していくといったことを考えた場合には,各それぞれの審査の中で確認する観点についても個別の要件になり得るだろうといったイメージで書き出しをさせていただいています。その主たるところは,基準とするかどうかといった,形式的な基準としてどこまで細かく書くかといったものの問題ですので,中身として大きく違うところはないのですけれども,イメージしやすいような形で,両極端で,大括りと,最後に書かれているものとを分けさせていただいているといった内容になってございます。
  その下の出題に関すること以下の部分に付きましても同じように,これまで指摘されてきていることを中心にこういったことが実施内容として考えられるといったことを,主なものですけれども,書き出しをさせていただいているといった内容になってございます。
  中身については少し細かくなるので,次に別紙3の方を御覧いただきたいのですけれども,別紙3につきましては,先ほど紹介しました論点の2つ目に関するイメージの図です。測定ツール,1つのツールに全ての機能を盛り込むといったことに限らないで,組み合わせるといったことで,学校の選択によって複数の測定ツールを選択して活用するといったこともあり得るのではないかというイメージの例を示させていただいているものです。
  一番上の段にあるような形で,1つの測定ツールが国語,数学,英語の3教科で全ての,英語については4機能の測定があって,あと,記述式の問題と選択式の問題と両方設けていてというふうな形で1つのツールで3教科の学力測定をするといった目的のものがある。こういうのもあるでしょうし,先にちょっと申しますと,測定ツールをそもそも選択する上で前提となりますけれども,黄色の背景で書かせていただいていますけれども,教員が,民間の測定ツールではなくて,日々の授業の中で定期考査や実力テスト等も活用しつつ学習評価をするといったこともそもそも行っていただいているわけですので,そういった中において学校の中の実情とか必要性に応じて民間のものも選択して使っていただくといった,そういった発想でございますので,それを表しているといったことでございます。
  2段目につきましては,組合せの1つとしましては,例えば英語については,4技能測定をできる英語専門の試験があって,それを活用するといったものと併せて,国語と数学については,またそれとは別途違う測定ツールを選択して,2つを組み合わせて活用するというふうなことです。その中で,一番右の方に書かせていただいていますが,測定ツール,いわゆる今回の基礎診断の測定ツールそのものではないかもしれませんけれども,専門高校などでは専門校長会が実施する検定等も活用されておりますので,そういった測定ツールも必要に応じて使っていただいて,日々の教員の学習評価が基本にありつつも,そういったツールを適宜使っていただくことがあり得るのではないかといったイメージを2段目に書かせていただいています。
  3段目の部分につきましては,こちらはいわゆる白を基調に書かせていただいていますが,真ん中ほどに自治体独自の学力調査という形で県下一斉の学力調査のような形で県の方の施策として学力調査をやっている場合もあると思います。そういうふうな場合において,それをベースとして学力測定のツールとして活用しながらも,例えば英語についての部分は,4技能測定といったもので県下一斉で実施できるかどうかといったら難しいところがあるかもしれませんので,その部分は民間の測定ツールを活用することと組み合わせて実施することも考えられるのではないかといった形でイメージの例として3つ示させていただいております。


【長塚委員】今の資料7の別紙1とか2について,このたたき台についての意見を2つほど言いたいのですけれども,1つは,望ましい姿,これについては,望ましいということは理解できます。ただ,共通尺度による評価というのがあるのに対して,その下にある制度開始時点における必須要素の中に,共通尺度による評価に向けた事項を最初からやはり組み込んでいく必要があるのではないかと思います。
  本日この後の議題となっていますが,試行調査の段階で,共通問題というのでしょうか,試行調査の段階で実は埋め込んでいきますよね。前にあった問題を埋め込んでいくというような,共通問題を使って推移を見るとかいうようなことも含めてやろうとしているわけですけれども,共通尺度で評価するためには,やはり共通の問題をどこかで入れ込む必要がある。もとより,試行調査はいろいろな目的があると思うのですが,どういう共通問題を使うかということを試行調査していくというのも大きな狙いだと思うのです。
  試行調査の結果を見ると,学校によって,あるいは先生によって受け止め方がばらついているというか,学校によってこれで難しいとか,易し過ぎるとかいろいろあって,基礎といっても本当にこれがばらついていることが改めて分かったわけです。ですから,どういう問題を共通化すべきか,非常に難しいとは思うのですけれども,それでもそれを埋め込んでいかないと,共通尺度にならないということは確かだと思うのです。
  あえて関連して言えば,全国学力・学習状況調査は中3の最初にやっているわけです。義務教育段階の知識と活用の学力を今回の基礎診断の中にも入れると言っているのですが,中3の全国学力・学習状況調査のあのテストの類似問題ぐらいのものを考えるのも一つです。あれはもう全国の同学年生徒100万人が受けているもので,そのレベルというか結果分布が分かっています。ただし,平均点が随分年によって変わったりしますから,あれも到達度が測られていないというふうに残念ながら言わざるを得ないわけですが。
  それでも,全体の到達度の分布が分かっていますから,あの中でおよそいわゆる中央値に近いところの部分に固まっている生徒はたくさんいるのですが,その下にぐっとなだらかに並んでいるあの生徒たちが,ここで言う基礎力のばらつきが非常に多くて,恐らく基礎力テストをやっても,これでも難しいとかいうことになっていって,1年2年たった高1の終わりか高2の頭ぐらいのときにそれがどう変化しているのか。あの部分が取り戻せていないというか埋まってない限り,実はその先にある高校の基礎科目の必修科目の進展というのでしょうか,力が付くことにはならないだろうと思うので,せっかく既にやっているものがありますから,その辺を活用しながら,共通化の部分を図っていく必要があるのではないかというのが1点です。
  もう少しあえて言えば,全国学力・学習状況調査の方では,小学校と中学校の間であの結果を情報共有するということを今回始めることになりましたよね。自治体の判断によってですけれども。中学から高校にあの結果を回すかどうか非常に難しい問題はあるかとは思うのですが,しかし,既にやられているものがあることだけは事実ですので,それを生かさない手はないのではないかというのが1点。
  長くなって恐縮です。もう1つは,別紙2のところの,いわゆる個別具体の主な実施内容のところの丸ポツの上の3つ目です。知識・技能を問う問題を中心に思考力・判断力・表現力を問う問題を出題すると。これはどちらかといえば,別紙1でいえば,大括りに当たる項目ではないかなと。いわゆる知識問題と活用に当たる部分をバランスよく出すということを個別具体に入れているけれども,出題に関することが非常にやはり重要だと思うのです。つまり,一番左にある出題に関する大括りの要件は二区分になっていますけれども,この出題に関することは大括りの部分に入れるべきで,実は別紙1の開始時点における必須要素の例というところの2番目に書いてあるぐらいなので,これは必須なのではないか。
  それと,先ほど言った共通尺度を入れるのも必須要件なので,あちこち行って恐縮ですけれども,別紙2の出題に関することの中に,先ほど言った共通問題を入れることもまた,必要性があるのではないのかなと感じたところです。


【荒瀬主査】別紙1で望ましい姿ということで共通尺度による評価とあるわけですけれども,別紙3でいうと,これは黄色の部分が大事ですよね。要注意という意味で,黄色で書いてくださっていると思うのですが,要は学校の取組があった上で,1つの測定ツールとして新たなものを取り入れようということですね。でも,新たなものを取り入れるというのは,学校の取組がある中で取り入れるわけですから,そこには必然性がなければならないというわけです。そのときの1つの必然性というのが,基礎学力とは何なのかという,かつて高等学校教育部会で議論してきたコアの部分としての基礎学力をどう見るのかということで,その際に,共通尺度というのを考えなければならないのではないかという,今,長塚委員がおっしゃったことは,そういう御提起ですね。


【長塚委員】そうです。


【根岸委員】今のこととも関連するのですが,質問というか要望です。別紙1のところで,制度開始時点における必須要素の例ということで,例ではありますけれども,必須要素と考えられているということで,昨年からずっと議論を続けてきて,このテストの特徴が非常によく表れていると思うのです。
  例えば英語の現状でいうと,例えば思考力・判断力・表現力とかというのを問うということを最初から狙って作っているテストは,今までのところそんなに多くはないのだと思うのですね。それから,学習の成果や課題が確認できるシステムがテストに,我々がイメージ,ここで議論していたようなものが伴っているものが十分あるという状況でもないと思います。
  この間様々なテストが候補に挙がって,データを見たのですが,あれをなるべくたくさん認定しようという,そこからスタートしてしまうと,これらの要件に合わなくても最初どんどん受け入れてしまうということが起こってしまって,そうすると,既にあったものに文科省が判子を押しただけみたいになってしまうので,是非この線はぶらさないでいただきたいなと。大学入試の方の話でちょっと関係ないのですが,外の手をかりるしかないという,そのままあるまま使うしかないというような形になってしまうと,本来我々がここでずっと議論したことが現状に合わせる形になってしまうので,ここを打ち出して,この枠組みに乗ってくるような形にいろいろな方のところに説明していって進めていただきたいなと思いました。


【柴山委員】資料7全体を通してすごくクリアにまとめていただきまして,ありがとうございます。それでまず,資料7の1ページです。主な論点なので,多分その裏側に含まれているとは思うのですが,昨年度少し議論になりましたコスト負担の主体がどこかというのが,例えばPDCAサイクルを誰が回すかというと,少なくとも学校ですよね。もう1つ,カリキュラム・マネジメント,これも学校さんの責任ですから,それをこの診断試験を受ける生徒・保護者に負担をいわば求めるわけですから,そこのところは少し整理しておかないとなかなか説明がしにくいのかなというのをまず感じました。
  それからもう1つが,先ほどから挙がっている,知識・技能を問う問題を中心に思考力・判断力・表現力を問う問題を出題の部分です。何度か申し上げてきましたけれども,学校教育法の第30条第2項の文言がそうなっているものですからこう書かざるを得ないと思うのですが,現在,大学の入試問題をどう作るのかという議論も含めまして,テストディベロッパー,アイテムライターといった,いわゆるテストの開発者,作題者の立場からいいますと,知識・技能,それから,思考力・判断力というふうに並列的に読んでしまうと,非常に問題が作りにくいのです。作題の実務の方から申し上げています。
  それで,例えば知識・技能を縦,それから,思考力・判断力を横のようなマトリックスを考えて,正に英語なら英語,国語な国語というのはそのマトリックスの中に含まれるような考えで問題を作らないと非常に難しくて。例えば横向きに見ると知識・技能を測っている,上から見ると表現力・判断力を測っているというふうな,同じデータから見方によってそういうものを表現するというふうな考え方をしておかないと良問は作れないと思います。
   例えば,別紙2のところで,申請において確認するポイントの上の箱の2番目,3番目辺りのポツのところの判断です。読み上げますと,出題方針の内容とサンプル問題との間で齟齬がないかとかいうのと,それから,サンプル問題と,測ろうとしている能力や出題の狙いとの間に齟齬がないかなどの箇所で,これは判断力を見ている問題なのかというふうにすごく限定的にやり始めると,なかなか議論が収束しなくて,認定もしにくいと思うのです。なので,その辺りの運営上の解釈みたいなところで何か共通理解をしておかないといけないのかなという,その2点でございます。


【藤森委員】若干各論になるかもしれないので恐縮です。別紙1の制度開始時点における必須要素の中の3点目の,実際に受検する子供たちが学習の成果や課題を確認するということに関わっての要望というか問題提起だと思うのですけれども,申し上げたいのは,この学びの基礎診断は,イメージでいうと,私,人間ドックみたいなものだと思っています。その場合,実際に人間ドッグで,ドッグに行く前にいろいろな質問項目を含めた封筒が送られてきて,あなたは今,自分の健康状態をどういうふうに認識しているのかということを幾つか問われるのですよね。その中で何をしているかと思いますと,自己評価をまずして,おのれの学力を今どういうふうにその子自身で自覚しているのか。
  それについて,これはちょっと方法的な話ですけれども,あらかじめアンケート用紙を配るなり,あるいはこれから出す出題の中でのいわゆる評価の観点というか,幾つかの評価事項について,今どの程度の達成状況にあるかということを分かりやすく問えるようなそれがあると,実際に受検するときに,このことを今問われているのだなということを自覚しながら,自分の当初の自己評価に比べてどの程度の差があったのかと。
  私がこれまで15年間の高校生との教員生活の中で振り返りますと,やはり優秀な子というのは,いわゆる学力に関係なく,自分自身がいかなる学びをするタイプの人間なのかということが自分で分かっているという子が多いなという印象があるのです。その意味で,かなり方略的な話になって恐縮なのですけれども,自己評価をまずきちんとあらかじめ生徒諸君に自覚してもらうというようなそういうステップがあると,この必須要素の3点目がよりクリアになるのではないかなというような印象を持って申し上げました。


【宮本委員】今までの何人かの先生方の話と共通するのですけれども,一番大事なことは,やはり何を測るのかというところをもっと明確にすべきだと思うのです。例えば高校の数Ⅰの関数でいうとここまではやはりできていてほしいよねとかそういう細かいところまで,高校生として,こういう分野ではこのぐらいの力までは最低限付けてねということを全部示す必要があると思うのです。
  それを測る問題を作るというふうにしていかないと,結局,基礎学力基礎学力と我々は言っていますけれども,そもそもその基礎学力とは何なのかというのは皆さん捉えがばらばらだったとすれば,測るもの,目標が違うのだから測れないのではないか。ましてや,いろいろな測定ツールがあるとなれば,それぞれのツールで言っている基礎学力が違ってしまえば,横で見ることは不可能だと思うのです。ですから,そこのところはやはり大変だけれども,単元ごとにでも決めていかなくてはいけないのではないのかなと思うのです。
  確かに出題に関するところで,学習指導要領を踏まえた出題の基本方針と言いますけれども,学習指導要領のレベルは相当高いですよね。ほとんどそこまで多分達成できない高校生が今現実にたくさんいるわけです。では,どの程度まで我々としては最低限このぐらいはやはり高校卒業までは身に付けてほしいよねというところを,ダブルスタンダードになるということは非常に苦しいのかもしれないけれども,でも,何かそういうものをやはり示していく必要があると思います。
  最低ここまで,できればここまでというぐらい,やはりそういうものを示した上で,それを測る問題として,このAレベルの問題,Bレベルの問題ということをしていかないと,多分曖昧なままでどんどん話が進んでいって,結局,何を身に付けるのかというのは学校によっても違う,あるいは測る物差しによっても違うということになってしまうのではないかというふうに危惧します。ですからそこのところは最初に非常にしっかりとしておくべきだと思っています。


【荒瀬主査】今おっしゃった,学習指導要領に基づいているかどうかというのは,これ,その言葉を使うと何となくみんな分かったような気になるわけですけれども,学習指導要領が求めているものは,今おっしゃったように非常に高いものがありますよね。さらには,内容を指定するのか,それとも,次期学習指導要領,高等学校はまだできていませんけれども,資質・能力の部分をどう求めるのかというと,基礎学力と言うときに内容だけでいいということにはならないですよね。


【宮本委員】ならないです。


【荒瀬主査】ですから,その辺りも含めて考えていく必要があるということと承りました。


【関根委員】実は言いたいことがたくさんあるのですけれども,今,宮本委員の言われたことでいえば,私も現場の校長のときに,学校としてのミニマムリクワイアメント,最低限ここまでできるようにしましょうというものを作ろうとしたのですが,これは学校によって違いますね。ですから,学校によって違ったものを測れるような基礎診断であってほしいと思います。学校によってこのレベルまでは最低できるようにしたいというところを,学校として明示できるようにしていただきたいということがあります。
  基礎診断の望ましい姿を明らかにするという意味でいうと,基礎学力の定着に向けたPDCAのサイクルの構築が大事だと言えます。学校には子供たちの学力を保障する,実際に力が付いたということを,証明する責務があります。そのためのツールとして,基礎診断というツールを作りますよということです。この診断ツールは使わなくてもいいということになっていますが,使わないのであれば,客観的に見て,自分の学校の子供たちの学力をここまで上げましたということを示す責務がありますということも,この基礎診断を打ち出すときにはもう1回示していただきたいなと思います。
  これは,この診断ツールを使わなくてもいいのですけれども,今回の改革の中では,きちんと子供たちに学力を保障しましょうということだと思うのです。学校はこれまで履修主義できましたが,それでは駄目だということです。きちんと力を付けないとグローバル化の中できついのです。だから,何とかしましょうと,修得主義的な発想になってきました。といって,到達度でどこの学校も同じ到達度というのは無理です。そこで,一人一人に応じて学力をちゃんと付けましょう,それを保障しましょうということから始まったものが基礎診断です。こうしたことが基礎診断の望ましい姿のベースにあるということを確認していただきたいと思います。
  それから,センター試験と違って,民間のツールをかなり使うことになります。これは,私ども金がないからだということがありますが,それと同時に,官民で協働でやっていかないと,日本の子供たちの学力をきちんと保障することができないということでもあります。民間でやっていることも活用させていただき,官民で協働して学力の3要素をきちんと付けていきましょうという考えです。そこのところも,望ましい姿のところで押さえていただきたいと思っています。
  先ほどの共通尺度の問題では,学校現場で使っていくとき,いろいろなツールが認定されたときに,そのツールにどういうふうに比較すればよいのか,こちらのツールでやったときにこの辺の基礎力が認められたということと,あちらのツールでの基礎力の違いが分からないと非常につらいと思います。そういう意味では,共通尺度による評価をすぐには構築できなくても,構築に向かっていくという方向で望ましい姿を明確にしてほしいと思います。
  具体的に言うと,埼玉県で,小中ですけれども,IRTを使ってパネルデータで共通尺度となるものを始めました。現実的にそのぐらいのことをやらないと駄目だと思っています。すぐにはできないでしょうけれども,各ツールの問題は,共同で管理と言ったらおかしいですけれども,IRT化するならば問題のレベルを合わせなければいけませんので,共同出資して,国も出資していただいて,問題をきちんと分析してIRT化するということを共同でやらないとできないのではないかなと思っています。
  そのぐらいのことは将来的には考えていかないと,本当の意味でのCBTにはならないと思います。その子に応じた問題が出せるというのには,それだけ問題をきちんとIRT化することを考えないといけない。IRT以外の方法があるのであれば,その方法で共通でやっていく。こうしたデータベースを作って民間にはオープンにするということをやっていかないと,本当の意味での基礎診断にはなっていかないのではないかなと思いますので,そういう意味でのCBT-IRTの実施が望ましいという点を考えていただければと思います。そのときに,先ほどお話のあった,今から共通の部分を組み込んでおくということを,やっていただきたいと思います。
  ほかにもいろいろありますが,大学入試の評価テストもそうですけれども,やはり学力の3要素をきちんと身に付けさせていきましょうということがベースにありますので,そこのところはきちんと出していってほしいなと思います。参入していくときにきつくても,最初緩くてもそちらに向かっていくということが明示されていれば入れるとか,少し柔軟にしながら,望ましい方向に毎回持っていく。
  望ましい方向に持っていくためには,業者テストに対しての学校の評価というのですか,そちらの方のPDCAも是非考えていただきたいと思います。学校の中で子供たちに学力を付けるためのPDCAを回そうというのは書いてあるのですが,望ましい方向に持っていくためのPDCAは書かれてないので,そこも是非考えていただきたい。
  もう1つ。学校はたくさんツールがあると選びにくいと思います。大体,人間というのは5つ以内でないと,それ以上多くなると選べませんので,きちんと各業者さんのコンセプト,どういう子供たち,どういう学校を対象にどういう特徴があるというコンセプトは是非きちんと出していただきたいということと,分類して学校が選択できるような形を是非工夫していただければと思います。


【根岸委員】今の直前のでいいますと,英語は15個も候補があって大変だなと,今,このリストについては思います。
  質問なのですが,学習指導要領との対応関係を明らかにするというのは当然だとは思うのですけれども,これはテスト団体側が対応しているという主張をするという,そういうことになりますかね。そのときに,先ほど出ていた幾つかの例でも,例えば単語のテストなのだけれど,英語の力の根幹は単語力なのだといって,だから,これさえできていれば4技能になるのだという主張があったり,学習指導要領上は和文英訳とか英文和訳というのは全く入っていないのですが,読むことの基礎は英文和訳で分かるのだとか,書くことは和文英訳で分かるといったような主張も不可能ではないと思うのです。ここら辺の関係はあちら側がクレームしてくると思うのですが,こちら側の対処というのはどういう形になるのでしょうか。


【事務局】おっしゃるように,基本的には申請者側において,この認定の要件といいますか基準に適合することの説明責任を負っていただくような,それを基本として考えています。その中でまた,おっしゃるように様々な主張が多分ございますので,それを全て別に鵜呑みにするというわけでもございませんから,それについて,いわゆる審査というか確認をしていくというプロセスが必要だと思っています。
  その審査の中で具体的にどこまでいわゆる基準に適合している,していないというところを厳格に見ていくのかといったところについては,まだ基準が全体的に明らかになっていないので今の段階でこうだとは言えないのですけれども,議論を併せてしていかなくてはいけない分野だと思っています。それで,余り厳格にやり過ぎても,結局基準に適合するところが1個もないという話になってくるというような見方だと現実的にまた難しい部分もあるかと思いますので,そういったところで,どこまでを審査の観点としてチェックしていくのかといったところも1つ議論の中心としてあるのではないかと考えているところです。


【前川委員】もともとはこれ,法律改正して入試センターに作らせるという話だったと思うのです。それが何かの事情でできないから民間にお願いしようということで,今いろいろな先生がおっしゃっているように,民間のテストをそのまま使うという話じゃなかったと思うのです。ですから,宮本先生がおっしゃったように,こっちでスペックを作って,それにかなうテストを作ってもらう,それは国ができなかったから作ってもらうという,それが基本的な考えではないかなと思います。
  それで,今,48個候補が挙がっているのですけれども,日本でも同じ目的の公的試験が2つあったという例があって,それでもせいぜい2つなのです。法科大学院の試験が2つありました。それから,アメリカの入試も2つしかないのです。コンセプトは違って,でも,何とかこっちの何点はこっちの何点というのは分かっているみたいな感じで。ですから,たくさんの,自由にいろいろな試験を利用して,しかも共通尺度というのは非常に難しい話だと思います。同じ目的,同じコンセプトの試験がたくさんあればまだできるかもしれないですけれども,違うコンセプトの試験がものすごくたくさんあって,それの共通尺度を作るというのは,私の専門からいって難しいような気がしています。何かこっちで設計して,それを国ができないから民間の人に作っていただくみたいな,そういうスタンスの方がいいのではないかなという気がします。


【荒瀬主査】この件につきましては,次回も引き続き詰めてまいりたいと思います。ただ,お聞きしていてお尋ねしたいと思いましたのは,今の前川先生のお話では,コンセプトが同じであれば,幾つもの種類があってそれはいいということですか。そうではないということですか。


【前川委員】コンセプトが同じで幾つかの民間の試験があるというのは普通は考えられないですよね。何か違いを明確にして,うちはこういう違った観点でこの試験を作っています,だから,使ってくださいという形になると思うのです。逆にコンセプトが違うと,それを比較するというのは,今,入試の試験の方も非常に難しい状況になりつつあるのですけれども,あれなので,コンセプトが違う試験が2つとか3つなら今まで歴史的にあったということです。


【荒瀬主査】分かりました。ありがとうございます。


【柴山委員】今の話なのですが,コンセプトが同じで,かつやはり統計的にかなり相関が高いテストでないと御指摘のとおり2つのテスト間の比較はかなり難しいと思います。私は法科大学院の適性試験が2つ走っていたときの一方の担当だったのです。アメリカのロースクールのカウンシルと技術提携して,得点を対応づけ,リンキングという手法を開発したのですけれども,そのときの前提条件がものすごく厳しいのですね。前川先生がおっしゃったように,コンセプトが一緒で,かつかなりのいろいろな条件を満たさないと,共通の尺度をつって互いに比較するというのは非常に難しいというのが,実際やった人間として情報提供をさせていただきます。非常に難しいです。


【前川委員】レベルが違うのがですよね。


【柴山委員】はい。ただ,今回の基礎診断で何とかなるかなと思いますのは,やはり指導要領がございますから,そこのところを何かうまく利用して,大体の難易度をそろえるというふうな,程度問題,いわゆるざっくりとした共通のレベル合わせみたいなところなら何とかできるかなというところですね。


【荒瀬主査】非常に重要な点かと思います。特に御異論がないのだろうと思うのですけれども,非常に大事なことを今確認しつつあるということを共有したいと思っております。
  それともう1つ,共通尺度というのはこれも間違いなく重要であるわけですが,それが,何か学校現場の教育活動の自由な展開を阻害するかのようなイメージで受け取られないように御理解いただく必要があります。生徒の力をどう付けていくのか,それをどう確認していくのか。生徒自身が自分の学力を評価できて,そして,更に学ぼうとする力をどう伸ばしていくことができるのかという,そういう観点のものとして我々は議論しています。学校やあるいは教室の取組を,たがをはめて不自由にしようということではないということです。これは,間違ってそのように受け止められてしまって,テストで成績を付けて隣のクラスと比べられたりとか隣の学校と比べられたりとかいう,そういう話になりがちですので,そうではないということも改めて確認しておきたいと思います。

(4)平成28年度試行調査の結果及び平成29年度試行調査の方向性について 


【事務局】それではまず,昨年度に実施をいたしました試行調査の概要について御報告をさせていただければと思います。資料4を御覧いただければと思います。この資料4と資料5のアンケート調査の結果につきましては,昨年度の検討・準備グループの中で御報告をさせていただいたところでありますけれども,平成29年度の試行調査との関係もございますので,改めて御報告をさせていただきたいと思います。
  昨年度の試行調査では,民間事業者さんに,国語,数学,英語の試験問題を作成していただき,それを高校生に実際に解いてもらってその反応を見るという取組を行ったところでございます。期間は平成29年1月から3月上旬の間,対象は,「高校生の基礎学力の定着に向けた学習改善のための調査研究事業」においてPDCAの構築に取り組んでいただいている10道府県の教育委員会と12の実践研究校の協力を頂きまして,約5,000人の生徒さんに受検をしていただきました。
  調査問題につきましては,こちらの資料にございますとおり,複数の事業者さんに問題を作っていただきました。また各事業者さんには複数の問題を作っていただき,更に共通問題を一部盛り込んでいただいております。また,実施運営ということで,1つの事業者さんの方でこれらの問題を取りまとめて,あとは学校との調整なども含めて実施・運営をしていただいたというところでございます。
  実施概要につきましては,次のページを御覧いただければと思います。3教科の調査は,本体調査というふうに位置付けております。内容については,国語,数学では,基礎的な知識・技能を問う問題を中心としつつ,思考力・判断力・表現力なども問う問題としております。英語については,義務教育段階の内容も含めまして4技能を測定しております。ただし,「話すこと」につきましては,実践研究校の教員との対面方式ということで,受検者については各学年1クラス程度に絞って実施をしていただきました。
  試行調査の全体イメージとして,次のページの資料がございます。3教科の本体調査では,ペーパーテストのほかに,全ての対象校におきましてCBTの方式も試行していただきました。(1)の本体調査とともに,(2)の生徒・学校へのアンケート調査,それから,国立情報学研究所の御協力を頂きまして,(3)の共通技能としての読解力調査ということで,リーディング・スキルテストも実施いたしました。本体調査につきましては,昨年度中に採点の素点のデータを学校に提供させていただきましたが,これから更に詳しい分析を行っていきたいと考えております。
  試行調査の概要につきましては,また資料の1ページ目に戻っていただければ思います。試験の実施につきましてはおおむね滞りなく終了いたしておりますが,それ以下の記載につきましては資料5のアンケート調査などに基づき挙げさせていただいておりますので,これは後ほどアンケート調査の報告の中で触れさせていただきたいと思います。
  5ページ目の参考資料は本体調査,各教科の調査の中で使用いたしました試行調査問題のうち一例を挙げております。調査問題につきましては,今後の調査に活用する可能性がございますので,公表についてはほんのわずかですけれども,一部のみとさせていただいております。
  各問題につきまして簡単に紹介させていただきます。国語につきましては,記述式の問題でございます。出題の趣旨につきましては,上の枠囲みのとおり,テクストの内容や解釈を解答する問題ということであります。若干具体的には,5,6ページの「修学旅行のしおり」,それから,8ページの観光場所の一覧といった資料に基づいて,9ページのとおり,グループで自由行動の計画について話合いを行うという設定になっております。グループ全体の希望をかなえる訪問先はどこなのか,またその理由を記述させるという問題でございます。相手の意見を的確に把握し,情報と照らし合わせて,適切な意見を述べることができるかどうかを見るという趣旨でございます。
  10ページは数学でございます。こちらは冷蔵庫の買い替えに当たっての商品選びという日常的な事象を取り上げまして,冷蔵庫本体の代金,それから,10年間使った場合の電気代などの経費を一次不等式を使って説明することができるかということを見る記述式の問題でございます。11ページは選択式の問題でございますけれども,スマートフォンの各種料金プランの特徴を数学的に解釈することができるかを見る問題でございます。
  12ページは英語でございます。4技能を測定しておりますけれども,ここでは「話すこと」と「書くこと」の2つの問題例を挙げております。「話すこと」につきましては,Part AからPart Dの4つの構成になっております。Part Aでは,受検者自身のことについて,ここでは週末の過ごし方,夏と冬のどちらを好むか,またその理由を質問いたしまして,英語で答えさせるという問題でございます。Part Bでは,14ページにカードを付けておりますけれども,このカードを音読させる。Part Cでは,先ほどの音読をさせたカードで読んだことに基づいて質問に答える。Part Dでは,14ページにもう一つカードがございますけれども,ここでテーマが与えられ,それに関する自分の考え方を英語で伝えるという問題構成になっております。この問題構成については,特に共通フォーマットが決まっているわけではなく,こちらから指定したわけではありませんが,このようなフォーマットでスピーキングテストを行うという事業者さんの御提案でございました。
  16ページにつきましては,「書くこと」の問題でございます。これは自分が留守にしている間に,友人宛てに食料品の買い出しをお願いするという内容の伝言メモを英文で作成するという場面設定です。買い出しを依頼すること,友人に何を買ってくるのかを言うということ,それから,どこのお店に行ったらいいのかを伝えるという3点のポイントが提示されておりまして,それに基づく記述を誘導するという作りになっております。問題例については以上でございます。
  次に,資料5のアンケート結果概要を御覧いただければと思います。これは実践研究校12校に対しまして,試行調査に取り組んでいただいた状況に関するアンケートを集計させていただいたものでございます。分量がございますので,数点のみに絞って御報告をさせていただければと思います。
  まず4ページの一番下を御覧いただきますと,マル2のところで,問題の難易度について,多段階の問題を用意する必要性について設問がございます。「そう思わない」「全くそう思わない」という回答が7件あるわけですけれども,これは前提として,問題は基本レベルと標準レベルの2段階を作っておりまして,学校の方には,どちらの段階を希望しますかとあらかじめ聞いた上で,希望のあったレベルの問題を提供しておりますので,「そう思わない」という中には,この2段階で提供させていただいた問題で基本的にはよかったというところが含まれているのかなと考えております。「そう思う」「非常にそう思う」という回答につきましては,更に多段階の問題設定が必要ということで,かなり多様な問題を作りましたけれども,学校の状況によっては更にいろいろなレベルの問題が求められているという状況でございます。
  次に,6ページのマル8を御覧いただければと思います。「今回出題された問題は,現場の先生方が指導改善に役立てる素材・きっかけになると思いますか」という設問でございます。自由記述の「非常にそう思う」というところで,「問題を通して,『今後育成すべき力・求められている力とはどのようなものか』ということ,『それらの力をどのような形で問うべきか,評価すべきか』ということについての方向性を教員が知ることができ,それを目標設定や指導,評価に反映させる有効な手掛かりとすることができる」という,前向きな回答もございました。
  それから,8ページ以降はCBTについての設問を設けております。項目数が多いものですから,10ページのマル8の「基礎テストにCBTを導入することについてのお考えをお聞かせください」という自由記述の中に結構な要素が盛り込まれているかなと思われましたので,こちらを用いまして御報告をさせていただきます。
  CBTの導入に関して前向きなものというところでは,採点の効率性とか,複数回受検をするのであればCBTでの実施が望ましいという意見とか,それから,生徒さんにとっても新鮮みがあって良いといった,興味深く取り組んでいたという御報告も頂いております。課題があるとするというところにつきましては,パソコン環境の整備やCBTで実施する際のパソコン環境の事前のチェックとか,パソコン教室の確保など,これはちょっと現場の負担が大きいという回答がございました。これらを踏まえますと,現時点におきましては直ちにCBTで全面的に実施するということは課題がある状況ではありますけれども,環境が整ってくれば,CBT方式は,ペーパーではできない,例えばアダプティブな出題方法とかいろいろな可能性がございますので,CBT方式で実施する意義も環境次第によっては高まってくると考えられます。引き続きCBT方式については調査研究を進めていきたいというふうに考えているところでございます。
  12ページにつきましては,英語のスピーキングテストに関する設問でございます。マル2の受検している生徒さんの様子について,英語の問い掛けに対して沈黙をしてしまうとか,指示の英語がそもそも理解できない生徒もいたとか,それから,13ページのマル3,英語スピーキングの必要性につきましては「必要性を感じる」,「必要性を感じない」という両論の回答がありましたが,このテストでスピーキングテストが行われることは,今後の方向性や生徒に付けるべき力を教員が再確認する1つの機会であるといった肯定的な意見も多くございました。
  それから,マル4になりますけれども,教員の対面方式と,PCやタブレットを用いた録音方式のどちらがいいですかという設問につきましては,ほとんどの学校が録音方式を支持する回答でした。ただ,教員の研修にもつながるという点で対面方式がよいという御意見もありましたので,この点留意するべきかと考えております。
  資料4の試行調査の概要1枚目のところを御覧いただければと思います。試行調査の結果については,先ほどのアンケート結果のところで触れさせていただいたとおりでございます。また,実施運営を担当いただいた内田洋行さんの方からは,一定のルールを定めた上で民間事業者等が問題を作成し,実施する体制というのは十分考え得るのではないかという御意見があったところでございます。また,こちらには書いてありませんが,今回の実証を通して,CBTに関する有用性についても,高いものだと感じたという御意見も伺っております。
  続きまして,資料6の平成29年度試行調査の方向性という資料を御覧いただければと思います。下の表が28年度の実施内容でございまして,上の表は29年度の案ということで記載させていただいております。国語,数学につきましては,28年度は,国語総合,数学Ⅰの科目におきまして,領域が余り偏らないように留意をしながら,基礎的な知識・技能を問う問題を中心としてきたわけであります。
  29年度におきましては,思考力・判断力・表現力等を問う問題に狙いを絞っていきたいと考えております。国語につきましては,「書くこと」に関する問題について,複数の文字数の記述式問題を出題して,生徒さんの反応を見ることとしてはどうかと考えております。数学につきましては,数学に関する基礎的な知識・技能を活用して解く問題に特化をしていってはどうかと考えております。英語につきましては,4技能を測定するという方針は変わりなく,「話すこと」につきましては,昨年度の試行調査では実践研究校の先生に対面方式の試験官をやっていただいたわけでありますけれども,録音方式を希望する御意見が多かったことも踏まえまして,「話すこと」についてはCBT方式の録音方式としてはどうかと考えております。
  29年度の実施計画について,次のページを御覧いただければと思います。昨年度からの継続校と,今年度から新たに8校に事業に加わっていただいているのですけれども,新規校とで内容を分けて実施をしてはどうかと考えております。継続校におきましては,国語,数学,英語を1つの事業者さんの中でやっていただく。基本的に紙筆試験,いわゆるPBT試験でございますけれども,紙の試験であれば学校の中で一斉の実施が可能ですので,このような形としてはどうかと考えております。ただし,英語スピーキングテストについてはCBT方式を導入してはどうかと考えております。
  新規校につきましては,教科毎に事業者さんを分けて実施いただき,国語,数学については紙筆試験で各校毎に一斉実施を基本とする。英語につきましては,紙筆試験かCBT方式のいずれか又は併用とし,事業者さんの企画提案に基づきより良いものを採択するというような形を考えております。また,スピーキングテストについてはCBT方式を必須とするということとしてはどうかと考えております。
  下の方にございます,「CBT方式」につきましては,これは国語,数学,英語の3教科を1つの事業者さんにやっていただきますけれども,CBT方式によってCBTの特性を生かした問題ということで,CBTならではの問題に特化した形での様々な出題をしてみて,それに対する生徒さんの反応を見ていくという調査研究を行っていきたいと考えているところでございます。
  次のページを御覧いただきますと,29年度の実践研究校一覧がございます。昨年度から取り組んでいただいている10団体12校に加えて新規7団体8校,合計17団体20校で基礎学力の定着に向けたPDCAサイクルの構築に取り組んでいただいております。来週8月9日水曜日にこちらの教育委員会と実践研究校に文科省の方にお集まりいただきまして連絡協議会を開催いたしまして,各団体の取組について御発表,それから,意見交換を実施する機会を持ちたいと考えております。これは公開で実施をしたいと考えております。


【長塚委員】2点あります。資料6において,28年度の各科目の解答時間が50分となっているのですが,29年度は知識力よりも思考力・判断力・表現力などの問題を中心に実施するとなっているのですけれども,時間が10分短くなって40分ということですね。よく考えて解答するということからすれば,むしろ時間が不足するぐらいの問題なのではないかと思われたのですが,これは去年の結果から判断したのかどうか,その辺のことをお聞きしたいのが1点です。
  それから,その2ページでいえば,事業者さんがAからEまであるのですけれども,28年度は問題作成の事業者さんと,それから,運営主体の事業者さんが異なっているというわけで,そもそも認定を今後考えていくときに,問題作成の会社の認定なのか,運営主体も含めた認定なのか。運営は例えば実際には都道府県の教育委員会がやるようなこと,あるいは学校がやるということで,問題そのものの認定というようなことになっていくのか,質問自体も曖昧なのですが,認定が,事業者というのは,その辺は運営と問題作成とどう絡んでくるのか,その辺をもしはっきりしている点があれば教えていただきたいのですが。


【事務局】まず29年度の試行調査の方向性の中での解答時間でございます。こちらの方は,おっしゃるとおり,いろいろな要素を詰め込みますと時間が増える方向ではあるかなとは考えております。昨年度は50分で実施をしたわけなのですけれども,実際には50分の解答時間の前後に準備等に係る時間が必要になるなど,現場の方で若干負担になっていた面もあるかと思われました。ある程度問題を絞り込むことによって解答時間を減らして,現場の負担が減らせればということで削らせていただいたわけでありますけれども,はやり調査の成果を得るということが肝要かと思いますので,もう少し考えて,必要に応じてはもう少し増やすとか,そういった対応をとりたいと考えております。
  それから,実施事業者の認定につきましては,今後の基準の作り方次第というところもあるかと思います。基本的には事業者単位での,さらには,同じ事業者の中でも複数のテストが開発され,認定をしていくということが考えられるかなとは思いますので,そういった意味では,問題作成単位というよりは,それを実施して採点し分析をするという一連のところまで同じ事業者さんの中でやっていただいた方が効率的にはいいのかとか,分析もしやすいのかと考えているところでございます。


【長塚委員】なるほど。入試の方では,センターがいわゆる実施主体ですよね。運営主体。そこの部分も含めて事業者さんにお願いしようと。各学校がテストをするから,各学校が運営だということではもちろんない。テストは学校でやるのでしょうけれども,分析その他まで入れるとやはりそこは事業者ということでお願いするということなのだということが今分かりました。ありがとうございました。


【柴山委員】ありがとうございます。このCBTに関しましては,いつでもどこでも何度でも,というようなコンセプトで考えますと,個人に応じた測定という意味ではこれからすごく必要になってくる技術だと考えております。実際日本ですと,前川委員なんかが関わっていらっしゃる医学系の共用試験でそれがもう実現されていますから,この基礎研究といいますか,このノウハウの確立という意味でも,国の方から是非後押しして開発を進めていただきたいなというのが1つございます。
  それからもう1つは全然別のことなのですけれども,英語4技能でCEFRという言葉が出てきていて,ちょっと私混乱しております。CEFRに基づいたものを作るというわけではないですね。国際学力調査のPISA調査などでも,習熟度レベルというレベル表示があります。そのレベルに入るとどういう力を持っているかというディスクリプション,能力記述文があって,CEFRも同じ仕組みなのですけれども,実はそういうレベル表示とか,CEFRとかというところに行き着くまでには,物すごく合理的,科学的なエビデンスの積み重ねが必要になってきまして,統計的な処理のかなり緻密な作業も必要になってきます。CEFRをもし基礎診断で使うとなると,その作業をテストごとにしていかないといけなくなって,とても現実的ではないなというのが1つ感想としてございます。
  それで,文部科学省初等中等教育局から平成25年3月に,「各中・高等学校の外国語教育における「CAN-DOリスト」の形での学習到達目標設定のための手引き」が出されております。これは確かにCEFRを使っていらっしゃるのですけれども,中身はすごく現場に即した「CAN-DOリスト」をどう学校が作っていくかみたいなことが書かれております。恐らくこの資料に出てくるCEFRというのは,そういう意味で参考にしているというだけですので,ここでもCEFRそのものを参照枠組みとして使うというわけではないということで考えてよろしいのでしょうか。


【根岸委員】今の手引も私,委員だったのですが,おっしゃるように実は関連付けというのはすごく大変な作業で,多分私が知っている中では,皆さんも御存じのような大きなテスト開発機関は, CEFRのマニュアルがあって,それは統計的なデータなどに基づいてこのような手続でやるべきだということがあります。そのような手続を本当にやることでレベルを発表しているところというのはかなり大きなところだけで,小さなところでやろうとすると結構大変だろうなと思われます。
  「CAN-DOリスト」の手引ですけれども,それは私は文科省側で何が起こったのかよく分からないのですが,CEFRは最初言及されていたのですが,だんだん何でヨーロッパのものなんだみたいなこともあって余り表に出ないようになっていた時期もあるのですけれども,今は国の目標設定がCEFRでまた復活していて,B1とかA2であるとかというのが,学習指導要領の中そのものにはないのですが,解説の中にはCEFRという,中学校の方だともう文言が入っていて,しかし,レベルに関して明確に入っているという形では多分なかったと思うのです。だから,非常に微妙な形で入っている。ただし,国の目標としては,CEFRが復活した後は明確にまた出ているというところもあるのですね。ですから,CEFRの関連付け自体も大変で,余りどこでもできるという形には現状ではなっていないかなという状況であります。
  その流れで,いいですか。ちょっと悩ましいところは,先ほどのCBTでやるということに関してと,あと,学習指導要領とCEFRと3つのことに関連してなのですが,まずCEFRでは,話すことが,“Spoken Interaction”と“Spoken Production”,日本語では,「やり取り」と「発表」というように2つに分かれていて,新学習指導要領では,英語はこれを5領域と呼べということで,技能は知識・技能で使うので,英語の方は,5技能とCEFRで言うものを5領域と学習指導要領では呼べということになって,小中はやりとりと発表が5つの領域の2つを占めているのです。
  CBTの現状を見ますと,スピーキングテストをパソコンでやっている,あるいはタブレットでやっているテストの多くは,向こう側に人間がいて,ただ単にタブレットにしゃべっているというのでない限りは,基本的には一方的にしゃべっている,あるいは擬似的に,質問が1個出て,それに答えていて,別に会話が,やりとりが続いているということではないのですね。つまり,パソコンの方が音声認識をして,それで意味理解をして,適切な感じで話し掛けてくるというほどに技術が進んでいないので。そうすると,CBTでやるということになった時点で,5領域の話すことのうちの1つは基本的に余り入ってこないということを現状では含意してしまうというところがあって,そこはそういう認識で現状そうなのでしょうがないのかなということは一応共有しておいたらいいかなと思いました。
  それから,英語のことでもう1点。今のとはちょっとずれてしまうのですが,資料6の1枚目のところに,「聞くこと」に関する問題というのが英語のところはあるのですが,これだけが「実際の言語使用場面を設定するなど」という文言がないのが,意図が多分,分からないのですけれども,調査官等の特定の何か思い入れがあったかもしれないのですが,これだけ外す意図が一般の人には見たときには分かりにくくて,むしろ「真空状態でのリスニング」などないみたいなことはコミュニカティブ・テスティングではよく言われているのですが,なぜここでなしという形を提唱しているのかが分からない。もし分かったら教えていただきたいのですが,個人的にはちょっと疑問な感じの枠組みに見えます。


【事務局】英語の「聞くこと」の問題につきまして,「実際の言語使用場面を設定するなど」という記載がないことにつきましては余り深い意味はないのです。幅広い設定を可能とするために外していたようなところでありますけれども,逆にこちらの設定の方がよろしいということでありましたら,ほかの3技能と同様に設定したいと考えております。


【根岸委員】むしろこれを外す理論武装をする方が大変な気がしますが。


【事務局】分かりました。


【藤森委員】28年度の結果分析は今年度ということになっていると思うのですけれども,1点お願いしておきたいのが,国語の問題の相関がどの程度の係数で出てくるのかということを確認していただきたいのです。と申しますのも,これまで私もいろいろな実施状況調査で関わってきましたが,国語は数学に比べて相関係数が非常に低い。つまり,成績のいい子がやはりこの問題についてはより高い点を取っていく傾向があるという,そうなると相関係数が高くなるのですけれども,必ずしもそうならないのですね。
  いわゆる基礎学力の診断においてはその係数の確保というのは結構大きな課題になってくると思うのです。特に今年度は思考力・判断力・表現力,この3本を実際に記述で問うということになりますので,更にこれ,相関については課題が出てくる懸念があるのですね。特に結果的に書かれたものだけの評価だとすると,これ,実は表現力しか問うてなくて,思考・判断はしっかりしているのだけども,表現についてはまだ課題があるというふうな,そういった学力状況をどういうふうに測定するのか,その辺りで課題にしていただきたいと思っております。


【荒瀬主査】ほかにも御意見あるでしょうが,また後から事務局の方から御説明があるかもしれませんけれども,是非またメール等でお届けいただきたいと思います。
  本日は本当に大事な話がたくさん出ました。時間がないというのに申し訳ないのですけれども,資料7の別紙1の「制度開始時点における必須要素の例」の4つ目のポツのところですが,「学校において実施可能で,学校にとって過度な負担が掛からない実施方法」というのは,これ,何といいましょうかスタンスが,やらなくてもいいのにやっていただくのだから,学校に過度の負担が掛からないようにというふうにも受け止められてしまうようにも思うのです。しかし,先ほどもいろいろお話がありましたように,これは間違いなく,必要な負担をしていただくということです。意味がある負担で,それはまさしく本務でありますので,決して過度の負担ではない。意味のない過度の負担は避けなければなりませんが,これはそうではないということも最後に,確認させていただきたいと思います。
  では,事務局の方から次回の日程につきまして,お願いいたします。


【事務局】次回第3回につきましては,9月上旬から中旬を予定してございまして,開催案内は後日改めてお送りいたします。
  それから,先ほど荒瀬主査からもありましたけれども,ワーキング終了後でも,御意見等ございましたら,事務局に御連絡いただきますようお願いいたします。
  また,9月中下旬ぐらいになろうかと思うのですけれども,民間事業者等に対しての説明会,これまでにも何回か開催しているのですけれども,その説明会の開催を予定しております。こちらも日程が決まり次第,開催案内をホームページ等に公表させていただきたいと思っております。


―― 了 ――

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