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高校生等への修学支援に関する協力者会議(第6回) 議事録

1.日時

平成29年10月31日(火曜日)10時00分から12時00分

2.場所

文部科学省 5F1会議室

3.議題

  1. 前回の指摘事項について
  2. 委託事業における学校ヒアリングの状況
  3. これまで出てきた論点の整理
  4. その他

4.出席者

委員

大橋弘委員,小河光治委員,小川正人委員,小林雅之委員,末冨芳委員,濱中淳子委員(敬称略・五十音順)

文部科学省

髙橋道和初等中等教育局長、下間康行大臣官房審議官,伊藤学司財務課長、塩田剛志高校修学支援室長

5.議事録

【小川座長】  おはようございます。それでは、定刻になりましたので、第6回高校生等への修学支援に関する協力者会議を始めます。本日も大変御多忙の中、御出席いただきまして、ありがとうございます。
 柴田委員につきましては、今日は御欠席ということになっております。
 それでは、最初に配付資料の確認を事務局からお願いいたします。
【塩田室長】  配付資料でございますが、まず、資料1が参考資料という前回の指摘をまとめたものです。資料2が論点整理のものです。あと、参考資料として各党の公約。また、机上配付資料としてヒアリングに関する発表資料ということで、こちらは机上配付という形で末冨先生の資料をお配りさせていただいております。不備がございましたら、事務局までよろしくお願いいたします。
【小川座長】  資料確認よろしいでしょうか。
 今日は、議事次第にも書いてあるとおり、最初に、前回、委員の皆様から御指摘いただいた事項について事務局の方で、資料・データを収集して、更に新しい情報を添付してもらった資料1についてまず御説明いただいた後、委託研究ということで、末冨委員の方から特にインタビュー調査に関わるものをベースとして御報告いただきたいと思っています。最後に、この協力者会議の最終まとめ案のたたき台になる論点整理について1時間ほど時間をとって議論していきたいと思っています。今日はこういった進行をさせていただければと思います。
 それでは最初、前回の指摘事項について、事務局からお願いいたします。
【塩田室長】  資料1です。
 まず、ページをめくっていただきまして、前回、都道府県の独自支援の予算額についての御指摘がございました。都道府県の方に聞いてまとめたのが、この資料ということでございます。これは私学に通う生徒への給付型、貸与型ではなく、給付型の支援をまとめたものです。ここにありますように、1が授業料、2が施設整備費、3が入学金ということで、授業料については44の団体が、2の施設整備については12の団体が、3の入学金については20の団体が御支援をされているということです。
 金額は、合計が下の方にございまして、授業料ですと約550億、施設整備費が20億、入学金が27億と、このような形になっています。施設整備費につきましては、「授業料減免の対象に含む」というちょっと分かりにくい書き方になっていますが、これは、授業料の支援をする際に県が設定する上限に届かない場合は施設整備費も込みの金額で対象になるということで、施設整備費がすき間を埋めることができると、そのような形になっておりまして、予算上は切り分けられないということなので、便宜上、授業料の方に含めて書いているというものです。例えば10億円を超える支援をしているのは、11番の埼玉県、13番、東京都、14番の神奈川県、23番の愛知県、26番、京都府、27番、大阪府、40番の福岡県と、こういったところが10億円以上の御支援をされていると。ちなみに、生徒1人当たりでと考えた場合には、大阪、京都辺りが頑張っていらっしゃるという形になるということです。
 続きまして、ページをめくっていただきまして、在住地・在校地についてです。これにつきましても、前回の中で奨学給付金が在住地主義になっているということで、それによって情報ギャップのような問題が起きており、在住地・在校地を統一できないかというような意見があると。それについて自治体の意見をもう少し分析してみてはどうかという御指摘がありましたので、分析したものがこちらです。
 まず、枠囲いの中にありますように、公立担当部局と私立担当部局、両方に聞いていますが、特に偏りは見られません。2つ目の丸にありますように、生徒の流入が多い自治体は1の在住地主義で、生徒の流出の方が多い自治体は在校地主義を選ぶ傾向があるということです。ページ1枚めくっていただきまして、表の上の方が県外から入ってくる生徒、例えば東京だと7,149人、流入引く流出だと7,000人ぐらいが入ってきていると。こういった流入者が多い県は緑色の在住地主義を選ばれているところが多いと。逆に、表の下の方が流出するのが多いところですが、流出するところが多い自治体は、逆に在校地主義が多いというような、このような傾向が見られます。
 ページを戻っていただきまして、枠囲いの中でございます。1在住地主義ということです。前回の指摘で、そもそも納税していない人にサービスするのはどうかというものの――そもそも非課税の方の話なので、そこは、どうかというような御質問がありましたので、自治体の方にもう少し詳しく聞いてみますと、自治体の見解としては、やっぱり住民以外の方にサービスを提供するということは住民の理解が得られないのではないかと、このような御指摘でありましたまた、吹き出しの方に書いておりますのは、現行制度に問題を感じていない、慣れている、また、いずれも在校地にすることで財政的な負担が増加すると、このような御指摘がありました。
 在校地主義を選ばれている理由としては、対象者の把握がしやすく、支給漏れを防ぐことができる、また、分かりやすい、申請の負担を軽減できると、このような御意見がありました。
 また、その他でも結構な数がありますが、全額国庫負担にした上で在校地にしてはどうか、このような意見が多かったというものです。
 ずっとページめくっていただきまして、次に、(参考)地方消費税の清算と書いています。これは、前回の会議の中で、在校地主義にした上で各県の間で清算すればいいのではないかという御意見がありました。そこで、そういった前例はないかと調べましたが、なかなか類似のものが見つからず、辛うじてあったのが地方消費税の清算の仕組みということで、地方消費税につきましては、最終消費地に帰属するというのが原則で、物が製造段階から卸売段階、小売段階と流れていく時点でそれぞれの県で徴収されるということなので、それを最終消費地に帰属させるために清算していると。ただ、その清算は、枠囲いの3つ目の丸にありますように、地方共同法人地方公共団体情報システム機構というところが清算を一気に行っているということで、ここまで大規模に仕組みを整えてやるのかという話もありまして、余り参考にならないのですが、これぐらいしか見つからなかったというものです。
 ページを更にめくっていただきまして、国が対象としていない授業料支援ということで、支給期間の上限等の話です。支給期間の上限36月というのが法律で決められています。36月の上限を超過した生徒への支援を19の自治体がしています。どのような条件でやっているかと聞いたところ、条件を付けずにやっていますというのが結構多数でした。その理由といたしましては、国の就学支援制度が開始する前から単独で期間・理由を問わずに支援していたので、国の支援が開始――この国の支援が開始というのは、法律で36月というのが定められた法律が施行されたということですが、国の支援が開始したことをもって、その対象を狭める理由にならないということで、継続しているといったような理由があったということです。
 理由について条件を設けている場合は、学校長が意見書を出すとか、同じようなものですけれども、学校が認める場合に対象とするというものです。ただし、病気、怪我、不登校等が対象であって、成績不良や停学による出席日数の不足、こういった場合は対象外としていますと、このような御意見ですとか、学校から提出された意見書を審査会で更に検討を行うと、このような運用をされている自治体もありました。
 また、期間についての条件では、12か月を上限としているところもありました。また、所得制限ということで、350万未満世帯に限定するというようなところもありました。
 続きまして、単位制のところで、74単位の超過への対応も13自治体でされています。これも多くのところが特に条件を定めずにされています。
 条件があるところは、例えば48か月以内でというような条件を付けているところがありました。
 またさらに、既卒者への支援は、支給法では、修了者は対象でないというような法の作りになっていますが、修了者についても、更にまた入学してきた場合には支援しているとことが、5自治体ありました。
 その他のところで、休学中でも授業料が発生する場合には支給していますというところがありました。また、点々の枠の中で、私立高校の休学中の授業料の扱いはどうかというような御質問がありました。聞いてみたところ、これもまちまちでして、様々なパターンがあるということで、統一的な基準があるようなものではないようです。
 続きまして、ページをめくっていただきまして、奨学給付金について代理受領のような形で――奨学給付金、本来であれば保護者への支援なので保護者に行くものですが、学校が代理受領するような場合があります。これ、私どもの手引書、補助金を実施する際の地方自治体が参考にするような手引書におきましては、授業料以外の教育に必要な費用に確実に使われるような取組を推進するのが望ましいとなっておりまして、そういった国の方針を受けて、きちんとした集計はできておりませんが、おおよそ半数程度の自治体が何らかの相殺をされているということです。そのやり方のパターンを幾つか聞き取ったところ、例えばパターン1というのは、自治体では全ての学校において相殺をしています。また、全ての生徒においてやっています。ただ、これは限定条件がありまして、滞納がある場合に限っては学校長に委任するというような規定でやっているとのことです。なお、委任状はとっているというような形です。パターン2ですと、希望した学校で委任状の提出があった生徒は相殺していますということで、幾つかパターンがあるということですが、相殺している県もあるということです。
 続きまして、ページめくっていただきまして、高大接続改革ということで、2点ございまして、1点目が、高校生のための学びの基礎診断です。これは、この会議の一つの参考情報としては、真ん中にありますように、2018年度中の運用開始を目指すとなっておりまして、2つ目は、民間の試験等を認定するスキームを創設するということです。こういった民間の試験等を利用する際に受検料というものが発生してまいります。
 同じように、次のページの大学入学者選抜改革というところで、枠囲いの3つ目の、2020年度「大学入学共通テスト」開始、記述式、英語4技能とありまして、その下の真ん中の枠囲いのところにありますように、英語の外部検定試験を活用するというようなことです。そういった試験を受験しなければなりませんので、今後、子供の学習費が少し増えてくることが予測されるというような参考情報です。
 続きまして、次のページ以降は、これまでの会議で平成27年の実績で出していたものが、28年のものが出たので更新するものです。給付金の実績は、全国平均が12.6%となっています。27年度が13%だったので、少し減っています。
 ページをめくっていただきまして、これは給付金のもう少し細かく分けたものでして、ここにありますように、国公立の給付率と私立の給付率を分けておりますが、国公立の給付率の方が高いということですが、枠囲いの2つ目の丸に書いてございますように、受給率自体は結構私立の方が高い団体もかなりの数あるということです。
 次は貸与型奨学金です。貸与型奨学金は、貸与率、貸与者1人当たりの貸与額ともに減少傾向にあるということで、これは支援金等の制度が始まった影響ではないかと思われますが、少し減ってきています。
 時間の関係で、以下はいずれもデータをリバイスしたもので、基本的には傾向は変わっていないので、この場での説明は省略させていただきます。
 以上でございます。
【小川座長】  ありがとうございました。新しい資料・データ収集、整理いただき、ありがとうございました。今の事務局からの説明に関わって何か確認したいことや御質問があればお受けしたいと思いますが、いかがでしょうか。小林委員、どうぞ。
【小林委員】  最初のところの私立高校に通う生徒の修学支援目的の給付型支援というところですが、これは、その中にどこまで入っているかという問題ですが、他の分類に該当する予算が含まれている場合、まとめて計上しているということですが、そもそも各都道府県によって私立高校に対する助成というのは相当違っていると思うのです。私は、たまたま神奈川県の私学助成をやっているのですが、例えば定員超過率や、あるいは長期勤続教員がいる率だとか、グローバル化にしているかとか、いろんな様々な形で助成を出しています。ですから、その辺り、授業料に相当する分が、どのくらいかというのは難しいと思うのですが、逆に言うと、私立高校に対する助成の全額を出していただけると参考になるかなと思うのですが、いかがでしょうか。少し面倒なことをお願いして恐縮なのですが。
【塩田室長】  恐らくこれは、基本的には個人補助的なものを集めているのですが、機関補助も含めて全てという。
【小林委員】  これはどこまで入っているかというのは最初の質問だったのですが、授業料に関係するようなものは入れてあるということですよね、ここで言われているのは。
【塩田室長】  はい。修学支援に関連するようなものを計上したということです。
【小林委員】  ええ。ただ、私立高校の場合に、機関補助の分も含めて授業料が設定されているはずなので、それによって授業料が下げられているという部分がありますから、それが各県によってかなり違っているのではないかということで、その分も参考になるのではないかと、そういう意味です。
【塩田室長】  なるほど、分かりました。もう少しデータの出し方を工夫してみます。
【小川座長】  よろしいですか。
【小林委員】  はい。
【小川座長】  ほかに何かございますか。大橋委員、どうぞ。
【大橋委員】  同じページのところ、確認ですけど、これは地方の単独事業ということでよろしいですよね。
【塩田室長】  はい。
【大橋委員】  補助金などが入っていなくても、地方で独自の財源でやっているものだと。
【塩田室長】  はい。より正確に言いますと、補助金は入っていないですが、地方交付税措置が一定額されています。
【大橋委員】  そうですか。
【塩田室長】  はい。地方交付税措置を算定する際に、生徒1人当たり例えば何万円となっていますが、その何万のうち何千円かは授業料減免相当分というような設定のされ方がしているので、若干、地方交付税措置も入ってはいますが、基本的には多くの部分は県の単独事業という形でされています。
【大橋委員】  なるほど。では、この散らばり具合というのは、概ね単独事業の額を反映していると考えてもほぼ間違いはないでしょうか。
【塩田室長】  だと思います、はい。
【大橋委員】  分かりました。
【小川座長】  小河委員、どうぞ。
【小河委員】  小河です。例えば山梨県で今年度から入学のときに入学準備金1人5万円の制度を作られたと思うのですが、これ、例えばその他の生徒給付金、29万7,000円なので、これは入ってないということでしょうか。あるいは、ほかのところでもこういうふうに独自に何か給付型のそういった奨学金というか、一時金のようなものというのもこのデータには入っていますでしょうか。
【塩田室長】  入学金は別途3に入っているので、先生御指摘のようなのがあれば、本来であればここに入っていてしかるべきなのですが、確認してみます。基本的には、御指摘のようなのがあれば3のところに予算額を計上しているはずですが。
【小川座長】  よろしいですか。
【小河委員】  はい。ありがとうございます。
【小川座長】  ほかにいかがでしょうか。末冨先生、はい、どうぞ。
【末冨委員】  12ページの奨学給付金の代理受給ですよね、学校委任は、これ、設置者単位で確認されているということで、設置者、都道府県単位に確認されていらっしゃいますか。
【塩田室長】  はい、都道府県に聞いております。
【末冨委員】  はい、分かりました。ありがとうございます。
【小川座長】  よろしいですかね。あとは意見等々についてはまた最後の方で一括して行いたいと思います。それでは、前回の指摘事項についてはこれで一旦終わらせていただきたいと思います。
 それでは、委託事業における学校ヒアリング調査の報告を、これは末冨委員の方にお願いいたします。よろしくお願いします。
【末冨委員】  今回は経過報告ということで、まだインタビューに御協力いただいた学園設置者様の方に「この記録でいいですか」ということを確認中ですので、委員のみの机上配付とさせていただきます。
 岩田先生に代わりまして、私の方がこのような状況ですということをお伝えします。まず1枚目の調査実施状況ですが、全部で9校、今、調査に御協力いただきまして、F校、G校については私が行っておりませんので、その2つを除きます7校の御意見、インタビューの結果ということです。
 そちらに書いていますが、大体が就職者が一定数いる高校です。逆に言うと、いわゆる進学校というものは今回のインタビューには1校しか含まれていないということです。就学支援金と奨学給付金の受給率については、上段・下段で示しましたように90%台から50%台までの分散があることと、奨学給付金の方も10%台から40%台までの散らばりがあります。御協力いただいたのは大体が教員、事務職員です。あとスクールソーシャルワーカー相当職の方に御協力を頂けた学校があることと、あと、保護者調査は現時点では1校のみ御協力いただけているということで、保護者調査の方につきましては最後に紹介させていただきますが、今回、教員、事務職員のヒアリングが中心ということになります。スクールソーシャルワーカーにつきましては少し話が複雑になりますので、今回は割愛をさせていただいております。
 ちなみに、設置者様につきましては、大阪府教委、それからH高校というところのインタビューに北海道教委の担当者が御出席されていらっしゃいます。
 2枚目をめくっていただきまして、まず、就学支援金や奨学給付金に効果がありますかということで、こちらで設定したのが、保護者家計に効果があるかどうか、生徒のアルバイト・学業への効果があるかどうか、それから卒業後進路への効果があるかどうか、その他ということでした。奨学給付金、それから就学支援金含めて最も多いのが、保護者の家計にとってはそれが安定につながったり、ゆとりがあるという意味では効果があっただろうということです。ただ、アルバイトの減少についてはB高校のみでした。B高校は進学校ですが、よほどの進学タイプの高校でないと、就学支援金や奨学給付金があってもアルバイトを減少させるということにはなっていないという傾向というふうに、教員、事務職員の方からの聞き取りがありました。
 そのほかの効果としましては、1つ飛びまして、貸与奨学金の利用が減少傾向にあるということは、先ほどの資料でもありましたが、こちらのインタビューでも確認できました。
 もう一つが、今回、北海道と大阪が中心ですけれども、どちらも私立高校の生徒に対しては独自補助していますので、保護者や生徒が私立高校を選択しやすくなっているという理由が挙げられていました。ただ、地域によって若干、学校選択の理由に差がありまして、大阪府はいわゆる都市型の学校選択ですので、特色だとか、あと公立に入れないだろうということで私立専願するという特色による選択が利いているのに対して、北海道の場合には、以前、8月に指摘したと思うのですが、通学費の負担が冬場は非常に重いので、通学費が掛からない高校という意味で近くの私立高校が選べるようになっているという面もあるという指摘がありました。
 それからもう一つ、中退率の改善についてはどうかというと、実はこれは、学校によって異なっています。確かに減少しているケースもあるけれども、これが純粋に経済的な支援が充実したからというわけではなく、そもそも生徒数も違えば、学校の運営の状況も、この間、各都道府県で高校再編については進んでおりますので、状況が変わっているということで単純には判断できないという理由があります。それからもう一つ、単純には中退者数が減っていない高校もありましたので、なかなか中退者が減少しているという判断は難しいところです。ただ、経済的理由による中退というのは、そもそももともと所得制限のない状態から考えると、導入されて以降かなり減っていっていると。現在の中退というのは、学校不適応や不登校なんかの理由であるという認識は7校共通でした。
 それからもう一つ、私立高校の加算分、それから都道府県独自補助を含めると、授業料や教材費の滞納率が減少しているという効果は私立高校さんよりございました。
 こうした点が今回のインタビューの結果から効果として認識されているものです。
 それから、課題がかなり御指摘多かったのですが、まず、就学支援金制度については、やはり所得制限の在り方について、奨学給付金だとか就学支援金だとかは、大阪府の私立高校無償化がぎりぎり受けられない所得層の方が延滞率が高い。北海道の私立高校でも同様の結果で、1倍や1.5倍支給の世帯のほうが延滞率が高いというようなことで、単純に所得制限をしていいのだろうかという御意見がございました。
 もう一つ、困窮層の保護者は、手続できていたとしても、就学支援金の存在を認識できていないだろうという御指摘が、特に困難層を多く抱える大阪府のD、E高校からありました。
 北海道のI高校からは、中学校によって進路指導に違いがあるので、入学説明会からこの就学支援金、それから奨学給付金の説明会を始めるけれども、「何ですか、それ」ということで、非常に理解いただきづらいという保護者が多いということです。
 もう一つ、特に奨学給付金の交付決定時期が遅いので、何とか認定時期を前倒ししていただけないかという御意見もありました。
 右ページに行きます。奨学給付金制度の課題ですが、実は今回の7校はいずれも、恐らく学校委任していない学校だと思われます。これはインタビューの記録確定させていく上で再度確認はいたしますが、委任しているという話は一切出なくて、そもそも奨学給付金は家計に直接振り込んでいるので、何に使われているのか分からない。ただし、例えば生徒の修学旅行費だとか進学資金だとか、あるいはPTA費なんかもそうですが、それに割り当てている家庭というのが少数派ではないだろうかという御意見が6校出ています。
 例えばですが、所得制限の導入前後で加算支給が私立で始まっていたりしますけれども、修学旅行の参加率とか進学状況については、抜本的な改善が見られている対象校はないということです。
 あともう一つ、保護者が奨学給付金を生徒のために貯蓄したり使用したりするケースはほとんどないと、特に困難校の場合。ですから、非常につらい話ですが、修学旅行費や大学等の入学金が支出できず、いろいろ諦める結果になっているということで、確かに保護者家計の補助ではあるけれども、もう一つ、生徒自身への効果という点については、現場の先生や事務の先生方のもどかしい思いというのが伝わってきました。
 それから、これは、かなり細かい話で申し訳ないのですが、要するに、奨学給付金の1子、2子の説明が分かりにくい。それから、ステップファミリーの場合に、養い親ですね、再婚相手の親の方が親権を持っているかどうかで第1子か第2子かの認定が違ってしまっているので、世帯の実態に照らし合わせてかなり違和感がある運用であるということで、困難校ほどステップファミリー若しくはひとり親が多いわけですが、ひとり親ではないステップファミリーの場合の課題というのが指摘されています。
 それから、実はインタビューして、ほとんどの時間が何に使われていたかというと、(3)の書類提出に伴ってどれだけ学校負担や保護者負担が大きいかという話でして、多分、半分ぐらいこの話をしていたと思います。どのような状況かというと、まず、後でお手元に配ったのですが、大阪のB高校さんより頂戴してまいりましたが、このように保護者にわかりやすく工夫をされていらっしゃって、本省の方がごらんになられると随分分かりやすくなっているんじゃないかなとお思いではないでしょうか。B、C、D、I高校というのが、今回、独自書式とか説明書類を自分たちで作らないと保護者に分からないとおっしゃっておられました。で、こういう工夫もありますよということで、これは学校の許可を頂いて、「本省会議で配付していいですか」と言ったら、「どうぞお願いします」と言われて、ここまで落とし込んでやっと記入できると。これでも記入できない状況にある。例えばですけど、こういった書類が非常に苦手なタイプの保護者さんって何人もいらっしゃいますということでした。
 それから、就学支援金と奨学給付金の書類の一本化ができないのか。
 それから、所得証明を就学支援金や奨学給付金のたびに何回もとりに行くということも困窮世帯ほど厳しかったり、その手間が掛かるために、実は高校さんの場合、かなり工夫しておられまして、就学支援金の書類を先に受け取った段階で、もうこの世帯は奨学給付金が受けられるということを学校で特定されるわけです。それで、100%手続を保護者にさせたいと、この7校は全て努力していらっしゃるのですが、それでも手続ができなかった世帯があるというのがB高校、H高校ということで、どうしても取りこぼしがあるということです。
 さらに、私が思っていた以上に現場は込み入った状況になっていまして、8月にも指摘したと思いますが、就学支援金と奨学給付金の書式が違い、タイミングが別々のほかに、都道府県の独自の給付や貸与の制度があると。例えば通学費とか、先ほども予算計上されていましたが、施設整備費だとか、プラス、大阪や北海道のような授業料補助タイプの支援制度もあるので、かなりの数の制度が走っており、その全ての制度が異なる書式を利用し、かつ所得証明を流用できないケースもあることから、事務室負担と保護者負担が大きい。7校共通と書いておりますけれども、高校が大変な状態になっているということがありました。
 もう一つが、やはり7校共通なのが、書類の未提出者と書式不備、書類不備に関する事務が膨大であると。1回出してくれたらそれでオーケーではなく、そこからの書き直しや所得証明間違っていますというやり直しが非常に多く、担任教員や事務職員が相当の負担を強いられていいます。そのため、例えば授業の準備が十分にできないとか学校運営に支障を来す状態になっているということで、事務支援体制については、従来、公立学校については交付金措置されていると思うのですが、私学さんも含めて少し大変な状態になっています。
 具体的なエピソードとして出てきたのは、事務負担が大き過ぎて年度当初の教員からの物品購入要望に迅速に対応できないケースが出てきていたり、あるいは、今後の新指導要領への対応を考えると、特に高校の場合には教育委員会さんに対して予算要望していかなければならないが、それができるかどうかということで、高大接続改革や新指導要領改革を踏まえると、現行の高校就学支援金等に関する事務負担の在り方というのは、私自身、学校マネジメントも専門ではありますけれども、学校運営全般に支障を来していると表現して差し支えないレベルまで来たのではないかなということを、インタビューを通じて改めて印象を強くいたしました。
 次に、1枚めくっていただきまして、制度の改善要望につきましては、そもそも所得制限を撤廃してもらえないかということがありました。特に高校の事務室サイドから事務室運営への負担が大き過ぎるということで、とりわけもう受給率が90%を超えているような学校については、10%未満の生徒を取り除くためにここまでのコストを払うということについてはやっぱり疑問を禁じ得ないということだと私は解釈していますが、とにかく負担が重いというのが公立高校サイドからの御意見でした。
 また、奨学給付金の事務支援費が措置されていないと、大阪府と東京都の高校から御指摘ございました。就学支援金の事務費措置があるのになぜということが疑問点です。
 それから、大阪府より特に御要望がありましたのが、国からの地方自治体の事務支援体制についてですけれども、派遣職員を目的別に運用しているわけですが、それだと、かなり府教委の方でこの目的にこの職員を何時間張り付けてのように細かい作業が必要となって、事務室自体もこの業務にしかこの人は使っては駄目というふうに運営効率が悪くなるので、できれば国の制度である就学支援金、それから奨学給付金や大学等給付型奨学金の方は事務費用を国で一本化して措置してもらえないかという御要望が出ました。そうすると、年度の大体秋口ぐらいまでどの学校も事務を引っ張りますので、年度前半の事務支援体制が連続して可能になるのではという御意見でした。
 それからもう一つ、定時からの御要望が出ておりますのが、公立の定時・通信での就学支援金の所得制限は撤廃できないかと。特にE高校は定時制ですけれども、近隣の通信制高校を見ていると、通信制の場合、月額520円ですが、これに対しての膨大な生徒数がいるので、事務室体制が生徒数に追い付いていない。それから、支援金の受給額が少額であることや、セーフティネットを果たす役割が公立定時・通信であることを考えたときに、所得制限を撤廃してもらえないだろうかという要望がございました。
 次に、所得証明の未提出者を学校長認定によって就学支援金受給させられないかという御意見が4つの高校と大阪府から寄せられています。特に最困窮層については、所得証明が出ない形で労働していらっしゃる。そうすると何が問題かというと、たとえマイナンバー利用しても所得が捕捉できず、エラーが起きるだけでしょうというご指摘がありました。ですから、現行でも所得証明が出ないから認定できなが、所得証明ができないタイプの労働をしておられるところが最困窮層なのです。つまり、そこをクリアするためには、教育委員会等のチェックは当然あってしかるべきですが、学校長認定若しくは私立の場合には学校長具申といったものでの仕組みがあれば、本当に必要な生徒の受給漏れはなくなるということで、これは大阪に調査に行ったときに、公立・私立問わず、何とか学校で理由を付けて認定できないでしょうかというご意見が出ております。
 それからもう一つ、先ほど出ましたが、修学支援金の支給期間を12か月延長できないかという御意見もございました。これは、大阪府下でもありましたし、私自身もこれは是非実現できないかなと考えております。インタビューに個人的な思いを入れて恐縮ですが、留年者がもう少し頑張れば卒業できるとき、授業料が発生することで高卒学歴が得られない事態を避けたいというのが大阪府及びD高校のお考えで、私自身もそうだということです。
 さらにもう一つ、ただ、社会人の学び直し系の生徒の場合には、この12か月延長よりは現行導入されている学び直し支援金の方が活用しやすいので、これは非常にいい仕組みであるという評価も出てきました。
 残りは細かい話ですが、根本的な課題を申し上げますと、マイナンバーシステムの次に示しておりますが、中学校、高等学校、大学と実は支援制度の所得基準や制度が違い過ぎていて、保護者も理解できない、学校側も、「何で中学校まで支援受けられていて、高校で外れるのですか」といったことを言われたときに全く対応ができないということで、子供のライフステージに合わせて見通しの利く支援制度というのを考えてもらえないかという、これは大きな投げ掛けですが、確かに学校側のおっしゃるとおりかと思います。
 それから、4ページの一番下ですが、大学・専修学校の受験料・入学金の補助ができないかと。なぜかというと、奨学給付金を親に使い込まれてしまい、それを知らなかったために、アルバイトで受験料や入学金を貯蓄すればよかったと悔やんでしまう生徒がいるということで、これは学校委任の問題とも関連するのですが、生徒の自立に向けたメリットを果たして現行の奨学給付金が実現できているか。奨学給付金だけではなくて、特に進学を支える補助というのがなかなか少ないということで投げ掛けがございました。
 右ページの方は、先ほど小林先生から質問が出たこととも関連しますが、大阪府の場合には、高校私学助成を削減して授業料にキャップ掛ける形で無償化を実現していますが、当然のことながら非常勤化しないと私立高校運営は持ちこたえられないということで、教育の質の確保をしたいときに、やはり長く勤めてくれて優秀な教員がいることが学校にとってメリットですが、その教育の質の向上ということを考えると、単純に私立高校授業料を無償化すればいいということだけではなく、私学助成の在り方もどうするのかということはもう少し検討すべき事項であると考えます。大阪府の課題でもありますが、これは私立の高校の無償化が入ってくると、今後、全国課題になるのではないですかということで投げ掛けがございました。
 それから、実は私学間での奨学給付金だとか就学支援金の事務の対応格差が大きいですと。これをしっかりチェック機能を果たすのが都道府県だろうと思いますが、それがうまく利いていないのではないかという懸念も私学さんからございました。
 その次のページ、最後ですが、保護者インタビューについてです。現在、1校のみということなので、このような御感想をお持ちですという参考情報にとどまると思いますが、この保護者の方のお子さんはきょうだいお二人です。下のお子さんを私立、上のお子さんを公立に通わせていらして、両方とも高校生という状態ですが、そもそも就学支援金制度を知らない保護者が多いと。奨学給付金は、「使っていらっしゃいますか」と尋ねられたら、「何ですか、それ」って聞き返されたので、説明したところ、「知らないと思う」ということでした。なお、就学支援金については学校に支払われるので、家計への効果は実感できないとの御回答です。
 それから2つ目の内容としては、手続が難しいと。きょうだいが異なる学校に通っているときに、複数枚の所得証明を取らなくてはならない、時間的負担が大きい。北海道の場合には4月と6月に2回、所得証明を取らないといけない仕組みだそうで、ダブルワークのお仕事を休まないと役所の開庁時間に間に合いませんということなので、この手続コストをどうにかしてもらえませんかと。
 さらに、この保護者さんは、当然、インタビューに御協力いただけているので、かなりきちんとされた方なので、今まで言ってきたような使い込みとかそういうことは一切されていないということです。貯蓄はできていますけど、余裕はありませんということですが、ある程度の貯蓄はできる効果はあるのだという解釈も可能です。
 それからあと4番目ですね、高校に入ってからの負担が、就学援助を受けていた義務教育段階と比べると重いと。教科書、制服費も家計負担になりますし、就学支援金を受給していても、中学段階と比較するときょうだいで年50万の支出増となっているということで、かなり重いと思っていらっしゃいます。
 5番目です、授業料以外の大学・専修学校等への進学の支援もあると助かると。貯蓄はしているけれど、夏期講習だけでも塾にと思うが、その費用も支出できず、特に入試改革がこれから始まっていくと情報ギャップがおそらく拡大していきますので、高大接続改革に合わせて保護者の、特に低所得層保護者の進学に対しての情報が得られない、どう対応すればいいのかという不安感を考えると、この悩みというのは個人的なものというよりは、進学システムの変更に伴ってより広く生徒や保護者拡大していくのではないかと思われます。
 6番目、一律の所得制限はおかしいのではないですかという御意見が出まして、保護者の方から出たところが非常に面白いのですが、「就学支援金をもらっているが、知り合いで高・大3人のきょうだいの世帯があって、所得制限を上回っているから就学支援金もらえてないけど、暮らし向きは同じように厳しいはずです」と。ちょうど選挙の時期だったので、「幼児教育の無償化よりは高大の方が家計は厳しくなるはずじゃないですか」ということで、私も奇しくも大阪の高等学校で聞きましたが、一律所得制限はどうなのでしょうかという御意見は、保護者サイドからも、学校・教育委員会サイドからも共通認識として出ているということで、面白いなと思いました。
 以上です。
【小川座長】  ありがとうございました。なかなか重い内容の報告だったと思いますが、何か質問はありますが。小林委員、どうぞ。
【小林委員】  質問というより、私、ここで出ているF高校とH高校に行ってきましたので、それとA高校も一緒に行っていますけれど、まだ先週のことなので、まとまった報告はできませんが、今の末冨委員の報告と大体同じです。ほとんどの状況は同じですが、幾つか補足的に申し上げますと、最初の情報ギャップの問題ですが、これがやはり相当深刻で、1つの高校では就学支援金の方が大体当初は3分の1が未提出で、それを学校が何回も督促をやり、その高校の場合には全て郵送でやっていると。大変なコストが掛かっているということです。そうすることで、やっと100%まで何とか持っていけると。ただし、奨学給付金の方は100%まで行くのは非常に難しいということです。そもそも理解していないし、先ほどありましたようにいろんなものがあるので、その違いが分からないと。中学のときと高校のときがどう違うのか、また、高校になって2つもあるというのは理解できていないということです。この問題は、特に日本語が分からないような保護者の場合には非常に深刻な問題になっていて、どういうふうにしているかというと、生徒にまず説明して、生徒から保護者に説明してもらうという形式をとって、それもまた学校の事務が相当入って説明しないといけない。場合によっては、所得証明を取りに行ってもらうために細かな指示を全部して、「とにかくこれを取ってきてください」ということでやっていると。そういうふうにしてやっと100%になるというようなことでした。保護者がそもそも納得もしないというケースもあるということで、どうしても出さないということがあるということでした。それが第1点の情報ギャップの問題で、これは前から問題になったことですけど、やはり相当深刻だということです。
 2番目に、1つの高校では委任を受けていますが、修学旅行とか制服については業者が完全にやっていますので、逆にそこに学校がタッチすることは非常に難しくなっているので、そこまでは100%できないということです。これはですから、委任した場合にもそういう問題が起こるということですね。
 それから3点目、事務負担の問題も、今、御説明があったとおりで、物すごく学校に対して負担を強いているということすが、それに加えて言いますと、書類の保管というのがこれから問題になるのではないかということで、毎年毎年ずっと保管しているわけですが、それ、どうするかということを考えなくてはいけなくなってきていると。
 それから、これは神奈川県だけの特殊事例だと思いますが、入力を2回同じことをしなくてはいけませんので、コピー・アンド・ペーストでやっているというようなことで、全く二度手間になっていると。それを何とかしてほしいというような意見がありました。
 簡単ですが、以上です。
【小川座長】  ありがとうございました。
 では、ほかの委員の方から何か御意見、御質問ございますか。
【末冨委員】  併せて、直接高校の就学支援制度ではないですが、特別支援教育の就学奨励費制度の所得基準とまた高校就学支援金の基準が違うので、これもまた非常に煩雑な手続を要するというご指摘もございました。これは独立行政法人の教職員支援機構で高校事務長研修をしたときに、県立校事務に携わっておられる方たちから複数あった意見でして、スタンダードが違う仕組みが幾つもあると。それに全て対応するという状況をどうにかしてもらえないだろうかということもありました。
【小川座長】  よろしいですか。大橋委員、どうぞ。
【大橋委員】  1点すみません、知識がないだけですが、中学校で支援を受けたけれども、高校で支援を受けられなかったというようなお話がありましたが、私学の中学校での支援の仕組みというのは、これまた都道府県で違うのでしょうか。
【末冨委員】  中学校はおそらく、基本的に就学援助制度というのをおっしゃっておられまして、就学援助も市町村の事務ですが、運用格差がとても大きいです。きょうだい数が多ければ、たとえば横浜市では年収600万ぐらいでも認定されます。ですが、逆に言うと、今の高校就学支援金、奨学給付金はきょうだい数の換算の仕方が前も問題になりましたけど、中学生以上でしたか。
【塩田室長】  15歳。
【末冨委員】  15歳以上のきょうだいに絞られているので、急に認定されなくなってしまうというような御世帯が出てきているというのがメーンですね。
【小川座長】  よろしいですか。
【大橋委員】  はい。
【小川座長】  制度上の問題とか事務負担の問題というのは、恐らくこれまでもずっと議論されてきて、これをどういう形で論点整理、そして最後のこの検討会議のまとめに書き込んでいくかというのは、これから少し議論してはいきたいと思います。
 他にありませんか、今の末冨委員のインタビュー調査についての内容について。よろしいですか。では、今言ったように、これから行う資料2に基づく論点整理のところで少し議論をしていきたいと思います。
 それでは、この件はこれで終わらせていただいて、次の論点の整理、資料2に基づく議論をしていきたいと思います。
 最初、事務局の方から説明をお願いいたします。
【塩田室長】  はい。それでは、資料2の御説明をさせていただきます。前回も御議論いただきましたけれども、前回の御指摘等を踏まえて加筆・修正したものです。
 まず1ページ目ですが、先生方の方から制度の理念というのがまず把握が必要であろうという御指摘がありましたので、その関係する記載をしたものです。
 就学支援金は、平成22年から法律ができているわけでございますけれども、法律の目的規定といたしましては、経済的負担の軽減を図り、もって教育の機会均等に寄与するということが規定されているわけでございます。
 また、その根拠法の提案理由として説明されていることは、ここにありますように、高校は98%の進学率で、国民的教育機関となっているので、その教育の効果が広く社会に還元されていると。よって、教育に係る費用については社会全体で負担していくべきだと。
 また、次でございますけれども、全ての意志ある高校生が安心して教育を受けることができるように、家庭の経済的負担の軽減を図ることが喫緊の課題と。
 また、国際人権規約等のものもあるということでございます。
 その法律の国会審議の場で、これは総理大臣の発言を引いてございますけれども、質問者から、低所得者に限らず、全員を無償化する必要があるのかという問い掛けに対しての答えですが、先ほどの提案理由にありましたように、教育の効果は広く社会に還元されなければならず、その教育費は社会全体で負担していくべき、そういう認識の下で無償化は行われると。また、多くの国では後期中等教育はもう既に無償としているというような御説明がありました。
 次からは一部改正法の話になります。所得制限を導入した一部改正法ですが、この提案理由です。この提案理由といたしましては、低所得世帯の生徒について経済的負担が十分に軽減されていないと。特に私学は重たいと。よって、低所得世帯の生徒に対する一層の支援と公私間の教育格差の是正を図る必要があると。ただ、厳しい財政状況であり、限られた財源を有効活用する観点から所得制限を設けるというような御説明があります。
 その一部改正法の国会審議の場で言われたことですが、2つ目のポツですが、今回の改正は、制度全体として現行法の目的を一層推進するものと。社会全体で高校段階の学びを支えるという理念を変えるものではないということで、理念自体は当初から変わっていないという御説明です。
 また、次のポツは、国際人権A規約に反するのではないかということですが、それについては、人権規約におきましては無償教育の漸進的な導入に向けてやるのだということですので、実施施策が中長期的に見てその方向に沿ったものであると認められるものであれば、違反するものではないというような認識が披露されております。
 ページめくっていただきまして、これも国会審議の際の文科大臣の御発言でございますけれども、教育費における公財政支出を増やし、経済的ハンディキャップなく多くの人たちにチャンスを提供することが我が国の発展等のために必要であり、その方向性を求めたいと。ただし、財政規律、なおかつ、幼児教育等々、トータル的に国の支援をどうするかという中で、高校段階だけ特化して補強することが難しい中、やむを得ず所得制限を設けて低所得者対策や公私間格差の是正のための配分をするものであると。
 また、特に低所得者支援については、「子どもの貧困対策の推進に関する法律」が成立していることもありまして、実質的な教育の機会均等を図るために一刻も早く実施すべきというような御発言がございました。
 その一部改正法に対する附帯決議、これ、これまで御指摘がありましたが、附帯決議の中では、将来的には所得制限を行うことなく、全ての生徒に支給することができるよう必要な予算の確保に努めるということですとか、所得制限の導入により捻出される財源については、公私間格差の縮減等々に確実に用いることというような御指摘があるということです。
 制度の現状で補足した点を御説明させていただきます。
 所得制限によって財源を捻出したと。その捻出財源によって加算措置の拡充等々を行っております。また、なお書きは、制度導入時におきましても実は税制改正を行っておりまして、特定扶養控除の上乗せ部分を廃止して財源を捻出したという経緯が制度導入時にもあるということです。
 ※のところですが、捻出財源890億の活用についてです。平成28年度予算の内訳ですけれども、私立学校の加算拡充のために655億が使われていると。奨学給付金事業は131億ということでして、また、4つ目のポツですが、所得確認のための事務費交付金事業ということで46億円ということです。前回の委員会におきましてもコスト比較、先ほどの御説明でも事務の負担が大変重いということです。国としては、事務費交付金という形で都道府県に46億円を交付しているところです。一方で、所得制限によって捻出される例えば加算拡充の事業につきましては655億円の加算をしているということでして、単純に金額の規模的に見ると便益も大きいのではないかと考えています。
 ※のところ、最後でございますが、制度導入時に特定扶養控除の上乗せ部分の廃止をしたということでございますが、その際には1,349億円の財源が捻出されたというようなことになってございます。
 続きまして、ページめくっていただきまして3ページでます。都道府県の独自支援の現状でございます。これ、先ほどの資料で御説明させていただきましたが、独自の上乗せ支援を実施していると。
 ※は本当に参考までですが、奨学給付金事業は、都道府県が実施する事業に国が補助する事業ということで、都道府県事業ということになっています。先ほど奨学給付金には事務費交付金が出ないというのは、実はここの立て付けが違っているからでして、都道府県事業ということで国からの事務費が出てないというようなことになっています。また、貸与制の奨学金事業は、既に学生支援機構から都道府県に財源も併せて移管されているという状況です。
 続きまして、関連データのところです。この関連データのところで一応整理しました。
 経済的理由による高校中退者数が減少。
 さらに、長期欠席者も減少と。私立の生徒数・割合や志願者延べ人数に占める私立の割合も、制度開始以降増加してきていると。※に書いてあるとおり、生徒数・割合が私学については増えてきていると。
 さらに、私立に通う低所得者層、ここで言う低所得者数は350万未満世帯を指しておりますけれども、その割合が6%ぐらい増えていると。
 一方で、貸与型奨学金の貸与実績は減ってきていると。
 このような関連データからの効果がうかがえるのではないかということでます。
 丸5は、都道府県・団体アンケート、これ、これまでの委員会で都道府県・団体アンケートそれぞれのアンケート結果をお示しいたしましたが、これを単純に合算した、足してみたものでございまして、制度改正、所得制限導入による効果・影響ということで、肯定的な評価をしていらっしゃるのが40団体と。肯定的評価と否定的評価を併せて記載されているのが16団体と。ただ、これは、肯定的評価もしつつ、やはり事務負担があるということで否定的評価も併せて書かれているということになっています。否定的評価のみを記載されているのが4団体と。これは主に所得制限導入による不公平感ですとか事務負担の増大ということで、4団体が挙げられているということです。
 制度充実の方向性で、これも単純に合算したものですが、優先度が高い――この青色が優先順位1位で、赤が2位という、その優先順位ごとに色分けしていますが、丸1が250万世帯層への加算拡充、これを1位に選ばれているのが多かったです。丸2が全体的には一番多いわけですが、これが250万~350万世帯層への加算拡充と。次いで3番目の350~590万世帯層への加算拡充というような御意見が多かったということです。
 それで、下の方の枠囲い、これが前回の御意見を事務局の方で要約したものですが、1点お断りさせていただきたいのが、前回の資料では国と都道府県の役割分担というのを1つ柱に立てておりましたが、この論点とかなり一体不可分だろうということで、一応一緒に併せて枠囲いの中に書かせていただいております。優先順位の高い支援は何か。また、国と都道府県が一体となって教育費負担軽減のための取組を進めるに当たり、国に求められる役割は何かというような問題提起に対して、前回の意見だと恐らくこうだと思います。支援の緊急度が高い世帯への対応が優先度も高いのではないかと。子供が複数いる場合や公立に不合格となり私学に通わざるを得ない場合もあり、590万世帯くらいまでは、独自支援にばらつきがあることも踏まえて、国がベースラインをしっかりと支えることが望ましいのではないかと。また、教育がもたらす経済効果の観点からは、貧困層への投資が一番投資効果が高いと。よって、優先順位も高いのではないかということでまとめてさせていただいております。
 続きまして、(2)「所得の判定方法」のところです。
 現状のところですが、家族構成等がある程度は反映されると。先ほど申し上げました15歳以上の子供がいらっしゃれば、家族構成がある程度は反映されると。扶養控除があるということでございます。所得確認に係る事務負担等々、生徒・保護者にとって分かりやすいものであることを考慮して、市町村民税所得割額を用いて全国一律に判定していると。
 3つ目の丸でございます。これ、これまでの委員会の中で、都道府県の平均所得等を考慮して所得基準を変えるという細やかな手当てについての御提案もあったかと思います。現行制度上、現行の運用上は、ここに書いていますように、制度が煩雑になり、事務負担が過大になるのではないかということで、それはしていないということです。例えば、特に今、生徒が県外の学校に通う場合ですとか、保護者が異なる県に在住する場合とか、こういったケースを想定するとなかなか事務負担が大変だということで、現状では全国一律の基準とされているということです。
 また、市町村民税所得割額を用いるある意味弊害といいますか、問題といたしましては、ふるさと納税等の税額控除あって、ふるさと納税をすると支援を受けやすくなると。また、標準税率以外の税率を採用している自治体もございまして、そういった場合には判定に不公平があるのではないかというような問題点がございます。
 また、繰り返しですけれども、年少扶養控除が子ども手当の創設のときに廃止されておりますので、年少、15歳より小さい子供が幾らいても所得判定には影響しないと、そのようなことになっております。そういった問題もあるのではないかということです。
 あともう1点、まる1、現状等の一番下の丸でございますけれども、ちょっとこれはお知らせでございますが、指定都市に係る県費負担教職員の給与等の負担が都道府県から指定都市に移譲されることになっています。このために、指定都市の個人住民税の標準税率が、道府県民税は現行4%が2%、市町村民税が現行6%が8%ということで、政令市に限っては標準税率が変わるということになりまして、これ、今までどおり市町村民税取得割額を単純にやると、政令市だけ基準が8%になっちゃうということで違ってくるという問題がございます。これに対応するために、現在のところ、道府県民税と市町村民税の合算額で判定するという方に検討中ということでございます。
 枠囲いですが、判定基準を「課税所得金額」に変更することにつきましては、前回の委員会では妥当ではないかというような御指摘があったと思います。一方で、家族構成等をより勘案できる基準とすることにつきましては、兄弟姉妹の数をより一層考慮できる制度にすべきではないかという御指摘があったと。海外在住の場合はもう少し関連情報を集めてみようという話です。
 ページをめくっていただきまして、6ページです。「支給期間等の上限」の話です。これ、前回も説明したかもしれませんが、一応、現状どうなっているかということですが、支給期間は36月となっていると。単位制の場合は74単位と。この理由といたしましては、一定の修業年限や修得単位で卒業する者が受けられるお金の総額との均衡の観点ということと、留年者などに対して無制限に公費を支出し続けることがないようにする観点でこういうことになっているというものです。
 一方で、休学の場合は、生徒が申し出たときには、休学期間は在学期間としてカウントされないと、このような仕組みになっております。
 一方で、高校を過去に中退して、改めて高校で学び直す者に対しましては、通算して36月を超えた分については予算補助をしているということです。ただ、支援対象は24か月以内という制限は付いていると。
 このような現状でして、都道府県の独自支援の現状は先ほど御説明したとおりです。枠囲いの中にありますように、都道府県の独自支援の制度運用を踏まえつつ、支援の在り方を検討してはどうかというのが前回の御指摘だったと理解しています。
 ページをめくっていただきまして、「事務負担の軽減、その他」というところで、事務負担の重さにつきましてはいろいろ御指摘があるところです。これは前回の説明と繰り返しになりますが、丸1、現状等の最後の丸のところにありますように、マイナンバーに対応した事務処理システムというのを導入予定でして、これが導入されましたら、生徒・保護者は、課税証明書を含む関係書類の提出が現状では3年間で4回必要でありますが、原則としてマイナンバーカードの写しを1回提出すればよいようになると。また、職員が行っている確認も自動判定が可能になりますので、負担の軽減にはつながるのではないかと思っておりまして、枠囲いにありますように、これを柔軟で分かりやすいシステムとするようにしていきたいということです。
 ページをまためくっていただきまして、続きまして奨学給付金の話です。
 これも制度理念ですが補助金事業でございますので、例えば補助金の交付要綱ですと就学支援金と同じようなことが書かれているということです。
 また、国がよく予算説明資料で書いていることは、低所得世帯の授業料以外の教育費負担を軽減するものだというようなことが書かれていると。
 この制度ができるに当たっての与党間合意、自民党と公明党の間の合意事項で書かれていることといたしましては、子どもの貧困対策の法律の趣旨に基づいて、低所得者層の教育費負担の軽減を図るということが書かれていると。
 一部改正法の提案理由も同じようなことが書かれております。一部改正法も、これも基本的には低所得者層の経済的負担の軽減ということが制度の理念としては挙げられているものでございます。
 まる2の制度の現状のところですが、先ほど第1子と第2子以降と分かりにくいということでした。現状でございますけれども、第2子以降、括弧して更に言うと、15歳以上23歳未満の兄弟姉妹がいる場合に限定されますが、それは給付額が違ってくると。8ページと9ページでページが分かれていて見にくくて恐縮でございますが、9ページの方は、実は制度開始時はこうだったということでございますけれども、制度開始時は第1子が3万7,400円、私立は3万8,000円だったということですが、8ページ見ていただけるように、現状では第1子でも7万5,000円ということで、かなり増額はしてきておりますが、ここにありますように第2子以降との差はまだあるというのが現状です。
 続きまして、9ページの給付額、奨学給付金の予算積算上の話をもう少し簡単に御説明したいと思います。予算積算上は、子供の学習費調査でいうと、学校教育費のうち教科書費、教材費、学用品費、通学用品費、教科外活動費――基本的には課外の部活動を含むクラブ活動といったものがメーンですが、また、生徒会費、PTA会費、入学用品費につきまして、子供の学習費調査の金額を参考に設定しているものです。ただし、※にありますように、第1子の方は子供の学習費調査の金額に比べまして、この3つの費目では安い単価又はゼロの単価になっているという現状でございますが、第2子以降の単価設定といたしましては学習費調査とほぼ同額になっていると。生活保護世帯につきましては、生活保護で措置されますので、そこは除きまして、生活保護で措置されない修学旅行費分のみ給付していると。ただし、実はねじれていますが、修学旅行費が出されているのは予算積算上は生活保護世帯だけで、それ以外の世帯には予算積算上は修学旅行費は積まれていないと。また、いろいろとこれまでに御指摘があった通学費につきましても、予算積算上は積まれていないと。これは、通学費についてはかからない子、かかる子、まちまちなので、なかなかそういう問題もあるのかとは思いますが、そういう現状です。
 丸を3つぐらい飛ばしまして、都道府県の円滑な制度実施に資するよう、国が標準的な事務処理の手順等について記載した手引、これは先ほど御説明しましたが、手引には、領収書等による使途の確認は補助要件としないが、学校への委任により、「授業料以外の教育に必要な経費」と相殺を行うなど、確実に活用されるような取組を推進すべき旨が記載されて都道府県には配付しているという現状です。
 都道府県の独自支援ということでは、貸与型奨学金は都道府県事業としてされているということです。
 関連データのところですが、子供の学習費調査によりますと、旧制度開始の平成22年以降、奨学給付金の予算積算上の費目については大きな変動はないという現状ですが、一方で、学校活動費は増加しているということです。※にあるように、特に学習塾費といったものが増えているということです。
 続きまして、ページめくっていただきまして10ページです。奨学給付金のアンケート調査を都道府県と団体を合算したものです。ここにありますように、優先度が高いとされたのは第1子の支給額の引上げと。次いで、1位に選ばれた数が多いということでまる4の非課税世帯以上層への支給対象の拡大ということになっています。
 先ほど御指摘があった中学段階と高校段階のずれという意味では、中学段階は就学援助ということで、特に準要保護世帯については自治体が独自にされているということで、かなりばらつきがありますが、少なくとも非課税世帯以上の世帯も対象になっているケースが多いと思いますが、高校になった場合は、奨学給付金は非課税世帯に限定されますので、非課税世帯以上の方で就学援助を受けられていた方が奨学給付金の対象にならないということが起こり得るということでございます。
 続きまして、枠囲いのところですが、これ、前回の御意見をまとめたものです。第1子の支給額を引上げ、第2子以降との支給額の差をなくすことが望ましいのではないかと。また、学校に未済・滞納があるような場合は、学校が代理受領することを推奨することも検討してよいのではないかと、このような御指摘であったと理解しています。
 続きまして、情報ギャップ問題です。これは先ほど御説明した在住地と在校地が混在して、2つの制度がまちまちになっているという現状があるということです。
 11ページの方で※のところに書いています。先ほど資料1で御説明したとおりでして、流入県と流出県では選択する傾向が違ってきているということです。
 枠囲いの中で、この情報ギャップ問題については、在住地・在校地をどうするかということは特に前回では御議論がなかったかと思いますが、少なくとも中学段階からの周知方法等についてはしっかりとした検討が必要ではないかということで、それを書かせていただいています。
 次に、「事務負担の軽減」というところです。
 現状等の2つ目の丸であるように、補助事業であるので、国からの事務費は交付していないという現状があるということです。
 前回、マイナンバーの事務処理システムをこの奨学給付金にも活用を検討すべきでないかというような御指摘があったところです。なかなか現状のシステム上、給付金を入れ込むというのが難しそうではありますが、支援金での運用のために得られたデータを給付金に活用していくということも可能ではないかと思いますので、そういった方向性で少し検討してみたいと思っております。
 あとは御参考までに、これまでずっとリバイスしてきた論点例は参考までに付けています。前回頂いた御指摘は基本的には議論の整理の方に埋め込んだつもりであますが足りない部分があれば御指摘いただければと思います。
 説明は以上でございます。
【小川座長】  ありがとうございました。今、事務局から説明あったように、この論点の整理、資料2については、この検討会議の最終的なまとめのある意味ではたたき台になるものです。ですから、これまでいろいろ意見が出てきていたものを、今回、この協力者会議のまとめとしてある一定の改善の方向性を示していきたいという内容を今説明があったように、各項目の枠組みの中に書いております。今日の主要な議論は、この枠の中の内容について最終的にこれでいいかと。やはりこれでは足りないのではないか、もう少しこの点付け加えてほしいというような御意見もあるかと思いますので、そういうことも含みつつ、それを主要に議論して頂ければと思っています。また、全体の構成、内容等々についても、御意見を頂ければと思います。さらに、12月に予定している協力者会議で恐らく委託事業の調査研究の結果が報告されると思いますので、その結果についても随時、今日皆さんに検討していただくこの内容に組み込んでこの協力者会議の最終まとめにしていくという、大体そういいたスケジュールというか、手順になると思いますので、その点は一応御了解いただければと思います。
 それでは、どういう形で進めていきましょうか。一括してやるというのは少し大変なので、最初、就学支援金関係と8ページ以降の給付金関係を2つに分けたいと思います。また、就学支援金も論点が多いので、やはり最初は(1)の「制度見直しを踏まえた支援対象や支給額の在り方、国と地方の役割分担」、1ページから4ページまでを最初にまず議論して頂いて、次に、(2)の「所得の判定方法」から7ページまでですね、(4)まで議論して、最後に8ページ以降の奨学給付金、これを一括して議論すると、そういう手順でこれから意見交換していきたいと思います。よろしいでしょうか。
 最初、就学支援金の(1)「制度見直しを踏まえた支援対象や支給額の在り方、国と地方の役割分担」ということで、1ページから4ページの内容についてまず御意見を伺いたいと思います。どなたからでも構いません、いかがでしょうか。はい、濱中委員。
【濱中委員】  今、小川先生が分けていただいた区分に入る前に、全体的なことで教えていただきたいことがあって先に手を挙げさせていただきました今回、末冨委員から現場の声を御報告いただきまして、やはり生の声というのはとても力強いものがございまして、こちらが看過しがちなところも改めて教えられたように思います。
 ただ、改めまして、主な論点についての説明を受けてみますと、なかなか表現が難しいのですが、文科省がこれまでなさってきた対応についてもよく理解できるわけです。といいますのは、財源に限りがあるという現実を目の前にしたとき、高所得層への援助は必要ないのではないかという疑問があがってくるのは、やはり根強い動きとしてあるように推察されます。むしろ、教育を社会全体で支えていくという普遍主義的な考え方ではなく、教育はりあくまで家庭の問題であって、援助が必要な家庭にのみ援助をという判断のほうが一般的であるように思うわけです。そして「一部の層への援助」というレベルの課題になりますと「制約」という発想が生じます。「36か月というような期間を設けるべききょうだいについてもどこに重点的な援助をするのか考慮すべき」。適切な表現ではないかもしれませんが、文科省のこれまでの対応は、こうした判断が渦巻く中での苦肉の策といいますか、ウルトラCといいますか、そういったもので、その積み重ねによって制度が複雑になってしまった。今、その複雑さが問題になっているということだと思います。そういったことを考えたときにうかがっておきたいのは、これまでの会議で共有してきた問題点というのは、ある意味、文科省の想定の範囲内のものだったのか、ということです。つまり、こうした問題が生じるということが予想されたとしても、それでも実行に移さなければいけない対応だったのか。そうなのだとすれば、これら問題点があったとしても、簡単に手は加えられないというロジックも一つ成立するように思うからです。ただ、一方で、文科省側にとって、想定していた以上の問題があがってきたということであれば、景色は大きく変わってきます。大変恐縮ですが、その辺あたりのご意見を頂戴できればと思います。
本来であれば、制度というのは単純であればあるほどやりやすいものです。そして、教育というものは、今、大学の無償化も課題として挙がっていますけれども、やはり教育が消費だけではなくて投資というような意味を持っている以上、できるだけ社会全体で支えてあげるという方向性がこれからの在り方の一つだと私は思っていますし、実際に諸外国はそうしているところも多いです。こうした観点から考えたとき、では、普遍主義の考え方を貫くにあたって一体何が一番の障壁になっているのか。今回、私たちが議論している問題は、その最大の壁についても認識しておく必要があるように思います。現在の所得制限の在り方だと、この層が不利になるので対応しなければいけない、というイタチごっこのような議論を超えた理解が必要だと思っています。さきほどの「想定内の問題点かどうか」ということと同時に、この「障壁」についても、もしご意見があれば教えていただければと思います。
【小川座長】  いや、今、濱中委員がおっしゃったことは、この協力者会議の最終まとめを、どういう共通の確認の下で、どういった方向を向きながらまとめていくかという、その辺のところに関わる非常に重要なことだと思います。ただ、この協力者会議は文科省からある条件の下での制度設計を委託されている会議ですので、ある程度文科省の方の意向を確認することは必要だと思います。
【塩田室長】  まずは私の方から。
【小川座長】  塩田室長で宜しいでしょうか。
【塩田室長】  いや、後ほどあると思いますが、まず前提としての認識といたしましては、先ほど資料の2ページの附帯決議のところにありましたように、「将来的に所得制限を行うことなく、全ての生徒に支給することができるよう必要な予算の確保に努めること」ということは附帯決議に言われておりますので、その方向を目指す。さらには、国際人権A規約の話もございますので、そういった方向を目指すということ自体は全然問題ないといいますか、国としてもそういうものだということだと思います。ただ、先ほどの同じ2ページの一番上の黒ポツにあります文科大臣発言にありますように、財政規律とかトータル的に国の支援をどうするかという中でなかなか難しいということでやったと。更に言うと、ここに記載ありませんが、民主党政権のときの制度では、なかなか低所得者の負担がまだまだ重過ぎるという問題も更にあったと。そういった中で高所得者に御負担いただきながら低所得者により手厚い制度にシフトするというのをしたということでございます。これがまず大前提として、あとはすみません、いろいろと大所高所の方から。
【小川座長】  伊藤課長か局長ですかね。
【伊藤課長】  様々な問題点が、想定の範囲内かどうかという話ですけれども、もちろん生の声として本当切実な声を今回御報告いただいたということで、私ども、しっかり受け止めなければいけないと思っています。
 ただ、同時に、度合いの問題はございますが、こうした課題というものは、やはり所得制限を設け、また、その所得ごとに応じて給付額というものを定めていくということに関してはどうしても発生する部分であるという点もありました。
 同時に、私ども、これはうれしい面で、少し見込み違いも出てきた点として、この制度を、国が導入後、各都道府県が教育費の負担軽減に向けて都道府県として独自の支援をどんどん上乗せをしようと、一生懸命お取組を頂いた。都道府県ごとに大きな差はあるわけでございますが、そのことが逆に言うと、よかれと思ってみんなやっていることではありますが、いろんな制度が複雑に出てきて分かりにくいとか、若しくは所得の階段によって支援額が急にガクンと下がるような崖が出てきている部分があるというような問題については、私どもが支援制度を導入したときよりも各自治体の取組が進んだことによって浮き彫りになった点は、私どもが事前に把握をし切れていなかったことはあると思っています。
 同時に、それが実は事務の負担の中でも、私ども、やはり国費として行う部分について責任を持って事務費交付金は確保して、これが今、足りないという状況はないわけでございますが、同時に、それぞれの現場に行くと、これは国の支援だからとか、都道府県の独自支援だからということに関して、やはり現場感覚としてはなかなか割り切れないというか、そうはいかないよというのもあります。ただ、同時に、これは会計検査等の関係もありますので、事務のどこの部分に対して国費で充てて、都道府県独自施策として都道府県費を充てるというような部分について、どこかに線を引かなければいけない。そこの部分をもう少し我々が自治体とキャッチボールをしながらうまく円滑にできるよう関係を成熟させていかなければいけないのかなと思っています。
 あとは、根本的に、税の捕捉というか、所得の捕捉というか、ここの部分に関しては、この委員会はもちろんですが、文部科学省としてどうこうできない部分として、我が国において根本的に一つの課題というのはあるのではないかとは思っていますが、現実には、今の制度を前提にしながらどうやってアジャストできるのかなという点について、委員の皆様からもいろいろ御意見を頂きながら、我々もできる範囲の改革はしっかりやっていきたいと思っています。
【濱中委員】  はい、ありがとうございました。
【小川座長】  濱中委員、それで納得というか、そういう現行制度をベースにしながら可能な限りでの調整を図るという基本スタンスでということで了解をいただけるでしょうか。
【濱中委員】  分かりました。少し景色が見えてきたような気がしますけど、今、伊藤財務課長がおっしゃった各自治体との連携という視点も含め、私自身、改めて考えていきたいと思います。ありがとうございます。
【小川座長】  それでは、そういう基本スタンスでこの協力者会議のまとめに向かって少し議論していきたいと思います。今日はそのたたき台として議論の整理が出ていますので、先ほどの枠組みで進めていきたいと思います。
 ただ、今までの議論を考えますと、4ページのこの枠囲いのところに、所得制限の撤廃等々について将来的にはその辺のところも少し検討していくというふうな表現、どういう表現でいいか分かりませんがそういうことも4ページの枠の中には入れておいた方が、これまでの協力者会議の議論の内容を反映するものと思いますので、その辺は工夫してみたいと思います。
 はい、大橋委員、どうぞ。
【大橋委員】  よろしいですか。すみません、ありがとうございます。
 今、御説明あったとおり、お話を伺って、理念と、あと現実というか、予算上の制約から来る現実とにずれがあるということだと思いますが、この囲いで言うと、4ページ目ですけれど、よって、その制約がある中でどこに重点的に支援をするかということを判断しなければならないと。支援の緊急度が高いところというのは貧困層であって、その投資効果は高いと記されているわけですが、実のところ、そのサポートするデータが何かというと、都道府県のアンケート調査であったり、あるいはデータとしてあるものにしても経済的理由による高校中退者の総数ということで、実は判断するデータというのは存在していないのではという感じが少し気にはなっています。この貧困層の投資効果が高いというのは、直感的に、感覚的には皆さん賛同する方多いと思いますが、他方で、では所得制限はどこまでにするのといったときには、急にぼやけてしまいます。抽象的には理解はするものの、やはりどこかで線を引くときの説明をどうするのかというところについてはやはり弱いのかなと。やはりこれは、受給者が受給者以外と比べてどうだったのかという話をしないことには、議論が実はぼやけたままになってしまう気はします。現状、データとかそういうものをとられてないことというのは重々承知しているのですが、ただ、今後、国も3分の1補助している限りにおいては、そこの辺り、何か手引書とかいろいろあるとおっしゃっていますが、何か要綱の中とかにしっかりと成果が生み出されているということを捉えられるようなデータ収集、これでまた事務負担が増えると恐縮なのですが、ただ、やはり現場としても効果があるのだということを定量的に明確に知ることというのはやる気にもつながるしという部分、多分あるのではないかと思います。そういう意味で、今後の話になってしまいますが、そういったところも検討の余地があるかどうかというところだと思います。
【小川座長】  今、大橋委員がお話しされた検証データの追加ですけが、これは今、文科省がやっている例の委託事業の調査研究で12月にそういう少しでも役立つような何かデータは出そうですか、小林委員。
【小林委員】  なかなか難しいということは前回も申し上げたとおりですが、幾つか少し前もサジェスチョンいただきましたので、ディファレンス・イン・ディファレンス分析のようなことを少しやろうかということで、どこまでできるか分かりませんが、やろうとはしています。
 今の点に関してですが、理念論と財政的な制約というような話は、これはもう所得連動型のときにさんざんやっていまして、ただ、ここでも、最初に塩田さんが言ったように、理念としてはこういう方向に向かいますと。しかし、現実的な制約の中で今のところはこうなっています、しかし、ここをこういうふうにしましょうと、そういう立て方にこの報告書はするべきだと思っています。財政的な制約とか現実的な制約ばかり言ってしまうと、かえって動けなくなってしまいますから、やはり方向としてはこっちだということははっきり出しておくというのは非常に重要だと思っていますので、その上で議論。それで、今、大橋委員が言われたように、エビデンスを出せばいいんですけど、そこが一番難しいわけです。
 ただ、私、少し気になっているのは、4ページの丸囲いの方が最終的に残る部分なので、今、小川座長は、最後のところですけど、「貧困層への投資が一番投資効果が高い」というところですが、これ、こういう議論しましたっけ。私、あんまり記憶がないのですが。
【小川座長】  してないです。
【小林委員】  それで、これはどういう意味で…。
【塩田室長】  すみません、これは実は前回、柴田委員がこういう御発言をされたので、そのままそれを拝借してしまったので、事務局として何か根拠を御用意できてないという。
【小林委員】  これ、かなり微妙な表現です。つまり、貧困層が例えば進学することによって、意欲も能力もある人間がウェステッジにならない、浪費しないというような意味で言っているのであれば、そのとおりだと思うのですけれど、貧困層への投資が一般的に投資効果が高いというのはかなり誤解を生むような表現なので、もう少し柴田委員に聞いて丁寧に書いた方が、ここがかなり重要な部分になっていますので、お願いいたしたいと思います。
【小川座長】  今の指摘は確かにそうですね。表現を正確に書き込んだ方がよろしいかと思います。
 ほかに。時間も余りないですが、小河委員、どうぞ。
【小河委員】  私は、今御議論いただいたとおりだと思っていますが、とりわけ先ほどの普遍主義という理念とともに、今、先ほど末冨委員からもお話がありましたように、特に子供さんが多い家庭の負担が非常に強いというところがあるので、この590万円というところを具体的に出していただいているところはとても分かりやすいのですが、590万円でも、子供さんお一人の場合と子供3人の場合の負担感というのは全然違うというところもあると思いますので、特に多子世帯に対する配慮というのは抜き出してでもいいのではないかというように感じております。
【小川座長】  ありがとうございました。
 はい、どうぞ。
【末冨委員】  貧困層の優先度が高い話ですが、恐らく高校生段階であればやはり自立支援ですね、就労・就職含めての自立につながる支援に投資されないと効果にはならないので、在学中経費はある程度賄えているというのは恐らくインタビューでもアンケートでも出てくるのではないかと思うのですが、その視点を付け加えないと、これ以上の在学中経費の積み増しが例えば概算要求なんかで認められるとは思えないので、どういう視点を持って投資するかをもう一回考えた方がいいかなとは思います。
【小川座長】  時間もないので、(2)以降ですね、7ページまで議論あれば。はい、小林委員、どうぞ。
【小林委員】  今の小河委員のところと同じ問題ですが、5ページのところで家族構成をより勘案できるような基準にするということですが、先ほどありましたが、例えば上の方で年少扶養控除がなくなったというのは、これはそのとおりですが、一般的な被扶養者の控除というのは残っているわけですね。ですから、ここも書き方の問題ですが、所得判定には影響しないというのは少し言い過ぎで、一応は考慮されているわけです、その部分だけは。それでいいですかまず。現在、全くないです。
【塩田室長】  はい。
【小林委員】  被扶養者控除もなくなっているのですか。
【塩田室長】  0歳から15歳までの子供については控除一切ないですね。
【小林委員】  すみません。では、私の方がそれは勘違いです。そうすると、ますますそれを独自に入れる必要があるということを下のところに書いていただきたいということです。今の課税証明ではそれが反映されていないということですね。
【塩田室長】  はい、そうです。
【小林委員】  よろしくお願いいたします。
【小川座長】  ほかにどうでしょうか。じゃあ、支援全体でどうでしょうか、就学支援金全体。はい、どうぞ。
【末冨委員】  すみません、6ページの超過部分の取扱いですが、これは、基本的にはやはり学校長が卒業に至るまでに延長が必要と認めた者に対しては、12か月援助はした方がいいのではないかと思われます。もちろん、学校長が意見書を出さなければ不要と思いますが、この仕組みを導入されている都道府県ですと、あと少しで卒業というところでの取りこぼしをしないために12か月延長しておられるので、それも必要な者に限ってということですから、その辺りは追記をお願いいたします。
【小川座長】  趣旨は恐らく制度運用を踏まえつつというようなことなので、その支援の在り方についてはもう少し要件のところは具体的に書いた方がいいという趣旨だと思いますので、よろしくお願いします。
 では、時間もないので、よろしいですか、就学支援金の方。一旦ここで終わって、今度は8ページ以降の給付金関係についていかがでしょうか、全体通じて。給付金関係。小林委員、どうぞ。
【小林委員】  9ページの子供学習費調査の話ですが、これは前も申し上げたと思いますが、これ、所得の方が分かっていますので、所得階層別に出したデータって国研からたしか出ていますので、そういうのを使うと、先ほど大橋委員が言われたようにエビデンスが乏しいので、補強するエビデンスになると思いますので、それは見ていただければと思います。
【小川座長】  その点、よろしいですよね。
 ほかにいかがでしょうかね。小河委員、どうぞ。
【小河委員】  10ページのところです。正に第1子と第2子以降の差をなくすということは本当に有り難いことで、是非ともと思っておりますし、私も何度か申し上げていますが、入学のときの費用というのが非常にかかる。生活保護以外の世帯に対しては何の支援もないので、この辺りについても是非検討ということでも結構なので、入れていただけると有り難いと思います。
【小川座長】  はい、どうぞ。
【末冨委員】  10ページの「学校が代理受領する」の前ですが、「学校に未済がある場合は」ではなくて、これ、本来の制度の趣旨である授業料以外の教育費負担を軽減するためですよね。費目にすれば学校での活動に要する経費であるので、「学校に未済がある場合は」というよりは、制度の趣旨に照らし合わせ、生徒の高校在学中の教育費負担を軽減するために代理受領も検討すべき」のように、本来の制度の趣旨に照らし合わせれば、恐らく保護者に一律渡すということ自体もかなり疑問であるとインタビューを通じてより強く思いましたので、この辺りの表現は少し御検討いただければと思います。
【小川座長】  はい、分かりました。
 ほかにいかがですか。あと、先ほど室長の方からも、11ページの事務負担の軽減のところで追加説明ありましたが、マイナンバーのデータについては給付金の一部書類等々においても活用していく可能性を検討するというのは是非記入していただきたいと思います。皆さんに御意見を頂きたいのは、11ページの上の方の情報ギャップのところで、いわゆる在住地主義かと在校地主義かの問題です。
これをどういうふうに書き込むかですよね。恐らく事務局の方は、先ほどのいろんなアンケート結果で見ると、国庫負担の問題も絡んで、今、都道府県の意向は半々ぐらいに分かれているので、半々ぐらいに分かれている現状に対して文科省としてこういう方向に行くべきだというようなことは、恐らくこの会議のまとめの報告書ではなかなか書けないというふうな判断だと思うのですが、私はその判断は適切だと思うのですが、ただ、この辺はどういうふうに書くのがよろしいかというのを、皆さんに少しお聞きしたいのですが。はい、どうぞ。
【末冨委員】  受給漏れをなくすことが目的であるとするならば、やはり在校地主義が基本だと思います。未納の督促や提出してくださいというのも全て学校通じての手続になりますので、なので、視点を限定して、受給漏れをなくす点からは在校地主義が望ましいというような書き方であれば、もしかして納得いただけないかなとは思われます。ただ、実際、確かに在住してないのに何でお金出さなければいけないという問題はクリアできないわけですが、この制度の趣旨自体が高校生を支援するということですよね、原点に立ち戻ると。だとすれば、受給漏れをなくすことが制度運用のゴールのはずなので、そのゴールに向けての在校地主義というのは、私個人は望ましいのではないかと考えています。
【小川座長】  今の点を含めて、給付金全体についてほかにございますか。小河委員、どうぞ。
【小河委員】  私も正に今のことで、やっぱり子供にとって、高校生にとって、あるいはお母さん方にとって、どういう制度が一番望ましいかという観点でというところが大切かなと思っています。そういう意味では、これ、難しいところだと思いますが、さらに、先ほどの調査からでも、国からの支援と、国庫補助の問題が出てくるかと思いますので、そういったことに関してもより増やしていくという方向性をもし書き込んでいただくことが可能であれば、そういう方向も添えて在校地主義というようなものもどうかと思います。
【小川座長】  はい、分かりました。
 小林委員、どうぞ。
【小林委員】  情報ギャップの問題について、中学段階からの周知方法だけになっていますが、これは、先ほど来、報告したように、かなり深刻な問題ですので、もう少し中学校以外も、高校あるいは国・都道府県がやることはもっといっぱいあるはずなので、先ほど説明しませんでしたが、先ほど末冨委員が出された大阪の例よりも神奈川の例で言うと、とにかく「お金がもらえます」という1行だけ書いてあるという、それぐらいのことをやらないと申請してこないというのです。ですから、それぐらいのこと、どうするかは別ですが、考えていただければと思います。
【小川座長】  濱中委員、どうぞ。
【濱中委員】  先ほどの在住と在校の件ですけれども、資料1として頂いた5ページ目と6ページ目ですが、この結果はものすごくクリアだなと思っていまして、流入者が100人以上のところだと在住主義を主張するというのは、要は、厄介な事務作業を増やしたくないという声がこうしたところで起きる、というなんだと思います。それだけ事務作業が大変だという証拠でもありますので、こうした点について触れた上で、他方でここまでの流入がないところからは、今の言葉で言うのであれば「生徒ファースト」ともいえる在校地主義が望ましいという声があがってくる。そのような複数の動きについて解釈も含めながら書いておくことが大事ではないかと思います。
【小川座長】  はい、分かりました。
 それでは、全体通じて。はい、どうぞ。
【末冨委員】  全体通じて幾つか思い付くものですが、まず、11ページの情報ギャップ問題ですが、学校現場で言われたのは、制度の名前が似過ぎていると。就学援助、就学支援金、奨学給付金が似ているので、名称を分かりやすく分けて、例えばA、B、Cみたいな形でよいのですが、特に漢字に弱い保護者層がかなり増えているので、分かりやすい名称も含めて御検討いただければということです。もう一つですが、5ページの所得の判定方法のところですが、インタビューでも申し上げましたとおり、最困窮世帯であるとか、あるいはDVシェルターに入っているような世帯は所得証明ができない状態ですので、やはり特殊事例ではありますが、例えば日雇い労働者の方たちも基本所得証明ができないタイプの労働をされているケースが多いので、やはり「困窮度が厳しい世帯については学校長認定等の仕組みの整備も検討すべき」くらいの表現を入れておいていただく方が、一番厳しい層の取りこぼしをなくすということにはつながるかなと考えます。
 以上です。
【小川座長】  はい。
 では、最後に濱中委員、どうぞ。
【濱中委員】  10ページ目のところ若しくは4ページ目のところもそうですが、優先度順位が高い順に3つ選択されたグラフが出ていまして、これは、私もアンケートをよくやりますけれども、結構書き方が難しい、表現の仕方が難しいところがあるのが実際のところです。例えば10ページで言いますと、1番、2番、3番、4番ということで、優先度の1位に挙げたところだけ見ればまる1が一番大事だというようなデータにはなっており、まる3の優先度は一番低い。でも、二番目の優先度まで含めてみると、まる3の必要性を主張する声というのは、決して小さくないわけです。そのような点にも留意できる表現を追加しておくことが大事になってくるのと思います。

【小川座長】  はい、ありがとうございます。
なければ、時間ですのでこれで終わりたいと思いますが、今日頂いた御意見については最後のまとめの案として反映できるようにしていきたいと思っています。
 それでは、次回の日程についてよろしくお願いします。
【塩田室長】  はい。次回ですが、12月7日11時を予定してございます。11月は1回飛ばしまして、12月に2回開催させていただきたいと思っておりまして、12月は7日にまず1回目を行います。と申しますのは、一応、年内に中間報告的なものをまとめるというようなお約束をしている関係上、12月7日に委託調査事業の中間的な御報告を頂きまして、それを踏まえて再度12月にもう一回開かせていただきまして、一定のものを取りまとめたいと考えてございますので、よろしくお願いいたします。
 あと、本日お配りした机上配付資料、制度説明資料については取り扱いには御注意いただきたいということでございますので、どうぞよろしくお願いいたします。
【小川座長】  よろしいですね。では、11月は委託調査のいろんなまとめ等々で時間も要するというようなこともありますので、11月は開催しないということで、その辺も御了解いただければと思います。
 それでは、これできょうの会議は閉会いたします。ありがとうございました。

―― 了 ――

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