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SNSを活用したいじめ等に関する相談体制の構築に係るワーキンググループ(第1回) 議事要旨

1.日時

平成29年7月13日(木曜日)15時00分~17時00分

2.場所

文部科学省15階 15F特別会議室

3.議題

  1. 事業者・先進自治体から、各者の事業(現在実施しているSNS相談の仕組み又は構想しているSNS相談の仕組み)についてプレゼンテーション
  2. 質疑応答、論点について議論

4.出席者

委員

尾花委員、栗原委員、高田委員、齋藤委員、水地委員、竹内委員、針谷委員、笛木委員、三坂委員、森田委員、淵本様(森近委員代理)、八並委員、横山委員
【ヒアリング対象者等】
アディッシュ株式会社スクールガーディアン事業部、柏市教育委員会生徒指導室、ストップイットジャパン株式会社、
ダイヤル・サービス株式会社、特定非営利活動法人チャイルドライン支援センター、FacebookJapan株式会社、LINE株式会社

文部科学省

小松文部科学審議官、下間大臣官房審議官、坪田児童生徒課長、松林生徒指導室長、髙橋課長補佐、北﨑生徒指導調査官、山本専門官

5.議事要旨

≪議題(1)事業者・先進自治体から、各者の事業(現在実施しているSNS相談の仕組み又は構想しているSNS相談の仕組み)についてプレゼンテーション≫
 ※事務局より資料2、3を説明。
【主査】  それでは、はじめに柏市の教育委員会生徒指導室、ストップイットジャパン株式会社からお願いします。よろしくお願いいたします。
【柏市教育委員会生徒指導室】  本日はSTOPitアプリの導入について、お話したいと思う。時間がないが、たくさん資料を作ってしまったので、参考にしていただいて具体的なところから進めたいと思う。
 柏市は約3万人の児童生徒がいて、中学校は20校、小学校は42校ある。いじめの件数は資料にある通りだ。一番気にしているのは、中学校1年生のいじめの件数が多いところである。これは全国的にも同じような傾向だと思う。特に1年生が多くて、そして1年生の深刻ないじめが多く発生している傾向にあるので、この1年生に対して何かしたいという思いが強い。
 スマートフォンの所持率である。資料にあるのは小6、中2、高2の所持率だ。大体経年で抽出してとっているが、3年前から約3倍に所持率が上昇している。
 次にLINEである。LINEも、SNSも、資料にあるように72%だ。スマートフォンの所持率よりこのLINEの使用率が高いのは、いろいろなタブレットなども使いながらLINEをやっていることではないかと思う。
 これも学警連で調査したが、悩み事を誰に相談するのかというところで、資料にあるように家族や学校の友人が一番多いが、例えば「相談しない」が3番目にあったり、相談電話やメール相談はほとんどしないという現状である。
 次の資料は、問題行動調査の中のいじめられた生徒の相談状況だ。担任が一番多いが、誰にも相談しない生徒が59名、これは中学生だから、1万人の中の59名が誰にも相談しないという、ここの子供たちのセーフティネットをどうにかしたいということも、このアプリを導入したきっかけとなっている。
 柏市の教育委員会のいじめの相談で現在やっているものには「やまびこ電話相談」と「いじめeメール相談」がある。周知の方法として、市内の小中学校の全クラスに啓発ポスターを配布している。そして、市内の全生徒に啓発カードを配布している。そして、小学校6年と中学校2年の全クラスで実施する情報モラルの授業の中で、この両方の相談窓口を周知している。ところが、もっと周知が足りないと言われればそうだが、電話相談は昨年度24件、これは中学生だ。Eメール相談に限ってはこの3年間で7件しかない。ここのところが課題で、何とかしたいと考えていた。
 いじめに向けた取組だが、26年度に柏市のいじめ防止の基本方針を策定して3年経過したので、今年度改定したものをホームページにアップしている。その基本理念は、子供がいじめを苦に自らその尊い命を絶つような事態は何としても防がなければならないという強い決意で取り組むという思いだ。柏市の3万人の児童生徒が、1人でもそういうことがないようないじめ防止対策にしたいと、いじめ基本方針の改定をさせていただいた。
 最初に紹介させていただきたいのが、いじめの早期発見と抑制力を生み出すための教育で、これは後でストップイットジャパンから紹介していただく。内容は映像教材を使って中学校1年生を対象に傍観者に視点をあてた授業で、全クラスで行った。次にSTOPitアプリの導入である。これは生徒が持っているスマートフォンやパソコンやタブレットからワンタッチで、柏市の教育委員会の中の補導センターと生徒指導室に直接いじめの報告・相談ができるアプリで、これを導入した。
 6月8日から順次子供たちに紹介して開始している。相談件数が現在22件だ。中学校1年生が20件、中学校2年生が2件、やり取りの回数が合計、出して戻ってを1回、2回と数えたところ、今現在のところ97件。うち重大な事案が1件、これは法で定めた重大事態とは違って、このアプリのフローチャートの中の重大事案である。また緊急の事案が12件、緊急でない事案が9件だ。
 主な相談としては、SNS上の悪口が2件、あと普通の悪口が6件、それと教師の暴言についての相談が1件あった。あと仲間外れが1件、いたずらが3件、「このアプリ、今日授業で聞きました。これからよろしく」という挨拶が3件、こういう内容になっている。
 次にフローチャートの説明をすると、生徒指導室・補導センターで受信したときに、まず重大事案、緊急事案、緊急でない事案の判定をする。そして、緊急事案、重大事案に関しては学校へ通報して、随時経過を報告する。重大事案に関しては、更に柏市問題対策支援チーム、これはSSWとスクールカウンセラーと指導主事がチームになって学校を支援するというものだが、そういうチームが行って解決していく。
 先ほど挙げた重大事案だが、そのときの対応を説明する。まず初めに、「無視されています」ということが来た。受信をして「連絡ありがとうございます」という形で「大丈夫ですか?」と返した。そうしたら「暴力も振るわれました」ということなので、「学校に相談した方がいいですよ」と。「学校に通報していいですか?」と返して、「では、もう我慢の限界なので学校に連絡してください」ということなので、このフローチャートの中の重大事案ということで、教育委員会として学校長に直接電話をさせていただいた。学校は緊急にアンケート調査を実施して、「学校の先生、学校は守ってくれるので学校の先生に相談してみてください」という言葉を送ったところ、子供が学校の先生に相談をして、アンケート調査をもとに加害児童が特定できた。そして被害、加害の生徒が分かって学校が指導し、解決したことを報告いただいている。これが重大事案の主なやり取りである。
 期待される効果だが、今回の件も受信してから大体1週間以内で学校に通報して対応してもらったので、早期発見・早期解決が期待できると思う。電話やEメールは我々が考えている以上に子供に定着していない。アプリは現在までに22件、毎日のように来るのですごく驚いているような状況だ。このように、アプリは子供の今のコミュニケーションツールの変化に対応しているため、今後相談件数の増加が期待できると思っている。また、今までだといじめが起きて、かなり深刻な状態になってから報告を受けることが多かったのだが、このアプリだと、早期の時点で教育委員会の職員が連絡を受け取るので、学校と教育委員会が協力していじめ解決に向けて取り組むことができるという意味で、我々も本当に緊張感を持って取り組まなければいけないと考えている。さらに、このアプリから子供の様々な相談、例えばLGBTや自殺念慮や性やネットトラブル、場合によっては教師の不適切な指導に対する相談などにも対応できるのではないかと考えている。現にそういう体制も整えていきたいと考えている。
 次に課題と懸案事項についてだが、まず小学生はどうするかということである。これを小学生に導入すると言うと、小学生がスマートフォンを持つことを教育委員会が助長するのか、ということの心配もあって、今懸案材料としている。またダウンロード数だが、どうやって子供たちにダウンロードをさせるのか。中学校1年生に関しては、この後説明する授業の後に、全員にこのアプリを紹介している。中2、中3に限っては学校に任せている状況である。ただ単にプリントを配布して子供に周知している学校もあるし、全校集会でという学校もあるので、そのあたりが課題と思っている。同時に、教員一人一人と保護者への周知、そして相談員の確保、質や量なども課題と考えている。また、休日の重大事案への対応や、いたずらやなりすましへの対応も今後予想されると思っている。
【ストップイットジャパン株式会社】  続いて、ストップイットジャパンより、STOPitについての内容と私の活動を通じて分かってきたことをお話させていただく。
 私は大学と教育NPOで働いたりもしているが、なぜいじめをやっているかというと、私は小中学校で、特に高学年からかなりいじめを受けていた。私は言えなかった。いじめられることを認めたくもなかったし、何より両親に迷惑をかけたくなかったので、自分からは言えない。でも助けてくれたのは周りの人で、両親や学校の先生が気づいてくれて助けてくれた。その中で私は助けたい人を助けられる社会、勇気を持ってあの子は困っていると、そのようなことを言えるような社会を作りたいと思って、今この活動を必死に続けている。
 資料には、柏市からお話があった匿名で相談・報告ができるツールが掲載されている。チャットも匿名のままできるので、分からない情報も聞ける。緊急時には電話帳も付けているので、例えば文科省24時間SOSダイヤルに電話できる機能もある。子供たちには授業を通して、これは動画のムービーで伝えているのだが、自分の相談というよりはSNS上での会話でのいじめだったり、友達を助けるために使ってくださいと明確に伝えている。そういうところは少しSNS相談の趣旨が変わってくるかもしれないが、効果を発揮している。現在私学を含め25校、1万2千人が利用対象となっている。
 戻るが、本日事前に配られた論点(案)についても、SNS特有の課題という部分では配慮をしているつもりだ。例えば、時間外対応についてである。柏市では子供たちが18時以降にこれを使ったときには、自動的にその子供たちのスマートフォンの画面上に「ただいま時間外対応ですので、緊急に対応が必要なときはこちらの番号に連絡してください」という形で、電話に促すようにしている。それで全てが解決できるかというのは別の話だが、一定の対策はしている。
 また、子供たちにはこのSTOPitは投書箱という形で伝えている。友達の困っている状況に対しては、例えば画面や写真を記録して送ってくださいといった形で行っているので、緊急性というよりは必ず対応しますという形で伝えている。なので、子供たちから連絡が来たとしても、すぐに返信するのではなく、教育委員会の関係者間で相談をした上で適切な対応をしていただいている。
 そういった意味では、SNSの知識がなくてもいじめ対策の知識を持っている方であれば、相談員としてしっかりできると考えている。また、自治体外の子供からの利用対策だが、STOPitでは、送り手がどの学校のどの学年か、あるいはどのクラスかなど匿名の範囲を調整できるので、自治体範囲以外の地域に住む子供たちからの連絡は基本的には来ないようにしている。ただ、こちらも先ほど話があったが、アクセスコードが広がっていったら違う地域から出てくるときもある。
 課題の面もきちんとお伝えしなければいけないと思う。今、柏市では中学1年生の利用率が大体%、スマホを持っている方の所有率を掛け合わせると十数%という形だ。ただ、この数字は私には割と想定内の範囲である。というのは先行して導入いただいた大阪の学校では、最初これぐらいの数字だったが、毎学期伝えていったら半年後には60%ぐらいに上がっている。なので、私としてはこういう機能を使うときには利用者が何人いるかという数字を必ず出せるようにした方がいいと思っている。PDCAをしっかりと回して教育委員会、若しくは学校と一緒に高まっていくことを目指していくといいと思っている。
 もう一つ、STOPitの工夫でいくと、報告をした内容がスマホ上に残らないようにしている。これは子供たちがいたずらで他人のスマホを見ることがあるので、それで「お前、チクったろ」という話にもなるので、履歴が残らないよう配慮もしている。
 STOPitについては以上である。その上で、よりSNS相談が活用できる方法として3つポイントがあることが分かってきたので、お伝えをさせていただく。
 1つ目のポイントは、報告・相談窓口をツールではなくて、しっかりと教育に活用することである。先ほどの柏市からのお話もあったが、授業でもしっかりとこれは何のために使うのかを伝えることで相談件数も増えてきた。当然いたずらもあるのだが、想定よりもかなり低くできたことがよかった点かと思っている。私は、傍観者を仲裁者へと変えることが大事だと思っている。これは、委員がずっと研究をされていて、仲裁者が増えることでいじめが減ることも明らかとなっている。もちろん、国の方針でもこのような方針が出されている。こういった窓口をどう使うかというところはひとつのポイントかと思っている。
 具体的には、いじめを見つけた子供がSTOPitを活用することで、自分が被害者になることを恐れず仲裁者になることを目標としている。ネットパトロールのような周囲の大人、これはもちろん効果的だが、それだけではなくて子供たち自身が行動できる社会を作ることで、同調圧力に打ち勝って子供が伝えることで早期発見、あるいは抑止効果が発揮されると思っている。いずれはSTOPitがなくなって、必要ない社会ができればと本当に思っている。
 2つ目のポイントだが、こういった活動は、研究活動が非常に大事だと思っている。専門家の知識を形にして教員の負担を減らすべきと考えている。柏市ではお伝えさせていただいたが、いじめの発生前には千葉大学、若しくはいろいろな大学と連携を組んで授業を作って、その後に相談しやすい体制を作った。資料の中には、千葉大学、名古屋大学、静岡大学の共同研究の結果を基に、クラスの雰囲気がネットいじめのとめやすさに関わることをテーマとした授業プランが入っている。こういった授業を行うことで、傍観者であることは駄目だということを教育した上で、ST0Pitないしは何かの相談ツールを提供していくことが大事だと考えている。資料の新聞記事は、柏市での授業のものだが、専門的な知見を学校現場に生かして教員の負担を減らし、教員の皆さんがもっと子供たちと向き合える時間を作っていくべきだと考えている。
 最後に、こちらはもう論点としてあったが、相談・報告の受け手の対応マニュアル、体制を整えることが大事だと思っている。私が柏市と何か月も協働させていただき、様々な会議にも出させていただいた中で、一番感じたことは以下の点である。
 それは、先ほどもあったが、教育委員会と学校の連携ができていると、窓口はより効果を発揮して先ほどのような適切な対応が取られるという点である。学校現場での法の理解の徹底もされていて、そういったところに力強さを感じた。ほかにも先行しているたくさんのすばらしい教育委員会があると思う。先行して進んでいるところの形を何とかロールモデルにして、それを全国に発信できるような形をしていただけるといいかと思う。
 私からは以上のことをお伝えさせていただいた。是非こういったSNS窓口が広がって、子供たちが救われる日を願って私も尽力していく。
【FacebookJapan株式会社】  Facebookそのものを使って、SNSで何かいじめに対する対策をしているかと言われると、そういう部分が十分でないところもある。Facebookとして、どのようなことを青少年保護という文脈でやっているかについて、まずは御説明させていただければと思う。
 まず、Facebookそのものだが、今全世界で20億人の方に御使用いただいている。その中でLINEのような、メッセージをやり取りするアプリケーションとしてメッセンジャーというものがあり、世界で約12億人の方に使っていただいている。これだけたくさんの方々に使っていただいているので、当然サイバーブリングというが、サイバーいじめは全世界的に問題となっている。これを各国それぞれの文化と合わせて、どのように対応していくかが非常に大事な問題だと認識している。
 これは総務省の情報だが、年代別で見ると、20代の約半数がFacebookを使っていらっしゃるという情報もある。年齢的には20代より上が中心になる。さらに、実名で使っていただくのがFacebookのミソである。8割以上、85%ぐらいが実名でしっかり使っていただいているような状況である。安全対策としては、ポリシーをしっかり定めてツールを提供して教育を提供するというような、ほかの会社がやっているようなことを真面目にやっている。
 まず、ポリシーの部分だ。利用規約で全体の約束事を定めている。また、Facebookがどのようにデータを使っているかについてのポリシーや、Facebook上でどういう情報をシェアしていいかについてのコミュニティガイドラインについても細かく定めている。その中には資料の右側だが、脅迫行為、自傷行為、自殺行為、暴力的組織など、こういったものは全てFacebook上で情報交換、若しくはやり取りすることを禁止と定めている。
 青少年の保護という文脈でいくと、Facebookはそもそも13歳以上が利用可能というアプリケーションである。中学生の半ばから使っていいというような少しややこしいところがある。それから、いじめ、脅迫、嫌がらせ、こういったものはFacebook上ではシェアしてはいけないことになっている。また、特に青少年の保護という意味では、日本とは少し文脈が違うかもしれないが、最も力を入れているのが、テロの関係の組織と青少年が結びつかないようにということで、全世界で非常に気を遣って対応している。
 ツールとしてはFacebook上で、プロフィールを含めたあらゆるポストからFacebookに報告することが可能だ。例えば、いじめの投稿を見つけたとき、Facebookに対してレポートすることで、その投稿をFacebookがいじめだと判断すればテイクダウン、要は削除することになっている。そうしたものがあらゆるところから報告できるようになっている。
 基本的には、我々がパトロールすることはないのだが、報告を受けて動きを開始する。基本的に24時間365日の体制で報告を受け付けている。全世界4か所で分担して対応している。幅広い専門家を交えていて、もちろん日本語を解する者も常駐している。また、青少年に対する特別な措置としては、青少年の方が投稿する内容についてはデフォルトで友人にしか公開できないようにしている。一般的に誰でも見られる状態にはしないということである。また、その青少年の個人情報を大人ユーザーの検索に引っかからないようにする、友達申請の際に「実際に知っていますか?」ということも含めて子供の安全を守るということをやっている。
 更に加えて、Facebookでは2016年の6月から、またインスタグラムでは2016年10月から「自殺防止フロー」という機能を追加した。これは誰かが自殺をほのめかすような書き込みをしているときに、それをFacebookに報告することによって、次回その当該の方がログインするときに特別な画面に誘導して、「あなたは困っていることがありませんか? 何か手伝えることがありませんか?」という画面が最初に出てくるという形になっている。それによって友達と話してみる、若しくは気分を落ち着けるティップスを表示する、あとは協力いただいているいのちの電話や、東京自殺防止センターに直接電話をかけることができるというようなリンクも設置している。
 これに加えて、これに関連するのだが、リベンジポルノに関しても非常に対策を強めている。リベンジポルノのような画像が投稿されてFacebookが報告を受けると、Facebook、インスタグラム、それからFacebookメッセンジャーの全てで、その画像がシェアされないようにするという措置を取る仕組みを導入した。もちろん子供たちが一旦コピーして外の世界に出てしまえばほかには流通してしまうのだが、少なくともFacebook、インスタグラム、メッセンジャーで全くその画像はやり取りできない状況に設定することが可能になっている。
 教育啓発の面で言うと、ファミリーセイフティセンターを用いて、様々な情報提供をしている。この中で特に「いじめ防止ハブ」というものを公開していて、それぞれ青少年、それから保護者、教育関係者の皆様にサイバーいじめについて、どのように対応すればいいかについての情報を掲載させていただいている。これはエール大学の感情インテリジェンスセンターと一緒に研究、開発した内容となっている。青少年に関しては自分がいじめられている場合、友達がいじめられている場合、いじめの加害者として自分の名前が挙がっている場合という形で、それぞれの情報をクリックしていただくと、自分はどう考えて何をしなければいけないかということが情報として掲載されている。
 また、「いじめに悩んでいるあなたへ」というPDFの配布も行っている。これもいじめにあった場合、どのように対処すればいいかについて、同じくエール大学と作ったものである。日本のNPOの6団体の皆様とともに、日本の文化においてどのように表現すべきかについて作成の際に御協力を頂いた次第である。
 そのほか投稿する前に、いじめの根拠となりがちなシェアする内容をきちんと考えましょうなど、様々な機関等の協力体制も実施している。こちらにいらっしゃる委員も含めて、若者と直接連携しているNPOの団体などからも様々な御意見を頂戴しながら、日々よくしていこうとしている次第である。
 これは弊社の活動というわけではないが、様々な機関が使っていらっしゃるような相談窓口を簡単につくれることができる、メッセンジャーというものについて少しだけ紹介させていただいている。これは弊社がいじめについて提供しているものというわけではない。イメージとしては、チャットbotだ。チャットで自動的に無休の相談受付が可能であって、想定される質問等への自動返答や動画や画像、場合によってはライブチャット、人間にそのまま映像がつながることまで含めて、SNS上で実施できるというプラットフォームとしての機能である。
 これは別の事例だが、ライフネット生命等が相談するということで、保険の診断をするプログラムをかませてみたり、これはMEDLYチェッカーbotだが、医療である。「私はおなかが痛い」と質問していくと、「こういうものではないですか?」という答えに結びつけさせていくといったもので、この辺りまでは自動化で全て対応していくことができる。ウォンテッドリーなどの例でいくと、質問していくとどんどん選択肢や画像のようなものが出てくる。これで選択することによって、必要な情報にたどり着くものが提供できる形である。
 Facebookのこのメッセンジャーのプラットフォームは、基本的に無料でお使いいただける。いじめの窓口はともかくリーチが大事だと思う。現在何かされているものがあったら、加えてメッセンジャーアプリでもやっていただくことはすぐに無料でやっていただけるので、御利用いただければと考えている。
 さらに、Facebookのアカウントをお持ちの場合であれば、どういう方がどのようなことで相談しているかについて情報提供することも可能となっているので、その辺りも御検討いただければと思う。また、若者にはSNSによる拡散が何よりも情報につながることが重要だと思う。Facebook並びにインスタグラム等々で使っていただいて、情報拡散していただければと考えている。
【LINE株式会社】  この半年ぐらいで、実は私は青森の自殺をされた方の御家族と2回ぐらいお会いした。何でお会いしたかというと、皆さんも御存じのとおり、ネットいじめ、LINEいじめを受けて電車に飛び込んだ。特に特徴的だったのが遺書、遺書は今紙ではない。LINE上で遺書を残す。「ごめんなさい。もう耐えられません」という遺書を残した。
 実は、同じように様々ないじめを見てみると、残念ながら我々のプラットフォームであるLINE上で起こっているケースが多い。国内には様々なSNSがあるが、使っている時間数でいっても10代にとっては当社が圧倒的に多い。では、電話は使っているのか。残念ながらほとんど使っていない。
 世の中には二通りの人がいる。電話世代とSNS世代という人だ。今いじめを受けている人たちはSNS世代か、電話世代か、その答えがこちらである。10代が電話を使っている時間は一人平均2.8分、ところがLINEを中心とするSNSは一人一日当たり57.8分、そして音声通話をしているように見えても、ネット電話、LINE電話などを使っているのが4.4分、そしてメールが17分だ。
 今、24時間子供SOSダイヤルというものがあるが、子供がSOSダイヤルにかけてもなぜつながらないのか、皆さんも不思議に思われる。私も自分がかけたらつながるのに、何で子供がこの電話につながらないのかと不思議に思った。実は多くの子供たちが使っている音声電話、これは格安スマホを中心とするLINE電話だ。これでかけたら残念ながらエラーが出る。だから、子供の29%は今の24時間子供SOSダイヤルにつながるのだが、残念ながら61%の子供たちはエラーが出る。それが現状である。
 前からこの問題は指摘させていただいていた。その中でついに文科省から、今大変だけれどもSNSでしっかり受け止めなければならない、ネット電話もいじめ相談に対応しなければならない、そういう声を上げていただいた。そして、これだけたくさんの人に集まっていただいて、今いじめの相談体制を変えようという志を持っていただいたこと、そしてお招きいただいたことを本当に有り難く思っている
 さて、今日の目次はこのような感じだ。今、国会やマスコミなどで問題になっている「いじめ相談ミスマッチ問題」、正に携帯電話や固定電話はほとんど使わない。そして、圧倒的にソーシャルメディア、音声電話をしてもこういう状態だ。今これなのに、ではどういう相談体制をしていったらいいか、様々な議論がある。この問題を受けて、私はそろそろSNSで相談窓口を開いてもらえないかと文科省さんにお願いをした。
 今、そういう方向で検討を頂いているが、実はいろいろな教育委員会を回らせていただいたときにこう言われた。余りLINEを好きでない人からは「たしかに子供たちが電話をほとんど使っていないのは分かるけれども、相談窓口だけは電話の方がいいのではないか。大事なのは子供たちのニーズだから、もし子供たちのニーズで相談だけは電話の方がいいといったら電話がいいでしょう」と。それはおっしゃるとおりだ。また、「相談で考えたら、大事なのは相談者のニーズだから、相談だけは面談の方がいいというはずだ。であれば、子供たちの相談ニーズが面談だったらLINEよりも面談の方がいいですね」、おっしゃるとおりである。
 では、そのような中でいよいよ実験がされた、先行して試されたのがこちらである。札幌市だ。若者の相談ニーズの実証結果が出た。電話相談、面談、LINE相談、同じカードに入れて5万枚配った。「相談は電話の方が多いはずだ」「相談は面談の方が多いはずだ」、我々も様々な教育委員会の方からそう言われてそうなのかと思っていた。実際の結果、電話は24件、面談は0件、LINEは846件だった。皆さん方に客観的に判断していただきたい。子供たちの相談手法ニーズは電話なのか、面談なのか、LINEなのかを是非客観的に判断していただきたい。
 そして、いじめ相談はどうあるべきかが議論される。いじめ相談は子供たちのためにある。いじめ相談は子供たちに寄り添う手法であるべきである。いじめ相談が子供たちの相談しやすい手段で行うべきかどうか、これが今の最大の論点だと思われる。
 その中、SNSで相談をすることは当然メリットとデメリットがあるだろう。大きなメリットの1つは、スクリーンショットで今までの電話よりも正確に事実が伝わり、正確に相談を受けられることだ。ネットいじめを受けた場合、その画面そのものを相談窓口に転送できる。今までの電話の場合は、LINEいじめを受けても何月何日の何時のこのようなことを言われて、何月何日何時にこういうスタンプを返し、灰色のスタンプでピンク色のウサギのマークの怒った顔が来て、何月何日何時に私はこう返してと、ずっと言い続けていかなければならなかった。しかも本当かどうかもよく分からなかった。しかし、スクリーンショットは確実に事実が相談現場に伝わる。なるほど、ネットいじめの内容、やり取り、日時、すべて具体的で正確に分かったと。一方的な話を電話で聞いても、「そのようなことは送っていません」「そのようなことはやっていません」「そのようなことは言ったことはありません」、相談員はいつも両方からの言い分でどちらか分からない。でも、SNS相談ではそこは確実に変わっていく。そういう意味で、スクリーンショットで正確にすることは一つのポイントだろう。
 そして、もう一つ、SNSの中でもLINEの場合、これは一長一短かもしれないが、電話やメールは非通知でかけられる。また先ほど言ったSTOPitは匿名でかけられる。これは一つの強みだ。LINEの場合、皆さんも御存じのとおり、スマホ端末1台に1アカウントしか認めない。つまり、もう1つ自分がなりすまして誰かにはめようとする場合、もう1台スマホ端末を買わなければならない。だから、非常にいたずらやガセネタが少なかった、そういう傾向がある。ただ、匿名の方がいいという場合は、LINEそのものよりはもう1つ別なアプリをかませて匿名で相談する、これは一長一短かと思う。まず、我々はLINEを使うことによって、なりすましやいたずらのリスクが電話などよりもはるかに少なかったことを皆さんにお伝えしたい。
 しかし、デメリットもある。私も随分いろいろな自治体の教育委員会を回らせていただいた。そのときに言われた。「相談員の方は、実は電話世代の方が多かったのです。今の子供やそのお母さんはSNS世代ですが、SNS世代にとっては電話でコミュニケーションをするのは難しい、なれていない。でも、電話世代の相談員、受ける側にとってはSNSを使ってコミュニケーションをするのは、若者が電話で表現するぐらい、同じぐらい難しい」と言われた。そうだろうと。そして、なれていたら音声で聞けるものもあると、そういうベテラン相談員の経験を生かすべきだと言われた。
 そしてまた、多くのところで言われた。実は今、各自治体の電話相談員は皆同じことを思っている。電話相談員は皆SNS世代とのコミュニケーションが取れないことに不安感を持っている。そして、電話相談員は皆SNS世代とのギャップに焦燥感を持っている。その中で、実は多くの電話世代の相談員はSNS世代の子供たちのためにも役立ちたいと、そういう使命感を持っている。
 「だから、今バサッと変えたら、こういう人たちを切ってしまう。これはよくないよ」と。「多分皆さんはこの人たちは保身のために電話の方がいいと言うと思っているかもしれないけれども、実は違う。実は、現場の声を聞いたら今のSNSの対応をしなければならない、それは分かっているのだから、こういうベテランの使命感を持った人たちもきちんと使えるように考えてください」と多くの教育委員会から言われた。なるほどと。
 そこで、いろいろなところと検討して考えてみた。相談員だけ、あるいは相談者だけ、そういうものではないと。相談者の利便性と相談員の利便性、両方やっていかなければならないと。双方の立場は違うだろう。双方のメリットは違うだろう。そういったハイブリッドな新システムを作っていく必要があるだろうと思っている中で、我々が今年度から実施するプログラムがこのハイブリッドモデルである。
若者に合わせて、まずSNSで気軽にハードルを下げて相談を受ける。そこにスクリーンショットを入れれば正確に情報を受けられる。そこで、今の相談員の方々のベテランとしての経験、そして使命感をしっかり生かして、若者に寄り添ってLINEを使ってフェイスシートを作成し、スクリーンショットをきちんと撮って証拠を残した後で、今までにもおられる電話相談員や対面相談に誘導して解決を模索していく。つまり、LINEそのもので解決するのではなくて、LINEでぐっとハードルを下げて一番聞きやすい方法で聞くけれども、実際の相談からの解決は今までの手法を使う。そして、音声もきちんと使う。できたら、対面に持ち込む。そういうハイブリッドモデルがいいのではないかという議論で何か所かで進める。
 さて、本格導入に当たって、必要な研究課題が何個か見つかった。次の3つである。まず1つは、相談件数の数量的研究だ。実は、昨日もある教育委員会の方が言っていた。教育長にお会いしたら、実はうちはもう14人相談員がいる。この電話件数の相談も年々少ない。だけど、LINEで対応できる人たちをオープンにしたときに、本当に今の人数で足りるかどうか、そういう需要分析をしてほしいと言われた。そうだろうと。相談件数がどのくらいになるのか。相談者の属性がどのくらいになるのか。相談実数の予測、必要なカウンセラーの人数もきちんと考えてほしいと。そうだと思う。
 そして、もう1つ重要なのは、相談技法である。実は今、多くの自治体が様々なカウンセリング団体に、特に9時~5時を越えた後電話相談の依託をしている。そして、今自治体の電話相談では多分日本で3番目か4番目の大手のカウンセリング団体の理事長と、4、5回あって話をした。そして言われた。
 「将来的にはスクリーンショットを撮れるSNSの方が確実に正確に情報を取れる。我々のカウンセリング技法もそちらに合うと思う。でも、当面は違います。我々今のカウンセラーはSNSのなかった頃に教育を受けているから、音声などの方がカウンセリング技法が進んでいる。だけど、残念ながらSNSのカウンセリング技法はまだ進んでいないのではないですか。もうしばらくきちんと技法の研究をしなければならないし、この技法の研究はかなり大変だよ。ハードルが高いよ。困難がたくさんある」と言われた。「そうですか。無理ですか」と聞いたら、違うのである。
 言われた。「私らカウンセラーは給料をもらうためにやっているのではない。カウンセラーは本当に悩んでいる相談したい人たちのためにやっているのだから、これから百数十人いるカウンセラーを、SNS対策、対応をできるように思い切って変えていくよ」と。「え? 本当にやってくださるんですか?」と聞いたら、「それはそうだ。間違いなくこちらに流れは変わるだろう」と。「今までのカウンセラーの人たちが汗水流して一生懸命積み重ねてきたカウンセリング技法、でもこれも皆が積み重ねてきたんだよ。だから、今度は新しいカウンセラーが今の時代にあったカウンセリング技法を当然作っていく。皆その志はあるのだから、できたらLINEは今までのカウンセラーを離すのではなくて、今までのカウンセラーと一緒に歩んで自治体の電話相談を今受けている団体、そういうところと一緒にやってほしい」と言われた。「分かりました。では一緒にやっていきましょう」と。そういうことで、今幾つかの自治体の電話カウンセリングを受けている団体と話をさせていただいている。
 そして、もう1つは、心理の違いもきちんとエビデンスを取る必要があるだろう。昨日ちょうど佛教大学の先生と随分この話をさせていただいた。もっと実証、先行実施をやってみてエビデンスをきちんと作った方がいいと。最初はペルソナシミュレーションをやる。それからどんどん先行自治体を繰り返してやってみながら、テキストマイニングも行って、そして心理学をベースとした科学的検証をやっていけば、必ず電話相談よりSNS相談の方が上になる。でも、まだそこまでなっていないのだから、きちんと科学的に改善策を打っていく方がいい。なるほど、私もそのとおりだと思う。
 その中でそれも含めて先行実施モデル、年内に今年度で2つやる。A市とB県だ。これは8月上旬に、それぞれの自治体の首長と当社の社長と一緒に、文科省記者クラブで正式に記者会見をさせていただく。それまでは今伏せさせてください。具体的な話がもう間もなく出てくるが、きちんと臨床し、共同研究をし、そして技法も数も、そして更に心理的な分析もしようではありませんかということになっている。事業概要としては、以上のようにLINEのアカウントをきちんと立ち上げ、中高生世代などをきちんと分析することだと。
 そして、今そのモデルをやっていくために共同研究のパートナー、A市、B県以外に、実は今年度はそうだが、来年からやりたいという自治体が今非常に多くある。言われた。「現場の相談員、今の電話ではSNS世代の子供たちに合わないのを皆知っているから、実はずっとやりたいと思っていた」と。
 文科省のこの記事が出てから、当社に対しての問合せがものすごく増えた。だから今、いろいろな自治体の教育委員会ともお話をさせていただいている。そこに高校生の91%が利用するLINE、情報法制研究所、佛教大学の先生、東京都教育委員会の副読本である「SNS東京ノート」を作成された静岡大学の先生、慶應義塾大学の先生、それ以外にもネットいじめに詳しい大学の先生や専門家の皆さんがたくさんおられる。私たちは本日のワーキンググループの委員の先生からも是非協力を頂ける方がおられたら、声をかけていただきたいと思う。皆の英知を結集して、今の悩んでいる子供たちに向けて光を与えるべきではないか。今の子供たちに合った相談方法を作るべきではないか。今の子供たちの悩みをきちんと答えていくためには、我々だけではなくて皆さんの知見が必要だ。
 今後の課題を最後に述べさせていただく。来年度予算を付けるときには、当然SNS全てにすべきだと思う。少なくとも若年層で言えば、高校生の91%、女子高生の92%がLINEユーザーである。日本の学生においてはスマホ所有率とLINEユーザー率はほぼイコールだ。そういう意味で、我々は様々な困難があっても先行実施で走っていこうと思っている。
 当社は、約2000か所の学校で「LINEワークショップ」を実施している。様々な授業時間をもらっている。そのような中で、特に今回SNS相談をやってみよう、協力しようと言ってくださった教育委員会や学校などをしっかりと回って授業で説明をしたり、またこうした新しいツールを使ってのワークショップをしたいと思う。
 ただ1つ改善点がある。今まで情報モラル教育は様々ある。皆さんにも様々作っていただいた。しかしせっかく作ったSNS、情報モラル教材を皆、紙で印刷している。実際その情報モラル教育で作った教材をLINEそのもので子供たちに配信する方が本当は適切ではないか。この相談のアカウントに情報モラル教育のツールを配信し、情報モラル教育、SNSのモラル教育はSNSでどんどん配信した方が効率も高く、安い、そして確実に見ていただける。その3点があると思っている。
 ワーキンググループの委員の先生方に対しては、正に関係する専門家の知見を生かしてその知見を結集した新モデルの開発研究を行い、SNS世代に合ったいじめ相談体制を早急に構築する必要がある、そのために力を貸していただきたい。そして、文科省には、正直今・来年度から取り組みたい自治体が様々あるので、本当にいいものを作るために先進自治体と研究者の方々を支援していただく、そのための来年度の予算とスキームをお願いしたいと思う。
 データをたくさん取れば取るほど、そしてそのテキストマイニングをやればやるほど、より効果的な改善策が見える。数年したら、今日のこの会議がいじめの相談体制が変わった歴史的な瞬間になることを、私は確信している。昔は若者が使わない電話だけの相談だったのに、今日のこの会議から若者に合ったいじめ相談に変わっていくのだと。
 そして、このたび平成から元号が代わっていく。また電話からスマホへ代わっていく。そして、いじめ相談も若者が使わない電話から若者が使うSNSへ代わっていく。是非皆さん、力を貸してください。よろしくお願いします。


≪議題(2)質疑応答、論点について議論≫
【主査】  それでは、ただいまここから皆さん方の質疑応答に移らせていただく。まず、論点がございますので、事務局より確認をお願いします。
※事務局より論点を確認
【主査】  まず、最初の実施規模について、何か御意見がありましたらお願いします。
【チャイルドライン支援センター】  文科省が、今年度ないしは来年度に向けて、どういう方向性でお考えになっているのかをまずお聞かせいただいた上で、意見を申し述べさせていただいた方がより濃い議論の内容になるかと思う。
【事務局】  議論の方向性を少し具体的に示させていただく。このような関与を持たせていただいたので、当然何らかの形でやる方向で立ち上げている。電話は当面は引き続きやっていくと思う。別に否定しているのではなくて、新たにSNSを使った相談体制ができないか。何らかのことを来年度から、またもし先行するところが様々な事業者と組んでできるのだったら、予算が付かない形でもそれを側面支援する形で年度中に何かしらやりたいと考えているのが我々の方向性である。
 その場合に、もし予算をいろいろきちんと確保してやるような形になる場合に、先ほどLINEからあった、いろいろなデータを集めながら相談のカウンセリングの集計法をもってということであれば、いきなり全国とはならない方になるかもしれない。ただし、全国一斉でないとある県の子供だけ救われて、ある県の子供はSNSを使わない、それはどうなのかという議論があれば、必ずしも技法はまだおぼつかないかもしれないが、とにかくまずは全国でやってみようということになるかもしれない。そういう議論をかみ合わせながらやっていただきたいと考えている。それで我々がシステム設計をした上で、全体パッケージとしてこの論点の結論として施策を打ち立てたいと。もちろん事業者の方がどこで御協力を頂けるのかも組み合わせていかないといけないと思う。そういう議論を是非始めたいということで、方向性について今スタートを切ったところである。
【LINE株式会社】  1つだけこの1番の点でお願いしたいのは、若者の大体29%が以前の音声通話で、61%がネット通話を使っている。ネット通話でなぜエラーが出るのかというと、それぞれの自治体に割り振ろうとするシステムが、ネット電話はセキュリティ度が高過ぎてはじいてしまう。だから、今世の中に2万円スマホと1980円スマホがあるが、2万円スマホを使っている子供らは当然割り振れるのでそれで振ってもらってもいいのだが、割り振れない、ネット通話の子供たちが電話相談を受けられるようなところを全国1か所に作らざるを得ないのではないかと先ほど要望として言った。ただ、SNSについて言えば、我々はQRコードを自治体ごとに変えたものを作っている。だから、実は追いかけられるのだが、厳密に言うと引っ越した子供が以前のQRコードで読んでいると何個かこぼしてしまうリスクはある。
【委員】  1つ共通認識をしておきたいと思うが、子供たちは、現状できるだけスマホでお金をかけないで何かをしようという傾向がある。実際にちょうど当該の中学生ぐらいに話を聞くと、スマホの料金を親に払ってもらっているだけでも申し訳ないので、これ以上両親に大きな負担をかけたくはないと。非常にお行儀がいい答えに聞こるが、実はこれは普通の子たちに聞いた話だ。もちろん、いっぱい使ったら親に怒られるのも根底にはあるのだろうが、音声通話の方がクオリティも高かったり、途中で雑音が入ってきてうまく聞こえなくなってしまったことがあったりと、いいのが十分分かっていても、子供たちが無料通話の範ちゅうをいっぱい使っているのは、できるだけ0円で済ませたいという感覚があるのだということを認識していただきたい。また、家の電話からかけるのだと親の目があって、親に相談できないのに家の電話でリビングの真ん中でかけろというのも難しい。そういう背景があるので、そこのところは考慮していただく必要があると感じている。
【委員】  柏市教育委員会の方にお伺いしたいのだが、イメージしやすいようにSTOPitの、例えばアプリケーションの開発や導入、維持、そのほか人件費などいろいろあると思うが、経費は大体どのくらいかかっているのかを教えてもらいたいのだが。
【柏市教育委員会生徒指導室】  柏市教育委員会で、先ほど紹介した「いじめeメール相談員」がそのままSTOPitの相談の受信をしたときに返す者をやっている。STOPit自体は授業とセットになっている。これは柏市だけのものだが、授業の委託料がイコールSTOPitを使用できる権利というか、そのようになっている。
【ストップイットジャパン株式会社】  答えになっているか分からないが、柏市の場合でいうと、私たちも研究的な取り組みとして始めたので、金額も特に考えてなく、そんなにビジネス感覚もなく決めたところがある。価格としてもこれから検討していきたいとは思っている。ただ、もちろん私が赤字にならないようにということも含めて、でも最低限子供たちが使える、全国で使っていただけるような設定をむしろ探っていきたいのが今のところだ。そんなに高いなど、そうしていこうとは思っていない。
【チャイルドライン支援センター】  多分統一したプラットフォームのようなものを早急に作るのは無理だろうと私は思う。これだけ事業者さんも関わっているし、支援団体、NPO、いろいろな形でSNSによる相談事業は始めてしまっている。この上で共通のプラットフォームを作っていくことはなかなか時間のかかることかと思う。不可能ではないと思うが、近未来実現できればそれは有り難いことだとは思う。
 今の段階としては、それぞれのシステムを用いながら、冒頭で私が申し上げたように、それぞれの企業、団体、あるいは行政ができる範囲の中で文科省に側面支援していただき、文科省主導のキャンペーンを行うとすれば、夏休み明けの9月5日が私個人としても、チャイルドライン全体としても1つのピンポイントの日にちだと思っている。
 ですから、キャンペーンを張るとすれば8月15日ぐらいから広報をしていかなければならないようなタイミングに来ている。今可能な範囲の中で是非共通の最大公約数のルールを作り、文科省が旗を振って前へ進めていただくことがより現実的かという気がする。同時並行で、来年度に向けてどういうシステムを作っていくのかは考えていかなければならない。
 御承知のように子供たちのいじめ、それから自殺件数は大人に比べて減ってないわけである。中学生の子供の自死の数が増えているという傾向もある。今すぐできることと、中期的にできることと、2つに分けて考えていただいた方がよろしいような気がする。我々は1対1のチャットを使った先端事業をトライアルで実施しているが、相談員の育成はなかなか難しいことがある。だから、電話の相談員がすぐさまSNSができるかというと、寄り添い方としては基本的には一緒だと思うが、ある程度のスキルが必要になってくるので、そこら辺も一定の時間が必要になってくるとは思う。
 今、海外では145か国でチャイルドラインが実施されている。年間3千万件の子供たちからの相談を受けている。ヨーロッパだと、もう1対1のチャット相談は一般的になってきている。電話の音声通話より、チャットを含めたオンラインの相談が上回ってしまっているというような状況もあるわけである。
 その点、日本はまだまだ遅れていて、ようやく3年前からプロジェクトチームを立ち上げ、2年前からトライアルを始めた。今はこの夏休みに向けて常設化のトライアルを始める。先ほどLINEもおっしゃったように、SNSの相談を始めればニーズは確実に高いので、爆発的にアクセスが増えるだろうと思う。ただ、その相談を受けられるだけのこちらのキャパというか、力量形成や人数など、スキルの問題も含めて、慎重に確実に検討していかなければいけないことかと思っている。
【委員】  システム的なところは、また後ほどにして、実施規模について1つ例を申し上げる。東京都の「こたエール」という相談窓口がある。あれは東京都の予算で、東京都が審査をして、東京都のためにやっている。窓口で相談を受けている委託業者から内情を伺うと、沖縄から北海道まで全国から東京都の「こたエール」に相談が入っているということである。東京都の「こたエール」の担当の部署は、これは仕様がないかということで、対応もしているそうだ。
 だから、きちんとした体制で答えてもらえる、対応してもらえるところが分かると、自治体の線引きがない状態なのはネットの業界だけではない。今はもう自分のニーズに一番応えてくれるところに、たとえ県が違っても連絡したいと思うのが心情だと思う。
 特に、いじめ対策というのは、誰かそれこそ知らない人でもいいから意見を聞いてほしい、訴えに共感してほしいというところもある。地域を限るというような実験的な部分は仕方がないとは思うが、そこでやることがあればそこにどっと行くと思う。また後ほどの話になるとは思うが、スマートフォンでは位置情報が分かるので、それを最終的に振り分けられるようなシステムを使いつつ、振り分け先がない自治体の場合には、どこか中央で引き受けるような二重構造にする必要がある。地域を決めてではなくて、番号を決めて、時間を決めてなど、同じ決めるのだったらそういう決め方にして対応して実験していく方がいいのかというようなことを、これは個人的な感覚だが、東京都の事例から感じた。
【委員】  規模とは離れるのだが、今の柏市のプレゼンの中にあった、平成28年生活実態調査をみると、携帯電話もスマートフォンも持っていない子がいる。家庭のしつけで持たせていないのか、家庭の貧困のためなのか、理由はわからないが、小学校が大体35%、中学生が約18%である。今のプレゼンではあたかも全ての子がそういったツールを持ってやっているように思うが、逆にこういったツールを持たない子供たちをどのようにカバーしていくのか。ここのところを考えておかないといけないのではないかと思う。
【主査】  先ほどの無料相談とよく似た事例が生まれている。すぐさまこれを解決するわけにはいかない。インフラの問題もある。iPadの活用が教育界では進んでいる、それをどうするか。いろいろな問題、課題が絡んでくるので、少しこれは検討課題として残しておく必要があるだろうと思う。ネット弱者だけは避けたいという思いがある。そのためのアイデアをまたいろいろと頂きたいと思っている。
 大体実施規模にこだわると、後の議論ができない。今日は1回目なので、ざくっと流したいと思う。まず受付時間、これに関していかがでございますか。
【委員】  実はこれが一番言いたかったことだ。9時から夕方の6時までというのは、子供たちは平日は学校に行っている時間である。この時間に受け付けるというのは、授業中に電話をしろ、学校でLINEをしろ、Facebookを書けと言っているのと全く変わらないことになる。もちろん、不登校だったり、学校に行けなくて悩んでいる子がその時間に相談することは十分あると考えられる。でも、一般の子たちは学校で授業を受けている時間で、学校に持ってきてはいけない、使ってはいけないという状況の中で、この時間にネットで受付をするのはいかがなものかと思う。
 もちろん、土日や長期休暇や連休中は問題ないと思う。実験的にトライアルとしてやるにしてもこの辺りを考慮して、逆に大人が本来窓口に座っているべき時間ではない時間に、ネットで対応してあげるような配慮が必要なのではないかと、私は大変痛感している。
【委員】  相談を受け付ける時間に関してだが、多分相談の内容をどうしていくかによって変わってくると思っている。先ほど委員が言われていたように、実際の相談は、子供たちがSNSを使って行うというと、多分学校が終わって夕方から夜、若しくは深夜にかかっていくのかと思う。ただ、そこで必ずその場で相談を受けて、そこでやり取りを始めていくのは時間的にも難しいし、現実的ではない。トライアルという形でやる部分をどのようにしていくかは、今後議論が必要かと思う。
 先ほどの柏市のお話ではないが、通報という言葉が適当かどうかは別として、通報のような形を取るところでの24時間の受付の体制でやっていく形がいいと思っている。深夜の時間帯にそれぞれ相談を受けるということでは多分ないと思う。そういったところをある程度イメージをした中で決めていくことが必要かと考えている。
【委員】  私も現場の中学校の教員、それから教育委員会、それから大学の教員で、いろいろなところで子供たち、特にいじめられた子、いじめてしまった子に関わっている。
 一番大事なことは誰か聞いてくれる人がそばにいるという安心感だと思う。ただマンパワーもあるし、24時間ずっとというのは現実的ではない。今言ったように、誰か聞いてくれたら少し対応してくれて、誰かが聞いてくれているという安心感が最低必要だと思う。受付は僕は24時間にこだわるべきだと思う。自動応答でもいいと思う。「いついつ必ず連絡するから」といってくれる大人がいる体制があれば、全てのところが解決できるのではないかと思う。
 とはいえいろいろな費用もかかるしマンパワーもいるので、そういう意味で、今年1年、来年度ぐらいはトライアルとして、ある程度地域を絞らざるを得ないのではないだろうかと思う。「いつでも聞いてあげる」と言って、それで応答が少なくて子供たちにとって「え?」という形になるともう誰も寄り付かない。やるのであれば、マンパワーと予算との兼ね合いになるかのと、そのように私は思う。
【委員】  私も各地が柏市のように緊密だったり、いろいろなやり方で進んでいくと思うが、少なくとも全国でやるとなったら、24時間何らかの対応は必要だと思う。今、電話の対応を全国でやっておられて、まさしく9時~5時を教育委員会が対応され、それ以外は民間の方に基本的にお願いしていると伺っているが、それが大体どのくらいの率で実際にかかってきているのか、今までの実績があると思う。ネットと比べるとずっと少ないにしても。
 そうすると、マンパワーと時間との関係からすれば、一般的対応を24時間やるとしても、本当に子供たちが会話を求めている時間がこのくらいの時間帯と一定程度分かれば、その時間帯のところは実際にチャットをするなり何なりして、対応していける時間を少し振り分けていくことが考えられるのではないかと思う。現状がどのくらいかを次回にでもお知らせいただければ、そのところの判断もできると思った。
【事務局】  時間帯別については、統計がないので、現状をヒアリングするなどして次回までに調べてまいりたいと思っている。今日来ているダイヤル・サービスは、幾つかの県の教育委員会から委託を受けている会社だが、感覚でも結構なので、何時頃多いなどもし分かれば、教えていただけたらと思う。
【ダイヤル・サービス株式会社】  御質問のあった24時間のいじめ電話相談に関してである。子供だけに限らず保護者からの電話も受け付けているが、弊社は大体平日だと17時から翌朝の9時まで、土日祝日に関しては24時間委託をさせていただいている。感覚的に多いのは、17時から21時、22時台くらい、あとは朝の時間帯である。6時過ぎくらいから9時くらいまで、ここは保護者の方が多いかと思うが、その時間帯の利用が比較的多いかと思う。本当に深夜のところになると、若干精神的な障害を抱えたりという方々が不安になってかけてきたりというのが多いかという印象を持っている。
【チャイルドライン支援センター】  チャイルドラインのデータだと、チャイルドラインの実施のコア時間が16時から21時までだが、一番多いのは16時台になっている。要するに学校が終わってすぐ、夕食の前の時間帯になる。
【委員】  とても参考になる御意見ありがとうございました。
 ただ、今回やっていくのがSNSなので、子供たちが電話をしようという時間、電話をすると声が漏れるので、周りに多分お父さん、お母さんがいない時間帯ということで4時だと思う。だから、例えば子供たちが悩んで一番しんどい時間帯というのは夜中、実際自分がLINEで「ああ」となったときがあると思う。それは全く私の予想だが、本当にやってみないと分からないのが現状だと思う。その辺を含めていろいろなことに対応できる、まずはトライアルでやってみないと分からない。
 私が全国の子供たちで今、2万人ぐらい調査しているところによると、大体子供たちがネットやLINEに向き合う時間は、夜塾から帰ってからと言う。塾から帰って10時としたら、それぐらいの時間が一番コアな時間に、もしかしたらなるかもしれない。それにマンパワーで皆で関わるのはものすごく大変なことで、やってみないと分からないというのが私の現状認識だ。
【チャイルドライン支援センター】  遅い時間帯のことについて、否定するつもりは全くない。私自身、いのちの電話にも関わっているし、いろいろな相談機関に関わっている。親が寝た後の時間帯、大体10時以降というのは比較的不登校の子供や心の病を抱えているような子供たち、中には疾患を持っているような子供たちもいる。そういう子供ないしは若い人たち、大人の方もそうだ。いのちの電話などは深夜にかかってくるケースの場合は障害を持っている方々が多くなっているので、ニーズはあるとは思う。だから、24時間を否定するつもりではないので、その点御承知おきください。
【主査】  ともあれ、この課題は実際にトライアルをしていただいて、SNSでやらないと分からない部分が随分あると思う。意外な面が出てくるかもしれない。それも踏まえて、今後のプランを作っていただきたいと思っている。
 それでは、続いて、相談の流れ、それから相談を受ける方の資質、どちらからでも結構だが、いかがでございますか。
【委員】  私は、東京弁護士会で「子供の人権110番」という相談活動をやっている。大体相談自体はいじめに限定をしていない。月に大体100件ぐらいの相談の中で、いじめ関連の相談がほぼ20~30件ぐらい来ている。
 特徴として感じるのは、お子さん本人からの相談の場合、弁護士会なので本当は解決方向のアドバイスを求めているのかと思いきや、先ほども御指摘があったが、聞いてほしいということが圧倒的に多い。相当大変そうだから、何かできることを一緒に考えようかと面接に誘導したり、あるいはそういうことをしても「いや、それはいいです」といった反応や、「でも、とにかく聞いてもらって楽になりました」といった相談が、子供本人からの場合には圧倒的に多いのが現状ではある。
 なぜ弁護士会に相談してくるのかというと、子供たちが一番心配しているのは、親や知っている人に相談すると、勝手な動き方をされてもっとひどい事態になるのは怖いということだ。親が学校へ乗り込んでいく、先生がいじめがあるといって調査を始めるなど、そういうことをされるのは困る気持ちで、自分を誰も知らない人のところに匿名で相談をしたいというニーズで来ているお子さんが多い。だから、その辺とうまくマッチするような形で、かつ電話でないツールは非常に必要だろうと思う。
 ただ、SNSの場合、相談する相手がきちんと自分の信頼に応えてくれるかどうかの判断が、子供にとって付けられるかどうかのあたりが、もしかしたらハードルになるのかと思う。電話の場合、受け答えで相談員の対応に問題があったりすると、お子さんの場合切ってしまう。だから、SNSのときにどのように信頼を得られるのかは、相談を受ける側も資質というか、訓練というか相当違う意味で重要かという感じはしている。
 SNSの相談には、聞いてほしいだけの相談と解決につなげてほしい相談といろいろタイプがあると思う。それは実際に試行してみないと分からないと思う。いろいろな場合を想定して、試行をしてみることが重要と思っている。
【委員】  今正に言ったとおりで、ネットでトラブルにあったら誰に相談したいかと子供たちに聞くと、残念ながら教員が一番下だ。なぜかと聞くと、先生は暴走すると言う。暴走とは何かというと、次の日学年集会をすると言う。クラスでいじめがないクラスを標ぼうしている、学年目標にしていると。だから、もしそこでネットでトラブルがあったというと、終わりの会で前に出して2人で握手して「これで仲直り、いいだろう」という感じで、それを子供たちは称して「暴走」と言う。
先生がたは一生懸命やっている。ただ違うのは、子供たちのニーズと私たちのニーズ、ニーズというか感覚が違うので、教員としてやらなければいけないことと、子供たちの世代に大分ズレがあって、ミスマッチがいろいろなところで出ていると思う。
 特に今、相談員で多いのが校長のOBの方などである。そういう方の知見はすばらしい部分があるが、暴走する場合もある。心理的ないろいろなことも分かっている臨床心理士の方や、学校のことを分かっている校長OBの方と、若い大学生などとペアでやれるような体制が、今一番理想的なのではと思う。私の学生が今そういうものに警察署と一緒にいろいろ関わっている。へたくそだが、子供たちに寄り添うのができるのではないだろうか。ただ、危険は危険なので、何かベテランの方と一緒にペアでやれるようなものが一番理想ではないかと、私は今思っている。
【委員】  私の所属は大阪なので、大阪で子どもの権利委員会などいろいろやっている。今、委員からおっしゃっていただいたように、子供からじかにかかってくるのは正直なかなかない。大阪の場合も毎週水曜の3時~5時、それから毎月第2木曜の6時~8時でやっているが、子供から来るのはなかなかない。来ても、次電話相談から面会にとつながる子は少ないことがある。弁護士会なので、弁護士の対応だから法的なアドバイスやそういう形でやっている。そこまでを求めていないのかと感じる。
 あと一つ、大阪で特徴的なのは、毎年5月のこどもの日前後に、臨床心理士さんとペアを組んで電話相談を受けることがある。これは非常に好評で、余り数は多くないところがあるが、法的な問題と心の問題を分けて対応していくことをすると、非常にうまくいっているケースがある。今我々は心理士会と弁護士会の研修会を一生懸命やっている。これはかなり詰めていかないと駄目だし、弁護士も1年生、2年生の人が行くとなかなか難しいこともあるので、そこもトレーニングはとても大事だと思う。
 こちらからの言葉、SNSの文字で、子供たちが傷ついてもう終わりとなってしまうと、何でこのようなことになってしまったのかと、子供たちが二次被害を受ける危険性もとてもあると思う。対応する側の資質の問題等は非常に意識しなければいけないのではないかと思っている。
 教員のOBというと、学校に対してとても不満を持っている子たちにとっては、名乗らないけれども言われたら何か上から言われている感じで、うまくいかなくなることがある。要するに、最終解決を求めているわけではないところからいくのが、とても大事なことではないかということで、いろいろなキャリアを持っている人で、世代も子供たちに近い世代の人に中に入っていただくのはとても大事ではないかと思う。
 それで、できれば電話相談や面接に持っていったらいいのでは。僕などは今自分の事件をいろいろやっているが、事が大きくなってから弁護士につながる。そこにつながるのだったら、もっと早く最初の段階で、電話や面談でというところがある。なかなか弁護士の敷居が高いのか、広報が下手なのか、いろいろ手を広げてもうまくいかない。今回この中に、弁護士も一員として入れていただくような形で、法的なアドバイスなどもハードルを低くできるようにして協力できたらいいかと思っている。我々も一生懸命やっているのだが、どこに関わっていいのかわからず、若い人からは、SNSを使った相談をしようではないかといった案も出ているが、どこまで対応できるのかに限界を感じてしまっている。
 先ほど8百何件来ているなど、我々にとっては考えられない数字なので、とてもニーズがあると感じた。今回のことでは、我々も是非それにうまく絡みたいという思いを本当に強くしている。今後どのようにしていくかはとても難しい問題だと思う。試験的にどこかでやって、ある程度の問題性、課題を見た上で広げていくことが大事ではないだろうか。
【委員】  カウンセラーとしていろいろ聞いていて、どのような形で具体的にイメージできるのか、いろいろ思っていた。SNSで非常に敷居を低くして、簡単に相談してもらうのは、僕はものすごく重要だろうと思う。今、委員も言われたように、切羽詰まって最後の段階でこじれて言ってくるよりも、もっと簡単な段階、「今日友達に何言われた」ぐらいのレベルで支援ができると、非常にいいだろうと思う。そのレベルのことをカウンセラーとして治療する、変えるなどではなくて、先ほど言われたが、少し寄り添うなど、「そういうつらい思いがあるよね」「そういう人もいるよね」というやり取りができれば非常にいいだろうと思った。
 それと、学校の先生に言うと非常にこじれるという意見があった。どの統計だったか詳しく覚えていないが、学校の先生に言ってこじれた、ひどくなったというのは6.9%しかなくて、多くはいじめが減少した、変わらなかったなどとある。もちろん対応が悪ければそうなるが。よく私が講演で子供たちに言っているのは、「そういうことをいう人たちがいるが、実際ひどくなったのは6.9%しかないよ。だから、大人を信用して声をかけて」とよく言っている。
【委員】  私も全く同じことを言っている。子供たちは「先生、暴走するからなあ」と言う。よくよく聞くと、先生に相談したいのである。ほかの人に言っても、結局解決してくれるのは先生だけと子供たちは分かっている。期待を込めて彼らは僕らに「暴走せんといてな」と言う。その辺りをしっかり分かる大人が構築に関わらなければいけないと思っている。
 先生、警察、親、友達、誰に相談するかと聞いたら、第4位が先生だ。第3位は警察である。「なぜ警察のが上なん?」と子供たちに聞くと、「プライバシーを守ってくれそうや」と言う。「いや、教師も守るで」「えー?」というのが、小さいころからの積み重ねで思ってしまっている部分もある。だから、こういうことをするときには、子供たちにプライバシーは守る、そういう当たり前のことを再度提示するのも、非常に重要なことではないかと思う。
【委員】  スクールカウンセラーの先生たちに対する指導、トレーニングを何か所か、全国の集会のときにやった。地域ごとにやらせていただいたこともある。私たちネットの専門家からすると、カウンセラーの先生方の質問は答えが一緒なのに幾つも同じ質問が出てくる。要するに、心で向き合うことをメインでやってきた、ネットのことにそれほど詳しくない方たちは、ほんの少しでも事例が違うと対応が違うのではないかということで、別の答えを求めて質問してくる。だから、講座の中では5分の4を質疑応答の時間にしてしまっても質問が切れないぐらいの状況だった。相談員の教育はとても大きな問題があるかと思う。
 ただ、先ほどからお話が出ているように、生徒さんたちからの相談は友達がこのような状況なのでという目安箱的な情報共有をしたいということと、先ほどから出ているような、何もしてくれなくていいから悩みを聞いてほしいということ、あるいは本当に解決したい、対応してほしい、今すぐ何とかしてほしいということにそれぞれ分かれていると思う。例えばトライアルで実施はどれかに絞っても、違うものが来てしまうのは当然である。実験的にやれる体制でできるものをどこかに絞るのは、重要なファクターではないかと感じている。
 先ほどテキストマイニングのお話が、委員からも出ていた。私自身20年以上IBMにいて、逆にIT戦略としてコンサルティングをしてきた立場からいうと、ナレッジデータベース、知識のデータベースを充実させていかないと、指導するにも資料がない。もちろん、口頭で指導したりスキルアップトレーニングをすることは物理的には可能だが、何か困ったときに引ける辞書のようなものがネット上に存在していて、それで学ぶということも相談員の方たちにはプラスになると思う。
 ところが、Facebookとのラウンドテーブルの際、いのちの電話や東京自殺防止センターの方などに、実際に私がお伺いしてみたところ、データが残っていないと頭の中だとおっしゃる。それはそういう世代の方たちが中心になって子供たちに向き合ってくださったことの結果だとは思う。しかし30年分の自殺に対する相談のデータが頭の中に入っているとおっしゃっても、どうにもならないわけである。それをできればナレッジデータベースのような形で、ダンプアウトしていくような作業も併せて進めていけたらと思う。藤井四段の活躍もあるように、今では単純なテキストマイニングではなくても、AIというものがかなり有効活用できるくらい技術が進んできている。LINEには、子供たちが言葉かけをしたときに大好きなキャラクターが向こうから語ってくれるような公式サイトがいっぱいある。それだけでも心が癒やされているので、ナレッジデータベースができて、AIで何かの相談に対して返してあげることが、今はできないがゆくゆくできてくるようになれば、子供たちはそこに投げかけるだけで、24時間少しほっとする空間ができてくるのではないかと思う。
 なので、人海戦術でトライアルをやるのもとても大事だが、それと同時並行的にナレッジをきちんとためて、AIで二次活用ができるようなことをバックヤードで準備を進めるのが必要だ。今現役でやっていらっしゃる方たちが、そのような知識は思い出せないくらい年齢が進んでしまわないうちに、そういうところへの取組も是非同時にやっていただければと思う。
【チャイルドライン支援センター】  チャイルドラインでは創設当初からデータベースを作っているし、世界的なデータベース、これもある。次回時間があれば御紹介したいと思っている。
 文科省にお願いをしたいのは、無理に共通のプラットフォームを作るということではなくて、多様性、それから多層性を大切にしていただくことがより重要かと思う。要するに、学校の先生、教育委員会がやっているSOS、あるいは弁護士会さんがやっている110番など、いろいろな相談窓口があった方が子供たちにとっては有益だとこれまでの経験上言えることだろうと思う。だから、無理にカチッとした一つの形に当てはめるのではなくて、それぞれがそれぞれの立場と役割の中で、最大限子供の最善の利益を担保するような、そういう相談窓口を設置していただきたいと思う。
 CRCやSDGsなどに世界共通の理念は書き込まれているので、日本の子供たちに合わせた形での理念の構築、それから実施のための予算、この2点を文科省にお願いしておきたいと思っている。
 今はいじめが起こった後の話をしているわけだが、どうしたらいじめ予防ができるのか。これは本会議のテーマではないかもしれないが、子供の自己尊厳の問題、セルフエスティームの問題に非常に関わっていると思う。そのような観点からでも是非、また予防という意味も考えながら施策に反映していただければ有り難いと思っている。
【委員】  相談の流れのところで、そもそも全てSNS上で相談を受けるのか、又はつなぐのか。このように論点立てをする必要はある意味ないのではないかと思っている。資料のイメージ図でも、上の枠のところでこのように相談を受けて、こういう場合は下に流れていくというようなかたちで、全部が下に行かなければいけないわけではなく、相談を受けるところだけでいいわけだ。そういう意味で、SNS上で相談を受けてそこでとどまる話もあるだろうし、その先電話相談や面接につなげた方がいいケースももちろんあると思う。
 それを本当に統一的なプラットフォームにして、全部同じように流れるのではなく、各地がそれぞれやっていかれるとすると、それぞれのところで柏市のように基本的に下に流れる、そこがきっちり組めているところもあれば、そうではなくて全国的な、例えばLINEに乗ったところはそこの下の教育委員会とは必ずしもつながっていないときでも、電話相談として既にSOSを作っているわけだ。必要なときにはつなげることができる合意が取れれば、細かくできたところからまた別の作り方もあると思う。
 その辺はいろいろな組み合わせ方があると考えて、この流れはこちらでなければいけないなどとあまり考えないで、組み合わせていったらいいのではないかと思う。
【委員】  今ずっとお伺いしていて、いじめは学校の中で起きる可能性が高い。塾やその他の様々な習い事の中でもあるとは思うが、割合的には一番学校で起きやすい。ただ、そういうものが起きたときになかなか先生に相談できない、親御さんに相談できないというような悩みを持っている子が、電話相談以外にこういったSNSを使って相談をしていく体制は非常に有効であろうと思う。
 そして、先ほどもお話があったが、SNSで相談をする中で、解決をしたいのか、ただ聞いてもらいたいのかという部分で、その先の相談の方法やカウンセリングが当然変わってくると思う。第1報で来たとき、「ちょっと困っていることがあるんだ」という形でポンと来たら、その先どうつないでいくのかがカウンセラーに必要な技量の部分になってくる。そこは今後考えていかないといけないだろうと思う。
 ただ、解決をしていくこと、それから解決をしなければ本人が非常に危ない状況にあるときに、それをどうやって解決につなげていくのかというところは、SNSは電話に比べて大変難しいだろうと思う。それに今の子供たちの様子を見ていると、長い言葉で話をしない。とんとんと話すというか、「やだ」「迷惑だ」「もうやりたくない」など、そういう調子でポポンと来たものに対して、どうやってこれを返していくのかは、これは難しい話だろうと思う。それとすぐにその場から去ってしまうというか、今話しているのに「もういい」となってぽっと置いてしまって、その先ずっとかかってこない、つながらない。様々いろいろなことが想定されると思う。
 その辺りも実際に試験的にやっていく中で、どのようなケースが起きるかということを確認していく必要があるが、対応する方は大変難しいだろうと思う。特にLINEなどではスタンプをポンというようなものもあって、そのスタンプをどう解釈するかも使い方も個人によってきっといろいろあるだろうと思う。だから、それを積み上げていく中で、受ける側がしっかりとスキルを上げていく必要性は出てくるだろうと思った。
 それともう1つ、先ほどもお話があったが、防止の面も考えていく。だから、こういったものをスタートするときに、同時に学校に対しても、保護者やほかの人たちに対しても、こういうことをしながら傍観者を作らない、応援する立場に回るようにするなど、そういうことも一緒にキャンペーン的にやっていく必要があるのではないかと思う。
【委員】  福井県などでも、こういういじめの問題については、へき地や都市部など全く関係なく起こっている。だから、ゆくゆくは全国全体に広まっていくようなシステムになればいいと思う。
 ただ、私の県では「スマートルール」というような呼び方で、こういうものとどう付き合っていくのか、学校で、そして保護者と一緒に考えることを取り組んできている。おかげさまで小学校も、中学校も、そして高校も、全ての学校でSNSとどう付き合っていくのか、ややもすると、規則的な生活をするために、夜遅くまで使うことは慎もうという類のものが多々あったわけだ。
 今日のお話を聞いていて、そのSNSとの付き合い方の中で、こういった場合にはこういったことで聞いてくれる人がいるということについて、全く新しい視点として福井県でも考える必要があると思った。
【委員】  個人的な考えだが、中学校の現場の人間として、スマホなどなければいいのにと思うのは本音のところだ。それぐらいスマホに関わってトラブルが起きて、かつて生活指導審議委員をやっていたころはこのようなことはなかったのにというようなことばかり起きて、その指導に追われるのが現状と思っている。
 それは置いておいて、相談の流れのところで、全てSNS上で相談を受けるのかという辺りを考えると、例えばLINEの中でトラブルが起きていますよということは結構頻繁にある。結局子供たちの語彙力が足りないので、それぞれが考えていることが、お互いに意思がうまく通じないからトラブルが発生して、どんどんこじれてということが多いような気がする。全てSNS上でやり取りをしてという話は、子供たちの様子を見ているとなかなか難しいという気はする。
 東京の私の学校でいうと8割方の中学生がスマホを持っていて、便利に使っている。相談をする先としてこういう体制が作れることは、今まで電話やメールなどでとても拾えなかった層をここで拾うという話としては、とてもいいことだと思う。
 でも、これは本音だが、周知するときにはあまり学校を通じて通知はしたくないという気がする。学校を通じて周知をするということは、SNSを使っていることが当たり前ですよと学校が認めたことにもなる。できるだけ使ってくれるなと思っている僕らからすれば、そこら辺のことを言うことで、何か起きたときに、学校でそうやって認めていることで子供たちが使ってトラブルが起きている、どうしてくれるんだとまた新たな火種がそこで生まれかねないので、なかなか気分としては複雑である。
 ただ、今どきの子供たちの状況からすると、この体制は必要かと思う。どのようにうまい具合の体制ができるのか、そこら辺を是非勉強させていただきたいと思っている。
【委員】  先ほどいろいろな相談窓口があってしかるべきだ、無理にプラットフォームを作る必要はないというお話があった。いろいろな相談窓口があってしかるべき、それは大切だと思う。実は、私たちPTAは保護者の団体でもある。そういった情報を自分で取りにいかない限り、いろいろなものがあるとなかなか分からない。だから、弁護士さんのところに最後まで来ないというのは、どうにもならない状態になったので「弁護士」という選択肢が出てくるということだ。その選択肢が分からないためにそのまま放置をしてしまってよりひどくなってしまうという事案もある。
 相談の流れというところでは、最初にまずハードルを下げる意味で入っていただいて、そこから様々な情報を伝えていただく方法がないと、親も子供も自分から情報を取りにいかない限り、どこに相談をしていいのか分からないところがある。そういった視点も是非入れていただきたいと思っている。
【委員】  いじめやネットの問題が大きくクローズアップされたのが2004年ぐらいからと、それから現在だ。ガラケーの時代とスマホの時代では全く違っていて、今いろいろなネットいじめを考えるときに、ガラケー時代のネットいじめをイメージされる方がいる。
 ネットいじめはとにかく変わってきていて、ガラケー時代はメールだったのがLINEになり、LINE等は匿名が今、実名になっている。ネットでひぼう中傷していたものが、LINEがきっかけとなってそれが拡散したようになり、ガラケー時代は公然としていたものが、かげでこっそりとやれるようになった。いじめの対象が中高生から、小学生ぐらいに下がってきているのが現状だと思う。今大きく変化してきていて、この辺りを私たちがきちんと分かった上で相談体制を構築しないと、主戦場は小学校4年生ぐらいだと私は思っている。
 例えば、典型的な例を挙げると、18人中15人がLINEをしているところで、B子がA子にぬいぐるみをもらったと。「ドラえもん楽しかった」「塾で見たよ」「これから見よう」といって、B子はぬいぐるみをほめた。そのぬいぐるみがかわいかったので「このぬいぐるみ、めっちゃかわいくない」と言ったところ、この後誰からも返事が来なかった。もう分かっておられると思うが、「このぬいぐるみかわいくない」にクエスチョンマークを入れなかったので、A子は「かわいくない」だと思っていじめられたと思った。いろいろな研修会でも何でいじめられたのか、それが分からない。
 そこで「これでこの後A子はどうしましたか?」と言うと、多くの方々が「A子はB子を退会させた」と言う。LINEは昔は退会させても名前が出なかったが、今は名前が出る。子供たちは絶対退会などさせない。いじめをしたのがA子だと分かるから、このようなリスキーなことをしない。ではどうするか。B子以外で作って「最近B子は調子に乗ってる」「そうそう、ほんまそれ」となる。退職校長のOBだとこれが分からない。この辺りのことは、最低熟達しないといけないと思う。教師は見えづらいし、指導しにくい状況になっている。
 例えば、文科省の問題行動調査で、悪口やいじめ、脅しは67.3%あるが、携帯電話等でのひぼう中傷は7.8%、こんなはずはない。これは見えてないのである。先生は、目で見えるときは言える。裏でやっていることは見えない。私たちは本当に考えていかないといけないし、この辺りのことをきっちりと研修して分かった上でやらないと難しいだろうと思う。
 先ほど青森の事例をLINEが言われたので、本当かどうか分からないが、ネットで見つけた例を、考えるヒントとして皆さんに提示したいと思う。こういう写真が出てきた。とてもかわいそうな写真で、この子はこの後自殺する。親御さんがクレームをだしてもう1回出てきたのだが、それがそのときのLINEのいじめの場面だと言われているもので、真偽のほどは分からないが本当として考えてみましょう。
 「ちょ」「名前出すなって」「あ」「今のはなかったことに」「退会させるか」「それしかなくない」「オッケー」「じゃあね」、これで退会させられた。子供たちにとって、こういう実名を挙げて皆の前で退会させられることは本当にショックなことで、このようなことは死を決意するくらいのことになると思う。
 これが21時13分にあったのだが、皆さんに考えていただきたいのは、この「ちょ」と言ったのは一体何時何分だったのか。もっと言うと、この21時13分までの間に何分あるかを考えていただきたいのだが、この前もある校長会で言うと、「15分かな」「20分かな」と。実際には、1分かかっていない。
 つまり、私たちの思っているいじめやLINEの書き込みと、子供たちが実際しているLINEの書き込みとは違う。1分の間に人を殺せるのである。それぐらいのことをやってしまう。このときに「やめておき」と思った子もいただろうけれども、自分を守るためにもう必死になってしまう。こういう中で今いじめは起こっているということから、私たちは目を離すべきではないと思う。
 子供たちは被害者にも加害者にもなることがある。上に挙げた子らの何人かは「いや、そんなことはやったらあかん」と思ったことがあるかもしれない。そのときにやめようと言えるような教育を、一方では考えていかないといけないのではないかと思う。
 長くなったが、今私たちの日本が置かれている状況は、本当に待ったなしだと思う。こういうことが今小学校にもどんどん起こってきている。だから、それを待ったなしで、まず1つはいじめられている子が誰かに聞ける、誰かが手を差し伸べて「私が聞いてあげるよ」という人がいるということ、それから、周りの教員がそれをしっかりと受け止められること。結局は人の問題なのである。いじめる子もかわいそうだし、いじめられる子もかわいそうだ。だから日本中皆で、そういうことがないようなことをしてほしいと思う。
 今、私の学生たちが、上の例を使って兵庫県でいろいろ授業をしている。300校ぐらい行っている。このときにB子がどう言えばよかったかと、考えさせている。正に傍観者を仲裁者にする授業だ。子供たちはいろいろ言う。「クエスチョンマークを付け忘れているよ」「私はかわいいと思うけどな」。この前、神戸の中学生がこう言った。「どっち?」 いいでしょう? こういうことを含めて、相談ができる、またいじめがあったときに、それは駄目だと子供たちが思える。もっと言うと、駄目だと思わなくても、言えなくても、そこで何かアクションができる。そのアクションの一つとして通報するなり、相談するなり、という場面が今後絶対必要かと思う。
【主査】  5番、6番に関して、まとめてどちらからでも大変重要な議題が含まれているので、論点としてまずお考えをお示しいただければと思う。よろしくお願いします。
【事務局】  1点だけ補足させていただくと、私ども幾つかの教育委員会で、パイロット的にSNSを使った相談体制について検討してみないかと依頼をした。結論的には、教育委員会はそれぞれかなり慎重になられていて、「すぐやりましょう」というところは現時点ではなかなかない。
 その1番の問題は、皆さんおっしゃるように、SNSで命に関わる問題、例えば「今から消えたい」といったLINEが時間外に入った場合にどう対処すればいいのかと。先ほど議論があったように、例えば夜の5時から9時、10時まで受け付けたとして、その後に命にかかわるようなSNS、あるいは自分の自治体ではない、ほかの自治体の子供たち、また住所も言わないような子供たちから救いを求めるようなSNSが来たときにどう対応すればいいのかがしっかり詰まらないと、教育委員会は公的機関なので、非常に難しいということで、モデル事業的に始めるにしても、ここをしっかり詰めてほしいと言われている。
【LINE株式会社】  まずLINEの機能で言うと、時間外については自動応答で返すことができる。初めから何曜日何時から何時までと設定しておけば、そのときにぱっと何を入れても「この相談は何曜日何時から何時までです。緊急の方はこちらにお電話ください」という表示を出すことは可能なので、それである程度対応できるだろうと思う。
 ただ、先ほども何度かお願いしているように、ネット電話がつながる電話窓口を何とか文科省でお願いしたい。各県に振ろうとするから、若者たちがメインに使っているネット電話だとエラーが出てしまうので、中央に1個だけネット電話でもつながるものを作ってもらえたら、さっとそのまま通常の電話フローで行けるだろうと思っている。
【ストップイットジャパン株式会社】  恐らくLINEでできると思うが、プラスしてそのアプリの中に電話帳を入れている。そうすることで本当につながらない、応答がないときに電話できるフローも組み込んでいるので、そういったフローをサービスの中に入れることで対応は可能かと思っている。
【チャイルドライン支援センター】  この問題は、今この時間で結論を出すことは多分難しいことだと思っている。24時間アクセスができるようにしたとしても、全ての子供たちからのアクセスを受信することは無理だと思う。今チャイルドラインで年間60万件から70万件、電話発信がある。初回で受けられているのが大体20万件なので、着信率としては30%台だ。いのちの電話に至ってはもっと低い。だから、どれだけの人数、相談員の体制が確保できるかにもよるが、これは24時間開けるか、開けないかという問題ではなくて、受けられない子供たちのアクセスが必ず出ることを前提にお考えいただいた方がよろしいかと思う。
 あとは、全ての相談機関を24時間開ける必要はなくて、例えばイギリスのチャイルドラインだと、かつてやっていたのは全国7か所で日中はやって、夜間の電話は全てロンドンで受けていることがあった。だから、やり方はいろいろあろうかとは思う。
【委員】  24時間の子供SOSダイヤルは夜間にかかってきた場合には民間の方に対応していただいて、その場ですぐ話をしている形だ。重大事案的なものは統計的にどのぐらいあるのか、少し教えていただければと思うが。
【事務局】  数値として、重大な事案がどれぐらいあるかは、統計として持っていない。ただし、私ども把握しているところでは各県教育委員会で必ずマニュアルのようなものを作っている。何かあれば、例えば県の教育委員会のこの担当の人に24時間、委託を受けた方がすぐ電話をすると。県の教育委員会で判断して急ぎであれば、県教委から市教委、市教委から学校に場合によっては深夜連絡することもある。学校が、例えば生徒さんの所在確認をすることもあるだろうし、本当にもっと緊急の場合は、すぐ110番して警察に、例えば名前は分からないけれどもどの辺に今いて、携帯等を持ってということがあればすぐ110番するという、そういうようなマニュアルもあることは承知している。
【委員】  この問題は、基本的には電話であっても全く同じ問題を本質的には持っていて、どう対応したらいいのかということで非常に責任が関わってくるということで難しいと思う。そういう意味では、夜間の電話相談のときでもこういった電話は来る。そこで子供を傷つけないような、追い詰めないような、そういう対応ができることが一番求められていると。そういう問題で、ある意味では同じだと思う。
 ただ、SNSの場合、文字だけでそこを伝えていたり、文字で誤解を生みかねない表現になったりすると、リスクが大きくなるところが特徴的なことなのかと思う。そういう意味では、対応する側のどういう言葉かけが危険か、どういう形で追い詰めることになるのかなど、そういうところの訓練が求められるのが特徴と思っている。
【委員】  今の続きで少し考えたのだが、先ほどのお話の、LINEで「今死にたい」などと言って、「今対応できないから電話番号は緊急でここね」と言っても、余りそこには……。先ほどのLINEの無料電話がもしかしたらつながるようになればということだが、子供として電話をかけていくことがしんどいとなると、その場ですぐLINEの対応をしなければいけなくなってくるのか。「結局言ったけれども何もしてくれないじゃん。何のためなの?」というところになってしまうのも、大人の側の責任放棄のようにもつながりかねない。
 非常に回答には何もなっていないが、そこのところがしっかりしておかないと、結局子供にとっての最後の救いの道にはならないかと、今危惧しながら考えている。感想的なものしか今出ないが。
【委員】  110番や119番でも緊急性の高いときとそうでないときにもう番号が分かれている。同じように、もし今すぐできるかどうかは別としても、最終的には緊急性が高いものとそうでないものに関して、入り口を2つばらばらに作るのではなくて、1個の入り口に入ったときにどちらをクリックするか、どちらを選ぶかで通報が分かれるようにしておく工夫が最低限必要かと思う。緊急性が高いと当人が思っているのであれば、それは対応してあげなければいけない。大人がどうみても、どう考えても緊急性がないだろうと思ったとしても、子供自身が緊急だと思ったところに対しては誰かが反応してくれないと、より悪い方に行ってしまう。
 何年か前のツイッター社か何かの調査だったと思うが、世界的に明け方4時に「死ね」という言葉が一番多くなる。要するに、暴言が一番多くなるのは明け方の4時だと。それだけ悩んで、悩んで、悩んで、寝不足だし頭ももうろうとしてくるところで、とんでもないことを発想したり、頭に浮かんだりする時間がそのぐらいに集中することでもあると思う。
 緊急性が高いと当人が思ったときには、すぐに何らかの対応をしてあげる体制、少なくともそちら側の窓口にだけは24時間反応してあげられるような体制作りを考えて、それ以外は先ほどいろいろな方がおっしゃってくださったように、別のところへ振り分けたり、「明日連絡するよ」という反応、自動回答でも全然それで問題ないと思う。そこの振り分けだけしっかりすればあとは大丈夫という気が、安易かもしれないがしている。
【チャイルドライン支援センター】  そのとおりだと同感なところもある。ただ、現場にいると、要するに「死にたい」と語ってくれる、語りをつむいでくれる子供たちはある意味では分かりやすい。しかしながら、本当に日常会話の中で「死にたい」という思いを語ることのできない子供たちがたくさんいる。ここは相談員の力量による。その言葉の語りの中から、子供たちの心の奥底をどのように読み解いていくのか、寄り添っていくのかなので、今おっしゃったような緊急性のないものに自死念慮を抱えているような子供がアクセスしてくる可能性は高くあると思う。なので、トレーニングの際にそういう前提でトレーニングしておかないと、こちらで見過ごしてしまう可能性もある。2つに分けるところで注意をしないといけないことかと思い、申し添えておく。
【FacebookJapan株式会社】   弊社の場合は、自殺念慮のような言葉について、本人というよりもつながっている周りの人間が判断をして報告をすることをとても信頼をしている。その人の「死にたい」という言葉がどれぐらいの緊急度があるか、周りの、つながっている人がよく分かっている。その人の報告であれば優先的に対応するプロセスを取っている。
 また、実際に自殺の映像を流すなど、最近はもうそういう時代になっている。自分で切っているのをライブで中継するようなことが起きる。そういうものは報告があり次第、警察庁に直接連絡を入れる体勢を取っている状況である。
【委員】  ほとんど皆さんおっしゃったものと同じような感覚だ。24時間対応のようなもの、先ほどLINEさんでおっしゃったようなもの、それを見た子供がそこで結局がっかりしてしまうことがないように、皆さんがいろいろお考えの案で本当に大変な子についてはできるだけ対応ができるようにすることや、その辺りは本当にこの制度を作っていく中で、まさしく試行錯誤して、できるだけいい物にしていくことがあろうと思う。
 同時に複数が来た場合うんぬんというのも、電話は話し中になるけれどもSNSはならない。なるほどと思ったりもするのだが、それはそれで何件以上だったら対応できないというのも、多分そういう構築は技術的にできるのではないかと思う。そういうところはできるだけ我々が今できるだけのいい工夫をしていって、なおかつ難しいところはフォローしていくことである。
 制度を始めるからには、どうしても必要なところについては、24時間何とかチャットなどでもつないで、言葉につなぐ、その子がどこから来ているか分からなくても何とか引っ張るようなことは、まず必要だと思う。それを全国に振り分けてしまおうとすると、難しいと思う。そういう意味では、それはもう東京1か所でも、どこか1か所でも、本当にそういうところがあって、夜が明けてだんだん分かってきたところでそれぞれの学校や地域につないでいけるものを1つ作っていければいいのではないか。まさしく待ったなしでやるべきことではあるけれども、最低限そのぐらいは作れないまま、これを始めてしまうことで期待させておしまいということにならないよう、頑張らなければならないと思う。
【委員】  全く同感で子供たちは大人に期待もするし、「これやってよ」とも言う。ただ、大人がきちんと「ごめん、これしか出来へんねん」と言うと、子供は子供できちんと納得するので、「僕たちはこれだけのことを一生懸命やるけれども、これよりこういうこともあるよ」と提示すると、子供たちは納得できると思う。その辺きちんと誠意を持って子供に接する姿勢があれば、僕は大丈夫だと思う。
【主査】  今日は大変貴重な御意見をいろいろと伺って、私も随分勉強になった。ガラケー世代である。大変いろいろな角度から問題点をあぶり出していただき、かつそれへの対応に向けてのいろいろな道しるべも出していただいたと思っている。また、次回続けて議論させていただく。またこの論点に関わるところも随分あると思うので、引き続きよろしくお願いしたいと思う。
  それでは以上をもちまして、第1回のワーキンググループの会議を閉会いたします。どうも御協力ありがとうございました。


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-- 登録:平成29年09月 --