全国的な学力調査に関する専門家会議(平成29年6月12日~)(第6回) 議事要旨:文部科学省
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全国的な学力調査に関する専門家会議(平成29年6月12日~)(第6回) 議事要旨

1.日時

平成30年6月27日(水曜日)13時30分~15時30分

2.場所

文部科学省 東館3階 3F1特別会議室

3.議題

  1. 平成30年度全国学力・学習状況調査の実施報告等
  2. 平成30年度全国学力・学習状況調査英語予備調査の実施報告等(内田洋行からの報告)
  3. 平成29年度「学力調査を活用した専門的な課題分析に関する調査研究」の報告(お茶の水女子大学からの報告)(保護者に対する調査結果)
  4. 知識・活用を一体的に問う調査問題の在り方について【非公開】
  5. その他

4.議事要旨

議事1:平成30年度全国学力・学習状況調査の実施報告等


・資料1-1、1-2、1-3に基づき、事務局より説明の後、意見交換が行われた。主な意見は以下の通り。


【委員】
 今年度の全国学力・学習状況調査の結果の公表は、これまでの8月下旬から7月下旬へ一ヶ月前倒しされる予定である。これは学校現場、また教育委員会にとって大変意義がある。夏季休業中で時間が比較的とれる時期に自校の分析や課題をまとめ、そういうものを生かした授業改善策を作成することなど、結果を積極的に活用するように改めて周知いただくのは重要である。
 それから新たな分析ツールである学校別、学級別のS-P表(学校/学級別解答状況整理表)の導入は素晴らしいことである。特に最初の年でもあるので、有効に活用されるように、丁寧な説明も是非お願いしたい。
 このS-P表は、全体のマトリクスの表だけではなくて、S曲線とP曲線の開き具合を見ることによって、全体の傾向、課題みたいなものが見えるという利点がある。今後も課題としてS-P表に加えて、費用面もあると思うが、一歩進んだ活用の仕方も考えていくといいと思う。


【座長】
 結果の公表の時期が早まるだけではなくて、提供データや資料も今年度から改善を加えるということになっている。これをできるだけ現場で正しく活用してもらうことがとても重要な課題である考えている。
どういう説明が付されて、データが学校に戻っていくのかということについては、この会、あるいはワーキンググループの方で検討する時間はあるのか。


【事務局】
 結果の公表や各学校にどういう形でお返しするかということは、またワーキンググループの場でも御意見頂ければと思う。結果公表については、次回の専門家会議でも御報告させていただく予定。

議事2:平成30年度全国学力・学習状況調査英語予備調査の実施報告等


・事務局より、内田洋行の紹介後、英語予備調査についての説明が行われた。主な意見は以下の通り。


【委員】
 中学校の方で予備調査をやっているところを確認、見学に行った。PCのスペックの問題が全国で出てきていると思う。8年前のものを使っている学校、あるいは新しいものを使っている学校など様々である。スペックが低いとUSBメモリを読み込むにも時間がかかる。
自分が視察に行った学校では、USB2本では足りず、2本追加して合計4本でPCに調査問題をダウンロードしていた。4本入れれば時間が2倍短縮される。2本だと少ないと思った。それから、USBを入れたときのセキュリティーの問題。セキュリティーでシャットアウトされることもあるようなので、そうした課題もある。
 また、PC室等で一斉に調査するため隣の生徒の声が聞こえてきて、こうしたことへも対応の工夫をしていかないと、正しいデータを取るという点で課題となるのではないかと思う。
 運用の方では、いくつか課題はあるが、担当の教員が事前に説明の練習をしておくことが重要と思う。


【委員】
 英語調査については、自治体、学校の関心が高くなっている。そういう中で、求められる学力はこういうものだということを発信していくということも、学力調査の一つの大きな役割であると思う。適切な情報を発信することが大事である。
  英語教育ということとCBTを行うということを通して、各自治体がICT環境の充実を加速化していくためのきっかけ作りになればよいと思う。これがきっかけになれば自治体間のデジタルデバイドを解消することにつながる可能性もある。


【委員】
 生徒の「話すこと」調査の音声データ録音不具合は、録音データと生徒の紐付けができない状態なのか。数としては具体的にはどれくらいだったのか。


【発表者】
 実際に答えた生徒の答案番号と本人の紐付けができないということは、実は1件もない。録音したつもりが、音声ファイルとして収録されていないというのが100件程度あったと報告を受けている。


【委員】
 今は136校での試行だが、来年度1万校での実施となると、恐らくトラブルの発生件数も飛躍的に増加するはず。コールセンターの機能を拡充するなどした方がいいのではないか。


【座長】
 来年度受託したところは、今年のような予備的な調査なしで本番に臨むということになってしまうのか。それとも、何か小規模であれ事前に何か実施して見るというような機会はあるのか。


【事務局】
 今回予備調査でいろいろな課題が見えてきたことも踏まえた上で、どういうやり方がいいかというのを各社御提案頂いて、その中でやり方を、入札の適正な手続の中で選定していくという形になる。実際に委託業者が決まった後で例えば、今回の課題を踏まえて数校程度でやってみるということはあるのかもれないが、来年度また予備調査を行ってから本体調査をやるというのは時間的にも厳しいと思う。今年の予備調査の結果を踏まえた上で、把握された課題をどう改善していくかということを各社で御提案頂くというのが考え方である。


【座長】
 実施報告書の中で指摘されている課題だと、実数としては少ないが、やはり100校強でこのぐらいの件数が出てくるということは、物すごい問題が起きる可能性があるということ。それから、調査の実施方法を変えると、また新たな問題が起こってくる可能性もあると思う。準備時間は十分にお掛けいただいて、問題が生じないようにしていただければと思う。


【委員】
 話すこと調査に関しては、教員が一人一人の生徒に対面をして面接の英語調査をすると主観的になり過ぎて、全国調査としては誤差が大きく出るので、そういう意味もあって機械を活用するということになったかと思う。
 これを機会に是非英語教育を推進するという方向に、環境を整えてほしい。これはスピーキングテストが直接に狙った効果ではないが、できる限り早めに教育環境としても整えておくということは強くお願いしたい。
実施上の隣の声が聞こえてしまうことだが、これはスピーキングテストではどんなテストでも起こりうる。検定試験などでも実施環境によって隣の音がうるさくて集中できないということもある。
 スピーキングテストというと、ペラペラ話すと思い浮かぶが、問題の内容を見ると、読んで、それについて考えて答えるというような、よく練られたテストタスクになっている。スピーキングのパフォーマンス自体はそれほど複雑ではないが、それを準備するまでにやはりよく考えて、妥当な答えを出さなければいけないということでよく練られた問題だと思う。
  採点の側も教育現場にふさわしい採点をするというようなとも含めて、広い意味での活用が重要で、それを考えるいいきっかけになると肯定的に受け止めた。否定的なことを言ったら切りがない。肯定的に、見守っていただきたいなというふうに考えている。


【座長】
 今回の予備調査で上がってきた課題、それから、各事業者からの今後の技術提案等を踏まえて、来年度の英語調査に向けて周到に御準備頂くようにお願いする。

議事3:平成29年度「学力調査を活用した専門的な課題分析に関する調査研究」の報告


・事務局より、お茶の水女子大学の紹介があり、資料3に基づき、お茶の水女子大学より説明の後、意見交換が行われた。主な意見は以下の通り。


【委員】
 学力については家庭学習というのが大きいなということは常々私も感じていた。特に家庭学習の手引きを理解して家庭で学習を進めていく。学校と家庭との両方の学習によって学力が上がっていく。
 やはり授業規律がしっかりしていなければ、いくらいい授業をやっても子供たちの中には入っていかない。それをどう経営していくのかは、校長のリーダーシップと職員の意識、そしてスキルアップではないかと思う。


【委員】
 保護者調査については、どうしてもSES(家庭の社会経済的背景)、経済状況と学力の関係みたいなところに注目が集まってしまうと思う。それ自体がまずいということでは決してないが、学校や保護者の意識というところが非常に関わっていることをうまく伝えることが重要である。様々な分析がしっかり伝わっていくように工夫をしていただけたらとてもありがたい。
 この内容をしっかりと保護者たちにも伝えながら、学校と保護者とが協働していくための手法として伝えていければと思っている。


【委員】
 データ解析の側面から、相対的に「非認知スキル」とSESというのは別のものを測っているなというのが表から読み取れると思う。
  「非認知スキル」のところには、「ただし、今回の分析では両者の間に緩やかな相関があることが確認できたにすぎないため、この可能性がどの程度確かなのかはさらなる検討を必要とする」とあるが、私自身も、学力調査関係でこの種の指標をとると、やっぱり相関が低い。これを理系の方たちに見せると相関はないといわれてしまう。経済系の方もそういう批判をされる方が多い。したがって、教育におけるデータの数値の感覚みたいなものを併せて報告されないと、なかなかメッセージが伝わらないのではないかと思うが、いかがお考えか。


【発表者】
 ご指摘のとおり、相関は通常は余り高くはでない。0.2や0.3であってもこのような数値が出たということは一定の意味があったのかなと思っている。
調整済みの決定係数がこれぐらいの値であるということは、ある程度説明ができていると見ることもできるが、学力は様々な要素が深く関わっている。SESで全てが決定されるとか、家庭の経済状況で全て決まるとか、そういうメッセージを発しているわけでは決してない。
 むしろそれとは逆に、今回は、それぞれのSESグループの中でのばらつきに注目して、SESが低いグループでは相対的にばらつきが大きい。その中にいろいろな子供がいて、頑張っている子供も一定数いるんだということをメッセージとして出させていただいたつもり。そのような発信の仕方が重要と感じている。


【委員】
 平成25年度の調査結果も非常に示唆的な内容で、学校現場の先生方が非常に参考にされたと伺っている。4年後にこういうデータが出て、非常に意義がある。
  前半の量的な分析と後半の質的な研究の関係について伺いたい。相関係数のかなり上の方にある学校10校の中の子供たち、そこで指導しておられる先生方と、環境的にはSESはLowestだが頑張っている子供たちという、そこのつながりというのは何か知見が見られるものかどうか伺いたい。


【発表者】
 前半の統計分析は、保護者調査のデータと学力の結果。その関係を主に見て、後半の事例分析の方は保護者調査から得られたSESデータから推計される学校学力よりも大きく上回っている学校ということ。主に後半の事例分析の方は学校の取組に重きがある。
  比較的SESが低い地域に位置する学校でも頑張っているところは、先生方が非常にきめ細やかに、子供に対して接している。それから、一人一人見逃さない。家庭学習や保護者に対する支援、情報提供などをよく行っている地域社会と連携しているなどの特徴が見られるので、いろいろな取組が功を奏しているのではないか。また、前回平成25年度で私どもが挙げさせていただいた教育効果が高い学校での取組が、アンケート調査で見ても、今回平成29年にかけて、その取組をやっているところが増えているということは明らかになっている。そういったところは今後も続けていただける。あるいは情報提供に力を入れていけるといいと思っている。


【委員】
 とても豊かな内容と価値のある示唆に富んだ研究であると思う。まず、「非認知スキル」の重要性というところ。次期学習指導要領の「学びに向かう力」や「人間性」を学校現場ではどう受け止めていいのかというところが議論にも悩みにもなっているが、「非認知スキル」の項目の中には発達段階における「学びに向かう力」や「人間性」の具体が現れているともとれる。
 語彙とか、基本的な力が落ちているという教師の危機感の声が多かったと、学習指導以前の問題というところを指摘をされているのは、改めて我々が学力の保証と子供たちの人間としての成長の保証というところを両輪にして、取り組んでいかなければならないというところを感じさせてくれるのではないか。
 印象的なのは「即座に「教師が問題」という答えがB校長とC教頭から返ってきた」(参考資料3 P28)というところ。チーム学校と教師が子供たちの学力保証、成長保証ということを成し遂げていく上で学校と教師が大きな役割を果たせるということを示している言葉でもあると思った。
 目の前の子供たちの実態を見て、その原因をしっかり考えて、その課題にアプローチできるいろんな工夫をしている学校や先生にとって、本調査で示していただいているいくつかの学校の姿は、大いに勇気づけられるものではないかと感じられた。

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初等中等教育局参事官付学力調査室

(初等中等教育局参事官付学力調査室)

-- 登録:平成30年07月 --